JP4719978B2 - Printer, printer head and printer head manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、プリンタヘッド及びプリンタヘッドの製造方法に関し、特にサーマル式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、ヒーターと基板との間に空隙を形成することにより、またこのような空隙を形成してヒーターと基板との間の熱抵抗を変化させる機構を設けることにより、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は消費電力を少なくすることができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタにおいては、プリンタヘッドよりインク液滴を飛び出させて印刷対象に付着させることにより、所望の画像等を印刷するようになされており、サーマル方式による場合には、薄膜ヒーターを用いたサーマルヘッドによりプリンタヘッドが構成されるようになされている。
【0003】
すなわちサーマルヘッドは、所定の基板上に形成された薄膜ヒーターによりインク液室のインクを加熱し、インク成分を気化させてインク液室の圧力を増大させる。サーマルヘッドは、この圧力の増大によりインク液滴がノズルより飛び出して印刷対象に付着するようになされている。このようなサーマルヘッドは、半導体製造プロセスを利用してプリンタヘッドを製造できることにより、ノズルを高密度化して比較的簡易な構成により高解像度の印刷結果を得ることができる。
【0004】
すなわち図13は、このようなサーマルヘッドに適用される半導体基板について、薄膜ヒーターの部位を上方より見て示す平面図と、この平面図をA−A線により切り取って示す断面図である。
【0005】
ここで半導体基板1は、P型シリコン基板2にヒーター駆動用のトランジスタ等が形成された後、CVD(Chemical Vapor Deposition )により酸化珪素SiO2 が500〔nm〕程度成膜されて絶縁層3が形成される。さらに半導体基板1は、スパッタリング法により発熱素子材料であるタンタル、タンタルアルミ又は窒化チタン等が堆積された後、ドライエッチングによりパターンニングされ、これにより薄膜ヒーターHが形成される。
【0006】
続いて半導体基板1は、アルミニウム等の電極材料を堆積した後、ドライエッチングでパターンニングされ、これにより薄膜ヒーターHの一端を駆動用トランジスタに接続する配線パターン4A、薄膜ヒーターHの他端を電源ライン等に接続する配線パターン4Bが形成される。
【0007】
さらに半導体基板1は、プラズマCVDにより窒化シリコンSi3 N4 が堆積されて保護層5が形成され、タンタルを成膜してドライエッチングでパターンニングすることにより、バブル収縮消滅時の衝撃を緩和する耐キャビテーション層6が形成される。
【0008】
サーマルヘッドは、ウエハの状態でこれらの処理が実行された後、スクライビング処理により半導体基板1が形成される。さらにサーマルヘッドは、各基板1の上に、インク流路、インク液室等が形成される。なおサーマルヘッドは、複数の薄膜ヒーター、インク液室、ノズルによる機構が、1つの半導体基板1の上に繰り返し形成されるようになされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのような構成に係るサーマルヘッドにおいて、インク液滴を短い時間間隔により飛び出させることができれば、その分印刷速度を速くし、解像度を向上することができる。
【0010】
このためには膜沸騰温度である300度以上まで薄膜ヒーターHによりインクを素早く加熱し、薄膜ヒーターHの駆動を開始してインク液滴を短い時間で飛び出させることが必要になる。また他方で、インク液滴が飛び出した後においては、インクを沸点温度である100度以下まで素早く冷却し、速やかにインクをインク液室及びノズルにリフィルさせることが必要になる。
【0011】
このような2つの条件のうち、一方の条件である薄膜ヒーターHの駆動を開始してインク液滴を短い時間で飛び出させる条件については、薄膜ヒーターHの発熱を効率良くインクに伝導することにより満足することができ、このためには薄膜ヒーターHで発生した熱が基板2に逃げないようにして効率良くインクを加熱することが必要になる。
【0012】
実際上、従来のサーマルヘッドにおいては、薄膜ヒーターHで発生した熱量の約70〜90〔%〕の熱量が基板2に散逸し、インクの加熱には、残りの10〜30〔%〕の熱量しか有効に活用されていない。これにより薄膜ヒーターHで発生した熱が基板2に逃げないようにすれば、インク液滴を短い時間間隔により飛び出させることができれば、その分印刷速度を速くし、解像度を向上することができると考えられる。またこのようにインク液滴を短い時間間隔により飛び出させることができないまでも、プリンタの消費電力を少なくすることができると考えられる。
【0013】
従来のサーマルヘッドは、熱伝導性の低い酸化珪素による絶縁層3を間に挟んで、熱伝導性の良いシリコン基板2の上に、薄膜ヒーターHが配置されていることにより、絶縁層3の膜厚を厚くして、さらには基板2及び薄膜ヒーターH間の膜構成を変更して、基板2への熱伝導を少なくすることができると考えられる。しかしながら薄膜ヒーターHの保護、製造の効率等を考慮すると、このような変更は容易ではない。
【0014】
またこのようにして基板側への熱抵抗を大きくすると、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させるための第2の条件であるインクを速やかに冷却することが困難になる恐れもあり、極端な場合には、放熱に時間が長くなって、却ってインク液滴を短い時間で飛び出させることが困難になる。
【0015】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができるプリンタ、プリンタヘッド及びプリンタヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、プリンタに適用にして、プリンタヘッドのヒーターが、空隙を間に挟んで、基板上に形成されてなるようにする。
【0017】
また請求項3の発明においては、請求項1の構成において、プリンタヘッドが、少なくとも基板とヒーターとの間の熱抵抗を変化させる制御機構を有するようにする。
【0018】
また請求項8の発明においては、プリンタヘッドに適用して、ヒーターが、空隙を間に挟んで、基板上に形成されてなるようにする。
【0019】
また請求項10の発明においては、請求項8の構成において、少なくとも基板とヒーターとの間の熱抵抗を変化させることが可能な制御機構を有するようにする。
【0020】
また請求項15の発明においては、プリンタヘッドの製造方法に適用して、空隙を間に挟んで、ヒーターを基板上に形成する。
【0021】
また請求項19の発明においては、請求項15の構成において、基板に対して、線膨張係数の大きな材料によりヒーターを形成した後、ヒーターの加熱によるヒーターの膨張によりヒーターを変形させる。
【0022】
また請求項21の発明においては、請求項15の構成において、ヒーターとの間の電圧の印加による静電力により、ヒーターとの間の間隔が変化する電極を配置する。
【0023】
請求項1の構成によれば、プリンタに適用にして、プリンタヘッドのヒーターが、空隙を間に挟んで、基板上に形成されてなることにより、直接、基板の上にヒーターを形成する場合に比して、基板への放熱を少なくすることができる。従ってその分、インクを効率良く加熱して短い時間でインクを沸騰させてインクを飛び出させることができ、これにより短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は吐出に要する電力を少なくすることができる。
【0024】
また請求項3の構成によれば、請求項1の構成において、プリンタヘッドが、少なくとも基板とヒーターとの間の熱抵抗を変化させる制御機構を有することにより、この制御機構による熱抵抗の変化により、インクの加熱を促進し、及び又はインクの放熱を促進することができる。これによりインクの加熱及び又は放熱に要する時間をさらに短くして、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は吐出に要する電力を少なくすることができる。
【0025】
これにより請求項8又は請求項10の構成によれば、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は吐出に要する電力を少なくすることができるプリンタヘッドを提供することができる。
【0026】
また請求項15の構成によれば、プリンタヘッドの製造方法に適用して、空隙を間に挟んで、ヒーターを基板上に形成することにより、直接、基板の上にヒーターを形成する場合に比して、基板へ放熱を少なくすることができる。従ってその分、インクを効率良く加熱して短い時間でインクを沸騰させてインクを飛び出させることができ、これにより短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は吐出に要する電力を少なくすることができる。
【0027】
