JP4723763B2 - コンテナ及び物品の輸送方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸出貨物の搬送等に利用されるコンテナ及び物品の輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、輸出貨物の、特にバラ荷の場合のユニットロード化(JIS Z0161)において、木函等を中心としたコンテナが主流であったが、近年、木材資源の保護及び輸出相手国(仕向地国)の検疫要求の増大・厳格化に伴って、段ボール、特に重量物については強化段ボール等でコンテナを構成し、輸出貨物をユニットロード化する場合が増えている。
【0003】
コンテナとして木函を使用した場合には、その木函は、一般的に、ワンウェーと呼ばれる1回限りの使い捨てとなることが多い。また、外装として通常の段ボールを使用した場合にも、輸送途中の環境に起因する段ボールの劣化から使い捨てが大半である。
【0004】
一方、コンテナとして強化段ボールを使用した場合には、そのコストを勘案して、繰り返し使用される(リターナル通函)。
【0005】
また、輸出貨物における通函として、その使用回数の向上を目的に鋼製コンテナやプラスチック製コンテナ等が一部で実用化されているが、鋼製コンテナの場合は、その風袋自重が重すぎるため、航空貨物に適していない。一方、プラスチック製コンテナの場合は、内容物に合致したユニットロード化を実行すると、その内容物ごとに、プラスチックを成形するための金型等が必要となるため、初期投資が膨大になる虞がある。
【0006】
そこで、現在では、強化段ボールを用いたコンテナにて輸出貨物をユニットロード化することが主流となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、強化段ボールを用いたコンテナは(図5(A))、航空機輸送時に外面結露が生じ、また、海上輸送時も湿度により、膨潤、外面結露等が生じるため、日本〜欧米間の使用では約2〜3回の使用でコンテナの外面に変形が生じ、即ち、いわゆる胴ぶくれ現象が生じ(図5(B))、製品の出荷荷姿としては使用できなくなり、コンテナを廃棄しなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができるコンテナ及び物品の輸送方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載されたコンテナは、一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、前記スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面に前記多層段ボールの秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤で貼り付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項1のコンテナによれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面に多層段ボールの秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤で貼り付けたので、スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載されたコンテナは、請求項1記載のコンテナにおいて、前記接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であることを特徴とする。
【0012】
請求項2のコンテナによれば、接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であるので、合成樹脂が混入する虞がなく、スリーブが使用できなくなっても、これらを古紙として再利用することができるので、資源の再利用を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載されたコンテナは、一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、前記スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面を前記多層段ボールの内表面部材の秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードで構成することを特徴とする。
【0014】
請求項3のコンテナによれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面を多層段ボールの内表面部材の秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードで構成するので、スリーブが吸収する水分を減少させ、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0015】
請求項4に記載されたコンテナは、請求項1乃至3のいずれか1項記載のコンテナにおいて、前記硬質積層ボードの吸水率が55%以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項4のコンテナによれば、硬質積層ボードの吸水率が55%以下であるので、スリーブが吸収する水分を減少させ、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項5に記載された物品の輸送方法は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンテナを使用して、物品を航空輸送する又は海上輸送することを特徴とする。
【0018】
請求項5の物品の輸送方法によれば、請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンテナを使用して、物品を航空輸送する又は海上輸送するので、コンテナが輸送中に結露しても、スリーブが吸収する水分は少ないため、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0019】
