JP4729918B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
そこで、これらの光源として、キセノンランプ等に代えて、発光ダイオード素子(LED)、レーザダイオード素子(LD)などの半導体発光素子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
半導体発光素子は、小型で電力効率が良く、鮮やかな色で発光し、球切れなどの心配がない。特に、半導体レーザは、発光ダイオードよりも発光強度が極めて高いため、照度の高い光源を実現することができる。
そこで、通常、半導体発光素子に、蛍光物質及び樹脂等から構成される波長変換部材が組み合わせられて用いられている。
しかし、半導体発光素子の光密度は非常に高いために、波長変換部材を構成する樹脂及び蛍光物質等が高密度の励起光により発熱し、劣化し、発光装置自体の寿命の低下を招くことになる。
該励起光源から射出される励起光を少なくとも一部吸収し波長変換して所定の波長域の照明光を放出する波長変換部材と、
一端に前記励起光源を備え、他端に前記波長変換部材を備え、断面の中心部(コア)の屈折率を周辺部(クラッド)より高くして該励起光源から射出される励起光を波長変換部材に導出するライトガイドと、
前記ライトガイドに導入された励起光に対してモードスクランブルをかけるモードスクランブラーとから構成され、
該モードスランブラーは、前記励起光を導入した前記ライトガイドにおいて前記励起光の出射パターンを異なる出射パターンに変更して、前記ライトガイドから変更した出射パターンの励起光を射出させ、
前記波長変換部材は、250℃での輝度が室温での輝度に対して50%以上である輝度維持率を示す蛍光物質を含んでなることを特徴とする。
モードスランブラーは、ライトガイドの長手方向の一部又は全部において、外周の一部又は全部に対向して凹部及び/又は凸部を備えた部材により構成することができる。
また、モードスランブラーは、ライトガイドを複数方向に屈曲させるものであることが好ましく、屈曲は、(1)規則的又はランダムに、2箇所以上で行われるか、(2)曲げピッチが100mm以下であるか及び/又は(3)曲げ幅が10mm以下であることが好ましい。
また、モードスクランブルは、ライトガイドから射出される励起光のFFPにおける半値全幅を2倍以上にするものとするか、ライトガイドから射出される励起光のFFPにおける強度ピーク値を80%以下にするものとすることができる。
また、蛍光物質が、温度特性の良好なもの、代表的には、LAG、BAM、BAM:Mn、YAG、CCA、SCA、SCESN、SESN、CESN及びCaAlSiN3:Euからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
さらに、励起光源とライトガイドとの間にレンズを備えており、該レンズを介して前記励起光源から射出された励起光をライトガイドへ導入することが好ましい。
また、外部へ導出された光が、80以上の平均演色評価数(Ra)を示すことが好ましい。
さらに、ライトガイドの長手方向の一部又は全部において、外周の一部又は全部に対向して凹部及び/又は凸部を備えた部材により構成される場合、モードスランブラーが、ライトガイドを複数方向に屈曲させるもの又はライトガイドに一体的に組み込まれており、前記ライトガイドの周辺部の厚みを増減することにより中心部の径を変化させるものである場合には、モードスクランブラー自体を非常に簡便に実現することができ、高性能の装置を非常に安価に提供することが可能となる。
さらに、励起光源とライトガイドとの間にレンズを備えており、該レンズを介して前記励起光源から射出された励起光をライトガイドへ導入する場合には、より効率的に励起光を利用することができ、輝度の向上を図ることができる。
励起光源は、図1に示すように、発光素子11等を備え、発光素子11から射出される光を射出部12からライトガイド20へと導出するように構成されている。
励起光源は、励起光を射出する光源である。ここでの励起光は、通常、後述する蛍光物質を励起することができる光であればどのような光であってもよい。励起光源には、半導体発光素子、ランプ等、さらに電子ビーム、プラズマ、EL等をエネルギー源とするデバイスを使用することができる。なかでも、半導体発光素子を用いることが好ましい。半導体発光素子は、発光強度が高いことから、小型で電力効率の良好な発光装置を得ることができる。また、初期駆動特性に優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強い発光装置を得ることができる。半導体発光素子は、発光ダイオード素子(LED)、レーザダイオード素子(LD)等が挙げられ、なかでも、レーザダイオード素子であることが好ましい。これにより、極めて高い発光出力を有する発光装置を得ることができる。例えば、350nm〜550nm程度に主発光ピーク波長を有している光を出射するものが好ましい。これにより、後述するように、波長変換効率の良好な蛍光物質を使用することができ、その結果、発光出力の高い発光装置を得ることができるとともに、種々の色味の光を得ることができる。さらに、後述する波長変換部材の劣化を防止して、高寿命及び信頼性の高い発光装置を得ることができる。
