JP4728213B2 - インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックスポリマー - Google Patents

インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックスポリマー Download PDF

Info

Publication number
JP4728213B2
JP4728213B2 JP2006501132A JP2006501132A JP4728213B2 JP 4728213 B2 JP4728213 B2 JP 4728213B2 JP 2006501132 A JP2006501132 A JP 2006501132A JP 2006501132 A JP2006501132 A JP 2006501132A JP 4728213 B2 JP4728213 B2 JP 4728213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
dielectric constant
ink
latex particulates
inkjet ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006501132A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006524269A (ja
Inventor
ガナパシアパン,シルバパキア
ビンセント,ケント,ディー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hewlett Packard Development Co LP
Original Assignee
Hewlett Packard Development Co LP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hewlett Packard Development Co LP filed Critical Hewlett Packard Development Co LP
Publication of JP2006524269A publication Critical patent/JP2006524269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4728213B2 publication Critical patent/JP4728213B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、概して、ラテックス含有インクによるインクジェット印刷に関する。補足的に、本発明は、インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックス並びにラテックスベースのインクに関する。
大きく改善されてきたインクジェット印刷技術ではあるが、多くの領域において、なし得る改善は依然として存在する。インクジェットインクの化学的性質に関して言えば、市販の大多数のインクジェットインクは、水性である。従って、それらの構成成分は、一般に、多くの染料の場合のように水溶性であるか、又は顔料の場合のように水分散性である。さらに、インクジェットインクは、インクジェットペンにとって一般的な高周波数噴射及び射出チャンバ再充填プロセスに適応すべく、低粘度(典型的に、5cps以下)である。
多くのインクジェットインクシステムにおいて起こる典型的な色及び画像全体の褪色問題に加えて、インクジェット印刷物は、水又は高湿度に曝される際に耐久性が低いことでも知られている。これは、当該水性インクに水溶性及び水分散性の着色剤が用いられることに起因する。ある種のインクジェット適合性ラテックスポリマーを取り込むことによって、インクジェットインクの耐水性の領域は大きく改善された。当該ラテックスは、水性インクジェットインク中に分散している、高分子量の小ミクロン若しくはサブミクロンの疎水性高分子粒子から構成し得る。インクジェットインクの一部として印刷されると、インクのラテックス成分は、媒体表面上に膜を形成し、着色剤を疎水性印刷膜内に捕捉し且つ保護することができる。しかしながら、そのようなラテックス組成物は、時間の経過によるラテックスの沈殿に関する問題、並びにペンの信頼性に関わる問題を引き起こし得る。
耐久性のある膜を形成するポリマーは、典型的に、1.15g/cm以上のオーダーのバルク密度を有するコポリマーから作られ、これは、水、即ち、サーマルインクジェットインクの主成分より明らかに高い。従って、在来のラテックス粒子は、通常、綿状凝集するように設計されており、それによって、ラテックス微粒子は、集塊することなく容易に振とう又は撹拌されて分散物にもどることができる。そのような綿状凝集挙動は、ラテックス塗料に関してよく知られている。不運にも、これらの従来の教示は、インクジェット印刷用途という特異的なニーズを指向していない。例えば、インクジェットペンのマイクロチャネルによるインク供給は、特にペンを長期間保管したり、使用しない場合、沈殿物で容易に閉塞してしまう。そのような沈殿は、流れを阻害することにより、ペン構造のマイクロチャネル内における適切な混合を阻止してしまうため、ペンを振とうしても容易には再分散されない。加えて、噴射に用いるマイクロチャネルは、射出に備えて長期間にわたってインクの幾つかを収容する場合があり、沈降したラテックスがマイクロチャネルのさらなる狭窄を引き起こす場合がある。これは、マイクロチャネルの閉塞に起因するインクジェットペンの故障に帰着する。さらに、サーマルインクジェットペンの流体チャネルに見られるミクロンオーダーの配置距離がその問題を一層悪化させる。
インクジェットインクと共に用いるのに極めて機能的であり、且つ無期限にではなくても、長時間にわたって懸濁状態を維持し得るラテックス微粒子を開発することが有益であろうと考えられる。
一実施形態では、0.90g/cm〜1.10g/cmのバルク密度と、2.0〜3.0の表面誘電率を有するラテックス微粒子が提供される。これらのラテックスは、インクジェットインクにおいて又はその他の水を主成分とする組成物と共に用いることができる。
より詳細には、有効量の、インクビヒクル、インクビヒクルに混合された着色剤、インクビヒクルに分散されたラテックス粒子、ラテックス微粒子表面に吸着した界面活性剤から構成し得るインクジェットインクが提供される。当該ラテックス微粒子は、0.90g/cm〜1.10g/cmのバルク密度、及び/又は2.0〜3.0の表面誘電率を有し得る。
さらに別の実施形態では、インクジェットインクは、有効量の、インクビヒクル、インクビヒクルに混合された着色剤、インクビヒクルに分散されたラテックス微粒子から構成することができ、この場合、当該ラテックス微粒子は、2.0〜3.0の表面誘電率を有する。
さらに別の実施形態では、或る液体密度を有するインクビヒクル、インクビヒクルに混合された着色剤、及びインクビヒクルに分散されたラテックス微粒子を有効量含んで成るインクジェットインクも提供され、この場合、当該ラテックス微粒子は、前記液体密度より0.1g/cm低い値乃至前記液体密度より0.1g/cm高い値のバルク密度を有する。
本発明のその他の特徴及び利点は、例示目的で本発明の特徴を説明するところの以下の詳細な説明から明らかになろう。
本発明の詳細な実施形態を開示、説明するにあたり、本発明が、ここに開示する特定のプロセス並びに材料に限定されないことを理解されたい。何故なら、そのような処理ステップ並びに材料はある程度変更し得るからである。また、ここで用いる用語は、特定の実施形態を専ら記述するだけの目的で用いるものであることも理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定される故、当該用語に限定の意はない。
