JP4719076B2 - ビニル重合体製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビニル重合体製造方法に関する。
従来、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム トリフルオロメチルスルホネート、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のイオン性液体がビニル重合開始剤となりうることが、本発明者により発見されている(非特許文献1参照)。
菅野修一、「イオン性液体のビニル重合開始能に関する検討」、「トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド存在下でのアクリル酸エステル類の特殊なラジカル重合」、高分子学会予稿集、社団法人高分子学会、2005年5月10日、第54巻、第116頁、第117頁
(1)塩はプラスに荷電したカチオン種とマイナスに荷電したアニオン種からなり、その多くはイオン間の強い静電的相互作用により通常の場合は、結晶を形成し室温で固体となる。一方、1900年代初頭にカチオン種とアニオン種からなる塩であっても、室温で液体として存在する化合物が報告され、現在ではそのような化合物を総称してイオン性液体あるいはイオン液体と呼んでいる。このイオン性液体は水や有機溶媒などの分子性液体とは異なり、不揮発性・不燃性で良好な導電性を有することから電気化学デバイスやシステムの電解質としての応用研究に加え、最近ではイオン性液体がリサイクル使用も可能なため、従来の有機溶媒に代わるグリーンな溶媒として期待されている。さらにイオン性液体は、カチオン種とアニオン種の組み合わせにより連続的に物性を変えることも可能なため、デザイナーソルベントとしても注目され、有機合成の分野における応用の試みも多く見られた。このようなイオン性液体の中でもイミダゾリウム塩は、種類が多くしかも安定であり、対アニオンの組み合わせによりにより性質が大きく変化する事が知られている。
本発明者は、これまでホスホニウム系イオン性液体をはじめとする複数のイオン性液体の特殊なビニル重合開始能を初めて明らかにし、報告してきた。
しかしながら、これまで、イミダゾリウム系イオン性液体のスチレン(St) ・メタクリル酸メチル(MMA) ・アクリル酸エチル(EA) などの各種の特異なビニル重合開始能については、知られていない。
(2)イオン液体はイオン性固体の水溶液とは異なり、イオンのまわりに水分子が存在しないため、イオンとイオンが隣接し、そのクーロン力による相互作用が強い。そのために、中性分子によって相互作用が緩和されたイオン性固体水溶液とはまったく異なる性質を示すことが多い。たとえば、化学的に安定・高温でも蒸気圧が低い・導電率が高い・物質をよく溶解する等の優れた性質を示す。このような性質を利用して、現在イオン液体の用途が急速に展開されている。中でも、有機合成化学の分野において合成反応、特に酸触媒反応や遷移金属触媒反応の媒体としてイオン液体を用いると、反応速度が促進される現象は多々報告されている。その他にも位置選性の向上や逆転などの興味深い報告もある。しかし、その理由については未だ明らかにはされていない。
このような中、本発明者はイオン液体そのものの反応性に着目し、ビニル重合開始剤としての検討を進めている。
しかしながら、これまで、グアニジニウム塩系イオン液体である N,N,N’,N’-テトラメチル-N''-エチルグアニジウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェート(N,N,N',N'-Tetramethyl-N''-ethylguanidinium tris(pentafluoroethyl)trifluorophosphate )(以下、[ewtmg]e3fapという)、グアニジウムトリフルオロメタンスルフォネート(Guanidinium trifluoromethanesulfonate(以下、[gua]otfという)、N,N,N'N'-テトラメチル -N''エチルグアニジニウムトリフルオロメタンスルフォネート(N,N,N'N'-Tetramethyl-N''ethylguanidinium trifluoromethanesulfonate)(以下、[ewtmg]otfという) のスチレン(St)・メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸メチル(MA)・アクリル酸エチル(EA)・アクリル酸ブチル(BA)のビニル重合開始能については知られていない。
(3)プラスに荷電したカチオンとマイナスに荷電したアニオンのみから構成され、室温付近で液体性状を有する有機塩がイオン性液体と呼ばれている。イオン性液体は、不揮発性・難燃性・比較的高い導電性を有することから、電気二重層キャパシターの電解質として注目されているのをはじめ、環境調和型の溶媒として、つまりは多くの揮発性有機溶媒の代替溶媒として盛んに研究されている。イオン性液体の多くは、窒素原子を中心元素とするオニウム塩がよく知られており、本発明者は、これまで、ビニル重合開始剤として様々なイオン性液体の重合開始能について検討してきた。
しかしながら、グアニジニウム塩系イオン性液体であるグアニジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェート(Guanidinium tris(pentafluorethyl) trifluorophosphate)(以下、[gua]e3fapという)のスチレン(St)・メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸メチル(MA)に対するビニル重合開始能については知られていない。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、イミダゾリウム系イオン性液体を重合開始剤に用いた、特異なビニル重合開始能を示す新規なビニル重合体製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