基板としては、結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成するためにはC面、R面又はA面を主面とするサファイア基板を利用することが好ましい。また、例えば、C面、R面及びA面のいずれかを主面とするスピネル(MgA12O4)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、GaN及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で、従来から知られており、窒化物半導体と異なる材料を用いてもよい。また、基板は、オフアングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたものを用いると窒化ガリウムからなる下地層が結晶性よく成長するため好ましい。
異種基板上に設ける下地層(成長基板)として、ELOG(Epitaxially Laterally Overgrowth)成長させてもよい。例えば、異種基板上に、任意に窒化物半導体層を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長が困難な保護膜(例えば、SiO2など)により、ストライプ状等のマスク領域を形成する(例えば、基板のオリフラ面と略垂直となるように)とともに、窒化物半導体を成長させための非マスク領域を形成し、この保護膜上に窒化物半導体層を成長させることにより、実現することができる。非マスク領域から窒化物半導体を成長させることで、選択成長によって、つまり、膜厚方向への成長に加えて、横方向への成長がなされ、マスク領域にも窒化物半導体が成長して、ほぼ平坦な半導体層を形成することができる。あるいは、異種基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部を形成し、その開口部を含む基板上に窒化物半導体層を形成することにより、実現することができる。つまり、開口部側面から横方向への窒化物半導体の成長がなされて、結果的にほぼ平坦な半導体層を形成することができる。
特に、蛍光物質を効率良く励起できる紫外領域から可視光の短波長(例えば、青色系)を、効率よく発光させることができる発光層の材料として、窒化物半導体、中でもIII族窒化物半導体(例えば、Al、Gaを含む窒化物半導体、In、Gaを含む窒化物半導体、InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)がより好適に挙げられる。また、窒化ガリウム系化合物半導体の一部を、B、Pで置換したものを用いてもよい。半導体の種類やその混晶比を適宜設定することにより、得られる発光素子の発光波長を調整することができる。例えば、活性層の組成によって、350〜550nm程度、好ましくは350〜500nm程度、360〜500nm程度、特に、活性層のInの含有量を変化させることにより、420〜490nm程度の範囲において主発光ピーク波長を有する光を得ることができる。
これらの半導体層は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等の公知の技術により形成することができる。半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
具体的には、以下に示すような構成が挙げられる。
上述した基板上に、任意にバッファ層を介して、n型窒化物半導体層であるn型コンタクト層、クラック防止層、n型クラッド層及びn型光ガイド層が形成される。n型クラッド層を除く他の層は、素子によっては省略することもできる。n型窒化物半導体層は、少なくとも活性層と接する部分において活性層よりも広いバンドギャップを有することが必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ましい。例えば、n型AlyGa1-yN(0≦y<1)層(各層毎にyの値は異なっていてもよい)が挙げられる。各層は、n型不純物をドープしながら成長させてn型としてもよいし、アンドープで成長させてn型としてもよい。
ライトガイドは、励起光源から射出された光を伝送する、好ましくは、波長変換部材へ導出するものである。よって、ライトガイドの一端及び/又は他端には、励起光源と波長変換部材とが、好ましくは、一端に励起光源、他端に波長変換部材が配置されている。