本明細書並びに請求の範囲において用いるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容を別途明確に指示しない限り、複数形の意味を包含する。
ここで用いるとき、「液体ビヒクル」又は「インクビヒクル」とは、インクジェットインクを形成すべく、着色剤及びラテックス粒子又はコロイドをその中に分散させるところの液体を指す。当分野では、多くの液体ビヒクル及びビヒクル成分が知られている。典型的なインクビヒクルは、界面活性剤、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封止剤、粘度修正剤、及び水のような、種々の薬剤の混合物を含むことができる。
「着色剤」には、染料、顔料、及び/又は本発明のラテックス粒子含有インクビヒクルに適合し且つインクビヒクル中に懸濁させ得る他の粒子、が包含され得る。染料は、典型的に水溶性であり、従って、多くの実施形態において望ましく用いることができる。しかしながら、顔料もまた、その他の実施形態において用いることができる。用い得る顔料には、自己分散性顔料及び高分子分散型顔料が含まれる。自己分散性顔料は、電荷又は高分子基で化学的に表面修飾されたものが含まれる。この化学修飾によって、顔料は、液体ビヒクル中に分散した状態となり且つ/又は実質的に分散した状態に保持されるのが助長される。当該顔料はまた、高分子分散型顔料ともし得、これは、液体ビヒクルにおいて、及び/又は顔料が液体ビヒクル中に分散した状態となり且つ/又は実質的に分散した状態に保持されるのを助長する物理的コーティングを利用した顔料において、分散剤(ポリマー又はオリゴマー又は界面活性剤とし得る)を利用するものである。使用し得るその他の微粒子に関して例を挙げれば、そのような微粒子が色を付与するか否かに関係なく、磁性粒子、アルミナ、シリカ、及び/又はその他のセラミックや有機金属がある。
本明細書では、濃度、量、及びその他の数値データを範囲形式で提示する場合がある。そのような範囲形式は、単に便利且つ簡便なために用いるものであり、範囲の限界として明記された数値を含むだけでなく、各数値及び副範囲があたかも明記されているかのように、その範囲内に包含される個別の数値又は副範囲を全て包含するものと柔軟に解釈すべきことを理解されたい。例えば、「0.1wt%〜5wt%」という濃度範囲は、0.1wt%〜5wt%という明記された濃度を含むだけではなくて、表示された範囲内の個別の数値又は副範囲を全て包含するものと解釈すべきである。従って、この数値範囲には、1wt%、2wt%、3wt%、及び4wt%のような個別の濃度及び0.1wt%〜1.5wt%、1wt%〜3wt%、2wt%〜4wt%、3wt%〜5wt%等のような副範囲が含まれる。これと同じ原理が、1つの数値のみを挙げる範囲にも適用される。例えば、「5wt%未満」として挙げられた範囲は、0wt%〜5wt%の値及び副範囲を含むものと解釈すべきである。さらに、そのような解釈は、記載する範囲又は特性の幅に関係なく適用されるべきである。
ここで用いるとき、「有効量」とは、所望の効果を達成するのに十分であるところの、物質又は薬剤の少なくとも最小の量を指す。例えば、有効量の「インクビヒクル」とは、効果的なインク噴射に必要な諸特性を維持しつつ、インク組成物を作るのに要求される少なくとも最小の量である。
用語「フリクセル(freqcel)」は、ペン射出周波数を高くした場合のインク滴射出速度の低下を表す。ドロップ速度の低下は、射出された液滴の軌道を変更させ、印刷媒体上における液滴配置精度を低下させ得るため問題となり得る。特定の理論に囚われるわけではないが、フリクセルは、液滴核形成時の、ペンの射出チャンバ近傍における、ラテックス粒子からの界面活性剤の熱せん断除去に起因し得る。界面活性剤は、典型的に、粒子の分離を助長するためにインクジェットインク中に存在するため、表面に吸着したり、表面に誘引されている界面活性剤が減少すると、より大きな粒子間引力が助長される。これは、インク粘度の増加に帰着し得る。この現象を防止するために比較的大きいペン射出エネルギーを用い得るが、これらの高めの粘度においては、バブル捕捉が悪化し得、それは、フリクセル性能をより悪化させることがよく知られている。
用語「デセル」は、ペンのマイクロチャネル内におけるインクの流動抵抗の増大を表し、これによって、次には、射出液滴容積が低下する。前述の流動抵抗は、インクレオロジー即ち押し出し流れの変化によって引き起こされ得、多くの場合、ペン射出チャンバ内のインク枯渇の原因となる。
用語「デキャップ」は、ノズルが閉塞するまでにどれくらい有効な状態のままで留まれるか並びに適切な液滴射出を再構築するのにペン射出が何回必要かに関する尺度である。
用語「表面誘電率」及び「バルク誘電率」、並びに用語「バルク密度」及び「ガラス転移温度」は、相互に関係しており、詳細な説明を要する。以下の表1は、例示のために、本発明の原理に従って調製したラテックスコポリマー微粒子のバルク誘電率や表面誘電率、バルク密度、及びガラス転移温度を予測するために用い得る、ホモポリマーに関する幾つかのホモポリマー値を提示するものである。そのような予測は、Predictions of Polymer Properties,Bicerano,Jozef,Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1996に記載のような、一般的なBicerano相関に従って行うことができる。表1は、本発明の原理に従ってラテックス微粒子を作るのに用い得る全てのホモポリマーを含むものであると解釈すべきではない。さらに、本発明の原理に従ってラテックス微粒子を作る際に、表1に挙げたホモポリマーの全てが、使用するのに有効であるとは限らない。表1は、用語「表面誘電率」又は「バルク誘電率」並びに用語「バルク密度」及び「ガラス転移温度」の意を教示するために単に提示するものである。
Figure 0004728213
上の表1において、用いた略字は、次のように定義される。
W モノマー分子量(グラム/モル)
coh1 凝集エネルギー(ジュール/モル)
ファンデルワールス容積(cm/モル)
dc フィッティングパラメータ(cm/モル)
ε 誘電率(無単位)
V モル体積(cm/モル)
ρ 密度(グラム/cm
ガラス転移温度(摂氏)
これらの値から、これらのモノマー(又はこれらの値が利用できるその他の既知のモノマー)の任意の組合せによる共重合によって形成されたラテックスコポリマーのバルク誘電率や表面誘電率、バルク密度、及びガラス転移温度を予測することができる。
全体にわたってほぼ均一となるよう重合もしくは共重合されたラテックス微粒子に関しては、用語「バルク誘電率」と「表面誘電率」とは、互いに交換して用いることができる。例えば、コアと表面とが、概して同じ材料からなるとき、バルク誘電率は、コアの疎水性のみならず、表面の疎水性も説明する。しかしながら、コア−シェル、逆コア−シェル、又は複合ラテックスを形成する実施形態では、ラテックスのコアは、通常、シェルとは異なるポリマー又はコポリマーであるため、バルク誘電率と表面誘電率とは異なる。従って、コア−シェル、逆コア−シェル、及び複合体の実施形態においては、表面吸着において重要な役割を果たすシェル材料の誘電率、即ち、表面誘電率が重要である。結果として、表面誘電率値は、単一材料からなるラテックスコポリマー微粒子、並びにコア−シェル、逆コア−シェル、又は複合ラテックスコポリマー微粒子の両方を説明し得るため、誘電率値に関しては、表面誘電率を用いることとする。
