JP4731943B2 - 環状反応器、その作製方法及びシール方法 - Google Patents

環状反応器、その作製方法及びシール方法 Download PDF

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Description

本発明は、環状反応器、その作製方法及びシール方法に関し、より詳しくは炭化水素の脱水素や炭化水素の水蒸気改質、あるいは排気ガス浄化などに用いられる環状反応器、その作製方法及びシール方法に関する。
従来、環状成型触媒を充填した環状反応器が知られており、環状反応器ではその触媒に反応原料流体を流通させることで所期の反応生成物が生成される。このように環状成型触媒を容器に充填して使用する場合、触媒と容器の隙間のシール方法として、(a)無機質繊維マットを触媒の外側に巻いてシールする方法(特開2002−50383号公報)や(b)触媒とケースの間に拡径可能なスペーサを入れ、触媒の弾性を利用してシールする方法(特開2001−355437号公報)が提案されており、また(c)触媒の大きさを調整し、スペーサ無しで充填する方法も考えられる。
特開2002−50383号公報 特開2001−355437号公報
そのうち特開2002−50383号公報は、燃料電池用改質器に関するもので、図18はその態様例を示す図である。触媒保持体30に無機質繊維マット200を巻き付ける。このため、無機質繊維マット200の一方の端部21が他方の端部22に嵌合するようにする。一方の端部21には凸部211を形成し、他方の端部22には凹部221を形成する。次に、図18(b)〜(c)に示すように、マット200の上に未だ触媒成分を担持していない触媒保持体30を載置してマット200を巻き付ける。このとき端部22に端部21が重なるので、長手方向の余剰部分23を点線29において切断する。
次に、図18(d)のように、切断後の凸部211を凹部221に嵌合させ、マット200を触媒保持体30の外周に取り付ける。こうして保持シール材20が形成される。次に、保持シール材20をテープまたは接着剤等の固定具により触媒保持体30に固定する。そして金属シェル95の中に圧入して一体品とする。こうして、金属シェル95の中に圧入した後、スラリー状の触媒溶液により触媒保持体30に触媒成分を担持させる。
また、特開2001−355437号公報は、触媒保持構造に関するもので、図19はその態様例を示す図で、図19(a)は断面構成図、図19(b)は主要構成部材の分解斜視図である。触媒ケース100内の下流側にはテーパー面を有するロート部100aが形成されており、触媒ケース100の上流端には排気マニホールド105が摩擦圧接により接合されるようになっている。触媒ケース100内には触媒102が挿着され、触媒102の外周には触媒保持材103が巻かれて保持されている。触媒保持材103の外周にはスペーサ104が介装されている。スペーサ104は円筒状に形成されているが、重なり部で分割されており、重なり部の重なり代を調整することにより、内径を縮径させることも拡径させることも自由なように構成されている。
ところで、例えば固体高分子型燃料電池などの水素を燃料とする家庭用燃料電池の燃料処理装置の改質部に環状成型触媒を適用する場合、(1)内側、外側からの十分な伝熱の確保、(2)起動停止によって生じる触媒の熱収縮に対する耐久性、(3)未反応ガスの吹き抜けの防止、(4)施工の容易さが必要である。
しかし、(a)特開2002−50383号公報のように無機質繊維マットを触媒の外側に巻いてシールする方法では、外側からの十分な伝熱の確保が難しく、施工の容易さの点でも難点がある。また、(b)特開2001−355437号公報のように、触媒とケースの間に拡径可能なスペーサを入れ、触媒の弾性を利用してシールする方法では、施工の容易さの点で難点があり、またスペーサにガラス繊維を用いる場合には内側、外側からの十分な伝熱の確保が難しい。さらに、(c)触媒の大きさを調整し、スペーサー無しで充填する方法では、未反応ガスの吹き抜けの防止がなかなか難しい。
そこで、本発明は、従来の環状反応器における以上のような問題点を解決し、施工が容易で、ガス偏流を防止し、触媒性能を向上させてなる環状反応器、その作製方法及びシール方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、(1)筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器であって、環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする環状反応器を提供する。
本発明は、(2)円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器であって、円柱状触媒の下面と筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする環状反応器を提供する。
本発明は、(3)筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器の作製方法であって、環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することを特徴とする環状反応器の作製方法を提供する。
本発明は、(4)円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器の作製方法であって、円柱状触媒の下面と円筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することを特徴とする環状反応器の作製方法を提供する。
