JP4711373B2 - Pneumatic tire - Google Patents
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- Tires In General (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のサイプを形成したブロックを複数有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤに関し、特にスタッドレスタイヤとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スタッドレスタイヤのアイス性能を向上させる目的で、タイヤパターンの各部(センター部、メディエイト部、ショルダー部)に複数のサイプを配置したものが知られている。かかるサイプの形状としては、サイプの深さ方向に形状が変化しない平面又は波形のサイプが従来は一般的であった。このようなサイプをブロックに形成することにより、エッジ効果、除水効果、及び凝着効果が向上するため、サイプの本数は近年増加する傾向にあった。
【0003】
しかし、サイプの本数を増やしてサイプ密度を高めていくと、エッジ数は増えるものの、ブロック全体の剛性が低下してサイプが倒れ込むことにより、逆にエッジ効果が小さくなり、アイス性能も低下するという問題が生じる。このため、サイプの形状を深さ方向で変化させて、サイプの倒れ込みを抑制した、いわゆる3次元サイプが近年注目されている。
【0004】
例えば、特開2000−177330号公報には、サイプの倒れ込みを抑制すると共に、サイプによるエッジ効果を高めるべく、図5に示すように、ブロック34に少なくとも1本のサイプ35を設けたスタッドレスタイヤにおいて、総サイプ数の30%以上のサイプ35に対し、内壁面35a,35bに複数の小ブロック36a,36bを形成し、その対面する内壁面35a,35bの小ブロック36a,36b同士を互いに組合うように配置したものが提案されている。また、小ブロックの形状としては、半球状、円柱状、四角柱状、四角柱を一部切り欠いてテーパー部を形成した形状などが例示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のスタッドレスタイヤでは、小ブロックを有するサイプを形成するために金型に配設されるブレードが、開口部を有しない形状となるため、ブレードで仕切られたブロックの区画ごとにエア抜きのためのベントスピューを設ける必要があった。このようにベントスピューの数が増えると、新品時におけるタイヤ外観、氷雪路性能、ノイズ性能などが悪化し易い。
【0006】
一方、特開平11−105512号公報には、開口部を有するブレードによって、サイプの内部に円柱状又はテーパ形状の突起を形成した空気入りタイヤが開示されている。しかし、このタイヤでは突起同士の係合作用が生じないため、サイプの倒れ込みを十分抑制することはできない。また、テーパ形状の突起のテーパ角が適切でないと、脱型時の切断による突起形成が予定通り行えないという問題もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、脱型時の切断により凸部の形成が好適に行え、サイプの閉塞やブロックの倒れ込みを抑制することで、氷雪路性能、ウエット制動性能、耐偏摩耗性などが改善された空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、複数のサイプを形成したブロックを複数有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、対向する内壁面の双方から深さ方向に交互に形成され、対向する内壁面に上面が略当接する凸部を有し、その凸部の側壁面の縦断面におけるテーパ角が10〜30°であり、前記凸部が切断によって形成されており、上下に形成された凸部の縦断面における側壁面同士の間隔が0.5〜2.0mmであることを特徴とする。
【0009】
本発明において、上記テーパ角は、凸部の縦断面に現れる側壁面の形状が直線でない場合には、又は上下の側壁面のテーパ角が相違する(上下非対称)場合には、その形状の平均値をもって計算する。また、側壁面同士の間隔については、凸部の縦断面に現れる側壁面の形状が直線でない場合、内壁面に平行な方向の間隔が最短となる位置をもって計算する。
【0010】
上記において、前記凸部の上面の面積が、2〜20mm2 であることが好ましい。ここで、凸部の上面とは、脱型時に切断された面を指し、その面積は周縁部に囲まれた平面として計算する。
【0011】
[作用効果]
本発明によると、サイプの内壁面に形成された凸部の上面が、対向する内壁面に略当接する構造としつつ、その側壁面の縦断面におけるテーパ角を10〜30°とするため、実施例の結果が示すように、脱型時の切断により凸部の形成が所望の部位に好適に行えるようになる。しかもサイプを形成するための金型のブレードが、凸部の形成部分で開口するため、エア抜きのためのベントスピューを少なくすることができる。また、上記のテーパ角を有しつつ凸部の縦断面における側壁面同士の間隔が0.5〜2.0mmであるため、側壁面同士の係合作用によりブロックの倒れ込みを好適に抑制することができる。その結果、脱型時の切断により凸部の形成が好適に行え、サイプの閉塞やブロックの倒れ込みを抑制することで、氷雪路性能、ウエット制動性能、耐偏摩耗性などが改善された空気入りタイヤを提供することができる。
