JP4721794B2 - 微細構造物の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は微細構造物の作製方法関し、特にマイクロファラデーカップ、力学センサ、マイクロリアクタ等を作製する場合に用いて有用なものである。
近年の微細加工技術の発展に伴い、微細構造物としての種々のセンサ等が提案されている。例えば次の通りである。
<マイクロファラデーカップ>
ファラデーカップとは、開口を有する円筒状の導電部材の内部に、前記開口を介して電子線、X線等の荷電粒子線を入射させ、これに伴い発生する電流変化を検出することで、前記孔の径との関係で前記荷電粒子線の線束を検出するものである。かかるファラデーカップを平面のXY方向に多数並設しておけばXY平面における電子線の分布を知ることができ、この性質を利用して電子ビーム描画システムにおける電子線の検出に利用されている(例えば、特開2004−200549号公報(特許文献1)参照)。電子線描画システムにおける各ファラデーカップは微細加工により形成される。そこで、かかるファラデーカップを、特にマイクロファラデーカップと呼んでいる。
<力学量センサ>
力学量センサとは、計測部分に作用する荷重、加速度等の力学的な物理量を検出するものであり、半導体力学量センサもその一種である。この半導体力学量センサは、シリコン基板に形成した横方向に伸びる空洞、ベースプレートである支持部から前記空洞の上方に突出する片持ち梁構造の複数の突出部、前記空洞に連通して縦方向に伸びるとともに隣接する前記突出部間の空間となる溝部とを有している(例えば、特開2002-202318号公報(特許文献2)参照)。かかる構造において、前記突出部に力が作用した場合、この突出部は変位するので、この変位に伴う隣接する突出部間の静電容量の変化を測定することにより、前記荷重、加速度等の力学的な物理量を検出することができる。
<マイクロリアクタ>
マイクロリアクタとは、消費電力の大きい携帯機器にも十分使用することができる小型で反応効率の高い燃料電池に適用して好適なもので、例えば基板の片面に薄膜ヒータと給電用の電極とを有するとともに、他方の面には流路を有し、ガラス板等により密封されている。また、前記流路の内面は、アルコール等の燃料を水素に変換するための触媒が固定されている。かくして、燃料が流路を流通する過程で、前記薄膜ヒータにより加熱されて基板内で気化し、気化した燃料を前記触媒により水素に変換する(例えば、特開2003−331896号公報(特許文献3)参照)。
特開2004−200549号公報 特開2002-202318号公報 特開2003−331896号公報
上述の如き、従来技術に係る微細構造物は、次のような問題を有している。
<マイクロファラデーカップ>
多くの工程を経る必要がある点とも相俟ってその作製に多大の時間を要している。特に、電子線を入射させる開口に続く空間であるキャビティの形成はエッチングに依るにしても最も時間を要する作業となっていた。
<力学量センサ>
特に、複数の突出部の下方で横方向に伸びる空洞をシリコン基板に形成する工程における工数が多い結果、この工程に多大の時間を要する。
<マイクロリアクタ>
燃料が流通する流路の加工は、一般にサンドブラスト法、ダイシング法乃至フライス法により行われており、この場合の流路の幅は600μm程度である。これをリソグラフィ法により形成した場合でも、流路の幅は、10μm程度にまでしか狭くすることはできない。それ以上の微細な流路を形成することは現状の技術では不可能である。また、流路の加工のための加工時間自体が多大の時間を要する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、各種の微細構造物の必須の機能を保証する空間を容易且つ迅速に形成するとともに、前記微細構造物の製造の際の工数を低減してその製造コストの飛躍的な低減を実現し得る微細構造物の作製方法及び作製装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、次のような技術乃至新たな知見を基礎とするものである。
本発明者等は旧来のCVD装置とは全く異なるCVD装置(以下、新方式のCVD装置という。)及び成膜方法を開発した(例えば、特開2003−147534号公報参照)。これは、基板を収納する真空のチャンバ内にClガスを供給し、このClガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化する一方、前記チャンバ内に配設したCu等の金属を含む材料からなる被エッチング部材を、Clプラズマでエッチグした場合、被エッチング部材と基板との温度の関係を適切に制御することにより、エッチングされた金属を基板に析出させてその薄膜を形成するという金属膜の成膜装置である。すなわち、前記被エッチング部材を高温(例えば300℃〜400℃)に、また基板を低温(200℃程度)に保持して基板に金属薄膜を形成するというものである。