本発明は、(5)筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器における環状成型触媒と内管及び外管との間の間隙のシール方法であって、環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することでシールすることを特徴とする環状反応器のシール方法を提供する。
本発明は、(6)円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器における円柱状触媒と円筒状外管との間の間隙のシール方法であって、円柱状触媒の下面と円筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することでシールすることを特徴とする環状反応器のシール方法を提供する。
本発明(1)は、筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器である。そして、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする。
本発明(1)の態様例としては、(a)〜(b)の隙間にそれぞれ切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなる態様、(c)〜(d)の隙間にそれぞれ切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなる態様、(a)〜(d)の隙間にそれぞれ切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなる態様など各種態様で構成することができる。
本発明(2)は、円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器である。そして、円柱状触媒の下面と筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする。
本発明(3)は、筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器の作製方法である。そして、環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することを特徴とする。
本発明(4)は、円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器の作製方法である。そして、円柱状触媒の下面と円筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することを特徴とする。
本発明(5)は、筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器における環状成型触媒と内管及び外管との間の間隙のシール方法である。そして、環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することでシールすることを特徴とする。
本発明(6)は、円筒状外管に円柱状触媒を配置した環状反応器における円柱状触媒と円筒状外管との間の間隙のシール方法である。そして、円柱状触媒の下面と円筒状外管の内周との隙間及び円柱状触媒の上面と円筒状外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することでシールすることを特徴とする。
本発明の態様を図面を基にさらに詳しく説明する。図1は本発明で対象とする円筒状触媒、すなわち環状成型触媒の例を示す図である。図1(a)はハニカム体に触媒を担持した環状成型触媒1で、ハニカム体に触媒粉末を懸濁液として含浸法やウォッシュコート等により担持することで構成される。ハニカム体(モノリス体)としては鉄ーアルミニウムークロム系合金やステンレス鋼(例えばSUS304、SUS310)等の金属製またはコージェライト等のセラミック製のものが使用される。
図1(b)は触媒及び担体により成型してなる多孔質環状成型触媒1で、例えば触媒粉末及び担体粉末をバインダー等の補助材とともに成型し、焼成することで構成される。これら環状成型触媒1は、円環状の空隙2を有する。環状成型触媒1の内径、外径、軸方向(上下方向)等の各寸法は、例えば軸方向の長さを長くするなど、適宜選定される。本明細書及び特許請求の範囲においては、これらハニカム体に触媒を担持した環状成型触媒及び多孔質環状成型触媒を含めて環状成型触媒と称している。
本発明においては、例えば図1(a)〜(b)のような環状成型触媒が筒状内管及び筒状外管間に配置される。筒状内管及び筒状外管の構成材料としては例えばステンレス鋼(例えばSUS304、SUS310)などの耐熱合金が用いられる。筒状外管は筒状内管と同心ないし略同心に配置される。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、筒状外管について言う“筒状内管と同心”とは、筒状外管が筒状内管と正に同心である場合のほか、筒状外管が筒状内管と略同心である場合を含む意味である。
図2(a)は筒状内管3を示す図で、その外径a′は環状成型触媒1の内径aより小さくする(a>a′)。図2(b)は筒状外管4を示す図で、その内径b′は環状成型触媒1の外径bより大きくする(b′>b)。そして、環状成型触媒1の下面と内管3の外周との間及び環状成型触媒1の下面と外管4の内周との間に、それぞれ、切れ込みを有する金属製C型リングが配置される。金属製C型リングの構成材料としてはステンレス鋼(例えばSUS304、SUS310)などの耐熱合金を用いる。C型リングの材質は、熱膨張率等との関係で内管、外管の材質と同じであるのが好ましい。
