JP4726856B2 - 緊急呼の接続制御方法および装置並びに移動無線ネットワーク - Google Patents

緊急呼の接続制御方法および装置並びに移動無線ネットワーク Download PDF

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Description

本発明は、移動端末との間で無線で呼接続を行うことが可能な基地局、および基地局制御装置などで構成される移動無線ネットワークにおける緊急呼の接続制御方法および装置、並びに移動無線ネットワークに関する。
近年において携帯電話やPHSなどによる移動体通信が爆発的に普及している。移動体通信のために、携帯電話などの移動端末、無線基地局、基地局制御装置、および交換機などによって、移動無線ネットワーク(移動体通信システム)が構成される。
移動体通信の普及にともない、PDC、GSM、WCDMA(3GPP)、CDMA−2000、W−LAN(IEEE802.11)、WiMAX(IEEE802.16e)など、様々な移動無線ネットワークによるサービスが行われている。
一般に、移動無線ネットワークにおいて、移動端末と基地局との間で使用できる無線チャネルの数には限りがある。そのため、無線チャネルが輻輳状態のときに、移動端末から基地局に対して、警察署や消防署などに接続を求める緊急呼の接続要求があっても、接続できないという事態の発生することがある。そのような場合に、緊急呼を優先的に接続するための技術が提案されている(特許文献1,2)。
さて、例えばWCDMAにおける従来の技術では、基地局と移動端末との間で無線リンクを接続する際に、当該セル(小無線ゾーン)において使用されているスクランブルコード(拡散符号)を用いて同期処理が実施される。その際に、1つの移動端末に対して複数の基地局から通知されるスクランブルコードが互いに同じであった場合には、電波干渉が発生し、移動端末と基地局との間で同期処理が実施できず、接続不可となる。本来は、移動端末と、当該移動端末が受信可能な複数の基地局との間では、異なるスクランブルコードを用いて呼の接続要求や同期処理が行われるようにシステムが設計されている。
例えば図1に示す移動無線ネットワークMWにおいて、各基地局(NodeB)の配下には複数のセルが管理されており、セル単位でスクランブルコードが割り当てられている。つまり、セルA、セルC、およびセルDの間では異なるスクランブルコードが、また、セルBおよびセルXの間では異なるスクランブルコードが、それぞれ割り当てられている。
しかし、スクランブルコードの割り当て数に制限があるため、距離が離れたセル間においては同一のスクランブルコードが割り当てられることがある。図1の例では、セルAとセルBとでは距離が十分に離れており、電波の相互干渉が発生しないと考えられるため、同一のスクランブルコードが割り当てられることがある。
特開平11−98554 特開平11−243585
しかし、山間部などにおいては、電波の伝播環境がシステムの設計者の想定よりも良過ぎることがあり、その場合には、移動端末が想定外の基地局からの電波を受信することになる。その場合に、その移動端末が接続要求を出したセルのスクランブルコードと想定外の基地局からのスクランブルコードとが一致することがあり、これによって混信が生じ、移動端末の呼接続が不可能となることがある。
したがって、その場合には輻輳ではないにも係わらず呼接続ができないこととなり、それが遭難や災害時における緊急呼の接続要求であった場合には社会に与える影響が大きい。
また、今後、移動無線ネットワークのトラヒックの増大にともない、都市部において更に密集したセルの設置設計(小セル化)を実施する必要性が生じた場合に、電波の状況によっては同様の問題が発生する可能性がある。
すなわち、図1に示す移動端末がセルAとの間で同期処理を行っているときに、想定外のセルBからそれと同一のスクランブルコードAによる電波を同じ移動端末が受信した場合に、混信が発生してその接続処理が失敗する。従来における移動端末と基地局との間の同期処理では、そのような接続処理の失敗を回避して緊急呼の接続を確立することができない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、山間部やセル密集地など電波の伝播環境が良いことによってスクランブルコードが一致してしまうというような場合においても、それによる混信を無くして移動端末からの緊急呼の接続を可能とすることを目的とする。
本発明の一実施形態による制御方法では、移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として網側において管理しておき、移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下するように制御する。
前記障害履歴情報を参照することによって、混信の原因となり得るセルを特定することが可能となる。そのセルを配下にもつ基地局の送信電力を低下することにより、混信がなくなって正常な通信が行える。
また、前記障害履歴情報を、基地局制御装置ごとに管理するとともに、移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局を制御する基地局制御装置が管理する障害履歴情報の中に、当該移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置以外の基地局制御装置に対して当該移動端末についての履歴情報を問い合わせ、問い合わせた基地局制御装置の障害履歴情報の中に、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が記録されているときに、その履歴情報にかかるセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する。
これによって、複数の基地局制御装置の配下にある基地局またはセルにわたって生じた混信の原因を特定することができ、原因となったセルに対して低減制御を行ことによって、より広範囲に緊急呼の接続要求に対応することができる。
また、移動端末からの緊急呼が終話したときに、当該移動端末に関する障害履歴情報に記録されたセルに対して送信電力を低下させる制御が行われている場合に、そのセル対する送信電力を復旧させるように制御することができる。
これによって、セルにおける送信電力は元の状態に復旧し、平常通りの通信が可能となる。
なお、本明細書において、移動端末からの緊急呼の接続要求時とは、接続要求にともなう一連の処理が行われている間であり、接続要求にともなる処理が完全に終わらない間は接続要求時に含まれることとなる。
本発明によると、山間部やセル密集地など電波の伝播環境が良いことによってスクランブルコードが一致してしまうというような場合においても、それによる混信を無くして移動端末からの緊急呼の接続が可能となる。これによって、緊急性の高い通信の接続をより高い確実性を持って保証することが可能となる。
図1は移動無線ネットワークMWの構成の例を示す図、図2は本発明の一実施形態の基地局制御装置12であるRNC1の構成を示すブロック図、図3は障害履歴情報JSの例を示す図、図4は周辺セルリストLTの例を示す図、図5はセルの配置の例を示す図、図6は同一のスクランブルコードSCによる混信発生の様子を説明するための図、図7は混信発生時における送信電力の低減制御を説明するための図、図8は送信電力の復旧制御を説明するための図である。
図1において、移動無線ネットワークMWは、交換機(MSC)11、基地局制御装置(RNC)12a,12b、基地局(NodeB)13a,13b、および移動端末(移動機)14などからなる。
なお、図1では移動無線ネットワークMWを簡略化して示しており、基地局制御装置、基地局、および移動端末などは実際には図示よりも多数存在する。また、基地局13a,13b、セルA,B,C…などの配置は一例であり、以降の説明における配置とは必ずしも一致しない。
また、それぞれの要素を代表して、交換機11、基地局制御装置12、基地局13、または移動端末14のように、符号「a」「b」…などを付さずに記載することがある。また、基地局制御装置12a、12bを、それぞれ「RNC1」「RNC2」と記載することがある。基地局13a、13bについても、それぞれ「NodeB21」「NodeB22」と記載することがある。
交換機11は、基幹網によって他の交換機と接続されており、各基地局制御装置12の間の通信における信号を中継する。
基地局制御装置12は、その配下の基地局13および移動端末14を制御する。本実施形態においては、基地局制御装置12は、移動端末14が緊急呼の接続要求を行った場合に、同一のスクランブルコードSCによる混信を受けたときに、その混信の原因となっている基地局13の送信電力を低下させるように制御する。
