ところで、尿素水タンク内の尿素水溶液が減少し、その液面レベルが素子(発熱体)の位置を下回った場合や、尿素水タンク内に尿素水溶液よりも熱伝導率が小さな液体(例えば軽油など)が収容されている場合には、発熱体の温度上昇率が高くなり、発熱体が異常昇温する虞がある。このような状況で、尿素水タンク内に尿素水溶液が適量収容されている場合と同様に、所定時間(特許文献1では、4秒間を例示している)発熱体に通電してしまうと、発熱体が過昇温し、素子が故障(破損など)する虞があった。
なお、特許文献1では、尿素水タンク内の尿素水溶液が減少し、その液面レベルが素子(発熱体)の位置を下回った場合等に、尿素濃度識別装置によって警告を発するようにすることができると記載されている。しかしながら、警告を発したときには、既に、発熱体が過昇温しているため、過昇温に起因する素子の故障(破損など)を防止することはできなかった。また、特許文献2では、貯蔵タンク内の液体が、水、液体還元剤(尿素水溶液)、または空であると判別するが、貯蔵タンクが空の場合でも、貯蔵タンク内に水や液体還元剤(尿素水溶液)が収容されている場合と同様に、発熱体(加熱ヒータ)への通電を行うようにしていた。このため、発熱体(加熱ヒータ)が過昇温し、素子が故障(破損など)する虞があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、液体状態検知素子(発熱抵抗体)の過昇温を防止できる液体状態検知センサを提供することを目的とする。
その解決手段は、被測定液体の状態を検知する液体状態検知センサであって、自身の温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を含み、上記被測定液体に浸漬される液体状態検知素子と、上記発熱抵抗体への通電を行う通電手段と、上記通電手段による上記発熱抵抗体への通電開始から初期通電時間内に当該発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第1出力値と、上記通電手段による上記発熱抵抗体への通電開始から上記初期通電時間より長い第2通電時間が経過した時点での当該発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第3出力値とに基づいて、上記被測定液体の状態を検知する状態検知手段と、上記第2通電時間が経過する前に、上記第1出力値と、上記通電手段による上記発熱抵抗体への通電開始から上記第2通電時間より短く且つ上記初期通電時間より長い第1通電時間が経過した時点での当該発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第2出力値と、に基づいて、上記発熱抵抗体の異常昇温を検知する異常検知手段であって、上記発熱抵抗体の異常昇温を検知した場合、上記通電手段による上記発熱抵抗体への通電を停止させる通電停止信号を出力する異常検知手段と、を備える液体状態検知センサである。
本発明の液体状態検知センサでは、発熱抵抗体への通電開始から初期通電時間内に発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第1出力値と、発熱抵抗体への通電開始から初期通電時間より長い第2通電時間が経過した時点での発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第3出力値と基づいて、被測定液体(例えば、尿素水溶液)の状態を検知する。
被測定液体に含まれる特定成分の濃度の違いなどにより、被測定液体の熱伝導率が異なることから、発熱抵抗体により被測定液体を加熱した場合に、濃度の違い等により、被測定液体の温度上昇率が異なることとなる。本発明の液体状態検知センサでは、発熱抵抗体を有する液体状態検知素子を被測定液体に浸漬して発熱抵抗体に通電していることから、被測定液体の温度上昇率(すなわち、被測定液体の濃度など)が発熱抵抗体の温度上昇に影響を与えることとなる。この発熱抵抗体は、自身の温度に応じた抵抗値を有するため、被測定液体の状態(濃度や液種など)の違いにより、所定の通電時間後の発熱抵抗体の抵抗値に違いが生じることとなる。従って、上述のように、発熱抵抗体の抵抗値に起因する第1出力値と第3出力値に基づいて、適切に、被測定液体の状態(濃度や液種など)を検知することができる。
しかも、本発明の液体状態検知センサは、第2通電時間が経過する前に、第1出力値と、通電開始から第2通電時間より短く且つ上記初期通電時間より長い第1通電時間が経過した時点での発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力される第2出力値とに基づいて、発熱抵抗体の異常昇温を検知する異常検知手段を備えている。この異常検知手段は、発熱抵抗体の異常昇温を検知した場合に、通電手段による発熱抵抗体への通電を強制的に停止させる通電停止信号を出力する。従って、発熱抵抗体が異常昇温している(発熱抵抗体の温度上昇率が異常に高い)場合には、第2通電時間が経過するまで通電することなく、発熱抵抗体への通電を停止することができる。これにより、液体状態検知素子(発熱抵抗体)の過昇温を防止することができる。