第1の本発明に係るビニル重合体製造方法は、イミダゾリウム塩系イオン性液体を重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることを特徴とし、アニオンとしてハロゲン化物イオンを有するイミダゾリウム塩系イオン性液体を重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることが好ましく、アニオンとして臭化物イオンを有するイミダゾリウム塩系イオン性液体を重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることが特に好ましい。このようなイミダゾリウム塩系イオン性液体としては、アルキルイミダゾリウムハロゲン化物があり、アルキルイミダゾリウムブロミドが好ましく、1-アルキル-3-アルキルイミダゾリウムブロミドがより好ましく、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムブロミド (1-Hexyl-3-methylimidazolium bromide)(以下、[hmim]Brという)、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムブロミド(1-Ethyl-3-methylimidazolium bromide)(以下、[emim]Brという)、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムブロミド(1-Butyl-3-metylimidazolium bromide) (以下、[bmim]Brという)、1−メチルー3−オクチルイミダゾリウムブロミド(1-Methyl-3-octylimidazolium bromide) (以下、[moim]Brという)が特に好ましい。
第1の本発明に係るビニル重合体製造方法は、空気雰囲気下で重合させてもよい。
第1の本発明に係るビニル重合体製造方法は、エーテル酸素を有する化合物を溶媒として溶液重合させることが好ましい。
第1の本発明に係るビニル重合体製造方法は、0℃乃至100℃の範囲で重合させることが好ましく、特に、40℃乃至80℃の範囲で重合させることが好ましい。
第1の本発明に係るビニル重合体製造方法では、重合させるビニルモノマーはメタクリル酸エステルであることが好ましい。
第1の本発明に係るビニル重合体は、前述の第1の本発明に係るビニル重合体製造方法により製造されることを特徴とする。
第1の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤は、イミダゾリウム塩系イオン性液体から成ることを特徴とし、アニオンとしてハロゲン化物イオンを有するイミダゾリウム塩系イオン性液体から成ることが好ましく、アニオンとして臭化物イオンを有するイミダゾリウム塩系イオン性液体から成ることが特に好ましい。
第2の本発明に係るビニル重合体製造方法は、グアニジニウムトリス(ペンタハロゲン化アルキル)トリハロゲン化フォスフェートを重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることを特徴とし、グアニジニウムトリス(ペンタフルオロアルキル)トリフルオロフォスフェートを重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることが好ましく、グアニジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェートを重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることが特に好ましい。
第2の本発明に係るビニル重合体製造方法は、空気雰囲気下で重合させてもよい。
第2の本発明に係るビニル重合体製造方法は、0℃乃至100℃の範囲で重合させることが好ましく、特に、0℃乃至40℃の範囲で重合させることが好ましい。
第2の本発明に係るビニル重合体製造方法で、重合させるビニルモノマーはスチレンであることが好ましい。
第2の本発明に係るビニル重合体は、前述の第2の本発明に係るビニル重合体製造方法により製造されることを特徴とする。
第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤は、グアニジニウムトリス(ペンタハロゲン化アルキル)トリハロゲン化フォスフェートから成ることを特徴とし、グアニジニウムトリス(ペンタフルオロアルキル)トリフルオロフォスフェートから成ることが好ましく、グアニジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェートから成ることが特に好ましい。
重合させるビニルモノマーは、一置換エチレン(ビニル化合物)、1,1-ニ置換エチレン(ビニリデン化合物)、1,2-ニ置換エチレン(ビニレン化合物)、1,1,2-三置換エチレン、1,1,2,2-四置換エチレン、環状オレフィンのいずれであってもよい。これらビニルモノマーの具体的な例としては、一置換エチレン(ビニル化合物)では、スチレン・アクリル酸メチル・アクリル酸エチル・アクリル酸ブチル・酢酸ビニル・メチルビニルケトン・N-ビニルカルバゾール・N-ビニルピロリドン・アクリルアミド・アクリロニトリルなど、1,1-二置換エチレン(ビニリデン化合物)では、メタクリル酸メチル・メタクリル酸アリル・シアン化ビニリデンなどの化合物がある。この中で、イオン性液体を開始剤として重合させるのに好ましいビニルモノマーは、ビニル化合物・ビニリデン化合物・環状オレフィンである。さらに好ましいビニルモノマーは、ビニル化合物・ビニリデン化合物である。特に、好ましいビニルモノマーとしては、スチレン、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル・アクリル酸エチル・アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メチルビニルケトン、その他のビニルモノマーが挙げられる。
各重合開始剤の濃度は、限定されないが、重合させるビニルモノマーに対して0.1モル%乃至10モル%の範囲が好ましく、0.5モル%乃至1モル%前後が特に好ましい。
反応条件は、空気雰囲気下であっても、不活性ガス雰囲気下であってもよい。
アクリル酸エステル、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸ブチルを重合させる場合、1-ドデカンチオールの存在下で重合させてもよい。このときの溶媒には、エーテル酸素を有する化合物、特に、ジグリムまたはテトラヒドロフランが好ましい。1-ドデカンチオールの添加量は、重合させるビニルモノマーに対し1乃至10モル%の範囲が好ましく、特に3モル%前後が好ましい。空気雰囲気下においても不活性ガス雰囲気下においても、1-ドデカンチオールの存在下で生成ポリマー分子量が著しく小さくなるほか、転化率が著しく大きくなる。このように、テロメリゼーションが促進されるので、テロマーを高収率で合成することが可能になる。