また請求項19の構成によれば、請求項15の構成において、基板に対して、線膨張係数の大きな材料によりヒーターを形成した後、ヒーターの加熱によるヒーターの膨張によりヒーターを変形させることにより、簡易にヒーターを変形させて空隙を作成することができる。またこのようにして形成された空隙においては、基板の線膨張係数よりヒーターの線膨張係数が大きいことにより、ヒーターによる加熱時、空隙の間隔が大きくなり、冷却時、この大きくなった空隙の間隔が元に戻るようになる。これにより加熱により基板との間の熱抵抗を増大させて加熱を促進することができ、また冷却時、基板との間の熱抵抗を少なくして冷却を促進することができ、さらに一段と加熱に要する時間を短くし、また冷却に要する時間を短くすることができる。
【0028】
また請求項21の構成によれば、請求項15の構成において、ヒーターとの間の電圧の印加による静電力により、ヒーターとの間の間隔が変化する電極を配置することにより、このヒーターと電極との間の間隔の変化により、ヒーターによる加熱を促進し、又はヒーターによる放熱を促進することができ、これによってもさらに一段と加熱に要する時間を短くし、及び又は冷却に要する時間を短くすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0030】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態の構成
図1は、図13(B)との対比により示すサーマルヘッドの断面図である。この実施の形態に係るプリンタにおいては、このサーマルヘッド11により所望の画像等を印刷する。このサーマルヘッド11は、薄膜ヒーターH、この薄膜ヒーターHを駆動する駆動回路12等を作成してなる半導体基板13に対して、インク流路、インク液室等を配置して構成される。
【0031】
すなわちサーマルヘッド11において、半導体基板13は、図13との対比により図2に示すように、駆動回路12を構成するトランジスタ等がP型シリコン基板14に形成された後、CVD(Chemical Vapor Deposition )により酸化珪素SiO2 が500〔nm〕程度成膜されて絶縁層15が形成される(図2(A1)及び(B1))。
【0032】
続いて半導体基板13は、例えばスパッタリングによりほぼ膜厚200〔nm〕のチタン膜が成膜された後、ドライエッチングでパターンニングされ、これにより図2(A2)及び(B2)に示すように、駆動用電極16がチタンにより形成される。ここで駆動用電極16は、インクの冷却促進を図るために所定の電圧を印加する電極であり、薄膜ヒーターHのほぼ真下に形成される。なおこの実施の形態では、真上より見て薄膜ヒーターHの真下を薄膜ヒーターHが横切るように形成される。
【0033】
続いて半導体基板13は、CVDにより酸化珪素SiO2 が500〔nm〕成膜された後、CMP(Chemical Mechanical Polishing )で平坦化され、これにより図2(A3)及び(B3)に示すように、表面が平坦化されて駆動用電極16が露出される。
【0034】
続いて半導体基板13は、CVDによりポリシリコンが500〔nm〕程度成膜された後、ドライエッチングによるパターンニングにより、図3(A4)及び(B4)に示すように、犠牲層18が形成される。ここで犠牲層18は、この薄膜ヒーターHが作成された後にエッチング工程により取り除かれ、薄膜ヒーターHの下に空隙を形成する。このため犠牲層18は、取り除かれる際に形成されている絶縁層15、薄膜ヘッドH、配線パターン19A及び19Bには何ら影響を与えないエッチング工程によりエッチング可能な材料により形成される(図3(A5)〜(B6)参照)。さらに犠牲層18は、薄膜ヒーターHを作成した後に、エッチング可能なように、一部が露出するように形成される。なお具体的に、この実施の形態では、上方より見て、駆動用電極16の延長する方向に薄膜ヒーターHより飛び出す大きさにより形成される。この実施の形態では、この飛び出す方向が、薄膜ヒーターHに流れる電流の方向とほぼ直交する方向となるように設定され(図3(A6)及び(B6))、これにより薄膜ヒーターHに電流を供給する配線パターン19A及び19Bを形成した場合でも十分にエッチングできるようになされている。
【0035】
すなわち半導体基板13は、続いてスパッタリング法により発熱材料であるタンタルが150〔nm〕程度堆積された後、ドライエッチングによりパターンニングされ、これにより図3(A5)及び(B5)に示すように、薄膜ヒーターHが形成される。
【0036】
また続いて半導体基板13は、アルミニウム等の電極材料を膜厚1200〔nm〕により堆積した後、ドライエッチングでパターンニングし、これにより図3(A6)及び(B6)に示すように、薄膜ヒーターHの一端を駆動用トランジスタに接続する配線パターン19A、薄膜ヒーターHの他端を電源ライン等に接続する配線パターン19Bが形成される。なお配線パターン19A及び19Bは、上方より見て、犠牲層18と一部が重なり合うように形成される。
【0037】
続いて半導体基板13は、ゼノンダイフローライトXeF2 によるドライエッチングにより、犠牲層18が除去され、これにより図4(A7)及び(B7)に示すように、薄膜ヒーターHの下に、配線パターン19A及び19Bの延長する方向とは直交する側にそれぞれ開口を有してなる厚さ0.5〔μm〕による空隙20が形成される。
【0038】
さらに半導体基板13は、図4(A8)及び(B8)に示すように、プラズマCVDにより窒化シリコンSi3 N4 が膜厚200〔nm〕だけ堆積されて保護層21が形成される。さらに続いてタンタルが膜厚150〔nm〕だけ成膜された後、ドライエッチングでパターンニングされ、これにより図4(A9)及び(B9)に示すように、耐キャビテーション層22が形成される。
【0039】
半導体基板13は、続いてドライフィルムレジストによりインク液室及びインク流路の側壁を構成する部材23が形成される(図1)。サーマルヘッド11は、これら半導体基板13の加工がウエハの状態により実行され、インク液室及びインク流路の側壁が形成されると、ダイサーによりカットされて個々のサーマルヘッドを構成する基板にスクライビング処理される。その後、半導体基板13は、ニッケル電鋳処理された板状部材であり、ノズル24が形成されてなるノズルプレート25が熱接着により貼り付けられ、所定の保持部材であるヘッドベースに接着によりマウントされる。サーマルヘッド11は、その後、半導体基板13に形成されたランドがワイヤボンドにより外部基板と接続されて完成品とされる。
【0040】
サーマルヘッド11は、このようにして接続された外部配線基板を介して半導体基板13に駆動回路12の電源、印刷に供するデータ等が供給され、これにより駆動回路12により薄膜ヒーターHを駆動してインク液室のインクを加熱し、ノズル24よりインク液滴27を飛び出させることができるようになされている。
【0041】
駆動回路12は、このようにして半導体基板13に薄膜ヒーターH等と一体に配置され、印刷に供するデータにより間欠的に薄膜ヒーターHを駆動することにより、ノズル24よりインク液滴を飛び出させる。
【0042】
すなわち駆動回路12は、図1(A)に示すように、ドットを形成するタイミングでスイッチイングトランジスタによるスイッチ回路30がオン状態に切り換わり、トランジスタにより構成される第1の電源31の電力が薄膜ヒーターHに供給される。これにより図5(A)に示すように、このサーマルヘッド11では、薄膜ヒーターHの両端電位差V1が間欠的に立ち上げられて、薄膜ヒーターHが発熱するようになされ、この発熱によりインクを加熱してインク液滴を飛び出させるようにようになされている。
【0043】
さらに駆動回路12は、図1(B)に示すように、このような薄膜ヒーターHの加熱を中止するタイミングで、スイッチイングトランジスタによるスイッチ回路32がオン状態に切り換わり、トランジスタにより構成される第2の電源33による電圧が薄膜ヒーターHと駆動用電極16との間に印加される。これによりサーマルヘッド11は、駆動用電極16と、この駆動用電極16に対して空隙20を介して保持された薄膜ヒーターHとの間に、この第2の電源33により電位差V2(図5(B))が形成されるようになされ、この電位差V2により薄膜ヒーターHを駆動用電極16に引きつけて、冷却を促進するようになされている。
【0044】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、この実施の形態に係るプリンタは(図1〜図4)、半導体製造工程において、半導体基板13に駆動回路12を構成するトランジスタ、薄膜ヒーターH等が形成された後、インク液室、インク流路が形成され、その後所定のアッセンブリを経てサーマルヘッド11が作成される。
【0045】
この半導体基板13の加工工程において、サーマルヘッド11は、薄膜ヘッドHの真下に、電極16が形成される。さらに他の構成部材には何ら影響を与えないエッチング工程によりエッチング可能な材料により、この電極16の上に、所定膜厚による犠牲層18が形成され、この犠牲層18の上に薄膜ヘッドHが形成される。さらにその後、配線パターン19A及び19Bが形成された後、犠牲層18が除去され、これにより微細な空隙20を介して電極16と対向するように、薄膜ヘッドHが配置される。また犠牲層20が薄膜ヘッドHより大きめに形成されて除去されることにより、この空隙20にインクが進入するように開口が形成される。
【0046】
このようにしてなるサーマルヘッド11は、インク液室にインクが導入されると、毛管力によりこの空隙20にインクが進入し、これによりインクが満たされてなる微細な空隙20を介して電極16と対向するように薄膜ヘッドHが配置される。