これらの定義を銘記して、本発明は、0.90g/cm〜1.10g/cmのバルク密度と、2.0〜3.0の表面誘電率を有するラテックス微粒子を包含し得る。これらのラテックスは、インクジェットインクにおいて、又は水を主成分とする他の組成物と共に用いることができる。
また、有効量の、インクビヒクル、インクビヒクルに混合された着色剤、インクビヒクルに分散しているラテックス粒子、ラテックス微粒子表面に吸着している界面活性剤から構成し得るインクジェットインクも提供する。当該ラテックス微粒子は、0.90g/cm〜1.10g/cmのバルク密度及び/又は2.0〜3.0の表面誘電率を有し得る。
本発明の実施形態に従って調合し得る他のインクジェットインクは、有効量の、インクビヒクル、インクビヒクルに混合された着色剤、及びインクビヒクルに分散したラテックス微粒子から構成することができ、この場合、当該ラテックス微粒子は、2.0〜3.0の表面誘電率を有する。
他の実施形態では、別のインクジェットインクは、有効量の、或る液体密度を有するインクビヒクルと、インクビヒクルに混合された着色剤と、インクビヒクルに分散されたラテックス微粒子とから構成することができ、この場合、当該ラテックス微粒子は、前記液体密度より0.1g/cm低い値乃至前記液体密度より0.1g/cm高い値のバルク密度を有する。
本発明には、所望の結果を達成するために、一緒に又は別個に利用し得る、多様な態様がある。そのような所望の結果の一例としては、水を主成分とするインクビヒクル中に、数年にわたってほとんど又は全く沈降することなく、ラテックス微粒子を取り込む能力が挙げられる。
本発明の実施形態によれば、低密度のポリマーは、主として、比較的疎水性となる傾向のある炭化水素の鎖及び環を含み、且つ比較的低い誘電率を有する。従って、本発明の3つの特徴としては、密度、疎水性、及び誘電率に関連した物理的特性が挙げられる。一般に、比較的極性の強いモノマーは、窒素及び酸素のような、比較的高濃度の比較的重い原子を含み、比較的高いバルク密度を与える。そのような極性ポリマーはより親水性となる傾向があり、それ故、界面活性剤をラテックス微粒子に関連させる場合、界面活性剤の疎水性セグメントに対してさほど求引性がない。さらに、比較的親水性の表面は、ラテックス表面上における界面活性剤の最適な吸着を崩壊させ得る水分子を吸着する。
表面誘電率に関して詳しくいえば、本発明の実施形態に従って調製されたラテックス微粒子の表面は、2.0〜3.0の室温表面誘電率を有し得る。他の実施形態では、表面誘電率は、2.3〜2.8ともし得る。2.0〜3.0という表面誘電率によって、一般に、十分な程度の表面疎水性がもたらされ、液滴噴射時に起こる高せん断条件下での界面活性剤の剥離が防止される。2.0程度のラテックス表面誘電率は、極めて低い誘電率を有するモノマーを混合することによって得ることができる。そのようなモノマーの例には、フッ化珪素又はフッ化炭素がある。
誘電率値は、疎水性の尺度として利用することができる。在来の界面活性剤の疎水性セグメントは、典型的に、第1末端の、長い、例えば5〜50原子長の、分枝炭化水素又は非分枝炭化水素鎖から構成され、他の末端には、長い、例えば、5〜100原子長の、分枝親水性鎖又は非分枝親水性鎖が含まれる。そのような非分枝の界面活性剤の一例を、以下の式4に示す。
Figure 0004728213
式中、mは5〜50とし得、nは5〜100とし得、Rは、H又はCHとし得る。式4は、単に、用い得る1つの例示的な界面活性剤を提示するにすぎない。その他の既知の界面活性剤もまた、用いることができる。図示するように、疎水性部分と親水性部分は、リン酸のような、酸によって互いに結合させることができる。そのような酸は、ラテックス表面に電荷を付与し得、それが、表面上に既に存在しているかも知れない電荷を増強する。さらに、親水性部分は、ラテックス表面に立体的な安定性を付与する。
界面活性剤の疎水性部分は、主に脂肪族の場合には、典型的に、ポリオレフィンに関し公称であるところの、約2.3という誘電率を有すると予測される。ラテックス微粒子表面への、界面活性剤の疎水性部分の十分な付着は、両者の誘電率ができるだけ厳密に一致する際に起こり得る。最適な付着からの逸脱は、界面活性剤の疎水性部分とラテックス微粒子との間の誘電率の差に比例するものと思われる。結果として、これらの判定基準に合うようにラテックスを処理することによって、狭い範囲のラテックス表面誘電率並びにバルク密度を得ることのできることが確認されている。これらの性質の1つ又は2つを得ることによって、界面活性剤をラテックス微粒子表面に吸着させることが望まれる場合に、ラテックス含有インクジェットインクにしばしば関連するラテックスの印刷適性及び分散性に関連する諸問題を最小限としたり、排除するのに十分な界面活性剤の付着を実現することができる。さらに、そのような調合物は、水性インクビヒクル内におけるラテックスの浮揚並びに沈降の両方を防ぐことができる。換言すれば、ラテックス表面に界面活性剤の疎水性部分が付着すると、親水性部分が表面から毛状に伸びることによって、水を主成分とするインクジェットインクにおいてそれを使用可能とする諸性質を疎水性ラテックス微粒子に与えることができる。
バルク密度に関しては、本発明の実施形態によるインクジェット適合性のラテックスポリマーは、0.90g/cm〜1.10g/cmのバルク密度(ρ)を有することができる。別の実施形態では、バルク密度は1.02g/cm〜1.05g/cmとし得る。当該特性によって、ラテックス表面の化学特性や分散の化学特性に関係なく、ラテックス粒子の沈殿を防ぐことができる。
本明細書に記載のラテックス粒子及びインクジェットインク調合物は、1つには、例えば、サイズ200nm〜300nmの、1.10g/cmより高いバルク密度を有するラテックス粒子が、3ヶ月内に、希釈(0.25wt%固形物)した試験管水溶液から沈降したり、顕著に層を形成する傾向があるという知見から生まれた。それより低い密度のラテックス粒子は、同じ試験において、数年以内に目に見える沈殿や層形成を示さない。逆に、水中の所与のラテックス粒子のバルク密度が非常に低い場合は、当該ラテックス粒子は水溶液の上面へ浮上する場合がある。これらのしきい値は、粒子密度、液体密度、粒径、及び温度に関する限界内で、粒子を懸濁状態に維持するブラウンの液体−粒子間の運動量交換によって説明することができる。
より詳細な実施形態では、バルク密度が、水を主成分とするインクビヒクルの液体成分の密度より高くなるように、バルク密度範囲を変化させ得る。これによって、ラテックスの浮揚を防ぐことができ、且つこのレベルより高い比較的狭い密度範囲内においては、ブラウンエネルギーによって、沈降を防ぐことができる。水を主成分とするインクジェットインクのビヒクルの液密度は、典型的に、約1.02g/cmであるため、ほぼ同一乃至やや高いバルク密度のラテックス粒子は、沈降又は浮上が数年にわたってほとんど無いか又は全く無い。従って、本実施形態では、ラテックスの沈降を防ぐために、ラテックスの密度を、インクビヒクルの密度範囲又はそれより高く且つブラウンの運動量交換が有効である範囲内に保持することができる。沈降速度は、ビヒクルとラテックスとの間の密度差伴って増大する。
適切なバルク密度を得るために利用できる1つの方策は、少なくとも1つの環含有モノマーを含む低密度のラテックスポリマーを利用することである。この環含有モノマーは、ラテックス印刷膜の耐久性を改善する。一実施形態では、本発明の本態様によるラテックスは、アルカン、例えばメタクリル酸ヘキシル、と、環ベースモノマー、例えばスチレン、とのブレンドを含有することで、所与の温度における印刷膜形成のためのガラス転移温度を調節することができる。これらの又はその他の類似のポリマーを使用することによって、印刷膜の耐久性を低下させることなく、上述の利点を達成することができる。 当該ポリマーのガラス転移温度は、約0℃<T<50℃の範囲とし得る。代替実施形態では、ガラス転移温度の範囲は、約10℃<T<40℃とし得る。これらの温度範囲は、プロセス又はペンが粒子のアグロメレーションを生じることなく、インクの室温膜形成を可能とする。より高いガラス転移温度範囲は、ラテックスの凝固を周囲より高い温度で、例えば、加熱した溶融ローラによって、達成する際に、使用するために選択し得る。共役環構造を用いる場合、そのような環構造のπ電子は、比較的極性の高いモノマーに特徴的な密度の付加なく、強力な付着力をもたらすことができる。さらに、アルカンと環型モノマーとのブレンドを用いることで、ラテックスコポリマーの印刷膜形成のための熱ガラス転移温度を調節することができる。
