JP4737882B2 - 蒸気タービンプラントの車室 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気タービンプラントに用いて好適な蒸気タービンプラントの車室に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より用いられている蒸気タービンプラントは、これを構成する材料強度の制約により約570〜610℃の蒸気温度が最高とされている。しかしながら、近年タービン効率の向上が求められており、さらなる蒸気温度の高温化が要求されている。
このような状況下において、高温蒸気が蒸気タービンプラントの車室内に流入される通路である管台を有する管台部は、高温蒸気に直接さらされることになる。このため、管台部は十分な肉厚を有する構造とされることによって強度の確保がなされ、クリープ等の経年変形が抑えられている。
【0003】
従来の蒸気タービンプラントの概略構成について図を用いて説明する。
図4は、従来より用いられている高中圧蒸気を用いた蒸気タービンプラントを示し、中心軸を含む側断面図である。符号2は、該蒸気タービンプラントのタービン1を収容する車室2を示している。該車室2は、上部車室2aと下部車室2bとの2分割構成とされ、この分割箇所においてボルトを用いて固定されている。
符号Aにて示される部位は管台部Aを示している。この管台部Aは、車室2の一部を構成するものであり、高圧蒸気が流入される各高圧管台3(管台)と、中圧蒸気が流入される各中圧管台4(管台)とがそれぞれ設けられている。なお、図において各高圧管台3及び各中圧管台4は、上下に1本ずつ示されているが、この図は中心軸を含む断面であるため、上下に1本ずつしか示されておらず、この断面に対して対称に別の各高圧管台3及び別の各中圧管台4が設けられている。よって、図4のC−C断面における車室2の構成は、図6に示される構成となる。下部車室2bにおいても同様に管台部が形成されており、各高圧管台3及び各中圧管台4が設けられている。よって、上側の管台部Aには2本の各高圧管台3及び2本の各中圧管台4の計4本と、下側の管台部には2本の各高圧管台3及び2本の各中圧管台4の計4本とされた合計8本の各管台3,4…が設けられている。なお、管台の数は、その蒸気タービンプラントの仕様によって異なり、図4は一例として示している。
符号5及び6は、タービン1の一部を構成する羽根車を示し、それぞれ高圧蒸気用の高圧羽根車5及び中圧蒸気用の中圧羽根車6を示している。
高圧管台3から流入された高圧蒸気は、高圧羽根車5を通過する過程において高圧羽根車5を回転させながら膨張する。これによって高圧蒸気の熱エネルギーが、運動エネルギーに変換されることとなり、タービン1の回転動力となる。また、中圧管台4から流入された中圧蒸気は、中圧羽根車6を通過する過程において中圧羽根車6を回転させながら膨張する。これによって中圧蒸気の熱エネルギーが、運動エネルギーに変換されてタービン1の回転動力となる。
【0004】
次に、管台部Aの構成について図5を用いて説明する。図5は、図4の矢視Bにおける管台部Aを上面から示した蒸気タービンプラントの部分平面図である。
この管台部Aは、上述したように車室2の一部を構成するものであり、各高圧管台3と、各中圧管台4と、これらを支持する周囲部位をいうものである。
この管台部Aの中央部付近には、これら各管台3,4…に流入する蒸気の流通方向とほぼ同一方向、つまりは紙面に対して垂直方向に貫通するように設けられたダミーバランス管7が備えられている。このダミーバランス管7は、タービン1の回転におけるスラストバランスを確保するために圧力差のある高圧側の車室2と中圧側の車室2とを連通させ、蒸気を流通させる役目を担っている。ダミーバランス管7を流通する蒸気は、蒸気ボイラー等から直接的に送られる蒸気ではなく、主として膨張後の蒸気であるため、各管台3,4…から流入される蒸気よりも低温である。
また、各中圧管台4の間には、点線で示されるサーマルシールド8が管台部Aの内壁部に備えられている。また、各高圧管台3の間においても図示されないサーマルシールドが備えられている。
【0005】
さらに、図6を用いて車室2の構造を説明する。図6は、図4の蒸気タービンプラントの車室2におけるC−C断面を示している。なお、図6に示される符号は、図4及び図5に示した符号と同一であるため、一部その説明を省略する。
上部車室2aと下部車室2bとに分割された車室2は、水平部Hにおいて複数のボルト10によって固定されている。また、この水平部Hの車室左右内側には、サーマルシールド9が設けられている。