図3は内管3側に配置される金属製C型リング5の態様を示す図である。図3(a)は平面図、図3(b)は斜視図である。円環状C型リング5の一箇所に外周から内周に向けて切れ込み6を有する。本発明における円環状C型リングの切れ込み6は、図3(a)〜(b)のような楔状のほか、スリット状その他適宜の形状とすることができる。図3(c)は円環状C型リング5の一箇所を切断してスリット状にした態様である。C型リング5の内径wは、筒状内管3の外径a′より小さくする(w<a′)。C型リング5の外径xは、環状成型触媒1の内径aより大きくする(x>a)。C型リング5の厚さ、幅はその使用目的、すなわち弾性を保持し、触媒を支持、固定し、ガスシールし得る範囲で適宜設定される。
図4は外管4側に配置される金属製C型リング7の態様を示す図である。図4(a)は平面図、図4(b)は斜視図である。円環状C型リング7の一箇所に外周から内周に向けて切れ込み8を有する。本発明における円環状C型リング7の切れ込み8は、楔状のほか、スリット状その他適宜の形状とすることができる。その内径zは、環状成型触媒1の外径bより小さくする(z<b)。その外径yは、外管4の内径b′より大きくする(y>b′)。C型リング7の厚さ、幅はその使用目的、すなわち弾性を保持し、触媒を支持、固定し、ガスシールし得る範囲で適宜設定される。
〈態様例1:C型リングによる内管、外管に対する環状成型触媒の固定、シールの態様例(その1)〉
内管3に対して環状成型触媒1を金属製C型リング5を介して固定し、シールする態様は以下のとおりである。図5は、その態様を説明する図である。まず、図5(a)のとおり、金属製C型リング5の切れ込み6の側を左右に引っ張って広げる。左右への引っ張り、広げには治具を用いてもよい。その状況を図5(a)中矢印(←→)で示している。図5(b)は広げた状態を示す図で、C型リング5の内径wはαだけ広がっている。この状態のC型リング5に内管3を嵌挿して固定する。図5(c)〜(d)はその経過を示す図である。
C型リング5を図5(b)のように広げた状態では(w+α)>a′である。この状態では、図5(d)中Sとして示すように、内管3の外周とC型リング5の内側面との間に間隙が保てるので、C型リング5を内管3の外周に容易に嵌挿することができる。C型リング5を嵌挿し位置決めした後、左右への引っ張っりを止めると、C型リング5の縮まろうとする反発力で内管3に固定される。ここで、金属製C型リング5は、その弾性による縮まろうと反発力により別途固定具を用いることなく内管に固定される。図5(e)は、こうして内管3にC型リング5を固定した状態を示している。
次に、図5(f)のように内管3の外周に環状成型触媒1を配置する。環状成型触媒1の内径aは内管3の外径a′より大きいので(a>a′)、環状成型触媒1は内管3の外周に容易に嵌挿することができる。さらに、別のC型リング5を、図5(a)〜(b)のように広げながら内管3を嵌挿して、内管3の外周で且つ環状成型触媒1の上部面に固定し、シールする。図5(g)はこの状態を示している。
外管4に対して環状成型触媒1を金属製C型リング7を介して固定し、シールする態様は以下のとおりである。図6はその態様を説明する図である。まず、図6(a)のとおり、金属製C型リング7の切れ込み8の側を左右から押圧して縮める。左右からの押圧、縮めには治具を用いてもよい。その状況を図6(a)中矢印(→←)で示している。図6(b)は縮めた状態を示す図で、C型リング7の外径yはαだけ縮まり、この状態で(y−α)<b′である。
この状態においては、図6(c)中S′として示すように、外管3の内周とC型リング7の外側面との間に間隙が保てるので、C型リング7を外管4の内周に容易に嵌挿することができる。嵌挿し位置決めした後押圧を止めると(すなわち押圧を解放すると)、C型リング7の広がろうとする反発力で外管4に対して固定される。C型リング7は、その弾性による広がろうと反発力により別途固定具を用いることなく外管に固定される。図6(d)はこうして外管4にC型リング7を固定した状態を示している。
次に、図6(e)のように、外管4内に、前述図5(g)のように構成した構造体を嵌挿する。外管4の内径b′は環状成型触媒1の外径bより大きいので(b′>b)、環状成型触媒1は外管4内に容易に嵌挿することができる。そして、その外管4の内周にはC型リング7が固定されているので、環状成型触媒1の上部面がC型リング7と当接する。図6(f)はこの状態を示している。
さらに、図6(f)の環状成型触媒1の下部面に示すように、図6(b)のように押圧して縮めた別のC型リング7を位置させ、押圧を止めると(すなわち押圧を解放すると)、C型リング7は、その弾性による広がろうと反発力により別途固定具を用いることなく外管に固定される。図6(g)はこの状態を示している。
以上の過程では、環状成型触媒1をC型リング5により内管3に配置した後、C型リング7により外管4に配置する場合につい説明したが、この順序に限定はなく、各種順序で行える。例えば、(1)上記順序とは逆に、環状成型触媒1をC型リング7により外管4内に配置した後、C型リング5により内管3に配置する、(2)図5(e)のように内管3にC型リング5を固定するとともに、後述図8(d)のように外管4にC型リング7を固定した後、内管3、外管4間に環状成型触媒1を嵌挿し、その環状成型触媒1の上面を別のC型リング5とC型リング7で固定する、など適宜の順序で行える。いずれの順序によっても図6(g)の状態となる。
