JP4719323B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体発光装置の製造方法に関する。
青色や近紫外線LED(Light Emitting Diode)を光源とし蛍光体により白色光を発光する発光装置は、照明装置、画像表示装置のバックライト光源などに用途が拡大してきており、高効率化の要求が強まっている。従来、リードフレーム上に発光素子チップを実装し、樹脂成型を行った表面実装型発光装置が製品化されているが、さらに光の取り出し効率を向上させる目的で、発光層の支持基板をレーザーリフトオフ法により剥離する技術が提案されている(特許文献1)。
レーザーリフトオフ法により基板を剥離する際には、発光層を含む半導体層における基板との界面に形成された部分が急激に低融点金属とガスに熱分解し、それにより生じる衝撃波によって半導体層や基板がダメージを受ける場合がある。
米国特許第7241667号明細書
本発明は、レーザーリフトオフ法による基板と半導体層との分離を良好に行える半導体発光装置の製造方法を提供する。
実施形態によれば、半導体発光装置の製造方法は、基板の主面上に、発光層を有し、分離溝によって複数に分離された半導体層と、前記半導体層及び前記分離溝の底面を覆い、前記半導体層に比べて柔軟性があり、且つ厚い絶縁膜とを含む積層体を形成する工程を有する。さらに、半導体発光装置の製造方法は、レーザ光の照射範囲の縁部が前記分離溝に隣接する前記半導体層の縁部近傍に位置するように、前記基板における前記主面の反対面側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記半導体層と前記基板とを分離する工程を有する。さらに、半導体発光装置の製造方法は、前記半導体層と前記基板とを分離した後、前記絶縁膜における前記分離溝の前記底面とは反対側の面を露出させた状態で、前記分離溝の位置で前記絶縁膜を切断して前記積層体を個片化する工程を有する。
本発明によれば、レーザーリフトオフ法による基板と半導体層との分離を良好に行える半導体発光装置の製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。 図1に続く工程を示す模式断面図。 本発明の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法における分離溝の平面レイアウト及びレーザ光の照射範囲を示す模式図。 本発明の他の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。 本発明の他の実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図2(d)は、本発明の実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図2(d)には、ウェーハ状態から分離された例えば2つの半導体発光装置が示される。
本実施形態に係る半導体発光装置は、発光素子12と配線部とを有する。発光素子12は、半導体層12aと半導体層12bとを有する。半導体層12bは、発光層をp型クラッド層とn型クラッド層とで挟んだ構造を有する。半導体層12aは、例えばn型であり、電流の横方向経路として機能する。但し、半導体層12aの導電型はn型に限らず、p型であってもよい。
半導体層12aの表面は光取り出し面60として機能する。半導体層12aにおける光取り出し面60の反対側の面の一部には半導体層12bが設けられていない。その部分にはn側電極13が形成されている。半導体層12bにおける半導体層12aが設けられた面の反対側の面にはp側電極14が形成されている。
半導体層12a及び半導体層12bにおける光取り出し面60の反対側は、絶縁膜15で覆われている。光取り出し面60は絶縁膜15から露出している。絶縁膜15における光取り出し面60の反対側の面には、n側配線層18とp側配線層19とが互いに分離して形成されている。
n側電極13とn側配線層18とは、n側コンタクト部16を介して電気的に接続されている。p側電極14とp側配線層19とは、p側コンタクト部17を介して電気的に接続されている。
n側配線層18の下にはn側金属ピラー21が設けられている。p側配線層19の下にはp側金属ピラー22が設けられている。n側金属ピラー21の周囲、p側金属ピラー22の周囲、n側配線層18およびp側配線層19は、樹脂20で覆われている。
n側金属ピラー21及びp側金属ピラー22における樹脂20から露出する下端面には、はんだボール、金属バンプなどからなり、外部回路と接続される外部接続端子23が設けられている。