ここで、発熱抵抗体が異常昇温する場合としては、例えば、液体収容容器内に収容されている被測定液体の液面レベルが、発熱抵抗体よりも下方にまで低下した場合(空焚きの状態)を挙げることができる。あるいは、液体収容容器内に収容されている被測定液体が、本来収容されているべき液体に比べて、熱伝導率が過少な液体となっている場合を挙げることができる。具体的には、液体収容容器内に尿素水溶液が収容されているべきところ、誤って、軽油が収容されている場合を例示することができる。
このような場合には、発熱抵抗体から奪われる熱量が過少となるため、発熱抵抗体が異常昇温することとなる。しかしながら、本発明の液体状態検知センサでは、上述のように、異常昇温を検知して、発熱抵抗体への通電を停止するため、発熱抵抗体の過昇温を防止することができる。
なお、第1〜第3出力値としては、通電手段により発熱抵抗体に定電流を流す場合には、例えば、発熱抵抗体に生じる電圧値に対応した値を用いることができる。また、通電手段により発熱抵抗体に定電圧をかける場合には、例えば、発熱抵抗体を流れる電流値に対応した値を用いることができる。
また、異常検知手段では、例えば、第1出力値と第2出力値との差分値や、第1出力値と第2出力値との比の値などに基づいて、発熱抵抗体の異常昇温を検知することができる。
また、初期通電時間とは、発熱抵抗体への通電開始後であって、発熱抵抗体自身の温度が周囲の液体の温度とほぼ同一となっている時間をいい、例えば、通電開始から100msecの時間となる。
また、第1出力値としては、発熱抵抗体への通電開始から初期通電時間内に出力されるものであれば良く、例えば、通電開始から100msec以内に出力された出力値であれば良い。なお、発熱抵抗体への通電開始時点においては、発熱抵抗体に流れる電流が比較的安定し難い傾向があるため、発熱抵抗体への通電開始から2msec以上100msec以内(より好ましくは50msec以内)の初期通電時間内に出力された出力値を第1出力値とするのが好ましい。
さらに、上記の液体状態検知センサであって、前記異常検知手段は、前記第1出力値と前記第2出力値との差分である第1差分値と、第1閾値とが、所定の大小関係を満たした場合に、前記通電停止信号を出力するように構成されてなる液体状態検知センサとすると良い。
本発明の液体状態検知センサでは、第1出力値と第2出力値との差分である第1差分値と、第1閾値とが、所定の大小関係を満たした場合に、通電停止信号を出力するようにしている。このように、第1閾値を基準として判断することで、適切に、発熱抵抗体の異常昇温を検知し、通電停止信号を出力することができる。
なお、所定の大小関係としては、(1)第1差分値>第1閾値、(2)第1差分値≧第1閾値、(3)第1差分値<第1閾値、(4)第1差分値≦第1閾値を例示できる。例えば、発熱抵抗体が昇温(抵抗値上昇)するにしたがって第1差分値が大きくなる場合には、異常検知手段は、(1)第1差分値>第1閾値、または(2)第1差分値≧第1閾値の関係を満たした場合に、通電停止信号を出力するように構成すると良い。
さらに、上記の液体状態検知センサであって、前記異常検知手段は、前記所定の大小関係が、前記第1差分値>前記第1閾値または上記第1差分値≧上記第1閾値であり、上記第1差分値が、上記第1閾値よりも大きな第2閾値を上回った場合には、前記被測定液体の液面レベルが前記発熱抵抗体の下方にまで低下している第1異常状態を検出し、上記第1差分値が、上記第2閾値を下回った場合には、前記被測定液体の熱伝導率が過少である第2異常状態を検出するように構成されてなり、または、上記所定の大小関係が、上記第1差分値<上記第1閾値または上記第1差分値≦上記第1閾値であり、上記第1差分値が、上記第1閾値よりも小さな第2閾値を下回った場合には、上記第1異常状態を検出し、上記第1差分値が、上記第2閾値を上回った場合には、上記第2異常状態を検出するように構成されてなる液体状態検知センサとすると良い。
発熱抵抗体が異常昇温する場合とは、(1)被測定液体の熱伝導率が過少である場合、例えば、液体収容容器内に尿素水溶液が収容されているべきところ、誤って、軽油が収容されている場合、あるいは、(2)被測定液体の液面レベルが発熱抵抗体の下方にまで低下した場合である。液体(軽油など)に比べて、空気のほうが熱伝導率が小さいことから、(1)の場合の第1差分値と、(2)の場合の第1差分値とは、常に所定の大小関係を満たすこととなる。従って、(1)の場合の第1差分値と(2)の場合の第1差分値との境界値として第2閾値を設定することで、(1)と(2)とを識別することが可能となる。
そこで、本発明の液体状態検知センサでは、異常検知手段において、第1差分値と、第1閾値及び第2閾値との大小関係に基づいて、被測定液体の液面レベルが発熱抵抗体の下方にまで低下している第1異常状態と、被測定液体の熱伝導率が過少である第2異常状態とを検出するようにした。このうち、第1異常状態を検出することで、液体状態検知センサを設けた機器(ディーゼル車両など)の運転者に対し、被測定液体の補給を促す等の処理を講ずることができる。また、第2異常状態を検出することで、運転者に対し、被測定液体の入れ替え(例えば、尿素水溶液ではなく誤って軽油が収容されている場合には、尿素水溶液に入れ替える)を促す等の処理を講ずることができる。