図7は、以上のようにして構成した本発明に係る環状反応器の要点部分を示す図である。図7(a)は縦断面図、図7(b)は環状成型触媒について、その軸方向(上下方向)の長さを長くした場合の縦断面図である。図7(c)は図7(a)〜(b)の全体を上から見た図で、その全体を下から見ても同じである。この状態において、C型リング5の縮まろうとする反発力により内管外面に対してC型リング5が強固に固定され、またC型リング7の広がろうとする反発力により外管内面に対してC型リング7が強固に固定されるので、上下のC型リング5、7間に配置された環状成型触媒1を十分に支持することができる。
一方、ガスシールの点については、その状態において、C型リング5の縮まろうとする反発力により内管外面に対してC型リング5が密にシールされるので、内管外面とC型リング5間でガスが素通りすることなく十分にガスシールされ、またC型リング7の広がろうとする反発力により外管内面に対してC型リング7が密にシールされるので、外管内面とC型リング7間でガスが素通りすることなく十分にガスシールされる。
なお、図7(c)中、6は円環状C型リング5の楔状切れ込みであり、この楔状切れ込みにより、環状成型触媒1の下部面周縁との間、またその上部面周縁との間に僅かではあるが空隙が生じ、この空隙をガスが素通りする可能性がある。これを回避するため、必要に応じて、その空隙を金属ろう材等で塞ぐことでガスが素通りするのを防止することができる。金属ろう材等で塞ぐのに代えて、円環状C型リング5を複数枚用い、楔状切れ込み6の部位をずらして配置することでガスの素通りを防止してもよい。
また、図7(c)中、8は円環状C型リング7の楔状切れ込みであり、この楔状切れ込みにより、環状成型触媒1の下部面周縁との間、またその上部面周縁との間に僅かではあるが空隙が生じ、この空隙をガスが素通りする可能性がある。これを回避するため、必要に応じて、その空隙を金属ろう材等で塞ぐことでガスが素通りするのを防止することができる。金属ろう材等で塞ぐのに代えて、円環状C型リング7を複数枚用い、楔状切れ込み8の部位をずらして配置することでガスの素通りを防止してもよい。
なお、図7(c)中、幅“R”として示すように、C型リング5の外周縁とC型リング7の内周縁との間が環状成型触媒1への反応ガス(被処理ガス)の円環状供給口となり、また反応済みガス(処理済みガス)の円環状排出部となる。以上の点は以下の態様例についても同様である。
反応器としての使用時には、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、反応ガス(被処理ガス)を上方から下方へ流通させながら反応させ、あるいは反応ガスを下方から上方へ流通させながら反応させる。反応済みガス(処理済みガス)は、それぞれ下方または上方から取り出される。内管内側および/または外管外側には、吸熱反応の場合には加熱用媒体が通され、発熱反応の場合には冷却用媒体が通される。
その際、環状成型触媒と内管の間、環状成型触媒と外管の間には図7(a)〜(b)に示すように隙間Tがあるので、環状成型触媒の熱膨張率と内管、外管の熱膨張率に差があっても、その隙間Tは(例えば高温域でのその熱膨張率の差に起因して、その隙間Tが広くあるいは狭くなることはあっても)保たれるので、環状成型触媒が破損することはない。なお、この点については、環状成型触媒の熱膨張率と内管、外管の熱膨張率とにより、予めその隙間Tをセットしておくことで、反応器として使用時の温度においても確実に隙間Tが保たれるようにしておくのが好ましい。その隙間Tは可及的に小すなわち薄いのが好ましい。これらの点は以下の態様についても同様である。
また、本環状反応器は、そのように縦置きに配置して使用するのに代えて、横置きに配置して使用してもよい。この場合には、横置きした本環状反応器のいずれか一方の側から反応ガス(被処理ガス)を流通させながら反応させる。反応済みガス(処理済みガス)は、それぞれ他方から取り出される。
〈態様例2:C型リングによる内管、外管に対する環状成型触媒の固定、シールの態様例(その2)〉
態様例1では、内管、外管に対して、C型リングにより環状成型触媒の下部及び上部を固定、シールしているが、C型リングにより環状成型触媒の下部のみを内管、外管に対して固定、シールしてもよい。図8〜9は本態様例2を説明する図である。
図8(a)から(c)までは前述図6(a)から(c)までと同様である。すなわち、図8(a)のとおり、C型リング7の切れ込み8の側を左右から押圧して縮める。図8(b)は縮めた状態を示す図で、C型リング7の外径yはαだけ縮まり、この状態で(y−α)<b′である。この状態においては、図8(c)中S′として示すように、外管3の内周とC型リング7の外側面との間に間隙が保てるので、C型リング7を外管4の内周に容易に嵌挿することができる。嵌挿し位置決めした後押圧を止めると(すなわち押圧を解放すると)、C型リング7の広がろうとする反発力で固定される。図8(d)はこうして外管4にC型リング7を固定した状態を示している。
次に、図8(e)のように、外管4内に、前述図5(f)のように構成した構造体を嵌挿する。外管4の内径b′は環状成型触媒1の外径bより大きいので(b′>b)、環状成型触媒1は外管4の内に容易に嵌挿することができる。その外管4の内周面にC型リング7が固定されているので、環状成型触媒1の下部周面がC型リング7と当接する。図8(f)はこの状態を示している。
図9は、以上のように構成した本発明の態様例2に係る環状反応器の要点部分を示す図である。図9(a)は縦断面図、図9(b)は平面図〔図9(a)の全体を上から見た図に相当する〕、図9(c)は裏面図〔図9(a)の全体を下から見た図に相当する〕である。この状態において、C型リング5の縮まろうとする反発力により内管外面に対してC型リング5が強固に固定され、またC型リング7の広がろうとする反発力により外管内面に対してC型リング7が強固に固定されるので、C型リング5、7上に配置された環状成型触媒1を十分に支持することができる。