すなわち、基地局制御装置12は、移動端末14からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報JSとして管理しており、移動端末14からの緊急呼の接続要求時において、障害履歴情報JSを参照して、混信の原因となり得る特定の基地局13の送信電力を低下させるように制御する。
移動端末14からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末14による同一のスクランブルコードSCを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が障害履歴情報JSの中に記録されているときに、当該接続要求を行っているセルまたは接続処理に失敗したときのセルのうちの少なくとも1つのセルへの基地局13の送信電力を低下させるように制御する。
または、そのような履歴情報が障害履歴情報JSの中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局13の送信電力を低下させるように制御する。
いずれの基地局13によるいずれのセルへの送信電力を低下させるかを決定するに当たっては、他の種々の方法を採用し得る。
例えば、接続処理に失敗したときの当該移動端末14の位置情報と各セルの位置との位置関係に基づいて、基地局13またはセルを決定する。
また、障害履歴情報JSに記録された電波強度についての情報に基づいて、基地局13またはセルを決定する。
また、移動端末14からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときのセルに対してその周辺に近隣セルが所定数以上存在する場合に、当該接続要求時における混信の原因となった全ての基地局13の送信電力を低下するように制御する。
また、他の基地局制御装置12の配下にある基地局13に対しても、混信の原因となっている場合には当該他の基地局制御装置12を通じて送信電力を低下するように制御する。
すなわち、例えば、移動端末14からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局13を制御する基地局制御装置12が管理する障害履歴情報JSの中に、当該移動端末14からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置12以外の基地局制御装置12に対して当該移動端末14についての履歴情報を問い合わせ、問い合わせた基地局制御装置12の障害履歴情報JSの中に、当該移動端末14による同一のスクランブルコードSCを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が記録されているときに、その履歴情報にかかるセルへの基地局13の送信電力を低下させるように制御する。
また、基地局制御装置12は、送信電力を低下させるように制御した場合に、所定の条件の下でそれを元の送信電力に復旧させるための制御をも行う。
すなわち、例えば、移動端末14からの緊急呼が終話したときに、当該移動端末14に関する障害履歴情報JSに記録されたセルに対して送信電力を低下させる制御が行われている場合に、そのセル対する送信電力を復旧させるように制御する。
また、セルに対して送信電力を低下させる制御が行われてから所定の時間を経過したときに、当該セル対する送信電力を復旧させるように制御する。
なお、基地局13の送信電力を低下させる制御を「低減制御」といい、送信電力を復旧させる制御を「復旧制御」ということがある。低減制御および復旧制御の両方を「電力調整制御」ということがある。また、低減制御または復旧制御のための指令を出すことを、「低減指令」「低減指示」「復旧指令」「復旧指示」「電力調整指令」などということがある。低減制御および復旧制御それ自体の制御方法については、従来から行われている種々の送信電力の制御方法を用いて実施することが可能である。
このように、基地局制御装置12が低減制御を行うことによって、山間部やセル密集地など電波の伝播環境が良いことによってスクランブルコードSCが一致してしまうというような場合においても、それによる混信を無くして移動端末14からの緊急呼の接続が可能となる。これによって、緊急性の高い通信の接続をより高い確実性を持って保証することが可能となる。
基地局制御装置12の構成については後で詳しく説明する。
基地局13は、それぞれ1つまたは複数のセル(小無線ゾーン)に対する制御を行い、各セルを介して、複数の移動端末14との間の多重通信を行う。基地局13は、移動端末14からの呼制御信号(発信、位置登録)を基地局制御装置12に中継する機能、および基地局制御装置12からの無線回線制御信号を移動端末14へ中継する機能などを有する。
移動端末14は、基地局13を経由し、基地局制御装置12に対する接続要求信号を契機として基地局制御装置12または交換機11との接続を行い、位置登録や通常の呼接続などを行うことが可能である。接続要求として、緊急呼および一般呼がある。緊急呼は、警察への110番通報、消防への119番通報、その他の緊急通報である。緊急性の高い呼は、緊急呼として扱うことができる。緊急性のないものは一般呼として扱うことが可能である。
なお、移動端末14は、基地局13により制御されるセルによってカバーされるので、移動端末14がある1つのセルによってカバーされている場合に、移動端末14はそのセル、セルを制御する基地局13、基地局13を制御する基地局制御装置12の配下にあることになる。
また、移動端末14は、ある1つのセルのエリア内にいるときでも、他のセルと通信可能な場合がある。このような場合に、移動端末14は、最も安定して通信を行えるセルを選択してサービスを受ける。また、基地局13からは、セルに在圏する移動機に対して制御情報が報知されており、移動端末14は、その制御情報を受信可能である。
図2において、基地局制御装置12は、RNC制御部21、呼制御部22、無線制御部23、位置情報管理部24、無線品質管理部25、タイマ管理部26、障害情報部27、セル情報部28、および端末情報部29などからなる。
基地局制御装置12のこれらの各部は、CPU、DSP、ROM、RAM、ロジック素子、その他の周辺素子、インタフェース素子、回路素子、磁気ディスク装置、および機能部品などを含んで構成することができる。基地局制御装置12のこれらの各部の機能は、ROMまたはRAMに格納された適当なコンピュータプログラムをCPUなどが実行することによりソフトウエア的に、また回路素子などによってハード的に、またはそれらの組み合わせによって実現される。
つまり、適当なコンピュータプログラムをコンピュータに実行させることにより、基地局制御装置12または移動無線ネットワークMWを構成する機器における機能の全部または一部を実現することができる。そのようなコンピュータプログラムは、CD−ROM、DVD、磁気ディスク、半導体メモリ、その他の種々の記録媒体に記録することができる。また、通信回線を介してダウンロードすることも可能である。
RNC制御部21は、他の基地局制御装置12との間の接続制御を行う。例えば、呼制御部22からの指示によって、近隣の基地局制御装置12に対して障害履歴情報JSの問い合わせを実施する。
呼制御部22は、無線制御部23を介して通知される移動端末14からの接続要求によって、呼の接続処理を実施する。接続処理を失敗したときには、その内容である障害履歴情報JSを障害情報部27に記録する。
無線制御部23は、基地局制御装置12と基地局13との間の接続を行う。無線制御部23は、移動端末14から基地局13を介して通知された接続要求を、呼制御部22に対して通知する。また、呼制御部22からの要求に基づいて、該当する基地局13に対して送信電力の低減指令または復旧指令を出す。
位置情報管理部24は、移動端末14に通知する位置情報を管理する。呼制御部22からの要求に基づいて、位置情報を返信する。
タイマ管理部26は、イベント登録を実施し、所定時間を経過した場合に呼制御部22に対してイベント開始要求を実施する。例えば、復旧制御に用いる復旧タイマを管理し、復旧指令を出すタイミングを決定する。
障害情報部27は、障害履歴情報JSを格納するデータベースである。障害情報部27は、緊急呼JSKと一般呼JSPとをそれぞれ分けて管理可能となっている。いかにおいては、主として緊急呼についての障害履歴情報JSについて説明する。
図3に示されるように、障害履歴情報JSとして、端末識別子TS、セル識別子CD、スクランブルコードSC、位置情報JP、電波強度DK、および時刻情報JJなどが記録される。