このように、本発明の液体状態検知センサでは、発熱抵抗体の異常昇温の原因を特定した異常状態を検出するので、液体状態検知センサを設けた機器(ディーゼル車両など)の運転者に対し、適切な処置(被測定液体の補給や入れ替え等)を取らせることが可能となる。
さらに、上記いずれかの液体状態検知センサであって、前記液体状態検知素子は、前記発熱抵抗体が、セラミック基体内に液密に封止されてなる液体状態検知センサとすると良い。
本発明の液体状態検知センサでは、液体状態検知素子として、発熱抵抗体が、セラミック基体内に液密に封止された液体状態検知素子を用いている。このような液体状態検知素子は、当該素子自身を直接、被測定液体に浸漬することができる。このため、薄膜チップ内に尿素水溶液が浸水しないように、薄膜チップを樹脂モールドした素子(例えば、特開2005−84026号公報に開示されている素子)に比べて、感度が良好となる。従って、本発明の液体状態検知センサでは、被測定液体の状態を精度良く検知できると共に、発熱抵抗体の異常昇温を精度良く検知することができる。
さらに、上記いずれかの液体状態検知センサであって、前記被測定液体は、尿素水溶液である液体状態検知センサとすると良い。
本発明の液体状態検知センサは、尿素水溶液の状態を検知する液体状態検知センサである。尿素水溶液は、例えば、NOx還元剤として、ディーゼル車両の液体収容容器内に収容される。ところが、作業者が誤って、尿素水溶液の液体収容容器内に、軽油を注入してしまう虞がある。また、ディーゼル車両の運転時間の経過と共に尿素水溶液が減少し、尿素水溶液の液面レベルが素子よりも下方に低下し、さらには空状態となる虞もある。しかも、尿素水溶液に比べて、軽油は熱伝導率が小さく、空気はさらに熱伝導率が小さいため、液体収容容器内に誤って軽油が注入されている場合、及び液体収容容器内の尿素水溶液の液面レベルが素子よりも下方に低下した場合には、発熱抵抗体が異常昇温することとなる。
これに対し、本発明の液体状態検知センサでは、前述のように、異常検知手段によって発熱抵抗体の異常昇温が検知された場合に、通電手段による発熱抵抗体への通電を停止させる通電停止信号を出力するようにしている。このため、発熱抵抗体が異常昇温している(発熱抵抗体の温度上昇率が異常に高い)場合には、第2通電時間が経過するまで通電することなく、発熱抵抗体への通電を停止することができる。従って、液体収容容器内に誤って軽油が注入されている場合、及び尿素水溶液の液面レベルが素子よりも下方に低下している場合でも、液体状態検知素子の過昇温を防止できる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施形態にかかる液体状態検知センサ100の部分縦断面図である。図1に示すように、液体状態検知センサ100は、素子構造体30と、電極構造体70と、検知部160と、取付部40とを備えている。ここで、液体状態検知センサ100について、その軸線Cに沿う方向に見て、素子構造体30側を先端側、検知部160側を基端側とする。本実施形態の液体状態検知センサ100は、図4に示すように、その先端側が尿素水タンク98内の尿素水溶液Lに浸漬され、尿素水溶液Lの状態を検知することができる。
取付部40は、金属からなり、取付ボルトが挿通可能なボルト用貫通孔(図示省略)が穿孔されている。液体状態検知センサ100は、取付部40のボルト用貫通孔を利用して、取付ボルトにより、尿素水タンク98(図4参照)に取付可能とされている。
電極構造体70は、外筒電極10と、内筒電極20と、両電極の間に位置する筒状のゴムブッシュ80とを有している。このうち、外筒電極10は、金属製で円筒状をなし、その軸線を軸線Cに一致させて、液体状態検知センサ100の先端側から基端側にまで延びている。この外筒電極10は、基端部12において、取付部40に溶接されている。なお、取付部40は、検知部160を構成する配線基板60に対し、そのグランド電位をなす配線部(図示しない)と同電位となるように接続されている。このため、取付部40に溶接されている外筒電極10も、グランド電位となる。
内筒電極20は、金属製で、外筒電極10より小径の円筒状をなし、その軸線を軸線Cに一致させて、外筒電極10の内側において、液体状態検知センサ100の先端側から基端側にまで延びている。この内筒電極20は、図示を省略しているが、その基端部において、絶縁部材を介して取付部40に固着されている。なお、内筒電極20は、検知部160を構成する配線基板60に電気的に接続され、交流電圧が印加されるように構成されている。また、内筒電極20のうち尿素水溶液Lに接触する外表面には、フッ素系樹脂からなる絶縁被膜23が形成されている。
素子構造体30は、液体状態検知素子110と、ホルダ120と、固定部材125,126と、プロテクタ130とを有している。
