JP4717308B2 - 干渉測定システムにおける非線形性を量化するシステムおよび方法 - Google Patents
干渉測定システムにおける非線形性を量化するシステムおよび方法 Download PDFInfo
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Description
発明の背景
本発明は、たとえばリゾグラフィスキャナまたはステッパ(stepper)システムにおけるマスクステージまたはウェーハステージなどの測定対象物の変位を測定する変位測定干渉計および分散干渉計などの干渉計、および、波長を監視して気体の固有特性を決定する干渉計に関する。
【0002】
変位測定干渉計は光干渉信号に基づき、基準対象物に対する測定対象物の位置の変化を監視する。上記干渉計は、基準対象物から反射された参照ビームに対し、測定対象物から反射された測定ビームを重畳して干渉させることで上記光干渉信を生成する。
【0003】
多くの用途において上記測定ビームおよび参照ビームは、直交偏光性および異なる周波数を有する。異なる周波数はたとえば、レーザ・ゼーマン分割により、音響光学変調により、または、複屈折素子などを使用してレーザの内部で生成され得る。直交偏光性により偏光ビームスプリッタは、測定ビームおよび参照ビームを測定対象物および基準対象物に対してそれぞれ指向すると共に、反射された測定ビームおよび参照ビームを結合し、重畳した出射測定ビームおよび出射参照ビームを形成する。この重畳した出射ビームは出力ビームを形成し、該出力ビームは引き続き偏光子を通過する。この偏光子は、出射測定ビームおよび出射参照ビームを混合して混合ビームを形成する。この混合ビーム内の出射測定ビームおよび出射参照ビームの成分は相互に干渉することから、混合ビームの強度は出射測定ビームおよび出射参照ビームの相対位相により変化する。上記混合ビームの時間依存強度は検出器が測定し、該検出器はその強度に比例する電気干渉信号を生成する。測定ビームおよび参照ビームは異なる周波数を有することから、上記電気干渉信号は、出射測定ビームおよび出射参照ビームの各周波数間の差に等しいビート周波数を有する“ヘテロダイン”信号を含んでいる。たとえば測定対象物を含むステージを並進することで測定経路および基準経路の長さが相互に変化するなら、測定されたビート周波数は2vnp/λに等しいドップラー偏移を含み、式中、vは測定対象物および基準対象物の相対速度、λは測定ビームおよび参照ビームの波長であり、nは光線が進行する空気または真空などの媒体の屈折率であり、かつ、pは基準対象物および測定対象物に対する通過の回数である。また測定対象物の相対位置の変化は、測定された干渉信号の位相の変化に対応し、2πの位相変化はλ/(np)の距離変化Lに実質的に等しく、此処でLはたとえば測定対象物を含むステージまでの距離および該ステージからの距離の変化などの往復距離変化である。
【0004】
残念乍ら、この等式条件は常に正確ではない。多くの干渉計は、“循環誤差(cyclic error)”として公知の非線形性を含む。循環誤差は、測定された干渉信号の位相および/または強度に対する寄与として表現され得ると共に、光路長pnLの変化に正弦波的依存性を有する。特に、位相における1次循環誤差は(2πpnL)/λの正弦波的依存性を有し、位相の2次循環誤差は2(2πpnL)/λの正弦波的依存性を有する。高次の循環誤差もまた表現され得る。
【0005】
循環誤差は、名目的に参照ビームを形成する入力ビームの一部が測定経路に沿って伝搬しかつ/またはの名目的に測定ビームを形成する入力ビームの一部が基準経路に沿って伝搬する、という“ビーム混合(beam mixing)”により引き起こされ得る。斯かるビーム混合は、各入力ビームの偏光性における楕円率と、直交偏光された各入力ビームをそれぞれ基準経路および測定経路に沿って導向すべく使用される偏光ビームスプリッタにおける不完全さなどの干渉計構成要素における不完全さとにより引き起こされ得る。ビーム混合および結果的な循環誤差の故に、測定された干渉信号の位相における変化と、基準経路および測定経路間の相対光路長pnLとの間に厳密な線形関係は無い。もし補償されなければ、ビーム混合により引き起こされた循環誤差は干渉計により測定された距離変化の精度を制限する可能性がある。循環誤差はまた、干渉計内において不都合な多重反射を生成する透過的表面における不完全さ、および、干渉計内でビームの不都合な楕円性を引き起こす逆反射体および/または位相遅延プレートなどの構成要素における不完全さによっても生成され得る。循環誤差の理論的原因に関する概略的文献に関しては、たとえばApplied Optics、37、6696−6700、1998におけるC.W.WuおよびR.D.Deslattesの“Analytical modelling of the periodic nonlinearity in heterodyne interferometry”を参照されたい。
【0006】
分散測定用途において光路長測定は、たとえば532nmおよび1064nmなどの複数の波長にて行われると共に、距離測定干渉計の測定経路における気体の分散を測定すべく使用される。分散測定(dispersion measurement)は、距離測定干渉計により測定された光路長を物理的長さへと変換すべく使用され得る。斯かる変換は重要であり得る、と言うのも、測定対象物までの物理的距離が不変でも、気体乱流により、かつ/または、測定アーム(measurement arm)内の気体の平均密度の変化により、測定された光路長の変化が引き起こされ得るからである。外因的な分散測定に加え、光路長から物理的長さへ変換するためには気体の内因的値(intrinsic value)を知る必要がある。係数Γは、適切な内因的値であると共に、分散干渉測定において使用される波長に対する気体の逆分散率(reciprocal dispersive power)である。係数Γは、別個にまたは文献値に基づき測定され得る。干渉計における循環誤差はまた、分散測定および係数Γの測定にも寄与する。循環誤差は更に、ビームの波長を測定かつ/または監視すべく使用される干渉測定値をも劣化し得る。
【0007】
(発明の要約)
本発明は、干渉信号におけるたとえば循環誤差などの非線形性を量化する干渉測定システムおよび方法を特徴とする。非線形性は、ビーム混合、多重反射、および、非線形信号処理電子機器などの干渉測定システムの特性により引き起こされる。非線形性は、光路長差に対する線形関係から干渉信号の位相を逸脱させるという付加項を干渉信号内に生成する。本システムおよび方法によれば、非線形性の寄与に対する測定値を補正することで、変位測定、波長測定および分散測定の精度が改善され得る。更に、これまでは認識されなかった非線形性の原因が識別されて定式化される。
【0008】
本システムおよび方法は、異なる光路長差に対応する干渉信号の複数の測定値を分析して非線形性を量化する。特定実施例において、時変干渉信号、または、時変干渉信号から抽出された位相はフーリエ変換されると共に、フーリエ変換された信号の2乗絶対値(square modulus)におけるピークに対して少なくとも幾つかの非線形性が関連付けられる。斯かるピークの各々の周波数におけるフーリエ変換の振幅および位相は、関連非線形性を量化すべく使用される。各ピークの周波数と、それが区別(resolve)されるか否かは典型的に、光路長差の変化の速度すなわちドップラー偏移に依存する。故に本システムおよび方法は多くの場合、複数のドップラー偏移の各々に対する複数の時変干渉信号を分析することで、その他の場合には明らかとならないこともある非線形性を区別すると共に、異なるドップラー偏移における測定値に対する非線形性の寄与を補間する。たとえば非線形性の寄与は、測定対象物が静止しておりまたは方向を変化しているとき、すなわちドップラー偏移がゼロであるかゼロを通過しているときの測定値に対して補間され得る。
【0009】
概略的に、ひとつの見地において本発明は干渉測定システムを特徴とする。該干渉測定システムは、動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答しかつ上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する検出器と、該検出器に連結された解析器とを含む。上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割(frequency splitting)ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含む。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は、上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む。動作の間に上記解析器は、i)ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づき少なくとも1個の付加項を量化し、かつ、ii)量化された少なくとも1個の付加項を用いて、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に重畳するというs(t)の別の値に対応する光路長差の変化を評価する。
【0010】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
上記検出器は、光検出器、増幅器およびアナログ/デジタル変換器を含み得る。2つのビーム間の周波数分割は非ゼロとされ得る。少なくとも1個の付加項は複数の付加項を含み得る。
【0011】
少なくとも1個の付加項を量化すべく上記解析器は表現s(t)∝cos(ωt+ψ+ζ1,0,1,0 )+NLに基づきs(t)の値に対するドップラー偏移・ψを計算可能であり、式中、NLは付加項の初期量化であって、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間の角周波数分割であり、tは時間であり、かつ、ζ1,0,1,0 は位相オフセットである。初期量化はNL=0であり得る。
【0012】
上記解析器は、各付加項を考慮したs(t)の表現の対応係数を評価することにより少なくとも1個の付加項を量化し得る。たとえば、s(t)の上記表現は以下のように表現可能であり:
【0013】
【数6】
ωは2つのビーム間の角周波数分割であり、ω’u'は検出器、解析器および2つのビームの線源の内の少なくともひとつにより引き起こされると共にωに等しくない周波数であり、Lは物理的経路長差であり、λは第1集合におけるビームの波長であり、nは屈折率であり、cは真空中の光速であり、かつ、tは時間である。主項はa1,0,1,0 cos(ωt+ψ+ζ1,0,1,0 )に対応すると共に付加項は残りの項に対応する。振幅av およびBv ならびに位相ζv はs(t)の表現に対する各係数を定義し、vは一般的添数を意味する添字である。
【0014】
少なくとも1個の付加項を量化すべく上記解析器は、所定集合のs(t)の各値に対応する周波数スペクトルを計算し、かつ、s(t)の表現における各シヌソイドの内で主項に対応しないひとつのシヌソイドの引数の時間に関する導関数に等しい角周波数〜ωにて、もしくは、〜ωのエイリアス〜ωA にて、上記周波数スペクトルの振幅および位相に基づき少なくとも1個の付加項に対する係数を評価し得る。たとえば、上記周波数スペクトルは所定集合のs(t)の各値のフーリエ変換であり得る。代替的に上記周波数スペクトルはα(t)のフーリエ変換とされ得ると共に、s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))として表現される。もし上記解析器が〜ωのエイリアス〜ωA において上記周波数スペクトルの振幅および位相に基づき少なくとも1個の付加項に対する各係数を評価するなら、上記エイリアス周波数は
【0015】
【数7】
を満足する正の整数rに対する
【0016】
【数8】
として表現可能であり、その場合に上記検出器はナイキスト周波数ωNyを定めるサンプリング速度を有する。各係数を評価すべく、たとえば、〜ωはu’≠0に対するω+ω’u'のひとつとされ得るものであり、〜ωはq(ω+・ψ)のひとつとされ得るものであり、または、〜ωは、p≠1、かつ、u=0のときにはp≠0に対するuω+p・ψ+p+ ・ψのひとつとされ得る。
【0017】
少なくとも1個の付加項に対する各係数を評価すべく、上記解析器は上記角周波数〜ωにて上記周波数スペクトルの振幅および位相を正規化することで・ψの少なくともひとつの非ゼロの導関数を考慮し得る。
【0018】
上記解析器は、主周波数から付加的周波数をスペクトル的に分離するに十分なほどドップラー偏移が大きいという第1集合のs(t)の各値に基づき少なくとも1個の付加項を量化してから、ドップラー偏移は第1集合の各値と異なると共に主周波数から付加的周波数をスペクトル的に分離するに十分なほど大きいという第2集合のs(t)の各値に基づき上記少なくとも1個の付加項を更に量化し得る。上記解析器は次に、各集合のs(t)の各値に対する量化の値を補間することにより、少なくとも1個の付加項をドップラー偏移の関数として量化し得る。
【0019】
上記解析器は、各々の集合が異なるドップラー偏移に対応するという複数の集合のs(t)の各値に基づき、ドップラー偏移に関して評価された係数の各々の依存性を決定し得る。
【0020】
上記少なくとも1個の付加項は複数の付加項とされ得ると共に、上記複数の付加項を量化すべく上記解析器は、対応する複数の角周波数〜ωv またはそれらのエイリアスにおける周波数スペクトルの振幅および位相に基づき上記複数の付加項の各々に対する係数を評価可能である。各〜ωv はs(t)の表現における各シヌソイドの内で主項に対応しないひとつのシヌソイドの引数の時間に関する導関数に等しい。斯かる実施例において上記解析器は、qは奇数でありかつjはq/2−1より小さな負でない整数として、B1,0,1,0,q,q-2jおよびζ1,0,1,0,q,q-2jの少なくとも幾つかに対応する係数を評価することでB1,0,1,0,q,1 およびζ1,0,1,0,q,1 (たとえばゼロ周波数シフト誤差)を決定し得る。
【0021】
上記解析器は、s(t)∝cos(ωt+ψ+ζ1,0,1,0 )+NL(ψ,・ψ)と自己矛盾のないψ=Lknに対する値を決定することでs(t)の他の値に対応する光路長差の変化を評価し得る。NLは量化された少なくとも1個の付加項を表現し、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間の角周波数差であり、tは時間であり、かつ、ζ1,0,1,0 は位相オフセットである。たとえば上記解析器は、ψに対する値の評価を反復的に改善することでψに対する値を決定し得る。
【0022】
上記解析器は評価された光路長の変化を用いて、物理的経路長の変化を決定し、分散の変化を決定し、気体の内因的値を決定し、または、各ビームの波長を監視し得る。
【0023】
概略的に他の見地において本発明は、動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答して干渉を表す信号s(t)を生成する検出器と、該検出器に連結された解析器とを含む干渉測定システムを特徴とする。上記信号s(t)は上記光路長差の関数である。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は表現s(t)=acos(ωt+ψ+ζ)から逸脱し、式中、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間に存在し得る角周波数差であり、tは時間であり、aはψに関して一定である振幅であり、かつ、ζはψおよび・ψに関して一定である位相オフセットである。動作の間に上記解析器は、i)光路長差の変化の速度がゼロでない(・ψ≠0)という少なくともひとつの集合のs(t)の各値をフーリエ変換し、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義しており、ii)ω+・ψと異なると共に上記パワースペクトルのピークに対応する周波数にて上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき少なくとも幾つかの偏差を量化し、かつ、iii)量化された上記偏差を用い、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価する。
【0024】
概略的に他の見地において本発明は、動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答して干渉を表す信号s(t)を生成する検出器と、該検出器に連結された解析器とを含む干渉測定システムを特徴とする。上記信号s(t)は上記光路長差の関数である。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は表現s(t)=acos(ωt+ψ+ζ)から逸脱し、式中、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間に存在し得る角周波数差であり、tは時間であり、aはψに関して一定である振幅であり、ζはψおよび・ψに関して一定である位相オフセットであり、かつ、s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))として表現され得る。動作の間に上記解析器は、i)s(t)に対する位相α(t)を抽出し、ii)光路長差の変化の速度がゼロでない(・ψ≠0)という少なくともひとつの集合のα(t)の各値をフーリエ変換し、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義しており、iii)ω+・ψと異なると共に上記パワースペクトルのピークに対応する周波数にて上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき少なくとも幾つかの偏差を量化し、かつ、iv)量化された上記偏差を用い、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価する。
【0025】
概略的に他の見地において本発明は、動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答しかつ上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する検出器と、該検出器に連結された解析器と、該解析器に連結された警報機構とを含む干渉測定システムを特徴とする。上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含む。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む。動作の間に上記解析器は、上記信号s(t)の周波数を監視し、かつ、上記付加項の内のひとつの付加項に対応する周波数の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を生成する。上記警報機構は上記システム劣化信号に応答する。
【0026】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
上記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響的システム、警報灯およびプリンタの少なくともひとつを含み得る。
s(t)における周波数を監視すべく、上記解析器は少なくともひとつの集合のs(t)の各値をフーリエ変換し得る。代替的に、s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))と表現されるものとして、上記解析器は少なくともひとつの集合のs(t)の各値から位相α(t)を抽出し、かつ、抽出された位相α(t)をフーリエ変換することでs(t)における周波数を監視し得る。
【0027】
上記解析器は、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づきs(t)における周波数を監視し得る。
【0028】
上記信号s(t)は、本発明の前述の見地に関して上記に示された累和計算により表現され得る。システム劣化を表す信号を生成するか否かを決定すべく、上記解析器は閾値を、u’≠0に対する周波数ω+ω’u'、周波数q(ω+・ψ)、または、p≠1、かつ、u=0のときにはp≠0に対する周波数uω+p・ψ+p+ ・ψの内のひとつの周波数の振幅と比較し得る。
【0029】
概略的に、他の見地において本発明は、動作の間に、周波数分割ωを有する第1集合の2つのビームと、ωに等しくない周波数分割ωT を有する第2集合の2つのビームとを提供する線源と、動作の間に、上記第1集合の第1ビームと上記第2集合の第1ビームとを測定経路に沿って導向しかつ上記第1集合の第2ビームと上記第2集合の第2ビームとを基準経路に沿って導向してから両集合のビームを結合して出力ビームを形成する干渉計であって、上記測定経路および基準経路は光路長差を画成する干渉計と、上記出力ビームにおける各ビーム間の光干渉に応答し、上記光路長差の関数である上記干渉を表す信号S(t)を生成する検出器と、該検出器に連結された解析器とを含む干渉測定システムを特徴とする。上記第2集合のビームが存在しない場合に上記信号S(t)は、上記周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数における主項を含むs(t)に等しい。当該干渉測定システムにおける特性により主周波数と同一の周波数にてs(t)に寄与する各ゼロ周波数シフト循環誤差(zero−frequency−shift cyclic error)が引き起こされる。上記第2集合のビームが存在する場合、s(t)に対するゼロ周波数シフト循環誤差寄与を生成する上記特性はS(t)の周波数スペクトルにおける多重線を生成し、該多重線はω−ωT だけ離間された各近傍ピークを有する。動作の間に上記解析器は、S(t)における各周波数を区別して上記多重線を識別すると共に、上記多重線における少なくともひとつのピークの振幅および位相に基づき少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差を量化する。
【0030】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
上記解析器は、上記多重線における複数のピークの各々の振幅および位相に基づき複数のゼロ周波数シフト循環誤差を量化し得る。上記解析器は上記線源にも連結され得ると共に、該解析器は上記線源を以て上記第2集合のビームではなく上記第1集合のビームを上記干渉計に選択的に提供し得る。上記解析器が上記線源を以て上記第2集合のビームではなく上記第1集合のビームを上記干渉計に選択的に提供する場合、上記解析器は、s(t)と、量化された各ゼロ周波数シフト循環誤差の内の少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差とに基づき上記光路長差を決定し得る。代替的に上記解析器は、S(t)と、量化された各ゼロ周波数シフト循環誤差の内の少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差とに基づき光路長差を決定し得る。
【0031】
上記解析器は少なくともひとつの集合のS(t)の各値をフーリエ変換することでS(t)における各周波数を区別し得る。代替的に、S(t)はαS (t)をS(t)の位相としてS(t)=AS (t)cos(αS (t))として表現されると共に、上記解析器は、S(t)から位相αS (t)を抽出して少なくともひとつの集合のαS (t)の各値をフーリエ変換することでS(t)の各周波数を区別し得る。
【0032】
上記多重線は上記主周波数におけるピークを含み得る。周波数分割は各々上記ナイキスト周波数未満とされ得ると共に、その場合に上記検出器はナイキスト周波数を定める速度にてS(t)の値をサンプリングする。上記第1集合のビームの平均周波数と上記第2集合のビームの平均周波数との間の差は上記ナイキスト周波数より大きくされ得る。たとえば上記周波数分割は、ω<ωNy、ωT <ωNy
。
【0033】
上記線源は第1および第2レーザを含み得ると共に、上記第1集合のビームは上記第1レーザから導出されかつ上記第2集合のビームは上記第2レーザから導出される。更に、上記線源は第1および第2レーザと第1および第2音響光学変調器とを含み得ると共に、上記第1集合のビームは上記第1レーザおよび上記第1音響光学変調器から導出されかつ上記第2集合のビームは上記第2レーザおよび上記第2音響光学変調器から導出される。代替的に、上記線源はレーザと第1および第2音響光学変調器とを含み、上記レーザから導出された第1ビームは上記第1音響光学変調器を通過して上記第1集合のビームを生成し、かつ、上記レーザから導出された第2ビームは上記第2音響光学変調器を通過して上記第2集合のビームを生成する。たとえば、上記レーザから導出された上記第1および第2ビームは該レーザの隣接縦モードに対応し得る。
【0034】
上記解析器は、複数のドップラー偏移の各々に対するS(t)における周波数多重線を区別すると共に、ドップラー偏移に対する、量化されたゼロ周波数シフト循環の依存性を量化し得る。動作の間に上記解析器は、上記多重線の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を生成し得る。当該システムは、上記解析器に連結されて上記システム劣化信号に応答する警報機構を更に含み得る。たとえば上記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響スピーカ、プリンタおよび警報灯の少なくともひとつを含み得る。
【0035】
最後に、上記信号s(t)は、本発明の前述の見地に関して上記に示された累和計算により表現可能であり、その場合、量化されたゼロ周波数シフト循環誤差は、q=3,5,7…の内のひとつに対するB1,0,1,0,q,1 およびζ1,0,1,0,q,1 に対応し得る。
【0036】
概略的に、他の見地において本発明は、干渉計、検出器および解析器を含む干渉測定システムを特徴とする。動作の間に上記干渉計は、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する。上記検出器は上記重畳する1対の出射ビーム間の光干渉に応答し、光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する。上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含む。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む。上記解析器は上記検出器に連結されると共に、動作の間に、i)上記信号s(t)の一連の値に対して窓関数を適用し、ii)窓化された一連の値をフーリエ変換し、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義しており、かつ、iii)上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数におけるパワースペクトル内の少なくともひとつのピークに基づき少なくとも1個の付加項を識別する。
【0037】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
上記窓関数は上記s(t)の一連の値の振幅を減少し得る、と言うのも、該数列はその端点のいずれかに近づくからである。代替的にまたは付加的に上記窓関数は、少なくとも1個の付加項の周波数に対し、周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を排除し得る。
【0038】
更に、動作の間に上記解析器は、パワースペクトルにおける少なくともひとつのピークの周波数にて上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき少なくとも1個の付加項を量化し得る。上記解析器は更に量化された付加項を用いて、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価し得る。上記解析器はまた、評価された光路長差の変化を用いて、物理的経路長の変化を決定する、分散の変化を決定する、気体の内因的値を決定する、および、各ビームの波長を監視する、の内の少なくともひとつを行い得る。
【0039】
同様に、上記解析器は上記識別された付加項の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を更に生成可能であり、かつ、上記干渉測定システムは更に、上記解析器に連結された警報機構であって上記システム劣化信号に応答する警報機構を含み得る。たとえば上記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響的システム、警報灯およびプリンタの少なくともひとつを含み得る。