乳化重合によるモノマー混合物の在来のフリーラジカル付加を介して調製することができる。適切なモノマーは、米国特許第6,057,384号に含まれており、参照することでその内容をここに取り入れることとする。当該ラテックスは、ラテックス表面の帯電を促進するモノマー又は複数のモノマーを取り込むことによって、分散性を安定化させ得る。そのようなモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル安息香酸、及びメタクリロイルオキシエチルスクシナートに代表される。これらの電荷形成モノマーは、典型的に、ラテックス粒子(又はコア−シェルラテックスの場合はラテックス粒子表面)の0.5wt%〜20wt%を構成する。より詳細な実施形態では、電荷形成モノマーは、モノマーミックスの3wt%〜10wt%にて存在させ得る。これらの電荷形成モノマーを、ラテックス重合後に中和させて、塩を形成することができる。そのような塩は、ラテックスのカルボン酸基と、水酸化カリウムとの反応によって形成することができる。当分野で周知のように、その他の既知の中和組成物を用いることもできる。
ここに開示した原理に従って調製されるラテックスは、サーマルインクジェットプリンタに使用できるように、熱せん断安定化させることができる。そのような安定化は、ラテックス中のポリマー鎖間の架橋結合を形成し得る、二量体などの、多量体又は架橋剤を0.5wt%〜5wt%にて取り込むことによって実現し得る。別の実施形態では、多量体は、1wt%〜2wt%にて存在させることができる。そのような多量体は、エチレングリコールジメタクリレートに代表されるが、本開示を考察後に当業者に分かるであろうような他のものを使用することもできる。架橋剤をこの狭い範囲とすることは、その室温膜形成特性に悪影響を及ぼすことなく、サーマルインクジェットの高い熱せん断条件下においても、ラテックスを元の状態に維持する点で好ましいことが見出されている。
代替の態様では、在来のコア−シェルラテックス構造を本発明の原理に従って調製することができ、この場合、そのシェル層は、本明細書に記載する諸性質、例えば、表面電荷モノマー、多量体、誘電率仕様等に従うモノマーミックスを含む。この場合、シェル層は、ラテックスのコアの性質とは無関係に、熱せん断安定化特性及び分散安定化特性をもたらすことができる。さらに、コア及びシェルポリマーは、非複合ポリマーラテックス又はコポリマーラテックスに関して先に規定したようなバルク密度並びにガラス転移温度を有するラテックス粒子が生成するように、集合的に構成することができる。当分野で周知のように、コア−シェルラテックスは、二段プロセスで調製することができ、この場合、第1のラテックス粒子を合成し、その周囲でシェルモノマーを重合させるための核粒子を形成する。
単一材料から成るラテックス微粒子又はコア−シェルラテックス微粒子のいずれを使用するにしても、ここに記述した原理に従ってそれらを調製する限り、フリクセル、デキャップ、及びデセルに関わる諸問題を実質的に改善することができる。例えば、フリクセルは、ラテックスの表面疎水性を高めることによって相応に克服することができる。例えば、メタクリル酸メチル−アクリル酸ヘキシルコポリマーから主として構成されたラテックスは、3kHzでフリクセルを呈するが、それよりも著しく疎水性のスチレン−メタクリル酸ヘキシルコポリマーのラテックスは、12kHzまで全くフリクセルを呈しない。しかしながら、より疎水性のラテックスは、透析により界面活性剤が剥がされると、より疎水性の低いラテックスに関して見られるように、3kHzで顕著なフリクセルを呈する。如何なる特定の理論に囚われることなく、誘電率がより密に一致しているため、界面活性剤の疎水性セグメントとラテックス表面との間の付着が改善され、それによって、サーマルインクジェットペンからの噴射時に界面活性剤が剥離しにくくなるものと考えられる。
さらに、デセルとデキャップの両方もまた、ラテックス粒子間に存在する引力並びに界面活性剤の付着の程度によって影響される。比較的疎水性であるラテックス粒子は、比較的低いバルク誘電率と、それ故、比較的低いファンデルワールス引力エネルギーを有する。同様に、比較的疎水性の粒子表面に付着した界面活性剤は、粒子が互いに又はインクジェットペン表面に接近する際に除去されにくい。十分広い範囲に分布した界面活性剤を有するラテックス表面は、より水和した状態で且つ他の表面から分離されて留まるものと考えられ、さらに優れたラテックス性能を達成することができる。
ここに記載のラテックスと共に用い得る典型的なインクビヒクル調合物は、水、及び、任意に、ペン機構に応じて、全体で0wt%〜30wt%存在する1つ又は複数の共溶媒を含むことができる。さらに、1つ又は複数の非イオン性、陽イオン性、及び/又は陰イオン性の界面活性剤を、0wt%〜5.0wt%の範囲にて存在させ得る。当該調合物の残余は、純水であるか、又は、殺生物剤、粘度修正剤、pH調節用材料、金属イオン封鎖剤、防腐剤等のような、当分野で既知の他のビヒクルとし得る。典型的には、インクビヒクルは、主として、水である。
用い得る共溶媒の種類としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、カプロラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、及び長鎖アルコールが挙げられる。前述の化合物の例としては、第一脂肪族アルコール、第二脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの高次の同族体、N−アルキルカプロラクタム、未置換カプロラクタム、置換及び未置換のホルムアミド、置換及び未置換のアセトアミド等がある。用い得る溶媒の具体例としては、トリメチロールプロパン、2−ピロリジノン、及び1,5−ペンタンジオールが挙げられる。
インク調合の当業者に周知のように、多数の界面活性剤のうち1つ又は複数を用いることもでき、それらには、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、アセチレン系ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(ジ)エステル、ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミド、ジメチコンコポリオール、置換アミンオキシド等が含まれる。本発明の調合物に添加する界面活性剤の量は、0wt%〜5.0wt%の範囲とし得る。インクビヒクルに使用し得るものとして記述した界面活性剤が、ラテックス微粒子表面に付着するものとして記述した界面活性剤とは同じものではないが、同じ界面活性剤の多くを、何れの目的にも使用し得ることに留意されたい。
本発明の調合物に、その他の種々の添加剤を用いて、特定の用途に用い得るようにインク組成物の諸性質を最適化することができる。これらの添加剤の例は、有害微生物の成長を阻害するのに添加されるものである。これらの添加剤は、インク調合物に日常的に用いられるところの、殺生物剤、殺菌剤、及びその他の微生物剤とし得る。適切な微生物剤の例には、限定はしないが、Nuosept(Nudex,Inc.)、Ucarcide(Union carbide Corp.)、Vancide(R.T.Vanderbilt Co.)、Proxel(ICI America)、及びそれらの組合せが含まれる。