半導体層12aは、n側電極13、n側コンタクト部16、n側配線層18およびn側金属ピラー21を介して、外部接続端子23と電気的に接続されている。半導体層12bは、p側電極14、p側コンタクト部17、p側配線層19およびp側金属ピラー22を介して、外部接続端子23と電気的に接続されている。
半導体層12a、12bが薄くても、n側金属ピラー21、p側金属ピラー22および樹脂20を厚くすることで機械的強度を保つことが可能となる。また、外部接続端子23を介して各半導体発光装置を回路基板等に実装した場合に、外部接続端子23を介して発光素子12に加わる応力を、n側金属ピラー21とp側金属ピラー22が吸収することで緩和することができる。
次に、図1〜3を参照して、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基板1の主面上に半導体層12aと半導体層12bとの積層体を形成する。半導体層12bは半導体層12a上の全面に形成された後、図示しないレジストマスクを用いてパターニングされ複数に分離される。例えば、発光層が窒化物系半導体の場合、半導体層12a、12bはサファイアなどの基板1上に結晶させることができる。
次に、半導体層12aの一部をRIE(Reactive Ion Etching)やレーザーアブレーション等により除去し、図1(b)に示すように、分離溝31を形成する。この分離溝31により、半導体層12a及び半導体層12bは、基板1の主面上で複数の発光素子12に分離される。分離溝31は、例えば図3(a)に示すように格子状に形成される。各々の発光素子12の平面形状は略四角形状に形成され、その周囲を分離溝31が枠状に囲んでいる。
半導体層12bの表面には、p側電極14が形成される。半導体層12aの表面における半導体層12bで覆われていない部分には、n側電極13が形成される。
次に、図1(c)に示すように、基板1上に、半導体層12a及び半導体層12bを覆う絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は、例えば感光性のポリイミドなどの有機材料からなる。これにより、分離溝31は、絶縁膜15により埋められる。
次に、絶縁膜15に、n側電極13に達する開口及びp側電極14に達する開口を形成した後、n側電極13に達する開口内にn側コンタクト部16を設け、p側電極14に達する開口内にp側コンタクト部17を設ける。さらに、絶縁膜15上に、n側コンタクト部16と接続するn側配線層18と、p側コンタクト部17と接続するp側配線層19を形成する。
n側コンタクト部16、p側コンタクト部17、n側配線層18およびp側配線層19は、例えばめっき法で形成される。すなわち、絶縁膜15に形成した開口の内壁および絶縁膜15の表面上に図示しないシード金属を形成した後、金属の析出が行われる。
次に、図1(d)に示すように、n側配線層18上にn側金属ピラー21を設け、p側配線層19上にp側金属ピラー22を設ける。これらn側金属ピラー21及びp側金属ピラー22の周囲には、樹脂20が充填される。樹脂20は、n側配線層18、p側配線層19、n側金属ピラー21の周囲およびp側金属ピラー22の周囲を覆う。n側金属ピラー21及びp側金属ピラー22の上面は、樹脂20から露出される。樹脂20は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などにフィラーを混入させた構成を有する。分離溝31上の絶縁膜15上にも、樹脂20が設けられる。
n側コンタクト部16、p側コンタクト部17、n側配線層18、p側配線層19、n側金属ピラー21、p側金属ピラー22の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜15との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
図1(d)の構造が得られた後、図2の工程が続けられる。なお、図2では、基板1と発光素子12との上下方向の位置関係を図1とは逆に図示している。
図2(a)は、レーザーリフトオフ法による基板1の剥離工程を示す。レーザ光Lは、基板1における発光素子12が形成された主面の反対面(裏面)側から半導体層12aに向けて照射される。レーザ光Lは、基板1に対しては透明であり(透過性を有し)、半導体層12aに対しては吸収領域となる波長を有する。
レーザ光Lが基板1と半導体層12aとの界面に到達すると、その界面付近の半導体層12aはレーザ光Lのエネルギーを吸収して熱分解する。例えば、半導体層12aがGaNの場合、Gaと窒素ガスに分解する。Gaは半導体層12a側に残る。この熱分解により、基板1と半導体層12aとの間に微小な隙間が形成され、基板1と半導体層12aとが分離する。