【0047】
この状態で、サーマルヘッド11は、間欠的に薄膜ヒーターHが駆動され(図5)、この薄膜ヒーターHによるインクの加熱によりインク液室のインクが局所的に沸騰してインク液室の圧力が増大し、この圧力の増大によりノズル24よりインクが押し出されてインク液滴として印刷対象に付着する。
【0048】
このようにして加熱するにつき、従来構成による薄膜ヒーターHにおいては、約500〔nm〕程度の厚さによる絶縁膜を介して半導体基板上に形成されており(図13)、この絶縁膜がこの絶縁膜の材料である酸化珪素の熱伝導率が約1[W/mK]であった。
【0049】
これに対してこの実施の形態では、薄膜ヒーターHの下には、空隙20に満たされたインク、電極16、基板13が配置されることになり、インクにおいては、実験した結果では熱伝導率が約0.6[W/mK〕であった。すなわちこの実施の形態に係るサーマルヘッド11においては、従来の熱伝導率、約1[W/mK]による絶縁膜が熱伝導率、約0.6[W/mK〕によるインクに置き変わった構造とすることができ、その分、従来に比して薄膜ヒーターHから基板13への熱流束を少なくして、インク液室のインクを効率良く加熱することができる。これによりサーマルヘッド11では、従来に比して少ない電力により、かつ短い時間でインク液滴を飛び出させることができる。
【0050】
なお、このように薄膜ヒーターHの下にインクを導いた場合、この薄膜ヒーターHの下側でインクが沸騰することも考えられるが、基板13側への放熱が低下したとは言え、基板13側へは十分な熱流束があり、これにより薄膜ヒータHの下側のインクが沸騰する程の温度上昇については、これを十分に防止することができる。なお、このような観点より、この実施の形態のように、基板に対向するように薄膜ヒーターを配置した場合、基板と薄膜ヒーターとの間を5〔μm〕以下として、基板側でのインクの沸騰を防止することができる。
【0051】
ところでこのようにしてインクを短い時間で加熱することができても、このままではインクの冷却に関して、従来と同程度の時間を要することになる。
【0052】
このためこの実施の形態では、薄膜ヒーターHの駆動を停止すると、薄膜ヒーターHと電極16との間に電圧を印加し、静電力により薄膜ヒーターHを電極16側に撓ませる。このようにすれば、隙間20に満たされていたインクが押し出され、その分、薄膜ヒーターHが、電極16、基板13に近づくことにより、その分基板13側への熱抵抗が小さくなり、これによっても短い時間でインクを冷却することができる。これにより電極16は、基板とヒーターとの間の熱抵抗を変化させる制御機構を構成する。
【0053】
実験した結果によれは、サーマルヘッド11において、薄膜ヒーターH、電極16間に32〔V〕の電圧を印加すると、静電力により空隙の間隔を500〔nm〕から200〔nm〕に狭めることができた。
【0054】
なおこの実験においては、上述した構成に係るサーマルヘッド11において、薄膜ヒーターHにおける配線パターン19A及び19Bの対向する部位の間隔(いわゆるヒーター間隔である)を42〔μm〕に設定し、シート抵抗28〔Ω/□〕により薄膜ヒーターHを形成した。このとき配線パターン19A及び19B、スイッチイングトランジスタのオン抵抗は、合計で4〔Ω〕であった。
【0055】
このようにして構成してサーマルヘッド11の全てのノズルからインクを安定に吐出する電圧は、薄膜ヒーターHに電圧を印加する時間を1.5〔μsec〕に設定した場合には、3.82〔V〕であった。これにより薄膜ヒーターHの駆動に要する電力は、計算により約400〔mW〕を要することが判った。また薄膜ヒーターH、電極16間に32〔V〕の電圧を印加して空隙20の間隔を200〔nm〕に狭めると、38〔μsec〕以内で、駆動前の温度に戻った。これによりこのサーマルヘッド11は、1.5〔μsec〕+38〔μsec〕より短い周期でドットを形成することができ、この周期を周波数に換算すると26〔kHz〕となった。
【0056】
このサーマルヘッド11との比較により図13の構成に係るサーマルヘッド1で実験した結果によれば、全てのノズルからインクを安定に吐出する電圧は、上述のサーマルヘッド11の場合と同一の条件である薄膜ヒーターHに電圧を印加する時間を1.5〔μsec〕に設定した場合には、5.24〔V〕であった。これにより薄膜ヒーターHの駆動に要する電力は、計算により約750〔mW〕を要することが判った。またノズルの液面が初期状態に戻るのには、駆動を停止して67〔μsec〕(15〔kHz〕)の期間を要した。なお、この従来構成によるサーマルヘッド1は、この実施の形態のサーマルヘッド11と同一に、ヒーター間隔42〔μm〕、シート抵抗28〔Ω/□〕により薄膜ヒーターを構成し、また配線抵抗と、トランジスタのオン抵抗は、計4〔Ω〕であった。またインク液室の大きさ、構成材料等は、サーマルヘッド11と同一に構成した。図6は、これらの関係をまとめた表である。
【0057】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、ヒーターと基板との間に空隙を形成することにより、基板への放熱を少なくして効率良くインクを加熱することができる。従ってその分、従来に比して短い時間でインクの温度を上昇させて、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができる。従って、その分、印刷に要する時間を短くすることができ、また解像度を向上することができる。また駆動に要する電力を少なくすることができる。
【0058】
さらにこのような空隙を形成して、ヒーターと基板との間の熱抵抗を変化させる機構を設けることにより、ヒーターによる加熱及び又は放熱を促進することができ、これによっても、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができる。従って、その分、印刷に要する時間を短くすることができ、また解像度を向上することができる。
【0059】
特に、このような熱抵抗を変化させる機構を、所定の駆動用電圧の印加による静電力によりヒーターとの間の間隔が変化する電極の配置により構成することにより、簡易な構成で、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができる。
【0060】
(2)第2の実施の形態
この実施の形態においては、第1の実施の形態に係るサーマルヘッドにおいて、電極16を省略し、またこの省略により第2の電源33による薄膜ヒーターHの駆動を中止する。
【0061】
このように電極16により薄膜ヒーターHを引き寄せる機構を省略すれば、その分、第1の実施の形態に比して、冷却に要する時間は長くなることになり、インク液滴を安定に飛び出させる時間間隔は長くなることになる。しかしながら、このようにしても、薄膜ヒーターHの下に形成された空隙20により、従来に比してインクを短い時間で加熱することができ、その分駆動に要する電力を少なくすることができる。
【0062】
ここでは、第1の実施の形態に係るサーマルヘッド11を用いて、電極16の駆動を中止して実験した。この場合、第1の実施の形態と同一の加熱の条件により、加熱に関しては、第1の実施の形態と同一の結果を得ることができた。また、冷却に関しては、薄膜ヒーターHの駆動前の状態に戻るのに83〔μsec〕(12〔kHz〕)を要した。
【0063】
この第2の実施の形態によれば、空隙の下に電極を配置しなくても、従来に比して少ない電力によりインク液滴を飛び出させることができる。また空隙の下に電極を配置しなくても良いことにより、第1の実施の形態に比して、サーマルヘッドの工程を簡略化することができる。
【0064】
(3)第3の実施の形態
(3−1)第3の実施の形態の構成
図7は、図13との対比により示すサーマルヘッドの断面図である。この実施の形態に係るプリンタにおいては、このサーマルヘッド41により所望の画像等を印刷する。このサーマルヘッド41は、薄膜ヒーターH、この薄膜ヒーターHを駆動する駆動回路等を作成してなる半導体基板43に対して、インク流路、インク液室等を配置して構成される。
【0065】
すなわちサーマルヘッド11において、半導体基板13は、図13との対比により図2に示すように、駆動回路を構成するトランジスタ等がP型シリコン基板44に形成された後、CVD(Chemical Vapor Deposition )により酸化珪素SiO2 が500〔nm〕程度成膜されて絶縁層45が形成される(図8(A1)及び(B1))。
【0066】
続いて半導体基板43は、図8(A2)及び(B2)に示すように、スピンコートにより有機材料である感光性ポリイミド(住友ベークライト社製、CRC−8300)を膜厚200〔nm〕より付着した後、選択的に露光現像して剥離層46を形成する。ここで剥離層46は、薄膜ヒーターHの加熱により薄膜ヒーターHの基板からの剥離を促す層であり、この上に形成される薄膜ヒーターHとの間で、密着強度の小さな材料が選定される。さらに剥離層46は、図8(A3)及び(B3)に示すように、上方より見て長方形形状により形成され、続く工程で作成される薄膜ヒーターHより所定方向にはみ出すように作成される。なおこの実施の形態では、薄膜ヒーターHにおいて電流が流れる向きと直交する側の長辺が薄膜ヒーターHより飛び出すように形成される。
【0067】