重金属不純物の有害な影響を排除するために、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)のような、金属イオン封鎖剤を含有させることができ、また、インクのpHを制御するために緩衝剤溶液を用いることもできる。例えば、0wt%〜2.0wt%にて用いることができる。インクの諸性質を所望のように変性すべく、粘度調節剤、緩衝剤、並びに当分野の当業者に周知のその他の添加剤を存在させることもできる。そのような添加剤は、0wt%〜20.0wt%にて存在させることができる。
着色剤に関しては、有効量の顔料及び/又は染料の両方又はいずれかを用いることができる。一実施形態では、当該着色剤は、0.5wt%〜10.0wt%にて存在させることができる。
実施例
以下の実施例は、現在知られている本発明の実施形態を説明するものである。従って、これらの実施例は、本発明を限定するものと考えられるべきではなく、単に、流通している実験データに基づいて本発明の最もよく知られている組成物を如何に作るかを適切に教示することを目的とする。それ故、ここでは、代表的な多数の組成物とそれらの製造方法を開示する。
種々のラテックスの調製
同じ手順並びにモノマー及び添加剤の全重量パーセントを用いて、9種のラテックスコポリマーを調製した。唯一の相違点は、個々のモノマー及び選択した各モノマーの重量パーセントであった。各コポリマーに関するモノマー含量を以下の表2に示す。
Figure 0004728213
上の表2において、略字は以下のように定義される。
MMA メタクリル酸メチル
BMA メタクリル酸ブチル
HMA メタクリル酸ヘキシル
EHMA メタクリル酸2−エチルヘキシル
HA アクリル酸ヘキシル
MES メタクリロイルオキシエチルスクシナート
MAA メタクリル酸
EGDMA エチレングリコールジメタクリレート
個々のラテックスの各々を調製するのに用いた手順は以下の通りである。表2記載の3つ又は4つのモノマーから成る200グラムのモノマーミックスを、70mlの水に混合した。各混合物を、14.6gの水(14.6g)に溶かしたRhodafac RS710界面活性剤を用いて乳化した。各コポリマーの調製のためのRhodafacの濃度は、全体として220nm〜260nmの粒径を維持すべく、1.5wt%〜2.5wt%の間で変化させた。水(50ml)中に過硫酸カリウム(1g)を含んで成る溶液を、90℃に予備加熱した水(650ml)を含む反応器に滴下添加した。滴下速度は、24分間かけて過硫酸を完全に放出するように調節した。過硫酸の付加開始から3分後、エマルションを20分間かけて反応器に滴下添加した。反応物を90℃にて1.5時間保持し、次いで、室温まで冷却した。得られた9種のラテックスポリマーの各々を、水酸化カリウム溶液で中和して、各ラテックス溶液のpHを8.5にした。次いで、作製した9種のコポリマーの各々を、200メッシュフィルターを用いてろ過して、約220〜260nmの粒径にした。
ラテックスの性能
実施例1のラテックスコポリマー微粒子のバルク誘電率又は表面誘電率、バルク密度、及びガラス転移温度は、ラテックス微粒子に用いたモノマーに関する特定の情報が既知である場合に、予測することができる。詳細には、式1−3で表した関係、及び表1に示したホモポリマー値を用いることで、実施例1で調製した9種のラテックスの各々が以下の表3記載のバルク又は表面誘電率及びバルク密度を有することが算出された。調製したラテックスコポリマーの全ては、室温での使用に許容されるであろうところのガラス転移温度を有した。以下の表3は、後述するように、分散安定性、フリクセル、及び印刷適性に関して実施した試験の結果を示している。
Figure 0004728213
上の表3に示した分散安定性に関して、実施例1に従って調製したラテックスの一部を、それぞれ、水中において、0.25wt%固形物にまで希釈し、各希釈物を標準の試験管に充填した。その試験管を、標準の試験管ラックに垂直に静置し、8ヶ月の期間にわたって、粒子の層化並びに沈降に関してモニターした。1.10g/cmより高い計算密度を有する全てのラテックスは、3週間以内に粒子の沈殿を示し、層化の酷さは密度に比例した。1.05g/cm未満の密度を有するラテックスは、8ヶ月の期間にわたって層化又は沈降を示さなかった。
表3に提示したフリクセル及び印刷適性(デセル及びデキャップ)観察に関しては、実施例1に従って調製したラテックスの各々を、標準化インク調合物中に取り込み、ヒューレット−パッカード社のサーマルインクジェットペンを用いて、フリクセル、デセル、及びデキャップについて印刷試験した。3.0より高い計算誘電率を有するラテックスは、8kHzより高いドロップ周波数においては印刷することができず、また、デセル及びデキャップ測定に関しては印刷適性不良を呈した。フリクセル、デセル、及びデキャップ問題は、ラテックスの誘電率が高くなるにつれて増大した。最高の誘電率(3.12)を有するラテックスは、3kHzで印刷できなかった。3.0より低い誘電率を有するラテックスは、フリクセル、デセル、及びデキャップにおいて顕著な改善を示し、その改善はラテックスの誘電率に反比例するものと思われる。2.8より低い誘電率を有するようなラテックスは、さらに優れたフリクセル、デセル及びデキャップ性能を示した。
コア−シェルラテックス粒子の調製
シード重合プロセスを利用してコア−シェルラテックスを合成した。この場合、コアは、63wt%のメタクリル酸メチルと37wt%のアクリル酸ヘキシルとのコポリマーであり、計算誘電率は3.01であった。シェルは、53wt%のメタクリル酸ヘキシル、6wt%のメタクリル酸メチル、及び1wt%のジエチレングリコールジメタクリレートから成るコポリマーであり、計算誘電率は2.80であった。コアを内部に閉じ込めるようにシェルを重合した。コア対シェルの重量比は、約40:60であった。次いで、得られたラテックスを実施例3と同様に試験した。フリクセル、デセル及びデキャップの結果は、実施例2記載のバルク誘電率2.80である大凡均一なコポリマー材料から成るラテックスに較べてひけを取らなかった。
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、様々な修正、変更、省略、及び置換を本発明の趣旨から逸脱することなく成し得ることは、当業者には明らかであろう。それ故、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (13)

  1. a)水性インクビヒクル、
    b)前記インクビヒクルに混ざっている着色剤、
    c)前記インクビヒクルに分散しており、1.02g/cm から1.05g/cm未満のバルク密度と室温で2.3〜2.8の表面誘電率を有する、ラテックス微粒子、
    d)前記ラテックス微粒子の表面に吸着している界面活性剤、
    を有効量含有するインクジェットペンを含んで成る、インクジェットインクシステム。