このうち、液体状態検知素子110は、図2に示すように、第1セラミック絶縁層111と、第2セラミック絶縁層112と、これらの間に位置する導体層118とを有している。詳細には、液体状態検知素子110は、同時焼成されてなり、導体層118が、第1セラミック絶縁層111と第2セラミック絶縁層112との間(セラミック基体内)に液密に封止されている。このため、液体状態検知素子110を直接、尿素水溶液Lに浸漬しても、液体状態検知素子110内に尿素水溶液Lが浸水して導体層118が短絡する虞がない。
第1セラミック絶縁層111及び第2セラミック絶縁層112は、アルミナ製で、矩形板形状をなしている。また、導体層118は、Ptを主成分とした導体層であり、図3に示すように、第1リード部115と、第2リード部116と、両者に接続する発熱抵抗体117とを有している。発熱抵抗体117は、第1リード部115及び第2リード部116に比べて小さな断面積の線が、蛇行した形態をなしている。このため、導体層118に通電すると、主に、発熱抵抗体117において発熱することとなる。この発熱抵抗体117は、自身の温度に応じて抵抗値が変化する。
さらに、図2に示すように、第1セラミック絶縁層111には、導体層118(詳細には、第1リード部115と第2リード部116)に連通する位置に、第1セラミック絶縁層111の厚み方向(図2において左右方向)に貫通するビアホール111bが、2ヶ穿孔されている。各々のビアホール111b内には、ビア導体113が充填形成されている。そして、第1セラミック絶縁層111の表面111cには、各々のビア導体113に導通する、矩形状の接続パッド114が形成されている。
各々の接続パッド114には、コネクタ119が接続されている(図1参照)。さらに、このコネクタ119と検知部160(配線基板60)とは、図1に示すように、内筒電極20の筒内に挿通されたリード線90により電気的に接続されている。これにより、液体状態検知素子110の発熱抵抗体117が、検知部160(配線基板60)に電気的に接続される。
ホルダ120は、筒状をなし、環状のシール部材127を介して内筒電極20に装着されている。このホルダ120の筒内には、液体状態検知素子110が挿通されている。固定部材125,126は、接着剤からなり、ホルダ120の筒内に充填されている。これにより、液体状態検知素子110が、ホルダ120に保持される。なお、液体状態検知素子110のうち発熱抵抗体117が位置する部位は、尿素水溶液Lに浸漬するように、ホルダ120から先端側(図1において下側)に突出している。プロテクタ130は、筒状をなし、液体状態検知素子110を包囲しつつ、ホルダ120に固着されている。このプロテクタ130には、その内外を尿素水溶液Lが流通するための貫通孔が複数穿孔されている。
液体状態検知素子110を保持したホルダ120は、外筒電極10に固定されたゴムブッシュ80により、軸線C方向に位置ずれを生じないよう内筒電極20に対し固定されている。
なお、シール部材127及びホルダ120内に充填された固定部材125,126により、内筒電極20の筒内への尿素水溶液Lの浸入が防止されている。
検知部160は、図1に示すように、CPU221などが実装された配線基板60により構成されており、保護カバー161の内部に配置されている。具体的には、検知部160は、図4に示すように、マイクロコンピュータ220と、第1検知回路部280と、第2検知回路部250と、入出力回路部290とを有している。
このうち、マイクロコンピュータ220は、CPU221、ROM222、及びRAM223を有し、各種制御を行う。入出力回路部290は、マイクロコンピュータ220とECU(エンジンコントロールユニット)との間で信号の入出力を行うための、通信プロトコルの制御を行う。
第2検知回路部250は、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、外筒電極10と内筒電極20との間に所定の交流電圧を印加する。そして、このときに流れた電流を電圧変換し、その電圧信号をマイクロコンピュータ220に出力する。外筒電極10と内筒電極20との間に位置する尿素水溶液Lの液量に応じて、外筒電極10と内筒電極20との間の静電容量が異なることから、マイクロコンピュータ220では、出力された電圧信号に基づいて、尿素水溶液Lの液面レベルを検知することができる。
第1検知回路部280は、差動増幅回路部230と、定電流出力部240と、スイッチ260とを有している。この第1検知回路部280は、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、液体状態検知素子110に定電流を流し、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号を、マイクロコンピュータ220に出力する。