続いて半導体基板43は、続いてスパッタリング法により、基板43に比して線膨張率の大きな発熱材料である白金が150〔nm〕程度堆積された後、王水によるウエットエッチングによりパターンニングされ、これにより図8(A3)及び(B3)に示すように、薄膜ヒーターHが形成される。
【0068】
また続いて半導体基板43は、アルミニウム等の電極材料を膜厚1200〔nm〕により堆積した後、ドライエッチングでパターンニングし、これにより図9(A4)及び(B4)に示すように、薄膜ヒーターHの一端を駆動用トランジスタに接続する配線パターン49A、薄膜ヒーターHの他端を電源ライン等に接続する配線パターン49Bが形成される。ここで配線パターン49A及び49Bは、薄膜ヒーターHが剥離層46と重なり合う部位で、薄膜ヒーターHの熱による膨張をそれぞれ制限できるように、剥離層46と一部が重なり合うように形成される。
【0069】
続いて半導体基板43は、ウエハ上のパッドに外部プローブから電圧が印加され、薄膜ヒーターHの駆動により薄膜ヒーターHが加熱される。ここで薄膜ヒーターHの材料である白金においては、半導体基板43より線膨張率が大きいことにより、また薄膜ヒーターHの熱による膨張を制限できるように配線パターン19A及び19Bが配置され、さらに剥離層46が薄膜ヒーターHの剥離を促すことにより、半導体基板43においては、この工程における薄膜ヒーターHの加熱により、薄膜ヒーターHが剥離層46より剥離して、ほぼ中央が基板44とは逆側にドーム状に盛り上がり、塑性変形により加熱を中止した後においても、このドーム状に盛り上がった形状を維持する。
【0070】
なお半導体基板43は、このように薄膜ヒーターHが所定の大きさによりドーム状に盛り上がった形状となるように、薄膜ヒーターHの駆動の条件が設定されるようになされている。かくするにつき、このようにほぼ中央がドーム状に盛り上がった状態で、薄膜ヒーターHの盛り上がった周囲では、剥離層46に薄膜ヒーターHが密着しており、これによりこの薄膜ヒーターHの盛り上がった内側には、加熱により発生したガス等が充満していると考えられる。
【0071】
さらに半導体基板43は、図10(A6)及び(B6)に示すように、プラズマCVDにより窒化シリコンSi3 N4 が膜厚200〔nm〕だけ堆積されて保護層51が形成される。さらに続いてタンタルが膜厚150〔nm〕だけ成膜された後、ドライエッチングでパターンニングされ、これにより図10(A7)及び(B7)に示すように、耐キャビテーション層52が形成される。
【0072】
半導体基板43は、続いて第1の実施の形態と同様の工程によりインク液室、インク流路等が形成されて完成品とされる(図1)。また通常のサーマルヘッドと同様の間欠的な薄膜ヒーターHの駆動により、印刷に使用される。
【0073】
(3−2)第3の実施の形態の動作
以上の構成において、この実施の形態に係るプリンタは(図7)、半導体製造工程において、半導体基板43に駆動回路を構成するトランジスタ、薄膜ヒーターH等が形成された後、インク液室、インク流路が形成され、その後所定のアッセンブリを経てサーマルヘッド41が作成される。
【0074】
この半導体製造工程において、サーマルヘッド41は、薄膜ヘッドHに対して密着力の弱い剥離層46が基板43上に形成された後、この剥離層46の上に、基板44より線膨張係数の大きな材料による薄膜ヘッドHが形成され、その後、配線パターン49A及び49Bが薄膜ヘッドHの両端に形成される。さらに薄膜ヒーターHに電圧を印加して薄膜ヒーターHが加熱される。ここで基板44より線膨張係数の大きな材料により薄膜ヒーターHが形成されていることにより、このように薄膜ヒーターHを加熱すると、薄膜ヒーターHにおいては、基板43より大きく膨張することになる。しかしながら薄膜ヒーターHにおいては、両端が配線パターン49A及び49Bに接続され、この配線パターン49A及び49Bにより基板43に沿った方向の膨張が抑圧されることになり、その結果として基板43とは逆側に変形することになる。また基板43との間に、密着力の弱い剥離層46が配置されていることにより、このような基板43とは逆側への変形が促進されることになる。これによりサーマルヘッド41は、薄膜ヒーターHのほぼ中央の部位がドーム状に飛び出した形状に変形し、このドームの中に空隙が形成される。
【0075】
このようにしてなるサーマルヘッド41は、間欠的に薄膜ヒーターHが駆動され、この薄膜ヒーターHによるインクの加熱によりインク液室のインクが局所的に沸騰してインク液室の圧力が増大し、この圧力の増大によりノズルよりインクが押し出されてインク液滴として印刷対象に付着する。
【0076】
このようにして加熱するにつき、このサーマルヘッド41においては、内側が空洞の空隙を間に挟んで、基板43上に薄膜ヒーターHが配置された構造であり、この空隙が真空とした場合、真空の熱伝導率は、0[W/mK]となり、局所的に、極めて大きな断熱材を間に挟んでヒーターを配置したことになる。またこの空隙が空気により満たされているとすると、空気の熱伝導率は、約0.02[W/mK]であることにより、この場合も、局所的に、極めて大きな断熱材を間に挟んでヒーターを配置したことになる。なお、空隙の内部は、実際上、ヒーターHの加熱時に発生するガス等で充満されていると考えられるが、この場合も、局所的に、極めて大きな断熱材を間に挟んでヒーターを配置したことになる。
【0077】
これにより総合的に見た基板とヒーターとの間の熱抵抗については、第1の実施の形態に係るサーマルヘッド11の場合と同程度に設定することができ、これにより従来に比して短い時間によりインクを加熱して、インク液滴を短い時間間隔により飛び出させることができる。
【0078】
さらにこのサーマルヘッド41は、薄膜ヒーターHが基板43に比して線膨張係数の大きさ材料により形成されていることにより、インク加熱時においても、製造工程で空隙を形成する場合と同様に、薄膜ヒーターHが変形することになる。この場合、サーマルヘッド41においては、薄膜ヒーターHを駆動して薄膜ヒーターHが温度上昇すると、空隙が大きくなるように変形することになり(図7(A)及び(B))、これにより基板とヒーターとの間の熱抵抗が増大することになる。これにより加熱を開始すると、加熱を促進するように基板とヒーターとの間の熱抵抗が変化することになる。
【0079】
またこれとは逆に、ヒーターの加熱を停止してヒーターの温度が低下すると、空隙の体積が元に戻るようにヒーターが変形し、これによりヒーターと基板との間の熱抵抗が小さくなり、ヒーターの冷却が促進される(図7(C))。すなわちヒーターの加熱を中止するとヒーターの冷却、ひいてはインクの冷却を促進するように、基板とヒーターとの間の熱抵抗が変化することになる。
【0080】
これによりこの実施の形態では、ヒーター材料の選定と空隙の形成とにより、基板とヒーターとの間の熱抵抗を変化させて、加熱及び冷却を促進する制御機構が構成されるようになされている。
【0081】
図11は、このサーマルヘッド41における加熱時の熱分布を示す特性曲線図である。この熱分布は、駆動によりインクが最も加熱された時点のものである。この特性曲線によれば、周囲に比してヒーターが最も高い温度に保持されていることにより、このようなヒーターの駆動、駆動の中止によりヒーターが変形し、空隙の体積が変化することを見てとることができる。
【0082】
これによりサーマルヘッドでは、簡易な構成により、従来に比してさらに一段と短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができる。
【0083】
なお第1の実施の形態と同一の条件によりサーマルヘッドを構成して実験した結果によれば、このプリンタヘッドの全てのノズルからインクが安定に吐出する電圧は、1.5〔μsec〕の駆動時間による場合には2.86〔V〕であり、これによりヒーターによる電力消費は、250〔mW〕であることが判った。またヒーターの駆動を中止した後、29〔μsec〕(35〔kHz〕)以内で、駆動前の温度分布にほぼ復帰することが判った。
【0084】
(3−3)第3の実施の形態の効果
以上の構成によれば、基板より遠ざかるように、ヒーターを変形させて空隙を形成するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また基板に対して、線膨張係数が大きな材料によりヒーターを形成したことにより、このヒーターによる加熱により空隙の大きさが増大してヒーターによる加熱を促進し、ヒーターの冷却により該増大した空隙の大きさが減少してヒーターによる冷却を促進することができる。従って、簡易な構成によりインクの加熱冷却を促進することができ、これによってもさらに一段と短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、また消費電力を少なくすることができる。
【0086】
また基板とヒーターとの間に、ヒーターの変形を促進する膜材料である剥離層を形成したことにより、簡易にヒーターを変形させることができる。
【0087】
(4)第4の実施の形態
この実施の形態に係るサーマルヘッド61は、図12に示すように、第3の実施の形態に係るサーマルヘッド41の構成より、保護層51、耐キャビテーション層52を省略した構成とされる。またノズルプレート62の厚さを薄くして厚さ10〔μm〕に設定することにより、ノズルの長さを10〔μm〕に設定し、インク液滴を飛び出させる際に、インク液室で発生した気泡がノズルより飛び出すようにし、これによりインク液室内では気泡の収縮及び消滅に伴うキャビテーションが起こらないようにした。
【0088】