  2. 前記ラテックス微粒子が、0.5wt%〜5wt%の架橋剤によって架橋結合している、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  3. 前記ラテックス微粒子が、0℃〜50℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  4. 前記ラテックス微粒子が、コポリマーであり、且つ少なくとも1つの環を含有するモノマーを含む、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  5. 前記着色剤が、顔料である、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  6. 前記界面活性剤が、疎水性の炭化水素鎖部分と親水性のエチレングリコール鎖部分とを含む、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  7. 前記ラテックス微粒子が、0.5wt%〜20wt%の酸性モノマーを含むランダムに組み合わせられたコポリマーである、請求項1に記載のインクジェットインクシステム。
  8. 1.02g/cm から1.05g/cm 未満のバルク密度と、室温で2.3〜2.8の表面誘電率を有する、ラテックス微粒子。
  9. ラテックス微粒子の表面に吸着している界面活性剤をさらに含む、請求項8に記載のラテックス微粒子。
  10. 前記ラテックス微粒子が、インクジェットインクに含有されるよう構成されている、請求項9に記載のラテックス微粒子。
  11. 前記ラテックス微粒子が、0.5wt%〜5wt%の架橋剤によって架橋結合している、請求項8に記載のラテックス微粒子。
  12. 前記ラテックス微粒子が、0℃〜50℃のガラス転移温度を有する、請求項8に記載のラテックス微粒子。
  13. ランダム共重合される少なくとも2つのモノマーを含み、前記少なくとも2つのモノマーの1つが、ラテックス微粒子の全重量の0.5wt%〜20wt%にて存在する電荷形成モノマーである、請求項8に記載のラテックス微粒子。
JP2006501132A 2003-02-06 2004-02-03 インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックスポリマー Expired - Fee Related JP4728213B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/360,473 2003-02-06
US10/360,473 US7402617B2 (en) 2003-02-06 2003-02-06 Low bulk density, low surface dielectric constant latex polymers for ink-jet ink applications
PCT/US2004/003211 WO2004072193A2 (en) 2003-02-06 2004-02-03 Low bulk density, low surface dielectric constant latex polymers for ink-jet ink applications

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006524269A JP2006524269A (ja) 2006-10-26
JP4728213B2 true JP4728213B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=32824016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006501132A Expired - Fee Related JP4728213B2 (ja) 2003-02-06 2004-02-03 インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックスポリマー

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7402617B2 (ja)
EP (1) EP1590411A2 (ja)
JP (1) JP4728213B2 (ja)
TW (1) TWI277638B (ja)
WO (1) WO2004072193A2 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2269930T3 (es) * 2002-12-23 2007-04-01 Rohm And Haas Company Composiciones de tinta.
US7705070B2 (en) * 2003-02-06 2010-04-27 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet compatible latexes
US7411011B2 (en) * 2003-03-31 2008-08-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Latex-based overcoat for ink-jet printing applications
US7371273B2 (en) 2003-12-19 2008-05-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Latexes and ink-jet inks prepared using blocked acid monomers
US7449501B2 (en) * 2004-11-09 2008-11-11 Eastman Kodak Company Ink jet composition containing microgel particles
US20060199877A1 (en) * 2005-03-01 2006-09-07 Sivapackia Ganapathiappan Shear stable latex particles
JP4207161B2 (ja) * 2005-04-20 2009-01-14 セイコーエプソン株式会社 マイクロカプセル化金属粒子及びその製造方法、水性分散液、並びに、インクジェット用インク
US7608646B1 (en) 2006-04-28 2009-10-27 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymer-encapsulated pigment with bridging layer
US8273933B2 (en) * 2006-06-14 2012-09-25 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Functionalized latex polymer and method of forming the same
US7544418B2 (en) * 2006-07-31 2009-06-09 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymer-encapsulated pigments and associated methods
US8659158B2 (en) * 2006-08-16 2014-02-25 Funai Electric Co., Ltd. Thermally inkjettable acrylic dielectric ink formulation and process
US8283413B2 (en) * 2007-01-30 2012-10-09 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Acid-functionalized hydrophobic monomer emulsions, latexes, and associated latexes
US20080250971A1 (en) * 2007-04-16 2008-10-16 Sivapackia Ganapathiappan Polymer-encapsulated pigment with passivation layer