また、各中圧管台4の間の部位は、上部車室2aにおいて頂部D、下部車室2bにおいて底部Eをいうものであり、これら頂部D及び底部Eの車室2内面は内壁部Fをいうものでもある。頂部D及び底部Eには、図6に示したようにサーマルシールド8が管台部Aの内壁部Fとの間に空間部11を有するように設けられている。
なお、高圧管台3における車室2の構成についてもほぼ同様であるため、図示して説明することを省略する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示される上下の各中圧管台4から約570〜610℃という高温蒸気が流入されると、この壁面は直接高温蒸気と接触するため、温度が即座に上昇する。管台部Aの温度が上昇すると、上下の各中圧管台4の壁面等の高温な箇所から漸次熱膨張することとなり、両中圧管台4の中心軸側部位の熱応力は互いにその両中圧管台4の中間部位に集中する。つまり、これら両側から伝わる熱応力が各中圧管台4に囲まれた頂部D及び底部Eに特に集中する。
蒸気タービンプラントの運転開始時における車室2の温度が、常温から蒸気温度に上昇する非定常時の段階においては、両中圧管台4の内側と外側との温度差が大きいため問題である。
もちろん、熱応力の増大は、高温蒸気が流入される各高圧管台3(図5参照)においても同様に発生する。
【0007】
さらに、車室2の水平部Hには、サーマルシールド9が設けられている。このサーマルシールド9は、車室2の上下を固定するボルトが加熱されるのを防止している。ボルトが加熱されると、ボルトの熱膨張あるいはクリープ変形等により締め付け力が低下してしまう。そのために、サーマルシールド9を設けて水平部Hへの遮熱が行われている。
しかし、水平部Hにサーマルシールド9が設けられることによって、水平部Hの温度上昇が管台部Aに比べて遅くなる。管台部Aと水平部Hとの温度差が生じると、管台部Aに熱応力が発生することとなる。
さらに、水平部Hはボルト10の固定部位であるため熱容量が大きく、熱膨張が発生しにくい箇所でもある。
管台部Aの温度が高い上に、熱応力が発生する状況下においては、蒸気タービンプラントの高温化は困難であり、車室2を構成する管台部Aの冷却が不可欠である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、車室の信頼性を向上し、低コスト化が実現できる蒸気タービンプラントの車室を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の蒸気タービンプラントの車室は、タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台部を有し、
該管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられた蒸気タービンプラントの車室において、
前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成されていることを特徴とする。
【0010】
このような蒸気タービンプラントの車室によれば、管台部に貫通するように設けられたダミーバランス管を用いて、この内部を流通する流体が管台部の内壁部に向かって孔から流出される。この孔は、ダミーバランス管の内壁部付近の位置に設けられ、この内部の流体が内壁部に向かうような方向性をもって形成される。内壁部の表面に接触した流体は、ここから熱の吸収を行い、内壁部の温度を低下させることとなる。熱を吸収した流体は、管台から流入される高温蒸気とともに車室内のタービンに送られる。これにより、管台部の熱がタービンを回転させる高温蒸気に回収されることとなる。
【0011】
請求項2に記載の蒸気タービンプラントの車室は、請求項1記載の蒸気タービンプラントの車室において、前記管台部の前記内壁部には、熱を遮熱するサーマルシールドが内壁部との間に空間部を有するように設けられ、
該サーマルシールドには、前記空間部の内部流体が流出される一または複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このような蒸気タービンプラントの車室としたことで、サーマルシールドと内壁部との間に形成された空間部にダミーバランス管を流通する流体が流出され、この空間部にて管台部の内壁部と内部流体との熱交換が行われる。この空間部には、管台から流入される高温蒸気が流入しないように構成することが好適であり、また、ダミーバランス管から流出された流体が、直ちに車室内に流出しないように構成することが好適である。