この場合、保護層が無いことにより、第3の実施の形態に係るサーマルヘッド41に比してインクヘの熱抵抗が低下し、その分、駆動時間を1.5〔μsec〕に設定した場合、全てのノズルからインクが安定に吐出する電圧を2.21〔V〕にまで低下させることができた。なおこの場合、ヒーターの消費電力は、150〔mW〕である。またヒーターの駆動を中止すると、25〔μsec〕(40〔kHz〕)以内で駆動前の状態に戻ることを確認することができた。
【0089】
なおこの場合、薄膜ヒーターが直接インクと接することになるが、薄膜ヒーターが安定性の高い白金により構成されていることにより、インク中央処理ユニットの電解質による薄膜ヒータの腐食を防止し、またインク液室内でのキャビテーションの発生を防止したことにより、第3の実施の形態と同程度の信頼性を確保することができた。
【0090】
この実施の形態によれば、第3の実施の形態の構成に加えて、保護層、耐キャビテーション層を省略したことにより、インクへの熱抵抗を小さくすることができ、その分、簡易な構成で、さらに一段と短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、また消費電力を少なくすることができる。
【0091】
また薄膜ヒーターHの上に保護層、耐キャビテーション層を配置した場合、多層構造による膜が湾曲することになり、層間破壊が起こる恐れがあるが、この実施の形態のように保護層、耐キャビテーション層を省略した構成とすれば、このような層間破壊についても防止することができ、その分、高い信頼性を確保することができる。
【0092】
(5)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、所定の部材の選択的なエッチングにより空隙を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば特開平11−271123号公報に開示されている異方性エッチングにより空隙を形成する場合等、種々のマイクロマシーニング技術を適用して空隙を形成することができる。
【0093】
また上述の第3及び第4の実施の形態においては、ヒーターの加熱によりヒーターを変形させて空隙を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば吸引等、種々の機械加工手段を利用してヒーターを変形させて空隙を形成することができる。
【0094】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、基板側に形成した電極とヒーターとの静電力によりヒーターを基板に引き寄せて冷却を促進する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途電極を配置して、基板より遠ざかるように静電力によりヒーターを引き寄せる機構、電極側をヒーターに近づけて放熱を促進する機構等、この種の電極を種々に配置し、構成することが考えられる。
【0095】
また上述の実施の形態においては、それぞれ静電力、熱により空隙の大きさを変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらを組み合わせるようにしてもよい。
【0096】
また上述の実施の形態においては、静電力、熱により空隙の大きさを変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば圧電素子による部材の駆動により熱抵抗を変化させて加熱及び又は冷却を促進するようにしてもよい。
【0097】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ヒーターと基板との間に空隙を形成することにより、またこのような空隙を形成してヒーターと基板との間の熱抵抗を変化させる機構を設けることにより、短い時間間隔によりインク液滴を飛び出させることができ、又は消費電力を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタに適用されるサーマルヘッドを示す略線図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの製造工程の説明に供する平面図及び断面図である。
【図3】図2の続きを示す平面図及び断面図である。
【図4】図3の続きを示す平面図及び断面図である。
【図5】図1の駆動回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図6】図1のサーマルヘッドの特性を従来のサーマルヘッドとの対比により示す図表である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るプリンタに適用されるサーマルヘッドを示す略線図である。
【図8】図7のサーマルヘッドの製造工程の説明に供する平面図及び断面図である。
【図9】図8の続きを示す平面図及び断面図である。
【図10】図9の続きを示す平面図及び断面図である。
【図11】図7のサーマルヘッドの温度分布を示す特性曲線図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るプリンタに適用されるサーマルヘッドを示す略線図である。
【図13】従来のサーマルヘッドを示す平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1、13、43……半導体基板、11、41、61……サーマルヘッド、3、15、45……絶縁層、5、21……保護層、6、22、52……耐キャビテーション層、12……駆動回路、18……犠牲層、46……剥離層、H……薄膜ヒーター[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a printer, a printer head, and a printer head manufacturing method, and is particularly applicable to a thermal ink jet printer. In the present invention, by forming a gap between the heater and the substrate, and by providing a mechanism for changing the thermal resistance between the heater and the substrate by forming such a gap, the ink can be formed at a short time interval. A droplet can be ejected or power consumption can be reduced.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in an inkjet printer, a desired image or the like is printed by ejecting ink droplets from a printer head and attaching them to a print target. In the case of a thermal method, a thin film heater is used. A printer head is constituted by a thermal head.
[0003]
That is, the thermal head heats the ink in the ink liquid chamber by a thin film heater formed on a predetermined substrate, vaporizes the ink component, and increases the pressure in the ink liquid chamber. The thermal head is configured such that ink droplets are ejected from the nozzles and adhere to the print target due to the increase in pressure. Since such a thermal head can manufacture a printer head using a semiconductor manufacturing process, it is possible to obtain a high-resolution printing result with a relatively simple configuration by increasing the nozzle density.
[0004]
That is, FIG. 13 is a plan view of a semiconductor substrate applied to such a thermal head as viewed from above the thin film heater, and a cross-sectional view taken along line AA.
[0005]
Here, the
[0006]
Subsequently, after depositing an electrode material such as aluminum, the
[0007]