ライトガイドは、その長さを自由に変更することができるとともに、その形状を自由に変形させることができ、特に、直角に曲げ又は湾曲させることができるため、所望の位置に光を導出することができる。したがって、このようなことができるものであれば、どのような材料及び構成のものを用いてもよい。特に、励起光源から射出された光を、減衰させることなく伝送するものであることが、エネルギー効率の観点から好ましい。
ライトガイドの材料は特に限定されるものではなく、例えば、石英ガラス、プラスチック等が挙げられる。なかでも、コアの材料がピュアシリカ(純粋石英)によって構成されているものが好ましい。これにより、伝送損失を抑えることができる。
ライトガイドは、必ずしも1本でなくてもよく、複数本が直列に又は並列に接続されたものであってもよい。また、後述するモードスクランブラーを備えたライトガイドと、モードスクランブラーを備えないライトガイドとが接続されたものであってもよい。
モードスクランブラーは、ライトガイドに導入された励起光の出射パターンを異なる出射パターン(光強度パターン)に変更してライトガイドから励起光を射出させるものであり、このような機能を果すものであれば、どのようなものであってもよい。つまり、ライトガイドに導入された励起光について、モードスクランブルされてそのライトガイドから射出される励起光が、モードスクランブルされることなくそのライトガイドから射出される励起光と比較した場合に、異なる出射パターンを示すようにすることができるものであればよい。例えば、光通信の分野において光ファイバの接続損失等を測定しやすくするために、あるいは光ファイバに導入する光の出射パターンを変えるために用いられている公知の手法を利用したものが挙げられる。
屈曲は、ライトガイドの全長に分布していてもよいが、励起光源に近い側、波長変換部材に近い側、中央付近のいずれに偏っていてもよい。
屈曲は、ライトガイドの2箇所以上、さらに4箇所以上、6箇所以上、8箇所以上、10箇所以上、15箇所以上、20箇所以上、40箇所以上で行われることが好ましい。屈曲の曲げピッチ(図3(a)中、P)及び曲げ幅(図3(a)中、W)は特に限定されるものではないが、曲げピッチは、例えば、100mm以下、さらに50mm以下、10mm以下、5mm以下、1mm以下が好ましい。曲げ幅は、例えば、10mm以下、8mm以下、6mm以下、5mm以下、3mm以下、1mm以下、さらに0.05mm以上、0.1mm以上、0.3mm以上であることが好ましい。なお、屈曲の曲げピッチ及び曲げ幅は全て同じサイズであってもよいし、異なるサイズであってもよい。
なお、この場合の中心部(コア)の径の変化の分布及び状態、その数、ピッチは、上述したものと同様である。中心部の径の変化は、その径の4/5以下、さらに、1/2以下、40%以下、35%以下、30%以下、20%以下であることが好ましい。
波長変換部材は、励起光源から射出される励起光の一部又は全部を吸収し、波長変換して、各レーザ素子からの励起光よりも長波長域の光、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する光を放出し得るものである。したがって、波長変換部材は、このような機能を実現することができる材料によって構成されるものであればよい。
蛍光物質としては、励起光源で励起されるものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも各励起光に対して1種、さらに2種を組み合わせて用いることが好ましい。例えば、
(i)アルカリ土類金属ハロゲンアパタイト、
(ii)アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン、
(iii)アルカリ土類金属アルミン酸塩、
(iv)酸窒化物又は窒化物、
(v)アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類窒化ケイ素、
(vi)硫化物、
(vii)アルカリ土類チオガレート、
(viii)ゲルマン酸塩、
(ix)希土類アルミン酸塩、
(x)希土類ケイ酸塩、
(xi)Eu等のランタノイド系元素で主に賦活された有機及び有機錯体等の種々の蛍光物質が挙げられる。
M5(PO4)3X:RE
(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。REは、Eu及び/又はMnである。)
等が挙げられる。
例えば、カルシウムクロルアパタイト(CCA)、バリウムクロルアパタイト(BCA)等が例示され、具体的には、Ca10(PO4)6Cl2:Eu、(Ba,Ca)10(PO4)6Cl2:Eu等が挙げられる。
M2B5O9X:RE
(M、X及びREは、上記と同義である)等が挙げられる。