要するに、相対的な高温雰囲気を形成するClプラズマに臨ませて被エッチング部材を配設する一方、このプラズマ雰囲気を挟んで被エッチング部材に対向する位置に相対的な低温部に保持した基板を配設するとともに、両者の温度を適切に制御することにより容易に金属薄膜の作製装置を提供することができる。そして、被エッチング部材としては、Cuの他に、例えば、Ta、Ti、W,Ir等、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属であれば一般に用いることができ、また作用ガスとしてはClの他に、ハロゲンガスであれば一般に用いることができる。
上述の金属薄膜の作製装置においては、次の様な反応が起こっていると考えられる。
1) プラズマの解離反応; Cl→2Cl
2) エッチング反応; Me+Cl→MeCl(g)
3) 基板への吸着反応; MeCl(g)→MeCl(ad)
4) 成膜反応; MeCl(ad)+Cl→Me+Cl↑・・・(1)
ここで、Meは金属、ClはClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
上式(1)に示す成膜反応の際には、この成膜反応だけでなく析出したMe膜に対するClによるエッチング反応も同時に起こっている。すなわち、MeCl(ad)に適量のClが作用すれば、上式(1)に示す成膜反応によりMe膜が析出するが、高密度でClが存在する雰囲気では、析出したMe膜のClによるエッチング反応が優勢になりMe膜を成長させることはできない。このことは、Clの量を制御することにより、成膜反応又はエッチング反応の何れかを選択し得ることを意味する。また、孔、特に細径の孔を考えた場合、Clの量は、前記孔の底部に行くほど少なくなるという傾向がある。
したがって、成膜反応の速度がエッチング反応の速度よりも若干大きくなるような雰囲気を作ることができれば、成膜反応によるMe膜の析出と同時に、このMe膜の表面をエッチングしつつ膜厚を徐々に厚くする成膜法が考えられる。すなわち、基板の凹部が、例えば極く細径の孔であったとしても、その底部から順にMeを積層してMe膜を埋め込み成膜させることができる。
ここで、Clは、例えば成膜雰囲気の圧力、すなわちチャンバ内の圧力を制御することでその寿命を制御することができる。このことは、前記圧力の制御により成膜反応に寄与する前駆体とエッチング反応に寄与するClとの供給バランスが取れ、成膜反応が優勢になって成膜が開始されるバランス点を制御し得ることを意味する。したがって、このときの圧力制御を適切に行えば、前記バランス点を凹部の底部から開口側に移動させつつ、この凹部に対する良好な埋め込み成膜を行い得る。また、他にもチャンバ内に供給する作用ガスの量、作用ガスに吸収させるプラズマ化のためのエネルギー量等を制御することでClの量を制御し得る。
さらに、本発明の基礎となる今回の新たな知見は次の通りである。Ir等の貴金属の薄膜にClを作用させて前記薄膜を触媒とする基板のエッチングを行うことにより、前記薄膜の下方の基板内で急激にエッチングを進行させることができ、この結果前記基板内に所望の空間を短時間で形成し得、しかも前記空間は上記各種の微細構造物の必須の機能を保証する空間として利用し得るというものである。
上記新方式のCVD装置を利用するとともに、上記新たな知見に基づいて上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材がハロゲンラジカルでエッチングされて貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体が形成され、相対的な低温部である基板に前記前駆体が吸着されるとともに吸着された前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成するモードである成膜モードとして、エッチング部位に対応する位置で基板に形成した孔の底部に前記薄膜を形成する工程と、
前記薄膜がハロゲンラジカルでエッチングされるエッチングモードとして、前記薄膜を触媒とする前記基板のエッチングを行うことにより前記孔の下方で急激にエッチングを進行させて前記基板内に空間を形成する工程とを有することを特徴とする微細構造物の作製方法である。
本発明の第2の態様は、
Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、マトリクス状に基板の表面に多数配設した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードとして前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方にキャビティを形成する工程とを有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法である。
本発明の第3の態様は、
上記第2の態様において、
さらに前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、重金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより少なくとも前記各キャビティの内周面に前記重金属の薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法である。
本発明の第4の態様は、
上記第3の態様において、