Further, the
[0008]
In the thermal head, after these processes are performed in a wafer state, the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the thermal head having such a configuration, if ink droplets can be ejected at a short time interval, the printing speed can be increased and the resolution can be improved accordingly.
[0010]
For this purpose, it is necessary to quickly heat the ink by the thin film heater H to a film boiling temperature of 300 ° C. or more and start driving the thin film heater H to eject ink droplets in a short time. On the other hand, after the ink droplets are ejected, it is necessary to quickly cool the ink to a boiling point temperature of 100 ° C. or less and quickly refill the ink into the ink liquid chambers and nozzles.
[0011]
Of these two conditions, one of the conditions is that the driving of the thin film heater H is started and the ink droplets are ejected in a short time by efficiently conducting the heat generated by the thin film heater H to the ink. For this purpose, it is necessary to efficiently heat the ink so that the heat generated by the thin film heater H does not escape to the
[0012]
In fact, in the conventional thermal head, about 70 to 90% of the heat generated by the thin film heater H is dissipated to the
[0013]
In the conventional thermal head, a thin film heater H is disposed on a
[0014]
Further, when the thermal resistance to the substrate side is increased in this way, it may be difficult to quickly cool the ink, which is the second condition for ejecting ink droplets at short time intervals. In this case, it takes a long time to release heat, and it becomes difficult to eject ink droplets in a short time.
[0015]
The present invention has been made in consideration of the above points, and an object of the present invention is to propose a printer, a printer head, and a printer head manufacturing method that can eject ink droplets at short time intervals.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the invention of
[0017]
According to a third aspect of the present invention, in the configuration of the first aspect, the printer head has a control mechanism that changes at least the thermal resistance between the substrate and the heater.
[0018]
In the invention according to claim 8, the present invention is applied to a printer head so that a heater is formed on a substrate with a gap therebetween.
[0019]
According to a tenth aspect of the present invention, in the configuration of the eighth aspect, a control mechanism capable of changing at least the thermal resistance between the substrate and the heater is provided.
[0020]
According to the fifteenth aspect of the present invention, the heater is formed on the substrate with the gap interposed therebetween, as applied to the printer head manufacturing method.
[0021]
In the nineteenth aspect of the invention, in the configuration of the fifteenth aspect, after the heater is formed on the substrate with a material having a large linear expansion coefficient, the heater is deformed by the expansion of the heater by the heating of the heater.
[0022]
In the twenty-first aspect of the invention, in the configuration of the fifteenth aspect, an electrode is provided in which an interval between the heater and the heater changes due to an electrostatic force generated by applying a voltage to the heater.
[0023]
According to the configuration of the first aspect, when the heater of the printer head is directly formed on the substrate by being applied to the printer, the heater of the printer head is formed on the substrate with the gap interposed therebetween. In comparison, heat radiation to the substrate can be reduced. Therefore, it is possible to heat the ink efficiently and boil the ink in a short time to eject the ink, thereby ejecting the ink droplets at a short time interval or reducing the power required for ejection. can do.
[0024]
According to the configuration of
[0025]
Thus, according to the configuration of the eighth or tenth aspect, it is possible to provide a printer head capable of ejecting ink droplets at short time intervals or reducing the power required for ejection.