例えば、カルシウムクロルボレート(CCB)等が例示され、具体的には、Ca2B5O9Cl:Eu等が挙げられる。
SrAl2O4:RE、
Sr4Al14O25:RE、
CaAl2O4:RE、
BaMg2Al16O27:RE、
BaMgAl10O17:RE
(REは、上記と同義である。)等が挙げられる。
LxJyOzN((2/3)x+(4/3)y-(2/3)z):R又は
LxJyQtOzN((2/3)x+(4/3)y+t-(2/3)z):R
(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種の第II族元素である。Jは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種の第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種の第III族元素である。Rは、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Lu、Sc、Yb、Tmからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素である。0.5<x<1.5、1.5<y<2.5、0<t<0.5、1.5<z<2.5である。)
で表されるものが挙げられる。
具体的には、アルファサイアロンを母体材料とする酸窒化物蛍光物質、ベータサイアロンを母体材料とする酸窒化物蛍光物質、CaAlSiN3:Euの組成式で表されるEu賦活カルシウムアルミニウムシリコンナイトライド等が挙げられる。
LxJyN((2/3)x+(4/3)y):R又は
LxJyOzN((2/3)x+(4/3)y-(2/3)z):R
(L、J及びRは、上記と同義である。x、y、zは、0.5≦x≦3、1.5≦y≦8、0<z≦3である。)で表される窒化物蛍光物質であって、Bが1〜10000ppmの範囲で含まれているものが好ましい。
M2Si5N8:Eu、
MSi7N10:Eu、
M1.8Si5O0.2N8:Eu、
M0.9Si7O0.1N10:Eu
(Mは、上記と同義である。)等が挙げられる。
MGa2S4:Eu
(Mは、上記と同義である。)等が挙げられる。
LxJyN((2/3)x+(4/3)y):R又は
LxJyOZN((2/3)x+(4/3)y-(2/3)z):R
(L、J、R、x、y、zは上記と同義である。)が好ましい。
希土類アルミン酸塩蛍光物質は、高い耐熱性を有するため、安定した光を放出することができ、波長変換効率が高いため、高効率で光を取り出すことができる。また、窒化物蛍光物質は、紫外から可視光の短波長側の光により励起され、可視光の長波長側の光を放出することができるため、演色性の向上を図ることができる。さらに、これら蛍光物質を組み合わせて用いることにより、例えば、平均演色評価数(Ra)が80以上と、演色性の高い光を得ることができる。
(i)CCA、(ii)CCB及び(iii)BAMの少なくとも1種と(ix)YAGとの組み合わせ、
(iii)SAEと(i)CCA:Mnとの組み合わせ、
(iii)SAEと(iv)SESNとの組み合わせ、
(iii)SAEと(iv)SCESNとの組み合わせ、
(iii)SAEと(iv)CESNとの組み合わせ、
(i)CCAと(ix)LAGと(iv)SESNとの組み合わせ、
(i)CCAと(ix)LAGと(iv)SCESNとの組み合わせ、
(i)CCAと(ix)LAGと(iv)CESNとの組み合わせ、
(i)CCAと(ix)LAGと(iv)CaAlSiN3:Euとの組み合わせ、
(ix)LAGと(iv)SESNとの組み合わせ、
(ix)LAGと(iv)SCESNとの組み合わせ、
(ix)LAGと(iv)CESNとの組み合わせ、
(ix)LAGと(iv)CaAlSiN3:Euとの組み合わせ等が好ましい。
これにより、高効率及び高演色性の双方を実現することができる。
上記蛍光物質以外の蛍光物質であって、同様の性能、効果を有する蛍光物質も使用することができる。
例えば、LAGとSESN、SCESN又はCaAlSiN3:Euとを組み合わせて用いる場合には、50:1〜1:50程度の重量比、さらに30:1〜1:30、50:1〜1:1、30:1〜1:1程度の重量比で組み合わせることが好ましい。また、LAGとCCAとSESN、SCESN又はCaAlSiN3:Euとを組み合わせて用いる場合には、LAGとCCAとは、1:10〜10:1程度の重量比、さらに1:5〜5:1、10:1〜1:1、5:1〜1:1程度の重量比で組み合わせることが好ましく、LAGとSESN、SCESN又はCaAlSiN3:Euとは、上記と同程度の範囲が挙げられる。