US7737196B2 (en) * 2007-04-23 2010-06-15 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Compositions and methods for producing urethane coated pigment particles
US8487036B2 (en) * 2007-04-26 2013-07-16 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Self-dispersing latex particulates
US8318833B2 (en) * 2007-04-26 2012-11-27 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymer-encapsulated pigment with amphiphilic passivation layer
WO2009011692A1 (en) * 2007-07-13 2009-01-22 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet compatible latexes
JP5460608B2 (ja) * 2007-11-30 2014-04-02 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 立体安定化ラテックス粒子
EP2419481B1 (en) 2009-04-13 2015-08-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Inkjet ink composition including latex polymers
JP5672852B2 (ja) * 2010-08-25 2015-02-18 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェットインキ受容層形成用コート剤、それを用いた記録媒体及び印刷物
US20140296375A1 (en) * 2011-10-24 2014-10-02 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Silica-Filled Rubber Composition And Method For Making The Same
US8851592B2 (en) 2012-01-24 2014-10-07 CondomNation LLC Latex articles imprinted with full-length indicia and systems and methods for imprinting latex articles
KR101747007B1 (ko) 2012-09-14 2017-06-13 휴렛-팩커드 디벨롭먼트 컴퍼니, 엘.피. 라텍스 및 관련 잉크젯 잉크
JP6677376B2 (ja) * 2014-12-26 2020-04-08 花王株式会社 水系インク
EP3663353A4 (en) 2017-08-02 2021-04-28 Kao Corporation POLYMER EMULSION

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09249838A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット記録液
JP2001277714A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録方法
JP2002019096A (ja) * 2000-07-07 2002-01-22 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、記録装置、該方法又は装置に用いる水性インク及び被記録材
JP2002347338A (ja) * 2000-09-14 2002-12-04 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェト記録用インクセット
JP2002363470A (ja) * 2001-03-30 2002-12-18 Eastman Kodak Co インクジェットインク組成物
JP2004195706A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 記録液、これを用いた記録方法及び記録用機器

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3615469A (en) * 1969-06-02 1971-10-26 Goodrich Co B F Polymeric printing plates
JPS5163710A (ja) * 1974-11-26 1976-06-02 Fuji Photo Film Co Ltd
US4665107A (en) * 1986-03-21 1987-05-12 Koh-I-Noor Rapidograph, Inc. Pigment encapsulated latex aqueous colorant dispersions
AU693002B2 (en) * 1995-01-18 1998-06-18 Arkema Inc. Fast hardening aqueous coating composition and paint
US5977210A (en) * 1995-01-30 1999-11-02 Xerox Corporation Modified emulsion aggregation processes
EP0755946A3 (en) * 1995-07-24 1997-10-01 Basf Corp Method for the preparation of hydrophobic emulsion polymers, the polymers thus obtained and the aqueous coating compositions containing these polymers
EP1245652B1 (en) 1996-02-22 2003-08-20 Kao Corporation Aqueous ink for inkjet printing
US5954866A (en) * 1996-06-11 1999-09-21 Seiko Epson Corporation Ink for ink jet recording and image forming method using the same
US6057384A (en) * 1997-10-31 2000-05-02 Hewlett-Packard Company Latex polymer blends for improving the permanence of ink-jet inks
US5990202A (en) * 1997-10-31 1999-11-23 Hewlett-Packard Company Dual encapsulation technique for preparing ink-jets inks
US6417249B1 (en) * 1997-10-31 2002-07-09 Hewlett-Packard Company Ink-jet printing ink compositions having superior smear-fastness