レーザ光Lは、例えば一つの発光素子12ごとに照射される。このとき、レーザ光Lの照射範囲の縁部が分離溝31に位置するようにする。図2(a)、図3(b)において、レーザ光Lの照射範囲の縁部50を破線で示す。その縁部50の内側の略四角い領域が、1ショットのレーザ光照射範囲である。
レーザ光Lの照射時、半導体層12aが急激に熱分解することで気化したガスが発生する。このとき、高い圧力のガスによって半導体層12a、12bが衝撃を受け、半導体層12a、12bにクラック、結晶転移、破砕などが生じてしまうことがある。半導体層12aの熱分解により発生したガスは、基板1と半導体層12aとの間に生じた隙間を介して面方向に拡散することができる。しかし、レーザ光Lの照射範囲の外側はレーザ加熱されずに固相の状態であるので、その固相部分によってガスの拡散が規制され、その縁部50でガス圧力が高くなりやすい。また、レーザ光Lの照射部と未照射部との間のエネルギー差、温度差、相の違いなどによって、レーザ光Lの照射範囲の縁部50には大きな応力が作用しやすい。したがって、特にレーザ光Lの照射範囲の縁部50で半導体層12a、12bにダメージが生じやすい。
そこで、本実施形態では、分離溝31にレーザ光Lの照射範囲の縁部50を位置させてレーザ光Lの照射を行う。分離溝31には半導体層12a、12bが存在せず、よって、半導体層12a、12bにレーザ光Lの照射範囲の縁部50が位置しない。これにより、半導体層12a、12bがダメージを受けるのを防ぐことができる。
また、分離溝31には、半導体層12a、12bに比べて柔軟性がある例えばポリイミド等の絶縁膜15が設けられ、その絶縁膜15が変形することで応力が緩和され、半導体層12a、12bに大きな応力が作用するのを防ぐことができる。また、絶縁膜15の変形により生じた、分離溝31における基板1と絶縁膜15との隙間を介して、ガスを逃がすことも可能である。
さらに、分離溝31が空洞であるときには、半導体層12aとの屈折率差が大きいため、分離溝31付近でのレーザ光Lの波面が大きく半導体層12a側に屈折することになり電界強度が大きく乱れる。したがって、半導体層12a端部付近でレーザ光Lの強度が乱れる原因となり、レーザーリフトオフ法による基板1の剥離条件が不安定になりやすいという問題が起こり得る。
それに対して、本実施形態のように、絶縁膜15が分離溝31に充填されているときは、屈折率差が小さくなり、レーザ光Lの波面の屈曲は小さくなり、レーザ光Lの強度分布をより安定化することが可能となり、剥離条件が不安定化となることを防げる。
分離溝31には、絶縁膜15が充填されていることが好ましいが、充填されていなくとも、基板1の主面上で半導体層12aの周辺近傍に絶縁膜15が設けられていれば、上記の屈折率差によるレーザ光Lの波面屈曲は抑えられ、強度分布が安定化し剥離条件が安定化しやすいという効果を得られる。
以上説明したように、本実施形態では、レーザ光Lの照射時における半導体層12a、12bのダメージを防ぐことができる。これにより、発光効率や光取り出し効率の低下、電流リークを防止することが可能となる。
他の発光素子12についても同様に、図2(b)に示すように、レーザ光Lの照射範囲の縁部50が分離溝31に位置するようにしてレーザ光Lの照射を行う。これにより、その発光素子12についても、半導体層12a、12bがダメージを受けることなく、基板1と半導体層12aとの分離を行うことができる。
以上説明したようなレーザ光Lの照射をウェーハの全発光素子12について行い、ウェーハ全体にわたって基板1と半導体層12a、12bとを分離させる。また、分離溝31にもレーザ光Lが照射されることで、その分離溝31に設けられた絶縁膜15と基板1との密着力が低減する。これにより、発光素子12上から基板1を剥離することが可能となる。分離溝31で絶縁膜15と基板1とが接している面積は、ウェーハ全体の面積に比べてごくわずかである。したがって、分離溝31における絶縁膜15と基板1とは完全に分離されなくても、その密着力を低減させるだけでも基板1を剥離することができる。
また、先にレーザ光Lの照射が行われた図2(a)に示すときのレーザ光Lの照射範囲と、これより後にレーザ光Lの照射が行われた図2(b)に示すときのレーザ光Lの照射範囲とが、分離溝31で若干重なるようにする。これにより、分離溝31に設けられた絶縁膜15にレーザ光Lの未照射部が生じることがなく、その絶縁膜15と基板1との密着力を確実に低減させ、基板1の剥離を容易にする。
このとき、重なったレーザ光Lの部分には、絶縁膜15が設けられているので、分離溝31が空洞になっているものに比べて、屈折率差によるレーザ光Lの波面屈曲は抑えられ、強度分布が安定化し剥離条件が安定化しやすいという効果が得られる。