製造されるビニル重合体は、重合末端を除き、材料となるビニルモノマーを用いた通常の重合体と同様の繰返し単位を有する。ビニルモノマーの重合は、ラジカル重合であり、製造されるビニル重合体はラジカル重合体となる。
本発明に係るビニル重合体製造方法は、空気雰囲気下で重合させることが可能である。重合の際に使用する溶媒は、エーテル酸素を有する化合物、特に、ジオキサン、ジグリムまたはテトラヒドロフランが好ましい。重合は、0℃乃至100℃の範囲、好ましくは40℃乃至80℃の範囲で行うことが好ましい。0℃乃至100℃の範囲で重合させるのは、0℃未満では反応速度が実用的でなく、100℃を超える温度では熱重合を起こすためである。本発明において、「空気雰囲気下」とは、20容量%±5容量%の酸素を含む雰囲気を意味し、地球上で酸素量を調整しない雰囲気下であっても、20容量%±5容量%の範囲で酸素量を調整した雰囲気下であってもよい。
本発明において、製造されるビニル重合体またはラジカル重合体の数平均分子量(Mn)は、1000以上10万程度まで一般的には数万から数十万以下の範囲である。製造されるビニル重合体またはラジカル重合体は、ポリマーのほか、オリゴマーであってもよい。低い分子量で製造することにより、生分解性を高めることができる。
本発明に係るビニル重合体は、本発明に係るビニル重合体製造方法により製造することができる。
本発明に係るビニル重合体の重合開始剤は、前述の本発明に係るビニル重合体製造方法に用いられて、前述の本発明に係るビニル重合体を製造可能にする。
本発明に係るビニル重合体またはビニルラジカル重合体は、例えば、樹脂成形用の充填材として利用可能である。本発明に係るビニル重合体またはビニルラジカル重合体は、生分解性樹脂に充填されて成形されてもよい。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸その他の脂肪族ポリエステル樹脂を用いることができる。生分解性樹脂には、シリコーン系化合物、金属塩、金属水酸化塩、りん系化合物その他の難燃化合物が含まれていてもよい。また、生分解性樹脂には、ガラス繊維またはカーボン繊維が含まれていてもよい。本発明に係るビニル重合体またはラジカル重合体は、生分解性樹脂に充填されて成形された場合、廃棄後、生分解性樹脂が微生物の作用で自然に分解し、分散可能である。また、本発明に係るビニル重合体またはビニルラジカル重合体は、塗料、接着剤などに利用可能である。
イオン性液体の物理的化学的性質はまだまだ解明されていないことが多いが、本発明によりイオン性液体の新たな用途を提供できる。
第1の本発明において、空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下70℃における 第1の本発明に係る重合開始剤によるスチレン(St)のバルク重合はもちろん各種溶液重合は全く進行しないかほとんど進行しないのに対し、メタクリル酸メチル(MMA)の重合は限られた溶媒を用いた場合に進行し、特にテトラヒドロフラン(THF)を重合溶媒として用いた場合、最も速やかに進行する。ハロゲン化物イオン、特に、臭化物イオンが重合開始反応に大きな影響を及ぼすと同時に、この重合はラジカル機構で進行していると考えられる。また、この重合の重合速度は、モノマー濃度が濃くなるにしたがい小さくなる。このことから、この重合の開始ラジカルは第1の本発明に係る重合開始剤とモノマーであるMMA、そして溶媒であるTHFの相互作用の中で発生することが強く考えられる。
第2の本発明に関し、空気雰囲気下あるいはアルゴン雰囲気下70℃において [ewtmg]e3fap、[gua]otf、 [ewtmg]otfを開始剤とするスチレン(St)・メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸メチル(MA)・アクリル酸エチル(EA)・アクリル酸ブチル(BA)のバルク重合及び、溶媒としてベンゼン・トルエン・ジグリム・ジオキサン・四塩化炭素・DMF・DMSO・THFを用いた溶液重合について、これらイオン液体にビニル重合開始能が認められた。具体的には、(1)[ewtmg]e3fap はSt・BAに対するビニル重合開始能が認められるが、MMA・MA・EAに対するそれは認められない。(2)[gua]otfはMMAに対するビニル重合開始能が認められるが、St・MA・EA・BAに対するそれは認められない。(3)[ewtmg]otfはSt・MMA・MA・EA・BAに対するビニル重合開始能が認められる。
これらに対し、第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤は、Stのオリゴマーを高収率で得るための開始剤になる。空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における、第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤によるStのバルク重合及びベンゼン・トルエン・四塩化炭素溶液重合は70℃で進行し、生成物はオリゴマーである。しかし、第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤による70℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下のMMA・MAのバルク重合はもちろん様々な溶媒を用いた溶液重合は全く進まないかほとんど進まない。つまり、第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤にはモノマー選択性がある。また、この第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤によるStのバルク重合は0℃および30℃という比較的低い温度でも進行し、分子量の低いポリマーを生成する。さらに、ラジカル重合禁止剤であるHQやBHTの添加効果に加えて、ラジカル連鎖移動剤である1-DTの添加効果から、この重合がラジカル機構で進行することが強く考えられるものの、動力学的には通常のラジカル重合と異なっている。一方、第2の本発明に係るビニル重合体の重合開始剤によるアルゴン雰囲気下および空気雰囲気下でのStのトルエン溶液重合は反応温度40 ℃・50℃・60℃で速やかに進み、特に空気雰囲気下における重合は反応温度が高いほど生成物は分子量の低いオリゴマーとなる。これらの溶液重合においてもHQやBHTの添加で誘導期が観察されたり、1-DTの添加で重合が完全に禁止されることから、バルク重合同様ラジカル機構で重合が進行することがわかる。しかしながら、生成物の分子量は、これらの添加剤を共存させてもほとんど変わらず、分子量数千のレベルのオリゴマーを生成することができる。