端末識別子TSは、移動無線ネットワークMWを含むネットワーク上で各移動端末14を一意に識別するための識別情報である。
セル識別子CDは、ネットワーク上で移動端末14の接続を管理するエリアの最小単位であるセルを一意に識別するための識別情報である。
スクランブルコードSCは、移動端末14が基地局13と同期を行うための拡散符号である。つまり、移動無線ネットワークMWにおいては、通信速度や通話音質の向上を図るため、直接拡散方式によるスペクトラム拡散が行われるが、スクランブルコードSCは、スペクトラム拡散処理のための拡散符号である。スクランブルコードSCには、例えば、2進の擬似ランダムデータであるPN符号データが用いられる。
なお、スクランブルコードSCを障害履歴情報JSに記録する際に、スクランブルコードSCそれ自体を記録してもよいし、またはスクランブルコードSCを特定するための識別情報、スクランブルコードSCを生成するための条件などを示す情報など、スクランブルコードSCを示す適当な情報、またはスクランブルコードSCの異同を示す適当な情報を用いてもよい。
位置情報JPは、移動端末14の位置を示す情報を示す。位置情報JPとして、例えば、GPSなどを利用して得られる緯度および経度が用いられる。位置情報JPによって、当該移動端末14にサービスを行うことが可能なセルまたは最適のセルを選定することが可能である。
電波強度DKは、移動端末14の側で測定される受信電力の大きさである。電波強度DKを求めるために、例えば、平均値、瞬間値などが取得される。本実施形態では、電波強度DKとして、「強」または「弱」が用いられる。しかし、「強」「中」「弱」、または「レベル1」「レベル2」「レベル3」「レベル4」などの多段階の強度レベルを用いてもよい。
時刻情報JJは、障害が発生した時刻を示す。本実施形態においては、接続処理に失敗した時刻である。セル情報部28は、セルについての種々の情報を格納するデータベースである。
図2に示すように、セル情報部28には、地図情報JM、周辺セル情報JH、および低減制御情報JCが記憶される。地図情報JMは、低減制御が実施されたセルの位置を示す情報を含む。周辺セル情報JHは、低減制御が実施されたセルの周辺のセルを示す情報である。周辺セル情報JHとして、例えば周辺セルリストLTが作成される。例えば図4に示すように、セルAについての周辺セルリストLTには、セルAおよびセルC〜Hの合計7つのセルが記録されている。
低減制御情報JCは、各セルについて、低減制御を行っているか否かを示す情報である。低減制御情報JCは、例えば、低減制御を行っている場合は「ON」、行っていない場合または行った後で復旧制御が行われた場合は「OFF」を示す情報である。
端末情報部29は、登録された移動端末14の位置情報JPを管理するデータベースである。
次に、低減制御および復旧制御について説明する。
図5において、移動端末14は、セルAに在圏している。この場合に、セルAを「中心セル」ということがある。また、中心セルの周辺のセルを「近隣セル」ということがある。
移動端末14は、セルAによるサービスエリアSA内にある。通常、サービスエリアSAに電波の干渉を生じさせるおそれのあるセル(近隣セル)においては、互いに異なるスクランブルコードSCが用いられる。しかし、例えば、距離が十分に離れた位置にあってサービスエリアSAにまで電波の干渉を生じさせないセルBにおいては、セルAと同一のスクランブルコードSCが割り当てられることがある。
その場合に、電波の伝播環境によっては、サービスエリアSAにある移動端末14が、セルAおよびセルBに対して同じスクランブルコードSCの電波を受信し、混信することがある。
図6において、基地局13aのセルAと基地局13cのセルBとは、共にクランブルコードSCが同じ「A」である。移動端末14は、基地局13aと基地局13cとの両方に対して通信可能な状態であり、この状態で緊急呼を発する。基地局制御装置12において、移動端末14からの緊急呼に対応して接続処理が行われるが、それらはいずれも失敗する。接続処理を失敗したときに、基地局制御装置12は、障害履歴情報JSを記録し、記録した障害履歴情報JSを所定期間保持する。
図7において、基地局制御装置12は、障害履歴情報JSを参照することによって、同一の移動端末14による同一のスクランブルコードSCを用いたことを示す履歴情報が障害履歴情報JSの中に2つ記録されていることを検出する。これにより、その内の一方、この例では基地局13cのセルBに対して、低減制御を行う。低減制御によって、基地局13cのセルBの送信電力は通常時よりも低下する。低減制御による送信電力の低下のレベルは、状況などに応じて種々設定することができる。例えば、通常時の2分の1〜20分の1程度になるようにしてもよい。そして、低減制御を行ったことが、低減制御情報JCとして記録される。
低減制御を行った結果、移動端末14に対するセルBからの電波強度は低下し、セルBに対しては圏外となる。これにより、移動端末14とセルAとの間の通信が正常に行えるようになり、その後に移動端末14から基地局13aに発した緊急呼に対し、基地局制御装置12において正常に接続処理が行われる。
図8において、移動端末14からの緊急呼が終話したときに、低減制御を行っていた基地局13cのセルBに対し、復旧制御を行う。復旧制御を行ったことが、低減制御情報JCとして記録される。復旧制御を行った結果、基地局13cのセルBの送信電力は通常時に復旧する。
次に、移動無線ネットワークMWにおける低減制御および復旧制御について、種々の実施例を説明する。なお、図1および2などの説明において、セルAとセルBとは異なる基地局制御装置12の配下にあるように述べたが、それは一例であり、以下の実施例においてはそれと異なることがある。
〔第1実施例〕
図9は同一のスクランブルコードによる混信時における接続処理のシーケンスの例を示す図、図10は図9に対応する障害履歴情報JS1,2の例を示す図、図11は図9に対応した呼制御部22における接続処理のフローチャートである。
図9において、移動端末14と基地局13の配下のセルAとの間の同期が確立された状況下において(但し、未だ通信または通話ができる状態ではない)、移動端末14が緊急呼の接続要求を発する(S1)。このとき、移動端末14の端末識別子TSである「A」、セル識別子CDである「A」、スクランブルコードSCである「A」が、接続要求信号に付随して送信される。接続要求は、基地局(NodeB)13を経由して基地局制御装置(RNC)12に対して通知される。
接続要求を受信した基地局制御装置12は、呼制御部22において接続処理を開始する。しかし、移動端末14においては、他のセルBから同じスクランブルコードSCが検出されているので、混信を起こし、基地局制御装置12の接続処理に対する応答が無い。そのため、移動端末14からのメッセージ待ちのタイムアウトなどの要因により、接続処理が失敗する(S2)。これにより、そのときの履歴情報が障害履歴情報JS1として記録される(S3)。
図10(A)に示すように、障害履歴情報JS1では、その1番目に、移動端末14からの接続要求に付随してきた情報である、端末識別子「A」、セル識別子「A」、およびスクランブルコード「A」が記録される。
そして、時刻情報JJに基づいて、障害履歴情報JS1を所定時間分遡って検索が行われる(S4)。検索によって、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで異なるセルとの間での接続処理を失敗した履歴情報が抽出される。しかし、この時点では、そのような履歴情報はないので、セルAとセルBとの混信状態を判断できない。そのため、呼制御部22では、そのまま接続処理を終了する。
次に、移動端末14と基地局13の配下のセルBとの間の同期が確立された状況下において、移動端末14が緊急呼の接続要求を再度発する(S5)。これによって、シーケンスS1の場合と同様な処理が行われる。しかし、同様な要因によって、呼制御部22での接続処理が失敗する(S6)。これにより、そのときの履歴情報が障害履歴情報JS2として記録される(S7)。
図10(B)に示すように、障害履歴情報JS2では、その5番目に、今回の履歴情報である、端末識別子「A」、セル識別子「B」、およびスクランブルコード「A」が記録される。
そして、障害履歴情報JS2の検索が行われる(S8)。検索によって、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで異なるセルとの間での接続処理を失敗した履歴情報が抽出される。この時点では、図10(B)に示すように、1番目と5番目に、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」が一致した履歴情報が抽出される。これによって、呼制御部22は、端末識別子「A」の移動端末14において、同一のスクランブルコードSCによる混信が発生していることを認識する。