具体的には、定電流出力部240は、発熱抵抗体117と電気的に接続されており、定電流を出力する。スイッチ260は、定電流出力部240と発熱抵抗体117との通電経路上に位置し、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電のON/OFFの切り替えを行う。差動増幅回路部230は、発熱抵抗体117の入力端側の電位Pinと出力端側の電位Poutとの差分値を、検出電圧値としてマイクロコンピュータ220に出力する。これにより、マイクロコンピュータ220では、この検出電圧値に基づいて、例えば、尿素水溶液Lの尿素濃度を算出し、尿素濃度が適正であるか否かを検知したり、尿素水溶液Lの温度を算出したりすることができる。
例えば、尿素水溶液Lの尿素濃度が32.5wt%であるときは、図5に実線で示すように、通電時間tの経過に伴って発熱抵抗体117の電圧が変動する。この例を参照して説明すると、まず、定電流出力部240から発熱抵抗体117に定電流を流し、発熱抵抗体117への通電開始から初期通電時間t0(本実施形態ではt0=100msec)を経過するまでに、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号(第1出力値V1)を検知する。なお、本実施形態では、通電開始から10msec経過した時点での電圧信号を、第1出力値V1として検知する(図6のステップS2,S3参照)。次いで、通電開始から第2通電時間t2(本実施形態では700msec)経過した時点での、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号(第3出力値V3)を検知する。
次いで、V3とV1との差分値(第2差分値とする)ΔV2=V3−V1を算出し、この第2差分値ΔV2から所定の演算式に基づいて、尿素水溶液の尿素濃度を算出すれば、尿素濃度が適正であるか否かを判定することができる。この例では、尿素濃度が32.5wt%と算出され、尿素濃度は適正であると判定されることとなる。
これは、次のような原理に基づいて実現される。尿素水溶液Lに含まれる尿素の濃度の違いにより、尿素水溶液Lの熱伝導率が異なることから、発熱抵抗体117により尿素水溶液Lを加熱した場合、尿素濃度の違いにより、尿素水溶液Lの温度上昇率が異なることとなる。このため、尿素水溶液Lの温度上昇率(すなわち、尿素水溶液Lの濃度)が、尿素水溶液Lに浸漬された液体状態検知素子110に含まれる発熱抵抗体117の温度上昇に影響を与えることとなる。
前述のように、発熱抵抗体117は、自身の温度に応じて抵抗値が変化する。従って、発熱抵抗体117に所定時間定電流を流した後では、尿素水溶液Lの尿素濃度の違い、あるいは液種の違い等により、発熱抵抗体117の抵抗値に違いが生じることとなる。このため、発熱抵抗体117に第2通電時間t2(例えば、t2=700msec)だけ定電流を流したとき、尿素水溶液Lの尿素濃度の違い等により、第1出力値V1と第3出力値V3との差分値(第2差分値)ΔV2=V2−V1にも違いが生じることとなる。従って、ΔV2に基づいて、尿素水溶液Lの尿素濃度、あるいは液種を検知することが可能となる。
また、通電開始から初期通電時間t0内(本実施形態では、通電開始から10msec経過時)における発熱抵抗体117の温度は、液体状態検知素子110(発熱抵抗体117)の周囲に位置する尿素水溶液Lの温度とほぼ一致している。このことから、通電開始から初期通電時間t0内(本実施形態では、通電開始から10msec経過時)における発熱抵抗体117の抵抗値は、液体状態検知素子110(発熱抵抗体117)の周囲に位置する尿素水溶液Lの温度に対応した抵抗値となっている。従って、第1出力値V1を利用して、尿素水溶液Lの温度を検知することもできる。
ところで、尿素水タンク98内の尿素水溶液Lが減少し、その液面レベルが発熱抵抗体117よりも下方に低下した場合や、尿素水タンク98内に尿素水溶液Lよりも熱伝導率が小さな液体(例えば軽油など)が収容されている場合には、発熱抵抗体117の温度上昇率が高くなり、異常昇温する虞がある。このような状況で、尿素水タンク98内に尿素水溶液Lが適量収容されている場合と同様に、第2通電時間t2(例えば、t2=700msec)の間、発熱抵抗体117に通電してしまうと、発熱抵抗体117が過昇温し、これが繰り返されることで液体状態検知素子110が故障(破損など)する虞がある。
そこで、本実施形態の液体状態検知センサ100では、次のようにして、発熱抵抗体117の過昇温を防止するようにした。
まず、図5に示すように、通電開始から第2通電時間t2(本実施形態では、t2=700msec)が経過する前に、第2通電時間t2より短い第1通電時間t1(本実施形態では、t1=300msec)が経過した時点での、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された電圧信号(第2出力値V2)を検知する。次いで、先に取得した第1出力値V1と、この第2出力値V2との差分値(第1差分値)ΔV1を算出する。この第1差分値ΔV1が、閾値Q(予め、様々な濃度の尿素水溶液Lについて取得したΔVの最大値)以下であれば、尿素水タンク98内に尿素水溶液Lが適量収容されていると判定できる。この場合には、第2通電時間t2(本実施形態では700msec)が経過するまで発熱抵抗体117に通電し続けても、発熱抵抗体117が過昇温する虞がない。