一方、ガスシールについては、図9の状態において、C型リング5の縮まろうとする反発力により内管外面に対してC型リング5が密にシールされるので、内管外周面とC型リング5間でガスが素通りすることなく十分にシールされる。また、C型リング7の広がろうとする反発力により外管内面に対してC型リング7が密にシールされるので、外管内面とC型リング7間でガスが素通りすることなく十分にシールされる。
図8(f)、図9の状態の環状反応器において、環状成型触媒1の上部面と内管外周及び/または外管内周との間に押さえ部材を配置して、環状成型触媒1を押さえるようにしてもよい。押さえ部材はその押さえの役割を果たし得る部材であればよく、円環状丸棒(溶接等により固定する)その他適宜の部材を用いることができる。このように、環状成型触媒1の上部面と内管外周、外管内周との間に押さえ部材を配置して環状成型触媒1を押さえることで、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、図8(f)、図9(a)とは上下逆に設置して、C型リング5、7を上部に配置した態様で使用することができる。
反応器としての使用時には、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、反応ガス(被処理ガス)を上方から下方へ流通させながら反応させ、反応済みガス(処理済みガス)は下方から取り出される。反応ガスを下方から上方へ流通させる場合には、反応済みガスは上方から取り出される。内管には、吸熱反応の場合には加熱用媒体が通され、発熱反応の場合には冷却用媒体が通される。
本環状反応器は、そのように縦置きに配置して使用するのに代えて、横置きに配置して使用してもよい。この場合には、横置きした本環状反応器のいずれか一方の側から反応ガス(被処理ガス)を流通させながら反応させる。反応済みガス(処理済みガス)は、それぞれ他方から取り出される。これらの点は以下の態様例についても同様である。
〈態様例3:C型リングによる内管、外管に対する環状成型触媒の固定、シールの態様例(その3)〉
態様例1は内管、外管に対してC型リングにより環状成型触媒の下部及び上部を固定、シールした態様、また、態様例2はC型リングにより環状成型触媒の下部のみを内管、外管に対して固定、シールした態様である。本発明は、このほか各種態様で構成することができる。図10〜11はそれら態様を説明する図である。
図10(a)は、環状成型触媒1の下部面と内管3の外周との間にC型リング5を、環状成型触媒1の上部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。この態様では、環状成型触媒1の下部面と外管4の外周との間、環状成型触媒1の上部面と内管3の内周との間にはC型リングは配置しないが、これらの間については、必要に応じて、円環状丸棒(溶接等により固定する)その他適宜の部材を配置する。このように、C型リング5、C型リング7を配置しない個所にそのような適宜の部材を配置する点については、以下の態様例についても同様である。
図10(b)は、環状成型触媒1の上部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。 図10(c)は、環状成型触媒1の上部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置した態様である。図10(d)は、環状成型触媒1の上部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の下部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様であり、図10(a)を上下逆にした場合に相当している。図10(e)は、環状成型触媒1の下部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様であり、図10(b)を上下逆にした場合に相当している。図10(f)は、環状成型触媒1の下部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置した態様であり、図10(c)を上下逆にした場合に相当している。
図11(a)は、環状成型触媒1の下部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の下部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置し、環状成型触媒1の上部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。図11(b)は、環状成型触媒1の上部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の上部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置し、環状成型触媒1の下部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。図11(b)は図11(a)を上下逆にした場合に相当している。
図11(c)は、環状成型触媒1の上部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の下部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の下部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。図11(d)は、環状成型触媒1の下部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の上部面と内管3の外周との間にC型リング5を配置し、環状成型触媒1の上部面と外管4の内周との間にC型リング7を配置した態様である。図11(d)は図11(c)を上下逆にした場合に相当している。図10〜11の態様は、以下に述べる複数個の環状成型触媒を内管、外管に対して固定、シールする場合にも同様に適用することができる。