本発明によれば、イミダゾリウム系イオン性液体を重合開始剤に用いた、特異なビニル重合開始能を示す新規なビニル重合体製造方法を提供することができる。
第1の本発明を実施するための最良の形態について、以下に詳細を説明する。
本実施の最良の形態は、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムブロミド (1-Hexyl-3-methylimidazolium bromide)([hmim]Br)、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムブロミド(1-Ethyl-3-methylimidazolium bromide)([emim]Br)、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムブロミド(1-Butyl-3-metylimidazolium bromide) ([bmim]Br)、1−メチルー3−オクチルイミダゾリウムブロミド(1-Methyl-3-octylimidazolium bromide) ([moim]Br)、 1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(1-Hexyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide)([hmim]TFSI)、 1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロフォスフェート(1-Hexyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate ([hmim]PF6)を開始剤とするビニルモノマーのラジカル重合に関する。
図1乃至図5は、本発明の実施の形態を示している。
[hmim]Br、 [emim]Br、 [bmim]Br、 [moim]Br、[hmim]TFSI、 [hmim]PF6の構造式を以下に示す。
Figure 0004719076
1−1.[hmim]Brを開始剤とするStの重合
3.70 ℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における[hmim]Br を開始剤とするStのバルク重合はもちろん各種溶液重合は全く進行しないかほとんど進行しなかった。実験条件と結果を表1、表2に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
1−2.[hmim]Brを開始剤とするMMAの重合
一方、同じく70℃における重合を試みると[hmim]Br は限られた溶媒を用いた場合MMA に対する重合開始能のあることがわかった。特にテトラヒドロフラン(THF) を重合溶媒として用いた場合、空気雰囲気下・アルゴン雰囲気下共に重合が最も速やかに進行した。
実験条件と結果を表3、表4に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
1−3.[hmim]Brを開始剤とするEAの重合
70 ℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下での[hmim]Br を開始剤とするEA に対する重合開始能は、空気雰囲気下THFを溶媒として用いた場合およびアルゴン雰囲気下ジオキサンを溶媒として用いた場合を除きほとんど認められなかった。
実験条件と結果を表5、表6に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
1−4. [hmim]Br、 [emim]Br、[moim]Br、 [bmim]Brを開始剤とするMMAの重合開始能
図1に各イオン性液体を重合開始剤とするMMAの重合のタイムコンバージョンを示す。その結果を表7に示す。
同じイミダゾリウム系のイオン性液体で、しかもアニオンが臭化物イオンである、[emim]Br ・[bmim]Br ・[moim]Br を開始剤とするMMA の60℃でのバルク重合は、[hmim]Br を開始剤とする重合と、同等の反応速度で進行する事がわかった。同一条件下でのMMAの熱重合が、重合時間6時間まで全く進行しないということから、これらイミダゾリウム系イオン性液体が重合を開始していることが明らかとなった。
Figure 0004719076
1−5. [hmim]TFSIを開始剤とするMMAの重合
アニオンとして臭化物イオンを持つイミダゾリウム系イオン性液体が、ビニル重合開始能のある傾向がわかったので、カチオン部分が共通で他のアニオンを持つイオン性液体として[hmim]TFSI を開始剤とするMMA の重合開始能について検討した。限られた溶媒を用いた場合に、みかけ上重合の進行する場合があるが、先に[hmim]Br を開始剤として良好な反応性を示した、空気雰囲気下60℃におけるTHFを溶媒として用いた重合は完全に禁止された。
実験条件と結果を表8、表9に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
1−6. [hmim]PF6を開始剤とするMMAの重合
カチオン部分が共通でアニオンとしてトリフルオロホスフェートを有する[hmim] PF 6を開始剤とした場合も、前述の[hmim]TFSI を開始剤として用いた場合と同様の傾向を示した。得られた結果は[hmim]Br を開始剤とするMMA のTHF溶液重合が最も進行しやすいことを示しており、臭化物イオンが重合開始反応に大きな影響を及ぼすことを示唆している。
実験条件と結果を表10、表11に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
1−7.空気雰囲気下[hmim]Br開始MMA重合の添加剤効果
図2に、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合の添加剤によるタイムコンバージョンを示す。表12にその結果を示す。