[0026]
Further, according to the configuration of the fifteenth aspect, the present invention is applied to a method for manufacturing a printer head, and the heater is formed on the substrate with the gap interposed therebetween, so that the heater is directly formed on the substrate. Thus, heat radiation to the substrate can be reduced. Therefore, it is possible to heat the ink efficiently and boil the ink in a short time to eject the ink, thereby ejecting the ink droplets at a short time interval or reducing the power required for ejection. can do.
[0027]
Further, according to the configuration of claim 19, in the configuration of
[0028]
According to the structure of
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings as appropriate.
[0030]
(1) First embodiment
(1-1) Configuration of the first embodiment
FIG. 1 is a cross-sectional view of a thermal head shown in comparison with FIG. In the printer according to this embodiment, a desired image or the like is printed by the
[0031]
That is, in the
[0032]
Subsequently, the
[0033]
Subsequently, the
[0034]
Subsequently, on the
[0035]
That is, the
[0036]
Subsequently, after depositing an electrode material such as aluminum with a film thickness of 1200 [nm], the
[0037]
Subsequently, the
[0038]
Further, as shown in FIGS. 4A8 and 4B8, the
[0039]
The
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
That is, as shown in FIG. 1A, in the
[0043]
Further, as shown in FIG. 1B, in the
[0044]
(1-2) Operation of the first embodiment
In the configuration described above, the printer according to this embodiment (FIGS. 1 to 4) is configured so that, in the semiconductor manufacturing process, after the transistors constituting the
[0045]
In the process of processing the
[0046]
In the
[0047]
In this state, the thin film heater H is intermittently driven in the thermal head 11 (FIG. 5), and the ink in the ink liquid chamber is locally boiled by heating the ink by the thin film heater H, so that the pressure in the ink liquid chamber is increased. As the pressure increases, the ink is pushed out from the
[0048]
When heating is performed in this manner, the thin film heater H according to the conventional configuration is formed on the semiconductor substrate through an insulating film having a thickness of about 500 [nm] (FIG. 13). The thermal conductivity of silicon oxide, which is the material of the insulating film, was about 1 [W / mK].
[0049]
On the other hand, in this embodiment, the ink filled in the
[0050]
When the ink is guided under the thin film heater H in this way, it is conceivable that the ink boils below the thin film heater H. However, although the heat radiation to the
[0051]
By the way, even if the ink can be heated in such a short time as described above, if it is left as it is, it takes about the same time as before to cool the ink.
[0052]
For this reason, in this embodiment, when driving of the thin film heater H is stopped, a voltage is applied between the thin film heater H and the
[0053]
According to the experimental results, when a voltage of 32 [V] is applied between the thin film heater H and the
[0054]
In this experiment, in the
[0055]
The voltage thus configured to stably eject ink from all the nozzles of the
[0056]
According to the result of the experiment with the
[0057]
(1-3) Effects of the first embodiment
According to the above configuration, by forming a gap between the heater and the substrate, heat can be efficiently heated with less heat dissipation to the substrate. Accordingly, it is possible to raise the ink temperature in a shorter time than before, and to eject ink droplets at a short time interval. Accordingly, the time required for printing can be shortened and the resolution can be improved. Further, the power required for driving can be reduced.
[0058]
Furthermore, by forming such a gap and providing a mechanism for changing the thermal resistance between the heater and the substrate, heating and / or heat dissipation by the heater can be promoted, and also by this, the ink can be obtained at short time intervals. Droplets can be ejected. Accordingly, the time required for printing can be shortened and the resolution can be improved.
[0059]
In particular, such a mechanism for changing the thermal resistance is configured with an arrangement of electrodes in which the distance between the heater and the heater changes due to electrostatic force generated by applying a predetermined driving voltage, so that a short time interval can be achieved with a simple configuration. Thus, ink droplets can be ejected.
[0060]
(2) Second embodiment
In this embodiment, the
[0061]
If the mechanism for drawing the thin film heater H by the
[0062]
Here, using the
[0063]
According to the second embodiment, ink droplets can be ejected with less power than in the prior art, without arranging electrodes under the gap. Further, since it is not necessary to arrange an electrode under the gap, the thermal head process can be simplified as compared with the first embodiment.
[0064]
(3) Third embodiment
(3-1) Configuration of the third embodiment
FIG. 7 is a cross-sectional view of the thermal head shown in comparison with FIG. In the printer according to this embodiment, a desired image or the like is printed by the
[0065]
That is, in the
[0066]
Subsequently, as shown in FIGS. 8A2 and 8B2, the
[0067]
Subsequently, the
[0068]
Subsequently, after depositing an electrode material such as aluminum with a film thickness of 1200 [nm], the
[0069]
Subsequently, in the
[0070]
The
[0071]
Further, as shown in FIGS. 10A6 and B6, the
[0072]
The
[0073]
(3-2) Operation of the third embodiment
In the configuration described above, the printer according to this embodiment (FIG. 7) is configured so that, in the semiconductor manufacturing process, after the transistors constituting the drive circuit, the thin film heater H, etc. are formed on the
[0074]
In this semiconductor manufacturing process, the
[0075]
In the
[0076]
In this
[0077]
As a result, the overall thermal resistance between the substrate and the heater can be set to the same level as that of the
[0078]
Furthermore, the
[0079]
On the other hand, when the heater temperature is lowered by stopping the heating of the heater, the heater is deformed so that the volume of the gap is restored, thereby reducing the thermal resistance between the heater and the substrate, Cooling of the heater is promoted (FIG. 7C). That is, when the heating of the heater is stopped, the thermal resistance between the substrate and the heater changes so as to promote the cooling of the heater, and hence the cooling of the ink.
[0080]
Thereby, in this embodiment, a control mechanism for promoting heating and cooling is configured by changing the thermal resistance between the substrate and the heater by selecting the heater material and forming the gap. .
[0081]
FIG. 11 is a characteristic curve diagram showing the heat distribution during heating in the
[0082]
Thereby, in the thermal head, ink droplets can be ejected with a simpler configuration at a time interval that is much shorter than that in the past.
[0083]
According to the result of the experiment with the thermal head configured under the same conditions as in the first embodiment, the voltage at which ink is stably ejected from all the nozzles of this printer head is 1.5 [μsec]. In the case of time, it was 2.86 [V], and it was found that the power consumption by the heater was 250 [mW]. Further, it was found that the temperature distribution before driving was almost restored within 29 [μsec] (35 [kHz]) after the heater driving was stopped.
[0084]
(3-3) Effects of the third embodiment
According to the above configuration, the same effect as that of the first embodiment can be obtained even when the heater is deformed so as to be away from the substrate to form a gap.
[0085]
In addition, since the heater is formed of a material having a large linear expansion coefficient with respect to the substrate, the size of the gap is increased by heating with the heater and the heating by the heater is accelerated. Therefore, cooling by the heater can be promoted. Therefore, heating and cooling of the ink can be promoted with a simple configuration, and this also makes it possible to eject ink droplets at a further shorter time interval and to reduce power consumption.
[0086]
In addition, since the release layer, which is a film material that promotes deformation of the heater, is formed between the substrate and the heater, the heater can be easily deformed.