【0012】
また、前記凸部の上面の面積が、2〜20mm2 である場合、係合し合う側壁面の数を適度に確保でき、しかも凸部の剛性低下によるサイプの閉塞やブロックの倒れ込みをより確実に抑制することができる。また、脱型時の切断により突起形成をより確実に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、複数のサイプ10を形成したブロック1を複数有するトレッドパターンTを備える。本実施形態では、周方向溝2とジグザク溝3と斜溝4により区分された4角形のブロック1が複数形成され、タイヤ幅方向に8列のブロック1が配列されている例を示す。
【0014】
各々のブロック1には、タイヤ幅方向又はややタイヤ幅方向から傾斜した方向に向けて複数列のサイプ10が形成されている。各々のサイプ10の両端は、ブロック1に隣接する溝に開口しているが、それに限定されるものではなく、ブロック1の側壁から露出せずにブロック1の側壁の内側に留めたり、片側のみを留めたりと、パターン構成によって適宜使い分けることができる。
【0015】
本実施形態におけるサイプ10は、図1及び図2に示すように、ブロック1の表面の直線状の開口から深さ方向に延びるものであるが、後述のように波型サイプであってもよい。
【0016】
本発明におけるサイプ10は、図2に示すように、対向する内壁面11a,11bを有し、それらの双方から深さ方向に交互に形成された凸部12,13を有する。凸部12,13は、対向する内壁面11b,11aに上面12a,13aが略当接している。内壁面11b,11aと上面12a,13aとは完全に当接していてもよく、また若干間隙を有していてもよい。いずれの場合も、開口を有するブレードによって形成することができる。
【0017】
凸部12,13の側壁面12b,13bの縦断面におけるテーパ角θは10〜30°であり、好ましくは12〜20°である。テーパ角θが10°未満であると、脱型時の切断による凸部12,13の形成が所望の位置に行いにくくなる。また、テーパ角θが30°を超えると、上下に形成された凸部12と凸部13の側壁面12b,13b同士の係合作用によるブロックの倒れ込み抑制効果が、不十分となる。
【0018】
また、上下に形成された凸部12,13の縦断面における側壁面12b,13b同士の間隔Dは0.5〜2.0mmであり、好ましくは0.8〜1.7mmである。間隔Dが0.5mm未満であると、金型ブレードの強度低下による破損等の問題が生じ易く、2.0mmを超えると側壁面12b,13b同士の係合作用が不十分となり、ブロックの倒れ込み抑制効果が低下する。
【0019】
凸部12,13は、内壁面11a,11bの全体に形成するのが最も好ましいが、少なくともブロック1表面から深さ50%の領域に形成するのが好ましい。また、最もブロック1表面に近い部分に位置する凸部13については、その上面の上端の位置が、ブロック1表面から0.3〜0.8mmに位置することが好ましい。このように凸部13がブロック1表面に接近することで、金型による加硫成型時にエア抜きをより確実に行うことができる。
【0020】
サイプ10の溝幅、即ち、対向する内壁面11a,11bの間隔は0.3〜1.0mmが好ましく、0.3〜0.8mmがより好ましい。また、サイプ10の深さは6.0〜10.0mmが好ましい。
【0021】
本発明では、ブロック1の倒れ込み抑制効果が大きいため、サイプ10の本数を増やしてサイプ密度を高めることで、エッジ数を増やしてエッジ効果を更に高めることができる。
【0022】
以上のような凸部12,13を有するサイプ10は、以下のようにして製造することができる。なお、本実施形態では、凸部12,13が対向する内壁面11a,11bの双方から深さ方向に交互に形成されると共に、横方向(サイプの開口方向)にも凸部12,13が交互に形成される例を示す。横方向にも凸部12,13が交互に形成されることにより、サイプ10で区分される両側のブロック片に横方向のせん断力が生じた場合でも、側壁面12b,13b同士の係合作用により、ブロック片の変形を効果的に抑制することができる。
【0023】
凸部12,13を有するサイプ10は、図3に示すようなブレード20を加硫金型のトレッド形成面に立設配置することで形成することができる。図3(a)はブレード20の正面図であり、図3(b)は図3(a)におけるb−b矢視断面であり、図3(c)は図3(a)におけるc−c矢視断面である。
【0024】
このようなブレード20を立設させた加硫金型内にグリーンタイヤが密閉されると、ブレード20の開口21,22,25,26の内部にトレッドゴムが進入して、切断後に凸部12,13となる連通部が形成される。その際、トレッドゴムは金型のトレッド形成面の全体に行き渡ってトレッドTが形成されるが、ブレード20の開口21,22,25,26を通過して、空気が抜けるため、ブレード20で仕切られたブロック1の区画ごとにエア抜きのためのベントスピューを設ける必要が無くなる。