管台部の内壁部から熱を吸収した内部流体は、サーマルシールドに設けられた貫通孔から流出され、管台から流入された高温蒸気とともにタービンに送られる。これにより、管台部の熱がタービンを回転させる高温蒸気に回収されることとなる。
【0013】
請求項3に記載の蒸気タービンプラントの車室は、請求項2記載の蒸気タービンプラントの車室において、前記貫通孔は、前記タービンの略中心方向に臨んで開口する一または複数の円形孔とされていることを特徴とする。
【0014】
このような蒸気タービンプラントの車室としたことで、管台部の内壁部に設けられたサーマルシールドには、タービンのほぼ回転中心つまりは、車室内に流入される高温蒸気の流通方向とほぼ平行に向けられた一または複数の円形形状の貫通孔が形成される。
サーマルシールドによって形成された空間部において管台部の熱を吸収した内部流体は、この円形孔から流出され、管台から流入される高温蒸気とともにタービンに送られる。従来サーマルシールド付近の蒸気の流れには、この形状によってもたらせられる流れの澱み域がある。この澱み域に空間部の内部流体を流出させ、澱み域の減少あるいは排除がなされるように円形孔の位置、円形孔数、あるいは円形孔の方向性を導くことが好適である。このようにすることで、空間部の内部流体の流通がスムーズになり、管台部の熱吸収量が増すとともに、流れの損失を低減させる。
【0015】
請求項4に記載の蒸気タービンプラントの車室は、請求項2記載の蒸気タービンプラントの車室において、前記貫通孔は、前記タービンの略中心方向に臨んで開口する一または複数のスリットとされていることを特徴とする。
【0016】
このような蒸気タービンプラントの車室としたことで、管台部の内壁部に設けられたサーマルシールドには、タービンのほぼ回転中心つまりは、車室内に流入される高温蒸気の流通方向にほぼ平行向けられた一または複数のスリットが形成される。
サーマルシールドによって形成された空間部において管台部の熱を吸収した内部流体は、このスリットから流出され、管台から流入される高温蒸気とともにタービンに送られる。従来サーマルシールド付近の蒸気の流れには、この形状によってもたらせられる流れの澱み域があることを説明したが、スリットにすることにより、内部流体の方向性及び流出量を容易に調整することができる。また、スリットとすることで、空間部の内部流体の流通がスムーズに導かれることとなり、管台部の熱吸収がより効果的に行える。
【0017】
請求項5に記載の蒸気タービンプラントの車室は、タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台を有する管台部を備えた蒸気タービンプラントの車室において、前記管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられ、前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成され、前記管台の外郭には、蒸気の流通方向と略平行なフィンが立設固定されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成としたことで、高温蒸気が流入される管台の外郭には、冷却用のフィンが立設固定される。よって、高温な管台からフィンへの熱伝達がなされる。
このフィンは、高温蒸気の流通方向とほぼ平行となるように外郭に配設され、熱による円周方向の膨張に対して拘束しないものとされている。隣接するフィンの間は、冷却するための空気が流れ、フィンの上下方向が流通方向とされているため、空気の自然対流が効果的になされ、フィンつまりは管台の冷却がなされることとなる。
管台及びこの管台を構成する管台部が蒸気タービンプラントの上方あるいは下方に設けられている場合、空気の自然対流が特に期待できる。また、管台部は非常に高温であるため、周囲の雰囲気温度において十分な空気の対流が導かれれる。
【0019】
請求項6に記載の蒸気タービンプラントの車室は、タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台を有する管台部を備えた蒸気タービンプラントの車室において、前記管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられ、前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成され、前記管台の外郭には、360度以下の有端状のフィンが立設固定されていることを特徴とする。
【0020】