[0087]
(4) Fourth embodiment
As shown in FIG. 12, the
[0088]
In this case, when there is no protective layer, the thermal resistance to the ink is lower than that of the
[0089]
In this case, the thin film heater is in direct contact with the ink. However, since the thin film heater is made of highly stable platinum, the corrosion of the thin film heater due to the electrolyte in the ink central processing unit is prevented, and the ink liquid By preventing the occurrence of cavitation in the room, it was possible to ensure the same level of reliability as in the third embodiment.
[0090]
According to this embodiment, in addition to the configuration of the third embodiment, by omitting the protective layer and the anti-cavitation layer, the thermal resistance to the ink can be reduced, and a simple configuration correspondingly. Thus, ink droplets can be ejected at even shorter time intervals, and power consumption can be reduced.
[0091]
In addition, when a protective layer and an anti-cavitation layer are disposed on the thin film heater H, a film having a multilayer structure is curved, and there is a risk of causing interlayer breakdown. If the layer is omitted, such an interlaminar breakdown can be prevented, and high reliability can be ensured accordingly.
[0092]
(5) Other embodiments
In the first and second embodiments described above, the case where the gap is formed by selective etching of a predetermined member has been described. However, the present invention is not limited to this, and for example, JP-A-11-271123. For example, when the void is formed by anisotropic etching disclosed in the above, various micromachining techniques can be applied to form the void.
[0093]
In the third and fourth embodiments described above, the case where the gap is formed by deforming the heater by heating the heater has been described. However, the present invention is not limited to this, and various machining processes such as suction may be used. The air gap can be formed by deforming the heater using the means.
[0094]
In the first and second embodiments described above, the case where the heater is attracted to the substrate by the electrostatic force of the electrode formed on the substrate side and the heater to promote cooling has been described, but the present invention is not limited to this. It is possible to arrange and configure this type of electrode in various ways, such as a mechanism that separates the electrode and pulls the heater away from the substrate by electrostatic force, and a mechanism that promotes heat dissipation by bringing the electrode side closer to the heater. Conceivable.
[0095]
In the above-described embodiment, the case where the size of the gap is changed by electrostatic force and heat has been described. However, the present invention is not limited to this, and these may be combined.
[0096]
In the above-described embodiment, the case where the size of the gap is changed by electrostatic force and heat has been described. However, the present invention is not limited to this. And / or cooling may be promoted.
[0097]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a gap is formed between the heater and the substrate, and a mechanism for changing the thermal resistance between the heater and the substrate by forming such a gap is provided. Ink droplets can be ejected at a short time interval, or power consumption can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a thermal head applied to a printer according to a first embodiment of the present invention.
2A and 2B are a plan view and a cross-sectional view for explaining a manufacturing process of the thermal head in FIG.
FIG. 3 is a plan view and a cross-sectional view showing a continuation of FIG. 2;
4 is a plan view and a cross-sectional view showing a continuation of FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a signal waveform diagram for explaining the operation of the drive circuit of FIG. 1;
FIG. 6 is a chart showing characteristics of the thermal head of FIG. 1 in comparison with a conventional thermal head.
FIG. 7 is a schematic diagram showing a thermal head applied to a printer according to a third embodiment of the invention.
8A and 8B are a plan view and a cross-sectional view for explaining a manufacturing process of the thermal head in FIG.
FIG. 9 is a plan view and a cross-sectional view showing a continuation of FIG. 8;
10 is a plan view and a cross-sectional view showing a continuation of FIG. 9;
11 is a characteristic curve diagram showing a temperature distribution of the thermal head of FIG. 7. FIG.
FIG. 12 is a schematic diagram showing a thermal head applied to a printer according to a fourth embodiment of the invention.
13A and 13B are a plan view and a cross-sectional view showing a conventional thermal head.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (14)
前記プリンタヘッドは、
所定の基板上に形成されたヒーターによるインク液室のインクの加熱により、前記インク液室のノズルより前記インク液滴を飛び出させ、
前記ヒーターが、空隙を間に挟んで、前記基板上に形成され、
前記空隙を間に挟んで前記ヒーターと対向するように、前記基板に形成された電極と、
前記ヒーターと前記電極の間に、前記ヒーターを前記電極に向かって撓ませる所定の駆動用電圧を印加する駆動機構と、を更に備えることを特徴とするプリンタ。In a printer that prints the print object by ejecting ink droplets from the printer head and attaching them to the print object,
The printer head is
By heating the ink in the ink chamber with a heater formed on a predetermined substrate, the ink droplets are ejected from the nozzle in the ink chamber,
The heater is formed on the substrate with a gap in between ;
An electrode formed on the substrate so as to face the heater with the gap in between;
A printer , further comprising: a driving mechanism that applies a predetermined driving voltage for deflecting the heater toward the electrode between the heater and the electrode .
前記インクが進入するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。The void is
The printer according to claim 1, wherein the printer is formed so that the ink enters.
前記基板より遠ざかるように、前記ヒーターを変形させて形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。The void is
The printer according to claim 1, wherein the heater is deformed so as to move away from the substrate.
前記インク液滴を印刷対象に付着させるプリンタヘッドにおいて、
前記ヒーターが、空隙を間に挟んで、前記基板上に形成され、
前記空隙を間に挟んで前記ヒーターと対向するように、前記基板に形成された電極を更に備え、
前記ヒーターと前記電極の間に所定の駆動用電圧が印加されると、前記ヒーターが前記電極に向かって撓むことを特徴とするプリンタヘッド。By heating the ink in the ink chamber with a heater formed on a predetermined substrate, ink droplets are ejected from the nozzles in the ink chamber,
In a printer head that attaches the ink droplets to a print target,
The heater is formed on the substrate with a gap in between ;
Further comprising an electrode formed on the substrate so as to face the heater with the gap in between,
The printer head according to claim 1, wherein when a predetermined driving voltage is applied between the heater and the electrode, the heater bends toward the electrode .
前記インクが進入するように形成されたことを特徴とする請求項5に記載のプリンタヘッド。The void is
The printer head according to claim 5 , wherein the ink head is formed so that the ink enters.
前記基板より遠ざかるように、前記ヒーターを変形させて形成されたことを特徴とする請求項5に記載のプリンタヘッド。The void is
The printer head according to claim 5 , wherein the printer is formed by deforming the heater so as to move away from the substrate.
前記インク液滴を印刷対象に付着させるプリンタヘッドの製造方法において、
空隙を間に挟んで、前記ヒーターを前記基板上に形成し、
前記空隙を間に挟んで前記ヒーターと対向するように、前記基板に電極を形成し、
前記ヒーターと前記電極の間に所定の駆動用電圧が印加されると、前記ヒーターが前記電極に向かって撓むことを特徴とするプリンタヘッドの製造方法。By heating the ink in the ink chamber with a heater formed on a predetermined substrate, the ink droplets are ejected from the nozzle in the ink chamber,
In the method of manufacturing a printer head for attaching the ink droplets to a printing target,
Forming the heater on the substrate with a gap in between ;
Forming an electrode on the substrate so as to face the heater with the gap in between;
A method of manufacturing a printer head , wherein the heater is bent toward the electrode when a predetermined driving voltage is applied between the heater and the electrode .
前記所定の部材を除去して、前記空隙を形成することを特徴とする請求項9に記載のプリンタヘッドの製造方法。After forming the heater on the substrate with the predetermined member in between,
The method for manufacturing a printer head according to claim 9 , wherein the gap is formed by removing the predetermined member.
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