〈態様例4:複数個の環状成型触媒を内管、外管に対して固定、シールの態様例〉
本態様例4は、C型リングにより複数個の環状成型触媒を内管、外管に対して固定、シールする態様例である。図12は態様例4を示す図で、2個の環状成型触媒を固定、シールする例を示しているが、3個以上を配置する場合も同様である。例えば、前述図5(a)〜(g)、図6(a)〜(g)のようにして図6(g)のような状態とする。ただし、内管、外管としては、その軸方向の長さが環状成型触媒の数に対応した長さのものを用いる。
前述図5(a)〜(f)のようにして、内管3の下部外周にC型リング5を固定し、また前述図8(a)〜(f)のようにして、外管4の下部外周にC型リング7を固定する。そして、C型リング5、7の上に環状成型触媒1を配置し、図12(a)のような状態とする。次に、前述図5(f)〜(g)、図6(f)〜(g)のようにして、図12(b)のような状態とする。
そして、図12(b)のような状態のC型リング5、7の上に2個目の環状成型触媒1を配置し、図12(c)のような状態とする。こうして、2個の環状成型触媒を内管、外管に対して固定、シールした環状反応器が構成される。2個目の環状成型触媒1の上面に前述と同様にしてC型リング5、7を配置して環状反応器としてもよい。図12(d)はこの環状反応器を示している。3個以上の環状成型触媒を配置する場合も同様である。
図12(c)の状態の環状反応器において、最上部の環状成型触媒1の上部面と内管外周及び/または外管内周との間に押さえ部材を配置して、環状成型触媒1を押さえるようにしてもよい。押さえ部材はその押さえの役割を果たし得る部材であればよく、円環状丸棒(溶接等により固定する)その他適宜の部材を用いることができる。このように、環状成型触媒1の上部面と内管外周、外管内周間に押さえ部材を配置し環状成型触媒1を押さえることで、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、C型リング5、7を上部に配置した態様で使用することができる。3個以上の環状成型触媒を配置した場合についても同様である。
〈態様例5:C型リングによる外管に対する円柱状触媒の固定、シールの態様例〉
本発明は、図13に示すような円柱状触媒11をC型リングにより固定、シールする場合にも適用される。図13(a)は円柱状ハニカム体に触媒を担持した円柱状触媒11、図13(b)は触媒及び担体により成型してなる多孔質円柱状触媒11である。これら円柱状触媒11は、前述図1(a)〜(b)に示すような環状成型触媒1では有する、円環状空隙2は有しない。このため、円柱状触媒11は、外管に対してのみ、金属製C型リングを介して配置することになる。図14はその態様を説明する図である。
図14(a)は外管の下部に固定した金属製C型リング7の上に円柱状触媒11を配置した態様である。外管4の内周にC型リング7がその広がろうとする反発力で強固に固定され、密にシールされる。そして、円柱状触媒11はC型リング7の上面に載置され、円柱状触媒11の重さにより密に当接するので、十分にシールされ、ガスが隙間TからC型リング7の上面と円柱状触媒11との間を素通りするのが防止される。図14(b)は円柱状触媒11の上部周面もC型リング7で固定し、シールする態様である。図14(c)は図14(a)〜(b)の下面図であり、図14(b)を上から見ても同じように見える。
図15はその作製過程を説明する図で、図15(a)から(d)までの過程は前述図8(a)から(d)まで過程と同様である。図15(d)のようにC型リング7を固定した外管4内に、前述図13(a)〜(b)のような円柱状触媒11を嵌挿する。外管4の内径b′は円柱状触媒11の外径bより大きいので(b′>b)、円柱状触媒11は外管4の内に容易に嵌挿することができる。図15(e)はこの状態を示している。その外管4の内周面にC型リング7が固定されているので、円柱状触媒11の下部面周縁がC型リング7と当接する。図15(f)はこの状態を示し、図14(a)の環状反応器に相当している。さらに、図14(b)のように、円柱状触媒11の上周面に前述と同様にしてC型リング7を配置してもよい。本態様例においても、前述態様例4の場合と同様にして、C型リング7により複数個の円柱状触媒を外管に対して固定、シールするようにしてもよい。
図14(a)、図15(f)の状態の環状反応器において、円柱状触媒11の上部面と外管内周との間に押さえ部材を配置して、円柱状触媒11を押さえるようにしてもよい。押さえ部材はその押さえの役割を果たし得る部材であればよく、円環状丸棒(溶接等により固定する)その他適宜の部材を用いることができる。このように、円柱状触媒11の上部面周縁と外管の内周間に押さえ部材を配置して円柱状触媒11を押さえることで、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、C型リング7が上部に位置した態様で使用することができる。複数個の環状成型触媒を配置した場合についても同様である。
この態様の場合にも、図14、図15(f)に示すように、円柱状触媒と外管の間には隙間Tがあるので、円柱状触媒の熱膨張率と外管の熱膨張率に差があっても、その隙間Tは(例えば高温域でのその熱膨張率の差に起因して、その隙間Tが広くあるいは狭くなることはあっても)保たれるので、円柱状触媒が破損することはない。なお、この点については、円柱状触媒の熱膨張率と外管の熱膨張率とにより、予めその隙間Tの幅をセットしておくことで反応温度においても確実に隙間Tが保たれるようにしておくのが好ましい。また、隙間Tは可及的に小、すなわち薄いのが好ましい。