これにより、呼制御部22は、セルBの送信電力を弱めるように、無線制御部23に指令を出す(S9)。無線制御部23は、基地局13に対して、セルBの送信電力を弱めるように指令を出す(S10)。これによって、セルBの送信電力は低下する。
なお、この場合に、最初にセルAからの緊急呼があり、次にセルBからの緊急呼があったので、セルAの方が安定した通信を行えると考えられる。しかし、このようなセルの決定に当たっては別の方法によってもよい。
次に、移動端末14と基地局13の配下のセルAとの間の同期が確立された状況下において、移動端末14が緊急呼の接続要求を再度発する(S11)。これによって、シーケンスS1の場合と同様な処理が行われる。そして、セルBの送信電力が低下しているため混信は起きないので、呼制御部22において、接続要求に対する接続処理が正常に行われ、緊急呼の相手方との間で通話が開始される(S12)。
図11において、移動端末14からの緊急呼の接続要求をRNC制御部21が受けた後、呼制御部22はRNC制御部21からの接続要求を受ける(#11)。呼制御部22において接続処理を開始する(#12)。移動端末14のメッセージ待ちのタイムアウトなどによって接続処理を失敗すると(#13でイエス)、その履歴情報を障害履歴情報JSとして記録して更新し、障害履歴情報JSを読み出して参照する(#14)。
障害履歴情報JSの中に、端末識別子TSが一致するデータが存在し(#15でイエス)、それらのセル識別子CDが不一致であり(#16でイエス)、それらのスクランブルコードSCが一致する場合に(#17でイエス)、低減制御を行う(#18)。低減制御を行ったセルの情報が低減制御情報JCに記録される。
〔第2実施例〕
図12は混信時の位置情報JPに基づく接続処理のシーケンスの例を示す図、図13は図12に対応した呼制御部22における接続処理のフローチャートである。
図12において、移動端末14と基地局13の配下のセルAとの間の同期が確立され、移動端末14が緊急呼の接続要求を発する(S1)。接続要求は、基地局13を経由して基地局制御装置12に対して通知される。
接続要求を受信した基地局制御装置12は、接続処理を開始する。移動端末14のタイムアウトなどの要因により、接続処理が失敗する(S2)。呼制御部22は、移動端末14の位置情報JPを取得するため、位置情報管理部24に移動端末14の位置情報JPを問い合わせる(S3)。位置情報管理部24は、端末情報部29の位置情報JPを参照し、該当する移動端末14の位置情報JPを通知する。
呼制御部22は、取得した位置情報JPと、セル情報部28からの地図情報JMおよび周辺セル情報JHとから、ステップS1における移動端末14からの接続要求が想定外の接続要求であったか否かを判断する。例えば、セルAの位置と移動端末14の位置とが想定以上に離れていた場合に、想定外の接続要求であったと判断する(S4)。そして、呼制御部22は、セルAの送信電力を弱めるように、無線制御部23に指令を出す(S5)。無線制御部23は、基地局13に対して、セルAの送信電力を弱めるように指令を出す(S6)。これによって、セルAの送信電力は低下する。
次に、移動端末14が、セルBを経由して、緊急呼の接続要求を再度発する(S7)。セルAの送信電力が低下しているため、スクランブルコードSCが同一であっても混信は起きないので、呼制御部22において、接続要求に対する接続処理が正常に行われ、緊急呼の相手方との間で通話が開始される(S8)。
図12において、基地局制御装置12が、移動端末14からの緊急呼の接続要求を受ける(#21)。基地局制御装置12において接続処理を開始する(#22)。移動端末14のタイムアウトなどによって接続処理を失敗すると(#23でイエス)、移動端末14の位置情報JPを取得し(#24)、セルAについての地図情報JMおよび周辺セル情報JHを取得する(#25)、それらを参照し、移動端末14からの接続要求が想定外の接続要求であったと判断した場合に、基地局13のセルAに対して低減制御を行う(#26)。
〔第3実施例〕
図14は混信時の電波強度DKに基づく接続処理のシーケンスの例を示す図、図15は図14に対応する障害履歴情報JS3,4の例を示す図、図16は図14に対応した呼制御部22における接続処理のフローチャートである。
図14において、移動端末14と基地局13の配下のセルAとの間の同期が確立された状況下において、移動端末14が緊急呼の接続要求を発する(S1)。このとき、端末識別子「A」、セル識別子「A」、スクランブルコード「A」、および電波強度「強」が、接続要求信号に付随して送信される。接続要求は、基地局13を経由して基地局制御装置12に対して通知される。
接続要求を受信した基地局制御装置12は、呼制御部22において接続処理を開始する。移動端末14のタイムアウトなどの要因により、接続処理が失敗する(S2)。これにより、障害履歴情報JS3が記録される(S3)。
図15(A)に示すように、障害履歴情報JS3では、その1番目に、端末識別子「A」、セル識別子「A」、スクランブルコード「A」、および電波強度「強」が記録される。
そして、障害履歴情報JS3の検索が行われる(S4)。しかし、この時点では、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで異なるセルとの間での接続処理を失敗した履歴情報がないので、そのまま接続処理を終了する。
次に、移動端末14と基地局13の配下のセルBとの間の同期が確立された状況下において、移動端末14が緊急呼の接続要求を再度発する(S5)。このとき、セルBを経由した電波強度DKは「弱」である。同様な要因によって、呼制御部22での接続処理が失敗する(S6)。これにより、障害履歴情報JS4が記録される(S7)。
図15(B)に示すように、障害履歴情報JS4では、その5番目に、今回の履歴情報である、端末識別子「A」、セル識別子「B」、スクランブルコード「A」、および電波強度「弱」が記録される。
そして、障害履歴情報JS4の検索が行われる(S8)。検索によって、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで異なるセルとの間での接続処理を失敗した履歴情報が抽出される。この時点では、図15(B)に示すように、1番目と5番目に、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」が一致した履歴情報が抽出される。これによって、呼制御部22は、同一のスクランブルコードSCによる混信が発生していることを認識する。
そして、障害履歴情報JS4の電波強度DKを参照し、電波強度が最も強いセル以外のセルについて、低減制御を行うように決定する(S9)。この例では、セルAが電波強度「強」であり、セルBが電波強度「弱」であるので、安定した通信が行えるセルAを除き、セルBを低減制御の対象として決定する。
これにより、セルBの送信電力を弱めるように指令を出し(S10,11)、セルBの送信電力は低下する。次に、移動端末14がセルAに対して緊急呼の接続要求を再度発すると(S12)、セルBの送信電力が低下しているため混信は起きないので、接続処理が正常に行われる(S13)。
図16において、移動端末14からの緊急呼の接続要求を受ける(#31)。基地局制御装置12において接続処理を開始する(#32)。移動端末14のタイムアウトなどによって接続処理を失敗すると(#33でイエス)、その履歴情報によって障害履歴情報JSを更新し、さらに更新後の障害履歴情報JSを読み出して参照する(#34)。
障害履歴情報JSの中に、端末識別子TSが一致するデータが存在し、それらのセル識別子CDが不一致であり、それらのスクランブルコードSCが一致する場合に(#35、36、37でイエス)、低減制御の対象となるセルを決定する(#38)。その決定に当たっては、電波強度DKの最も強いセル以外のセルを低減制御の対象のセルと決定する。対象となったセルBに対して低減制御を行う(#39)。
〔第4実施例〕
図17は混信時の近隣セル状況に基づく接続処理のシーケンスの例を示す図、図18は図17に対応した呼制御部22における接続処理のフローチャートである。
図17におけるシーケンスS1〜S8は、図9におけるそれらと同じであるので、説明を省略する。また、この例における障害履歴情報JSは、図10に示す障害履歴情報JS1,2と同じである。
シーケンスS8における障害履歴情報JS2の検索によって、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」が一致した履歴情報が抽出され、これによって、呼制御部22は、端末識別子「A」の移動端末14において、同一のスクランブルコードSCによる混信が発生していることを認識する。