請求項6に記載された物品の輸送方法は、一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられた多層段ボールのスリーブとにより函状に構成されたコンテナを繰り返し使用する物品の輸送方法において、前記コンテナの使用頻度が所定の回数になったときに、前記スリーブの外表面及び端面に前記多層段ボールの秤量値よりも大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤により貼り付けて、前記コンテナを引き続き繰り返し使用することを特徴とする。
【0020】
請求項6の物品の輸送方法によれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられた多層段ボールのスリーブとにより函状に構成されたコンテナを繰り返し使用する物品の輸送方法において、コンテナの使用頻度が所定の回数になったときに、スリーブの外表面及び端面に多層段ボールの秤量値よりも大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤により貼り付けて、コンテナを引き続き繰り返し使用するので、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【0021】
請求項7に記載された物品の輸送方法は、請求項6記載の物品の輸送方法において、前記所定の回数とは、前記スリーブに胴ぶくれ現象が生じる回数であることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載された物品の輸送方法は、請求項6又は7記載の物品の輸送方法において、前記接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であることを特徴とする。
【0023】
請求項8の物品の輸送方法によれば、接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であるので、合成樹脂が混入する虞がなく、スリーブが使用できなくなっても、これらを古紙として再利用することができるので、資源の再利用を図ることができる。
【0024】
請求項9に記載された物品の輸送方法は、請求項6乃至8のいずれか1項記載の物品の輸送方法において、前記物品の輸送方法が、航空便による輸送又は海上コンテナ便による輸送であることを特徴とする。
【0025】
請求項9の物品の輸送方法によれば、物品の輸送方法が、航空便による輸送又は海上コンテナ便による輸送であるので、コンテナが輸送中に結露しても、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、このスリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面にこの多層段ボールの秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤で貼り付けたときに、スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができ、その結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができることを見出した。
【0027】
本発明は、上記研究の結果に基づいてなされたものである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係るコンテナの構造を図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテナの構造を示す斜視図である。
【0030】
同図において、符号1,1’はポリエチレン系のプラスチックでできたパレットであり、符号2,2’は、各々パレット1,1’上に設けられた係止具であり、符号3は、内層が3層状の強化段ボールで構成されており、外層が耐水性に優れた硬質積層ボードで構成されているスリーブであり、符号4,4’は係止具2,2’を嵌め込むためのロック穴である。尚、硬質積層ボードは、古紙再生品であってもよい。
【0031】
本コンテナは、上蓋としてのパレット1と下蓋としてのパレット1’との間に側壁としてスリーブ3が起立状に設けられ、このスリーブ3のロック穴4,4’に係止具2,2’が嵌め込めれることにより、概ね1m3の函状に構成される。本コンテナは荷物を積まないときには、折り畳むことができる。
【0032】
図2は、スリーブ3を上部から見た断面構造を示す図である。
【0033】
同図における符号20は接合面であり、この接合面20がステープルで止められている。同図に示すように、スリーブが構成されているので、強化段ボールの外表面に硬質積層ボードを貼り付ける際には、接合面20を止めているステープルをはずす必要は生じない。
【0034】
図3は、スリーブ3の断面構造の一部を示す図である。
【0035】
同図において、符号10は3層状の強化段ボールであり、符号11は耐水性に優れた硬質積層ボードである。硬質積層ボード11は、密度が1.0g/cm3であり、これを秤量に換算すると1600g/m2である。3層状の強化段ボール10は、ライナー材13と、クッション材14と、中敷き材15とからなる。ライナー材13は主にヴァージンパルプでできた繊維ボードであり、その秤量は約450g/m2である。
【0036】
硬質積層ボード11は、強化段ボール10の端面部12を覆い、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤によってライナー材13の外面に接着されている。従って、強化段ボール10のみをコンテナの側壁とした場合に比べて、強化段ボール10の外面及び端面部12では吸収する水分を減少することができる。このことは、スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することになる。また、硬質積層ボード11とライナー材13との接着には、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤が使用されており、合成樹脂が混入する虞がないため、スリーブ3が使用できなくなっても、これを古紙として再利用することができるので、資源の再利用を図ることができる。