前記基板の表面に形成された重金属の薄膜に、ハロゲンラジカルを作用させてこのハロゲンラジカルのエッチング作用により前記薄膜を除去する工程をさらに有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法である。
本発明の第5の態様は、
上記第4の態様において、
前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、電極を構成する金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより、前記重金属の薄膜を除去した基板の表面に、前記金属の薄膜電極を形成する工程と、
前記基板の裏面から前記キャビティに向かうように前記基板に形成した他の微細孔に、リード部材を構成する金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより前記金属の薄膜を積層して埋め込むことにより前記リード部材を形成する工程とを有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法である。
本発明の第6の態様は、
Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、櫛刃状に基板の表面に配設した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードで前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方に空洞を形成するとともに隣接する各空洞が相互に連通されるように形成することで支持体から前記空洞の上方に突出する片持ち梁構造部材であって、荷重等、力学量の作用により変位する複数の突出部を形成する工程とを有することを特徴とする力学量センサの作製方法である。
本発明の第7の態様は、
Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、形成したい流路に沿った位置で基板の表面に形成した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードで前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方に空洞を形成するとともに隣接する各空洞が相互に連通されるように形成することで入口から出口まで連通される一本の流路を形成する工程とを有することを特徴とするマイクロリアクタの作製方法である。
本発明の第8の態様は、
上記第7の態様において、
さらに前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、触媒金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより前記流路の内周面に前記触媒金属の薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマイクロリアクタの作製方法である。
本発明によれば、微細孔に連通する中空部であるキャビティや空洞部を貴金属薄膜の触媒作用の下での急激に進行するエッチング作用により極めて短時間で形成し得る。したがって、微細化加工を伴うマイクロファラデーカップ、マイクロ力学量センサ乃至マイクロリアクタを短時間で製造することができ、工数の低減と相俟って製造コストを飛躍的に低減することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
本形態は後に詳述する微細構造物の作製方法を実現するその作製装置、特に微細構造物の基板に複数種類の所望の薄膜を形成したり、またエッチングにより所定のエッチング加工を行うとともに所定の形状を加工形成する場合に適用して有用な装置に関するものである。
図1は本実施の形態に係る微細構造物の作製装置を示す概略側面図、図2は図1に示す装置の被エッチング部材の搬出時の態様で示す概略側面図、図3は図1に示す装置の被エッチング部材の搬出時の態様で、この被エッチング部材等を示す斜視図、図4は図1に示す装置の被エッチング部材の支持機構を示す構造図、図5は図1に示す装置における搬送手段を示す平面図である。
図1に示すように、円筒状に形成された、例えばステンレス(SUS)乃至アルミ製のチャンバ1には支持台2が昇降自在に設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2は成膜時には上昇状態に維持され、基板3の搬入、搬出の際には下降状態に維持される(図2参照)。支持台2には図示しない温度制御手段が設けられ、支持台2は温度制御手段により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10により誘導プラズマを発生させるプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には形成する薄膜の材料となる金属を材料とする被エッチング部材11が保持されており、この被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7との間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、リング状の枠の内側に格子部が形成された構成になっている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