このような構成としたことで、高温蒸気が流入される管台の外郭には、冷却用のフィンが立設固定される。このフィンは、例えば管台のほぼ円周方向に沿って立設する渦巻状とされ、管台に流入される高温蒸気の流通方向に対して傾斜して設けられることとなる。また、管台は流入される高温蒸気によって円周方向に熱膨張するので、この熱膨張を拘束して熱応力を増大させないように、360度以下の有端状とすることが好適である。さらに、管台への冷却を行う空気の対流をより導くために、立設する角度とフィン長さ及び厚さを選定し、また、フィンの傾斜角度を蒸気の流通方向に対して鋭角となるように形成することが好適である。
【0021】
請求項7に記載の蒸気タービンプラントの車室は、請求項5または請求項6記載の蒸気タービンプラントの車室において、前記フィンの外側には、シールドが設けられていることを特徴とする。
【0022】
このような構成としたことで、フィンとシールドとの空間において空気が対流する通路が導かれ、管台からの熱伝導よって高温となったフィンと、ここを通過する空気との間においてフィンの熱が吸収されることとなる。このシールドは、空気の流入出が可能な流入口と流出口とを有するように管台の周囲、つまりはフィンの外側に周着させることとなる。よって、シールド端部と管台部表面との隙間を設けて取り付けられる。
管台の熱はシールドによって遮熱されている。よって、シールド内に流入する空気によって管台の冷却がなされ、熱を吸収した空気が再度シールド内に流入されることが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の蒸気タービンプラントの車室2に係る管台部Aを示し、タービンの回転中心軸を含む概略断面図である。
図1に示される管台部Aにおいて、符号4は中圧管台(管台)を示し、蒸気ボイラー等にて生成された高温な中圧蒸気が流入され、タービン(図示せず)を収容する車室2の内部に導くようになっている。この中圧管台4は、この断面において対称となる位置に同一な中圧管台4が備わり、この間には管台部Aに貫通するダミーバランス管7が設けられる。また、2本の中圧管台4の間であって、管台部Aの車室2の内壁部Fには、サーマルシールド8がダミーバランス管7と端部側で密着し、且つ空間部11を有するように設けられる。
【0024】
ダミーバランス管7は、タービン1の回転におけるスラストバランスを確保するために圧力差のある車室2間を連通させ、蒸気(流体)を流通させる役目を担う。このダミーバランス管7は、特に、蒸気タービンプラントが高圧、中圧、低圧等の蒸気を組み合わせて用いる場合において備えられる。ダミーバランス管7を流通する蒸気は、本図で示される場合において下方から上方に向かって流れ、一旦車室2の外側を通って再度車室2の内部に送出される。
【0025】
ダミーバランス管7を流通する蒸気の一部は、管壁の側面に設けられた孔7aからサーマルシールド8によって囲まれた空間部11に流出される。この蒸気(内部流体)は、管台部Aの内壁部Fに接触することによって、管台部Aの熱吸収を行う。
管台部Aの内壁部Fから熱を吸収した蒸気は、サーマルシールド8に形成されたスリット8aから車室2内部に流出される。
【0026】
次に、図2を用いてサーマルシールド8から流出される蒸気の流れについて説明する。図2は、本実施形態の蒸気タービンプラントに係る中心軸に直交する断面を示し、中圧管台4における車室2の断面図である。同図は、図6に示される従来の蒸気タービンプラントと構成が異なる箇所について説明し、その他は説明を省略する。
【0027】
管台部Aの頂部D及び底部E、換言すれば管台部の内壁部Fには、上述したスリット8aを有するサーマルシールド8が設けられる。サーマルシールド8によって形成された空間部11の蒸気(内部流体)は、スリット8aからタービン(図示せず)のほぼ回転中心方向に向かって矢印に示される方向に流出される。この矢印で示される蒸気の流れは、各中圧管台4から流入される高温な中圧蒸気の流れに合流し、タービンに送られる。
管台部Aの頂部D付近は、従来より各中圧管台4から流入される高温蒸気の澱み域であった。この領域にスリット8aから蒸気(内部流体)が流れ込むことによって、蒸気の流れが整流されることとなる。
【0028】
このように、本実施形態の蒸気タービンプラントの車室2においては、ダミーバランス管7の管台部A付近には、このダミーバランス管7の内部を流れる蒸気がサーマルシールド8に囲まれた空間部11に流出される孔7aが形成され、このサーマルシールド8にはスリット8aが形成されているので、管台部Aの冷却が行われることによっての熱応力の低減が図られ、車室2のクリープ変形等を防止することができる。よって、車室2の信頼性を向上することができる。