シーケンスS5において接続要求のあったセルBについて、周辺セル情報JHに基づき、セルBの周辺セルリストLTを取得する。また、移動端末14からの接続要求を受信するときに、周辺セルリストLTを含めて移動端末14から取得することも可能である。
周辺セルリストLTにより、そのセル数を確認し、近隣セルが所定数以上存在する場合に、混信しているセルA,Bの両方を低減制御の対象として決定する(S9)。そして、セルA,Bの両方に対して、送信電力を低下するように低減指令を出す(S10,11)。これによって、セルA,Bの送信電力は低下する。
このように、セルA,Bの両方の送信電力を低下させるのは、セルBに近隣セルが所定数以上存在する場合には通信可能なセルが多数存在すると予測されるからである。所定数については、例えば、近隣セルが2以上ある場合、3以上ある場合、1以上ある場合などである。
次に、セルA,Bの送信電力が低下しているため、移動端末14は、その時点で最も安定した通信が可能であるセルEを経由して、緊急呼の接続要求を再度発する(S12)。スクランブルコードSCが異なるので混信が起きることなく、接続要求に対する接続処理が正常に行われる(S13)。
なお、シーケンスS9において近隣セルが所定数以上存在しない場合には、例えば電波強度DKの弱いセルBのみに対して低減制御を行うようにすればよい。
図18において、移動端末14からの緊急呼の接続要求を受ける(#41)。基地局制御装置12において接続処理を開始する(#42)。接続処理を失敗すると(#43でイエス)、その履歴情報により障害履歴情報JSを更新し、最新の障害履歴情報JSを読み出して参照する(#44)。
障害履歴情報JSの中に、端末識別子TSが一致するデータが存在し、それらのセル識別子CDが不一致であり、それらのスクランブルコードSCが一致する場合に(#45、46、47でイエス)、近隣セルが所定数以上存在するか否かを判断する(#48)。近隣セルが所定数以上存在する場合には、混信を起こしている全てのセルを対象として低減制御を行う(#49)。近隣セルが所定数以上存在しない場合には、今回の接続処理に失敗したセルを対象として低減制御を行う(#50)。
これまで説明した第1〜第4実施例では、同じ基地局制御装置12の配下のセル同士で混信が生じた例について説明したが、第5実施例では、異なる基地局制御装置12の配下のセル間で混信が生じる例について説明する。
〔第5実施例〕
図19は異なる基地局制御装置間における混信時の接続処理のシーケンスの例を示す図、図20は図19に対応する障害履歴情報JS5〜7の例を示す図、図21は異なる基地局制御装置をも含めた混信時の接続処理のフローチャート、図22は問い合わせ要求を受けた基地局制御装置12における処理のフローチャートである。
この例では、2つの異なる基地局制御装置12が登場するので、それらを、「RNC1」「RNC2」と記載して区別する。
図19において、移動端末14と基地局13の配下のセルAとの間の同期が確立された状況下において、移動端末14が緊急呼の接続要求を発する(S1)。接続要求は、基地局13を経由してRNC1に対して通知される。
接続要求を受信したRNC1は、接続処理を開始する。しかし、移動端末14からのメッセージ待ちのタイムアウトなどの要因により、接続処理が失敗する(S2)。これにより、そのときの履歴情報が障害履歴情報JS5として記録される。
図20(A)に示すように、障害履歴情報JS5では、その1番目に、端末識別子「A」、セル識別子「A」、およびスクランブルコード「A」が記録される。
そして、移動端末14からの接続要求が緊急呼であった場合には、障害履歴情報JS5の検索が行われる。検索によって、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで異なるセルとの間での接続処理を失敗した履歴情報が抽出される。しかし、この時点では、そのような履歴情報はないので、セルAにおける混信状態を判断できない。そのため、RNC1では、そのまま接続処理を終了する。
このように、移動端末14から接続要求があり、それに対してRNC1が接続処理に失敗したときには、その度ごとに、RNC1において、接続要求時に移動端末14から取得した履歴情報を障害履歴情報JSに記録する。接続要求が緊急呼であった場合には、さらに、最新の障害履歴情報JSを読み出して参照し、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで接続処理を失敗した履歴情報を検索する。もし、検索を行った結果、それが2回以上記録されていた場合には、RNC1は、隣接する他のRNC2にその移動端末14の端末識別子TSおよびスクランブルコードSCを送って問い合わせ要求を行う。問い合わせ要求は、RNC1のRNC制御部21を介して行われる。
このような処理は、RNC1のみならず、条件さえ揃えば他のRNC2においても並行して行われる。
つまり、RNC2においては、移動端末14がセルBを介して緊急呼の接続要求を発したので(S3)、それを受信して接続処理を開始したが、接続処理が失敗する(S4)。これにより、そのときの履歴情報が障害履歴情報JS7として記録される。
図20(C)に示すように、障害履歴情報JS7では、その1番目に、端末識別子「A」、セル識別子「B」、およびスクランブルコード「A」が記録される。
また、RNC1においても、その後、移動端末14がセルAを介して緊急呼の接続要求を再度発したので(S5)、それを受信して接続処理を開始したが、接続処理が失敗する(S6)。これにより、そのときの履歴情報が障害履歴情報JS6として記録される。
図20(B)に示すように、障害履歴情報JS6では、その2番目に、端末識別子「A」、セル識別子「A」、およびスクランブルコード「A」が記録される。
このとき、障害履歴情報JS6において、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで接続処理を失敗した履歴情報が2回存在するので、隣接する他のRNC2に問い合わせ要求を発する(S7)。問い合わせ要求において、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」が通知される。セル識別子CDを含めて通知してもよい。
この問い合わせ要求に対応して、RNC2は、RNC2の呼制御部22において、問い合わせ要求において通知された端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」をキーとして用い、最新の障害履歴情報JS7を検索する(S8)。障害履歴情報JS7には、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」を含む履歴情報が記録されており、その履歴情報からセル識別子「B」が得られる。これにより、セルBからの電波によって混信が発生していると判断される。
そこで、RNC2において、セルBに対して送信電力を弱めるように指令を出し(S9)、これによりセルBの送信電力は低下する。
また、RNC2からRNC1に対し、問い合わせ要求に対する応答として、端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」に対応したセル識別子「B」が得られたこと、およびセルBに対して低減制御を行ったことが通知される(S10)。
次に、RNC1において、移動端末14がセルAを介して緊急呼の接続要求を再度発したので(S11)、それを受信して接続処理を開始する。今回は、セルBの送信電力が低下しているため混信が起きないので、その接続処理は正常に行われる(S12)。
なお、シーケンスS7において、同じ移動端末14が同じスクランブルコードSCで接続処理を失敗した履歴情報が2回存在するのでRNC2に問い合わせ要求を発したが、その場合に、同じセル識別子CDであった場合にのみ問い合わせ要求を発することとすればよい。その場合に、履歴情報のセル識別子CDが異なっていれば、上の第1実施例などで述べたように、当該RNC1の配下のセルに対して低減制御を行えばよい。
図21において、基地局制御装置12は、移動端末14からの緊急呼の接続要求を受けると(#51)、接続処理を開始する(#52)。接続処理を失敗すると(#53でイエス)、その履歴情報により障害履歴情報JSを更新し、参照のために最新の障害履歴情報JSを読み出す(#54)。