上記被エッチング部材11は、形成する膜の種類に応じて、各種の金属を材料とする複数種類のものが用意してある。例えば、貴金属薄膜を形成するためのIrを材料とする被エッチング部材11、重金属薄膜を形成するためのWを材料とする被エッチング部材11、電極薄膜を形成するためのCuを材料とする被エッチング部材11である。
図1、図3に示すように、被エッチング部材11は固定治具12によって着脱自在にチャンバ1に支持されている。すなわち、固定治具12はチャンバ1の周方向の3箇所に設けられ、固定治具12には被エッチング部材11の周縁に係止する係止部材13が設けられている。係止部材13はそれぞれシリンダ14により前後移動自在に形成され、一斉に前進動することにより3つの係止部材13が被エッチング部材11の周縁に係止して被エッチング部材11を支持状態にする。また、シリンダ14が一斉に後退動することにより3つの係止部材13が被エッチング部材11の周縁から離脱して被エッチング部材11を解放状態にする。
図1に示すように、被エッチング部材11の上方におけるチャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Clガス)21を供給する作用ガス供給手段としてのノズル15が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル15には流量及び圧力が制御される流量制御器(図示省略)を介してClガス21が送られる。
なお、作用ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。ハロゲンとして塩素を用いたことにより、安価に薄膜を作製することができる。
図2、図5に示すように、チャンバ1の下部の側面部にはゲートバルブ22を介して搬送室23が接続され、搬送室23には基板3の搬入、搬出を行う搬送手段としてのロボットアーム24が設けられている。図5に示すように、ロボットアーム24は、回転リンク25及び回動リンク26に支持されたフォーク部27を備え、回転リンク25の矢印A方向への回転により回動リンク26が矢印B方向に回動してフォーク部27がチャンバ1内に前進動する。回転リンク25の逆方向の回転によりフォーク部27が搬送室23側に後退動する。
図1に示すように、チャンバ1の下部には排気口18が設けられ、成膜やクリーニングに関与しないガス等が排気口18から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は排気口18につながる図示しない真空ポンプによって所定の圧力に維持される。
一方、図1及び図4に示すように、支持台2の上面には被エッチング部材11を保持するための支持棒31が3箇所に設けられ、支持棒31に被エッチング部材11が載置されることにより、上面に対して間隔をあけた状態、すなわちロボットアーム24のフォーク部27が挿入される間隔を保った状態で被エッチング部材11が支持台2の上面側に保持される。つまり、固定治具12による被エッチング部材11の固定が解放された状態で支持台2を上昇させると、支持棒31に被エッチング部材11が載置された状態になり、支持台を下降させると、被エッチング部材11が搬送部位の高さとされる(図2参照)。
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル15からClガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Clガス21をイオン化してClガスプラズマを発生させ、Clラジカルを生成する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl ・・・・(1)
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマが金属製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、金属にエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Me(s)+Cl→MeCl(g) ・・・・(2)
ここで、Meは被エッチング部材11の材料となっている金属、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ(塩素ラジカルCl)によりエッチングされ、前駆体とされた状態である。
ガスプラズマを発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体は基板3に吸着(堆積)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
MeCl(g)→MeCl(ad) ・・・・(3)
ここで、adは吸着状態であることを示す。
基板3に吸着したMeClは、塩素ラジカルClにより還元されてMe成分となる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