この[hmim]Br を開始剤とする空気雰囲気下60℃におけるTHF溶液重合は、ラジカル重合禁止剤として知られるヒドロキノン(HQ) または2,6-ジ-第三-ブチル-P-クレゾール(BHT) の添加で完全に禁止された。また、ラジカル連鎖移動剤である1-ドデカンチオール(1-DT) の添加で誘導期が観察されると同時に、生成ポリマー分子量が小さくなる傾向が認められた。
1−8.アルゴン雰囲気下[hmim]Br開始MMA重合の添加剤効果
図3に、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合の添加剤によるタイムコンバージョンを示す。表13にその結果を示す。
アルゴン雰囲気下の[hmim]Br を開始剤とするMMA のTHF溶液重合においても、前述の空気雰囲気下での重合と同様、HQやBHT の添加で重合反応が著しく抑制されるか完全に禁止された。また1-DTの添加で生成ポリマー分子量は減少した。得られた結果は、これら[hmim]Br を開始剤とするMMAのTHF溶液重合は空気雰囲気下あれ、アルゴン雰囲気下であれ、ラジカル機構で進行することが強く示唆された。
1−9.空気雰囲気下[hmim]Brを開始剤とするMMAの重合における重合速度のモノマー濃度依存性
図4に、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合におけるモノマー濃度の影響を示す。表14にその結果を示す。
この空気雰囲気下の重合に関して、重合速度のモノマー濃度依存性は認められないどころか、モノマー濃度が濃くなるにしたがい重合速度は小さくなった。この事実は通常のラジカル重合では考えられないことであるが、この重合の溶媒依存性を示唆するものである。
1−10.アルゴン雰囲気下[hmim]Brを開始剤とするMMAの重合における重合速度のモノマー濃度依存性
図5に、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合におけるモノマー濃度の影響を示す。表15にその結果を示す。
前述の空気雰囲気下での重合同様、アルゴン雰囲気下の重合においても、モノマー濃度が濃くなるにしたがい重合速度が遅くなる傾向が認められ、ここでも、この重合の開始反応に関する溶媒依存性が確認された。
以上のとおり、空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における70℃での[hmim]Brを開始剤とするMMAの重合は限られた溶媒を用いた場合に進行し、特にTHFを重合溶媒として用いた場合、最も速やかに進行た。同じイミダゾリウム系のイオン性液体で、しかもアニオンが臭化物イオンである、 [emim]Br ・[bmim]Br・[moim]Brを開始剤とするMMAの60℃でのバルク重合も、[hmim]Brを開始剤とする重合と同等の反応速度で進行する事がわかった。同一条件下でのMMAの熱重合が、重合時間6時間まで全く進行しないということから、これらイミダゾリウム系イオン性液体のビニル重合開始能が明らかになった。このようにアニオンとして臭化物イオンを持つことを特徴とする数種類のイミダゾリウム系イオン性液体が、ビニル重合開始能のある傾向がわかったので、カチオン部分が共通で他のアニオンを持つイオン性液体として[hmim]TFSIや[hmim] PF6を開始剤とするMMAのTHF溶液重合を試みたが、[hmim]Brを開始剤として用いた場合に最も重合が進行した。得られた結果は、臭化物イオンが重合開始反応に大きな影響を及ぼすことを示唆している。この[hmim]Brを開始剤とする空気雰囲気下およびアルゴン雰囲気下60℃におけるMMAのTHF溶液重合は、ラジカル重合禁止剤として知られるHQまたはBHTの添加で著しく抑制されるか完全に禁止さた。また、ラジカル連鎖移動剤である1-DTの添加で生成ポリマー分子量の減少する傾向が認められた。得られた結果は、これら[hmim]Br を開始剤とするMMAのTHF溶液重合は、ラジカル機構で進行することが強く示唆された。さらにこれらの重合に関して、重合速度のモノマー濃度依存性は認められないどころか、モノマー濃度が濃くなるにしたがい重合速度は小さくなった。この事実は通常のラジカル重合では考えられないことであるが、この重合の溶媒依存性を示唆する現象である。
第2の本発明を実施するための最良の形態について、以下に詳細を説明する。
本実施の最良の形態は、 N,N,N’,N’-テトラメチル-N''-エチルグアニジウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェート(N,N,N',N'-Tetramethyl-N''-ethylguanidinium tris(pentafluoroethyl)trifluorophosphate )(以下、[ewtmg]e3fapという)、グアニジウムトリフルオロメタンスルフォネート(Guanidinium trifluoromethanesulfonate(以下、[gua]otfという)、N,N,N'N'-テトラメチル -N''エチルグアニジニウムトリフルオロメタンスルフォネート(N,N,N'N'-Tetramethyl-N''ethylguanidinium trifluoromethanesulfonate)(以下、[ewtmg]otfという)を開始剤とするビニルモノマーのラジカル重合に関する。
[ewtmg]e3fap、 [gua]otf、[ewtmg]otfの構造式を以下に示す。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]e3fapを開始剤とする70℃におけるStの重合は、空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下であまり進行しなかったが、空気雰囲気下のバルク重合は反応時間4時間で9.3%の転化率を得たことは[ewtmg]e3fapがStに対する重合開始能のあることを示唆した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における[ewtmg]e3fap を開始剤とする70℃でのMMAの重合は、例えば空気雰囲気下のジオキサン溶液重合のように特定の溶媒中で進行しやすい傾向が認められるが、得られた転化率は小さく、同一条件下での熱重合のファクターを考慮しなければならないことも考えると、[ewtmg]e3fapのMMAに対する重合開始能はかんばしくないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]e3fap