一方、第1差分値ΔV1が閾値Qを上回った場合は、尿素水タンク98内に尿素水溶液Lが適切に収容されていないこととなる。具体的には、尿素水タンク98内に、尿素水溶液よりも熱伝導率の小さな液体(例えば、軽油)が注入されている場合には、図5に一点鎖線で示すように、電圧が上昇し、第1差分値ΔV1bが閾値Qを上回ることとなる。さらに、尿素水溶液Lの液面レベルが発熱抵抗体117よりも下方にまで低下した場合(空焚き状態)には、図5に破線で示すように、電圧が上昇し、第1差分値ΔV1cが閾値Qをさらに大きく上回ることとなる。これらの場合には、発熱抵抗体117が異常昇温しているため、第2通電時間t2(本実施形態では700msec)が経過するまで発熱抵抗体117に通電し続けると、前述のように、発熱抵抗体117が、過昇温して故障する虞がある。
そこで、本実施形態での液体状態検知センサ100では、実測されたΔV1の値が閾値Qを上回った場合には、発熱抵抗体117への通電の停止することとした。すなわち、発熱抵抗体117が異常昇温している(発熱抵抗体117の温度上昇率が異常に高い)場合には、第2通電時間t2(本実施形態では700msec)が経過するまで通電することなく、第1通電時間t1(本実施形態では300msec)が経過した時点で、発熱抵抗体117への通電を停止する。これにより、液体状態検知素子110(発熱抵抗体117)の過昇温を防止することができる。
なお、図5に示すように、予め、尿素水溶液Lの液面レベルが発熱抵抗体117よりも下方にまで低下した状態(空焚き状態)で取得した第1差分値ΔV1cと、尿素水タンク98内に軽油が収容されている状態で取得した第1差分値ΔV1bとに基づいて、閾値Qより大きな閾値Rを設定しておくと良い。このようにすれば、実測されたΔV1の値が閾値Qを上回り、さらに閾値Rを上回ったときには、尿素水溶液Lの液面レベルが発熱抵抗体117よりも下方に低下している(尿素水タンク98内が空状態など)と判定することができる。
また、実測されたΔV1が、閾値Qと閾値Rとの間の値となった場合には、液面レベルが発熱抵抗体117よりも下方に低下してはいないが、尿素水タンク98内に熱伝導率の小さな液体(軽油など)が入っていると判定することができる。
なお、本実施形態では、定電流出力部240、スイッチ260、及びマイクロコンピュータ220が、通電手段に相当する。また、マイクロコンピュータ220が、状態検知手段、及び異常検知手段に相当する。
ここで、図6を参照して、本実施形態の液体状態検知の流れについて説明する。
まず、ステップS1において、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、スイッチ260がONにされ、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電を開始する。次いで、ステップS2に進み、通電開始から10m秒経過したか否かを判定する。10m秒経過していないと判定された場合(NO)には、10m秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。その後、通電開始から10m秒経過したと判定された場合(YES)には、ステップS3に進み、通電開始から10m秒経過時点の発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された第1出力値V1を、マイクロコンピュータ220で取得する。次いで、ステップS4に進み、マイクロコンピュータ220において、第1出力値V1から、所定の演算式に基づいて、発熱抵抗体117の温度を算出する。さらに、発熱抵抗体117の温度から、所定の換算式に基づいて、尿素水溶液Lの温度を算出する。
次に、ステップS5に進み、検出された尿素水溶液Lの温度と、予めROM222に記憶されている尿素水溶液の凍結温度(−11℃)とを比較する。凍結温度以下と判定された場合(YES)には、ステップS6に進み、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、スイッチ260がOFFにされ、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電を停止する。次いで、ステップS7に進み、通電停止から1秒経過したか否かを判定する。1秒経過していないと判定された場合(NO)には、1秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。その後、通電停止から1秒経過したと判定された場合(YES)には、ステップS1に戻り、上述した処理を再度実行する。ここで、通電停止から1秒経過するまで待機するのは、通電により上昇した発熱抵抗体117の温度を、被測定液体の温度にまで低下させるためである。