MeCl(ad)+Cl→Me(s)+Cl↑・・・(4)
更に、上式(2)において発生したガス化したMeCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルClにより還元されてガス状態のMeとなる場合もある。この時の反応は、例えば、次式で表される。
MeCl(g)+Cl→Me(g)+Cl↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のMe成分は、基板3に吸着される。
上記装置においては、上述の如き反応を利用した成膜モードとともに、薄膜の形成とともに、析出したMe膜に対するClによるエッチング反応も利用した成膜モードも存在する。すなわち、MeCl(ad)に適量のClが作用すれば、成膜反応によりMe膜が析出するが、高密度でClが存在する雰囲気では、析出したMe膜のClによるエッチング反応が優勢になる性質を利用して成膜反応の速度がエッチング反応の速度よりも若干大きくなるような雰囲気を形成し、成膜反応によるMe膜の析出と同時に、このMe膜の表面をエッチングしつつ膜厚を徐々に厚くする埋め込み成膜モードも存在する。この埋め込み成膜モードにより、極く細径の孔であったとしても、その底部から順にMeを積層してMe膜を埋め込み成膜させることができる。
埋め込み成膜モードでは、特に細径の孔において、Clの量は、前記孔の底部に行くほど少なくなるという性質を利用し、底部の成膜の際にはClの量が相対的に増加するとともに、開口部に向かうほど相対的に減少するように制御する。
ここで、Clは、例えば成膜雰囲気の圧力、すなわちチャンバ内の圧力を制御することでその寿命を制御することができる。そこで、成膜反応とエッチング反応とのバランス点を孔の底部から開口側に移動させつつ孔に対する埋め込み成膜を行う。また、他にもチャンバ内に供給する作用ガスの量、作用ガスに吸収させるプラズマ化のためのエネルギー量等を制御することでClの量を制御し得る。
さらに、上記装置では、形成した薄膜にClを作用させてそのエッチングを行うエッチングモードも存在する。このエッチングモードは、成膜モードにおいて徐々にClを増加させてエッチング反応を優勢にすることにより所望のエッチングを行う場合の他に、予め被エッチング部材11をチャンバ1内から搬出した状態でハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Clガス)21をノズル15を介してチャンバ1内に供給し、プラズマ形成手段が形成する高周波数の電磁波により前記作用ガス(Clガス)21をプラズマ化してClを専ら得る場合も含まれる。
かくして、本形態に係る装置の適切な運転制御により、微細構造物を作製する複数の各工程で異なる動作モードに柔軟に対応することができる。
同時に、各工程で形成する金属膜が異なる場合に対処し得るよう被エッチング部材11の取替えのための搬出・搬入も行い得る。すなわち、被エッチング部材11を搬出する場合には、図2に点線で示すように、支持台2を上昇させて被エッチング部材11を支持棒31に保持すると共に、3つの係止部材13を被エッチング部材11の周縁から離脱させ、被エッチング部材11を解放状態にして支持棒31に載置する。この状態で支持台2を下降させて被エッチング部材11をゲートバルブ22と同じ高さに位置させる。ゲートバルブ22を開いてロボットアーム24を前進させ、フォーク部27に被エッチング部材11を載置する。ロボットアーム24を後退させることにより被エッチング部材11を搬送室23内に移動させてゲートバルブ22を閉じる。これにより、被エッチング部材11を搬送室23に搬出する。逆の動作により、別の被エッチング部材11をチャンバ1内に搬入して設置する。
本形態に係る装置によれば、成膜モードにおいて被エッチング部材11をIr等の貴金属で形成して基板に設けた微細孔の底部に前記貴金属の薄膜を形成するとともに、エッチングモードが優勢になるようにClの量を制御するか、又は成膜モードから完全にエッチングモードに切り替えた状態で前記薄膜を触媒とする基板のエッチングを行うことにより、前記薄膜の下方の基板3内で急激にエッチングを進行させることができ、この結果前記基板3内に所望の空間を短時間で形成し得る。この空間は上記各種の微細構造物の必須の機能を保証する空間として利用し得る。
上述の如く、本形態に係る装置によれば、微細構造物の各作製工程で必要になる成膜、エッチングによる薄膜の剥離、エッチングによる基板3の空洞部の形成等を一台の装置で行うことができる。
<第2の実施の形態>
本形態は微細構造物であるマイクロファラデーカップの作製方法に関するものである。本方法は、例えば前記第1の実施の形態に係る装置を利用することにより好適に実現し得る。