あるいは、車室2の温度が低下することによって、従来より強度確保のために添加していた例えばCr(クロム)等の含有量を低減することができ、低強度部材を用いて車室2及び管台部Aを形成することが可能となり、コストの低下を実現することができる。
さらに、管台部Aの熱がタービンを回転させる高温蒸気に回収されるため、蒸気タービンプラントの運転効率を向上させることが可能となる。また、スリット8aから流出される蒸気が、タービンを回転させる高温蒸気の流れをスムーズに導くことによって、蒸気タービンプラントの運転効率を向上させることが可能となる。
【0029】
なお、本実施形態の変形例として、以下の構成としてもよい。
図1または図2に示されたサーマルシールド8のスリット8aは、円形孔とすることが可能である。これによれば、容易に加工することができ、コストの低減が可能となる。
また、中圧管台4を含む管台部Aを主として冷却する構成としているが、並設された高圧管台(図4、図5参照)に向けられた孔をダミーバランス管7に形成して、高圧管台側のサーマルシールド(図示せず)に囲まれた空間部(図示せず)に内部の蒸気を流出させて冷却することも可能である。この場合、中圧管台4側のサーマルシールド8を延長した一体化構造のサーマルシールドとすることが好適である。
これによれば、管台部Aの全域にて冷却がなされ、部分的な熱応力の増大が回避でき、より信頼性の高い蒸気タービンプラントの車室が実現できる。
【0030】
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本実施形態の蒸気タービンプラントに係る高圧管台3(管台)を示した部分断面斜視図である。
高温な高圧蒸気が流入される高圧管台3の外郭には、立設された複数のフィン12が取り付けられる。これら各フィン12は、高圧管台3に流入される高圧蒸気の流通方向とほぼ平行となるように、該管台3の長軸方向とほぼ平行に取り付けられる。また、これら各フィン12の外側には、シールド13が設けられる。該シールド13は、高圧管台3を支持する管台部Aの上面との隙間を設けて取り付けられており、反対側は高圧管台3に接続される配管(図示せず)と干渉しない程度の高さとされる。
【0031】
流入される高温蒸気によって高温となった高圧管台3は、この壁面に取り付けられた各フィン12に対して熱伝達することとなる。これにより、高圧管台3から熱を吸収した各フィン12は、この周囲の空気に対して熱を放出する。熱を吸収した空気は、自然対流により上昇し、シールド13の上方から放出される。また、これによって、シールドの下方から新たに空気が流入され、これを繰り返すことによって、各フィン12の熱が空気に常時吸熱されることとなる。このように吸熱されることによって、管台部Aの温度は約10℃〜20℃低下する。
なお、空気の自然対流による放熱であるため、高圧管台3が車室の下側に備わる場合においては、空気の流動方向は同図に示される方向と反対向きになる。
【0032】
このように、本実施形態の蒸気タービンプラントの車室2においては、高圧管台3の外郭には各フィン12が立設され、さらにこの外側にはシールド13が設けられるので、空気の自然対流によって効果的な高圧管台3及び管台部Aの冷却が可能となり、車室2の信頼性が向上する。従来より高温に対しての強度を上げるために例えばCr(クロム)等を添加していたが、これによって添加する量を削減でき、材料コストの低減が可能となる。また、シールド13によって高温な高圧管台3の隔離がなされるため、この周囲への安全性が得られる。
【0033】
なお、本実施形態の変形例として、以下の構成としてもよい。
各フィン12は、蒸気の流通方向に対して傾斜させること、または各フィン12を管壁に対して傾斜するように立設すること、または高圧管台3の円周方向に巻くこととしても可能である。
これによれば、空気の自然対流が導かれにくい車室位置に高圧管台3が形成された場合、例えば、各フィン12が管台の蒸気の流通方向であってその管台が鉛直方向に設けられていない場合は空気の自然対流が減少することとなる。このような場合において、各フィン12の取り付け方法を上述のようにすることで、空気の流入を効果的に導くことが可能となる。
また、本実施形態は、高圧管台3において説明したが、中圧管台4(図4参照)において実施することはもちろん可能である。
【0034】