例えば、LAG(緑色発光)と、SCESN又はSESN(赤色発光)とを組み合わせて使用することが好ましい。これにより、青色の励起光(例えば、430〜500nmの範囲に発光ピークを有する発光素子)を組み合わせることにより、色の三原色を確保することができ、演色性の良好な白色に発光する光を得ることができる。
このような蛍光物質、顔料等は、凝集体を形成せず、光の吸収率及び変換効率を最大限に発揮させるために、通常、1μm〜20μm程度の範囲の粒径のものが用いられ、2μm〜8μm程度が好ましく、5μm〜8μm程度がより好ましい。また、このように、比較的粒径の大きな蛍光物質等を用いることにより、発光装置の量産性を向上させることができる。ここで粒径は、空気透過法で得られる平均粒径を指す。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、1cm3分の試料を計り取り、専用の管状容器にパッキングした後、一定圧力の乾燥空気を流し、差圧から比表面積を読みとり、平均粒径に換算した値である。
本発明の波長変換部材は、蛍光物質等を、被覆部材と混合して形成することができる。
被覆部材としては、例えば、無機ガラス、イットリアゾル、アルミナゾル、シリカゾル等の無機物質;ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA等)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、編成エポキシ樹脂等の1種又は2種以上等の樹脂、液晶ポリマー等の有機物質が挙げられる。これらの被覆部材は、耐熱性、耐光性、耐候性、透光性等に優れたものが好ましい。なかでも、フッ素樹脂、シリコーン樹脂(特にジメチルシロキサン系、メチルポリシロキサン系の樹脂等)等が好ましい。
本発明における波長変換部材は、任意に、フィラーを組み合わせて用いてもよい。これにより、ライトガイドへの波長変換部材の固着を容易にすることができる。また、波長変換部材を均一に配置することができるため色むらの少ない発光装置を得ることができる。
また、被覆部材を用いずに、例えば、蛍光物質等と、任意にフィラー及び適当な溶媒とともに混合し、任意に加熱しながら、加圧により成型する方法、電着等を利用してもよい。
さらに、後述するライトガイド内の一部に、例えば、コア材料に蛍光物質等を含有させるなどして、波長変換部材を設けてもよい。
本発明の発光装置では、励起光源10において、例えば、図1に示すように、発光素子11と射出部12との間に、レンズ13が設けられていていることが好ましい。
レンズは、素子から射出された光が、ライトガイドの入射部に集光される限り、どのような形状でもよく、素子と射出部との間に、複数枚並べて配置してもよい。レンズは、無機ガラス、樹脂等により形成することができ、なかでも、無機ガラスが好ましい。励起光源とライトガイドとの間にレンズを備え、レンズを介して励起光源から射出された励起光をライトガイドへ導出することができることにより、励起光源からの射出する励起光を集光させ、効率よくライトガイドに導出することができる。
なお、レンズには、蛍光物質等の波長変換部材として機能する材料を含有させてもよい。これにより、レンズ機能により、波長変換された励起光が、確実に射出部に集光されるため、色バラツキを解消することができ、レンズの製造によって波長変換部材をも同時に製造することができるために、波長変換部材の製造コストを抑えることができる。
本発明の発光装置では、ライトガイドの先端、つまり励起光源に接続されていない端部は、通常フェルールと呼ばれるライトガイド先端部材によって支持されていることが好ましい。このようなライトガイド先端部材により、ライトガイドからの出射光を固定することが容易となる。また、その材料や形状に応じて発光効率を向上させるとともに、発光装置としての組み立てが容易となる。
したがって、ライトガイド先端部材は、ライトガイドを支持し得るものであれば、どのような材料及び形状で構成されていてもよい。
上述したライトガイド先端部材に取り付ける場合に限らず、本発明の発光装置には、適切な位置に各種機能膜/部材を取り付けることが好ましい。ここでの機能膜/部材としては、例えば、波長変換光反射膜、励起光反射膜、拡散防止部材、拡散部材等が挙げられる。
例えば、拡散部材の膜厚は、ライトガイドのコア径、任意に用いる拡散部材の屈折率及び厚み、波長変換部材の径などによって適宜調整することができる。
本発明の発光装置には、遮断部材が取り付けられていてもよい。遮断部材は、励起光源からの光を90%以上遮断するものであることが好ましい。これにより、所定の波長の光のみを取り出すことができる。例えば、人体に有害な紫外線を放出する発光素子を用いる場合、その紫外線を遮断するために紫外線吸収剤又は反射剤等を遮断部材として、光導出部において、波長変換部材に含有させて用いることができる。これにより、紫外線等の照射を抑制することができる。なかでも、より発光効率を向上させることができる観点から、反射剤を用いることが好ましい。