あるいは、隣接する照射範囲は分離溝31で重ならなくてもよい。この場合、分離溝31に設けられた絶縁膜15にレーザ光Lの未照射部が生じることになる。基板1の剥離に影響がない程度に、絶縁膜15に多少の未照射部が生じてもかまわない。
また、ウェーハ外周側の発光素子12から先にレーザ光照射を行うことで、外周側の半導体層12aと基板1との間の隙間や、その半導体層12aの周囲の分離溝31の絶縁膜15と基板1との間の隙間を介して、ウェーハ内周側の発光素子12にレーザ光照射を行ったときに発生したガスをウェーハ外の空間へと逃がすことが可能となる。すなわち、ウェーハ外周側から先にレーザ光照射を行って、ウェーハ外へと通じるガスの逃げ道を内周側に順次つなげていくようにする。これにより、ウェーハ全体にわたって各発光素子12のダメージを防ぐことができる。
分離溝31が、絶縁膜15で充填されていたとしても、ガス圧が上昇したときに樹脂が変形あるいは基板1から微小に剥離することにより生じた隙間を通してガス圧を逃がすことが可能となり、半導体層12a、12bの損傷を低減することが可能という効果を得られる。
レーザ光Lの照射は、分離溝31によって分離された一つの発光素子12ごとに行うことに限らず、複数の発光素子12ごとに行ってもよい。図3(c)には、例えば4つの発光素子12に対して1ショットのレーザ光照射を行う例を示す。複数の発光素子12ごとに照射する場合も、レーザ光Lの照射範囲の縁部50が分離溝31に位置するようにする。
基板1の剥離後、図2(c)に示すように、n側金属ピラー21及びp側金属ピラー22の下端部に、外部接続端子23として機能するはんだボール、金属バンプなどを形成する。その後、分離溝31に沿ってダイシングし、図2(d)に示すように個片化する。個片化する単位は、一つの発光素子12ごとでもよいし、複数の発光素子12を一つのブロックとして個片化してもよい。
ダイシングされるまでの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、低コストでの生産が可能となる。また、ウェーハレベルで、保護樹脂、配線、電極等を含むパッケージ構造が形成されるため、半導体発光装置の平面サイズをベアチップ(発光素子12)の平面サイズに近くした小型化が容易になる。
次に、図4(a)は、レーザ光Lの照射範囲の縁部50を、分離溝31に隣接する半導体層12aの縁部12eまたはその縁部12eよりも若干半導体層12a側の内側に位置させた形態を示す。
レーザ光Lの照射時、エネルギー、温度、相などが大きく変化する境界で、半導体層12a、12bのダメージが生じやすい。レーザ照射条件や照射対象物によっては、エネルギー、温度、相などが大きく変化する境界が、必ずしも照射範囲の縁部50になるとは限らない。その縁部50よりも外側の部分にも若干レーザ光Lのエネルギーや熱がおよぶこともある。その場合、エネルギー、温度、相などが大きく変化する境界は、照射範囲の縁部50よりも外側ということになる。
そこで、図4(a)に示す形態では、レーザ光Lの照射範囲の縁部50を、半導体層12aの縁部12eまたはその縁部12eよりも若干半導体層12a側の内側に位置させることで、エネルギー、温度、相などが大きく変化する境界が分離溝31に位置するようにする。そして、エネルギー、温度、相などが大きく変化する境界が位置する分離溝31には半導体層12a、12bが存在しないので、半導体層12a、12bに対するダメージを防ぐことができる。
また、分離溝31の絶縁膜15がレーザ光Lの照射範囲にかからないため、分離溝31の絶縁膜15に過大なエネルギーや熱が作用することを抑制できる。これにより、絶縁膜15にクラックが生じることによる信頼性の低下や、絶縁膜15が大きく変形し半導体層12a、12bに対して応力を与えてしまうといったことを防ぐことが可能となる。
次に、図4(b)は、基板1に溝32を形成した形態を示す。溝32は、基板1における分離溝31に対向する部分に形成される。溝32は、例えば図3(a)に示される分離溝31と同様にウェーハ全体にわたって格子状に形成される。溝32の幅は分離溝31の幅よりも小さく、半導体層12aの縁部は溝32にかかっていない。
レーザ光Lの照射時、基板1と半導体層12aとの界面で発生したガスを、溝32を介してウェーハ外へと逃がすことが可能である。レーザ光Lの照射時、分離溝31における絶縁膜15は基板1との密着力が低下し、あるいは変形する。これにより、基板1と半導体層12aとの界面で発生したガスは、絶縁膜15と基板1との間を通りやすくなり、溝32に到達可能である。