【0025】
加硫成型後にタイヤが脱型されてブレード20が引き抜かれる際、ブレード20の開口21〜26の周縁部23,27によって、上記連通部が切断され、凸部12,13とが所望の位置に形成される。その形状がタイヤの使用状態まで維持されると、内壁面11b,11aと凸部12,13の上面12a,13aとは当接した状態となるが、使用時の変形などによって若干の間隙が生じる場合がある。
【0026】
本発明の空気入りタイヤは、上記の如きトレッドパターンTを備える以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造、製法などが何れも本発明に採用できる。
【0027】
本発明の空気入りタイヤは、前述の如き作用効果を奏し、アイス性能やスノー性能に優れるため、特にスタッドレスタイヤとして有用である。
【0028】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0029】
(1)前述の実施形態では、図2に示す凸部12,13を有するサイプ10が形成されている例を示したが、本発明におけるサイプの凸部の形状は、その上面が円形の他、楕円形、三角形、菱形、平行四辺形などの四角形、その他の多角形など、何れの形状でもよい。また、凸部の縦断面の形状も、例えば図4(a)〜(b)に示すような形状でもよい。
【0030】
図4(a)に示すものは、凸部12,13の上下の両側壁面のテーパ角が相違する(非対称)例である。その場合、脱型時の切断性の観点から、下側の側壁面のテーパ角が上側より大きいことが好ましい。
【0031】
図4(b)に示すものは、脱型時の切断性を更に改善すべく、上面12a,13aに近接する部分の側壁面をラウンド形状(テーパ角が局所的に大きい)とした例である。
【0032】
(2)前述の実施形態では、図1に示すようなブロックパターンの例を示したが、この形状のブロックに限らず、平行四辺形、V字型、5角形、又は曲線基調のブロックでもよい。また、中央付近や端部近傍まで溝の入ったブロックや一部の陸部が周方向に連続するものでもよい。
【0033】
(3)前述の実施形態では、図1に示すようにサイプ10が直線状のものを示したが、波型やジグザク型のサイプでもよい。その場合、波線としては正弦波に近いものに限られず、直線と曲線とを交互に組み合わせた波線や矩形波に近いもの等、何れの形状でもよい。
【0034】
(4)前述の実施形態では、図1に示すように、タイヤ幅方向等に向けて複数列のサイプが形成された例を示したが、サイプの形成方向(中央線の方向)は、タイヤ幅方向と平行に限られるものではない。但し、中央線の方向とタイヤ幅方向とがなす角度は0〜45°が好ましい。
【0035】
(5)前述の実施形態では、図2に示すように、サイプがブロック表面に対して垂直になるように形成された例を示したが、ブロック表面の法線に対してサイプが若干(例えば15°以下)傾斜していてもよい。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
【0037】
(1)アイス制動性能
タイヤ(P235/75R15、使用リム15×6.5JJ、空気圧240kPa)を実車(国産3000ccクラスのクロカン4WD車)に装着し、4名乗車の荷重条件にて、凍結した路面を走行させ、速度40km/hで制動力をかけてフルロックした際の制動距離を指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
【0038】
(2)スノートラクション性能
SAE−J1466に基づき、圧雪路において、スノートラクションテスターを用い、時速8km/hで走行し、スリップ率20〜300%までのスリップ率〜摩耗係数の平均値を取り込んだ(n=10個)。
【0039】
(3)ウエット制動性能
上記(1)と同様にタイヤを実車に装着し、4名乗車の荷重条件にて、水深1mmのウエット路面を走行させ、初速90km/hで制動力をかけて20km/hまで減速するのに要する距離を指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
【0040】
(4)耐摩耗性能
舗装道路を9600km走行したときの段差摩耗量(摩耗によるサイプとサイプとの段差)を測定し、指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
【0041】
(5)ノイズ性能
テストドライバー2名による官能評価を行い、指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
【0042】
(6)タイヤ外観
一般消費者10名による官能評価を行い、指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
【0043】
(7)凸部の形成性
加硫後に凸部が内壁面の所望の位置に形成される割合を、百分率(%)で示した。
【0044】
実施例1