を開始剤とする70℃におけるMAの重合は、空気雰囲気下でのジグリム溶液重合、アルゴン雰囲気下でのジグリム溶液重合・ジオキサン溶液重合・THF溶液重合の進行しやすい傾向が認められるが、それぞれ得られた転化率と同一条件下の熱重合で得られた転化率を考慮すると、[ewtmg]e3fapのMAに対する重合開始能はほとんどないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]e3fap を開始剤とする70℃におけるEAの重合は、アルゴン雰囲気下でのジグリム溶液重合・ジオキサン溶液重合・THF溶液重合の進行しやすい傾向が認められるが、それぞれ得られた転化率と同一条件下の熱重合で得られた転化率を考慮すると、[ewtmg] e3fapのEAに対する重合開始能はほとんどないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]e3fap を開始剤とする70℃におけるBAの重合は空気雰囲気下では完全に禁止されたが、アルゴン雰囲気下においては特定の溶媒を用いた溶液重合の進行しやすい傾向が認められた。特に、同一条件下でのバルク重合・トルエン溶液重合の熱重合は全く進行しないことを確認しているので、[ewtmg]e3fapがBAの重合を開始していることが示唆された。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[gua]otfを開始剤とする70℃におけるStの重合は、空気雰囲気下であれアルゴン雰囲気下であれ、バルク重合はもちろんさまざまな溶媒を用いた溶液重合もほとんど進行しないことから、[gua]otfのStに対する重合開始能はかんばしくないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における[gua]otfを開始剤とする70℃でのMMAの重合は、特定の溶媒中で進行しやすい傾向が認められた。特にここで、空気雰囲気下のジオキサン溶液重合・THF溶液重合がある程度進行したことは、同一条件下の熱重合がまったく進まないことを考慮すると、[gua]otf がMMAの重合を開始していることを示唆した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[gua]otf を開始剤とする70℃におけるMAの重合は空気雰囲気下では完全に禁止された。一方、アルゴン雰囲気下においてはジグリム溶液重合・THF溶液重合がある程度進行しやすい傾向が認められるものの、得られた転化率は小さく、同一条件下での熱重合のファクターを考慮しなければならないことも考えると、[gua]otfのMAに対する重合開始能はほとんどないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[gua]otfを開始剤とする70℃におけるEAの重合は、限られた溶媒を用いた場合以外は完全に禁止された。重合が進行するのは空気雰囲気下でのジグリム溶液重合及び、アルゴン雰囲気下でのジグリム溶液重合・ジオキサン溶液重合・THF溶液重合であるが、それぞれ得られた転化率と同一条件下の熱重合で得られた転化率を考慮すると、[gua]otfのEAに対する重合開始能はほとんどないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[gua]otf を開始剤とする70℃におけるBAの重合は空気雰囲気下では完全に禁止された。一方、アルゴン雰囲気下においてはジグリム溶液重合・THF溶液重合が進行しやすい傾向が認められるものの、同一条件下での熱重合のファクターを考慮しなければならないことも考えると、[gua]otfのBAに対する重合開始能はかんばしくないと判断した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]otf を開始剤とする70℃におけるStの重合は、空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下であまり進行しなかったが、アルゴン雰囲気下でのTHF溶液重合は反応時間4時間で7.9%の転化率を得たことなどから、[ewtmg]otfのStに対する重合開始能が示唆された。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下における[ewtmg]otf を開始剤とする70℃でのMMAの重合は、特定の条件下である程度進行する傾向が認められた。特にアルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合の転化率は反応時間4時間で6.3%と大きな値ではないものの、同一条件下での熱重合はがまったく進まないことを考慮すると、[ewtmg]otfがMMAの重合を開始していることを示唆している。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]otfを開始剤とする70℃におけるMAの重合は空気雰囲気下では完全に禁止された。一方、アルゴン雰囲気下においては、特定の条件下で重合が進行する傾向が認められた。特にアルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合やDMSO溶液重合は、同一条件下での熱重合がまったく進行しないことを考慮すると、[ewtmg]otfがMAの重合を開始していることを示唆している。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]otfを開始剤とする70℃におけるEAの重合は空気雰囲気下ではほとんど進行しないか全く進行しなかった。一方、アルゴン雰囲気下においては、特定の条件下で重合が進行する傾向が認められた。特にアルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合やトルエン溶液重合は、同一条件下での熱重合がまったく進行しないことを考慮すると、[ewtmg]otfがEAの重合を開始していることを示唆している。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