図6は本形態に係るマイクロファラデーカップを示す図で、(a)はその集合体の平面図、(b)はそのうちの数個を抽出して示す横断面図である。両図に示すように、基板3にはその表面にマトリクス状に多数配設した微細孔53が形成されている。キャビティ52は基板3の内部で各微細孔53の下方に広がる空間であり、その内周面には、例えばWである重金属薄膜51が形成してある。重金属薄膜51は基板3の表面に形成した電極薄膜54及び基板3の裏面から前記キャビティ52の底部の前記重金属薄膜51に接触するリード部材55と電気的に接続されている。かくして、微細孔53を介してキャビティ52内に照射された電子線の線量を計測し得るように構成される。したがって、本例のマイクロファラデーカップは、例えば電子描画装置において所定の各位置の電子線量を容易且つ有効に検出する場合に有用なものとなる。
かかるマイクロファラデーカップの作製方法における工程を、図7に基づき時系列的に説明する。
1) 先ず、(a)に示すように、Siの基板3の裏面に形成した微細孔にリード部材55を埋め込み成膜する。これは図1に示す装置に例えばCuを材料とする被エッチング部材11を装着した状態で基板3を支持台2上に載置し、埋め込み成膜モードとして成膜を行うことにより実施する。
2) (b)に示すように、基板3の表面にSiO膜56を形成するとともに、マトリクス状に配設した微細孔53の底部に例えばIrである貴金属薄膜57を形成する。これは、図1に示す装置に、例えばIrである貴金属材料の被エッチング部材11を装着した状態で、成膜モードとすることにより実施する。
3) 図1の装置をエッチングモードとする。この結果、(c)に示すように、前記貴金属薄膜57を触媒とする等方性のエッチング反応が基板3の内部で急激に進行し、キャビティ52が形成される。ここでキャビティ52の底部はリード部材55の端面に臨む状態となる。
4) (d)に示すように、キャビティ52の内周面に、例えばWである重金属薄膜51を形成する。これは、図1に示す装置に、例えばWである重金属の被エッチング部材11を装着した状態で成膜モードとすることにより実施する。
5) (e)に示すように、基板3の表面に形成された重金属薄膜51をエッチングにより除去する。これは、図1に示す装置にハロゲンを含む作用ガス21を供給しつつエッチングモードとすることにより実施する。なお、基板3の表面に形成された重金属薄膜51をそのまま当該マイクロファラデーカップの一方の電極として利用する場合には、当該除去工程及び次の工程は必要ではない。
6) (f)に示すように、重金属薄膜51を除去した基板3の表面に電極薄膜54を形成する。これは図1に示す装置に例えばCuを材料とする被エッチング部材11を装着した状態で成膜モードとして成膜を行うことにより実施する。
かかる本形態によれば多数のマイクロファラデーカップ、特にそのキャビティをエッチングにより極めて効率良く形成することができる。
<第3の実施の形態>
本形態は微細構造物である力学量センサの作製方法に関するものである。本方法は、例えば前記第1の実施の形態に係る装置を利用することにより好適に実現し得る。
図8は本発明の第3の実施の形態に係る力学量センサの作成方法により得られる力学量センサを示す斜視図である。図9はその力学量センサの作製工程を説明するための図で、(a)は(b)のD−D線断面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。
図8に示すように、力学量センサ、特に本形態に係る半導体力学量センサは、Siの基板3に形成した横方向に伸びる空洞61、基板3のベースプレートである支持部62から空洞61の上方に突出する片持ち梁構造の複数の突出部63、空洞61に連通して縦方向に伸びるとともに隣接する突出部63間の空間となる溝部64とを有している。また、各突出部63乃至支持部62には電極薄膜65が形成してあり、隣接する突出部63間で相対向している。かくして、何れかの突出部63に力が作用した場合、この突出部63は変位するので、この変位に伴う隣接する突出部63間の静電容量が変化する。そこで、このときの静電容量の変化を電極薄膜65を介して測定することにより、前記荷重、加速度等の力学的な物理量を検出することができる。
かかる力学量センサは、次の工程を経て形成される。先ず、基板3の表面に櫛刃状に配設した微細孔を形成する。この微細孔が後で図9に示す溝部64となる。その後前記微細孔のそれぞれの底部に、例えばIrである貴金属薄膜を成膜し、この状態の貴金属薄膜にハロゲンラジカルを作用させて急激に進行するエッチング反応により、空洞61を形成する。この空洞は図9に示すように、隣接する空洞61が連通して突出部63を横切る方向に形成される。この空洞61は突出部63の変位を許容するように各突出部63の下方に形成される。
ここで、上述の如き貴金属薄膜の形成及びエッチングは、前記第1の実施の形態に係る装置を用いて、第2の実施の形態と同様の態様で実施する。エッチング工程に続いて突出部63に対する電極薄膜65の形成工程を実施する。
かかる本形態によれば従来多くの工程を必要としていた空洞61の形成をエッチングにより極めて効率良く行うことができる。
<第4の実施の形態>
本形態は微細構造物であるマイクロリアクタの作製方法に関するものである。本方法は、例えば前記第1の実施の形態に係る装置を利用することにより好適に実現し得る。