本発明の環状反応器は、吸熱を伴う反応にも、発熱を伴う反応にも用いることができる。例えば、炭化水素の水蒸気改質反応や炭化水素の脱水素反応など吸熱を伴う反応に用いられる。炭化水素の水蒸気改質反応の例としては、固体高分子形燃料電池(PEFC)やリン酸形燃料電池(PAFC)、あるいは固体酸化物形燃料電池(SOFC)などの燃料電池システムにおける炭化水素の水蒸気改質反応が挙げられる。
前述のとおり、反応器としての使用時には、本反応器を縦置きに配置して使用する場合、反応ガス(被処理ガス)を上方から下方へ流通させながら反応させ、反応済みガス(処理済みガス)は下方から取り出される。反応ガスを下方から上方へ流通させる場合には、反応済みガスは上方から取り出される。本環状反応器は、そのように縦置きに配置して使用するのに代えて、横置きに配置して使用してもよい。この場合には、横置きした本環状反応器のいずれか一方の側から反応ガス(被処理ガス)を流通させながら反応させる。反応済みガス(処理済みガス)は、それぞれ他方から取り出される。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。
前述のように構成した環状反応器を用いて、都市ガスの水蒸気改質により改質ガスを生成する実験を行い、流通ガスの偏流の有無、程度、メタン転化率、アプローチ温度等を計測した。図16は実施例で用いた試験装置の概略を示す図である。前述のように構成した環状反応器を配置し、筒状内管内にバーナを配置し、環状反応器の外周に改質ガスの流路を形成した。都市ガスは脱硫器を経て環状成型触媒に流通される。環状成型触媒による改質反応による生成改質ガスは、筒状外管の外周を経て取り出される。バーナによる燃焼ガスは円筒状触媒を流通する都市ガスを加熱した後、燃焼排ガスとして排出される。図16中、TCは配置した温度センサである。
環状成型触媒の構成、試験条件は以下のとおりである。前記図1(a)のような環状成型触媒を用いて環状反応器を作製した。図17(a)にその縦断面図を示している。環状成型触媒は鉄ーアルミニウムークロム系合金(いわゆる“20Cr−5Al”)製のハニカム体にRu触媒担持のアルミナ粉の水性懸濁液を含浸法により担持したものである。触媒の寸法は内径60mm、外径75mm、高さ75mmである。その4個を内管3、外管4間にステンレス鋼(SUS304)製のC型リング5、7を介して上下一列に配置した。内管3、外管4はC型リング5、7と同じステンレス鋼(SUS304)製である。反応温度は触媒入口で400℃、触媒出口で700℃である。原料(都市ガス13A)の流量は4L/min、圧力は30kPaGとし、スチーム比(S/Cモル比)は2.5とした。
また、比較例として、上記と同様にして作製した環状成型触媒の4個を内管及び外管間に配置した環状反応器を構成した。図17(b)にその縦断面図を示している。すなわち、内管3の外周及び外管4の内周(環状成型触媒の下部端が位置する箇所)に円環状の丸棒9を溶接、固定し、これに環状成型触媒を配置し、次にその環状成型触媒の上部面に相当する内管3の外周及び外管4の内周に円環状の丸棒10を溶接、固定し、以降、順次同じく環状成型触媒を4個配置し、支持した。内管3、外管4、丸棒9、10の材料は実施例と同じである。この環状反応器を図16のように配置し、実施例と同じ試験条件で改質反応を実施した。表1は、これらの実施例及び比較例における試験の結果である。
Figure 0004731943
表1のとおり、比較例では、ガス吹き抜けがあり、しかもカーボンの析出が観察された。これに対して、実施例では、ガス吹き抜けはなく、カーボン析出も認められなかった。また、偏流の有無について、周方向最大温度差は、比較例では43℃であったのに対して、実施例では35℃であり、径方向最大温度差は、比較例では20℃であったのに対して、実施例では10℃であり、実施例では偏流が有効に防止されいている。さらに、触媒性能について、メタン転化率は、比較例では88.3%であったのに対して、実施例では90.0%であった。
また、アプローチ温度(触媒出口温度と、実際に得られた改質ガス組成に対応する平衡温度との差)は、比較例では24.1℃であったのに対して、実施例では11.7℃であり、実施例では触媒性能が有効に改善されいている。さらに、比較例環状反応器の作製過程では、各環状成型触媒を配置する前にその支持用丸棒を内管、外管に一々溶接する必要があったのに対して、実施例環状反応器の作製過程では、各C型リング5を広げ、各C型リング7を縮めるだけで容易に各環状成型触媒を配置し、固定できた。
本発明で対象とする環状成型触媒(=円筒状触媒)の例を示す図 筒状内管、筒状外管を示す図 筒状内管側に配置される金属製C型リングの態様を示す図 筒状外管側に配置される金属製C型リングの態様を示す図 内管に対し金属製C型リングを介して環状成型触媒を配置する態様を説明する図 外管に対し金属製C型リングを介して環状成型触媒を配置した態様を説明する図 図5〜6のようにして構成した本発明に係る環状反応器の要点部分を示す図 本発明の態様例2に係る環状反応器の作製態様を説明する図 本発明の態様例2に係る環状反応器の要点部分を示す図 本発明の各種変形態様を説明する図 本発明の各種変形態様を説明する図 本発明の態様例3に係る環状反応器の要点部分を示す図 金属製C型リングによる外管に対する円柱状触媒の配置態様を説明する図 外管に対し金属製C型リングを介して円柱状触媒を配置した態様を説明する図 外管に対し金属製C型リングを介して円柱状触媒を配置する態様を説明する図 実施例で用いた環状反応器の概略を示す図 実施例で用いた試験装置の概略を示す図 先行技術の概略を示す図 先行技術の概略を示す図