ところで、尿素水溶液Lの温度が凍結温度以下である場合は、発熱抵抗体117の熱により一度解凍された尿素水溶液Lが再び凍結する虞がある。このときの尿素水溶液Lの大きな体積変化により、液体状態検知素子110に大きな力がかかり、液体状態検知素子110が破損する虞がある。これに対し、本実施形態では、尿素水溶液Lの温度が凍結温度以下であるうちは、ステップS1〜S7までの処理を繰り返し、尿素水溶液Lを加熱しないようにしている。これにより、液体状態検知素子110の破損を防止することができる。
一方、ステップS5において、尿素水溶液Lの温度が凍結温度より高いと判定された場合(NO)には、ステップS8に進み、通電時間が300m秒(第1通電時間t1)を経過したか否かを判定する。300m秒(第1通電時間t1)経過していないと判定された場合(NO)には、300m秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。その後、通電時間が300m秒(第1通電時間t1)を経過したと判定された場合(YES)には、ステップS9に進み、通電開始から300m秒(第1通電時間t1)を経過した時点での、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された第2出力値V2を、マイクロコンピュータ220で取得する。
次いで、ステップSAに進み、マイクロコンピュータ220において、第2出力値V2と、先のステップS2において取得した第1出力値V1との差分として、第1差分値ΔV1を算出(ΔV1=V2−V1)する。次いで、ステップSBに進み、第1差分値ΔV1が、予めROM222に記憶されている閾値Q(図5参照)より小さい値であるか否かを判定する。第1差分値ΔV1が閾値Qより小さい(ΔV1<Q)と判定された場合(YES)には、ステップSCに進み、通電時間が700m秒(第2通電時間t2)を経過したか否かを判定する。700m秒(第2通電時間t2)経過していないと判定された場合(NO)には、700m秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。
その後、通電時間が700m秒(第2通電時間t2)を経過したと判定された場合(YES)には、ステップSDに進み、通電開始から700m秒(第2通電時間t2)を経過した時点での、発熱抵抗体117の抵抗値に対応して出力された第3出力値V3を、マイクロコンピュータ220で取得する。さらに、ステップSEに進み、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、スイッチ260がOFFにされ、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電を停止する。
次いで、ステップSFに進み、リセットフラグが「1」であるか否かを判定する。後に詳述するが、ステップSBにおいて、第1差分値ΔV1が閾値Q以上(ΔV1≧Q)である(NO)と判定された場合には、ステップSLにおいてリセットフラグを「0」とするようにしている。従って、前回の状態検知サイクル(ステップS1〜SVの一連のサイクル)のステップSBにおいて、ΔV1≧Q(NO)と判定されていた場合にはリセットフラグ=0となっており、逆に、ΔV1<Q(YES)と判定されていた場合にはリセットフラグ=1となっている。
ステップSFにおいて、リセットフラグが「1」である(YES)と判定された場合には、ステップSGに進み、第1異常カウンタK1及び第2異常カウンタK2をリセットする。なお、第1異常カウンタK1及び第2異常カウンタK2については、後のステップSN,SRの処理を説明するときに詳述する。一方、リセットフラグが「1」でない(NO)と判定された場合には、ステップSHに進み、リセットフラグを「1」にする。
次いで、ステップSIに進み、マイクロコンピュータ220において、第3出力値V3と、先のステップS2において取得した第1出力値V1との差分として、第2差分値ΔV2を算出(ΔV2=V3−V1)する。次いで、ステップSJに進み、マイクロコンピュータ220において、第2差分値ΔV2から所定の演算式に基づいて、尿素水溶液の尿素濃度を算出し、この値を入出力回路部290を通じてECUに出力する。ECUでは、入力された尿素濃度の値に基づいて、尿素濃度が適正か否かの判断をする。
次いで、ステップSVに進み、通電停止から60秒を経過したか否かを判定する。60秒経過していないと判定された場合(NO)には、60秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。その後、通電停止から60秒経過したと判定された場合(YES)には、ステップS1に戻り、上述した処理を再度実行する。ここで、通電停止から60秒経過するまで待機するのは、通電により上昇した発熱抵抗体117の温度を、被測定液体の温度にまで低下させるためである。