【0040】
概略的に他の見地において本発明は、干渉計、検出器および解析器を含む干渉測定システムを特徴とする。動作の間に上記干渉計は、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する。上記検出器は上記重畳する1対の出射ビーム間の光干渉に応答し、光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する。上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含む。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む。上記解析器は上記検出器に連結されると共に、低域通過フィルタを含む。動作の間に上記解析器は、i)上記信号s(t)に基づきドップラー偏移の値を追尾し、ii)追尾されたドップラー偏移の値に基づき各付加項の内のひとつの付加項の周波数〜ω’v を計算し、iii)s(t)cos(〜ω’v t)に等しい第1同調フィルタ信号およびs(t)sin(〜ω’v t)に等しい第2同調フィルタ信号を生成し、かつ、iv)上記低域通過フィルタを介して上記各同調フィルタ信号を通過させて〜ω’v に対応する付加項を量化する。
【0041】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
動作の間に上記解析器は、追尾されたドップラー偏移の値と上記検出器のサンプリング速度により定められるナイキスト周波数とに基づき各付加項の内のひとつの付加項の周波数〜ω’v を計算し得る。上記解析器はまた、少なくともひとつの他の付加項の周波数に基づいて付加的な同調フィルタ信号を生成して、少なくともひとつの他の付加項を量化し得る。上記解析器はまた、上記量化された付加項を用いて、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価し得る。上記解析器はまた、評価された光路長差の変化を用いて、物理的経路長の変化を決定する、分散の変化を決定する、気体の内因的値を決定する、および、各ビームの波長を監視する、の内の少なくともひとつを行い得る。
【0042】
同様に、上記解析器は上記量化された付加項の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を更に生成可能であり、かつ、上記干渉測定システムは更に、上記解析器に連結された警報機構であって上記システム劣化信号に応答する警報機構を含み得る。たとえば上記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響的システム、警報灯およびプリンタの少なくともひとつを含み得る。
【0043】
概略的に他の見地において本発明は、干渉計、検出器および解析器を含む干渉測定システムを特徴とする。動作の間に上記干渉計は、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから各ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する。上記検出器は上記重畳する1対の出射ビーム間の光干渉に応答し、光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する。上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含む。当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む。上記解析器は上記検出器に連結されると共に、動作の間に該解析器は、i)少なくとも幾つかの付加項に対する量化を提供し、ii)少なくともひとつの集合のs(t)の各値をフーリエ変換し、かつ、iii)周波数ω+・ψにおける上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき上記光路長差に対する値を評価すると共に、上記所定集合のs(t)の各値に対応するドップラー偏移・ψに基づき周波数ω+・ψにおける上記フーリエ変換に寄与する付加項に対する量化の値を評価する。
【0044】
上記干渉測定システムは以下の特徴の任意のものを含み得る。
動作の間に上記解析器は、上記所定集合のs(t)の各値に対応するドップラー偏移・ψと上記検出器のサンプリング速度に対応するナイキスト周波数とに基づき、上記量化におけるいずれの付加項が周波数ω+・ψにおけるフーリエ変換に寄与するかを識別し得る。同様に上記解析器は、評価された光路長差の変化を用いて、物理的経路長の変化を決定する、分散の変化を決定する、気体の内因的値を決定する、および、各ビームの波長を監視する、の内の少なくともひとつを行い得る。
【0045】
概略的に他の見地において本発明は、ウェーハを支持するステージと、空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する照射システムと、上記作像された放射線に対する上記ステージの位置を調節する位置決めシステムと、上記ステージの位置を測定する前述の干渉測定システムのいずれかとを含む、ウェーハ上の集積回路の作製に使用されるリソグラフィシステムを特徴とする。
【0046】
概略的に他の見地において本発明は、ウェーハを支持するステージと、放射線線源、マスク、位置決めシステム、レンズアセンブリ、および前述の上記干渉測定システムのいずれかを含む照射システムとを含み、動作の間に上記線源は上記マスクを介して放射線を導向して空間的にパターン化された放射線を生成し、上記位置決めシステムは上記線源からの放射線に対して上記マスクの位置を調節し、上記レンズアセンブリは上記空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像し、かつ、上記干渉測定システムは上記線源からの放射線に対する上記マスクの位置を測定する、ウェーハ上の集積回路の作製に使用されるリソグラフィシステムを特徴とする。
【0047】
概略的に他の見地において本発明は、基板にパターン形成する書込みビームを提供する線源と、上記基板を支持するステージと、上記基板に対して上記書込みビームを供給するビーム導向アセンブリと、上記ステージおよび上記ビーム導向アセンブリを相互に対して位置決めする位置決めシステムと、上記ビーム導向アセンブリに対する上記ステージの位置を測定する前述の上記干渉測定システムのいずれかとを含む、リソグラフィマスクの作製に用いられるビーム書込みシステムを特徴とする。
【0048】
更なる見地において本発明は、上述の各システムに基づく干渉測定方法、リソグラフィ方法およびビーム書込み方法を特徴とする。斯かる方法の概略的見地は、以下に記述される。
【0049】
ひとつの見地において本発明は、干渉測定システムと共に用いられる干渉測定方法を特徴とする。該干渉測定方法は、別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、上記干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づき少なくとも1個の付加項を量化する工程と、量化された少なくとも1個の付加項を用いて、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に重畳するというs(t)の別の値に対応する光路長差の変化を評価する工程と、を含む。
【0050】
他の見地において本発明は、干渉測定システムと共に用いられる干渉測定方法を特徴とする。該干渉測定方法は、別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、上記干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、上記信号s(t)の周波数を監視する工程と、上記各付加項の内のひとつの付加項に対応する周波数の振幅が閾値を超えたときに操作者に警告する工程とを含む。
【0051】
他の見地において本発明は、干渉測定システムと共に用いられる干渉測定方法を特徴とする。該干渉測定方法は、周波数分割ωを有する第1集合の2つのビームと、ωに等しくない周波数分割ωT を有する第2集合の2つのビームとを提供する工程と、上記第1集合の第1ビームと上記第2集合の第1ビームとを測定経路に沿って導向しかつ上記第1集合の第2ビームと上記第2集合の第2ビームとを基準経路に沿って導向する工程と、両集合のビームを結合して出力ビームを形成する工程であって、上記測定経路および基準経路は光路長差を画成する工程と、上記出力ビームにおける各ビーム間の光干渉を測定し、上記光路長差の関数である上記干渉を表す信号S(t)を生成する工程と、上記第2集合のビームが存在しない場合に上記信号S(t)は、上記周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数における主項を含むs(t)に等しく、当該干渉測定システムにおける特性により主周波数と同一の周波数にてs(t)に寄与する各ゼロ周波数シフト循環誤差が引き起こされ、上記第2集合のビームが存在する場合、s(t)に対するゼロ周波数シフト循環誤差寄与を生成する上記特性はS(t)の周波数スペクトルにおける多重線を生成し、該多重線はω−ωT だけ離間された各近傍ピークを有し、S(t)における各周波数を区別して上記多重線を識別する工程と、上記多重線における少なくともひとつのピークの振幅および位相に基づき少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差を量化する工程とを含む。
【0052】
概略的に他の見地において本発明は、別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、上記信号s(t)の一連の値に対して窓関数を適用する工程と、窓化された一連の値をフーリエ変換する工程であって、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義する工程と、上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数におけるパワースペクトル内の少なくともひとつのピークに基づき少なくとも1個の付加項を識別する工程とを含む干渉測定方法を特徴とする。
【0053】
概略的に他の見地において本発明は、別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、上記信号s(t)に基づきドップラー偏移の値を追尾する工程と、追尾されたドップラー偏移の値に基づき各付加項の内のひとつの付加項の周波数〜ω’v を計算する工程と、s(t)cos(〜ω’v t)に等しい第1同調フィルタ信号およびs(t)sin(〜ω’v t)に等しい第2同調フィルタ信号を生成する工程と、上記低域通過フィルタを介して上記各同調フィルタ信号を通過させて〜ω’v に対応する付加項を量化する工程と、を含む干渉測定方法を特徴とする。
【0054】
概略的に他の見地において本発明は、別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、少なくとも幾つかの付加項に対する量化を提供する工程と、少なくともひとつの集合のs(t)の各値をフーリエ変換する工程と、周波数ω+・ψにおける上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき上記光路長差に対する値を評価すると共に、上記所定集合のs(t)の各値に対応するドップラー偏移・ψに基づき周波数ω+・ψにおける上記フーリエ変換に寄与する付加項に対する量化の値を評価する工程と、を含む干渉測定システムを特徴とする。
【0055】
更なる見地において本発明は、ステージ上にウェーハを支持する工程と、空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する工程と、上記作像された放射線に対する上記ステージの位置を調節する工程と、前述の干渉測定方法のいずれかを用いて上記ステージの相対位置を測定する工程と、を含むリソグラフィ方法を特徴とする。
【0056】
他の見地において本発明は、ウェーハを支持する工程と、線源からマスクへと放射線を導向して空間的にパターン化された放射線を生成する工程と、上記放射線に対して上記マスクを位置決めする工程と、前述の干渉測定方法のいずれかを用いて上記放射線に対する上記マスクの位置を測定する工程と、上記空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する工程と、を含むリソグラフィ方法を特徴とする。
【0057】
他の見地において本発明は、基板にパターン形成する書込みビームを提供する工程と、上記基板をステージ上に支持する工程と、上記基板に対して上記書込みビームを供給する工程と、上記書込みビームに対して上記ステージを位置決めする工程と、前述の干渉測定方法のいずれかを用いて上記ステージの相対位置を測定する工程と、を含むビーム書込み方法を特徴とする。
【0058】
本発明の各実施例は多くの利点を含み得る。たとえば各実施例は、他の場合には干渉測定による変位測定または分散測定を劣化し得る非線形性を識別して量化し得る。量化された非線形性は、干渉測定値を補正することでその精度を相当に改善すべく使用され得る。更に、本発明のシステムおよび方法を用いれば干渉計は更に安価に作成され得る、と言うのも、非線形性の可能性を減少するための高価な光学的構成要素は必要でなく、また検出用電子機器における非線形性を最小化する必要もないからである。更に本発明のシステムおよび方法を用いることにより、干渉計の1個以上の構成要素の性能の劣化が検出され得ると共にたとえば計画された保守の一部として修正処理が実施され得ることから、不適切なモードにおいて干渉計を作動させた結果として妥当な動作時間を相当に無駄にする可能性が低減される。非線形性を量化するという本発明の各実施例によれば、測定対象物が迅速に走査または工程移動されるというオンライン用途の間に通常的に必要とされる干渉測定の迅速な補正が許容される。非線形性の量化、および、干渉測定の補正における該量化の使用は、光学的距離測定、分散測定、波長測定、および、干渉計の測定アームにおける気体の逆分散率Γなどの光学的固有特性の測定に適用され得る。これに加えて上記干渉測定システムは、リソグラフィおよびマスク書込み用途において使用され得る。
【0059】
他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明らかとなろう。
(詳細な説明)
周期的誤差などの非線形性は、干渉法データから抽出された変位および/または分散測定の精度を低下させる可能性がある。非線形性は、線源および干渉計の光学部品における欠陥から、かつ、光電検出器、増幅器またはアナログ−デジタル変換器など、検出電子部品における非線形性から生じる可能性がある。このような非線形性の原因を最小限にすることは可能である可能性があるが、本発明の一態様は、干渉法測定の精度を、非線形性を定量化すること、および定量化された非線形性を使用すること、干渉法信号(または、干渉法信号から導出された情報)を非線形性について補正して、それにより、たとえば変位または分散など、関心のある測定の精度を向上させることによって、向上させることを提案する。本発明のもう1つの態様は、干渉計システムのある構成要素の劣化を、干渉計システムの非線形性を定量化すること、および構成要素が劣化しているかどうかを、定量化された非線形性の大きさの変化に基づいて監視することによって、検出することを提案する。このような機能を提供する干渉法システムを以下で一般に記載し、その後、より特定の実施形態をより詳細に記載する。
【0060】
図1を参照すると、干渉法システム10が、線源(source)20、干渉計30、検出器40および解析器50を含む。線源20は、1つまたは複数のビーム25を干渉計30に提供するためのレーザを含む。分散干渉法では、ビーム25が少なくとも2つのビームを含み、これらは、たとえば1064nmおよび532nmの異なる波長のものである。光学的距離変位測定では、単一の波長で十分である。ヘテロダインの干渉法技術を1つまたは複数の異なる波長で使用するとき、線源20は、周波数分割を、1つまたは複数の異なる波長での各ビームの成分の間に導入する。たとえば、1つまたは複数の音響光学変調器を使用して周波数分割を導入することができ、あるいは別法として、線源がゼーマン分裂レーザを含んで周波数分割を生成することができる。周波数分割成分はしばしば、直交偏光を有するようになされる。周波数分割成分を干渉計30に送信することができ、そこでこれらが測定および参照ビームに分離される。別法として、線源20が空間的に周波数分割成分を分離し、空間的に分離された成分を干渉計30に送信することができ、そこでこれらが測定および参照ビームとなる。
【0061】
干渉計30はいかなるタイプの干渉計にすることもでき、たとえば、差動平面鏡干渉計、複光路干渉計またはマイケルソンタイプの干渉計である。干渉計を、たとえば、光学的経路長の変化、物理的経路長の変化、屈折率の変化、ビームの波長の変化、または経路長に沿った固有のガス特性を監視するように設計することができる。干渉計は、参照ビームを参照経路(これは参照対象に接触することができる)に沿うように向けて送り、測定ビームを、測定対象(たとえば、リソグラフィステージ)に接触する測定経路に沿うように向けて送り、次いで、参照および測定ビームを結合して、射出ビーム35のオーバーラッピングペアを形成する。分散干渉法の応用例では、異なる各波長について射出ビームのオーバーラッピングペアがある。
【0062】
射出ビームのオーバーラッピングペアの間の干渉は、参照および測定経路の間の光学的経路長における相対的な差についての情報を含む。いくつかの実施形態では、参照経路が固定され、したがって、光学的経路長の差の変化が、測定経路の光学的経路長の変化に対応する。しかし、他の実施形態では、参照および測定経路の光学的経路長が変化している可能性がある。たとえば、参照経路が、干渉計に相対的に移動する可能性のある参照対象(たとえば、列参照)に接触することができる。この後者の場合、光学的経路長の差の変化が、参照対象に相対的な測定対象の位置の変化に対応する。
【0063】
参照および測定ビームが直交偏光を有するとき、射出ビームのオーバーラッピングペアの少なくとも1つの中間偏光の強度が選択されて、光学干渉が生成される。たとえば、偏光子を干渉計30内に位置付けて、射出ビームのオーバーラッピングペアの偏光を混合することができ、これが次いで検出器40へ送信される。別法として、偏光子を検出器40内に位置付けることができる。検出器40は、射出ビームのオーバーラッピングペアの選択された偏光の強度を測定して、干渉信号を生成する。ビームの一部を、参照および測定経路に沿って送られる前に互いに結合して、重複する射出ビームの参照ペアを供給することができ、これが使用されて参照干渉信号が供給される。
【0064】
検出器40は光検出器を含み、これは、射出ビームのオーバーラッピングペアの選択された偏光の強度を測定するものであり、さらに、プリアンプおよびアナログ−デジタル変換器などの電子部品を含み、これらは光検出器からの出力を増幅し、光学干渉に対応するデジタル信号s(t)を生成するものである。分散干渉法の応用例では、デジタル信号s(t)が、射出ビームのオーバーラッピングペアのそれぞれについて生成され(異なる波長に対応する)、これは検出器40内で多数の光検出チャネルを使用することによって行われる。
【0065】
信号s(t)にはいかなる非線形性もなく、一定のオフセット強度を無視するものであり、これをs(t)=a cos(ωt+ψ+ζ)として表すことができ、ただしψ=Lknであり、Lは参照および測定経路の間の物理的経路長の差であり、kは測定ビームの波数であり、nは干渉計内の屈折率であり、ωは、いずれかのドップラーシフトの導入前の測定および参照ビームの間の角分割周波数差であり、tは時間であり、aはψに関して一定である振幅であり、ζはψおよび・ψに関して一定である位相オフセットであり、ただし・ψは時間に関してψの一次導関数である。ホモダインの応用例では、s(t)についての式におけるビーム成分の間の分割周波数差がゼロであり、すなわちω=0であり、正確にバックグラウンド信号を光学干渉から分離するために、検出器40は、多数の位相オフセットについての干渉を測定するための多数の光検出チャネルを含み、位相オフセットは検出器40内で導入される。
【0066】
信号s(t)が解析器50に送信され、これは位相ψ=Lknをs(t)から抽出し、これはヘテロダイン周波数分割差または参照干渉信号の線源によって供給された参照位相を使用して行われるものであり、解析器は測定および参照経路の間の光学的長さの差の変化を決定することができる。さらに、追加の波長に対応する信号を使用して、解析器は分散測定を行い、物理的経路長の差の測定を決定し、かつ/または測定経路におけるガスの固有の特性を測定することができる。
【0067】
解析器50はコンピュータまたはデジタルプロセッサを含み、これは、以下で非線形性の定量化に関して記載する位相抽出および他の解析ステップを実行するためのものである。たとえば、本明細書で記載した数および記号のステップを、たとえば、当技術分野において周知の方法に従って、デジタル信号プロセッサ(DSP)において実行されるデジタルプログラムに変換することができる。デジタルプログラムを、ハードディスクなどのコンピュータ可読媒体に格納することができ、これを解析器におけるコンピュータプロセッサによって実行可能にすることができる。別法として、適切な解析ステップをデジタルプログラムに変換することができ、これは、これらのステップを実行する解析器内の専用電子回路にハードワイヤードされる。このような専用電子回路を所与の数または記号の解析手順に基づいて生成するための方法も、当技術分野において周知である。
【0068】
ビーム25におけるビーム混合および強度変動、干渉計30における欠陥、および、検出器40およびその中の電子部品における非線形性はすべて、非線形性を信号s(t)において生成する可能性がある。非線形性は信号s(t)を式s(t)=a cos(ωt+ψ+ζ)から導出させ、たとえば、上述の周期的誤差は追加の項をこの式に導入する可能性があり、これはap1 cos(ωt+pψ+ζp1)などであり、ただしp=2、3、...である。さらに、pは、干渉計30内に多数の経路があるとき、分数値において取ることができる。ビーム25における強度変動は追加の項をこの式に導入する可能性があり、これはau'p1 cos(ωt+ωu't+pψ+ζu'p1)などであり、ただしu’=0、1、...である。角周波数ωu'は、たとえば、線源20における電源の切り替え周波数から生じる可能性がある。ヘテロダインの応用例では、ビーム混合も追加の項を生じる可能性があり、これはap0 cos(pψ+ζ10)などであり、ヘテロダイン周波数分割に関連付けられた測定および参照ビームの間の小さい波ベクトル差に対処する項もある可能性がある。さらに、検出器40およびその中の電子部品の出力および周波数応答における非線形性が、追加の項を導入し、優位項a cos(ωt+ψ+ζ)を上述の項と混合する。たとえば、非線形性のいくつかを説明する、s(t)についての式は、以下の形式を取ることができる。
【0069】
【数9】
式中、p=1、2、3、...であり、分数値であり、u=0または1であり、q=1、2、3、...であり、「q」指数は検出器40における非線形性に関連付けられる。しかし、上のs(t)についての式は、検出器における非線形が周波数に依存しないと仮定する。そうでなかった場合、上の式における展開の結果生じる各項が、その項の周波数に依存する位相シフトおよび振幅を含む可能性がある。この式はさらに、検出器40におけるアナログ−デジタル変換器の有限サンプリングレートによって複雑にされる可能性があり、これはs(t)のデジタル表現においてエイリアシングを引き起こす可能性がある。
【0070】
説明されない場合、s(t)への非線形性の寄与が、干渉信号から抽出される光学的距離の差の情報の精度を劣化させる可能性がある。しばしば、精度が劣化される程度は、・ψ、または測定および参照対象の相対速度によって決まり、これはたとえばドップラーシフトである。たとえば、大きいドップラーシフトでは、ψの変化を、ω+・ψでのs(t)のフーリエ変換の位相から決定することにより、周波数空間においてω+・ωから、たとえば、2・ψ、ω+2・ψ、ω+3・ψ、2ω+2・ψで分離されたピークを有するこれらの非線形性からの寄与が最小化される。しかし、より小さいドップラーシフトでは、多数の非線形性からの寄与が、s(t)の電力スペクトルにおけるω+・ψでの優位ピークと重複し、電力スペクトルはs(t)のフーリエ変換の2乗絶対値である。重複は特に・ψ=0であるときに大きく、これはたとえば、測定および参照対象の相対位置が静止しているとき、または、測定および参照対象の相対速度が符号を変更するときである。さらに、ドップラーシフトが、非線形性の周波数を、s(t)の電力スペクトルにおける優位ピークのものから分離するときでさえ、非線形性の周波数のエイリアスがω+・ψでの優位ピークと重複する可能性がある。さらに、非線形性の大きさおよび位相、たとえば、Bqaupおよびζupも、・ψにより変化する可能性があり、これはたとえば、検出電子部品の周波数依存応答があるためである。
【0071】
さらに、いくつかの非線形性は、・ψの値に関わらず、優位ピークと厳密に重複する周波数を有する。このような非線形性をゼロ周波数シフト周期的誤差と呼ぶことができる。たとえば、上のq=3についての式におけるs(t)の展開において、B3a3 11 cos3(ωt+ψ+ζ11)は、優位周波数での項を生じる。類似の方法で、たとえば、u=1、p=2項とu=0、p=1項の間のq=2の展開における差の混合は、優位周波数での項を生じる。
【0072】
解析器50は非線形性を、多数の光学的経路長の差についてのs(t)の値に基づいて定量化する。いくつかの実施形態では、非線形性は、たとえば上の式で示したような、s(t)についての式における追加の正弦項として表される。他の実施形態では、非線形性は、s(t)における追加の位相項Ψにおいて表され、ただしs(t)=A(t)cos(ωt+ψ+Ψ+ζ)であり、位相項Ψを、上のs(t)についての式の正弦において示したものと類似の引数を有する一連の正弦として表すことができる。いずれの場合も、各非線形性が、その対応する正弦の振幅および位相を推定することによって定量化され、振幅および位相は非線形性についての係数を定義する。別法として、係数を、非線形性に対応する引数を共に有するサインおよびコサイン項の振幅によって定義することができる。
【0073】
オペレーション中に、解析器50が(オフセット位相ζ11に相対的な)ψを、干渉信号s(t)および定量化された非線形性または定量化された非線形性についての最初の推測から決定し、これは反復プロセスを使用することによって、たとえば、最初に非線形性がないと仮定してψを決定すること、および次いで、干渉信号からのψについての改善された値を、先に決定されたψの値に対応する非線形性の寄与を含めることによって反復的に決定することによって行う。解析器はまた・ψについての値を、干渉信号s(t)および定量化された非線形性または定量化された非線形性についての最初の推測に基づいて決定することもできる。
【0074】
非線形性が一連の正弦として式s(t)において表される実施形態では、解析器50が非線形性の係数を、1つまたは複数の非線形の周波数ピークを優位周波数ω+・ψからスペクトルで分離させる・ψの実質的に一定の値に対応するs(t)の値をフーリエ変換することによって推定し、それにより非線形性を定量化することができる。解析器はω+・ψでの優位ピークを識別し、残りのピークを非線形性に関連付け、各非線形性についての係数を、その対応するピークの複素振幅、および必要である場合は、フーリエ変換における・ψのより高次の導関数の効果を説明する正規化の要素から決定する。解析器50はこれらのステップを、・ψの同じ実質的に一定の値に対応するs(t)の値の追加のセットについて繰り返し、すべてのセットからの決定された係数を平均化(あるいは「フィルタリング」)して、非線形性の定量化を改善することができる。
【0075】
次いで、解析器50は、先行するパラグラフにおけるステップを、・ψの異なる実質的に一定の値に対応するs(t)の値について繰り返す。このような値のフーリエ変換は、・ψの第1の実質的に一定の値に対応するs(t)の値のフーリエ変換において解決されなかった非線形性についてのピークを生成することができ、解析器が、先に解決されなかった非線形性についての係数を決定することを可能にする。これらのステップをさらに、・ψの追加の実質的に一定の各値に対応するs(t)の値について繰り返すことができる。さらに、解析器50は、・ψの異なる実質的に一定の各値に対応するs(t)の値について決定された係数の値を補間して、・ψにおける各非線形性がある場合は、その依存性を決定することができる。