【0037】
図4は、スリーブ3の代替品となるスリーブ3’の断面構造の一部を示す図である。
【0038】
このスリーブ3’は、スリーブ3における外表面の強化段ボール10のライナー材13及び硬質積層ボード11を硬質積層ボード11のみで置き換えたものであり、その材質等は上述した通りであるので、説明は省略する。このスリーブ3’においても、端面部12を硬質積層ボード11で覆い、水分の吸収を防止している。
【0039】
【実施例】
本発明の上記知見を確認するために以下のような3つの実験を行った。
【0040】
(1)予め強化段ボール10に硬質積層ボード11を貼り付けた、図3に示すようなスリーブ3を用いたコンテナで日米間を航空機輸送で往復し、何回目の輸送で胴ぶくれ現象が生じて、コンテナを使用できなくなるかを調べた(実施例1,2)。
【0041】
(2)最初は強化段ボール10のみのスリーブのコンテナで日米間を航空機輸送で往復し、胴ぶくれ現象が生じる直前又は生じ始めたときに、強化段ボール10に硬質積層ボード11を貼り付けて、図3に示すようなスリーブ3を作成し、これを用いたコンテナでさらに日米間を航空機輸送で往復し、累積何回目の輸送で胴ぶくれ現象が生じて、コンテナを使用できなくなるかを調べた(実施例3,4)。
【0042】
(3)図4に示すようなスリーブ3’を用いたコンテナで日米間を航空機輸送で往復し、何回目の輸送で胴ぶくれ現象が生じて、コンテナを使用できなくなるかを調べた。
【0043】
これら3つの実験結果を以下の表1に示す(実施例5,6)。
【0044】
【表1】
Figure 0004723763
【0045】
上記表1において、秤量は、スリーブ1m2あたりの重さ(g)を示し、吸水率は、10cm角の試験片を24時間、水中に浸し、水中に入れる前と入れた後との重量変化の比率を示す。
【0046】
上記表1によれば、比較例1の場合には、日米間の通函回数、即ち、往復回数が2回のみである。これは、日米間を2回往復すると、結露によりスリーブの胴ぶくれ現象が生じ、コンテナが使用できなくなることを意味している。
【0047】
一方、実施例1,2の場合には、日米間の往復回数が6回である。これは、強化段ボール10に硬質積層ボード11を貼り付け、スリーブ3が吸収する水分を減少させ、スリーブ3の胴ぶくれ現象の発生を抑制したためである。また、この結果、スリーブ3が吸収する水分を減少させるためには、スリーブに用いる強化段ボール等の秤量がより大きい数値をとることが必要であることがわかる。
【0048】
また、実施例3,4の場合には、実施例1,2の場合よりもさらに2回増えて、日米間の往復回数が8回である。これは、強化段ボール10のみのスリーブのコンテナで日米間を航空機輸送で2回往復して、胴ぶくれする虞のあるスリーブ又は胴ぶくれし始めたスリーブに硬質積層ボード11を貼り付けて更正し、この更正されたスリーブを用いたコンテナで日米間を航空機輸送でさらに6回往復したためである。即ち、このような方法を用いることで、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【0049】
また、実施例5,6の場合には、実施例1,2の場合と同様に、往復回数が6回である。これは、図4に示すようにスリーブ3’の外表面を予め硬質積層ボード11で作成し、スリーブ3’が吸収する水分を減少させ、スリーブ3’の胴ぶくれ現象の発生を抑制したためである。
【0050】
尚、実施例1〜6の各スリーブは比較例1のスリーブと比べて厚さが最大で1.6mm程度の違いであるため、本来の外装荷姿の寸法(概ね1m3)を大幅に変更することはない。
【0051】
上述したように、本実施の形態によれば、強化段ボール10の外表面及び端面に、強化段ボール10の秤量値よりも大きな値をとる硬質積層ボード11を貼り付けるので、強化段ボール10及び硬質積層ボード11で構成されるスリーブ3の胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0052】
また、硬質積層ボード11の吸水率が55%以下であるので、スリーブ3が吸収する水分を減少させ、スリーブ3の胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、図4に示すように、スリーブ3’の主部材を強化段ボールとしつつ、該強化段ボールの外表面及び端面をこの強化段ボールの内表面部材(ライナー材13)の秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボード11で構成するので、スリーブ3’が吸収する水分を減少させ、このスリーブ3’の胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0054】
また、最初は強化段ボール10のみのスリーブのコンテナで日米間を航空機輸送で往復し、胴ぶくれ現象が生じる直前又は生じ始めたときに、強化段ボール10に硬質積層ボード11を貼り付けて、図3に示すようなスリーブ3を作成し、これを用いたコンテナでさらに日米間を航空機輸送で往復するので、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【0055】
さらに、硬質積層ボード11と強化段ボール10の接着には、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤が使用されており、合成樹脂が混入する虞がないため、スリーブ3が使用できなくなっても、これを古紙として再利用することができるので、資源の再利用を図ることができる。
【0056】
尚、本実施の形態では、実験を日米間の航空機輸送で行ったが、これに限らず、結露する環境下での輸送であれば、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0057】
また、本実施の形態では、強化段ボール10を使用したが、これに替えて、一般段ボールやベニヤ板の函などを用いてもよい。
【0058】