図10は本発明の第4の実施の形態に係るマイクロリアクタの作製方法により得られるマイクロリアクタを示す図で、(a)はその平面図、(b)はその縦方向(Y方向)の断面図、(c)はその横方向(X方向)の断面図である。同図に示すように、当該マイクロリアクタは、原料流体として供給されるメタノール等から燃料電池の燃料である水素を抽出する改質器として機能するもので、基板3の内部に形成した流路71を有するとともに、この流路71の内周面に触媒となる貴金属薄膜を形成したものである。本形態は、前記流路71を容易且つ迅速に形成するものである。
具体的には、先ず形成したい流路71に沿った位置で基板3の表面に形成した微細孔53のそれぞれの底部に、例えばIrの貴金属薄膜を形成する。この状態の貴金属薄膜にハロゲンラジカルを作用させて急激に進行するエッチング反応により、空洞61を形成する。この空洞61は図10(b)及び図10(c)に示すように、隣接する空洞61が連通して入口71aから出口71bに至る一本の流路となる。ここで、微細孔53の径は0.2μm程度にまで小さくすることができ、流路71の径も1.0μm以下と飛躍的に細径化することができる。
ここで、上述の如き貴金属薄膜の形成及びエッチングは、前記第1の実施の形態に係る装置を用いて、第2の実施の形態と同様の態様で実施する。
続いて、前記微細孔53を介して流路71の内周面に、例えばPtである触媒金属薄膜73を形成する。かかる、内周面への選択的な触媒金属薄膜73の形成であっても第1の実施の形態に係る装置を用いて被エッチング部材11と基板3との温度条件を適切に制御してやれば容易に実現できる。その後、蓋部材72で微細孔53を閉塞することで完全に密閉された流路71とする。
かかる本形態によれば従来多くの工程を必要としていた流路71の形成をエッチングにより極めて効率良く行うことができる。しかもその流路71の径は従来よりも飛躍的に細径化することが可能になる。また、触媒金属薄膜73は流路71の内周面の全域に効率よく形成されている。すなわち、触媒の担持も良好に行われる。さらに、流路71の密閉は、蓋部材72で微細孔53を閉塞するだけで容易に行うことができる。すなわち、両部材の位置合わせ等の面倒な工程を要することなく簡易に行うことができる。ちなみに、流路の上半分を一つの基板に、下半分を他の基板に形成し、両基板を組み合わせて流路を形成する場合には、組み合わせの際の位置合わせ作業が面倒であり、また時間も要する。
本発明は半導体材料の加工により形成する各種のセンサ等の微細構造物を製造販売する産業分野で有効に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る微細構造物の作製装置を示す概略側面図である。 図1に示す装置の被エッチング部材の搬出時の態様で示す概略側面図である。 図1に示す装置の被エッチング部材の搬出時の態様で、この被エッチング部材等を示す斜視図である。 図1に示す装置の被エッチング部材の支持機構を示す構造図である。 図1に示す装置における搬送手段を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマイクロファラデーカップの作製方法により得られるマイクロファラデーカップを示す図で、(a)はその集合体の平面図、(b)はそのうちの数個を抽出して示す横断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマイクロファラデーカップの作製方法の各工程を示す横断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る力学量センサの作成方法により得られる力学量センサを示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る力学量センサの作製工程を説明するための図で、(a)は(b)のD−D線断面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るマイクロリアクタの作製方法により得られるマイクロリアクタを示す図で、(a)はその平面図、(b)はその縦方向(Y方向)の断面図、(c)はその横方向(X方向)の断面図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
7 天井板
8 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11 被エッチング部材
12 固定治具
13 係止部材
14 シリンダ
15 ノズル
18 排気口
21 作用ガス(Clガス)
22、36 ゲートバルブ
23 搬送室
24 ロボットアーム
25 回転リンク
26 回動リンク
27 フォーク部
31 支持棒
51 薄膜
52 キャビティ
53 微細孔
54 電極薄膜
55 リード部材
56 SiO
57 貴金属薄膜
61 空洞
63 突出部
64 溝部
65 電極薄膜
71 流路
72 蓋部材
73 触媒金属薄膜

Claims (8)

  1. Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材がハロゲンラジカルでエッチングされて前記貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体が形成され、相対的な低温部である基板に前記前駆体が吸着されるとともに吸着された前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成するモードである成膜モードとして、エッチング部位に対応する位置で基板に形成した孔の底部に前記薄膜を形成する工程と、