なお、遮断部材は、上述した励起光反射膜、拡散防止膜等としての機能をも有しているため、これらと厳密に区別して利用されていなくてもよい。
本発明の発光装置は、図1に示した、1つの励起光源10と、一本のライトガイド20と、モードスクランブラー(図示せず)、1つの波長変換部材30とから構成された発光装置をユニットとして、図7に示したように、少なくとも2つ以上組み合わせられて発光装置100を構成していてもよい。ユニットの組み合わせ個数は、演色性と出力に応じて決定することができる。なお、この発光装置においては、上述したように、各ユニットの波長変換部材は一体的に形成されていてもよい。
本発明の発光装置は、120ルーメン/mm2程度以上の明るさを有していることが好ましい。
本発明の発光装置は、種々の用途に利用することができる。例えば、通常の照明器具、車両搭載用の照明(具体的には、ヘッドライト用、テールランプ用光源等)として利用してもよいし、内視鏡装置のように、生体内部を観察したり、観察しながら治療したりするための装置に利用してもよい。また、非常に狭い又は暗い空間、例えば、原子炉内部、遺跡の閉鎖空間等を観察したりするためのファイバースコープに利用してもよい。さらに、各種真空装置のチャンバ内など、電流の漏洩や発熱等を回避したい部材における光源として利用することもできる。加えて、点光源を要求する場所や光源の取り替えが困難な場所などで使用する発光装置として利用することができる。
本発明の発光装置は、高輝度でありながら、色調バラつきが少なく、色再現性に非常に富み、演色性が非常に高いため、内視鏡装置のように、鮮明な撮像等が要求される装置との併用に極めて優れた効果を発揮する。
さらに、本発明の発光装置は、画像表示部(スクリーン)にカラー画像を表示する画像表示装置に使用することができる。本発明の発光装置では、高発光効率で極めて高輝度の光を発することができるため、画像表示装置の光源として優れた効果を発揮し得る。
実施例1
図1に示したように、この実施例の発光装置は、励起光源10と、ライトガイド20と、モードスクランブラー(図示せず)と、波長変換部材30とを備えて構成されている。
励起光源10は、405nm近傍に発光ピーク波長を有する半導体発光素子11としてレーザダイオードを用いる。レーザダイオードは、GaN系の半導体素子である。
ライトガイド20は、その一端が、励起光源10の光の出射部12に接続されており、他端が出力部21に接続されている。ライトガイド20として、石英製の、例えば、SI型114(μm:コア径)/125(μm:クラッド径)を用いる。
モードスクランブラー44は、図8に示したように、ライトガイド20の所定の4箇所において、規則的に、曲げピッチPが5mm、曲げ幅Wが0.5mmで屈曲を与える噛合状態の櫛状部材とした。
波長変換部材30は、樹脂中に蛍光物質が均一に分散するように成型されて、出力部21に取り付けられている。
蛍光物質は、緑色に発光する(Lu,Ce)3Al5O12:Ce(LAG)0.54gと、赤色に発光する(Ca,Sr)2Si5N8:Eu(SCESN)0.02gとを使用し、これらの蛍光物質をシリコーン樹脂1.1g中に均一になるまで混練した。この場合の波長変換部材30の膜厚は、例えば、500μm程度とした。
励起光源10においては、半導体発光素子11の前面に、レーザダイオードからの励起光1を集光するためのレンズ13を配置した。
この発光装置において、励起光源を100mWで駆動させた場合、図9の太線で示したような出射ビームプロファイルを得た。
なお、比較のために、モードスクランブラー42を備えない点以外は上述した発光装置と同じものを準備し、上記と同様に100mWで駆動させた場合、図9の細線に示したような出射ビームプロファイルを得た。
比較のための発光装置の半値幅は6.2°であり、強度ピークを100%とした場合、実施例における発光装置の強度ピーク値は56.7%であった。また、半値幅は15.2°と、約2.3倍であった。
両者について、光束と光出力との関係を測定したところ、図10の太線で示したように、本実施例の発光装置は、比較のための発光装置(図10中、破線)と比べて、非常に良好なリニアリティを示した。
さらに、本実施例の発光装置は演色性が良好であり、しかも、比較のための発光装置と比べて、相当長時間にわたって波長変換部材等の劣化が全く認められず、高寿命であることが確認された。
この実施例の発光装置は、図3(b)に示したように、モードスクランブラー41として、約4mmのビーズを20個、ランダムにライトガイド20の周辺に配置してライトガイド20に屈曲を与える以外、実質的に実施例1と同様の装置を同様である。
実施例1と同様に評価すると、出射ビームプロファイル、光束−光出力、寿命について、ほぼ同様の結果である。