なお、上述した2つの実施形態は、それぞれにおいて管台部Aの冷却を目的として構成されている。よって、これら2つの実施形態を組み合わせて管台部Aを冷却することはもちろん可能であり、さらなる車室2の信頼性の向上が実現される。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ダミーバランス管には、管台部に向けられた流体が流出される孔が形成されているので、流出された流体によって管台部の冷却が行われ、車室の熱による変形が防止され、車室の信頼性が向上する。また、管台部の温度の低下により、低強度部材によって車室を構成することができ、安価な部材による低コストな蒸気タービンの車室が実現することができる。同様に、管台部の温度の低下により、蒸気の高温化を導くことが可能となり、高効率な蒸気タービンプラントが実現できる。
さらに、ダミーバランス管から流出する流体は、管台部の熱吸収を行なって管台から流入される蒸気に熱を伝達する。よって、熱回収がなされることによって、高効率な蒸気タービンプラントが実現できる。
【0036】
請求項2記載の発明によれば、管台部の内壁部には、サーマルシールドが内壁部との空間を形成するように設けられ、このサーマルシールドには貫通孔が設けられているので、ダミーバランス管から流出される流体が、サーマルシールドによって形成された空間において効率的に管台部を冷却することとなる。また、管台部を冷却した流体は随時貫通孔より排出されるので、管台部の冷却効果が高まる。
よって、管台部を構成する車室の信頼性が向上し、蒸気タービンプラントの低コスト化、あるいは高効率化を実現することができる。
【0037】
請求項3記載の発明によれば、サーマルシールドには、タービンの略中心方向に臨んで開口する円形孔が形成されるので、円形孔から流出された流体によって管台部付近の蒸気流れが整流され、蒸気の澱み域が減少あるいは排除されることとなり、従って、蒸気タービンプラントの運転効率を向上させることが可能となる。また、この円形孔は、容易に加工することが可能であり、コストの上昇を防止することができる。
【0038】
請求項4記載の発明によれば、サーマルシールドには、タービンの略中心方向に臨んで開口するスリットが形成されるので、このスリットから流出された流体によって管台部付近の蒸気の流れが整流され、蒸気の澱み域が減少あるいは排除されることとなり、従って、蒸気タービンプラントの運転効率を向上させることが可能となる。特に、スリットから流出された流体は、流れの方向性が容易に導かれるので、蒸気の澱み域の排除あるいは大幅な減少がなされる。
【0039】
請求項5記載の発明によれば、管台の外郭には、蒸気の流通方向と略平行なフィンが立設固定されるので、高温蒸気によって高温化された管台が、フィンを介して空気の自然対流により冷却されることとなり、管台及びこれを含む管台部のクリープ変形・塑性変形等が防止され、信頼性の高い蒸気タービンプラントの車室を形成することができる。また、管台及び管台部の温度の低下により、低強度部材によって車室を構成することができ、安価な部材による低コストな蒸気タービンプラントの車室を実現することができる。同様に、管台部の温度の低下により、蒸気の高温化を導くことが可能となり、高効率な蒸気タービンプラントが実現可能な蒸気タービンプラントの車室を提供することが可能となる。
【0040】
請求項6記載の発明によれば、管台の外郭には、360度以下の有端状のフィンが立設固定されるので、高温蒸気によって高温化された管台が、空気の自然対流によって冷却され、車室の信頼性が向上する。このフィンは、自然対流が行われやすい角度において立設固定されるので、管台の冷却効果が高めることができる。また、管台の車室における設置位置に対して、最適な空気の自然対流を導くことができ、良好な冷却効果を得ることができる。
これにより、管台部のクリープ変形・塑性変形等が防止され、信頼性の高い蒸気タービンプラントの車室を形成することができる。また、管台部の温度の低下により、低強度部材によって車室を構成することができ、安価な部材による低コストな蒸気タービンプラントの車室を実現することができる。同様に、管台部の温度の低下により、蒸気の高温化を導くことが可能となり、高効率な蒸気タービンプラントが実現可能な車室を提供することができる。
【0041】