障害履歴情報JSを検索し、その中に、端末識別子TSおよびスクランブルコードSCが一致する複数のデータが存在するか否かをチェックする(#55)。複数のデータが存在する場合には(#55でイエス)、それら複数のデータのセル識別子CDが一致するか否かをチェックする(#56)。セル識別子CDが一致する場合は(#56でイエス)、隣接する他の基地局制御装置12に問い合わせ要求を発する(#57)。セル識別子CDが一致しない場合は(#56でノー)、当該基地局制御装置12において、低減制御の対象となるセルを決定し(#58)。低減制御を行う(#59)。
図22において、隣接する基地局制御装置12が問い合わせ要求を受けると(#61でイエス)、問い合わせ要求とともに通知された端末識別子TSおよびスクランブルコードSCを用いて、当該基地局制御装置12の障害履歴情報JSを検索し(#62)、端末識別子TSおよびスクランブルコードSCが一致するデータ(履歴情報)が存在するか否かをチェックする(#63)。
一致するデータが存在する場合には(#63でイエス)、そのデータに示されるセル識別子CDを取得し、そのセル識別子CDで示されるセルを低減制御の対象として決定する(#64)。そして、低減制御を行い(#65)、問い合わせ要求のあった基地局制御装置12への応答として、自分の配下のセルに対して低減制御を行った旨などを通知する(#66)。
このように、緊急呼の接続処理が失敗したときに、一定の条件の下で、隣接する他の基地局制御装置12に問い合わせ要求を行う。問い合わせ要求を受けた基地局制御装置12では、障害履歴情報JSを参照することにより、複数の基地局制御装置12の配下の基地局13またはセルにわたって生じた混信の原因を特定することができ、原因となったセルに対して低減制御を行う。これによって、移動端末14からの緊急呼の接続要求に対し、基地局制御装置12において接続処理が正常に行われ、通信が正常に行われることとなる。
なお、実施例においては2つの基地局制御装置12の間で問い合わせ要求を行っているが、3つ以上の基地局制御装置12の間で問い合わせ要求を行うようにしてもよい。これによって、複数の異なる基地局制御装置12の配下の基地局13またはセルで混信が起こっている場合に、混信を解消して正常な通信が行われるようにすることができる。
これまで説明した第1〜第5実施例では、低減制御を行う例について説明したが、第6〜第8実施例では、復旧制御の例について説明する。第6実施例では終話による復旧制御を、第7実施例ではタイマによる復旧制御を、第8実施例では終話およびタイマによる復旧制御を、それぞれ説明する。
〔第6実施例〕
図23は電力調整制御における処理のシーケンスの例を示す図、図24は図23に対応する障害履歴情報JS8および低減制御情報JC1,2の例を示す図である。
図23において、移動端末14が緊急呼の接続要求を発する(S1)。基地局制御装置12は接続処理を開始するが、接続処理を失敗する(S2)。そのときの履歴情報を障害履歴情報JS8として記録する(S3)。このときの障害履歴情報JS8が、図24(A)に示す状態であったとする。
つまり、図24(A)に示すように、障害履歴情報JS8では、同じ端末識別子「A」およびスクランブルコード「A」を有しかつセル識別子CDの異なる履歴情報が、1番目およ2番目に記録されている。基地局制御装置12では、この障害履歴情報JS8を検索することによって、同一のスクランブルコード「A」が原因で混信を起こしていると判断し(S4)、端末識別子が「A」である移動端末14から最後に接続要求のあったセルBに対して低減制御を行うとともに(S6,7)、その旨を低減制御情報JC1として記録する(S5)。これにより、セルBの送信電力は低下する。
図24(B)に示すように、この時点での低減制御情報JC1では、セルBについて低減情報が「ON」となっており、低減制御が行われて送信電力が低下していることが分かる。なお、他のセルA,C〜Eでは低減情報が「OFF」となっており、低減制御が行われておらず、送信電力は通常であることが分かる。
そして次に、同じ移動端末14が緊急呼の接続要求を再度発する(S8)。このとき、その接続要求に係る端末識別子「A」、セル識別子「A」、およびスクランブルコード「A」が接続要求信号に付随して送信され、基地局制御装置12に通知される。基地局制御装置12は接続処理を開始し、混信がないので接続処理が実行され、通信中となる(S9)。
その後、同じ移動端末14から当該緊急呼の切断要求を発する(S10)。それに応答して、基地局制御装置12は解放処理を行い(S11)、切断応答を基地局13を経由して移動端末14に送信する(S12)。これとともに、基地局制御装置12は、障害履歴情報JS8を参照し、切断要求のあった移動端末14である端末識別子「A」をキーとして、履歴情報を検索する(S13)。
図24(A)に示す障害履歴情報JS8では、端末識別子「A」について見ると、セル識別子が「A」ではない「B」の履歴情報がある。得られたセル識別子「B」に基づいて、低減制御情報JCを検索する(S14)。
図24(B)に示す低減制御情報JC1では、セルBについて低減情報が「ON」となっているので、これに対して復旧制御を行う。つまり、セルBに対して復旧指令を出すとともに(S16,17)、その旨を低減制御情報JC2として記録する(S15)。これにより、セルBの送信電力は元の状態に復旧し、平常通りの通信が可能となる。
なお、復旧制御にともなう低減制御情報JCの更新は、図24(C)に示すように、該当するセルBの低減情報を「OFF」に変更することによって行われる。
なお、シーケンスS14において低減制御情報JCを検索したときに「OFF」となっていた場合には、復旧制御を行わない。
なお、復旧指令を出した後に低減制御情報JC2を記録してもよい。
〔第7実施例〕
図25は電力調整制御における処理のシーケンスの他の例を示す図、図26は図25に対応する障害履歴情報JS9および低減制御情報JC3,4の例を示す図である。
図25において、シーケンスS1〜4は、図23の第6実施例のシーケンスS1〜4と同じである。なお、シーケンスS3において、障害履歴情報JS9は図26(A)に示すように更新される。
シーケンスS5において、セルBに低減制御を行う旨を、図26(B)に示すように低減制御情報JC3として記録する。そのときに、呼制御部22は、セルBに対応した復旧タイマであるタイマbを参照し(S5)、タイマ管理部26に対しタイマbの時間設定を行う(S6)。復旧タイマの時間設定は、通常、例えば10〜30分程度に設定するが、これ以外の時間でもよい。なお、セルBに対して低減制御を行うことは(S7,8)、第6実施例と同様である。
タイマbの計時が満了すると、タイマ管理部26は呼制御部22に対してタイマ満了を通知する(S9)。呼制御部22は、低減制御情報JC3を参照し、セルBの低減情報が「ON」となっていることから低減制御中であると判断するとともに(S10)、復旧制御を行うに当たって、図26(C)に示すようにセルBの低減情報を「OFF」に変更する(S11)。
そして、セルBに対して復旧指令を出す(S12,13)。これにより、セルBの送信電力は元の状態に復旧し、平常通りの通信が可能となる。
なお、復旧指令を出した後に低減制御情報JC3を更新してもよい。
〔第8実施例〕
図27は復旧制御における処理の例を示すフローチャートである。
図27において、通話が終了すると(#71)、その通話に関連した低減制御中のセルがあるか否かをチェックし(#72)、ある場合にそのセルに対して復旧制御を行う(#73)。また、復旧タイマが満了したときには(#74でイエス)、該当するセルに対して復旧制御を行う(#73)。
上に述べた実施形態においては、移動端末14からの接続要求が緊急呼である場合に電力調整制御を行うことを説明したが、電力調整制御を行う場合に、障害履歴情報JSに記録した履歴情報を保存しておく時間、障害履歴情報JSを検索するときの検索範囲を決めるために遡る所定時間、低減制御において送信電力を低下させるレベル、復旧制御における復旧タイマの設定時間などは、上に述べた以外に種々の値を選択することができる。また、緊急呼の内容に応じてそれらを異ならせておいてもよい。
また、緊急呼でない一般呼の場合においても電力調整制御を行ってもよい。その場合に、上に述べた時間やレベルなどの設定値を緊急呼の場合と一般呼の場合とで異ならせておいてもよい。例えば、低減制御において送信電力を低下させる割合を、一般呼の場合に緊急呼の半分程度とする。つまり、緊急呼の場合に送信電力を10分の1とした場合に、一般呼の場合に送信電力を5分の1とする。また、例えば、復旧タイマの設定時間を、緊急呼の場合に10分とした場合に、一般呼の場合に5分とする。その他、種々の設定が考えられる。