この発光装置は、図4に示したように、モードスクランブラー42として、SUS製のフェルールを溶接することにより、6箇所に応力を付与する以外、実質的に実施例1と同様の装置と同様である。
実施例1と同様に評価すると、出射ビームプロファイル、光束−光出力、寿命について、ほぼ同様の結果である。
この発光装置は、ライトガイドとして、図2(a)に示したように、波長変換部材30が配置する端部でのみコア径が広いもの(中心のコア径の1.5倍)を用いる以外、実質的に実施例1と同様の装置と同様である。
実施例1と同様に評価すると、出射ビームプロファイル、光束−光出力、寿命について、ほぼ同様の結果である。
2 光
10 励起光源
11 半導体発光素子
12 射出部
13 レンズ
20、120、201、202、203 ライトガイド
20a、120a コア
20b、120b クラッド
21 出力部
30 波長変換部材
31a、31b 蛍光物質
40、41、42、44 モードスクランブラー
43 溶接部
100 発光装置
204 径が増大した部位
205 径が減少した部位
Claims (17)
- 励起光を射出する励起光源と、
該励起光源から射出される励起光を少なくとも一部吸収し波長変換して所定の波長域の照明光を放出する波長変換部材と、
一端に前記励起光源を備え、他端に前記波長変換部材を備え、断面の中心部(コア)の屈折率を周辺部(クラッド)より高くして該励起光源から射出される励起光を波長変換部材に導出するライトガイドと、
前記ライトガイドに導入された励起光に対してモードスクランブルをかけるモードスクランブラーとから構成され、
該モードスランブラーは、前記励起光を導入した前記ライトガイドにおいて前記励起光の出射パターンを異なる出射パターンに変更して、前記ライトガイドから変更した出射パターンの励起光を射出させ、
前記波長変換部材は、250℃での輝度が室温での輝度に対して50%以上である輝度維持率を示す蛍光物質を含んでなることを特徴とする発光装置。 - 前記励起光源は、レーザダイオードである請求項1に記載の発光装置。
- モードスランブラーは、ライトガイドを複数方向に屈曲させるものである請求項1又は2に記載の発光装置。
- モードスランブラーは、ライトガイドの長手方向の一部又は全部において、外周の一部又は全部に対向する、凹部及び/又は凸部を備えた部材からなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
- 屈曲は、規則的又はランダムに、2箇所以上で行われる請求項3又は4に記載の発光装置。
- 屈曲は、曲げピッチが100mm以下である請求項3〜5のいずれか1つに記載の発光装置。
- 屈曲は、曲げ幅が10mm以下である請求項3〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
- モードスクランブラーは、ライトガイドに一体的に組み込まれており、前記ライトガイドの周辺部の厚みを増減することにより中心部の径を変化させるものである請求項1又は2に記載の発光装置。
- 中心部の径の変化は、規則的又はランダムに、2箇所以上で行われる請求項8に記載の発光装置。
- 中心部の径の変化は、ピッチが100mm以下である請求項8又は9に記載の発光装置。
- 中心部の径の変化は、該径の1/2以下である請求項8〜10のいずれか1つに記載の発光装置。
- モードスクランブルは、ライトガイドから射出される励起光のFFPにおける半値全幅を2倍以上にするものである請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
- モードスクランブルは、ライトガイドから射出される励起光のFFPにおける強度ピーク値を80%以下にするものである請求項1〜12のいずれか1つに記載の発光装置。
- 波長変換部材は、蛍光物質と樹脂とを含んでなり、前記蛍光物質と樹脂とが0.1〜10:1の重量比で混合されてなる請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置。
- 蛍光物質が、LAG、BAM、BAM:Mn、YAG、CCA、SCA、SCESN、SESN、CESN及びCaAlSiN3:Euからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜14のいずれか1つに記載の発光装置。
- さらに、励起光源とライトガイドとの間にレンズを備えており、該レンズを介して前記励起光源から射出された励起光をライトガイドへ導入する請求項1〜15のいずれか1つに記載の発光装置。
- 外部へ導出された光が、80以上の平均演色評価数(Ra)を示す請求項1〜16のいずれか1つに記載の発光装置。
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