【0076】
非線形性が、s(t)=A(t)cos(ωt+ψ+Ψ+ζ)の位相Ψにおける一連の正弦として表される他の実施形態では、解析器50が非線形性の係数を、・ψの多数の実質的に一定の各値に対応するs(t)の値の位相α(ただし、α=ωt+ψ+Ψ+ζ)をフーリエ変換することによって、推定する。そうでない場合、解析は上述のものに類似する。さらなる実施形態では、ωt、〜ψおよび〜Ψのいかなる組み合わせをも、αから、フーリエ変換を行う前に差し引くことができ、ただし、〜ψおよび〜ΨはそれぞれψおよびΨのおよその推測である。
【0077】
分散の応用例、またはガスの固有の屈折特性が測定されている応用例では、検出器40が、多数の各波長λについての信号sλ(t)を解析器50に送信する。解析器50による非線形性の定量化は、上で要約したものと類似の方法において、1つまたは複数の信号sλ(t)に基づかせることができる。さらに、非線形性の定量化によって提供された、向上された精度のため、干渉法システム10をマイクロリソグラフィおよびビーム書き込みシステムにおいて使用することができるので有利である。
【0078】
非線形性の大きさは、干渉法システムの構成要素が劣化するにつれて、経時的に変化する可能性がある。たとえば、光学および電子構成要素は経時的に変化する可能性があり、これはたとえば、酷使、不完全な設計、または、湿度、埃および温度などの環境的な要因のためである。さらに、環境的妨害がシステムの光学的アラインメントを劣化させる可能性がある。
【0079】
再度図1を参照すると、このような劣化を識別するため、解析器50は、定量化された非線形性を経時的に監視して、1つまたは複数の定量化された非線形性の大きさにおいていずれかの突然または漸次の増大があるかどうかを決定する。たとえば、解析器は、s(t)またはs(t)の位相αのいずれかの周波数スペクトルを監視し、いつ優位周波数ω+・ψ以外の周波数でのピークが受け入れ可能な閾値レベルを超えるかを決定することができる。そうであった場合、解析器50がシステム劣化を示す信号55を警告メカニズム60に送信する。警告メカニズムが、システム劣化を示す信号55に応答し、これは、ユーザに対して、干渉法システムの1つまたは複数の構成要素が受け入れ可能なレベルを超えて劣化している可能性があることを警告することによって行う。たとえば、警告メカニズム60は、信号55に応答して誤差メッセージを表示する1つまたは複数のビデオモニタ、信号55に応答して音声警告信号を生成するサウンドシステムまたはサイレン、信号55に応答して誤差メッセージを印刷するプリンタ、および信号55に応答して光を放つか、あるいは色を変えるライトを含むことができる。警告メカニズム60を、たとえば、リソグラフィまたはビーム書き込みシステムなど、関連システムに結合することもでき、信号55に応答して関連システムをシャットダウンさせることができる。
【0080】
解析器50における閾値レベルを、操作員によってあらかじめ設定して、特定の応用例のための受け入れ可能なレベルを定義することができる。さらに、操作員が多数の閾値レベルをあらかじめ設定することができ、それぞれが特定の非線形性に対応し、たとえば、s(t)またはs(t)の位相αの周波数スペクトルにおける非線形性の対応する周波数である。さらに、特定の非線形性についても、解析器50は非線形性の大きさを多数の閾値レベルと比較し、信号55に、閾値レベルが超えられている対応する劣化の程度を指示させることができる。この実施形態に応じて、解析器50は非線形性を定量化し、定量化された非線形性を使用して、光学的経路長の差の測定を補正し、システム劣化を、s(t)(またはs(t)の位相α)またはその両方の周波数スペクトルにおける非線形性の大きさに基づいて監視することができる。
【0081】
特定の実施形態の詳細な記載が以下に続く。これらはいくつかの詳細において異なるが、開示された実施形態は、そうでない場合、多数の共通の要素を共有し、本来、最終用途の応用例のタイプに応じて、かつ、周期的誤差による非線形性の効果について測定かつ補正するために使用される手順のタイプに応じて、いくつかの異なるカテゴリに入る。
【0082】
いくつかの異なるカテゴリのうち、第1のカテゴリの実施形態は、1つの波長により動作する距離測定干渉計を含み、周期的誤差の効果が決定され、補償される。周期的誤差の効果は、電子干渉信号のフーリエ変換の解析から決定され、電子干渉信号は、偏光混合された参照および測定ビームを干渉計から検出することによって生成される。
【0083】
いくつかの異なるカテゴリのうち、第2のカテゴリの実施形態は、1つの波長により動作する距離測定干渉計を含み、周期的誤差の効果は、部分的には電子干渉信号の位相のフーリエ変換の解析から決定された、周期的誤差の測定された効果を使用して補償される。電子干渉信号は、偏光混合された参照および測定ビームを干渉計から検出することによって生成される。
【0084】
いくつかの異なるカテゴリのうち、第3のカテゴリの実施形態は、分散、または分散および距離測定関連信号における周期的誤差の効果を補償するための装置および方法を含む。周期的誤差の効果は、電子干渉信号のフーリエ変換の解析から決定され、電子干渉信号は、偏光混合された参照および測定ビームを分散測定および距離測定干渉計から検出することによって生成される。距離測定干渉計の測定経路におけるガスの効果は、分散干渉法ベースの手順によって補正される。
【0085】
いくつかの異なるカテゴリのうち、第4のカテゴリの実施形態は、分散関連信号における、かつ、距離測定干渉法の分散関連信号および距離測定関連信号における、周期的誤差の効果を測定かつ補償するための装置および方法を含む。分散干渉法が、距離測定干渉法の測定された光学的距離におけるガスの効果を決定するために使用され、分散関連信号における、かつ距離測定関連信号における周期的誤差の効果を検出かつ補償するための装置および方法が使用される。周期的誤差の効果は、分散測定関連信号または分散測定および距離測定関連信号において、測定された周期的誤差の効果を使用して補償される。測定された周期的誤差の効果は、電子干渉信号の位相のフーリエ変換の解析から決定され、電子干渉信号は、偏光混合された参照および測定ビームを距離測定および/または分散測定干渉計から検出することによって生成される。
【0086】
いくつかの異なるカテゴリのうち、第5のカテゴリの実施形態は、分散測定関連信号および屈折性測定関連信号、または固有のガスの光学特性を決定するために使用された屈折性測定関連信号における、周期的誤差を測定かつ補正するための装置および方法を含む。いくつかの異なるカテゴリのうち、第5のカテゴリの実施形態は、光学ビームの波長を決定かつ/または監視するために使用された、波長測定および/または関連信号における周期的誤差を測定かつ補正するための装置および方法も含む。
【0087】
図2aは概略的形式において、本発明の第1の実施形態による装置および方法を示す。第1の実施形態は、第1のカテゴリの実施形態からのものである。図2aに示した干渉計は、偏光ヘテロダインのシングルパス干渉計である。第1の実施形態はヘテロダインのシステムを含むが、本発明は容易にホモダインのシステムにおける使用のために適合され、参照および測定ビームが、いずれかのドップラーシフトの導入の前に、同じ周波数を有する。この装置には幅広い範囲の線源のための応用例があるが、以下の記載は、例として光学測定システムに関連して行われる。
【0088】
図2aを参照すると、線源101から放射された光ビーム107が変調器103を通過して光ビーム109になる。変調器103は、ドライバ105によって励起される。線源101は、レーザまたはコヒーレント放射の同様の線源であることが好ましく、偏光されることが好ましく、波長λ2を有する。変調器103はたとえば、選択的にビーム107の偏光成分を変調するための追加の光学部品を有する音響光学デバイス、または音響光学デバイスの組み合わせにすることができる。変調器103は、ビーム107の1つの直線偏光成分の発振周波数を、直交直線偏光成分に関してf2の量だけシフトすることが好ましく、非周波数および周波数シフト成分の偏光の方向はそれぞれ、図2aの面に対して平行および直交である。発振周波数f2はドライバ105によって決定される。
【0089】
レーザなどの線源101を、様々な周波数変調装置および/またはレーザのいずれかにすることもできる。たとえば、レーザを、ヘリウム−ネオンレーザなどのガスレーザにすることができ、これは、当業者に知られている様々な従来の技術のいずれかにおいて安定されたものであり、たとえば、T.Baer他の「Frequency Stabilization of a 0.633μm He−Ne−longitudinal Zeeman Laser」、Applied Optics、19、3173〜3177(1980年)、1975年6月10日発行のBurgwald他の米国特許第3,889,207号、および1972年5月9日発行のSandstrom他の米国特許第3,662,279号を参照されたい。別法として、レーザを、当業者に知られている様々な従来の技術のいずれかにおいて安定されたダイオードレーザ周波数にすることができ、たとえば、T.OkoshiおよびK.Kikuchiの「Frequency Stabilization of Semiconductor Lasers for Heterodyne−type Optical Communication Systems」、Electronic Letters、16、179〜181(1980年)、および、S.YamaqguchiおよびM.Suzukiの「Simultaneous Stabilization of the Frequency and Power of an AlGaAs Semiconductor Laser by Use of the Optogalvanic Effect of Krypton」、IEEE J.Quantum Electronics、QE−19、1514〜1519(1983年)を参照されたい。
【0090】
2つの光周波数を、以下の技術のうち1つによって生成することができる。すなわち、(1)ゼーマン分裂レーザの使用であり、たとえば、1969年7月29日発行のBagley他の米国特許第3,458,259号、G.Bouwhuisの「Interferometrie Mit Gaslasers」、Ned.T.Natuurk、34、225〜232(1968年8月)、1972年4月18日発行のBagley他の米国特許第3,656,853号、およびH.Matsumotoの「Recent interferometric measurements using stabilized lasers」、Precision Engineering、6(2)、87〜94(1984年)を参照されたい。(2)音響光学ブラッグセルのペアの使用であり、たとえば、Y.OhtsukaおよびK.Itohの「Two−frequency Laser Interferometer for Small Displacement Measurements in a Low Frequency Range」、Applied Optics、18(2)、219〜224(1979年)、N.Massie他の「Measuring Laser Flow Fields With a 64−Channel Heterodyne Interferometer」、Applied Optics、22(14)、2141〜2151(1983年)、Y.OhtsukaおよびM.Tsubokawaの「Dynamic Two−frequency Interferometry for Small Displacement Measurements」、Optics and Laser Technology、16、25〜29(1984年)、H.Matsumotoの前記の書、1996年1月16日発行のP.Dirksen他の米国特許第5,485,272号、N.A.RizaおよびM.M.K.Howladerの「Acousto−optic system for the generation and control of tunable low−frequency signals」、Opt.Eng.、35(4),920〜925(1996年)を参照されたい。(3)単一の音響光学ブラッグセルのペアの使用であり、たとえば、所有者が同じである1987年8月4日発行のG.E.Sommargrenの米国特許第4,684,828号、所有者が同じである1987年8月18日発行のG.E.Sommargrenの米国特許第4,687,958号、P.Dirksen他の前記の書を参照されたい。(4)2つの縦モードのランダムに偏光されたヘリウム−ネオンレーザの使用であり、たとえば、J.B.FergusonおよびR.H.Morrisの「Single Mode Collapse in 6328 ・A HeNe Lasers」、Applied Optics、17(18)、2924〜2929(1978年)を参照されたい。(5)レーザの内部の複屈折要素などの使用であり、たとえば、V.EvtuhovおよびA.E.Siegmanの「A “Twisted−Mode” Technique for Obtaining Axially Uniform Energy Density in a Laser Cavity」、Applied Optics、4(1)、142〜143(1965年)を参照されたい。または、1998年4月17日出願の「Apparatus to Transform Two Non−Parallel Propagating Optical Beam Components into Two Orthogonally Polarized Beam Components」という名称の米国特許出願第09/061,928号、および、2000年2月18日出願の「Apparatus for Generating Linearly−Orthogonally Polarized Light Beams」という名称の米国特許出願第09/507,529号に記載されたシステムの使用であり、これらは共にHenry A.Hillによるものであり、両出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
ビーム109の線源のために使用された特定のデバイスは、ビーム109の直径および発散を決定する。いくつかの線源、たとえば、ダイオードレーザでは、たとえば、従来の顕微鏡の対物レンズなど、従来のビーム形成光学部品を使用して、ビーム109に、以下に続く要素のために適した直径および発散を提供することが必要となる可能性が高い。線源が、たとえばヘリウム−ネオンレーザであるとき、ビーム形成光学部品が必要とされない可能性がある。
【0092】
図2aのように、干渉計169は、参照逆反射体191、対象逆反射体192、4分の1波長位相遅延板177および178、および偏光ビームスプリッタ171を含む。この構成は、当技術分野において偏光マイケルソン干渉計として知られている。対象逆反射体192の位置は、トランスレータ167によってコントロールされる。
【0093】
干渉計169において入射するビーム109は、図2aに例示したようなビーム133および134の結果となる。ビーム133および134は、波長λ2での、測定経路198を介した光学的経路長についての情報、および参照経路を介した光学的経路長についての情報をそれぞれ含む。ビーム133および134は干渉計169から射出して、図2aにおいて概略的形式において例示した検出器システム189に入射する。検出器システム189では、ビーム133がミラー163Aによって反射され、ミラー163Bによって反射され、偏光ビームスプリッタ163Cにおいて入射し、その一部は偏光ビームスプリッタ163Cによって反射されて、ビーム141の第1の成分となる。ビーム134はミラー163Aによって反射され、偏光ビームスプリッタ163Cに入射し、その一部が偏光ビームスプリッタ163Cによって伝送されて、ビーム141の第2の成分となる。
【0094】
干渉計169は位相シフトψ2をビーム141の第1および第2の成分の間に導入し、ビーム141が位相シフトされたビームであるようにする。位相シフトψ2の大きさは、以下の公式に従って、測定経路198の往復の物理的長さL2に関係付けられる。
【0095】
ψ2=L2p2k2n2 (1)
式中、p2はそれぞれ参照および測定区間を通過する数であり、n2は、位相シフトψ2を導入する光学的距離に、かつ波数k2=2π/λ2に対応する、測定経路198におけるガスの屈折率である。図2aに示した干渉計はp2=1についてのものであり、もっとも単純な方法において、第1の実施形態の装置の機能を例示するためのものである。当業者には、p2≠1であるときの場合への汎化は簡単な手順である。L2についての値は、測定経路198の物理的長さと関連付けられた参照経路の間の差の2倍に対応する。
【0096】
図2aに示すような次のステップでは、位相シフトされたビーム141が偏光子179を通過し、光検出器185に衝突し、電子干渉信号、ヘテロダイン信号s2を、好ましくは光電子検出によって生成する。偏光子179は、位相シフトされたビーム141の偏光成分を混合するような向きにされる。信号s2を、以下の形式のスペクトル表現において記述することができる。
【0097】
【数10】
ω’2u'は、ωを含まない各周波数のセットであり、qが奇数の整数であるか偶数の整数であるかに応じてそれぞれqR=1または0であり、cは真空中の光の速度である。
【0098】
p+≧1での式(2)における項は、ビーム109の参照ビーム成分の一部が偏光ビームスプリッタ171を介して伝送され、測定ビーム経路198を通過した結果として生じる。u=0での項は、ビーム109の測定ビーム成分が偏光ビームスプリッタ171によって反射され、干渉計169の参照経路を通過し、測定ビーム成分の一部および測定経路198を通過する測定ビーム成分の検出によって生成された電子干渉信号として検出される結果として生じる可能性がある。u=0での項はまた、ビーム109の参照ビーム成分の一部が偏光ビームスプリッタ171によって伝送され、測定ビーム経路198を通過し、ビーム109の参照ビーム成分の一部および干渉計169の参照経路を通過する参照ビーム成分の検出によって生成された電子干渉信号として検出される結果として生じる可能性もある。u’≠0での項は、ビーム107における強度変動から生じる可能性があり、これは、線源101の電源における1つまたは複数の切り替え周波数によって生成される可能性のあるようなものである。
【0099】
パラメータqは非線形性順位指数であり、ただし非線形性は、検出器185、および/または、s2をアナログ信号からデジタルフォーマットに変換するために使用されたアナログ−デジタル変換器における非線形性の結果として生じる。係数B2,u,u',p,p+,q,mは、cos(q−m)x、m=q,q−2,...,qRの項における(cosx)qの展開における係数に関係付けられる。係数a2,u,u',p,p+、位相オフセットζ2,u,u',p,p+および係数B2,u,u',p,p+,q,mを、出力ビームの参照および測定ビーム成分の重複の程度、角周波数・ψ2およびビーム109の強度など、システム特性の関数にすることができるが、そうでない場合は時間において実質的に一定である。
【0100】
式(2)において明示的に表されていない項があり、これらは、より高次の効果により、式(2)において明示的に表されたものより高次である。より高次の効果の項の効果は通常、式(2)において明示的に表された項の効果よりも低い。しかし、所与の応用例のため、式(2)において明示的に表されないより高次の効果の項のいずれかを含める必要があるべきである場合、このような項は、第1の実施形態の初期化手順および動作手順において識別され、それにより、第1の実施形態の、記載された周期的誤差補償手順に含まれる。
【0101】
式(2)における優位項は、(ω2t+ψ2+ζ2,1,0,1,0)の位相依存性および係数a2,1,0,1,0を有する。式(2)における残りの項を、以下でs2, ψとして示し、すなわち以下のようになる。
【0102】
【数11】
これは周期的誤差項に対応する。
ヘテロダイン信号s2は電子プロセッサ127へ、デジタルまたはアナログのいずれかのフォーマットにおける電子信号123として解析するために伝送され、これはデジタルフォーマットであることが好ましい。電子信号123はさらに、ナイキスト角周波数ω2,Nyを含み、これは好ましくは検出器185における、s2をデジタルフォーマットに変換することにおいて使用された、アナログ−デジタル変換器のサンプリング周波数によって決定されたものである。
【0103】
ドライバ105の位相は、電子信号s2,Ref、参照信号121によって伝送され、これはデジタルまたはアナログのいずれかのフォーマットであり、好ましくはデジタルフォーマットであり、電子プロセッサ127へ伝送される。参照信号は、参照信号121の代替参照信号であり、光学ピックオフ手段および検出器(図面において図示せず)によって、ビーム109の一部を非偏光ビームスプリッタにより分裂すること、ビーム109の分裂された部分を混合すること、および混合された部分を検出して代替ヘテロダイン参照信号を生成することによって、生成することもできる。
【0104】
図2bを参照すると、電子プロセッサ127は電子プロセッサ151Bを含み、ここでヘテロダイン信号s2のフーリエ変換F(s2)が、デジタルまたはアナログ信号プロセスのいずれかによって生成され、これは好ましくは有限フーリエ変換アルゴリズム(FFT)などのデジタルプロセスである。電子プロセッサ127はさらにスペクトラムアナライザ151Aを含み、これが参照信号s2,Refをω2=2πf2について処理する。スペクトラムアナライザ151Aは、スライディングウィンドウフーリエ変換アルゴリズムに基づくことが好ましい。
【0105】
次のステップで、フーリエ変換F(s2)および、角周波数ω2およびω2,Nyが電子プロセッサ153に伝送され、ここで、s2, ψにおける周期的誤差項に対応する、F(s2)における複素スペクトル係数が、角周波数〜ω2, νおよび〜ω2, νのエイリアスで抽出される。s2, ψにおける周期的誤差項の振幅は、関連付けられた電力スペクトルにおいて対応するピークの振幅に対応し、s2, ψにおける周期的誤差項の位相は、関連付けられた電力スペクトルにおいて対応するピークの角周波数でのF(s2)の虚数および実数成分の比のarctanに対応する。角周波数数〜ω2, νにおいて、νは指数パラメータであり、これはu,u’,p,p+およびqを含み、これは、時間に関して、s2, ψの項におけるシヌソイド係数の引数の導関数に等しい角周波数のセットに対応する。〜ω2, νのエイリアス〜ω2, ν ,Aは、以下の公式によって与えられる。
【0106】
【数12】
および
【0107】
【数13】
実際には、s2, ψにおける周期的誤差項の振幅および関連付けられた位相は、可能な〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのセットの小さいサブセットについてのみ抽出される必要がある。可能な〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのセットのサブセットの選択を、式(2)におけるある項の特性によって導くことができる。しかし、初期化手順の一部として、可能な〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのセットのサブセットの選択は、s2の電力スペクトル解析および電力スペクトルにおけるピークのカイ二乗検定に基づく。カイ二乗検定は、電力スペクトルにおいて統計的に有意なピークを識別する。ω2、ω2,Ny、・ψ2、・ψ2 +、u、u’、p、p+、q、w2,1/w2,2およびrの項において、統計的に有意なピークに関連付けられた〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのサブセットの角周波数〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aの表現は、・ψ2が変化され、ただし・ψ2=dψ2/dtおよび・ψ2 +=dψ2 +/dtであるときに、〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのそれぞれの特性を観察することによって決定される。10-6以下の次数の相対的精度まで、・ψ2 +=・ψ2であることに留意されたい。
【0108】
初期化手順は電子プロセッサ153によって実行される。第1の実施形態の動作手順の一部として、s2の電力スペクトル解析および電力スペクトルにおけるピークのカイ二乗検定が、可能な変化について監視され、これは、第1の実施形態の装置および方法の動作中に可能な〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのセットのサブセットに行われる必要がある可能性がある。監視手順の一部として実行された、s2の電力スペクトル解析および関連付けられたカイ二乗検定は、電子プロセッサ153によってバックグラウンドタスクとしても実行される。
【0109】
s2, Ψにおける周期的誤差項は、いくつかのメカニズムによって生成された項を含み、以下で幅広く、コヒーレント周期的誤差を含むものとして称する。干渉計のいくつかの構成では、特に多数の経路の干渉計では、線源、干渉計および検出器を含むシステムが、・ψ2の低調波を含むコヒーレント周期的誤差を生成することが可能である。・ψ2の低調波を含むs2, Ψにおける周期的誤差項は、p=w2,1/w2,2、w2,1、w2,2=1,2,...、w2,1≠w2,2かつ/またはp+=w2,1/w2,2、w2,1、w2,2=1,2,...、w2,1≠w2,2での式(2)における項に対応する。
【0110】
低調波周期的誤差生成の一実施例を、差動平面鏡干渉計におけるものにすることができ、ここではゴーストビームが、対象ミラーによる1つの反射、および、4分の1波長位相遅延板の公称的伝送面からの第2の反射の結果として生成される。対象ミラーの反射面および4分の1波長位相遅延板の公称的伝送面が平行であるとき、出力ビームのゴーストビームおよび参照ビーム成分は、平行である伝播の方向を有する。ゴーストおよび参照ビーム成分を含む、混合された出力ビームの後続の検出は、低調波周期的誤差を有するヘテロダイン信号である。
【0111】
低調波周期的誤差生成のもう1つの実施例は、高安定平面鏡干渉計におけるものにすることができる。HSPMIは、偏光ビームスプリッタ、測定対象および参照平面鏡、および逆反射体を含む。逆反射体上に衝突する入力ビームおよび対応する射出ビームの偏光の状態は一般に、たとえば、直線偏光入力ビームについて異なり、射出ビームは通常、入力ビームの偏光の面に関して回転された楕円の主軸により楕円偏光される(N.Bobroffの「Recent advances in displacement measuring interferometry」、Measurement and Sci.& Tech.、4(9)、907〜926、1993年を参照)。射出ビームの楕円率は、HSPMI出力ビームにおける測定および参照ビーム成分を生成し、これらは測定対象ミラーに対して複光路ではなく単一光路のみを作っている。単一光路成分が、HSPMI出力ビームの他の成分と混合されるとき、後に生成される干渉信号において低調波周期的誤差を生成する。
【0112】
加えて、線源、干渉計、検出器およびデジタル信号処理を含むシステムは、・ψ2の低調波も調波も含まないがω2+・ψ2、ω2および他の角周波数の調波に関係付けられる、コヒーレント周期的誤差を生成することが可能である。低調波ではなく、低調波の調波ではなく、・ψ2の調波ではない角周波数を有するコヒーレント周期的誤差は、たとえば、s2を生成する検出器および/または増幅器における、かつ、s2をデジタル化するために使用されたアナログ−デジタル変換器における非線形性によって生成することができ、これは、ω2+・ψ2、ω2の調波である角周波数および他の角周波数を有する。低調波ではなく、低調波の調波ではなく、・ψ2の調波ではない角周波数を有するコヒーレント周期的誤差は、例として、デジタル信号処理におけるエイリアシングによって生成することもでき、これは、・ψ2の低調波および調波のエイリアス、およびω2+・ψ2、ω2のエイリアスである角周波数、および他の各周波数およびその調波を有する。エイリアスは、ナイキスト角周波数ω2,Nyに関係付けられる。
【0113】
・ψ2の調波である様々なコヒーレント周期的誤差、および低調波ではなく、・ψ2の調波ではない角周波数を有するコヒーレント周期的誤差の一実施例を、図2dにおいて・ψ2の関数としてグラフィカルに示す。・ψ2の調波および低調波であるコヒーレント周期的誤差を、図2dにおいて、たとえば、実線90、91および92として示し、線91は第1の調波である。たとえば、s2を生成する検出器および増幅器における、かつアナログ−デジタル変換器における非線形性の結果であるコヒーレント周期的誤差を、図2dにおいて実線95として示す。エイリアシングの結果であるコヒーレント周期的誤差を、図2dにおいて、ナイキスト周波数を表す線99から反射する破線として示す。
【0114】
式(2)によって与えられたスペクトル表現における項の振幅および位相オフセットは一般に、たとえばヘテロダイン信号によって経験された群遅延の特性の結果として項に関連付けられた位相の変化の率の大きさに依存する。群遅延はしばしば、包絡線遅延と呼ばれ、周波数のパケットの遅延を記述し、特定の周波数での群遅延は、特定の周波数での位相曲線の傾きの負数として定義される(H.J.BlinchikoffおよびA.I.Zverevの「Filtering in the Time and Frequency Domains」、Section 2.6、1976年(Wiley、New York)を参照)。
【0115】
s2, Ψにおける周期的誤差項に対応する、F(s2)において抽出された複素スペクトル係数が、次いで電子プロセッサ154に送信され、ここで抽出されたスペクトル係数が正規化され、時間に関してフィルタリングされ、必要であるように補間が行われ、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイが維持される。正規化のステップは、ψ2の2次以上の導関数のゼロでない値の効果を、複素スペクトル係数のセットの決定の時間で存在する時間に関して補償するためのものである。多次元アレイの次元性は部分的には、フィルタリングされた複素スペクトル係数の大きさ、コヒーレント周期的誤差についての補正に関する最終用途の応用例の必要とされた精度、およびフィルタリングされた複素スペクトル係数の・ψ2および他のシステム特性における依存性によって決定される。
【0116】
図2bに示したような電子プロセッサ127における次のステップでは、電子行列155がコヒーレント周期的誤差補正s2, Ψ ,Mを、電子プロセッサ154によって生成された正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイにおいてリストされた情報を使用して計算する。電子プロセッサ152はs2−s2, Ψ ,Mを計算して、s2におけるコヒーレント周期的誤差を補償する。コヒーレント周期的誤差補償された信号s2−s2, Ψ ,Mおよび角周波数ω2が電子プロセッサ256に伝送され、ここでs2−s2, Ψ ,Mの位相、ψ2が位相検出器によって決定され、これはスライディングウィンドウFFT、ゼロ交差位相検出器などである。位相ψ2が信号128としてデジタルコンピュータ129へ、コヒーレント周期的誤差によって影響されない対象192の線形変位を決定するなどのダウンストリームアプリケーションにおいて使用するために、伝送される。
【0117】
電子プロセッサ127を含む各電子プロセッサは、各機能をデジタルプロセスとして実行することが好ましい。
抽出された複素スペクトル係数の正規化のための数学的形式を次に記載する。s2のフーリエ変換は、式(2)から明らかであるようなcosζ2,u,u',p,p+cos(uω2t+ω’u'+pψ2−p+ψ2 +)およびsinζ2,u,u',p,p+sin(uω2t+ω’u'+pψ2−p+ψ2 +)などの係数を有する項のフーリエ変換を含む。シヌソイド関数sinβのフーリエ変換は、cosβのフーリエ変換に、以下のように関係付けられる。
【0118】
【数14】
式中、βは時間の関数であり、式(2)におけるシヌソイド係数の引数を表す。cosβのフーリエ変換の評価では、係数cosβは以下のように記述される。
【0119】
【数15】
式(9)における係数cos[β(t)−β(T)−・β(T)(t−T)]およびsin[β(t)−β(T)−・β(T)(t−T)]は、t=Tについてのテイラー級数において展開され、ただし・β(T)=[dβ/dt]t=Tである。(t−T)において5次までの項を含むテイラー級数の展開を、以下の公式に従って表すことができる。
【0120】
【数16】
【数17】
s2, Ψにおいて与えられた項では、時間に関するβの対応する2次以上の導関数が、時間に関するψ2の2次以上の導関数にそれぞれ比例し、比例定数は、与えられた項における各シヌソイド係数の特性によって決定される。比例定数をゼロまたは非ゼロにすることができる。T−τ/2からT+τ/2の時間間隔にわたるcosβのフーリエ変換を、式(9)、(10)および(11)における表現を使用して、以下のように表すことができる。
【0121】
【数18】
式中
【0122】
【数19】
【0123】
【数20】
jn(x)、n=0、±1、±2、...、は、第1種および次数nの球ベッセル関数である(M.AbramowitzおよびI.Stegun編集の「Handbook of Mathematical Functions」、Nat.Bureau of Standards Applied Mathematics Series 55の第10章を参照)。jm(x)の項におけるgn(x)についての係数は、Pm(x)の項におけるxnについての係数と同じものであり、これは、(i)mによって乗算されたルジャンドルのm次数の多項式である(AbramowitzおよびStegunの前掲における式10.1.14および表22.9を参照)。
【0124】
電子プロセッサ153では、コヒーレント周期的誤差の複素スペクトル係数が、〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aの周波数のサブセットでのフーリエ変換F(s2)の複素数値を使用して抽出され、ψ2のゼロでない2次以上の時間導関数の効果について正規化される。βのゼロでない2次以上の導関数の正規化は、式(8)(12)(13)および(14)を使用して得られる。ψ2の2次以上の時間導関数についての値は、反復手順において電子プロセッサ156の出力から得られる。ψ2のゼロでない2次以上の時間導関数についての補正を行うことにおいて含まれなければならない、ψ2のより高次の導関数の数は、部分的にはτの大きさによって、かつ部分的にはψ2の2次以上の時間導関数の大きさによって決定される。
【0125】
対応する周波数〜ω2, νおよび〜ω2, ν ,Aのサブセットのあるもの、およびF(s2)における優位複合ピークの周波数が、フーリエ変換F(s2)の角周波数分解能の次数以下によって分離される2つまたはそれ以上の周波数値を含むための、・ψ2の値のセットがある。・ψ2の値のセットでは、F(s2)の各値は、コヒーレント周期的誤差の各フーリエ変換のスーパーインポーズされた値、およびF(s2)における優位複合ピークを表し、電子プロセッサ153によって決定された複素スペクトル係数の値に含まれない。電子プロセッサ153によって決定された複素スペクトル係数の値は、電子プロセッサ154に伝送される。
【0126】
電子プロセッサ154は、時間に関して、電子プロセッサ153から受信された正規化された複素スペクトル係数の値をフィルタリングし、フィルタリングされ正規化された値を補間して、電子プロセッサ153によって決定されたフィルタリングされ正規化された複素スペクトル係数の値に含まれないコヒーレント周期的誤差の複素スペクトル係数を決定する。複素スペクトル係数の正規化、フィルタリングかつ補間された値が・ψ2に依存すると決定された場合、複素スペクトル係数の正規化、フィルタリングかつ補間された値の・ψ2依存性を、・ψ2のべき級数、直交関数または直交多項式において有効に表すことができる。
【0127】
複素スペクトル係数の正規化、フィルタリングかつ補間された値の決定されたセットが電子プロセッサ155に伝送され、ここでs2, Ψ、s2, Ψ ,Mの計算された値が生成される。
【0128】
測定対象ミラーの向きに依存する、対応するコヒーレント周期的誤差振幅および位相オフセットを有する、あるタイプのコヒーレント周期的誤差がある。このタイプのコヒーレント周期的誤差を以下で、可変係数タイプのコヒーレント周期的誤差と称する。測定対象ミラーのチルトおよびヨーが必要な精度まで測定かつ監視され、たとえば、干渉法手段によって測定される、最終用途の応用例では、可変係数タイプのコヒーレント周期的誤差を、本発明の枠組内で測定かつ補償することができる。
【0129】
可変係数タイプのコヒーレント周期的誤差のためのコヒーレント周期的誤差表現における周期的誤差複素振幅は、複素倍数因子を含むようになる。可変タイプのコヒーレント周期的誤差を、続いて2つのサブタイプに関して記載する。2つのサブタイプのうち第1のサブタイプのための複素倍数因子は一般に、出力ビームのゴーストビームおよび非ゴーストビーム成分の、あるいは2つのゴーストビーム成分のオーバーラップの程度の関数となり、この関数を実験に基づいてモデル化かつ/または測定することができる。第1のサブタイプでは、出力ビームの対応するゴーストビームおよび非ゴーストビーム成分、または2つのゴーストビーム成分の波面は、対象ミラーの向きに無関係に平行である。2つのサブタイプのうち第2のサブタイプの複素倍数因子は一般に、出力ビームのゴーストビームおよび非ゴーストビーム成分の、あるいは2つのゴーストビーム成分のオーバーラップの程度、および、出力ビームの対応するゴーストビームおよび非ゴーストビーム成分の、あるいは2つの対応するゴーストビーム成分の波面の間の刃物角の関数となる。第2のサブタイプでは、出力ビームの対応するゴーストビームおよび非ゴーストビーム成分の、あるいは2つの対応するゴーストビーム成分の波面は、測定対象ミラーの特定の向きについて実質的に平行となる。複素倍数因子の特性は、周辺可視度関数の特性に類似するものとなり、実験に基づいてモデル化かつ/または測定することができる。
【0130】
可変係数タイプのコヒーレント周期的誤差を、ある光学要素またはその一部のチルトによって除去することができる、最終用途の応用例では、チルトおよびヨーにおける情報を使用して、可変係数タイプのコヒーレント周期的誤差が無視できるように十分小さいときを確かめることができる。
【0131】
s2, Ψにおけるコヒーレント周期的誤差のスペクトル表現における複素振幅も、s2の大きさに依存するようになる。s2の大きさにおける複素振幅の依存性を、本発明の枠組内で測定かつ補償することができる。コヒーレント周期的誤差のスペクトル表現における複素振幅は、複素倍数因子を含むようになる。特定のコヒーレント周期的誤差のスペクトル成分のための複素倍数因子は、s2の関数となり、s2におけるべき級数として容易に表される。べき級数表現は、s2の大きさが変化されるときの各特定の複素振幅の測定された特性から決定される。ある干渉計および検出器のシステムでは、べき級数表現を、〜ω2, νまたは〜ω2, ν ,Aの対応する値に関連付けられたqの対応する値から決定することができる。
【0132】
識別かつ補償するにはより微妙なタイプのコヒーレント周期的誤差のうちの1つは、・ψ2の値に依存しない|F(s2)|2における優位ピークの角周波数と同じものである〜ω2, νを有する。このタイプのコヒーレント周期的誤差を、以下で、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差と称する。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の線源は一般に、たとえばq=3、5、...など、1より大きい非線形性指数qの奇数の次数値を有する非線形性を含む。
【0133】
主なゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差は、式(2)において、u=1、u’=0、p=1、p+=0およびqR=1での項から生じ、以下のように表すことができる。
【0134】
【数21】
式(20)において表されていない他のゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差は、式(2)において、u、pおよびp+の異なる値および値の組み合わせについて生じる。式(20)において省略された項は、振幅a2,1,0,1,0を有する優位項と、他の周期的誤差項の間の非線形結合から生じ、したがってこれらは一般に数倍小さい。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差が、(ω2t+ψ2)の位相を有するs2の測定されたスペクトル成分の振幅および位相オフセットを修正し、この修正は、存在するコヒーレント周期的誤差の特性に依存することは、式(20)から明らかである。
【0135】
したがって、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果が、s2において周期的誤差としてではなく、第1の実施形態の装置のための動作条件の範囲を超えて、|F(s2)|2における優位ピークの周波数での位相オフセットを修正する誤差として、明らかとなる。詳細には、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差が、|F(s2)|2における優位ピークの周波数でのs2の群遅延特性を変える。したがって、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果が、第1の実施形態において、|F(s2)|2における優位ピークの周波数での群遅延の効果が、干渉計および関連付けられた電子信号プロセッサを含むシステムについて測定されるときの場合について、補償されることは明らかである。測定が真空中の干渉計の測定区間により実行されて、・ψの特徴化における気流の乱れの影響が防止されることが好ましい。
【0136】
F(s2)におけるゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の項が、群遅延効果についての補償のための手順の一部として補償されない場合について、2つの手順を以下のパラグラフで記載し、これはゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果を分離かつ検出するためのものである。
【0137】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の特徴化は重要となる可能性があり、これは、それらが|F(s2)|2の優位ピークにおいて生成する位相オフセットが、測定および参照ビームの強度、および光学干渉信号を生成するビームの相対的オーバーラップ−干渉法システムのオペレーション中に変化する可能性のあるパラメータにより変わるからである。さらに加えて、位相オフセットはドップラーシフトにより変わる可能性がある。
【0138】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果を分離かつ検出するために記載する2つの手順のうち第1のものは、2つの手順のうち実施がより簡単な方であるが、応用可能性の領域が制限されている。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差のセットの各コヒーレント周期的誤差について、〜ω2, νの値を有する対応するコヒーレント周期的誤差があり、これらは|F(s2)|2における優位ピークの角周波数とは異なるものである。たとえば、q=n≧3の奇数の次数の非線形順位指数では、異なる〜ω2, νのセットを3ωd、5ωd、...、nωdと書くことができ、ただしωdは、F(s2)における優位複合ピークの角周波数である。F(s2)では、対応するコヒーレント周期的誤差がnのただ1つの値に対応し、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の係数の比、およびゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の対応する係数の比が、ある装置について、nの各値についてのBq,nの比を含む係数によって指定される。電子プロセッサ154は、対応するコヒーレント周期的誤差係数のセットを検査し、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差係数の値を、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の係数と、対応するコヒーレント周期的誤差係数のセットの間の比を使用して決定する。qの複数の値が、対応するコヒーレント周期的誤差の記述において必要とされる場合では、対応するゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差係数を、対応するコヒーレント周期的誤差係数のセット、対応する連立方程式のセット、および対応する二項係数のセットの少なくとも二乗解析から決定することができる。
【0139】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果を分離かつ検出するための第1の手順の有効性は、異なる〜ω2, νのセットが角周波数を含み、ただしs2を生成する検出器185のアナログ部の変換関数が本質的に一定ではないときに、減らされる。
【0140】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果を分離かつ検出するために記載する第2の手順は、2つの入力ビーム109および109T(ビーム109Tは図2aに図示せず)の使用に基づく。ビーム109Tは、周波数分割ω2,Tを有する2つの直交偏光成分を有することにおいて、ビーム109に類似している。しかし、ビーム109Tの成分の間の周波数分割ω2,Tは、ビーム109の成分の間の周波数分割ω2とは異なるように選択される。周波数分割の間の差の絶対値|ω2,T−ω2|は、ω2+・ψおよびω2,Nyより小さくなるように選択される。ビーム109Tは、干渉計169および検出器189を介して伝播して、干渉信号成分s2,Tを信号123において生成する。s2,Tの記載は、s2について与えられた記載の対応する部分と同じものである。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差を生成する第1の実施形態の装置の特性は、ビーム109Tが存在するとき、s2+s2,Tの電力スペクトルにおける周波数に関して、密接な間隔の多重線も生成する。多重線の連続メンバの間の周波数間隔は、ビーム109および109Tの周波数分離に等しい。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の振幅および位相を、多重線のメンバの振幅および位相の項における関係によって表すことができる。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差を分離するための手順では、主なゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差が、多重線のメンバの関係、および、測定された振幅および位相を使用して決定される。
【0141】
ビーム109Tの線源の記載(ビーム109Tの線源は図2aに図示せず)は、ビーム109の線源について与えられた記載の対応する部分と同じものである。たとえば、図2eに示すように、干渉法システムは、線源101、およびドライバ105によって励磁される変調器103を含むビーム109のための第1の線源、および別の線源101T、および別のドライバ105Tによって励磁される別の変調器103Tを含むビーム109Tのための第2の線源、および第1および第2の線源によって生成されたビームを結合するための光学部品106を含むことができる。図2fに示したもう1つの実施形態では、ビーム109および109Tが共に同じ線源、レーザ101’から導出される。たとえば、レーザ101’は、レーザ101’の異なる縦モードに対応する2つのビーム108および108Tを生成することができる。ドライバ105および105Tによってそれぞれ励磁される変調器103および103Tは、次いでビーム108および108Tにおいて動作して、入力ビーム109および109Tを生成する。さらなる実施形態では、両方の分割周波数ω2およびω2,Tで駆動された単一の変調器を使用することができる。必要なとき、ビーム109および109Tの強度を、周波数分割が可能であるように調整することができる。たとえば、ビーム109Tのための線源は、ゼロ周波数シフト周期的誤差が特徴化された後、これを干渉法システムから除去することができる。
【0142】
一般に、ビーム109の成分の平均周波数とビーム109Tの成分の平均周波数の間の差は、ナイキスト周波数ω2,Nyより大きく、たとえば、ナイキスト周波数ω2,Nyの2倍の大きさになるように選択されて、ゼロ周波数シフト多重線におけるもの以外のビーム109と109Tの間の干渉に対応する検出器189によって生成された信号における項が最小化される。逆に、周波数分割自体は、ナイキスト周波数より小さくなるように選択される。一般に、周波数分割の間の差の絶対値|ω2,T−ω2|は、周波数分割自体のいずれよりも小さくなるように選択されて、他の周期的誤差を有する多重線のスペクトルオーバーラップが最小化され、かつ、s2およびs2,Tにおけるゼロシフト周波数周期的誤差係数の間のいかなる差も最小化される。たとえば、|ω2,T−ω2|を、|ω2,T−ω2|<(ω2/100)となるように選択することができる。
【0143】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差は、s2+s2Tにおける項のフーリエ解析から決定され、これは[aνcos(ω2t+ψ2+ζν)+aν Tcos(ω2Tt+ψ2T+ζν T)]qなどであり、式中、ν=(2、1、0、1、0)かつq=3、5、...である。このような解析の結果を、たとえばq=3、5および7についてリストする。特定の最終用途の応用例において必要とされるようなqの他の値についての結果は、同じ手順によって生成することができる。q=3では、多重線に寄与する主な項は以下の通りである。
【0144】
【数22】
量(k2T−k2)が単に、ビーム109および109Tの周波数における差の2π/c倍であることに留意されたい。
【0145】
q=5では、多重線に寄与する主な項は以下の通りである。
【0146】
【数23】
q=7では、多重線に寄与する主な項は以下の通りである。
【0147】
【数24】
角周波数分離の大きさが、ω2+・ψおよびω2,Nyよりはるかに小さくなるように選択されるので、係数Bν q,1が、s2およびs2Tにおける対応する項の表現のためのよい近似に使用される。
【0148】
式(21)、(26)および(27)における項が、各多重線における各位置に従って配列される。s2におけるゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の最大の項が、係数(aν)3Bν 3,1cosα2,3、(aν)5Bν 5,1cosα2,5、(aν)7Bν 7,1cosα2,7、...の和であることに留意されたい。さらに、多重線qのための位相差(α2qT−α2q)を、各多重線の最低および最高周波数成分に対応する2つの項の測定された位相の差から直接得ることができ、その差はq(α2qT−α2q)に等しいことに留意されたい。
【0149】
ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差の効果を分離かつ検出するための手順の記載を続けると、電子プロセッサ154が、多重線における項に対応する複素スペクトル係数のセットについての、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の値を検査する。s2におけるゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差、係数(aν)3Bν 3,1cosα2,3、(aν)5Bν 5,1cosα2,5、(aν)7Bν 7,1cosα2,7、...の和は、複素スペクトル係数のセットの少なくとも二乗解析から、式(21)、(26)および(27)において見られるものなど、多重線に寄与する項を記述する式を使用して決定される。含められる必要のある係数(aν)3Bν 3,1cosα2,3、(aν)5Bν 5,1cosα2,5、(aν)7Bν 7,1cosα2,7、...の和における項の数は、項の大きさ、および、s2におけるゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差についての補償において必要とされた精度によって決定される。
【0150】
先に引用した電子プロセッサ154は、電子プロセッサ153から受信された、正規化された複素スペクトル係数の値をフィルタリングし、正規化されフィルタリングされた値を補間して、電子プロセッサ153によって決定された複素スペクトル係数の値に含まれていないコヒーレント周期的誤差の値を決定する。正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の値が、・ψ2に依存するように決定される場合、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の値の・ψ2依存性を、・ψ2におけるべき級数、一連の直交関数、または一連の直交多項式において有効に表すことができる。決定された場合、ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差のセット、および正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の決定された値が、電子プロセッサ155に伝送され、s2, Ψ、s2, Ψ ,Mのシミュレートされた値が生成される。シミュレートされた値s2, Ψ ,Mおよびs2が電子プロセッサ152に伝送され、s2, Ψ ,Mがs2から差し引かれてs2−s2, Ψ ,Mが生じる。信号s2−s2, Ψ ,Mおよび周波数ω2が電子プロセッサ156に伝送され、位相ψ2が、好ましくはスライディングウィンドウFFTまたは他の同様の位相検出器によって決定される。位相ψ2がコンピュータ129に信号128として、コヒーレント周期的誤差によって影響されない対象192の線形変位の決定において使用するために、伝送される。
【0151】
第1の実施形態の記載において、周期的誤差への異なる寄与は一般に、ビーム109の線源における、干渉計169の構成要素における、検出器システム189における、かつ/または電子プロセッサ127における欠陥の結果であったことに留意されたい。また、この記載から、周波数および振幅に関する周期的誤差項の特性が一般に周期的誤差項の起源の識別を可能にすることは、すなわち特定のタイプの欠陥に関しても明らかである。たとえば、周波数ω’2u'のセットに関連付けられた周期的誤差は、ビーム109において、音響光学変調器103における、線源101の電源システムにおける欠陥、および/またはレーザにおける不安定性による可能性のある強度変動を示す。周波数・ψに関連付けられた周期的誤差項は、ビーム109における偏光混合による、かつ/または偏光ビームスプリッタインターフェイス171における欠陥による可能性がある。パラメータqに関連付けられた周期的誤差項は、検出器システム189および/または電子プロセッサ127における非線形性を示す。
【0152】
続いて、干渉計システムの1つまたは複数の構成要素の性能における劣化を、図1に関して上に記載したような周期的誤差項の特性を監視することによって検出することができる。このような劣化の検出は一般に初期検出システムとなり、すなわち、補正的な測定の実施のための機会が与えられ、これは一般に、干渉計システムが、所与の最終用途の応用例について受け入れ不可能なモードにおいて使用される前に、実施することができる。補正的な測定は、たとえば、関連付けられた周期的誤差項の特性によって指示された問題領域において、劣化された構成要素を補正するためのプログラムされた保守の一部にすることができる。さらに、関連付けられた周期的誤差項の特性による問題領域の指示は、補正的測定を実行する効率を実質的に向上させることができる。
【0153】
第1実施形態の記載では、図2aにおいて例示した干渉計の構成が、当技術分野では偏光マイケルソン干渉計として知られていることを述べた。マイケルソン干渉計の他の形式、および、高安定平面鏡干渉計などの他の干渉計の形式、または、C.Zanoniの「Differential interferometer arrangements for distance and angle measurements:Principles,advantages and applications」という名称の論文、VDI Berichte Nr.749,93〜106(1989年)に記載されているものなど、角度補償干渉計または類似のデバイスは、集積回路のリソグラフィ製造において一般に遭遇されるステージと共に作業するときなど、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の装置に組み込むことができ、前述の論文は参照により本明細書に組み込まれる。
【0154】
1998年9月18日出願の同時係属の所有者が同じであるHenry A.HillおよびPeter de Grootの「Interferometer Having A Dynamic Beam Steering Assembly」という名称の米国特許出願第09/157,131号、1999年5月5日出願のHenry A.Hillの「Interferometry System Having A Dynamic Beam Steering Assembly For Measuring Angle And Distance」という名称の米国特許出願第09/305,828号、1999年8月27日出願のHenry A.Hillの「Polarization Preserving Optical Systems」という名称の米国特許出願第09/384,742号、1999年8月27日出願のPeter de Grootの「Interferometer Having Reduced Ghost Beam Effects」という名称の米国特許出願第09/384,609号、および1999年8月27日出願のHenry A.Hillの「Interferometers Utilizing Polarization Preserving Optical Systems」という名称の米国特許出願第09/384,855号に記載された他の形式の干渉計を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の装置に組み込むことができ、前述の出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0155】
図2cは概略的形式において、第1実施形態の変形形態の好ましい装置および方法による、電子プロセッサ127Aを示す。第1の実施形態の変形形態は、いくつかの異なるカテゴリの実施形態のうち第1のカテゴリからのものであり、ビーム109、ビーム109の線源、干渉計169、検出器システム189、および図2aに示した第1の実施形態のデジタルコンピュータ129、および図2cに示した電子プロセッサ127Aを含む。
【0156】
電子プロセッサ127Aはある要素を含み、これは、第1の実施形態の電子プロセッサ127の同様に番号付けされた要素などの類似の機能を実行する。電子プロセッサ127Aのオペレーションでは、図3cに示したように、電子プロセッサ152によって生成された信号(s2−s2, Ψ ,M)が、電子プロセッサ156および電子プロセッサ151Bに伝送される。電子プロセッサ151Bが(s2−s2, Ψ ,M)のフーリエ変換F(s2−s2, Ψ ,M)を生成し、F(s2−s2, Ψ ,M)が127Aのうち電子プロセッサ153に伝送される。
【0157】
F(s2−s2, Ψ ,M)における非ゼロ複素スペクトル係数は、s2におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償を表す。s2におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償は、たとえば、時間に関するコヒーレント周期的誤差の変化の結果および/または測定された量における統計的誤差の結果となる可能性がある。不完全な補償は一般に、電子プロセッサ154Aによる正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイを確立するための初期化段階中に存在する。127Aのうち電子プロセッサ153は、F(s2−s2, Ψ ,M)の複素スペクトル係数を決定し、複素スペクトル係数が電子プロセッサ154Aに伝送される。電子プロセッサ154Aは、s2におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償を表す複素スペクトル係数を処理し、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイを更新する。電子プロセッサ154Aは、そうでない場合、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイを処理し、これは第1の実施形態のプロセッサ127の電子プロセッサ154と同じである。
【0158】
第1の実施形態の変形形態の残りの記載は、第1の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
図3aは概略的形式において、本発明の第2の実施形態による装置および方法を示す。第2の実施形態は、第2のカテゴリの実施形態からのものである。図3aに示した干渉計は、偏光へテロダインのシングルパス干渉計である。記載した実施形態はヘテロダインシステムであるが、本発明は容易にホモダインシステムにおける使用のために適合され、この場合、参照および測定ビームは同じ周波数を有する。
【0159】
第2の実施形態のビーム209の線源およびビーム209の記載は、第1の実施形態のビーム109の線源およびビーム109について与えられた記載の対応する部分と同じものである。また、第2の実施形態の干渉計269および検出器システム289の記載は、第1の実施形態の干渉計169および検出器システム189について与えられた記載の対応する部分と同じものである。第2の実施形態の要素は、ビーム209の線源およびビーム209、干渉計269および検出器システム289を含み、ビーム109の線源およびビーム109、干渉計169および検出器システム189を含む第1の実施形態の、100だけ減分され、同様に番号付けされた要素のような同様の機能を実行する。
【0160】
干渉計269は、位相シフトψ3をビーム241の第1および第2の成分の間に導入し、ビーム241が位相シフトされたビームであるようにする。位相シフトψ3は、以下の公式に従って、測定経路298の往復の物理的長さL3に関係付けられる。
【0161】
ψ3=L3p3k3n3 (28)
式中、p3はそれぞれ参照および測定区間を通過する数であり、n3は、位相シフトψ3を導入する光学的距離に、かつ波数k3=2π/λ3に対応する、測定経路298におけるガスの屈折率であり、λ3はビーム207の波長である。図3aに示した干渉計はp3=1についてのものであり、もっとも単純な方法において、第2の実施形態の装置の機能を例示するためのものである。当業者には、p3≠1であるときの場合への汎化は簡単な手順である。L3についての値は、測定経路298の物理的長さと関連付けられた参照経路の間の差の2倍に対応する。
【0162】
図3aに示すような次のステップでは、位相シフトされたビーム241が偏光子279を通過し、光検出器285に衝突し、電子干渉信号、ヘテロダイン信号s3を、好ましくは光電子検出によって生成する。偏光子279は、位相シフトされたビーム241の偏光成分を混合するような向きにされる。信号s3は、以下の形式を有する。
【0163】
【数25】
式中、A3(t)およびα3(t)はそれぞれ、s3の振幅および位相である。
信号s3は、複素信号^s3の実数部^s3,Rであり、式中、s3は、原因となる、安定した、すなわち絶対的に可積な実数シーケンスを含む。したがって、s3のフーリエ変換s3,R(iω)は完全にS3(iω)を定義し(A.V.OppenheimおよびR.W.Schaferの「Discrete−Time Signal Processing」における第10章「Discrete Hilbert Transforms」を参照)、ただし以下のようになる。
【0164】
【数26】
S3,I(iω)は、S3(iω)の虚数成分であり、ωは角周波数であり、iは虚数√(−1)である。S3,I(iω)は、周波数応答関数H(iω)によってS3,R(iω)に関係付けられ、すなわち、以下のようになる。
【0165】
【数27】
式中、周波数応答関数H(iω)は、以下の式によって与えられる。
【0166】
【数28】
^s3の虚数成分^s3,Iは、以下と共にS3,I(iω)の逆フーリエ変換から得られる。
【0167】
【数29】
位相α3は、^s3,Rおよび^s3,Iから、以下の公式に従って得ることができる。
【0168】
【数30】
時間依存の引数α3は、他の量に関して、以下の公式に従って表される。
【0169】
【数31】
式中、Ψ3は非線形周期的誤差項を含み、位相オフセットζ3は、位相α3へのすべての寄与を含み、これらは測定経路298または参照経路の光学的距離に関係付けあるいは関連付けられず、非線形周期的誤差に関係付けられない。ヘテロダイン信号s3は電子プロセッサ227へ、デジタルまたはアナログのいずれかのフォーマットにおける電子信号223として解析するために伝送され、これはデジタルフォーマットであることが好ましい。電子信号223はさらにナイキスト角周波数ω3,Nyを含み、これはs3をデジタルフォーマットに変換することにおいて使用された、アナログ−デジタル変換器のサンプリング周波数によって決定されたものである。
【0170】
ドライバ205の位相は、電子信号s3,Ref、参照信号221によって伝送され、これはデジタルまたはアナログフォーマットであり、好ましくはデジタルフォーマットであり、電子プロセッサ227へ伝送される。参照信号は、参照信号221の代替参照信号であり、光学ピックオフ手段および検出器(図面において図示せず)によって、ビーム209の一部を非偏光ビームスプリッタにより分裂すること、ビーム209の分裂された部分を混合すること、および混合された部分を検出して代替ヘテロダイン参照信号を生成することによって、生成することもできる。
【0171】
非線形周期的誤差Ψ3は、第1の実施形態について記載したものと同じメカニズムによって生成された項を含み、したがって、以下でコヒーレント周期的誤差関数と称する。Ψ3、ω3およびψ3,Nyなどの量に関する、コヒーレント周期的誤差関数Ψ3のスペクトル表現は、異なる族の直交多項式および関数に基づかせることができる。2つの実施例は、フーリエ正弦および余弦関数を含む級数、およびチェビシェフの多項式関数を含む級数である。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、Ψ3のフーリエ正弦および余弦級数スペクトル表現が使用される。
【0172】
Ψ3のスペクトル表現の特性を、信号s3の特性に関して記載する。信号s3は、式(2)によって与えられたs2の形式と同じ形式を有し、したがって以下のように記述される。
【0173】
【数32】
Ψ3における項は式(36)から、最初に以下の形式においてs3を記述することによって得ることができる。
【0174】
【数33】
ここでは、式(29)および(35)を使用し、次いで、式(39)によって与えられた形式におけるs3の記述において生成されたsin(ω3t+ψ3+ζ3)およびcos(ω3t+ψ3+ζ3)項の係数を使用して、ψ3を、sin(ω3t+ψ3+ζ3)およびcos(ω3t+ψ3+ζ3)項の係数の比の−arctanとして計算する。式(39)の形式において記述された式(36)における項を、三角法による識別を使用して導くと、以下のようになる。
【0175】
【数34】
Ψ3のスペクトル表現における項は容易に識別され、これは、Ψ3が式(40)におけるsin(ω3t+ψ3+ζ3)およびcos(ω3t+ψ3+ζ3)項の係数の比の−arctanに等しいことに留意すること、および、式(40)におけるsin(ω3t+ψ3+ζ3)およびcos(ω3t+ψ3+ζ3)項の係数の特性を見ることによる。
【0176】
ψ3のスペクトル表現における項の係数は一般に、たとえば、ヘテロダイン信号によって経験された群遅延の特性の結果として項に関連付けられた位相の変化の率に依存する。
【0177】
図3cを参照すると、電子プロセッサ227は位相検出器250を含み、これは位相α3のためのヘテロダイン信号s3を、デジタルまたはアナログ信号プロセスのいずれか、好ましくはデジタルプロセスによって、デジタルヒルベルト変換位相検出器(R.E.Bestの「Phase−locked loops:theory,design,and applications」2nd ed.McGraw−Hill(New York)1993年のセクション4.1.1を参照)、ゼロ交差位相検出器など、時間ベースの位相検出を使用して処理する。電子プロセッサ227はさらにスペクトラムアナライザ251Aおよび251Bを含み、これらはそれぞれ参照信号s3,Refおよびヘテロダイン信号s3を、それぞれω3および・α3について処理する。角周波数α3は、s3の電力スペクトルにおける優位ピークの角周波数である。スペクトラムアナライザ251Aおよび251Bは、スライディングウィンドウフーリエ変換アルゴリズムに基づくことが好ましい。位相α3および角周波数ω3は電子プロセッサ252に伝送され、ここで〜ψ3=α3−ω3t、およびα3のフーリエ変換F(α3)が計算される。
【0178】
電子プロセッサ227における次のステップでは、フーリエ変換F(α3)および角周波α3、ω3およびω3,Nyが電子プロセッサ253に伝送され、ここでΨ3におけるコヒーレント周期的誤差項の複素スペクトル係数が、角周波数〜ω3, υ、およびエイリアス、〜ω3, υの〜ω3, υ ,Aで抽出される。α3における周期的誤差項の振幅は、関連付けられた電力スペクトルにおいて対応するピークの振幅に対応し、α3における周期的誤差項の位相は、関連付けられた電力スペクトルにおいて対応するピークの角周波数でのF(α3)の虚数および実数成分の比のarctanに対応する。角周波数〜ω3, υにおいて、νは、u,u’,p,p+およびqを含む指数パラメータであり、これは時間に関して、Ψ3のスペクトル表現における項のシヌソイド係数の引数の導関数に等しい角周波数のセットに対応する。エイリアス〜ω3, ν ,Aは、以下の公式によって与えられる。
【0179】
【数35】
および
【0180】
【数36】
実際には、ψ3における周期的誤差項の振幅および関連付けられた位相は、可能な〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aのセットの小さいサブセットについてのみ抽出される必要がある。可能な〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aのセットのサブセットの選択を、式(40)におけるsin(ω3t+ψ3+ζ3)およびcos(ω3t+ψ3+ζ3)項のある係数の特性によって導くことができる。しかし、初期化手順の一部として、可能な〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aのセットのサブセットの選択は、α3の電力スペクトル解析および電力スペクトルにおけるピークのカイ二乗検定に基づく。カイ二乗検定は、電力スペクトルにおける統計的に有意なピークを識別する。ω3、ω3,Ny、・ψ3、・ψ3 +、u、u’、p、p+、q、w3,1/w3,2およびrの項において、統計的に有意なピークに関連付けられた〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aのサブセットの角周波数〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aの表現は、・ψ3が変化されるときに、〜ω3, νおよびω3,Nyのそれぞれの特性を観察することによって決定される。10-6以下の次数の相対的精度まで、・ψ3 +=・ψ3であることに留意されたい。
【0181】
初期化手順は電子プロセッサ253によって実行される。第2の実施形態の動作手順の一部として、α3の電力スペクトル解析および電力スペクトルにおけるピークのカイ二乗検定が、可能な変化について監視され、これは、第2の実施形態の装置および方法の動作中に可能な〜ω3, νおよび〜ω3, ν ,Aのセットのサブセットに行われる必要がある可能性がある。監視手順の一部として実行された、α3の電力スペクトル解析および関連付けられたカイ二乗検定は、電子プロセッサ253によってバックグラウンドタスクとしても実行される。
【0182】
Ψ3における周期的誤差項に対応する、F(α3)において抽出された複素スペクトル係数が、次いで電子プロセッサ254に送信され、ここで抽出されたスペクトル係数が正規化され、時間に関してフィルタリングされ、必要であるように補間が行われ、正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイが維持される。正規化のステップは、ψ2の2次以上の導関数のゼロでない値の効果を、複素スペクトル係数のセットの決定の時間で存在する時間に関して補償するためのものである。多次元アレイの次元性は部分的には、フィルタリングされた複素スペクトル係数の大きさ、コヒーレント周期的誤差についての補正に関する最終用途の応用例の必要とされた精度、およびフィルタリングされた複素スペクトル係数の・ψ2および他のシステム特性における依存性によって決定される。
【0183】
図3bに示したような電子プロセッサ227における次のステップでは、電子行列255がコヒーレント周期的誤差補正Ψ3,Mを、電子プロセッサ254によって生成された正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイにおいてリストされた情報を使用して計算する。電子プロセッサ256(図3bを参照)はψ3を計算し、コヒーレント周期的誤差が〜ψ3からΨ3,Mを差し引くことによって補償されている。位相ψ3が電子プロセッサ227によって信号228としてコンピュータ229へ、ダウンストリームアプリケーションにおいて使用するために伝送される。
【0184】
電子プロセッサ227を含む各電子プロセッサは、各機能をデジタルプロセスとして実行することが好ましい。α3のフーリエ変換は、(ψ3+ω3t)のフーリエ変換、および、cos[(u−1)ω3t+ω’3u'+(p−1)ψ3−p+ψ3 +)]およびsin[(u−1)ω3t+ω’3u'+(p−1)ψ3−p+ψ3 +)]などの係数を有する項を含み、これは式(40)を見ることから明らかである。T−τ/2からT+τ/2の時間間隔にわたる(ψ3+ω3t)のフーリエ変換は、以下のように表すことができ、ψ3はt=Tについてのテイラー級数として表される。
【0185】
【数37】
第2の実施形態では、係数B3,1,0,1,0,q,qR、q=3、5、...を有する係数を有する項から生じるゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差が存在することは、式(40)を見ることから明らかである。ゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差は、第1の実施形態において存在するゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差と同じタイプの項から生じる。
【0186】
主なゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差を分離かつ検出するために使用される第2の実施形態の手順は、第1の実施形態のための主なゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差を検出かつ分離するために記載された手順と同じ技術に基づいている。第2のビーム209T(図3aにおいて図示せず)が導入、使用されて、多重線の連続メンバの周波数間隔の2分の1に等しい周波数で中心にされた、位相α3の電力スペクトルにおける多重線が生成される。ビーム209Tの記載は、第1の実施形態のビーム109Tについて与えられた記載の対応する部分と同じものである。多重線のメンバの振幅および位相に関して測定された特性が、電子プロセッサ227によって処理されて、第2の実施形態では、主なゼロ周波数シフトコヒーレント周期的誤差が、第1の実施形態について与えられた記載の対応する部分について記載されたものと同じ手順に従って、決定される。
【0187】
第2の実施形態の残りの記載は、第1の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
図3cは概略的形式において、第2の実施形態の変形形態の好ましい装置および方法による、電子プロセッサ227Aを示す。第2の実施形態の変形形態は、第2のカテゴリの実施形態からのものであり、ビーム209、ビーム209の線源、干渉計269、検出器システム289、および図3aに示した第2の実施形態のデジタルコンピュータ229、および図3cに示した電子プロセッサ227Aを含む。
【0188】
電子プロセッサ227Aはある要素を含み、これは、第2の実施形態の電子プロセッサ227の同様に番号付けされた要素などの類似の機能を実行する。電子プロセッサ227Aのオペレーションでは、図3cに示したように、位相α3、計算されたコヒーレント周期的誤差ψ3,Mおよび角周波数ω3が電子プロセッサ257に伝送され、そこでψ3、(α3−Ψ3,M)、および(α3−Ψ3,M)のフーリエ変換F(α3−Ψ3,M)が生成される。フーリエ変換F(α3−Ψ3,M)が227Aのうち電子プロセッサ253に、電子プロセッサ251Bからの角周波数・α3およびω3,Nyと共に伝送される。位相ψ3は電子プロセッサ227Aによって電子信号228として、デジタルコンピュータ229に伝送される。
【0189】
F(α3−Ψ3,M)における非ゼロ複素スペクトル係数は、ψ3におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償を表す。ψ3におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償は、たとえば、時間におけるコヒーレント周期的誤差の変化の結果および/または測定された量における統計的誤差の結果となる可能性がある。不完全な補償は一般に、電子プロセッサ254Aによる正規化、フィルタリングかつ補間された複素スペクトル係数の多次元アレイを確立するための初期化段階中に存在する。227Aのうち電子プロセッサ253は、F(α3−Ψ3,M)からの複素スペクトル係数を決定し、複素スペクトル係数が電子プロセッサ254Aに伝送される。電子プロセッサ254Aは、ψ3におけるコヒーレント周期的誤差の不完全な補償を表すスペクトル係数を処理し、フィルタリングされたコヒーレント周期的誤差係数の多次元アレイを更新する。電子プロセッサ254Aはさらに、フィルタリングされたコヒーレント周期的誤差係数の多次元アレイを処理し、これは第2の実施形態のプロセッサ227の電子プロセッサ254と同じであり、ψ3の非ゼロの二次以上の次数の導関数について必要とされた補正、および、各コヒーレント周期的誤差の、周波数についての、スーパーインポーズされた値に対応するスペクトル係数の識別および省略に関するものである。
【0190】
第2の実施形態の変形形態の残りの記載は、第2の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
図4a、図4bおよび図4cは概略的形式において、本発明の第3の実施形態の好ましい装置および方法を示す。第3の実施形態は、いくつかの異なるカテゴリの実施形態のうち第3のカテゴリからのものである。第3のカテゴリの実施形態のうちある実施形態は、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの効果について測定かつ補正するために使用されるものなど、光学分散関連信号における周期的誤差について測定かつ補正するための装置および方法を含む。第3のカテゴリの実施形態のうちある他の実施形態は、分散関連信号、および、距離測定干渉計の測定経路の光学的経路長の変化の決定のために使用された信号における周期的誤差について測定かつ補正するための装置および方法を含む。測定経路におけるガスの効果についての補正における周期的誤差の効果は、光学的経路長の変化の決定のために使用された信号における周期的誤差の効果より、1.5倍以上大きい。
【0191】
第3の実施形態は、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの分散を測定かつ監視するため、かつ、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの効果について補正するための装置および方法を含む。第3の実施形態はさらに、ガスの分散を測定するために使用されるものなど、光学分散関連信号、および、距離測定干渉計における測定経路の光学的経路長の変化の決定のために使用された信号における、周期的誤差の効果について測定かつ補正するための装置および方法を含む。ガスの屈折率および/または測定経路の物理的長さが変化している可能性がある。加えて、適合された線源によって生成された光ビームの波長の比は、ゼロでない量からなる、知られている比の値へのある相対的精度に合致する。ゼロでない量は、1つまたは複数の低い次数のゼロでない整数を含むことができる。
【0192】
図4aを参照し、第3の実施形態の好ましい装置および方法によれば、光ビーム309および光ビーム309の線源の記載は、第1の実施形態の光ビーム109および光ビーム109の線源について与えられた記載の対応する部分と同じものである。線源301の波長はλ4である。次のステップで、線源302から放射された光ビーム308が変調器304を通過し、光ビーム310になる。変調器304は、電子ドライバ306によって励起され、これは電子ドライバ305による変調器303の励起にそれぞれ類似している。線源302は、線源301に類似しており、レーザまたは偏光されたコヒーレント放射の同様の線源であることが好ましいが、好ましくは異なる波長λ5である。
【0193】
波長λ4/λ5の比は、知られている近似比の値l4/l5を有し、すなわち以下のようになる。
【0194】
【数38】
式中、l4およびl5はゼロでない量を含む。ゼロでない量は、1つまたは複数の低い次数のゼロでない整数値を含むことができる。それぞれビーム309および310の周波数シフトされていない成分に対して、それぞれ量f4およびf5によってシフトされた発振周波数を有するビーム309および310の成分は、4aの面に対して直交に偏光される。発振周波数f4およびf5はそれぞれ、電子ドライバ305および306によって決定される。加えて、ビーム309および310の周波数シフトされた成分の周波数シフトの方向は同じである。
【0195】
ビーム307および308に、別法として、複数の波長を放射する単一のレーザ線源を提供することができ、これは、倍周波数を達成するために光倍周波数手段に結合された単一のレーザ線源、レーザキャビティなどの内部にある非線形要素を有するレーザ線源、和周波数生成または差分周波数生成に結合された差波長の2つのレーザ線源、または、2つ以上の波長の光ビームを生成することができるいずれかの同等の線源構成によることは、当業者には理解されよう。また、周波数シフトf4およびf5の一方または両方が、ゼーマン分裂、レーザキャビティの内部の複屈折要素、または同様のレーザ線源自体の現象特性の結果である可能性があることも、当業者には理解されよう。2つの幅広く分離された波長を有する単一のレーザによるビームの生成において、各ビームについて、直交偏光された成分のペアがあり、各ペアのうち1つの成分が、対応するペアのうち第2の成分に関して周波数シフトされるものは、1998年3月発行のP.Zorabedianの「Dual Harmonic−Wavelength Split−Frequency Laser」という名称の米国特許第5,732,095号に記載されている。
【0196】
さらに、ビーム309および/またはビーム310の両方の偏光成分を、本発明の範囲および精神から逸脱することなく周波数シフトすることができ、f4はビーム309の偏光成分の周波数における差を残し、f5はビーム310の偏光成分の周波数における差を残すことは、当業者には理解されよう。干渉計およびレーザ線源の改良された分離は一般に、ビームの両方の偏光成分を周波数シフトすることによって可能であり、改良された分離の程度は、周波数シフトを生成するために使用される手段に依存する。
【0197】
次のステップで、ビーム309がミラー353Aによって反射され、その一部が二色性の非偏光ビームスプリッタ353Bによって反射されて、ビーム313の第1の成分、λ4成分となる。ビーム310の一部が二色性の非偏光ビームスプリッタ353Bによって伝送されて、ビーム313の第2の成分、λ5成分となり、λ5成分の伝播はλ4成分の伝播と平行かつ同延であることが好ましい。さらなるステップで、ビーム313が、光学手段からなる干渉計369に伝播し、これは位相シフトψ4を、ビーム313のλ4成分の非周波数シフトされた成分と周波数シフトされた成分の間に導入し、位相シフトψ5を、ビーム313のλ5成分の非周波数シフトされた成分と周波数シフトされた成分の間に導入するためのものである。位相シフトψ4およびψ5の大きさは、以下の公式に従って、測定経路398の往復の物理的長さL4およびL5に関係付けられる。
【0198】
ψm=Lmpmkmnm、m=4および5 (45)
式中、pmは、多数の経路の干渉計のためのそれぞれ参照および測定区間を通過する数であり、nmは、波数km=(2π)/λmに対応する、測定経路398におけるガスの屈折率である。
【0199】
図4aに示すように、干渉計369は、参照逆反射体391、変換器367によって位置がコントロールされる対象逆反射体392、4分の1波長位相遅延板377および378、および偏光ビームスプリッタ373を含む。4分の1波長位相遅延板377および378、および偏光ビームスプリッタ373は、各特性をλ4およびλ5で示す。この構成は、当技術分野において偏光マイケルソン干渉計として知られており、p4=p5=1による簡単な例示として示される。
【0200】
通過数のパラメータp4およびp5は、同じである値、または、他方に関して異なるものである値を有することができる。
式(45)は、ある波長を有するビームのための干渉計における経路、および第2の波長を有するビームのための干渉計における経路が、実質的に同延である場合について有効であり、この場合が、もっとも簡単な方法において、第3の実施形態における本発明の機能を例示するために選択される。当業者には、2つの異なる波長を有するビームのための各経路が実質的に同延でない場合への汎化は簡単な手順である。
【0201】
干渉計369を通過した後、測定経路398を通過するビーム313の部分は、位相シフトされたビーム333となり、逆反射体391を含む参照経路を通過するビーム313の部分は、位相シフトされたビーム334となる。位相シフトされたビーム333および334はそれぞれ、平面に対して、かつ図4aの面において直交に偏光される。従来の二色性ビームスプリッタ361が、波長にλ4およびλ5に対応するビーム333のこれらの部分をそれぞれビーム335および337に分離し、波長にλ4およびλ5に対応するビーム334のこれらの部分をそれぞれビーム336および338に分離する。ビーム335および336は検出器システム389に入射し、ビーム337および338は検出器システム390に入射する。
【0202】
図4aに示すような検出器システム389では、ビーム335が最初にミラー363Aによって反射され、次いで偏光ビームスプリッタ363Bによって反射されて、ビーム341の第1の成分を形成する。ビーム336が偏光ビームスプリッタ363Bによって伝送されて、ビーム341の第2の成分となる。検出器システム390では、ビーム337が最初にミラー364Aによって反射され、次いで偏光ビームスプリッタ364Bによって反射されて、ビーム342の第1の成分を形成する。ビーム338が偏光ビームスプリッタ364Bによって伝送されて、ビーム342の第2の成分となる。ビーム341および342は偏光子379および380をそれぞれ通過し、光検出器385および386にそれぞれ衝突し、好ましくは光電子検出によって2つの電子干渉信号を生成する。2つの電子干渉信号は2つのヘテロダイン信号s4およびs5をそれぞれ含む。偏光子379および380はそれぞれ、ビーム341および342の偏光成分を混合するような向きにされる。ヘテロダイン信号s4およびs5は、波長λ4およびλ5にそれぞれ対応する。
【0203】
信号s4およびs5は、以下の形式を有する。
【0204】
【数39】
式中
【0205】
【数40】
式(46)によって与えられたs4およびs5の表現の記載は、式(2)によって第1の実施形態のs2の表現について与えられた記載の対応する部分と同じものである。ヘテロダイン信号s4およびs5は電子プロセッサ327へ、デジタルまたはアナログのいずれかのフォーマットにおける電子信号323および324として解析するために伝送され、これはデジタルフォーマットであることが好ましい。
【0206】
このとき図4bを参照すると、位相ψ4は電子プロセッサ327のある要素によって決定され、ある要素は、電子プロセッサ351A、351B、352A、353A、354A、355A、および356Aを含み、これらは第1の実施形態の要素151A、151B、152、153、154、155、および156と同様の機能をそれぞれ実行する。位相ψ5は電子プロセッサ327のある他の要素によって決定され、ある他の要素は、電子プロセッサ351C、351D、352B、353B、354B、355B、および356Bを含み(図4cを参照)、これらは第1の実施形態の要素151A、151B、152、153、154、155、および156と同様の機能をそれぞれ実行する。
【0207】
電子ドライバ305および306の位相は電子信号、参照信号321および322によってそれぞれデジタルまたはアナログのいずれかのフォーマットにおいて、好ましくはデジタルフォーマットにおいて、電子プロセッサ327に伝送される。電子プロセッサ351Aおよび351Cは参照信号s4,Refをおよびs5,Refをそれぞれ処理して、角周波数ω4=2πf4およびω5=2πf5をそれぞれ決定し、これはスライディングウィンドウFFT周波数検出アルゴリズムによることが好ましい。
【0208】
参照信号321および322の代替である参照信号も、光学ピックオフ手段および検出器(図面において図示せず)によって、ビーム309および310の一部をビームスプリッタにより分裂することによって、これは好ましくは非偏光ビームスプリッタであり、さらに、ビーム309およびビーム310の分裂された各部分を混合すること、および混合された部分を検出して代替ヘテロダイン参照信号を生成することによって、生成することもできる。
【0209】
再度図4cを参照すると、位相ψ4およびψ5が次にそれぞれl4/p4およびl5/p5によって、それぞれ電子プロセッサ3275Aおよび3275Bにおいて乗算され、これは好ましくはデジタル処理により、位相(l4/p4)ψ4および(l5/p5)ψ5がそれぞれ生成される。位相(l4/p4)ψ4および(l5/p5)ψ5が次に共に電子プロセッサ3276において加算され、電子プロセッサ3277において一方が他方から減算され、これは好ましくはデジタルプロセスにより、位相θおよびΦがそれぞれ作成される。形式的には、以下のようになる。
【0210】
【数41】
位相θおよびΦを、式(45)、(49)および(50)によって与えられた定義を使用して、以下のように記述することもできる。
【0211】
【数42】
式中
【0212】
【数43】
ΔLのための好ましい公称値はゼロであり、波長λ4およびλ5での同延のビーム成分では、ΔL≪λ4またはλ5である。
【0213】
分散関連信号における周期的誤差の効果について補正されたガスの分散(n5−n4)は、θおよびΦから以下の公式を使用して決定することができる。
【0214】
【数44】
式中
【0215】
【数45】
である。
距離測定干渉計に関係する応用例では、ヘテロダイン位相ψ4、および、位相θおよびΦを使用して、距離L4を、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの屈折率の効果に無関係であり、かつ、分散関連信号および光学的経路長に関連した信号における周期的誤差の効果について補正された量として、以下の公式を使用して決定することができる。
【0216】
【数46】
式中、Γはガスの逆分散能であり、以下のように定義される。
Γ=(n4−1)/(n5−n4) (62)
式(54)によって与えられたKの定義から、(K/χ)=0が、厳密に調和的に関係付けられるλ4およびλ5に対応することが明らかである。|K/χ|>0であり、かつ(K/χ)の値が式(59)および/または(61)の使用において、最終用途の要件を満たすためにある精度まで知られなければならない応用例では、(K/χ)が波長モニタによって測定される。波長モニタは、真空セルおよび/またはSHGによる光ビームの倍周波数を有するかあるいは有していない干渉計を含むことができる。χの値が、式(59)および/または(61)の使用において別のある精度まで知られなければならない応用例では、χが波長モニタによって測定される。加えて、χおよび(K/χ)の値が共に必要とされるとき、これらを同じ装置から得ることができる。
【0217】
逆分散能Γのための値を、測定経路におけるガスの知られている成分の知られている屈折特性から、ある相対的精度まで得ることができる。ガス成分が必要な精度まで知られておらず、かつ/またはガス成分の屈折特性が対応する必要な精度まで知られていない応用例では、Γを、同時係属の、所有者が同じである1999年1月19日出願のHenry A.Hillの「Apparatus And Methods For Measuring Intrinsic Optical Properties Of A Gas」という名称の米国特許出願第09/232,515号において記載されたものなどの装置によって測定することができ、前述の出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0218】
分散(n5−n4)を決定することができる相対的精度は、周期的誤差効果が補償されない場合、部分的には周期的誤差の効果によって制限される。[Φ−θ(K/χ)−Qζ]係数を式(59)および(61)において得る際に行われた周期的誤差効果の補正は、以下の公式によって与えられるQΨである。
【0219】
【数47】
式中
【0220】
【数48】
である。
補正QΨは、係数[〜Φ−〜θ(K/χ)−QΨ−Qζ]における項として入り、式中、〜Φおよび〜θはそれぞれ、周期的誤差の効果が補償されていない、Φおよびθの対応する値である。したがって、式(59)および(63)に従って、分散(n5−n4)の決定された値における周期的誤差効果の大きさは、以下の程度である。
【0221】
【数49】
たとえば、λ4=0.633μm、λ4=2λ5、p4=p5=1、 ̄L=0.5mであり、ガスが25℃の空気かつ1気圧の圧力からなる実施例を考察する。実施例の状態では、式(66)によって表されたような相対的精度までのψ4の寄与の大きさは、以下のようになる。
【0222】
【数50】
Ψ4はラジアンにおいて表され、|Ψ4|はΨ4の絶対値を示す。実施例を続けると、|Ψ4|=0.1ラジアンの特定の周期的誤差では、位相における周期的誤差は実施例において5nmの距離測定における周期的誤差に対応し、特定の周期的誤差は、分散(n5−n4)を≒0.2%に測定することができる相対的精度に制限する。λ4ビームのための線源が、λ4=1.06μmを有するNbYAGレーザである場合、分散(n5−n4)を測定することができる相対的精度において対応する制限は、≒0.6%である。
【0223】
分散(n5−n4)を決定することができる相対的精度における周期的誤差の効果の制限は、周期的誤差効果が補償されない場合、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの屈折性効果を、分散干渉計を使用して決定することができる相対的精度における、周期的誤差の効果の制限に直接伝播する。式(61)を見ることから、QΨを介して入るψmの周期的誤差寄与の大きさは、ψ4=(〜ψ4−Ψ4−ζ4)項を介して入る周期的誤差寄与|Ψ4|の大きさに相対的な≒Γ|Ψm|であることは明らかである。λ4=2λ5であるλ4=0.633μm、および同じくλ4=2λ5であるλ4=1.06μmでは、Γの値がそれぞれ22および75である。したがって、測定経路におけるガスの屈折性についての式(61)における補正項への周期的誤差寄与の効果は、補正項からの結果生じる周期的誤差寄与の効果が、直接ψ4=(〜ψ4−Ψ4−ζ4)項から生じる周期的誤差寄与の効果と同程度以下となる場合、およそ1.5倍程度以上低減させなければならない。
【0224】
第3の実施形態の残りの記載は、第1の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
L5も、第3の実施形態の第1の変形形態において、ψ4ではなくψ5を使用して決定することができる。L5の決定のための対応する式は、以下のようになる。
【0225】
【数51】
第3の実施形態の第1の変形形態の残りの記載は、第3の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
【0226】
それぞれ第3の実施形態のものである量L4、および第3の実施形態の第1の変形形態のものである量L5を、本発明の範囲からも精神からも逸脱することなく、物理的経路長の変化の決定における、低減された統計的誤差を得るために、決定かつ使用することができることは、当業者には明らかになるであろう。
【0227】
また、本発明の範囲からも精神からも逸脱することなく、L5を、L4ではなく第3の実施形態によって決定された距離にすることができることも、当業者には明らかになるであろう。
【0228】
さらに、K/χがある精度まで知られなければならず、かつ/またはχが別のある精度まで知られなければならない、最終用途の応用例では、測定された波長における周期的誤差の効果、および、波長測定および監視装置によって得られた波長比の値を、第1および第2の実施形態、およびその変形形態の装置および方法、および、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書で本発明の第6の実施形態およびその変形形態において後に記載するような波長モニタの応用例によって、測定かつ補償することができることは、当業者には明らかになるであろう。
【0229】
Γが測定経路398におけるガスについて測定される、最終用途の応用例では、周期的誤差の効果を測定かつ補償することがさらに必要である可能性がある。後に本明細書で、第6の実施形態およびその変形形態において記載するものを、周期的誤差の効果について補償されたΓの測定された値を得ることにおいて、使用することができる。
【0230】
第3の実施形態の第2の変形形態を記載する。第3の実施形態では、周期的誤差の効果が、第1の実施形態の対応する方法および装置を使用することによって補償される。第3の実施形態の第2の変形形態では、周期的誤差の効果が、第1の実施形態の変形形態の対応する方法および装置を使用することによって補償される。第3の実施形態の第2の変形形態の残りの記載は、第1および第3の実施形態およびその変形形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
【0231】
本発明の第4の実施形態を、第4の実施形態の好ましい装置および方法によって記載し、これは、測定経路におけるガスの分散、およびガスによる測定経路の光学的経路長の変化を測定かつ監視するための装置および方法を含む。第4の実施形態はさらに、測定されたガスの分散における周期的誤差の効果、およびガスによる測定経路の光学的経路長において測定された変化を補償するための装置および方法を含む。第4の実施形態は、いくつかの異なるカテゴリのうち第4のカテゴリからのものである。測定経路のガスの屈折率および/または物理的長さは変化している可能性がある。加えて、適合された線源によって生成された光ビームの波長の比は、ゼロでない量からなる、知られている比の値へのある相対的精度に合致する。ゼロでない量は、1つまたは複数の低い次数のゼロでない整数を含むことができる。
【0232】
第3の実施形態およびその変形形態では、周期的誤差の効果が、第1の実施形態およびその変形形態の対応する方法および装置を使用することによって、すなわち、電子干渉信号の空間における周期的誤差の効果について補償することによって、補償される。第4の実施形態では、周期的誤差の効果が、第2の実施形態およびその変形形態の対応する方法および装置を使用することによって、すなわち、電子干渉信号の位相の空間における周期的誤差の効果について補償することによって、補償される。
【0233】
測定経路におけるガスの効果についての補正、光学分散関連信号から生成された補正における周期的誤差の効果は、光学的経路長の変化の決定のために使用された信号における周期的誤差の効果より、1.5倍程度以上大きい。
【0234】
第4の実施形態の好ましい装置および方法によれば、第4の実施形態は、光ビーム309、光ビーム309の線源、干渉計369、トランスレータ367、および図4aに示した第3の実施形態の検出器システム389および390を含む。第4の実施形態はさらに、図5aおよび図5bに示した電子プロセッサ427を含む。
【0235】
図4aに示した電子信号321、322、323、および324に対応する、第4の実施形態の電子信号を、以下でそれぞれ電子信号421、422、423、および424と称する。第4の実施形態の電子ドライバ305および306の周波数はそれぞれf6およびf7であり、それぞれ角周波数ω6およびω7を有する。第4の実施形態では、角周波数ω6,Nyおよびω7,Nyはそれぞれ検出器システム389および390の角ナイキスト周波数である。第4の実施形態では、線源301および302の波長はそれぞれλ6およびλ7であり、知られている近似比l6/l7を有する。参照信号s6,Refおよびs7,Refはそれぞれ電子信号421および422として伝送される。第4の実施形態のヘテロダイン信号s6およびs7はそれぞれ、第3の実施形態のヘテロダイン信号s4およびs5に対応する。ヘテロダイン信号s6およびs7はそれぞれ電子信号423および424として伝送される。
【0236】
図5aを参照すると、位相〜ψ6は、電子プロセッサ427のある要素によって決定され、ある要素は電子プロセッサ450A、451A、および452Aを含み、これらはそれぞれ第2の実施形態の電子プロセッサ250、251A、および252と類似の機能を実行する。位相〜ψ7は、電子プロセッサ427のある他の要素によって決定され、ある他の要素は電子プロセッサ450B、451C、および452Bを含み、これらはそれぞれ第2の実施形態の電子プロセッサ250、251A、および252と類似の機能を実行する。第4の実施形態の要素4275A、4275B、4276、および4277は、第3の実施形態の要素3275A、3275B、3276、および3277と類似の機能を実行して、〜θおよび〜Φを決定する。第4の実施形態の〜θおよび〜Φの定義は、以下のようになる。
【0237】
【数52】
【数53】
式中、〜ψ6=α6−ω6tかつ〜ψ7=α7−ω7tである。α6およびα7の記載は、第2の実施形態のα3について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
【0238】
電子プロセッサ427はさらに、QΨ ,MのZΨ ,Mを決定するための電子プロセッサ452C、453、454、および455を含む。
【0239】
【数54】
第4の実施形態の電子プロセッサ452C、453、454および455は、第2の実施形態の電子プロセッサ252、253、254、および255と類似の機能を実行する。位相〜ΦおよびZΨ ,Mは電子プロセッサ456に伝送され、そこで〜Φ−ZΨ ,Mが生成される。第4の実施形態の電子プロセッサ456は、第2の実施形態の電子プロセッサ256と類似の機能を実行する。
【0240】
周期的誤差補償された位相〜Φ−ZΨ ,Mはデジタルコンピュータ429へ、信号428として伝送される。デジタルコンピュータ429は分散(n7−n6)を、以下の公式に従って計算する。
【0241】
【数55】
〜θ、ζΨにおける周期的誤差の効果は、式(74)に完全性のために含まれる。しかし、ζΨは第4の実施形態において補償されない。分散(n7−n6)の計算におけるζΨの効果は、ZΨの効果に相対的な係数(K/χ)によって低減され、したがって、ζΨの効果を、|K/χ|≪1である最終用途の応用例では無視できることに留意されたい。
【0242】
距離測定干渉計に関係する応用例では、ヘテロダイン位相〜ψ6、および、位相〜θおよび〜Φを使用して、距離L6を、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの屈折率の効果に依存しない、かつ、分散関連信号における周期的誤差の効果について補正された量として、以下の公式を使用して決定することができる。
【0243】
【数56】
第4の実施形態の変形形態の残りの記載は、本発明の第2および第3の実施形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
【0244】
図5cおよび図5dは概略的形式において、本発明の第5の実施形態の好ましい装置および方法による、電子プロセッサ527Aを示す。第5の実施形態は、第4のカテゴリの実施形態からのものであり、ビーム309、ビーム309の線源、干渉計369、検出器システム389、および図4aに示した第3の実施形態のデジタルコンピュータ329、および図5cおよび図5dに示した電子プロセッサ427Aを含む。
【0245】
第5の実施形態は、測定経路におけるガスの分散、ガスによる測定経路の光学的経路長の変化、および測定経路の物理的経路長の変化による測定経路の光学的経路長の変化を、測定かつ監視するための装置および方法を含む。第5の実施形態はさらに、測定経路において測定されたガスの分散における、ガスによる測定経路の光学的経路長の変化における、かつ測定経路の物理的経路長の変化による測定経路の光学的経路長の変化における、周期的誤差の効果を測定かつ補償するための装置および方法を含む。
【0246】
第4の実施形態では、周期的誤差の効果が、第1の実施形態およびその変形形態の対応する方法および装置を使用することによって補償される。第5の実施形態では、周期的誤差の効果がまた、第1の実施形態およびその変形形態の対応する方法および装置を使用することによっても補償される。
【0247】
電子プロセッサ427Aは、電子プロセッサ450A、451A、451B、452A、453A、454A、455A、および456Aを含み、これらは第2の実施形態の電子プロセッサ250、251A、251B、252、253、254、255、および256と類似の機能を実行して、Ψ6,Mおよび〜ψ6−Ψ6,Mを生成する。電子プロセッサ427Aはさらに、電子プロセッサ450B、451C、451D、および452Bを含み、これらは250、251A、251B、および252と類似の機能を実行して、〜ψ7を生成する。第5の実施形態の電子プロセッサ4275A、4275B、4276、および4277は、電子プロセッサ453B、454B、455B、および456Bと類似の機能を実行し、これらは第4の実施形態の電子プロセッサ4275A、4275B、4276、および4277と類似の機能を実行して、〜θおよび〜Φを生成する。電子プロセッサ452C、453B、454B、455B、および456Bは、第4の実施形態の電子プロセッサ452C、453、454、455、および456と類似の機能を実行して、Z6,Mおよび〜Φ−Z6,Mを生成する。
【0248】
周期的誤差補正された位相〜ψ6−Ψ6,M、位相〜θおよび〜Φ−ZΨ ,M、および周期的誤差補正項Ψ6,MおよびZΨ ,Mはデジタルコンピュータ329へ、信号428Aとして伝送され、デジタルコンピュータ329によって使用されて、距離L6が、距離測定干渉計の測定経路におけるガスの屈折率の効果に依存しない、かつ、分散および距離測定関連信号における周期的誤差の効果について補正された量として、以下の式(75)を使用して決定され、ζΨ ,Mは以下の公式によって計算される。
【0249】
【数57】
第5の実施形態の残りの記載は、第2、第3および第4の実施形態およびそれらにおける変形形態について与えられた記載の対応する部分と同じものである。
【0250】
第6の実施形態の好ましい装置および方法による第6の実施形態を説明する。この第6の実施形態は、信号に関する分散測定および信号に関する屈折度測定またはガスの固有の光学特性を決定するために使用される信号に関する屈折度測定の両方における周期的誤差を測定および補正する装置および方法の両方を含んでいる。この第6の実施形態は、波長測定および/または光ビームの波長を決定および/またはモニタするために使用される関連する信号における周期的誤差を測定および補正する装置および方法の両方をさらに含んでいる。この第6の実施形態は、いくつかの異なるカテゴリーの第5のカテゴリーから由来する。
【0251】
第6の実施形態の装置および方法は、第4の実施形態の装置および方法を含み、ガスの分散およびガスの屈折度を測定して、周期的誤差の効果に対して補正されるガスの対応する相互の分散パワーを決定する。ガスの屈折度を決定することに対しては、それぞれの波長における測定経路を真空にする。この真空の測定経路は、周期的な誤差の効果に対して補正された波長を測定およびモニタリングするために使用することもできる。周期的な誤差に対して補正された分散を測定するために使用される第2の波長は、第2の波長について測定経路を設けることによって測定およびモニタすることができる。
【0252】
ガスおよび光ビームの波長の固有の光学特性を測定およびモニタリングする装置および方法をさらに説明するために、「Apparatus And Methods For Measuring Intrinsic Optical Properties Of A Gas」(前掲)と題する米国特許出願第09/323,515号を参照する。該出願は、参照により本願に組み込まれる。
【0253】
第6の実施形態の残りの説明は、第4の実施形態およびその変形例に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
第6の実施形態の変形例の好ましい装置および方法による第6の実施形態の変形例を説明する。この変形例は、信号に関する分散測定および信号に関する屈折度測定またはガスの固有の光学特性を決定するために使用される信号に関する屈折度測定の両方における周期的誤差を測定および補正する装置および方法の両方を含んでいる。この第6の実施形態の変形例は、波長測定および/または光ビームの波長を決定および/またはモニタするために使用される関連する信号における周期的誤差を測定および補正する装置および方法の両方をさらに含んでいる。この第6の実施形態の変形例は、いくつかの異なるカテゴリーの第5のカテゴリーから由来する。
【0254】
第6の実施形態の変形例の装置および方法は、第5の実施形態の装置および方法を含み、ガスの分散およびガスの屈折度を測定して、周期的な誤差の効果に対して補正されるガスの対応する相互の分散パワーを決定する。ガスの屈折度を決定することに対しては、それぞれの波長における測定経路に対して真空を与える。この真空の測定経路は、周期的な誤差の効果に対して補正された波長を測定およびモニタリングするために使用することもできる。周期的な誤差に対して補正された分散を測定するために使用される第2の波長は、第2の波長について測定経路を設けることによって測定およびモニタすることができる。
【0255】
第6の実施形態の変形例の残りの説明は、第5および第6の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
前述した全ての実施形態における信号処理技術の変形例も、本発明の範囲の中に入る。例えば、周期的誤差に対応するピークを一層良好に分解するためにそのスペクトルを分析する前に、ウィンドウ関数を干渉データに加えることができる。特に、ウィンドウ関数を選択して、ω+φにおける優位周波数でのヘテロダイン干渉ピークの寄与を分析されるデータにまで抑制することができる。
【0256】
そのようなウィンドウ関数の関連性は、周期的誤差を含む干渉データのスライディングウィンドウのフーリエ変換分析を考慮することにより実証することができる。スライディングウィンドウのフーリエ変換は、干渉信号、例えば、s(t)を継続時間τの時間ウィンドウにわたってサンプリングし、次に、サンプリングされたデータをフーリエ変換する。これにより、変換されたデータは、時間ウィンドウのフーリエ変換を用いてたたみ込み積分されたウィンドウ付けされない(unwindowed)干渉信号のフーリエ変換に相当する。これはシンク関数である。干渉データにおける優位ピークとのシンク関数のたたみ込みは、シンク関数のウィングに相当する変換されたデータ内にバックグラウンドを発生する。このバックグラウンドは、周期的誤差のピークを覆い隠すことがある。その理由は、そのようなピークの振幅は、一般に、ω+φにおける優位周波数でのピークの振幅よりもはるかに小さいため、周期的誤差の係数を正確に特徴付けることを一層困難にするためである。
【0257】
そのような困難に対処するために、実施形態は1つ以上の電子プロセッサを備えている。これらの電子プロセッサはウィンドウ関数を採用して、スライディングウィンドウのフーリエ変換に関連するシンク関数の広帯域のウィングを抑制する。例えば、前述したプロセッサ151B,252,257,351B,351D,452A,および452Cのいずれかを変更し、ウィンドウ関数を適用させて、入力データのフーリエ変換を計算する前に、プロセッサにデータを入力することができる。例えば、適当なウィンドウ関数は、近似ガウスウィンドウ、近似ローレンツウィンドウ、コサインベルウィンドウ(cosine bell window)、三角ウィンドウ(triangular window)、およびその端点近傍のデータを平滑にする他のウィンドウのいずれかを含むことができる。プロセッサは、そのようなウィンドウ関数によって入力データを乗算する。このウィンドウ関数は、例えば、τと比較できる時定数を持つように選択され、次に、そのようにウィンドウ付けられたデータをフーリエ変換する。ウィンドウ関数がスライディングウィンドウのフーリエ変換のみの振幅に対してその端点近傍のデータの振幅を一層緩やかに減少させるため、スペクトルデータにおける優位ピークによって引き起こされたバックグラウンドが減少され、周期的誤差のピークをより正確に識別することができる。
【0258】
三角ウィンドウ関数を実現する1つのコンピュータ利用の安価な技術は、スライディングウィンドウのデータ収集部からの一連のデータサンプルを計算することである。特に、Nポイントのデータ配列を連続的にサンプリングする検出器を検討する。この場合、各連続するデータ配列は、Nより小さい増分、例えば、1の増分だけシフトされる。対応するポイントにおける一連のデータ配列を加算することにより、三角ウィンドウ関数を発生することができる。このため、例えば、連続的なデータ配列が1つの増分だけシフトされる場合、Mの連続データ配列が加算されて、N+M−1ポイントのデータ配列を生成することができる。これは次にフーリエ変換され、そのフーリエ変換のバックグラウンドは、連続的に加算されるために減少される(これにより、三角ウィンドウが生成される)。
【0259】
他のウィンドウ関数も可能である。例えば、プロセッサは周期的誤差の周波数を選んで、優位ピークのω+φの周波数を抑制するウィンドウ関数を採用することができる。あるいはまた、またはさらに、データへの優位周波数の寄与を、時間または周波数のドメインのいずれかにおいてデータから取り除いて、データを「事前漂白する」ことができる。優位ピークの寄与を取り除くことにより、周期的誤差のピークをより正確に分解および定量化することができる。
【0260】
例えば、前述したプロセッサ151B,252,257,351B,351D,452A,および452Cのいずれかを、以下のように変更することができる。第1に、スライディングウィンドウのフーリエ変換を、入力データに適用する。フーリエ変換に基づいて、優位ピークの振幅および位相が決定される。次に、優位周波数におけるデルタ関数およびスライディングウィンドウに対応するシンク関数のたたみ込みに等しい信号がフーリエ変換されたデータから差し引かれて、これにより、優位ピークによって作られた寄与を取り除き、周期的誤差のピークをより明らかにする。あるいはまた、スライディングウィンドウによりサンプリングされた入力データから優位周波数における正弦波状の項の寄与を差し引くことにより、時間ドメインにおける寄与を取り除くことができる。この優位周波数は、スライディングウィンドウのフーリエ変換により決定された振幅と位相とを有している。次に、結果として生じた入力データはフーリエ変換されて、周期的誤差のピークを表す。どちらのドメインにおいても、優位ピークの振幅および位相に対する周期的誤差の寄与のその後の計算に基づいて、処理手順を繰り返し向上させることができる。
【0261】
前述した実施形態の電子プロセッサにより実行することができる別の技術は、同調フィルタ(フェーズロックインとも呼ばれる)を使用して、より正確に周期的誤差係数を決定することである。この同調フィルタは、周期的誤差の項の特別なセットが、干渉信号への統計的に重要な寄与を作るとして識別された場合に使用することができる。その後、同調フィルタを繰り返し使用して、干渉法システムを使用する間に周期的誤差の係数を更新することができる。この同調フィルタを図8を参照してここで説明する。この図8は、電子プロセッサ800の概略図である。この説明の目的に対しては、電子プロセッサ800は、第1の実施形態の一部として図2bに示した電子プロセッサ127の構成要素である。例えば、いずれかの電子プロセッサ127A,227,227A,327,427,および427Aの構成要素として、いずれかの他の実施形態におけると同様に、この電子プロセッサ800を直接的な方法で実行することもできる。
【0262】
図8を参照する。電子プロセッサ800は、検出器185から干渉信号s2(t)を示す信号123の一部、検出器からナイキスト周波数ω2,Nyを示す信号123の別の一部、およびドライバ105から参照信号s2,Ref(t)を示す信号121の一部を、入力信号として受信する。信号s2,Ref(t)およびs2(t)は、それぞれ、スペクトル解析器851Aおよび851Bを通過する。スペクトル解析器851Aは、参照信号s2,Ref(t)に基づいてヘテロダイン参照周波数ω2を決定し、スペクトル解析器851Bは干渉信号s2(t)を分析して、s2(t)における優位ピークの周波数を決定する。この優位ピークは、ω2+・φ2(またはそのエイリアス)に対応する。ω2およびω2+・φ2の値は、次に、プロセッサ853に送られる。このプロセッサ853は、ナイキスト周波数ω2,Nyを示す信号および当該の周期的誤差の項を示す信号802を入力として受信する。前述したように、そのような項は電子プロセッサ154から送られる。この電子プロセッサ154は、電子プロセッサ153により実行されるカイ二乗試験に基づいて、統計的に重要な周期的誤差の項についての情報を記憶する。入力信号に基づいて、プロセッサ853は、各当該の周期的誤差の項が現在サンプリングされたデータのドップラーシフト(Doppler shift)・φ2に対するs2(t)の信号の中に現れる周波数を決定する。特に、プロセッサ853は、どの周期的誤差の周波数〜ω2,vが(もしあれば)、ドップラーシフトの大きさのために、式(6)および式(7)に基づいてエイリアス〜ω2,v.Aとして現れるかを決定する。プロセッサ853は、次に、周期的誤差の周波数〜ω’2,vを電子プロセッサ854に送る。ここで〜ω’2,vは、必要に応じて、基本的な周期的誤差の周波数〜ω2,vまたはそのエイリアス〜ω2,v.Aのいずれかを示す。
【0263】
なお図8を参照する。電子プロセッサ854は、検出器185から干渉信号s2(t)を示す信号123の別の部分を付加的な入力として受信する。周期的誤差の周波数〜ω’2,vの各々に対して、電子プロセッサ854はs2(t)にcos〜ω’2,vおよびsin〜ω’2,vを掛けて、それぞれ、2つの出力信号831および832を発生する。これらの信号はプロセッサ855に送られる。コサインおよびサインの項を用いる乗算により、s2(t)における各周波数は、信号831および832の各々において+〜ω’2,vおよび−〜ω’2,vだけシフトされる。後者のシフトは、当該の周期的誤差の項に対して低周波数の項(例えば、ゼロ周波数の項)を発生する。プロセッサ855はローパスフィルタである。このローパスフィルタは、例えば、時定数Tにわたって信号をデジタル的に積分することによって、高周波数の項を除去して、低周波数の項のみを保持する。特に、この積分は、以下を発生する。
【0264】
【数58】
および
【0265】
【数59】
プロセッサ855は、次に、式(77)および式(78)に対する積分結果についてアークタンジェント計算を用いることにより、周期的誤差の係数の振幅A2,vおよび位相ζ2,vを決定する。あるいはまた、プロセッサ855は、周期的誤差を含む干渉信号に対して複素表示を用いる場合、周期的誤差の項に対して複素振幅を計算することができる。プロセッサ854および855は、当該の周期的誤差の項の各々に対して計算を繰り返す。プロセッサ855は、次に、周期的誤差の係数をプロセッサ155のようなプロセッサ127における1つ以上の後続のプロセッサ送る。ここでこれらの係数は、干渉信号から周期的誤差の項の寄与を取り除くために最終的に使用される。
【0266】
特に、プロセッサ851A,851B,および853は、ドップラーシフト・φ2をモニタリングすることによって周波数〜ω’2,vの同調を取るので、プロセッサ855内のローパスフィルタの時定数(例えば、積分時間)を、ドップラーシフトの変換率と比べて長くすることができる。このため、時定数Tを十分に長くして、s2(t)における信号対雑音比が小さいにもかかわらず、周期的誤差の係数に対して正確な値を発生する。このことは、マイクロリソグラフィのような用途において特に重要である。このマイクロリソグラフィでは、ステージのスルーレート(またその結果、ドップラーシフト)を急速に変化させて、これにより、マイクロリソグラフィのツールの生産性を増加させる要望が存在する。
【0267】
電子プロセッサ800のさらなる実施形態では、検出器185からの干渉信号s2(t)を示す信号123の第2の部分を、前述したように、時間ドメインの中で事前漂白することができる。特に、この信号は、電子プロセッサ854を通過する前に事前漂白され、これにより、周波数ω2+・φ2(またはそのエイリアス)における優位なヘテロダインの項の寄与を取り除き、(式(5)により定義された)s2, Ψ(t)についての近似値を示す信号を発生する。この信号は、次に、電子プロセッサ854に送られる。
【0268】
前述した実施形態の信号処理技術に関する別の変形例を記述する。本発明の態様は、一般に、干渉信号への周期的誤差の寄与をスペクトル表示として特徴付けることを提案している。前に詳述したように、特定の周期的誤差の項が干渉信号内の優位ピークに寄与するか否かは、ドップラーシフトとナイキスト周波数とに依存する。ドップラーシフトは干渉法システムが動作する間に変化するので、ドップラーシフトがそのような周期的誤差の項を優位の項からスペクトル的に分離させる場合、特定の周期的誤差の項を特徴付けることができる。最終的に、全ての統計的に関連する周期的誤差の項のスペクトル表示が構築され、スペクトル表示およびφについての事前の評価に基づいて、時間ドメイン内の干渉信号に対する周期的誤差の寄与を減算することによって、干渉信号の(周期的誤差の寄与が存在しない)位相φを繰り返し決定することができる。例えば、第1の実施形態のプロセッサ127内のプロセッサ152,155および156は、そのような反復計算を実行する。
【0269】
別の方式では、周期的誤差の寄与が周波数ドメイン内の干渉信号から差し引かれて、位相φを繰り返し決定する。そのような場合、優位の周波数において干渉信号に寄与するこれらの周期的誤差のみを考慮する必要がある。例えば、図9は、そのような方式を実現する電子プロセッサ900の概略図である。この説明の目的に対しては、電子プロセッサ900は、第1の実施形態の一部として図2bに示した電子プロセッサ127の構成要素である。例えば、いずれかの電子プロセッサ127A,227,227A,327,427,および427Aの構成要素として、いずれかの他の実施形態におけると同様に、この電子プロセッサ900を直接的な方法で実行することもできる。
【0270】
図9を参照する。電子プロセッサ900は、検出器185から干渉信号s2(t)を示す信号123の一部、検出器からナイキスト周波数ω2,Nyを示す信号123の別の一部、およびドライバ105から参照信号s2,Ref(t)を示す信号121の一部を、入力信号として受信する。信号s2,Ref(t)およびs2(t)は、それぞれ、スペクトル解析器951Aおよび951Bを通過する。スペクトル解析器951Aは、参照信号s2,Ref(t)に基づいてヘテロダイン参照周波数ω2を決定し、スペクトル解析器951Bは干渉信号s2(t)を分析して、s2(t)における優位ピークの周波数を決定する。この優位ピークは、ω2+・φ2(またはそのエイリアス)に対応する。ω2およびω2+・φ2の値は、次に、プロセッサ953に送られる。このプロセッサ953は、ナイキスト周波数ω2,Nyを示す信号および周期的誤差の係数、例えば、プロセッサ800により決定される振幅A2,vおよび位相ζ2,vの値を示す信号902を入力として受信する。プロセッサ953は、(例えば、式(2)、式(6)、および式(7)に基づいて)どの周期的誤差の項が現在サンプリングされたデータに対して優位周波数において信号s2(t)に寄与するかを決定する。次に、対応する周期的誤差の係数をプロセッサ954に送る。
【0271】
まだ図9を参照する。スペクトル解析器951Bは、例えば、スライディングウィンドウのフーリエ変換によって、s2(t)における優位ピークの振幅〜A2および位相〜φ2をさらに決定し、この振幅および位相をプロセッサ954に送る。プロセッサ954は、次に、振幅〜A2および位相〜φ2に対してつじつまが合う位相φ2に対する値、および優位周波数において干渉信号に寄与するように決定されたプロセッサ953からの周期的誤差の項を決定することにより、周期的誤差のない干渉信号に対する位相φ2を繰り返し決定する。いくつかの環境では、プロセッサ900の周波数ドメインの技術によって決定された位相φ2についての値は、優位周波数において寄与するこれらの周期的誤差のみが使用されるため、時間ドメインの技術によって決定された値よりも一層正確である。
【0272】
プロセッサ127,127A,227,227A,327,427,427A,800,および900の特徴を結合する実施形態を変更して、冗長的な構成要素を取り除くことができることにも注意されたい。例えば、プロセッサ151Aおよび851Aが同じ機能を実行するので、プロセッサ800がプロセッサ127の構成要素である場合、プロセッサ800内の電子プロセッサ851Aをプロセッサ127内のプロセッサ151Aで置き換えることができる。
【0273】
前述した干渉法システムは、非線形性(例えば、周期的誤差)を定量化し、この定量化された非線形性を使用して、そのような非線形性が存在する距離の測定値、分散の測定値、および固有の光学特性の測定値を補正する。その結果、そのような干渉法システムは精度の高い測定値を提供する。そのようなシステムは、コンピュータチップなどのような大規模集積回路を製造する場合に使用されるリソグラフィの用途に特に有用である。リソグラフィは、半導体製造産業にとって重要な技術のドライバである。オーバーレイの改良は、100nmのライン幅(デザインルール)に至るまでの5つの最も困難な挑戦の1つである。例えば、Semiconductor industry Roadmap(1997年)の82ページを参照されたい。
【0274】
オーバーレイは、ウェーハおよびレティクル(またはマスク)用のステージを位置決めする場合に使用される距離測定干渉計の性能、すなわち、精度に直接依存する。リソグラフィツールは製品を年に5000万ドル〜1億ドル生産するため、性能が改良された距離測定干渉計からの経済的価値は著しいものがある。リソグラフィツールの生産高が1%増加するごとに、結果として集積回路の製造業者に年に約100万ドルの経済的利益をもたらし、リソグラフィツールのベンダーに対しては大きな競争上の優位性をもたらす。
【0275】
リソグラフィツールの機能は、フォトレジストがコーティングされたウェーハ上に空間的にパターン化された放射を向けることである。このプロセスには、ウェーハのどの位置が放射を受けるかを決定(位置合わせ)すること、および放射をその位置のフォトレジストに加える(露光)ことが含まれる。
【0276】
ウェーハを適切に位置決めするために、ウェーハは、専用のセンサが測定することができる位置合わせマークをウェーハ上に含んでいる。位置合わせマークの測定された位置は、ツール内のウェーハの位置を定義する。この情報は、ウェーハ表面の望ましいパターンニングの仕様と共に、空間的にパターン化された放射に対してウェーハの位置合わせを誘導する。そのような情報に基づいて、フォトレジストがコーティングされたウェーハを支持する移動可能なステージは、放射がウェーハの正しい位置を露光するようにウェーハを移動させる。
【0277】
露光の間に、放射線源はパターン化されたレティクルを照射する。このレティクルは放射を散乱させて、空間的にパターン化された放射を発生する。このレティクルはマスクとも呼ばれ、これらの用語は以下の説明では交互に使用される。縮小リソグラフィの場合では、縮小レンズが散乱放射を集めて、レティクルのパターンの縮小画像を形成する。あるいはまた、近接印刷の場合では、散乱放射はウェーハに接触する前に短い距離(一般に、ミクロンのオーダ)伝搬して、レティクルのパターンの1:1の画像を生成する。この放射により、レジスト内に光化学プロセスが開始される。このプロセスは、放射のパターンをレジスト内の潜像に変換する。
【0278】
干渉法システムは、ウェーハおよびレティクルの位置を制御し、レティクルの画像をウェーハ上に見当合わせする位置決め機構の重要な構成要素である。そのような干渉法システムが前述した位相測定部を含む場合、距離測定への周期的誤差の寄与が最小にされるので、これらのシステムによって測定された距離の精度が増加する。
【0279】
一般に、リソグラフィのシステムは露光システムとも呼ばれ、照射システムおよびウェーハ位置決めシステムを通常含んでいる。この照射システムは、紫外、可視、X線、電子、またはイオン放射のような放射を提供する放射線源、およびパターンを放射に与えるレティクルまたはマスクを備え、これにより、空間的にパターン化された放射を発生する。さらに、縮小リソグラフィの場合、この照射システムは、空間的にパターン化された放射をウェーハ上に画像形成するレンズアセンブリを含むことができる。この画像形成された放射が、ウェーハ上にコーティングされたレジストを露光する。この照射システムは、マスクを支持するマスク用ステージおよびマスク用ステージの位置をマスクを通過するように方向付けられた放射に対して調整する位置決めシステムも備えている。ウェーハ位置決めシステムは、ウェーハを支持するウェーハ用ステージおよび画像形成された放射に対してウェーハ用ステージの位置を調整する位置決めシステムを備えている。集積回路の製造には、複数の露光ステップが含まれる。リソグラフィに関する一般的な照会については、例えば、J.R.SheatsおよびB.W.Smithの「Microlithography:Science and Technology」(Marcel Dekker,Inc.,ニューヨーク、1998年)を参照されたい。この文献の内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0280】
前述した干渉法システムを使用して、レンズアセンブリ、放射線源、または支持構造体などの露光システムの他の構成要素に対して、各々のウェーハ用ステージおよびマスク用ステージの位置を正確に測定することができる。そのような場合、干渉法システムを動かない構造体に取り付け、測定対象物をマスク用ステージおよびウェーハ用ステージなどの移動可能な構成要素に取り付けることができる。あるいはまた、干渉法システムを移動可能な物体に取り付け、測定対象物を動かない物体に取り付けるように、状態を逆にすることができる。
【0281】
より一般的には、そのような干渉法システムを使用して、露光システムの任意の1つの構成要素の位置を露光システムの任意の他の構成要素に対して測定することができる。ここでは、干渉法システムは構成要素の1つに取り付けられるかまたはそれにより支持され、測定対象物は別の構成要素に取り付けられるかまたはそれにより支持される。
【0282】
干渉法システム1126を使用するリソグラフィスキャナ1100の実施例が、図6aに示されている。この干渉法システムは、露光システム内のウェーハ(図示せず)の位置を正確に測定するために使用される。ここでは、ステージ1122を使用して、ウェーハを露光ステーションに対して位置決めおよび支持する。スキャナ1100はフレーム1102を備えている。このフレームは、他の支持構造体およびこれらの構造体上で保持される様々な構成要素を支えている。露光用ベース1104は、その上部にレンズ用ハウジング1106が取り付けられている。このレンズ用ハウジング1106の上部に、レティクルまたはマスクを支持するために使用されるレティクルまたはマスク用ステージ1116が搭載されている。マスクを露光ステーションに対して位置決めする位置決めシステムは、要素1117によって概略的に示される。位置決めシステム1117は、例えば、圧電トランスジューサ素子および対応する制御用電子機器を含むことができる。この説明される実施形態には含まれていないが、前述した1つ以上の干渉法システムを使用して、マスク用ステージの位置および、リソグラフィの構造体を製造するプロセスにおいて位置を正確にモニタする必要がある他の移動可能な素子の位置を正確に測定することもできる(前述したSheatsおよびSmithの「Microlithography:Science and Technology」を参照されたい)。
【0283】
露光用ベース1104の下に、ウェーハ用ステージ1122を保持する支持ベース1113が吊されている。ステージ1122は、干渉法システム1126によってステージに向けられた測定用ビーム1154を反射する平面鏡1128を含んでいる。干渉法システム1126に対してステージ1122を位置決めする位置決めシステムは、要素1119により概略的に示されている。この位置決めシステム1119は、例えば、圧電トランスジューサ素子および対応する制御用電子機器を含むことができる。測定用ビームは、露光用ベース1104の上に搭載された干渉計システムに向かって後方に反射される。この干渉法システムは、前に説明された実施形態のいずれかとすることができる。
【0284】
動作する間、放射ビーム1110,例えば、紫外レーザ(図示せず)からの紫外(UV)ビームは、ビーム形成光学アセンブリ1112を通過し、ミラー1114で反射された後、下方に進行する。その後、この放射ビームは、マスク用ステージ1116により保持されたマスク(図示せず)を通過する。このマスク(図示せず)は、レンズ用ハウジング1106内に保持されたレンズアセンブリ1108を経由して、ウェーハ用ステージ1122上のウェーハ(図示せず)に画像形成される。ベース1104およびそれにより支持された各種の構成要素は、スプリング1120により示された制動システムによって環境上の振動から隔離される。
【0285】
リソグラフィスキャナの他の実施形態においては、前述した1つ以上の干渉法システムを使用して、複数の軸および角度に沿った距離を測定することができる。これらの軸および角度は、例えば、ウェーハおよびレティクル(またはマスク)に関連するが、それらに限定されることはない。また、UVレーザビーム以外の、例えば、X線ビーム、電子ビーム、イオンビーム、および可視の光ビームを含む別のビームを使用して、ウェーハを露光することができる。
【0286】
いくつかの実施形態では、リソグラフィスキャナは、カラム参照(column reference)として当業者に周知のものを含むことができる。そのような実施形態では、干渉法システム1126は、参照ビーム(図示せず)をある構造体上に設置された参照ミラー(図示せず)に接触する外部参照経路に沿った方向に向ける。この参照ミラーは、参照ビームを、例えば、レンズ用ハウジング1106に向ける。参照ミラーは、参照ビームを反射して干渉法システムに戻す。ステージ1122から反射された測定ビーム1154とレンズ用ハウジング1106上に設置された参照ミラーから反射された参照ビームとが結合するときに干渉法システム1126により作られる干渉信号は、放射ビームに対するステージの位置の変化を示す。さらに、他の実施形態では、レティクル(またはマスク)用ステージ1116またはスキャナシステムの他の移動可能な構成要素の位置の変化を測定するように、干渉法システム1126を位置決めすることができる。最後に、スキャナに加えて、またはスキャナなしのステッパを含むリソグラフィシステムと共に同様の方法で、干渉法システムを使用することができる。
【0287】
当業者は周知のように、リソグラフィは半導体装置を作る製造方法の重要な部分である。例えば、米国特許第5,483,343号は、そのような製造方法のステップの概要を説明している。これらのステップを、図6bおよび図6cを参照して以下のように説明する。図6bは、半導体チップ(例えば、ICまたはLSI)、液晶パネルまたはCCDのような半導体装置を製造する手順のフローチャートである。ステップ1151は、半導体装置の回路を設計するデザインプロセスである。ステップ1152は、回路のパターン設計に基づいて、マスクを製造するプロセスである。ステップ1153は、シリコンなどの材料を用いることによってウェーハを製造するプロセスである。
【0288】
ステップ1154は前処理と呼ばれるウェーハ工程であり、このステップにおいては、準備されたマスクおよびウェーハを用いることによって、回路がリソグラフィによりウェーハ上に形成される。マスク上のこれらのパターンに相当する回路を十分な空間分解能を持ってウェーハ上に形成するためには、ウェーハに対するリソグラフィツールの干渉法による位置決めが必要である。本願で説明した干渉法による方法およびシステムは、ウェーハ工程で使用されるリソグラフィの有効性を向上させるために特に有用である。
【0289】
ステップ1155は後処理と呼ばれる組立てステップであり、このステップにおいて、ステップ1154により加工されたウェーハは半導体チップに形成される。このステップには、組立て(ダイシングおよびボンディング)およびパッケージング(チップのシーリング)が含まれる。ステップ1156は検査ステップであり、ここではステップ1155で作られた半導体装置の操作性のチェック、耐久性のチェックなどが実行される。これらのプロセスによって、半導体装置が完成され、出荷される(ステップ1157)。
【0290】
図6cは、ウェーハ工程の詳細を示すフローチャートである。ステップ1161は、ウェーハの表面を酸化する酸化工程である。ステップ1162は、ウェーハ表面上に絶縁フィルムを形成するCVD工程である。ステップ1163は、真空蒸着によりウェーハ上に電極を形成する電極形成工程である。ステップ1164は、ウェーハ内にイオンを注入するイオン注入工程である。ステップ1165は、ウェーハにレジスト(感光性材料)を加えるレジスト工程である。ステップ1166は、露光(すなわち、リソグラフィ)によって、マスクの回路パターンを前述した露光装置を通してウェーハ上にプリントする露光プロセスである。再度述べるが、前述したように、本願で説明した干渉法システムおよび方法を使用することにより、そのようなリソグラフィのステップの精度および分解能が改善される。
【0291】
ステップ1167は、露光されたウェーハを現像する現像工程である。ステップ1168は、現像されたレジスト画像以外の部分を取り除くエッチング工程である。ステップ1169は、エッチング工程を受けた後で、ウェーハ上に残っているレジスト材料を分離するレジスト分離工程である。これらの工程を繰り返すことによって、回路パターンがウェーハ上に形成および重ね合わせられる。
【0292】
前述した干渉法システムは、対象物の相対位置を正確に測定する必要がある他の用途においても使用することができる。例えば、レーザ、X線、イオン、または電子のビームなどの書込みビームが、基板またはビームのいずれかが動いているときに、基板上にパターンをマークする用途においては、この干渉法システムを使用して、基板と書込みビームとの間の相対的な動きを測定することができる。
【0293】
実施例として、ビーム書込みシステム1200の概略図が図7に示されている。線源1210は書込みビーム1212を発生し、ビーム集束アセンブリ1214は放射ビームを、移動可能なステージ1218により支持された基板1216に向ける。ステージの相対位置を決定するために、干渉法システム1220は、参照ビーム1222をビーム集束アセンブリ1214上に取り付けられたミラー1224に向け、測定ビーム1226をステージ1218上に設けられたミラー1228向ける。参照ビームがビーム集束アセンブリ上に取り付けられたミラーに接触するので、このビーム書込みシステムはカラム参照を使用するシステムの実施例である。この干渉法システム1220は、前に説明したいずれかの干渉法システムとすることができる。干渉法システムにより測定された位置の変化は、基板1216上の書込みビーム1212の相対位置の変化に相当する。干渉法システム1220は、基板1216上の書込みビーム1212の相対位置を示す測定信号1232をコントローラ1232に送る。このコントローラ1230は、ステージ1218を支持および位置決めするベース1236に出力信号1236を送る。さらに、コントローラ1230は信号1238を線源1210に送り、書込みビームが十分な輝度を伴って基板に接触して基板の選択された位置においてのみ光物理的または光化学的変化を引き起こすように、書込みビーム1212の輝度を変化またはブロックする。
【0294】
さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ1230は、例えば、信号1244を用いて、ビーム集束アセンブリ1214に対して書込みビームを基板領域にわたってスキャンさせることができる。その結果、コントローラ1230はシステムの他の構成要素を方向付けて、基板をパターン化する。このパターン化は、一般に、コントローラ内に記憶された電子的設計パターンに基づいている。いくつかの用途では、書込みビームが基板上にコーティングされたレジストをパターン化し、別の用途では、書込みビームが基板を直接パターン化、例えばエッチングする。
【0295】
そのようなシステムの重要な用途は、前述した干渉法使用の方法において使用されるマスクおよびレティクルの製造である。例えば、干渉法使用のマスクを製造するために、電子ビームを使用してクロムがコーティングされたガラス基板をパターン化することができる。書込みビームが電子ビームである場合は、ビーム書込みシステムはこの電子ビームの経路を真空で囲んでいる。また、書込みビームが、例えば、電子ビームまたはイオンビームである場合、ビーム集束アセンブリは、帯電粒子を真空のもとで基板上に集束および指向させる四分ポールレンズ(quadrapole lenses)のような電界発生器を含んでいる。書込みビームが放射ビーム、例えば、X線、UV、または可視の放射である場合、ビーム集束アセンブリは、放射を基板に集束および指向させる対応する光学素子を含んでいる。
【0296】
他の態様、利点、および改変が特許請求の範囲に包含されるものとする。
なお、本明細書において、「〜ω」「〜ψ」「〜θ」「〜A」などの、文字の先頭に付いている「〜」は、国際出願時の英文では
【0297】
【数60】
のように該文字の上に付いていたものであるが、本文では便宜的に文字の前に記した。また、「・ψ」や「^s」「 ̄L」も同様に、「・」、「^」および「 ̄」が国際出願時の英文では直後の文字の上に付いていたものを、本文で便宜的に文字の前に記したものである。
【0298】
また、本明細書でθは、国際出願時の英文では
【0299】
【数61】
であったが、便宜的にθで記した。
【図面の簡単な説明】
【図1】システムの特性によって引き起こされた非線形性を定量化かつ/または監視する干渉法システムの一般的な概略図。
【図2a】非線形性を定量化する干渉法システムの第1の実施形態の概略図。
【図2b】図2aの干渉法システムにおける電子プロセッサのための様々な実施形態の概略図。
【図2c】図2aの干渉法システムにおける電子プロセッサのための様々な実施形態の概略図。
【図2d】様々なタイプの非線形性の周波数を例示するグラフである。
【図2e】図2aの干渉法システムのために2つの入力ビームを生成して、ゼロ周波数シフト周期的誤差を定量化するための線源のための異なる実施形態の概略図。
【図2f】図2aの干渉法システムのために2つの入力ビームを生成して、ゼロ周波数シフト周期的誤差を定量化するための線源のための異なる実施形態の概略図。
【図3a】非線形性を定量化する干渉法システムの第2の実施形態の概略図。
【図3b】図3aの干渉法システムにおける電子プロセッサのための様々な実施形態の概略図。
【図3c】図3aの干渉法システムにおける電子プロセッサのための様々な実施形態の概略図。
【図4a】非線形性を定量化する干渉法システムの第3の実施形態の概略図。
【図4b】図4aの干渉法システムにおける電子プロセッサの概略図。
【図4c】図4aの干渉法システムにおける電子プロセッサの概略図。
【図5a】本発明の第4の実施形態における、図4aの干渉法システムと共に使用するための電子プロセッサの概略図。
【図5b】本発明の第4の実施形態における、図4aの干渉法システムと共に使用するための電子プロセッサの概略図。
【図5c】本発明の第5の実施形態における、図4aの干渉法システムと共に使用するための電子プロセッサの概略図。
【図5d】本発明の第5の実施形態における、図4aの干渉法システムと共に使用するための電子プロセッサの概略図。
【図6a】本明細書で記載され、集積回路を作成するために使用される、干渉法システムを含むリソグラフィシステムの概略図。
【図6b】集積回路を作成するためのステップを記載したフローチャート。
【図6c】集積回路を作成するためのステップを記載したフローチャート。
【図7】本明細書で記載された干渉法システムを含むビーム書き込みシステムの概略図。
【図8】本明細書で記載された干渉法システムの実施形態において使用するための電子プロセッサの概略図。
【図9】本明細書で記載された干渉法システムの実施形態において使用するための、別の電子プロセッサの概略図。
Claims (66)
- 動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから両ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答しかつ上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する検出器であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む、検出器と、
上記検出器に連結された解析器であって、動作の間に、i)ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づき少なくとも1個の付加項を量化し、かつ、ii)量化された少なくとも1個の付加項を用いて、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に重畳するというs(t)の別の値に対応する光路長差の変化を評価する解析器と、
を備えた干渉測定システム。 - 前記検出器は、光検出器、増幅器およびアナログ/デジタル変換器を備える、請求項1記載のシステム。
- 2つのビーム間の周波数分割は非ゼロである、請求項1記載のシステム。
- 少なくとも1個の付加項は複数の付加項である、請求項1記載のシステム。
- 少なくとも1個の付加項を量化すべく前記解析器は式s(t)∝cos(ωt+ψ+ζ1,0,1,0)+NLに基づきs(t)の値に対するドップラー偏移・ψを計算し、式中、NLは付加項の初期量化であって、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間の角周波数分割であり、tは時間であり、かつ、ζ1,0,1,0は位相オフセットである、請求項1記載の干渉測定システム。
- 初期量化はNL=0である、請求項5記載の干渉測定システム。
- 前記解析器は、各付加項を考慮したs(t)の式の対応係数を評価することにより少なくとも1個の付加項を量化する、請求項1記載の干渉測定システム。
- 少なくとも1個の付加項を量化すべく前記解析器は、s(t)の値の集合に対応する周波数スペクトルを計算し、かつ、s(t)の式における各シヌソイドの内で主項に対応しないひとつのシヌソイドの引数の時間に関する導関数に等しい角周波数〜ωにて、もしくは、〜ωのエイリアス〜ωAにて、上記周波数スペクトルの振幅および位相に基づき少なくとも1個の付加項に対する係数を評価する、請求項8記載のシステム。
- 前記周波数スペクトルはs(t)の値の集合のフーリエ変換である、請求項9記載のシステム。
- s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))として表現され得ると共に、前記周波数スペクトルはα(t)のフーリエ変換である、請求項9記載のシステム。
- 〜ωはu’≠0に対するω+ω’u'のひとつである、請求項9記載のシステム。
- 〜ωはq(ω+・ψ)のひとつである、請求項9記載のシステム。
- 〜ωは、p≠1、かつ、u=0のときにはp≠0に対するuω+p・ψ+p+・ψのひとつである、請求項9記載のシステム。
- 少なくとも1個の付加項に対する各係数を評価すべく前記解析器は前記角周波数〜ωにて前記周波数スペクトルの振幅および位相を正規化することで・ψの少なくともひとつの非ゼロの導関数を考慮する、請求項9記載のシステム。
- 前記解析器は、主項の周波数から付加項の周波数をスペクトル的に分離するに十分なほどドップラー偏移が大きいというs(t)の値の第1集合に基づき少なくとも1個の付加項を量化し、かつ、ドップラー偏移がs(t)の値の第1集合のドップラー偏移とは異なると共に主項の周波数から付加項の周波数をスペクトル的に分離するに十分なほど大きいというs(t)の値の第2集合に基づき上記少なくとも1個の付加項を更に量化する、請求項1記載のシステム。
- 前記解析器は、s(t)の値の各集合に対する量化の値を補間することにより、少なくとも1個の付加項をドップラー偏移の関数として量化する請求項17記載のシステム。
- 前記解析器は、各々の集合が異なるドップラー偏移に対応するというs(t)の値の複数の集合に基づき、ドップラー偏移に関して評価された係数の各々の依存性を決定する、請求項9記載のシステム。
- 少なくとも1個の付加項は複数の付加項であり、かつ、
上記複数の付加項を量化すべく前記解析器は、対応する複数の角周波数〜ωvまたはそれらのエイリアスにおける周波数スペクトルの振幅および位相に基づき上記複数の付加項の各々に対する係数を評価し、各〜ωvはs(t)の式における各シヌソイドの内で主項に対応しないひとつのシヌソイドの引数の時間に関する導関数に等しい、請求項9記載のシステム。 - 前記解析器は、qは奇数でありかつjはq/2−1より小さな負でない整数として、B1,0,1,0,q,q-2jおよびζ1,0,1,0,q,q-2jの少なくとも幾つかに対応する係数を評価することでB1,0,1,0,q,1およびζ1,0,1,0,q,1を決定する、請求項20記載のシステム。
- 前記解析器は、s(t)∝cos(ωt+ψ+ζ1,0,1,0)+NL(ψ,・ψ)と自己矛盾のないψ=Lknに対する値を決定することでs(t)の他の値に対応する光路長差の変化を評価し、式中、NLは量化された少なくとも1個の付加項を表現し、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間の角周波数差であり、tは時間であり、かつ、ζ1,0,1,0は位相オフセットである、請求項1記載のシステム。
- 前記解析器はψに対する値の評価を反復的に改善することでψに対する値を決定する、請求項22記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は評価された光路長の変化を用いて物理的経路長の変化を決定する、請求項1記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は評価された光路長の変化を用いて分散の変化を決定する、請求項1記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は評価された光路長の変化を用いて気体の内因的値を決定する、請求項1記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は評価された光路長の変化を用いて各ビームの波長を監視する、請求項1記載のシステム。
- 動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから両ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答して干渉を表す信号s(t)を生成する検出器であって、上記信号s(t)は上記光路長差の関数であり、当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は式s(t)=acos(ωt+ψ+ζ)から逸脱し、式中、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間に存在し得る角周波数差であり、tは時間であり、aはψに関して一定である振幅であり、かつ、ζはψおよび・ψに関して一定である位相オフセットである、検出器と、
上記検出器に連結された解析器であって、動作の間に、i)光路長差の変化の速度がゼロでない(・ψ≠0)というs(t)の値の少なくともひとつの集合をフーリエ変換し、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義しており、ii)ω+・ψと異なると共に上記パワースペクトルのピークに対応する周波数にて上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき少なくとも幾つかの偏差を量化し、かつ、iii)量化された上記偏差を用い、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価する解析器と、
を備えた干渉測定システム。 - 動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから両ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答して干渉を表す信号s(t)を生成する検出器であって、上記信号s(t)は上記光路長差の関数であり、当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は式s(t)=acos(ωt+ψ+ζ)から逸脱し、式中、ψ=Lknであり、Lは物理的経路長差であり、kは波数であり、nは屈折率であり、ωは2つのビーム間に存在し得る角周波数差であり、tは時間であり、aはψに関して一定である振幅であり、ζはψおよび・ψに関して一定である位相オフセットであり、かつ、s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))として表現され得る、検出器と、
上記検出器に連結された解析器であって、動作の間に、i)s(t)に対する位相α(t)を抽出し、ii)光路長差の変化の速度がゼロでない(・ψ≠0)という少なくともひとつの集合のα(t)の各値をフーリエ変換し、このフーリエ変換は該フーリエ変換の2乗絶対値に等しいパワースペクトルを定義しており、iii)ω+・ψと異なると共に上記パワースペクトルのピークに対応する周波数にて上記フーリエ変換の振幅および位相に基づき少なくとも幾つかの偏差を量化し、かつ、iv)量化された上記偏差を用い、s(t)の特定値に対応する光路長差の変化を評価する解析器と、
を備えた干渉測定システム。 - 動作の間に、光路長差を画成する別体の経路に沿って2つのビームを導向してから両ビームを結合し、重畳する1対の出射ビームを生成する干渉計と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉に応答しかつ上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する検出器であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、当該干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む、検出器と、
上記検出器に連結された解析器であって、動作の間に、上記信号s(t)の周波数を監視し、かつ、上記付加項の内のひとつの付加項に対応する周波数の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を生成する解析器と、
上記解析器に連結されて上記システム劣化信号に応答する警報機構と、
を備えた干渉測定システム。 - 前記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響的システム、警報灯およびプリンタの少なくともひとつを備える、請求項30記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は、s(t)の値の少なくともひとつの集合をフーリエ変換することでs(t)における周波数を監視する、請求項30記載のシステム。
- s(t)はα(t)をs(t)の位相としてs(t)=A(t)cos(α(t))として表現され得ると共に、
動作の間に前記解析器は、s(t)の値の少なくともひとつの集合から位相α(t)を抽出し、抽出された位相α(t)をフーリエ変換することでs(t)における周波数を監視する、請求項30記載のシステム。 - 動作の間に前記解析器は、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づきs(t)における周波数を監視する、請求項30記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器はu’≠0に対する周波数ω+ω’u'の内のひとつの周波数の振幅を前記閾値と比較することで、システム劣化を表す信号を生成するか否かを決定する、請求項35記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は周波数q(ω+・ψ)の内のひとつの周波数の振幅を前記閾値と比較することで、システム劣化を表す信号を生成するか否かを決定する、請求項35記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器はp≠1、かつ、u=0のときにはp≠0に対するuω+p・ψ+p+・ψの内のひとつにおける周波数の振幅を前記閾値と比較することで、システム劣化を表す信号を生成するか否かを決定する、請求項35記載のシステム。
- 動作の間に、周波数分割ωを有する第1集合の2つのビームと、ωに等しくない周波数分割ωTを有する第2集合の2つのビームとを提供する線源と、
動作の間に、上記第1集合の第1ビームと上記第2集合の第1ビームとを測定経路に沿って導向しかつ上記第1集合の第2ビームと上記第2集合の第2ビームとを基準経路に沿って導向してから両集合のビームを結合して出力ビームを形成する干渉計であって、上記測定経路および基準経路は光路長差を画成する干渉計と、
上記出力ビームにおける各ビーム間の光干渉に応答し、上記光路長差の関数である上記干渉を表す信号S(t)を生成する検出器と、
上記第2集合のビームが存在しない場合に上記信号S(t)は、上記周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数における主項を含むs(t)に等しく、当該干渉測定システムにおける特性により主周波数と同一の周波数にてs(t)に寄与する各ゼロ周波数シフト循環誤差が引き起こされ、
上記第2集合のビームが存在する場合、s(t)に対するゼロ周波数シフト循環誤差寄与を生成する上記特性はS(t)の周波数スペクトルにおける多重線を生成し、該多重線はω−ωTだけ離間された各近傍ピークを有し、
上記検出器に連結された解析器であって、動作の間に、S(t)における各周波数を区別して上記多重線を識別すると共に、上記多重線における少なくともひとつのピークの振幅および位相に基づき少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差を量化する解析器と、
を備えた干渉測定システム。 - 動作の間に前記解析器は、前記多重線における複数のピークの各々の振幅および位相に基づき複数のゼロ周波数シフト循環誤差を量化する、請求項39記載のシステム。
- 前記解析器は前記線源にも連結され、動作の間に、該解析器は上記線源を以て前記第2集合のビームではなく前記第1集合のビームを前記干渉計に選択的に提供する、請求項39記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器が前記線源を以て前記第2集合のビームではなく前記第1集合のビームを前記干渉計に選択的に提供する場合、上記解析器は、s(t)と、量化された各ゼロ周波数シフト循環誤差の内の少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差とに基づき前記光路長差を決定する、請求項41記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は、S(t)の値の少なくともひとつの集合をフーリエ変換することでS(t)における各周波数を区別する、請求項39記載のシステム。
- S(t)はαS(t)をS(t)の位相としてS(t)=AS(t)cos(αS(t))として表現され得ると共に、
動作の間に前記解析器は、S(t)から位相αS(t)を抽出して少なくともひとつの集合のαS(t)の各値をフーリエ変換することでS(t)の各周波数を区別する、請求項39記載のシステム。 - 前記多重線は前記主周波数におけるピークを含む、請求項39記載のシステム。
- 前記検出器はナイキスト周波数を定める速度にてS(t)の値をサンプリングし、かつ、周波数分割は各々上記ナイキスト周波数未満である、請求項39記載のシステム。
- 前記検出器はナイキスト周波数を定める速度にてS(t)の値をサンプリングし、かつ、前記第1集合のビームの平均周波数と前記第2集合のビームの平均周波数との間の差は上記ナイキスト周波数より大きい、請求項39記載のシステム。
- 前記検出器はナイキスト周波数ωNyを定める速度にてS(t)の値をサンプリングし、かつ、ω<ωNy、ωT<ωNyおよび│ω−ωT│≪ωである、請求項39記載のシステム。
- │ω−ωT│<(ω/100)である、請求項48記載のシステム。
- 前記線源は第1および第2レーザを備え、前記第1集合のビームは上記第1レーザから導出されかつ前記第2集合のビームは上記第2レーザから導出される、請求項39記載のシステム。
- 前記線源は第1および第2レーザと第1および第2音響光学変調器とを備え、前記第1集合のビームは上記第1レーザおよび上記第1音響光学変調器から導出されかつ前記第2集合のビームは上記第2レーザおよび上記第2音響光学変調器から導出される、請求項39記載のシステム。
- 前記線源はレーザと第1および第2音響光学変調器とを備え、上記レーザから導出された第1ビームは上記第1音響光学変調器を通過して前記第1集合のビームを生成し、かつ、上記レーザから導出された第2ビームは上記第2音響光学変調器を通過して前記第2集合のビームを生成する、請求項39記載のシステム。
- 前記レーザから導出された前記第1および第2ビームは該レーザの隣接縦モードに対応する、請求項52記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は、複数のドップラー偏移の各々に対するS(t)における周波数多重線を区別すると共に、ドップラー偏移に対する、量化されたゼロ周波数シフト循環の依存性を量化する、請求項39記載のシステム。
- 動作の間に前記解析器は、前記多重線の振幅が閾値を超えたときにシステム劣化を表す信号を生成し、かつ、
当該システムは、上記解析器に連結されて上記システム劣化信号に応答する警報機構を更に含む、請求項39記載のシステム。 - 前記警報機構は、視覚的ディスプレイ、音響スピーカ、プリンタおよび警報灯の少なくともひとつを備える、請求項55記載のシステム。
- ウェーハを支持するステージと、
空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する照射システムと、
上記作像された放射線に対する上記ステージの位置を調節する位置決めシステムと、
上記ステージの位置を測定する請求項1、28、29、30または39に記載の前記干渉測定システムと、
を備えた、ウェーハ上の集積回路の作製に使用されるリソグラフィシステム。 - ウェーハを支持するステージと、
放射線線源、マスク、位置決めシステム、レンズアセンブリ、および請求項1、28、29、30または39に記載の前記干渉測定システムを含む照射システムとを備え、
動作の間に上記線源は上記マスクを介して放射線を導向して空間的にパターン化された放射線を生成し、
上記位置決めシステムは上記線源からの放射線に対して上記マスクの位置を調節し、
上記レンズアセンブリは上記空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像し、かつ、
上記干渉測定システムは上記線源からの放射線に対する上記マスクの位置を測定する、
ウェーハ上の集積回路の作製に使用されるリソグラフィシステム。 - 基板にパターン形成する書込みビームを提供する線源と、
上記基板を支持するステージと、
上記基板に対して上記書込みビームを供給するビーム導向アセンブリと、
上記ステージおよび上記ビーム導向アセンブリを相互に対して位置決めする位置決めシステムと、
上記ビーム導向アセンブリに対する上記ステージの位置を測定する請求項1、28、29、30または39に記載の前記干渉測定システムと、
を備えた、リソグラフィマスクの作製に用いられるビーム書込みシステム。 - 干渉測定システムと共に使用される干渉測定方法であって、
別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、
上記両ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、上記干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、
ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に分離されるというs(t)の値に基づき少なくとも1個の付加項を量化する工程と、
量化された少なくとも1個の付加項を用いて、ドップラー偏移の値により主項および少なくとも1個の付加項がスペクトル的に重畳するというs(t)の別の値に対応する光路長差の変化を評価する工程と、
から成る干渉測定方法。 - 干渉測定システムと共に使用される干渉測定方法であって、
別体の経路に沿って2つのビームを導向する工程と、
上記ビームを結合して重畳する1対の出射ビームを生成する工程であって、上記別体の経路は光路長差を画成する工程と、
上記重畳する1対の出射ビームの間の光干渉を測定して上記光路長差を表す干渉信号s(t)を生成する工程であって、上記信号s(t)は、上記2つのビームの間に存在し得る周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数を有する主項を含み、上記干渉測定システムの特性により上記信号s(t)は上記周波数分割ωとドップラー偏移・ψとの合計に等しくない周波数を各々が有する付加項を更に含む工程と、
上記信号s(t)の周波数を監視する工程と、
上記各付加項の内のひとつの付加項に対応する周波数の振幅が閾値を超えたときに操作者に警告する工程と、
から成る干渉測定方法。 - 干渉測定システムと共に使用される干渉測定方法であって、
周波数分割ωを有する第1集合の2つのビームと、ωに等しくない周波数分割ωTを有する第2集合の2つのビームとを提供する工程と、
上記第1集合の第1ビームと上記第2集合の第1ビームとを測定経路に沿って導向しかつ上記第1集合の第2ビームと上記第2集合の第2ビームとを基準経路に沿って導向する工程と、
両集合のビームを結合して出力ビームを形成する工程であって、上記測定経路および基準経路は光路長差を画成する工程と、
上記出力ビームにおける各ビーム間の光干渉を測定し、上記光路長差の関数である上記干渉を表す信号S(t)を生成する工程と、
上記第2集合のビームが存在しない場合に上記信号S(t)は、上記周波数分割ωと上記光路長差の変化の速度により定められるドップラー偏移・ψとの合計に等しい周波数における主項を含むs(t)に等しく、当該干渉測定システムにおける特性により主周波数と同一の周波数にてs(t)に寄与する各ゼロ周波数シフト循環誤差が引き起こされ、
上記第2集合のビームが存在する場合、s(t)に対するゼロ周波数シフト循環誤差寄与を生成する上記特性はS(t)の周波数スペクトルにおける多重線を生成し、該多重線はω−ωTだけ離間された各近傍ピークを有し、
S(t)における各周波数を区別して上記多重線を識別する工程と、
上記多重線における少なくともひとつのピークの振幅および位相に基づき少なくともひとつのゼロ周波数シフト循環誤差を量化する工程と、
から成る干渉測定方法。 - ステージ上にウェーハを支持する工程と、
空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する工程と、
上記作像された放射線に対する上記ステージの位置を調節する工程と、
請求項61、62または63に記載の前記干渉測定方法を用いて上記ステージの相対位置を測定する工程と、
から成るリソグラフィ方法。 - ウェーハを支持する工程と、
線源からマスクへと放射線を導向して空間的にパターン化された放射線を生成する工程と、
上記放射線に対して上記マスクを位置決めする工程と、
請求項61、62または63に記載の前記干渉測定方法を用いて上記放射線に対する上記マスクの位置を測定する工程と、
上記空間的にパターン化された放射線を上記ウェーハ上に作像する工程と、
から成るリソグラフィ方法。 - 基板にパターン形成する書込みビームを提供する工程と、
上記基板をステージ上に支持する工程と、
上記基板に対して上記書込みビームを供給する工程と、
上記書込みビームに対して上記ステージを位置決めする工程と、
請求項61、62または63に記載の前記干渉測定方法を用いて上記ステージの相対位置を測定する工程と、
から成るビーム書込み方法。
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