上に述べた実施形態において、緊急呼ではない一般呼の接続制御にも適用することが可能である。その他、障害履歴情報JS、周辺セルリストLT、低減制御情報JCなどの構成、内容、項目、基地局制御装置12または移動無線ネットワークMWの全体または各部の構成、構造、形状、個数、配置、処理の内容および順序、シーケンスのタイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本実施形態には、以下に示す付記の形態も含まれる。
(付記1)
移動無線ネットワークにおける緊急呼の接続制御方法であって、
移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報として網側において管理しておき、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、前記障害履歴情報を参照して、混信の原因となり得る特定の基地局の送信電力を低下するように制御する、
ことを特徴とする緊急呼の接続制御方法。
(付記2)
前記障害履歴情報の中に、接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を含めておき、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に記録されているときに、当該接続要求を行っているセルまたは接続処理に失敗したときのセルのうちの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する、
付記1記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記3)
前記障害履歴情報の中に、接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を含めておき、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する、
付記1記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記4)
接続処理に失敗したときの当該移動端末の位置情報と各セルの位置との位置関係に基づいて、送信電力を低下する基地局またはセルを決定する、
付記1ないし3のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記5)
前記障害履歴情報の中に、接続要求時における移動端末からの電波強度についての情報を含めておき、
前記障害履歴情報に記録された電波強度についての情報に基づいて、送信電力を低下する基地局またはセルを決定する、
付記1ないし3のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記6)
移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときのセルに対してその周辺に近隣セルが所定数以上存在する場合に、当該接続要求時における混信の原因となった全ての基地局の送信電力を低下するように制御する、
付記1ないし3のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記7)
前記障害履歴情報を、基地局制御装置ごとに管理するとともに、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局を制御する基地局制御装置が管理する障害履歴情報の中に、当該移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置以外の基地局制御装置に対して当該移動端末についての履歴情報を問い合わせ、
問い合わせた基地局制御装置の障害履歴情報の中に、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が記録されているときに、その履歴情報にかかるセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する、
付記1ないし6のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記8)
移動端末からの緊急呼が終話したときに、当該移動端末に関する障害履歴情報に記録されたセルに対して送信電力を低下させる制御が行われている場合に、そのセル対する送信電力を復旧させるように制御する、
付記1ないし7のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記9)
セルに対して送信電力を低下させる制御が行われてから所定の時間を経過したときに、当該セル対する送信電力を復旧させるように制御する、
付記1ないし7のいずれかに記載の緊急呼の接続制御方法。
(付記10)
移動無線ネットワークにおける接続制御装置であって、
移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報として記録する障害履歴情報記憶部と、
移動端末からの接続要求時において、前記障害履歴記憶部に記録された障害履歴情報を参照して、混信の原因となり得る特定の基地局の送信電力を低下させるように制御する制御部と、
を有することを特徴とする接続制御装置。
(付記11)
移動無線ネットワークにおける緊急呼の接続制御装置であって、
移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報として記録する障害履歴情報記憶部と、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、前記障害履歴記憶部に記録された障害履歴情報を参照して、混信の原因となり得る特定の基地局の送信電力を低下するように制御する制御部と、
を有することを特徴とする緊急呼の接続制御装置。
(付記12)
前記障害履歴記憶部には、接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報が障害履歴情報として記録されており、
前記制御部は、
前記障害履歴記憶部の中から、同一の移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの障害履歴情報を検索して抽出する手段を有し、抽出された障害履歴情報に記録されたセルのうちの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する、
付記11記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記13)
前記制御部は、
接続処理に失敗したときの当該移動端末の位置情報と各セルの位置との位置関係に基づいて、送信電力を低下する基地局またはセルを決定する、
付記11または12記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記14)
前記障害履歴記憶部には、接続要求時における移動端末からの電波強度についての情報が障害履歴情報として記録されており、
前記制御部は、
前記障害履歴情報に記録された電波強度についての情報に基づいて、送信電力を低下する基地局またはセルを決定する、
付記11ないし13のいずれかに記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記15)
前記制御部は、
移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときのセルに対してその周辺に複数の近隣セルが存在する場合に、当該接続要求時における混信の原因となった全ての基地局の送信電力を低下するように制御する、
付記11ないし13のいずれかに記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記16)
前記制御部は、
移動端末からの緊急呼が終話したときに、当該移動端末に関し障害履歴情報として記録されたセルに対して送信電力を低下させる制御が行われている場合に、そのセル対する送信電力を復旧させるように制御する、
付記11ないし15のいずれかに記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記17)
前記制御部は、
セルに対して送信電力を低下させる制御が行われてから所定の時間を経過したときに、当該セル対する送信電力を復旧させるように制御する、
付記11ないし15のいずれかに記載の緊急呼の接続制御装置。
(付記18)
移動端末との間で無線で呼接続を行うことが可能な複数の基地局および前記基地局を制御する複数の基地局制御装置を有する移動無線ネットワークであって、
複数の前記基地局制御装置に、移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報として記録する障害履歴記憶部が設けられており、