[ewtmg]otfを開始剤とする70℃におけるBAの重合は空気雰囲気下では完全に禁止された。一方、アルゴン雰囲気下においては、特定の条件下で重合が進行する傾向が認められた。特にアルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合やトルエン溶液重合は、同一条件下での熱重合がまったく進行しないことを考慮すると、[ewtmg]otfがBAの重合を開始していることを示唆している。[ewtmg]e3fap を開始剤とする70℃での(2)/空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下におけるMMAのバルク重合及び各種溶液重合は全く進行しないかほとんど進行しなかった。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
以上のとおり、グアニジニウム塩系イオン液体である.[ewtmg]e3fap・[gua]otf・[ewtmg]otfを開始剤と(3)/[ewtmg]e3fap は、空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下70℃におけるMAのバルク重合する空気雰囲気下およびアルゴン雰囲気下における70℃でのSt・MMA・MA・EA・及び各種溶液重合に対する重合開始能はほとんどなかった。
BAの重合を試みたが、以下に記載するとおり、限られた条件下でこれらのイオン液体がビニル重合開始能のあることがわかった。
(1)[ewtmg]e3fapはStに対して、空気雰囲気下70℃でバルク重合を開始した。
(2)空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下70℃におけるMMA・MA・EAのバルク重合及び各種溶液重合に対する[ewtmg]e3fapの重合開始能はほとんどなかった。
(3)[ewtmg]e3fapはBAに対して、アルゴン雰囲気下70℃でバルク重合・トルエン溶液重合を開始した。
(4)空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下70℃におけるSt・MA・EA・BAのバルク重合及び各種溶液重合に対する[gua]otfの重合開始能はほとんどなかった。
(5)[gua]otf はMMAに対して、空気雰囲気下70℃でのジオキサン溶液重合及び60℃でのTHF溶液重合を開始した。
(6)[ewtmg]otfはStに対して、アルゴン雰囲気下60℃でTHF溶液重合を開始した。
(7)[ewtmg]otfはMMAに対して、アルゴン雰囲気下70℃でバルク重合を開始した。
(8)[ewtmg]otfはMAに対して、アルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合やDMSO溶液重合を開始した。
(9)[ewtmg]otfはEA・BAに対して、アルゴン雰囲気下70℃でのバルク重合やトルエン溶液重合を開始した。
また、本実施の最良の形態は、グアニジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロフォスフェート(Guanidinium tris(pentafluorethyl) trifluorophosphate)([gua]e3fap)を開始剤とするビニルモノマーのラジカル重合に関する。
その構造式を以下に示す。
[gua]e3fapを開始剤とする70℃におけるStのバルク重合及びベンゼン・トルエン・四塩化炭素溶液重合は、空気雰囲気下、アルゴン雰囲気下において速やかに進行する傾向が認められた。ここで注目すべきは、生成物がオリゴマーであるということである。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
Stの重合とは対照的に、[gua]e3fap を開始剤とする70℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下のMMAの重合は、バルク重合はもちろん多くの溶媒中で全く進まないか、ほとんど進まなかった。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
MMAの重合同様、[gua]e3fap を開始剤とする70℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下のMAの重合も、バルク重合はもちろん多くの溶媒中で全く進まないか、ほとんど進まなかった。得られた結果は、[gua]e3fapが限られたビニルモノマーの重合開始剤となりうることを示唆した。
Figure 0004719076
Figure 0004719076
図6に示すように、0℃という比較的低い温度で[gua]e3fap を開始剤とするStのバルク重合は、空気雰囲気下であれ、アルゴン雰囲気下であれほぼ同じ速度で重合が進行し、反応時間48時間でそれぞれ30%以上の転化率を得た。しかし、生成物は分子量1万未満のオリゴマーであった。
Figure 0004719076
図7に示すように、前述の0℃における重合と同様、[gua]e3fap を開始剤とする30℃におけるStのバルク重合も空気雰囲気下であれアルゴン雰囲気下であれ、ほぼ同じ重合速度で反応が進み、重合時間1時間で25%程度の転化率を得た。0℃での重合と比較すると大幅に重合速度は速くなったものの、生成物の分子量は1万程度であり分子量的には低いポリマーであった。
Figure 0004719076
図8および図9に示すように、[gua]e3fap を開始剤とする30℃におけるStのバルク重合は、空気雰囲気下であれ、アルゴン雰囲気下であれ、ラジカル重合禁止剤である2,6-ジ-第三ブチル-p-クレゾール(BHT)や、ラジカル連鎖移動剤である1-ドデカンチオール(1-DT)の添加で完全に禁止された。得られた結果は、この重合がラジカル機構で進行することをを示唆した。
図10および図11に示すように、[gua]e3fap を開始剤とする空気雰囲気下30℃におけるStの重合速度は、開始剤である[gua]e3fap濃度の1.00次となった。また同一条件下におけるアルゴン雰囲気下でのStの重合速度は[gua]e3fap濃度の2.45次となった。得られた結果は、これらの重合が動力学的には通常のラジカル重合とは異なることを示唆した。
図12に示すように、[gua]e3fap を開始剤とする空気雰囲気下でのStのトルエン溶液重合は、重合温度40℃・50℃・60 ℃で速やかに進み、いずれの場合もレベルオフする傾向が認められた。これは開始剤が素早く消費し尽くさたことを示唆する。また、重合温度が高いほど、生成物は分子量の低いオリゴマーであることがわかった。