符号の説明
1 環状成型触媒
2 円環状の空隙
3 筒状内管
4 筒状外管
5 内管側C型リング
6、8 切れ込み
7 外管側C型リング
9、10 丸棒(溶接)
S 内管3の外周とC型リング5の内側面との間の間隙
S′ 外管3の内周とC型リング7の外側面との間に間隙
T 環状成型触媒と内管の間、環状成型触媒と外管の間の隙間
11 円柱状触媒
21、22 無機質繊維マット200の端部
23 長手方向の余剰部分
30 触媒保持体
95 金属シェル
200 無機質繊維マット
211 凸部
221 凹部
100 触媒ケース
100a テーパー面を有するロート部
105 排気マニホールド
102 触媒
103 触媒保持材
104 スペーサ

Claims (11)

  1. 筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器であって、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなり、且つ、前記(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間及び(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間にそれぞれ切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする環状反応器。
  2. 筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器であって、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなり、且つ、前記(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間にそれぞれ切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする環状反応器。
  3. 筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器であって、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなり、且つ、前記(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間に切れ込みを有する金属製C型リングが配置されてなることを特徴とする環状反応器。
  4. 筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器の作製方法であって、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(b)環状成型触媒の下面と外管の内周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間及び(d)環状成型触媒の上面と外管の内周との隙間のうち、少なくとも内管と環状成型触媒間の隙間である、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間または(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間に、切れ込みを有する金属製C型リングを配置し、且つ、当該内管と環状成型触媒間の隙間に配置する切れ込みを有する金属製C型リングが、金属製C型リングの縮まろうとする反発力で内管に固定する金属製C型リングであることを特徴とする環状反応器の作製方法。
  5. 前記環状反応器が吸熱を伴う反応または発熱を伴う反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項に記載の環状反応器の作製方法。
  6. 前記環状反応器が炭化水素の水蒸気改質反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項に記載の環状反応器の作製方法。
  7. 前記環状反応器が燃料電池システムにおける炭化水素の水蒸気改質反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項に記載の環状反応器の作製方法。
  8. 筒状内管及び該筒状内管と同心の筒状外管間に環状成型触媒を配置した環状反応器における環状成型触媒と内管との間の間隙のシール方法であって、(a)環状成型触媒の下面と内管の外周との隙間、(c)環状成型触媒の上面と内管の外周との隙間、のうちの少なくとも1箇所に切れ込みを有する金属製C型リングを配置することでシールし、且つ、前記内管と環状成型触媒間の隙間に配置する切れ込みを有する金属製C型リングが、金属製C型リングの縮まろうとする反発力で内管に固定することでシールする金属製C型リングであることを特徴とする環状反応器のシール方法。
  9. 前記環状反応器が吸熱を伴う反応または発熱を伴う反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項に記載の環状反応器のシール方法。
  10. 前記環状反応器が炭化水素の水蒸気改質反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項に記載の環状反応器のシール方法。
  11. 前記環状反応器が燃料電池システムにおける炭化水素の水蒸気改質反応に用いる反応器であることを特徴とする請求項10に記載の環状反応器のシール方法。
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