図1に示すようなトレッドパターンにおいて、図3に示すブレードのブロック表面から50%の深さの領域に開口部(テーパ角は15°、円形上面の面積9mm2 、凸部側壁面の間隔1.2mm)を設けたものを用いて試作ラジアルタイヤを製造した。サイプの他のサイズについては、サイプ深さを8mm、溝幅を0.5mmとした。また、エア抜きのためのベントスピューの数を従来品の成型金型の1/4とした。このタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
【0045】
実施例2
実施例1において、開口部を全面に形成したブレードを用いること以外は、実施例1と同様にして、試作ラジアルタイヤを製造し、上記の各性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0046】
比較例1(従来品)
実施例1において、開口部を全く形成していないブレードを用いること以外は実施例1と同様にして、試作ラジアルタイヤを製造し、上記の各性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ベントスピューの数は従来通りとした。
【0047】
比較例2
実施例1において、開口部のテーパ角を5°に変えたブレードを用いること以外は実施例1と同様にして、試作ラジアルタイヤを製造し、上記の各性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
比較例3
実施例1において、開口部のテーパ角を40°に変えたブレードを用いること以外は実施例1と同様にして、試作ラジアルタイヤを製造し、上記の各性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0049】
比較例4
実施例1において、凸部側壁面の間隔を3mmに変えたブレードを用いること以外は実施例1と同様にして、試作ラジアルタイヤを製造し、上記の各性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
表1の結果が示すように、実施例では、脱型時の切断により凸部の形成が好適に行え、サイプの閉塞やブロックの倒れ込みを抑制することで、氷雪路性能、ウエット制動性能、耐偏摩耗性などが従来品より良好であった。また、ベントスピューの数が従来品より少ないため、ノイズ性能やタイヤ外観も従来品より良好となった。
【0051】
これに対して、開口部のテーパ角が小さすぎる比較例2では、所望の位置に凸部が十分形成されず、各性能の改善効果が小さかった。また、開口部のテーパ角が大きすぎる比較例3では、凸部の側壁面同士の係合作用が小さく、倒れ込み抑制効果が低下するため、各性能の改善効果が小さかった。これは、凸部側壁面の間隔が大きすぎる比較例4についても同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例のトレッド面を示す平面図
【図2】本発明のおけるサイプの一例の縦断面を示す要部断面図
【図3】サイプ形成用のブレードの一例を示す図
【図4】本発明におけるサイプの他の例を示す要部断面図
【図5】従来のサイプの縦断面を示す要部断面図
【符号の説明】
1 ブロック
10 サイプ
11a 内壁面
11b 内壁面
12 凸部
12a 上面
12b 側壁面
13 凸部
13a 上面
13b 側壁面
θ テーパ角
D 側壁面同士の間隔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic tire including a tread pattern having a plurality of blocks each having a plurality of sipes, and is particularly useful as a studless tire.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in order to improve the ice performance of a studless tire, a tire pattern in which a plurality of sipes are arranged in each part (center part, mediate part, shoulder part) is known. Conventionally, the shape of such a sipe is generally a plane or corrugated sipe whose shape does not change in the depth direction of the sipe. By forming such sipes in blocks, the edge effect, the water removal effect, and the adhesion effect are improved, so the number of sipes has tended to increase in recent years.