移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局を制御する基地局制御装置の障害履歴記憶部の中に、当該移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの障害履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置以外の基地局制御装置に対して当該移動端末についての障害履歴情報を問い合わせ、
問い合わせた基地局制御装置の障害履歴記憶部の中に、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの障害履歴情報が記録されているときに、その障害履歴情報にかかるセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御されている、
ことを特徴とする移動無線ネットワーク。
(付記19)
移動無線ネットワークにおける接続制御のためのコンピュータプログラムであって、
移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報を障害履歴情報として網側において管理させる処理と、
移動端末からの接続要求時において、前記障害履歴情報を参照して、混信の原因となり得る特定の基地局の送信電力を低下させるように制御する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
移動無線ネットワークの構成の例を示す図である。 本発明の一実施形態の基地局制御装置の構成を示すブロック図である。 障害履歴情報の例を示す図である。 周辺セルリストの例を示す図である。 セルの配置の例を示す図である。 同一のスクランブルコードによる混信発生の様子を説明するための図である。 混信発生時における送信電力の低減制御を説明するための図である。 送信電力の復旧制御を説明するための図である。 混信時における接続処理のシーケンスの例を示す図である。 図9に対応する障害履歴情報の例を示す図である。 図9に対応した呼制御部における接続処理のフローチャートである。 混信時の位置情報に基づく接続処理のシーケンスの例を示す図である。 図12に対応した呼制御部における接続処理のフローチャートである。 混信時の電波強度に基づく接続処理のシーケンスの例を示す図である。 図14に対応する障害履歴情報の例を示す図である。 図14に対応した呼制御部における接続処理のフローチャートである。 混信時の近隣セル状況に基づく接続処理のシーケンスの例を示す図である。 図17に対応した呼制御部における接続処理のフローチャートである。 異なる基地局制御装置間での接続処理のシーケンスの例を示す図である。 図19に対応する障害履歴情報の例を示す図である。 異なる基地局制御装置を含めた混信時の接続処理のフローチャートである。 問い合わせ要求を受けた基地局制御装置での処理のフローチャートである。 電力調整制御における処理のシーケンスの例を示す図である。 図23に対応する障害履歴情報および低減制御情報の例を示す図である。 電力調整制御における処理のシーケンスの他の例を示す図である。 図25に対応する障害履歴情報および低減制御情報の例を示す図である。 復旧制御における処理の例を示すフローチャートである。
符号の説明
MW 移動無線ネットワーク
12 基地局制御装置(緊急呼の接続制御装置)
13 基地局
14 移動端末
21 RNC制御部(制御部)
22 呼制御部(制御部、抽出する手段)
23 無線制御部(制御部)
24 位置情報管理部
25 無線品質管理部
26 タイマ管理部
27 障害情報部(障害履歴情報記憶部)
28 セル情報部
29 端末情報部
JS 障害履歴情報
TS 端末識別子
CD セル識別子
SC スクランブルコード
DK 電波強度

Claims (7)

  1. 移動無線ネットワークにおける緊急呼の接続制御方法であって、
    移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として網側において管理しておき、
    移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下するように制御する、
    ことを特徴とする緊急呼の接続制御方法。
  2. 前記障害履歴情報を、基地局制御装置ごとに管理するとともに、
    移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局を制御する基地局制御装置が管理する障害履歴情報の中に、当該移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置以外の基地局制御装置に対して当該移動端末についての履歴情報を問い合わせ、
    問い合わせた基地局制御装置の障害履歴情報の中に、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が記録されているときに、その履歴情報にかかるセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する、
    請求項1記載の緊急呼の接続制御方法。
  3. 移動端末からの緊急呼が終話したときに、当該移動端末に関する障害履歴情報に記録されたセルに対して送信電力を低下させる制御が行われている場合に、そのセル対する送信電力を復旧させるように制御する、
    請求項1または2記載の緊急呼の接続制御方法。
  4. 移動無線ネットワークにおける接続制御装置であって、
    移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として記録する障害履歴情報記憶部と、
    移動端末からの接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する制御部と、
    を有することを特徴とする接続制御装置。
  5. 移動無線ネットワークにおける緊急呼の接続制御装置であって、
    移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として記録する障害履歴情報記憶部と、
    移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する制御部と、
    を有することを特徴とする緊急呼の接続制御装置。
  6. 移動端末との間で無線で呼接続を行うことが可能な複数の基地局および前記基地局を制御する複数の基地局制御装置を有する移動無線ネットワークであって、
    複数の前記基地局制御装置に、移動端末からの緊急呼の接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として記録する障害履歴記憶部が設けられており、
    移動端末からの緊急呼の接続要求時において、当該接続要求を受けた基地局を制御する基地局制御装置の障害履歴記憶部の中に、当該移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの障害履歴情報が所定数以上あった場合に、当該基地局制御装置以外の基地局制御装置に対して当該移動端末についての障害履歴情報を問い合わせ、
    問い合わせた基地局制御装置の障害履歴記憶部の中に、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの障害履歴情報が複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御されている、
    ことを特徴とする移動無線ネットワーク。
  7. 移動無線ネットワークにおける接続制御のためのコンピュータプログラムであって、
    移動端末からの接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報として接続要求時に用いられたスクランブルコードについての情報を障害履歴情報として網側において管理させる処理と、
    移動端末からの接続要求時において、当該移動端末による同一のスクランブルコードを用いた接続要求に対する接続処理に失敗したときの履歴情報が前記障害履歴情報の中に複数記録されているときに、それら接続処理に失敗したときのセルの少なくとも1つのセルへの基地局の送信電力を低下させるように制御する処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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