一方、ステップSBにおいて、第1差分値ΔV1が閾値Q以上である(NO)と判定された場合には、ステップSKに進み、マイクロコンピュータ220からの指令に基づいて、スイッチ260がOFFにされ、定電流出力部240から発熱抵抗体117への通電を停止する。前述のように、第1差分値ΔV1が閾値Q以上となった場合には、発熱抵抗体117が異常昇温しているため、第2通電時間t2(本実施形態では700msec)が経過するまで発熱抵抗体117に通電し続けると、発熱抵抗体117が過昇温する虞がある。これに対し、本実施形態では、上述のように、ステップSBにおいて、通電開始から300m秒(第1通電時間t1)を経過した時点で、速やかに発熱抵抗体117への通電を停止するので、発熱抵抗体117の過昇温を防止することができる。
次いで、ステップSLに進み、リセットフラグを「0」とする。次いで、ステップSMに進み、第1差分値ΔV1が、予めROM222に記憶されている閾値R(図5参照)より大きな値であるか否かを判定する。
第1差分値ΔV1が閾値Rより大きい(ΔV1>R)と判定された場合(YES)には、ステップSNに進み、第1異常カウンタK1に「1」を加算する。次いで、ステップSPに進み、第1異常カウンタK1の値が5以上であるか否かを判定する。第1異常カウンタK1の値が5以上(K1≧5)である(YES)と判定された場合には、ステップSQに進み、マイクロコンピュータ220において、液面レベルが発熱抵抗体117の下方にまで低下している(空焚き状態である)第1異常状態を検出し、第1異常状態である旨の第1異常信号を、入出力回路部290を通じてECUに出力する。これにより、例えば、ECUから第1警告信号を発するようにして、運転者に対し、尿素水溶液の補給を促すことができる。
ところで、本実施形態では、上述のように、ステップSMにおいてΔV1>Rと判定された後、直ちにステップSQにおいて第1異常信号を出力するのではなく、第1異常カウンタK1の値が5以上となるのを待って、第1異常信号を出力するようにしている。換言すれば、ステップSBにおいて2回続けてΔV1<Qと判定されることなく、計5回以上ステップSMにおいてΔV1>Rと判定された場合に限り、第1異常信号を出力するようにしている。
これは、例えば、尿素水タンク98がディーゼル車両に搭載されている場合には、ディーゼル車両の揺れにより、尿素水タンク98内の尿素水溶液Lの液面が揺れる(上下動する)ので、実際(静止状態)には液面レベルが発熱抵抗体117の上方に位置している場合であっても、ΔV1>R(ΔV1≧Q)と判定されてしまうことがある。そこで、本実施形態では、上述のように、2回続けてΔV1<Qと判定されることなく計5回以上ΔV1>Rと判定された場合に限り(第1異常カウンタK1の値が「5」に達した後)、第1異常状態を検出し、第1異常信号を出力するようにした。これにより、第1異常状態の誤検知、及び第1異常信号の誤出力を防止することができる。
一方、ステップSMにおいて、第1差分値ΔV1が閾値R以下(ΔV1≦R)である(NO)と判定された場合には、ステップSRに進み、第2異常カウンタK2に「1」を加算する。次いで、ステップSTに進み、第2異常カウンタK2の値が5以上であるか否かを判定する。第2異常カウンタK2の値が5以上(K2≧5)である(YES)と判定された場合には、ステップSUに進み、マイクロコンピュータ220において、尿素水タンク98内に収容されている液体の熱伝導率が過少である第2異常状態を検出し、第2異常状態である旨の第2異常信号を、入出力回路部290からECUに出力する。これにより、例えば、ECUから第2警告信号を発するようにして、運転者に対し、液体の入れ替え(例えば、尿素水溶液ではなく誤って軽油が収容されている場合には、尿素水溶液に入れ替える)を促すことができる。
ここで、ステップSMにおいてΔV1≦R(NO)と判定されたときも、直ちにステップSUにおいて第2異常信号を出力するのではなく、第2異常カウンタK2の値が5以上となるのを待って、第2異常信号を出力するようにしている。換言すれば、ステップSBにおいて2回続けてΔV1<Qと判定されることなく、計5回以上ステップSMにおいてΔV1≦Rと判定された場合に限り、第2異常信号を出力するようにしている。これにより、第2異常状態の誤検知、及び第2異常信号の誤出力も防止することができる。
次いで、ステップSVに進み、通電停止から60秒を経過したか否かを判定する。60秒経過していないと判定された場合(NO)には、60秒経過するまで、この処理を繰り返し行う。その後、通電停止から60秒経過したと判定された場合(YES)には、ステップS1に戻り、上述した処理を再度実行する。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態の液体状態検知センサ100では、外筒電極10及び内筒電極20を設け、尿素水溶液Lの液面レベルも検知するようにしたが、外筒電極10及び内筒電極20を設けなくても良い。
また、実施形態の液体状態検知センサ100では、第1検知回路部280に定電流出力部240を設け、液体状態検知素子110に定電流を流し、発熱抵抗体117の抵抗値に対応した電圧信号を出力するようにした。しかしながら、例えば、第1検知回路部に定電圧出力部を設け、液体状態検知素子110に定電圧かけて、発熱抵抗体117を流れる電流に対応した電流信号を出力するようにしても良い。