さらに、本実施の形態では、硬質積層ボード11を使用したが、これに替えて、樹脂製のプラスチックシート等を用いてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1のコンテナによれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面に多層段ボールの秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤で貼り付けたので、スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0060】
請求項2のコンテナ及び請求項8の物品の輸送方法によれば、接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であるので、合成樹脂が混入する虞がなく、スリーブが使用できなくなっても、これを古紙として再利用することができるので、資源の再利用を図ることができる。
【0061】
請求項3のコンテナによれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面を多層段ボールの内表面部材の秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードで構成するので、スリーブが吸収する水分を減少させ、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0062】
請求項4のコンテナによれば、硬質積層ボードの吸水率が55%以下であるので、スリーブが吸収する水分を減少させ、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。
【0063】
請求項5の物品の輸送方法によれば、請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンテナを使用して、物品を航空輸送する又は海上輸送するので、コンテナが輸送中に結露しても、スリーブが吸収する水分は少ないため、該スリーブの胴ぶくれ現象の発生を抑制することができる。この結果、コンテナの使用寿命を延長し、コストダウンを図ると共に廃棄物量の削減を図ることができる。
【0064】
請求項6の物品の輸送方法によれば、一対のパレットと、該一対のパレットの間に起立状に設けられた多層段ボールのスリーブとにより函状に構成されたコンテナを繰り返し使用する物品の輸送方法において、コンテナの使用頻度が所定の回数になったときに、スリーブの外表面及び端面に多層段ボールの秤量値よりも大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤により貼り付けて、コンテナを引き続き繰り返し使用するので、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【0065】
請求項9の物品の輸送方法によれば、物品の輸送方法が、航空便による輸送又は海上コンテナ便による輸送であるので、コンテナが輸送中に結露しても、コンテナの使用寿命をより延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテナの構造を示す斜視図である。
【図2】スリーブ3を上部から見た断面構造を示す図である。
【図3】スリーブ3の断面構造の一部を示す図である。
【図4】スリーブ3の代替品となるスリーブ3’の断面構造の一部を示す図である。
【図5】スリーブを上部から見た断面構造を示す図であり、(A)は従来のスリーブであり、(B)は従来のスリーブであって、外面結露により水分を吸収し、いわゆる胴ぶくれ現象が生じたときのスリーブである。
【符号の説明】
1,1’ パレット
2,2’ 係止具
3 スリーブ
4,4’ ロック穴
10 強化段ボール
11 硬質積層ボード
12 端面部
13 ライナー材
14 クッション材
15 中敷き材

Claims (9)

  1. 一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、
    前記スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面に前記多層段ボールの秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤で貼り付けたことを特徴とするコンテナ。
  2. 前記接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であることを特徴とする請求項1記載のコンテナ。
  3. 一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられたスリーブとにより函状に構成されるコンテナにおいて、
    前記スリーブの主部材を多層段ボールとし、該多層段ボールの外表面及び端面を前記多層段ボールの内表面部材の秤量値より大きな秤量値を有する硬質積層ボードで構成することを特徴とするコンテナ。
  4. 前記硬質積層ボードの吸水率が55%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコンテナ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンテナを使用して、物品を航空輸送する又は海上輸送することを特徴とする物品の輸送方法。
  6. 一対のパレットと、前記一対のパレットの間に起立状に設けられた多層段ボールのスリーブとにより函状に構成されたコンテナを繰り返し使用する物品の輸送方法において、
    前記コンテナの使用頻度が所定の回数になったときに、前記スリーブの外表面及び端面に前記多層段ボールの秤量値よりも大きな秤量値を有する硬質積層ボードを接着剤により貼り付けて、前記コンテナを引き続き繰り返し使用することを特徴とする物品の輸送方法。
  7. 前記所定の回数とは、前記スリーブに胴ぶくれ現象が生じる回数であることを特徴とする請求項6記載の物品の輸送方法。
  8. 前記接着剤は、酢酸ビニール系又はでんぷん質系の接着剤であることを特徴とする請求項6又は7記載の物品の輸送方法。
  9. 前記物品の輸送方法が、航空便による輸送又は海上コンテナ便による輸送であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の物品の輸送方法。
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