溝32を形成することで、レーザ光Lの照射時に発生したガスを効果的に逃がすことができ、発光素子12付近でガス圧力が高まるのを防ぐことができる。この場合、ウェーハの外周側からレーザ光照射を行わなくても、ウェーハ全体にわたって既にガス抜きのための溝32が形成されているため、先にウェーハ内周側に対してレーザ光照射を行っても溝32を介して、発生したガスをウェーハ外に逃がすことができる。
前述した図1(b)に示す工程で分離溝31を形成した後、その分離溝31に対向する部分に溝32は形成される。その後、基板1の主面上に絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は液状もしくは粘性のある状態で基板1の主面上に供給された後硬化する。そこで、溝32の幅を例えば1μm以下と微細にし、絶縁膜15として比較的粘度の高い例えばポリイミドを用いることで、溝32が絶縁膜15で埋まらないようにできる。
また、図4(c)に示すように、絶縁膜15側に溝33を形成してもよい。溝33は、分離溝31に設けられた絶縁膜15中の空所として形成されている。溝33も、例えば図3(a)に示される分離溝31と同様にウェーハ全体にわたって格子状に形成される。溝33の幅は分離溝31の幅よりも小さく、半導体層12aの縁部は溝33にかかっていない。
この場合も、レーザ光Lの照射時、基板1と半導体層12aとの界面で発生したガスを、溝33を介してウェーハ外へと逃がすことが可能である。さらに、ウェーハの外周側からレーザ光照射を行わなくても、ウェーハ全体にわたって既にガス抜きのための溝33が形成されているため、先にウェーハ内周側に対してレーザ光照射を行っても溝33を介して、発生したガスをウェーハ外に逃がすことができる。
図1(d)の工程の後、分離溝31に設けられた絶縁膜15に局所的に基板1の裏面側からレーザ光を照射するレーザーアブレーションを行うことで、絶縁膜15に空所を形成することができる。このときのレーザ光は、基板1剥離時のレーザ光Lよりも照射範囲が狭く、スポット状に絞り込まれている。このレーザーアブレーションにより、分離溝31に設けられた絶縁膜15の一部を気化させて溝33を形成することができる。したがって、少なくとも溝33を形成する部分は、レーザーアブレーションによって気化する例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの樹脂にすることが望ましい。溝33はウェーハ全体にわたって形成されるため、気化した樹脂はその溝33を介してウェーハ外に抜ける。
図5は、半導体層12aを分離する分離溝の他の形成方法を示す。
この方法では、前述した図1(b)に示す段階で分離溝31の形成工程は行われずに、図1(d)の工程まで進められる。したがって、図5(a)に示すように、半導体層12aは分離されずつながったままである。
そして、図5(b)に示すように、分離溝を形成する部分にのみ局所的に基板1の裏面側からレーザ光L’を照射するレーザーアブレーションを行う。このレーザ光L’は、基板剥離時のレーザ光Lよりも照射範囲が狭く、スポット状に絞り込まれている。このレーザーアブレーションにより、半導体層12aを気化させて除去する。これにより、半導体層12aを分離する分離溝34が形成される。この分離溝34内には絶縁膜15が設けられていないので、基板剥離時のレーザ光Lの照射により発生するガスの逃げ道としても機能する。分離溝34も、ウェーハ全体にわたって例えば格子状に形成される。
また、半導体層12aを確実に完全に分離させるために、分離溝34を形成する部分の半導体層12aに接する絶縁膜15の一部もレーザーアブレーションにより除去することが望ましい。したがって、その部分は、前述したポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの、レーザーアブレーションによって気化する材料にしておくのが望ましい。また、絶縁膜15の一部を除去することで、ガスを逃がすための経路の断面積を増大して、ガスを効率的に逃がすことも可能となる。
基板剥離時には、図5(c)に示すように、レーザ光Lの照射範囲の縁部50が、発光素子12が存在しない分離溝34に位置するようにレーザ光Lを照射する。これにより、発光素子12のダメージを防ぐことができる。さらに、空所である分離溝34を介してガスを逃がすことができるので、発光素子12付近のガス圧力の高まりをより効果的に回避することができる。
図6(a)は、半導体層12a、12bの側面を、酸化珪素や窒化珪素などの誘電体等からなるパッシベーション膜70で覆った構造を示す。これにより、リーク電流を抑制し、また半導体層12a、12bの側面の酸化による信頼性低下を防止できる。パッシベーション膜70を分離溝31では分割することにより、レーザーリフトオフ法による基板1の剥離時の衝撃をパッシベーション膜70を介して隣接素子に伝播させないことが可能となる。