[0003]
However, increasing the number of sipe and increasing the sipe density will increase the number of edges, but the rigidity of the whole block will decrease and the sipe will collapse, so the edge effect will be reduced and the ice performance will also decrease Problems arise. For this reason, attention has recently been paid to so-called three-dimensional sipe, in which the shape of the sipe is changed in the depth direction to suppress the sipe collapse.
[0004]
For example, in JP 2000-177330 A, in a studless tire in which at least one
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the studless tire described in the above publication, since the blade disposed in the mold to form a sipe having a small block has a shape having no opening, each block section partitioned by the blade It was necessary to provide a vent spew for venting air. When the number of bent spews increases in this way, the tire appearance, ice / snow road performance, noise performance, etc. when new are easily deteriorated.
[0006]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-105512 discloses a pneumatic tire in which a cylindrical or tapered protrusion is formed inside a sipe by a blade having an opening. However, in this tire, since the engaging action between the protrusions does not occur, the sipe collapse cannot be sufficiently suppressed. Further, if the taper angle of the tapered protrusion is not appropriate, there is a problem that the protrusion cannot be formed as planned by cutting at the time of demolding.
[0007]
Therefore, the object of the present invention is to suitably form the convex portion by cutting at the time of demolding, and by suppressing the blockage of the sipe or the collapse of the block, it is possible to improve the snow and snow road performance, wet braking performance, uneven wear resistance, etc. The object is to provide an improved pneumatic tire.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The above object can be achieved by the present invention as described below.
That is, the pneumatic tire of the present invention is a pneumatic tire having a tread pattern having a plurality of blocks each having a plurality of sipes, and the sipes are alternately formed in the depth direction from both opposing inner wall surfaces, A convex portion whose upper surface is substantially in contact with the opposing inner wall surface, the taper angle in the longitudinal section of the side wall surface of the convex portion is 10 to 30 °, and the convex portion is formed by cutting, and is formed vertically The interval between the side wall surfaces in the longitudinal section of the projected portion is 0.5 to 2.0 mm.
[0009]
In the present invention, the taper angle is the average of the shape of the side wall surface appearing in the vertical section of the convex portion when the shape of the side wall surface is not a straight line, or when the taper angle of the upper and lower side wall surfaces is different (vertical asymmetry). Calculate with values. Moreover, about the space | interval of side wall surfaces, when the shape of the side wall surface which appears in the vertical cross section of a convex part is not a straight line, it calculates with the position where the space | interval of the direction parallel to an inner wall surface becomes the shortest.
[0010]
In the above, it is preferable that the area of the upper surface of the said convex part is 2-20 mm < 2 >. Here, the upper surface of a convex part refers to the surface cut | disconnected at the time of demolding, and the area is calculated as a plane enclosed by the peripheral part.
[0011]
[Function and effect]
According to the present invention, the upper surface of the convex portion formed on the inner wall surface of the sipe is substantially in contact with the opposite inner wall surface, and the taper angle in the longitudinal section of the side wall surface is 10 to 30 °. As the result of the example shows, the projection can be suitably formed at a desired site by cutting at the time of demolding. In addition, since the blade of the mold for forming the sipe opens at the portion where the convex portion is formed, it is possible to reduce the vent spew for air bleeding. Moreover, since the space | interval of the side wall surfaces in the longitudinal cross-section of a convex part is 0.5-2.0 mm while having said taper angle, it suppresses the fall of a block suitably by the engagement effect | action of side wall surfaces. Can do. As a result, it is possible to suitably form the convex part by cutting at the time of demolding, and by suppressing the blockage of the sipe and the collapse of the block, the air and snow road performance, wet braking performance, uneven wear resistance, etc. are improved. Tires can be provided.