US6794425B1 (en) * 1999-03-01 2004-09-21 Avecia Limited Pigment printing composition
US6239193B1 (en) * 1999-08-30 2001-05-29 Xerox Corporation Ink compositions comprising a latex and processes thereof
JP3630089B2 (ja) * 1999-09-29 2005-03-16 セイコーエプソン株式会社 インク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法
JP2001181547A (ja) * 1999-12-22 2001-07-03 Fuji Photo Film Co Ltd 着色微粒子分散物、インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
US6670410B2 (en) * 2000-05-23 2003-12-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Color composition, ink for ink-jet recording and ink-jet recording method
US6485874B1 (en) * 2000-11-28 2002-11-26 Xerox Corporation Toner compositions comprising vinyl resin and poly(3,4-ethylenedioxypyrrole)
US6716949B2 (en) 2001-09-20 2004-04-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Amphipathic polymer particles and methods of manufacturing the same
TW575646B (en) * 2002-09-04 2004-02-11 Sipix Imaging Inc Novel adhesive and sealing layers for electrophoretic displays
US7157504B2 (en) * 2002-09-30 2007-01-02 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet printing methods and systems providing improved image durability
US6779882B2 (en) * 2002-10-08 2004-08-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet printing systems and methods for extending air fade resistance of ink-jet prints
US7358301B2 (en) * 2002-12-17 2008-04-15 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Latex particles having incorporated image stabilizers
US6858301B2 (en) * 2003-01-02 2005-02-22 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Specific core-shell polymer additive for ink-jet inks to improve durability

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09249838A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット記録液
JP2001277714A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録方法
JP2002019096A (ja) * 2000-07-07 2002-01-22 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、記録装置、該方法又は装置に用いる水性インク及び被記録材
JP2002347338A (ja) * 2000-09-14 2002-12-04 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェト記録用インクセット
JP2002363470A (ja) * 2001-03-30 2002-12-18 Eastman Kodak Co インクジェットインク組成物
JP2004195706A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 記録液、これを用いた記録方法及び記録用機器

Also Published As

Publication number Publication date
TWI277638B (en) 2007-04-01
WO2004072193A3 (en) 2008-01-03
WO2004072193A2 (en) 2004-08-26
EP1590411A2 (en) 2005-11-02
US7402617B2 (en) 2008-07-22
US20040157957A1 (en) 2004-08-12
TW200415210A (en) 2004-08-16
JP2006524269A (ja) 2006-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4728213B2 (ja) インクジェットインク用途のための低バルク密度、低表面誘電率のラテックスポリマー
JP4511516B2 (ja) 反応性界面活性剤が固定化されたインクジェットラテックス
US7119133B2 (en) Latex-encapsulated particulates for ink-jet applications
JP4213658B2 (ja) ラテックスインクジェットインクの頻度応答を改善するための液体ビヒクルシステム
US7846500B2 (en) Latex-based overcoat for ink-jet printing applications
EP1756237B1 (en) Latex-encapsulated particulates for ink-jet applications
EP3265522A1 (en) White inks
EP3240834B1 (en) White inks
US7371273B2 (en) Latexes and ink-jet inks prepared using blocked acid monomers
US20130065996A1 (en) Pigment Particles Containing a Vinyl Group and Encapsulated by a Cross-linked Polymer

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090826

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101029

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees