JP4714788B2 - 装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置 - Google Patents
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Description
本発明は、装置構成情報管理装置による管理対象である装置の構成要素および構成要素間の関係を含む、階層構造を有する装置構成情報を、複数の装置構成情報管理装置から取得して装置構成統合情報に統合して管理する装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置に関する。
近年、システム運用管理の分野で、ITIL(登録商標、以下同様、Information Technology Infrastructure Library)と呼ばれる、成功事例のノウハウを蓄積した文書が普及しつつある。ITILは、1989年に英国政府機関であるCCTA(Central Computer and Telecommunications Agency)によって公表され、現在では、システム運用管理の分野において、事実上の国際標準となっている。
例えば、非特許文献1に開示されるように、システムの装置構成情報を管理するための標準規格として、CMDB(Configuration Management Database)が提案されている。CMDBとは、ITILに規定されている装置構成情報データベースのことである。
CMDBによれば、システムの装置構成情報を管理するために、システムの装置構成情報およびこれらの関係を管理するデータベースとして、装置構成情報データベースを構築することになる。システムの装置構成には、各種ハードウェアはいうまでもなく、ソフトウェア、各種データなど、多種多様な要素が含まれる。ここで、装置構成情報データベースの構成を、いかに効率的かつ容易におこなうかが課題となってくる。
そこで、例えば、特許文献1には、装置構成情報データベースのメタデータを各種機器の登録者に提供する手段を自動的にカスタマイズする手段を提供することにより、装置構成情報データベースを容易に構築可能とし、かつ、装置構成管理の対象を容易に変更可能とするソフトウェア構成管理機構が開示されている。
具体的には、構成スキーマ登録手段が、装置構成情報データベースのスキーマとアクセス用メタデータを作成する。資産構成情報アクセス手段は、装置構成情報へのアクセス者に対して、カスタマイズしたスキーマの型をもつデータに対する読み込み、追加、更新、削除をおこなわせる。構成情報表示保守手段は、装置構成情報データベースからデータを収集し、論理資産のメタデータを、より上位階層に位置する装置構成情報データベースと統合する。
なお、上位階層に位置する装置構成情報データベースは、FCMDB(Federated CMDB)といい、複数の装置構成情報を統合管理するデータベースである。また、それぞれの装置構成情報データベースの実装は、MDR(Management Data Repository)と呼ばれる。
"CMDB Federation (CMDBf)" Committee Draft Version1.0、[online]、2007年10月22日、CMDB Federation Working Group、[平成20年1月23日検索]、インターネット<URL:http://cmdbf.org/schema/1-0-0/CMDBf%20v1.0.pdf>
特開平9−91122号公報
しかしながら、上記非特許文献1および特許文献1に代表される従来技術では、次の問題があった。すなわち、FCMDBによる、システム内の各MDRが有する装置構成情報の統合管理において、FCMDBは、共通データモデルを利用するが、各MDRのデータ形式は統一されていなかった。例えば、スキーマが異なる、スキーマは共通であるがデータ順序が異なる、あるいは、MDRから読み出されたデータは、階層構造や親子関係を持つにもかかわらず、共通データモデルでは、階層構造や親子関係が保持されないなどである。
このため、MDRから読み出された装置構成情報は、共通データモデルによって、出現順序が異なり、親子関係が保持されず、また、FCMDBからMDRの形式に基づいて装置構成情報を読み出す側が、共通データモデルのスキーマに含まれる装置構成情報の一部を表現できないために、共通データモデルにて統合された装置構成情報と、統合前の各構成要素の装置構成情報との間に不整合が発生するという不都合が生じていた。
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、システムの各装置構成情報を、FCMDBの共通データモデルにて矛盾なく統合することが可能な装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置を提供することを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、装置構成情報管理装置による管理対象である装置の構成要素および前記構成要素間の関係を含む、階層構造を有する装置構成情報を、複数の装置構成情報管理装置から取得して装置構成統合情報に統合して管理するコンピュータ装置を、前記装置構成統合情報を記憶するための装置構成統合情報記憶手段、各装置構成情報管理装置による管理対象の構成要素の順序情報を含む構成要素間の関係を規定する第1のメタ情報、および、前記装置構成情報管理装置により予め指定されている、前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録するための処理方針を示す第2のメタ情報、を記憶するためのメタ情報記憶手段、前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録する第1の登録処理と、前記第1のメタ情報を前記メタ情報記憶手段に登録する第2の登録処理と、を実行する制御手段、として機能させ、前記制御手段は、前記第1の登録処理として、前記装置構成統合情報のスキーマにあわせて表現形式が変換された前記階層構造を有する装置構成情報を前記装置構成情報管理装置から取得し、さらに前記メタ情報記憶手段から前記第2のメタ情報を取得し、当該階層構造を有する装置構成情報を管理単位である構成要素単位に分割し、当該第2のメタ情報に基づいて、分割された構成要素毎の装置構成情報を前記装置構成統合情報として前記装置構成統合情報記憶手段に登録し、前記第2の登録処理として、前記取得した階層構造を有する装置構成情報に基づいて前記第1のメタ情報を生成して前記メタ情報記憶手段に登録し、さらに、前記装置構成情報管理装置から前記装置構成統合情報の読み出し要求を受信した場合に、前記装置構成統合情報記憶手段に登録された装置構成統合情報と、前記メタ情報記憶手段に登録された第1のメタ情報および第2のメタ情報と、に基づいて、当該装置構成情報管理装置による管理対象の装置構成情報を構築する、ことを特徴とする。
本発明によれば、装置構成統合情報の表現形式へと表現形式が変換された装置構成情報を、装置構成統合情報のメタ情報に基づいて、装置構成統合情報に登録し、装置構成情報の登録元メタ情報および文書構造メタ情報と、表現形式が変換される以前の装置構成情報の文書構造メタ情報とを取得して、装置構成統合情報のメタ情報に登録するので、装置構成統合情報から装置構成情報を取り出す際に、装置構成情報の元のデータ構造や表現形式を維持して取り出すことが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、装置構成統合情報の表現形式へと表現形式が変換された装置構成情報を、管理単位に分割し、管理単位の特徴情報と同一の特徴情報を有する管理単位が装置構成統合情報に存在しない場合に、管理単位に分割された装置構成情報を、装置構成統合情報に登録し、管理単位に分割される以前の装置構成情報の文書構造メタ情報を取得して、メタ情報に登録するので、管理単位の重複登録を回避し、管理単位に分割される以前の装置構成情報を復元することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、要求構成要素を含む装置構成情報に対応する文書構造メタ情報に基づいて、端末装置へ返答する返答情報として要求構成要素を含む装置構成情報を構築するので、端末装置側は、意図する表現形式で、装置構成統合情報から装置構成情報を取り出すことが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、階層構造における要求構成要素の直下の構成要素が検索された場合に、直下の構成要素を要求構成要素として、この要求構成要素を含む装置構成情報に対応する文書構造メタ情報を、装置構成統合情報のメタ情報のなかから取得するので、階層構造を下にたどって、最下層から順次、各要求構成要素を含む装置構成情報を構築していくことによって返答情報を構築することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、階層構造における要求構成要素のすべての直下の構成要素の順序が確定しなかった場合に、順序が確定しなかった直下の構成要素に対応する文書構造処理方針メタ情報を取得し、構成要素順序決定手順によって確定した直下の構成要素の順序および/または文書構造処理方針メタ情報に基づいて返答情報を構築するので、すべての構成要素の順序が確定した返答情報を構築することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、返答情報として構築された要求構成要素を含む装置構成情報を、要求構成要素の登録元の装置構成情報管理装置に対して、装置構成情報管理装置における装置構成情報の表現形式へと表現形式の逆変換を要求するので、端末装置側は、意図する表現形式で、装置構成統合情報から取り出した装置構成情報を参照することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、要求構成要素を含む装置構成情報の、装置構成情報管理装置における装置構成情報の表現形式への表現形式の逆変換が成功しなかった場合に、装置構成情報のスキーマが異なるとしておこなう処理方針を規定する異種スキーマ処理方針メタ情報に基づき返答情報を構築するので、装置構成情報のスキーマが異なっても返答情報を構築することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、異種スキーマ処理方針メタ情報に基づき、要求構成要素を含む装置構成情報を返答情報に追加挿入する、または、要求構成要素を含む装置構成情報を返答情報に追加挿入しないので、装置構成情報のスキーマが異なっても返答情報を構築することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、異種スキーマ処理方針メタ情報取得手段によって取得された異種スキーマ処理方針メタ情報に基づいて、返答情報構築手段によって端末装置へ返答する返答情報として構築された前記要求構成要素を含む装置構成情報を、要求構成要素の登録元とは異なる他の装置構成情報管理装置に対して、該他の装置構成情報管理装置における装置構成情報の表現形式へと表現形式の逆変換を要求するので、装置構成情報のスキーマが異なっても返答情報を構築し、端末装置側は、意図する表現形式で、装置構成統合情報から取り出した装置構成情報を参照することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、装置構成統合情報管理装置からの要求に応じて、装置構成情報の表現形式を、装置構成統合情報管理装置における装置構成統合情報の表現形式へと変換し、また、装置構成統合情報の表現形式を装置構成情報管理装置における装置構成情報の表現形式へと逆変換するので、装置構成統合情報管理装置における装置構成統合情報と、装置構成情報管理装置における装置構成情報とが表現形式が異なっても、装置構成情報の装置構成統合情報への統合、および、装置構成統合情報からの装置構成情報の取り出しを、表現形式を維持しつつおこなうことが可能になるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、本発明の装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置にかかる一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の一実施形態では、MDRは、装置構成情報管理装置で管理され、装置構成情報管理対象としている装置の装置構成情報を有するとし、各MDRの装置構成情報を統合管理するFCMDBは、装置構成統合情報管理装置で管理され、各MDRの装置構成情報を統合した装置構成統合情報を有する。
なお、MDRは、装置構成情報管理装置で稼働するミドルウェア(Middle Ware、MWと略記する)であるDBMS(Data Base Management System)によって管理される。また、FCMDBは、装置構成統合情報管理装置で稼働するMWであるDBMSによって管理される。
以下の一実施形態では、1台の装置構成統合情報管理装置が、2台の装置構成情報管理装置から、装置構成情報を取得して、装置構成統合情報として管理することとしている。しかし、装置構成統合情報管理装置および装置構成情報管理装置の数は、限定されるものではない。
また、以下に示す一実施形態では、『文書』は、『装置構成情報』を指し、『データ』は、システムまたは装置を構成する、ハードウェアまたはソフトウェアなどの『構成要素』を指す。
以下に、装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置にかかる一実施形態を説明する前に、従来技術の装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置の問題点について説明する。
先ず、図12−1を参照して、従来技術の問題点(その1)を説明する。FCMDBは、共通データモデルに基づいてデータを扱うが、各MDRのスキーマが共通であってもデータ形式が統一されていないこと(例えば、スキーマは共通だがデータの並びが異なること、MWによって読み出されたデータに親子の関係が保持されないことなど)によって、データの出現順序や親子関係が失われ、MDRの元データとの照合ができない、データが関係によって表されていた意味が失われる、一連のデータとして再構成できないなどの問題があった。
具体的には、図12−1において、(1)先ず、FCMDBのMWは、MW1の管理下のMDR1が有する装置構成情報を、FCMDBに登録する。ここで、図示のように、MDR1の装置構成情報は、『Server(サーバ、以下同様)Aは、CPU(Central Processing Unit、以下同様)1、CPU2、CPU3の順序で構成要素を有する』という装置構成情報である。
(2)次に、MWは、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。ここで、図示のように、MDR2が有する装置構成は、『ServerAは、CPU2、CPU1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。
ここで、『ServerAは、CPU2、CPU1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報は、『CPU1、CPU2の順序』を除けば、『ServerAは、CPU1、CPU2、CPU3の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報に含まれる。
(3)従って、FCMDBのMWは、既に登録済みの装置構成統合情報に含まれる構成要素のIDや属性情報から登録済みのデータとの重複を検出するため、MDR2の装置構成情報は登録しない。
(4)しかし、MDR2を管理するMW2が、FCMDBから装置構成統合情報を読み出した場合に、MDR1の装置構成情報が先に登録されたため、MDR2の装置構成情報が含まれるにもかかわらず、『CPU1、CPU2の順序』のように、データの出現順序が異なることとなる。これは、MW2からみれば、データが壊れているように見えるため、FCMDBの装置構成情報を使用することができない。
すなわち、例えば、MDR1では、ServerAの複数のCPU情報を、ソケット位置の順序で保持している。一方、MDR2では、ServerAの複数のCPU情報を、ソフトウェア的に検出される順番で保持している場合に、2つのCPU情報は、順番が異なるが、並べ替えれば同一である。
よって、FCMDBでは、先に登録したMDR1の順序で装置構成統合情報を保持するため、MDR2を管理するMW2が、FCMDBが有する最新の装置構成統合情報と、MDR2が有する装置構成情報とを比較すると、全く一致しないという問題があった。
また、MDRでは、ServerAの装置構成情報に、ServerAにインストールされているソフトウェアの情報も含まれるが、FCMDBの共通データモデルでは、ハードウェア情報とソフトウェア情報とを分離する。このため、FCMDBでは、構成要素間の関係の一種として、「ソフトウェアがインストールされている/されていない」という情報は保持されるが、MDRでの構成要素間の親子関係の構造と1対1に対応しない。
このため、ServerAの装置構成統合情報を参照すると、構成要素としてソフトウェア情報があることは分かるものの、ハードウェア情報とソフトウェア情報との親子関係が復元されないため、ServerAの装置構成統合情報を参照すると、インストールされているソフトウェアの情報も、親子関係を保持した状態で分かるようにしたいという要請に応えることができなかった。
次に、図12−2を参照して、従来技術の問題点(その2)を説明する。FCMDBは、共通データモデルに基づいてデータを扱うが、各MDRのスキーマが異なることがある。このため、あるMDRのスキーマに基づいてFCMDBの装置構成統合情報を参照しても、このMDRのスキーマに含まれない情報を表現できず、FCMDBに含まれるデータを有効利用できない。
これによって、例えば、「MDRのスキーマに含まれない情報があったとしても、その意味は人が見て判断するから表示してほしい」という要求や、「人が見る際には、FCMDBの内容そのままではなく、できるだけMDRのスキーマのデータ構造に沿って閲覧したい」という要求に応えられないという問題があった。
具体的には、図12−2において、(1)FCMDBのMWは、MW1の管理下のMDR1の情報を、FCMDBに登録する。ここで、図示のように、MDR1の装置構成情報は、『ServerAは、CPU1、Memory(メモリ、以下同様)1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。MDR1を管理するMW1は、変換機能によって、この装置構成情報を、FCMDBのスキーマにあわせて変換して、FCMDBのMWへ受け渡す。
(2)次に、MWは、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。ここで、図12−2に示すように、MDR2の情報は、『ServerAは、CPU1、HDD(Hard Disk Drive、以下同様)1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。MDR2を管理するMW2は、変換機能によって、この装置構成情報を、FCMDBのスキーマにあわせて変換して、FCMDBのMWへ受け渡す。
ここで、FCMDBのMWは、既に登録済みの装置構成統合情報に含まれる構成要素のIDや属性情報から登録済みのデータとの重複を検出するため、MDR2の『CPU1』という構成要素は登録せず、『HDD1』という構成要素のみを登録する。
(3)ここで、クライアント装置が、MDR2のスキーマに従ってFCMDBが有する装置構成統合情報を参照する場合に、FCMDBを管理するMWは、MDR2を管理するMW2に、スキーマ変換を依頼する。(4)MDR2の逆変換機能は、FCMDBの装置構成統合情報を、MDR2のスキーマにあわせて変換する。
すると、MDR2のスキーマは、メモリ情報の表現を含まないため、メモリを表現することができない。よって、メモリは、ServerAに関連付いている情報であるにもかかわらず、一切参照できないことになる。
すなわち、例えば、MDR2は、ServerAのCPU、HDDについての情報は持つが、メモリの情報は持たない一方で、FCMDBには、MDR1から登録されたメモリの情報がある。このため、MDR2と同じ形式でデータを扱うGUI(Graphical User Interface)では、メモリの情報が利用できない。
このため、ユーザの、メモリの情報と認識できなくても、GUIに提示して欲しいという要請に応えることができない。もっとも、メモリの情報がエラーとなって、正しく返らない可能性もある。
以下に示す一実施形態は、上記の問題点を克服するためになされた装置構成統合情報管理プログラムおよび装置構成統合情報管理装置の一例を示すものである。なお、以下の一実施形態では、各MDRを管理するMWおよびFCMDBを管理するMWは、それぞれ異なるコンピュータ装置で稼働するものとするが。これに限定されず、各MDRを管理するMWおよび/またはFCMDBを管理するMWは、同一のコンピュータ装置で稼働することとしてもよい。
また、MDRを管理するMWは、装置構成情報収集対象装置である構成要素を管理単位に分割して、この管理単位ごとに装置構成情報を収集するものとする。従って、異なる管理単位に、同一の装置構成情報収集対象装置が含まれる場合がある。
先ず、一実施形態の概要について説明する。図1−1は、一実施形態の概要(その1)を説明するための図である。また、図1−2は、一実施形態の概要(その2)を説明するための図である。なお、図1−1に示す一実施形態の概要(その1)は、図12−1に示した従来技術の問題点(その1)を解決するものである。
先ず、図1−1を参照すると、(1)FCMDBのMWは、MW1の管理下のMDR1が有する装置構成情報を、FCMDBに登録する。ここで、図示のように、MDR1の装置構成情報は、『ServerAは、CPU1、CPU2、CPU3の順序で構成要素を有する』という装置構成情報である。
(2)次に、MWは、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。図示のように、MDR2が有する装置構成は、『ServerAは、CPU2、CPU1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。
ここで、MWは、MDR2が有する装置構成情報を登録する処理方針として、『Serverクラス以下では、未知のものは、装置構成統合情報の末尾に追加』という、あらかじめ定められている処理方針に従って、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。
(3)ただし、図示の例では、FCMDBのMWは、既に登録済みの装置構成統合情報に含まれる構成要素のIDや属性情報から登録済みのデータとの重複を検出するため、MDR2の装置構成情報は登録せず、データの順序情報を含むデータ構造を規定するメタデータのみを追加する。
(4)MDR2を管理するMW2は、FCMDBから装置構成統合情報を読み出す場合に、図1−1の(2)で登録されたメタデータの順序情報と、装置構成情報を再構成する処理方針として、『Serverクラス以下では、未知のものは、装置構成情報の末尾に追加』という、あらかじめ定められている処理方針とに従って、MDR2の装置構成情報を再構成する。
具体的には、MDR2の装置構成情報では、『CPU1、CPU2の順序』であり、かつ、『CPU3』は、MDR2にとって未知であるので、『Serverクラス以下では、未知のものは、装置構成情報の末尾に追加』という処理方針に従って、『ServerAは、CPU2、CPU1、CPU3の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報を再構築する。これによって、MW2が期待する順序で、装置構成統合情報からMDR2の装置構成情報が読み出されて再構築されることとなる。
次に、一実施形態の概要(その2)について説明する。図1−2は、一実施形態の概要(その2)を説明するための図である。なお、図1−2に示す一実施形態の概要(その2)は、図12−2に示した従来技術の問題点(その2)を解決するものである。
図1−2を参照すると、(1)FCMDBのMWは、MW1の管理下のMDR1の情報を、FCMDBに登録する。ここで、図示のように、MDR1の装置構成情報は、『ServerAは、CPU1、Memory1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。MDR1を管理するMW1は、変換機能によって、この装置構成情報を、FCMDBのスキーマにあわせて変換して、FCMDBのMWへ受け渡す。
(2)次に、MWは、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。ここで、図1−2に示すように、MDR2の情報は、『ServerAは、CPU1、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報である。MDR2を管理するMW2は、変換機能によって、この装置構成情報を、FCMDBのスキーマにあわせて変換して、FCMDBのMWへ受け渡す。
ここで、MWは、MDR2が有する装置構成情報を登録する処理方針として、『Serverクラス以下では、登録元のMDRの形式で埋め込む』という、あらかじめ定められている処理方針に従って、MW2の管理下のMDR2の装置構成情報を、FCMDBに登録する。よって、FCMDBでは、『ServerAは、CPU1、Memory1、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成統合情報を有することとなる。
(3)クライアント装置がFCMDBから装置構成統合情報を読み出す場合に、(4)MWは、MDR2を管理するMW2に装置構成統合情報の逆変換を依頼する。その結果、『ServerAは、CPU1、不明な構成要素、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報が得られる。すなわち、ServerAの配下の、CPU1の次、HDD1の前に、詳細不明ながらも、情報が含まれていることが分かる。
(5)さらに、MWは、『ServerAは、CPU1、不明な構成要素、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報を、MDR1を管理するMW1に装置構成統合情報の逆変換を依頼すると、『ServerAは、CPU1、不明な構成要素、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報の「不明な構成要素」が『Memory1』であることが判明するので、『ServerAは、CPU1、Memory1、HDD1の順序で、構成要素を有する』という装置構成情報が得られる。
次に、一実施形態にかかる装置構成統合情報管理装置の構成について説明する。図2は、一実施形態にかかる装置構成統合情報管理装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、一実施形態にかかる装置構成統合情報管理装置100は、装置構成情報管理装置1_200と、装置構成情報管理装置2_300と、相互に通信可能に接続されている。また、装置構成統合情報管理装置100は、クライアント装置400と、相互に通信可能に接続されている。
一実施形態にかかる装置構成統合情報管理装置100は、制御部101と、装置構成統合情報DB(Data Base、以下同様)102と、メタ情報DB103とを有する。制御部101は、装置構成統合情報管理装置100の全体制御をつかさどる制御装置であり、FCMDBのミドルウェアを実行することによって、装置構成統合情報管理装置100をFCMDBとして機能させる。
装置構成統合情報DB102は、各MDRから収集したそれぞれの装置構成情報を統合した装置構成統合情報を、図3に一例を示す装置構成統合情報データテーブル102aにて記憶するDBである。装置構成統合情報データテーブル102aは、「データクラス」、「データID」、「属性情報」のカラムを有し、各MDRが有する装置構成情報を統合して、装置構成統合情報として管理する。
なお、装置構成統合情報DB102は、装置構成統合情報データテーブル102aに限らず、図4に一例を示すように、XML(eXtensible Markup Language)形式で、装置構成統合情報を管理することとしてもよい。
メタ情報DB103は、図5に一例を示す装置構成情報登録元メタ情報テーブル103aと、図6に一例を示す文書構造メタ情報テーブル103bと、図7に一例を示す文書構造処理方針メタ情報テーブル103cと、図8に一例を示す異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル103dとを格納している。
装置構成情報登録元メタ情報テーブル103aは、装置構成統合情報DB102において、『データID』で一意に識別される構成要素が、いずれのMDRから登録されたかを示す情報を記憶する。装置構成情報登録元メタ情報テーブル103aは、例えば、図5に一例を示すように、「データID」と、「装置構成情報登録元」とのカラムを有する。具体的には、「データID」が『Server_Bravo_A』であれば、「装置構成情報登録元」は、『MDR1』であることが分かる。
文書構造メタ情報テーブル103bは、装置構成統合情報DB102において、『データID』で一意に識別される2つの構成要素(「データA」および「データB」)の、登録元のMDRでの関係を記憶する。例えば、図6に一例を示すように、文書構造メタ情報テーブル103bは、「装置構成情報登録元」と、「データA」と、「データB」と、「A→Bの関係」とのカラムを有する。
具体的には、「装置構成情報登録元」が『MDR1』である場合において、「データA」の構成要素である『ServerA』と、「データB」の構成要素である『CPU1』との関係は、「A→Bの関係」が『子』、すなわち、『CPU1』は、『ServerA』の『子』であるということが分かる。
文書構造処理方針メタ情報テーブル103cは、登録元のMDRがFCMDBのスキーマと同一である場合に、登録元のMDRおよび構成要素の登録位置に応じて、登録元のMDRの装置構成情報に含まれる構成要素を、装置構成統合情報DB102にどのように登録するかの方針を記憶する。この登録の処理方針は、例えば、図7に一例を示すように、登録元のMDRによって指定されるものである。文書構造処理方針メタ情報テーブル103cは、「処理方針登録元」と、「データ位置」と、「処理方針」とのカラムを有する。
具体的には、「処理方針登録元」が『MDR1』であって、「データ位置」が『ServerA直下』であるときには、登録元のMDRの装置構成情報に含まれる構成要素を、「処理方針」が『直前との関係を保持』という処理方針に従って、文書構造メタ情報テーブル103bを参照して、直前に登録されたMDR1の構成要素の関係を保つように、装置構成統合情報DB102に登録される。
異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル103dは、登録元のMDRがFCMDBのスキーマと異なる場合に、登録元のMDRおよび構成要素の登録位置に応じて、登録元のMDRの装置構成情報に含まれる構成要素を、装置構成統合情報DB102にどのように登録するかの方針を記憶する。この登録の処理方針は、登録元のMDRによって指定されるものである。異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル103dは、例えば、図8に一例を示すように、「処理方針登録元」と、「データ位置」と、「処理方針」とのカラムを有する。
具体的には、「処理方針登録元」が『MDR1』であって、「データ位置」が『ServerA直下』であるときには、登録元のMDRの装置構成情報に含まれる構成要素を、「処理方針」が『破棄』という処理方針に従って、MDR1の構成要素を、装置構成統合情報DB102に登録せず、破棄される。
なお、装置構成情報登録元メタ情報、文書構造メタ情報、文書構造処理方針メタ情報、異種スキーマ処理方針メタ情報などのメタ情報は、テーブルにて管理されてもよいし、XMLなどの階層構造を有するデータ形式で管理されてもよい。
装置構成情報管理装置1_200は、制御部201と、MDR1_202とを有する。制御部201は、装置構成情報管理装置1_200の全体制御をつかさどる制御装置であり、CMDBのミドルウェアを実行することによって、装置構成情報管理装置1_200をCMDBとして機能させる。
制御部201は、一実施形態に関連する構成として、表現形式変換部201aと、表現形式逆変換部201bとを有する。なお、装置構成情報管理装置1_200は、装置構成情報管理装置1_200が装置構成情報管理対象としている装置の装置構成情報をあらかじめ収集し、MDR1_202に登録しているものとする。
また、装置構成情報管理装置2_300も、装置構成情報管理装置1_200と同様に、制御部301と、MDR2_302とを有する。制御部301は、装置構成情報管理装置2_300の全体制御をつかさどる制御装置であり、CMDBのミドルウェアを実行することによって、装置構成情報管理装置2_300をCMDBとして機能させる。
制御部301は、制御部201と同様に、一実施形態に関連する構成として、表現形式変換部301aと、表現形式逆変換部301bとを有する。なお、装置構成情報管理装置2_300も、装置構成情報管理装置2_300が装置構成情報管理対象としている装置の装置構成情報をあらかじめ収集し、MDR2_302に登録しているものとする。
装置構成統合情報管理装置100の制御部101は、一実施形態に関連する構成として、構成情報入力部101aと、メタ情報入力部101bと、読み出し要求受け付け部101cと、返答情報構成部101dと、返答情報通信部101eとを有する。
構成情報入力部101aは、装置構成情報管理装置1_200および装置構成情報管理装置2_300の表現形式変換部201aおよび表現形式変換部301aから、FCMDBの共通データモデルに応じて表現形式を変換したMDR1_202およびMDR2_302が有する装置構成情報を取得する。
構成情報入力部101aは、文書構造処理方針メタ情報テーブル103cに規定される処理方針に従って、取得したMDR1_202およびMDR2_302が有する装置構成情報を、管理単位に分割して、装置構成統合情報DB102に登録する。この際、管理単位で、装置構成統合情報の『データID』および『属性情報』が一致する装置構成情報は、重複を避けるため、登録をおこなわない。
また、構成情報入力部101aは、取得したMDR1_202およびMDR2_302が有する装置構成情報を分割した管理単位の構成要素の登録元であるMDR(MDR1_202および/またはMDR2_302)の一意の識別情報である構成情報登録元メタ情報を、管理単位の構成要素の一意の識別情報である「データID」とともに、メタ情報入力部101bへと受け渡す。
また、構成情報入力部101aは、取得したMDR1_202およびMDR2_302が有する装置構成情報を管理単位に分割する以前の文書構造メタ情報を、メタ情報入力部101bへと受け渡す。文書構造メタ情報とは、装置構成統合情報DB102において、『データID』で一意に識別される2つの構成要素(「データA」および「データB」)の、登録元のMDRでの関係を示す情報である。
メタ情報入力部101bは、表現形式変換部201aおよび表現形式変換部301aによって表現形式が変換される以前の各MDRが有する装置構成情報の文書構造メタ情報を取得して、メタ情報DB103に登録する。
また、メタ情報入力部101bは、構成情報入力部101aから受け渡された、構成情報登録元メタ情報および各装置構成情報を管理単位に分割する以前の文書構造メタ情報を、メタ情報DB103に登録する。
読み出し要求受け付け部101cは、クライアント装置400から、MDRおよび構成要素を指定して出された、装置構成統合情報の読み出し要求を受け付け、この読み出し要求に応じて、装置構成統合情報DB102およびメタ情報DB103を参照する。そして、この参照結果は、返答情報構成部101dへと出力される。
返答情報構成部101dは、装置構成統合情報DB102およびメタ情報DB103から取得された装置構成統合情報および各種メタ情報に基づいて、クライアント装置400へ返答する返答情報を構成する。
具体的には、返答情報構成部101dは、文書構造メタ情報テーブル103bを参照して、クライアント装置400から指定されたMDRの構成要素の『子』である構成要素を検索し、各『子』である構成要素について返答情報を構成する。そして、各『子』である構成要素について構成された返答情報を、文書構造メタ情報テーブル103bに規定される、各『子』間の順序、および、文書構造処理方針メタ情報テーブル103cに規定される処理方針に従って、返答情報を再構成する。
そして、返答情報構成部101dは、指定されたMDRのMWの表現形式逆変換部201b(または、表現形式逆変換部301b)に対して、再構成された返答情報を、指定されたMDRにおける表現形式へ逆変換することを依頼する。そして、返答情報構成部101dは、返答情報の表現形式の逆変換が成功したならば、この逆変換が成功した返答情報を、最終的な返答情報に追加する。
一方、返答情報構成部101dは、返答情報の逆変換が成功しなかったならば、異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル103dを参照して、指定されたMDRに対応する異種スキーマ処理方針に従って、『返答情報を破棄』または『装置構成情報登録元へ逆変換を依頼』のいずれかの処理をおこなう。
上記処理によって、返答情報は、破棄される、装置構成情報登録元のMDRのMWの表現形式逆変換部201b(または、表現形式逆変換部301b)によって表現形式が逆変換される、または、表現形式の逆変換をおこなわず、不明な装置構成情報を含んだままとされる。破棄されなかった返答情報は、最終的な返答情報に追加される。
返答情報構成部101dは、クライアント装置400から指定されたMDRの構成要素のすべての『子』およびすべての『子』の『子』について、返答情報を構成し、順次、最終的な返答情報に追加していく。そして、返答情報構成部101dは、すべての返答情報を構成し終わると、最終的な返答情報を、返答情報通信部101eへと受け渡す。返答情報通信部101eは、最終的な返答情報を、クライアント装置400へと出力する。
次に、一実施形態にかかる装置構成情報入力処理について説明する。図9は、一実施形態にかかる装置構成情報入力処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、構成情報入力部101aは、各MDRから取得した装置構成情報に含まれる構成要素を、管理単位に分割する(ステップS101)。
続いて、構成情報入力部101aは、管理単位の特徴情報(例えば、構成要素の一意の識別情報である「データID」や「属性情報」など)に基づいて、装置構成統合情報DB102を検索する(ステップS102)。
続いて、構成情報入力部101aは、重複する管理単位が装置構成統合情報DB102に存在するか否かを判定する(ステップS103)。重複する管理単位が装置構成統合情報DB102に存在すると判定された場合に(ステップS103肯定)、ステップS105へ移り、重複する管理単位が装置構成統合情報DB102に存在すると判定されなかった場合に(ステップS103否定)、ステップS104へ移る。
ステップS104では、構成情報入力部101aは、管理単位を、装置構成統合情報DB102に登録する。続いて、ステップS105では、構成情報入力部101aは、管理単位の登録元メタ情報を、メタ情報入力部101bへと受け渡す。
続いて、構成情報入力部101aは、管理単位へ分割する以前の装置構成情報の文書構造メタ情報を、メタ情報入力部101bへと受け渡す(ステップS106)。この処理が終了すると、装置構成情報入力処理は終了する。
次に、一実施形態にかかる返答情報構成処理について説明する。図10は、一実施形態にかかる返答情報構成処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、返答情報構成部101dは、MDRを管理するMWが稼働するクライアント装置400から要求された、指定した構成要素を含む装置構成情報に対応する文書構造メタ情報を、メタ情報DB103から取得する(ステップS201)。
続いて、返答情報構成部101dは、指定された構成要素に対する返答情報を構築する返答情報構築処理をおこなう(ステップS202)。返答情報構築処理の詳細は、図11を参照して後述する。なお、返答情報構築処理のサブルーチンは、指定された構成要素を入力とし、返答情報を出力とする、再帰的プログラムである。
続いて、返答情報構成部101dは、読み出しを要求された装置構成情報に対する返答情報を、返答情報通信部101eへと受け渡す(ステップS203)。この処理が終了すると、返答情報構成処理は終了する。
次に、図10に示した返答情報構成処理のステップS202でおこなわれる、返答情報構築処理の詳細について説明する。図11は、一実施形態にかかる返答情報構築処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、返答情報構成部101dは、文書構造メタ情報から、返答情報構築対象(指定された構成要素)の『子』の構成要素を探す(ステップS301)。この際、文書構造メタ情報の各列について、装置構成情報登録元は、絞込みに用いない。
続いて、返答情報構成部101dは、文書構造メタ情報に、返答情報構築対象の『子』の構成要素が存在するか否かを判定する(ステップS302)。文書構造メタ情報に、返答情報構築対象の『子』の構成要素が存在すると判定された場合に(ステップS302肯定)、ステップS303へ移り、文書構造メタ情報に、返答情報構築対象の『子』の構成要素が存在すると判定されなかった場合に(ステップS302否定)、ステップS308へ移る。
ステップS303では、返答情報構成部101dは、返答情報構築処理のサブルーチンを、ステップS302で存在するとされた『子』の構成要素を入力として、再帰的に呼び出して実行する。返答情報構築処理のサブルーチンを再帰的に実行することによって、構成要素のすべての親子関係の最も深い階層から出発して最も上の階層に至るまで、階層ごとの返答情報を構築して、順次、返答情報へ追加していくこととなる。
続いて、返答情報構成部101dは、文書構造メタ情報に基づいて、『子』の構成要素の順序を決定する(ステップS304)。この際、文書構造メタ情報の各列のうち、装置構成情報登録元が、返答情報構成処理で要求された装置構成情報登録元と一致するもののみ用いる。続いて、返答情報構成部101dは、『子』の構成要素の順序が確定するか否かを判定する(ステップS305)。『子』の構成要素の順序が確定すると判定された場合に(ステップS305肯定)、ステップS307へ移り、『子』の構成要素の順序が確定すると判定されなかった場合に(ステップS305否定)、ステップS306へ移る。
ステップS306では、返答情報構成部101dは、順序が確定しなかった『子』の構成要素に対応する文書構造処理方針メタ情報を、メタ情報DB103から読み出す。この際、文書構造処理方針メタ情報の各列のうち、処理方針登録元が、返答情報構成処理で要求された装置構成情報登録元と一致するもののみ用いる。続いて、ステップS307では、返答情報構成部101dは、『子』の構成要素を、確定された順序および/または文書構造処理方針に従い並べ、返答情報を構築する。
続いて、ステップS308では、返答情報構成部101dは、要求された表現形式の登録元のMDRを管理するMWに、返答情報の表現形式逆変換を依頼する。続いて、返答情報構成部101dは、返答情報の表現形式逆変換が成功したか否かを判定する(ステップS309)。返答情報の表現形式逆変換が成功したと判定された場合に(ステップS309肯定)、ステップS315へ移り、返答情報の表現形式逆変換が成功したと判定されなかった場合に(ステップS309否定)、ステップS310へ移る。
ステップS310では、返答情報構成部101dは、返答情報の異種スキーマ処理方針メタ情報を、メタ情報DB103から読み出す。この際、異種スキーマ処理方針メタ情報の各列のうち、処理方針登録元が、返答情報構成処理で要求された装置構成情報登録元と一致するもののみ用いる。続いて、返答情報構成部101dは、異種スキーマ処理方針が「破棄」であるか否かを判定する(ステップS311)。異種スキーマ処理方針が「破棄」であると判定された場合に(ステップS311肯定)、ステップS312へ移り、異種スキーマ処理方針が「破棄」であると判定されなかった場合に(ステップS311否定)、ステップS313へ移る。
ステップS312では、返答情報構成部101dは、当該返答情報構築処理内で構築された返答情報のみをクリアする。一方、ステップS313では、返答情報構成部101dは、処理方針は、「装置構成情報登録元へ逆変換を依頼」であるか否かを判定する。
処理方針は、「装置構成情報登録元へ逆変換を依頼」であると判定された場合に(ステップS313肯定)、ステップS314へ移り、処理方針は、「装置構成情報登録元へ逆変換を依頼」であると判定されなかった場合に(ステップS313否定)、ステップS315へ移る。
ステップS314では、返答情報構成部101dは、処理方針に従い、要求された装置構成情報登録元とは異なる他の装置構成情報管理装置のMWに対して、返答情報の表現形式逆変換を要求する。続いて、返答情報構成部101dは、返答情報に、当該返答情報構築処理内で構築された返答情報を追加挿入する(ステップS315)。この処理が終了すると、返答情報構成処理へ復帰する。
以上の一実施形態を要約すると、以下のようになる。すなわち、上記一実施形態では、装置構成統合情報の共通データモデルにメタ情報(具体的には、統合前の個々の装置構成情報での構成要素の親子関係や出現順序のメタ情報、統合前の個々の装置構成情報およびそれらのメタ情報がいずれの装置構成情報管理装置のMDRに由来するものであるかのメタ情報)を追加している。
これによって、装置構成統合情報の読み出しの際に、メタ情報を利用して、統合前の個々の装置構成情報の構造および表現形式を再現することができる。また、読み出し側がいずれのMDRのMWの表現形式を指定するかにより、再現に利用するメタ情報を決定するし、当該MDRを管理するMWとは異なるMDRを管理する異なるMWの表現形式を指定するクライアントからの読み出しにおいても、複数のメタ情報を、適用の優先順位に基づいて適用可能としたので、当該MDRと同等の構造および表現形式で装置構成情報を読み出す要求に応えることができる。
また、メタ情報で、構造が指定されないデータについて、処理の選択肢(文書構造処理方針メタ情報)を用意する。例えば、図1−1に示すように、MDR1から登録されたCPU3について、末尾に加える、先頭に加える、直前のデータとの前後関係を保つなどの処理の選択肢を用意する。ここで、処理の選択肢(文書構造処理方針メタ情報)は、装置構成情報の登録元のMDRを管理するMWがあらかじめ与える、もしくは、読み出し側のクライアントが指定するとする。
なお、読み出し側の指定、例えば、要求構成要素の指定は、動的に決定される。また、MDRに格納されている装置構成情報およびFCMDBに格納されている装置構成統合情報は、動的に変化するものである。
また、以上の一実施形態によれば、読み出し側の要求スキーマに存在しない種類のデータ(構成要素)が存在した場合の処理について、処理の選択肢(異種スキーマ処理方針メタ情報)を用意する。例えば、読み出し側の要求スキーマに存在しない種類のデータは、破棄する、共通データモデルの表現形式で埋め込む、装置構成情報の登録元であるMDRの表現形式に逆変換して埋め込むなどである。
なお、表現形式の逆変換処理は、装置構成情報の登録元であるMDRを管理するMWに依頼する。例えば、XMLの名前空間で区切ることで、データの混同を防ぎつつ、表現形式の逆変換処理結果を、読み出し側の要求スキーマに埋め込むことができる。
また、読み出し側の要求スキーマに存在しない種類のデータ(構成要素)を、参照を利用して、当該要求スキーマに埋め込むこととしてもよい。例えば、FCMDBのデータを指し示す、登録元であるMDRのデータを指し示すなどである。
なお、読み出し側の要求スキーマに存在しない種類のデータ(構成要素)が存在した場合の処理の選択肢は、装置構成情報の登録元であるMDRを管理するMWがあらかじめ与える。なお、処理の選択肢は、読み出し側が指定することも可能である。
読み出し側の要求スキーマに存在しない種類のデータ(構成要素)が存在した場合の処理の決定には、データの階層構造を利用する。すなわち、当該構成要素の処理方針は、当該構成要素の親の処理方針を採用する。また、当該構成要素のクラスの処理方針は、当該要素のクラスの親の処理方針を採用する。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、上記一実施形態に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、上記一実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記一実施形態で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種処理の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
本発明は、システムの各装置構成情報を統合する装置構成統合情報管理において、システムの各装置構成管理情報を、FCMDBの共通データモデルにて矛盾なく統合することによって、システムの複数の装置構成情報を、各装置構成情報を管理する装置構成情報管理装置および表現型式の違いを吸収して、データ構造および表現形式を維持しながら参照したい場合に有用である。
100 装置構成統合情報管理装置
101 制御部
101a 構成情報入力部
101b メタ情報入力部
101c 読み出し要求受け付け部
101d 返答情報構成部
101e 返答情報通信部
102 装置構成統合情報DB
102a 装置構成統合情報データテーブル
103 メタ情報DB
103a 装置構成情報登録元メタ情報テーブル
103b 文書構造メタ情報テーブル
103c 文書構造処理方針メタ情報テーブル
103d 異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル
200 装置構成情報管理装置1
201 制御部
201a 表現形式変換部
201b 表現形式逆変換部
202 MDR1
300 装置構成情報管理装置2
301 制御部
301a 表現形式変換部
301b 表現形式逆変換部
302 MDR2
400 クライアント装置
101 制御部
101a 構成情報入力部
101b メタ情報入力部
101c 読み出し要求受け付け部
101d 返答情報構成部
101e 返答情報通信部
102 装置構成統合情報DB
102a 装置構成統合情報データテーブル
103 メタ情報DB
103a 装置構成情報登録元メタ情報テーブル
103b 文書構造メタ情報テーブル
103c 文書構造処理方針メタ情報テーブル
103d 異種スキーマ処理方針メタ情報テーブル
200 装置構成情報管理装置1
201 制御部
201a 表現形式変換部
201b 表現形式逆変換部
202 MDR1
300 装置構成情報管理装置2
301 制御部
301a 表現形式変換部
301b 表現形式逆変換部
302 MDR2
400 クライアント装置
Claims (5)
- 装置構成情報管理装置による管理対象である装置の構成要素および前記構成要素間の関係を含む、階層構造を有する装置構成情報を、複数の装置構成情報管理装置から取得して装置構成統合情報に統合して管理するコンピュータ装置を、
前記装置構成統合情報を記憶するための装置構成統合情報記憶手段、
各装置構成情報管理装置による管理対象の構成要素の順序情報を含む構成要素間の関係を規定する第1のメタ情報、および、前記装置構成情報管理装置により予め指定されている、前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録するための処理方針を示す第2のメタ情報、を記憶するためのメタ情報記憶手段、
前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録する第1の登録処理と、前記第1のメタ情報を前記メタ情報記憶手段に登録する第2の登録処理と、を実行する制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、
前記第1の登録処理として、
前記装置構成統合情報のスキーマにあわせて表現形式が変換された前記階層構造を有する装置構成情報を前記装置構成情報管理装置から取得し、さらに前記メタ情報記憶手段から前記第2のメタ情報を取得し、当該階層構造を有する装置構成情報を管理単位である構成要素単位に分割し、当該第2のメタ情報に基づいて、分割された構成要素毎の装置構成情報を前記装置構成統合情報として前記装置構成統合情報記憶手段に登録し、
前記第2の登録処理として、
前記取得した階層構造を有する装置構成情報に基づいて前記第1のメタ情報を生成して前記メタ情報記憶手段に登録し、
さらに、
前記装置構成情報管理装置から前記装置構成統合情報の読み出し要求を受信した場合に、前記装置構成統合情報記憶手段に登録された装置構成統合情報と、前記メタ情報記憶手段に登録された第1のメタ情報および第2のメタ情報と、に基づいて、当該装置構成情報管理装置による管理対象の装置構成情報を構築する、
ことを特徴とする装置構成統合情報管理プログラム。 - 前記制御手段は、
前記管理単位に分割された装置構成情報と同一の装置構成情報が前記装置構成統合情報記憶手段に存在しない場合に、当該管理単位に分割された装置構成情報を、当該装置構成統合情報記憶手段に登録し、
前記管理単位に分割される以前の前記階層構造を有する装置構成情報に基づいて、前記第1のメタ情報を生成して前記メタ情報記憶手段に登録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置構成統合情報管理プログラム。 - 前記制御手段は、
要求構成要素が指定された前記読み出し要求を受信した場合に、当該要求構成要素を含む装置構成情報に対応する前記第1のメタ情報を前記メタ情報記憶手段から取得し、
さらに、前記取得した第1のメタ情報に基づいて、前記階層構造における前記要求構成要素の直下の構成要素を検索し、当該要求構成要素の直下の構成要素が検索された場合に、前記第1のメタ情報に基づいて、検索された構成要素の順序を確定する処理を行い、
順序が確定した場合には、当該順序に基づいて、前記装置構成情報管理装置へ返答する返答情報として前記要求構成要素を含む装置構成情報を構築し、一方、順序が確定できなかった場合には、前記第2のメタ情報を前記メタ情報記憶手段から取得し、当該第2のメタ情報に基づいて当該要求構成要素を含む装置構成情報を構築する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置構成統合情報管理プログラム。 - 装置構成情報管理装置による管理対象である装置の構成要素および前記構成要素間の関係を含む、階層構造を有する装置構成情報を、複数の装置構成情報管理装置から取得して装置構成統合情報に統合して管理する装置構成統合情報管理装置であって、
前記装置構成統合情報を記憶するための装置構成統合情報記憶手段と、
各装置構成情報管理装置による管理対象の構成要素の順序情報を含む構成要素間の関係を規定する第1のメタ情報、および、前記装置構成情報管理装置により予め指定されている、前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録するための処理方針を示す第2のメタ情報、を記憶するためのメタ情報記憶手段と、
前記装置構成統合情報を前記装置構成統合情報記憶手段に登録する第1の登録処理と、前記第1のメタ情報を前記メタ情報記憶手段に登録する第2の登録処理と、を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1の登録処理として、
前記装置構成統合情報のスキーマにあわせて表現形式が変換された前記階層構造を有する装置構成情報を前記装置構成情報管理装置から取得し、さらに前記メタ情報記憶手段から前記第2のメタ情報を取得し、当該階層構造を有する装置構成情報を管理単位である構成要素単位に分割し、当該第2のメタ情報に基づいて、分割された構成要素毎の装置構成情報を前記装置構成統合情報として前記装置構成統合情報記憶手段に登録し、
前記第2の登録処理として、
前記取得した階層構造を有する装置構成情報に基づいて前記第1のメタ情報を生成して前記メタ情報記憶手段に登録し、
さらに、
前記装置構成情報管理装置から前記装置構成統合情報の読み出し要求を受信した場合に、前記装置構成統合情報記憶手段に登録された装置構成統合情報と、前記メタ情報記憶手段に登録された第1のメタ情報および第2のメタ情報と、に基づいて、当該装置構成情報管理装置による管理対象の装置構成情報を構築する、
ことを特徴とする装置構成統合情報管理装置。 - 前記制御手段は、
要求構成要素が指定された前記読み出し要求を受信した場合に、当該要求構成要素を含む装置構成情報に対応する前記第1のメタ情報を前記メタ情報記憶手段から取得し、
さらに、前記取得した第1のメタ情報に基づいて、前記階層構造における前記要求構成要素の直下の構成要素を検索し、当該要求構成要素の直下の構成要素が検索された場合に、前記第1のメタ情報に基づいて、検索された構成要素の順序を確定する処理を行い、
順序が確定した場合には、当該順序に基づいて、前記装置構成情報管理装置へ返答する返答情報として前記要求構成要素を含む装置構成情報を構築し、一方、順序が確定できなかった場合には、前記第2のメタ情報を前記メタ情報記憶手段から取得し、当該第2のメタ情報に基づいて当該要求構成要素を含む装置構成情報を構築する、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置構成統合情報管理装置。
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