Figure 0004719076
図13に示すように、[gua]e3fap を開始剤とするアルゴン雰囲気下でのStのトルエン溶液重合は、重合温度40℃・50 ℃・60℃で速やかに進み、初期重合速度の差も認められず、空気雰囲気下の重合と同様、いずれの温度でもレベルオフする傾向が認められた。つまりアルゴン雰囲気下でも開始剤が反応初期に消費し尽くされることを示唆した。また生成物も、重合温度によらず分子量数千のオリゴマーであった。
Figure 0004719076
図14に示すように、[gua]e3fap を開始剤とする空気雰囲気下50℃でのStのトルエン溶液重合は、ラジカル重合禁止剤あるいはラジカル重合遅延剤として知られるヒドロキノン(HQ) やBHTの添加で誘導期が観察された。また1-DTの添加では完全に重合が禁止された。しかし生成物の分子量は、これらの添加剤を共存させてもほとんど変わらず、分子量数千のレベルのオリゴマーであった。
Figure 0004719076
図15に示すように、[gua]e3fap を開始剤とするアルゴン雰囲気下50℃におけるStのトルエン溶液重合も、前述の同一条件下における空気中での重合と同様に速やかに進み、HQ・BHT・1-DTの添加効果や生成物がオリゴマーであることも、同様であった。得られた結果は、この[gua]e3fap を開始剤とするStの重合が様々な条件下でStのみを選択的に重合しオリゴマーを生成するということを明らかにした。
Figure 0004719076
以上のとおり、[gua]e3fap を開始剤とする70℃における空気雰囲気下及びアルゴン雰囲気下のMMA・MAの重合は、バルク重合はもちろん多くの溶媒中で全く進まないかほとんど進まないのとは対照的に、Stのバルク重合及びベンゼン・トルエン・四塩化炭素溶液重合は、速やかに進行する傾向が認められた。得られた結果は、[gua]e3fapが限られたビニルモノマーの重合開始剤となりうることを示唆したが、ここで得られたStの重合物はオリゴマーであった。また、0℃および30℃という比較的低い温度で[gua]e3fap を開始剤とするStのバルク重合も、空気雰囲気下であれアルゴン雰囲気下であれ進行し、0℃では反応時間48時間で30%以上の転化率、30℃では反応時間1時間で25%程度の転化率を得た。しかし、生成物は分子量1万程度のオリゴマーであった。また、30℃におけるStのバルク重合は、空気雰囲気下であれ、アルゴン雰囲気下であれ、ラジカル重合禁止剤であるBHTや、ラジカル連鎖移動剤である1-DTの添加で完全に禁止された。得られた結果は、これら[gua]e3fapを開始剤とするStの重合がラジカル機構で進行することをを示唆した。しかし動力学的な検討結果は、これらの重合が通常のラジカル重合とは異なることを示唆した。一方、[gua]e3fapを開始剤とする空気雰囲気下およびアルゴン雰囲気下でのStのトルエン溶液重合についても詳しく検討した。これら溶液重合は重合温度40℃・50℃・60℃で速やかに進み、いずれの場合もレベルオフする傾向が認められた。これは開始剤が素早く消費し尽くさたことを示唆する。また、生成物は分子量数千程度のオリゴマーであるとともに、ラジカル重合禁止剤あるいはラジカル重合遅延剤として知られるHQやBHTの添加で誘導期が観察されることに加え1-DTの添加で完全に重合が禁止された。得られた結果は、この[gua]e3fapを開始剤とするStの特殊なラジカル重合がオリゴマーを高収率で合成する方法に応用できることを示唆した。


以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、種々の実施が可能である。
なお、実施例で用いた各重合開始剤の濃度は、重合させるビニルモノマーに対して0.5モル%あるいは1モル%である。
[実施例1]
アルゴンガス雰囲気下、70℃で、前述の本発明を実施するための最良の形態で示した各イオン性液体を重合開始剤として、ジオキサンを溶媒に用いてStを重合させ、St重合体を製造した。より具体的には、モノマーと溶媒の入った重合管内にマイクロピペットを用い各イオン性液体を常温で注入し、セプタムキャップで蓋をした。この重合管のセプタムキャップをとおしてアルゴンを吹き込むことによりアルゴン雰囲気とした後、重合管をウォーターバスまたはオイルバスに移し替えて、所定時間経過後、貧溶媒のメタノールを入れたビーカーに重合溶液を投ずることで重合を停止した。転化率は、沈殿したポリマーを分別し40℃乃至50℃で一昼夜減圧乾燥後、重量法で求めた。数平均分子量は、溶離液としてTHFを用いたGPC測定で決定した。分子量は、標準ポリスチレンの校正曲線より計算した。添加剤として、HQ、BHT、1−DTを用いた試料も準備した。添加剤の濃度は、Stに対して3モル%である。
また、アルゴンガス雰囲気下の代わりに空気雰囲気下である点を除き、同一の条件でStを重合させた。
第1の本発明を実施するための最良の形態において、各イオン性液体を重合開始剤とするMMAの重合のタイムコンバージョンを示すグラフである。 第1の本発明を実施するための最良の形態において、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合の添加剤によるタイムコンバージョンを示すグラフである。 第1の本発明を実施するための最良の形態において、 [hmim]Brを開始剤とするMMA重合の添加剤によるタイムコンバージョンを示すグラフである。 第1の本発明を実施するための最良の形態において、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合におけるモノマー濃度の影響を示すグラフである。 第1の本発明を実施するための最良の形態において、[hmim]Brを開始剤とするMMA重合におけるモノマー濃度の影響を示すグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。 第2の本発明を実施するための最良の形態におけるグラフである。

Claims (1)

1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムブロミドまたは1−メチルー3−オクチルイミダゾリウムブロミドを重合開始剤として、ビニルモノマーを重合させることを特徴とするビニル重合体製造方法。
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