請求項7記載の発明によれば、管台に立設固定されたフィンの外側にシールドを設けたことで、シールドとフィンとによって形成された空間にて下方から上方へと流れる空気の自然対流が導かれるので、高温化した管台の熱回収が効果的に行われることとなる。また、高温化した管台がシールドによって覆われることになり、作業者への危険防止がなされることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における蒸気タービンプラントの車室に係る管台部を示し、タービンの中心軸を含む概略断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態における蒸気タービンプラントの車室を示し、管台部を含む中心軸に直交する車室の断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態における蒸気タービンプラントの車室に係り、管台を示す部分断面斜視図である。
【図4】 従来の蒸気タービンプラントの中心軸を含む側断面図である。
【図5】 従来の蒸気タービンプラントの車室に係る管台部を示し、図4の矢視Bにおける蒸気タービンプラントの部分平面図である。
【図6】 従来の蒸気タービンプラントの車室に係る断面であり、図4のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 タービン
2 車室
3 高圧管台(管台)
4 中圧管台(管台)
7 ダミーバランス管
7a 孔
8,9 サーマルシールド
8a スリット
11 空間部
12 フィン
13 シールド
A 管台部
D 頂部
E 底部
F 内壁部
H 水平部

Claims (7)

  1. タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台部を有し、
    該管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられた蒸気タービンプラントの車室において、
    前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成されていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  2. 請求項1記載の蒸気タービンプラントの車室において、
    前記管台部の前記内壁部には、熱を遮熱するサーマルシールドが内壁部との間に空間部を有するように設けられ、
    該サーマルシールドには、前記空間部の内部流体が流出される一または複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  3. 請求項2記載の蒸気タービンプラントの車室において、
    前記貫通孔は、前記タービンの略中心方向に臨んで開口する一または複数の円形孔とされていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  4. 請求項2記載の蒸気タービンプラントの車室において、
    前記貫通孔は、前記タービンの略中心方向に臨んで開口する一または複数のスリットとされていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  5. タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台を有する管台部を備えた蒸気タービンプラントの車室において、
    前記管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられ、
    前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成され、
    前記管台の外郭には、蒸気の流通方向と略平行なフィンが立設固定されていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  6. タービンを収容しつつ、該タービンに流体が流入される管台を有する管台部を備えた蒸気タービンプラントの車室において、
    前記管台部には、前記タービンのスラストバランスを確保するために車室内へと流体を流入させるダミーバランス管が貫通するように設けられ、
    前記ダミーバランス管には、前記管台部の内壁部へ前記流体を流出させる孔が形成され、
    前記管台の外郭には、360度以下の有端状のフィンが立設固定されていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
  7. 請求項5または6記載の蒸気タービンプラントの車室において、
    前記フィンの外側には、シールドが設けられていることを特徴とする蒸気タービンプラントの車室。
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