    前記薄膜がハロゲンラジカルでエッチングされるエッチングモードとして、前記薄膜を触媒とする前記基板のエッチングを行うことにより前記孔の下方で急激にエッチングを進行させて前記基板内に空間を形成する工程とを有することを特徴とする微細構造物の作製方法。
  2. Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる前記貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、マトリクス状に基板の表面に多数配設した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
    ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードとして前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方にキャビティを形成する工程とを有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法。
  3. 請求項2において、
    さらに前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、重金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより少なくとも前記各キャビティの内周面に前記重金属の薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法。
  4. 請求項3において、
    前記基板の表面に形成された重金属の薄膜に、ハロゲンラジカルを作用させてこのハロゲンラジカルのエッチング作用により前記薄膜を除去する工程をさらに有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法。
  5. 請求項4において、
    前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、電極を構成する金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより、前記重金属の薄膜を除去した基板の表面に、前記金属の薄膜電極を形成する工程と、
    前記基板の裏面から前記キャビティに向かうように前記基板に形成した他の微細孔に、リード部材を構成する金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより前記金属の薄膜を積層して埋め込むことにより前記リード部材を形成する工程とを有することを特徴とするマイクロファラデーカップの作製方法。
  6. Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる前記貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、櫛刃状に基板の表面に配設した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
    ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードで前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方に空洞を形成するとともに隣接する各空洞が相互に連通されるように形成することで支持体から前記空洞の上方に突出する片持ち梁構造部材であって、荷重等、力学量の作用により変位する複数の突出部を形成する工程とを有することを特徴とする力学量センサの作製方法。
  7. Irからなる貴金属を材料とする被エッチング部材をハロゲンラジカルでエッチングして得られる前記貴金属成分とハロゲンとからなる前駆体を、形成したい流路に沿った位置で基板の表面に形成した微細孔のそれぞれの底部に、前記基板を相対的な低温部として吸着させるとともに、吸着させた前駆体にハロゲンラジカルを作用させて還元することにより前記貴金属の薄膜を形成する工程と、
    ハロゲンラジカルで前記薄膜がエッチングされるエッチングモードで前記薄膜を触媒とするエッチングを急激に進行させることで前記基板内における前記各微細孔の下方に空洞を形成するとともに隣接する各空洞が相互に連通されるように形成することで入口から出口まで連通される一本の流路を形成する工程とを有することを特徴とするマイクロリアクタの作製方法。
  8. 請求項7において、
    さらに前記基板を相対的な低温部に保持した状態で、触媒金属を材料とする被エッチング部材を用いた成膜モードにより前記流路の内周面に前記触媒金属の薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマイクロリアクタの作製方法。
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