また、図6(b)に示すように、分離溝31の位置で、パッシベーション膜70下に空洞71を形成することで、レーザーリフトオフ時に発生するガスの逃げ道を積極的に確保可能となり、衝撃による半導体層12a、12bの破損を抑制可能となる。空洞71は、基板1上の分離溝31に犠牲層を形成し、その犠牲層をエッチングなどにより除去することで形成可能である。
以上、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明した。しかしながら本発明はこれらに限定されない。基板、発光素子、電極、配線層、金属ピラー、絶縁膜、樹脂の材料、サイズ、形状、レイアウトなどに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
1…基板、12…発光素子、12a,12b…半導体層、13…n側電極、14…p側電極、15…絶縁膜、18…n側配線層、19…p側配線層、20…樹脂、21…n側金属ピラー、22…p側金属ピラー、31,34…分離溝、50…レーザ光の照射範囲の縁部

Claims (9)

  1. 基板の主面上に、発光層を有し、分離溝によって複数に分離された半導体層と、前記半導体層及び前記分離溝の底面を覆い、前記半導体層に比べて柔軟性があり、且つ厚い絶縁膜とを含む積層体を形成する工程と、
    レーザ光の照射範囲の縁部が前記分離溝に隣接する前記半導体層の縁部近傍に位置するように、前記基板における前記主面の反対面側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記半導体層と前記基板とを分離する工程と、
    前記半導体層と前記基板とを分離した後、前記絶縁膜における前記分離溝の前記底面とは反対側の面を露出させた状態で、前記分離溝の位置で前記絶縁膜を切断して前記積層体を個片化する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
  2. 前記絶縁膜を形成する工程は、
    前記分離溝の前記底面を覆う第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜とは異なる材料からなる樹脂層を前記第1の絶縁膜上に形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置の製造方法。
  3. 前記半導体層における前記基板に対する反対側の面に、電極を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜を貫通して前記電極に達するコンタクト部を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜上に、前記コンタクト部を介して前記電極と電気的に接続された配線層を形成する工程と、
    前記配線層における前記第1の絶縁膜に対する反対側の面に金属ピラーを形成する工程と、
    をさらに備え、
    前記金属ピラーを形成した後、前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項2記載の半導体発光装置の製造方法。
  4. 前記樹脂層は、前記配線層及び前記金属ピラーの周囲を覆うことを特徴とする請求項3記載の半導体発光装置の製造方法。
  5. 前記レーザ光の照射範囲の縁部が、前記分離溝に位置するように前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
  6. 前記レーザ光の照射範囲の縁部が、前記分離溝よりも前記半導体層側に位置するように前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
  7. 前記第1の絶縁膜として樹脂を前記分離溝に充填することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
  8. 前記基板における前記分離溝に対向する部分に溝を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
  9. 前記分離溝の少なくとも一部に前記第1の絶縁膜が設けられない空所を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
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