[0012]
Also, the area of the upper surface of the convex portion, when a 2 to 20 mm 2, the number of side wall surfaces which mutually engage can reasonably secure, yet more reliably collapsing of the closure and block sipes by reduced-rigidity of the projecting portion Can be suppressed. Further, the projection can be more reliably formed by cutting at the time of demolding.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, the pneumatic tire of the present invention includes a tread pattern T having a plurality of
[0014]
Each
[0015]
The
[0016]
As shown in FIG. 2, the
[0017]
The taper angle θ in the longitudinal section of the side wall surfaces 12b, 13b of the
[0018]
Moreover, the space | interval D of the side wall surfaces 12b and 13b in the vertical cross section of the
[0019]
The
[0020]
The groove width of the
[0021]
In the present invention, since the fall-in suppressing effect of the
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
When the green tire is sealed in the vulcanization mold in which the
[0025]
When the tire is demolded after vulcanization molding and the
[0026]
The pneumatic tire of the present invention is the same as a normal pneumatic tire except that it includes the tread pattern T as described above, and any conventionally known material, shape, structure, manufacturing method, and the like can be employed in the present invention.
[0027]
The pneumatic tire of the present invention is particularly useful as a studless tire because it exhibits the effects as described above and is excellent in ice performance and snow performance.
[0028]
[Other Embodiments]
Hereinafter, other embodiments of the present invention will be described.
[0029]
(1) In the above-described embodiment, an example is shown in which the
[0030]
FIG. 4A shows an example in which the taper angles of the upper and lower wall surfaces of the
[0031]
FIG. 4B shows an example in which the side wall surface of the portion adjacent to the
[0032]
(2) In the above-described embodiment, an example of the block pattern as shown in FIG. 1 has been shown. However, the block pattern is not limited to this shape, and may be a parallelogram, V-shaped, pentagonal, or curved block. . In addition, a grooved block or a part of land portion may be continuous in the circumferential direction near the center or near the end.
[0033]
(3) In the above-described embodiment, the
[0034]
(4) In the above-described embodiment, as shown in FIG. 1, an example in which a plurality of rows of sipes are formed in the tire width direction or the like has been described. It is not limited to being parallel to the width direction. However, the angle formed by the direction of the center line and the tire width direction is preferably 0 to 45 °.
[0035]
(5) In the above-described embodiment, as shown in FIG. 2, an example is shown in which the sipe is formed so as to be perpendicular to the block surface. (15 ° or less) may be inclined.
[0036]
【Example】
Examples and the like specifically showing the configuration and effects of the present invention will be described below. In addition, each performance evaluation of the tire was performed as follows.
[0037]
(1) Ice braking performance tires (P235 / 75R15, used rim 15 x 6.5 JJ, air pressure 240 kPa) mounted on a real vehicle (domestic 3000cc class Krokan 4WD vehicle), frozen road surface under load conditions of 4 passengers The braking distance when the vehicle was fully locked by applying braking force at a speed of 40 km / h was evaluated as an index. In addition, evaluation is shown by an index display when the conventional product (Comparative Example 1) is set to 100, and a larger value indicates a better result.
[0038]
(2) Snow traction performance Based on SAE-J1466, using a snow traction tester on a snowy road, the vehicle traveled at a speed of 8 km / h, and the average value of the slip rate to the wear factor of 20 to 300% was taken in ( n = 10).
[0039]
(3) Wet braking performance As in (1) above, tires are mounted on an actual vehicle, and a wet road surface with a water depth of 1 mm is run under the load condition of four passengers. A braking force of 20 km / h is applied at an initial speed of 90 km / h. The distance required to decelerate to h was evaluated by an index. In addition, evaluation is shown by an index display when the conventional product (Comparative Example 1) is set to 100, and a larger value indicates a better result.
[0040]
(4) Wear resistance performance The amount of step wear (step difference between sipe and sipe due to wear) when traveling 9600 km on a paved road was measured and evaluated by an index. In addition, evaluation is shown by an index display when the conventional product (Comparative Example 1) is set to 100, and a larger value indicates a better result.
[0041]
(5) Sensory evaluation by two noise performance test drivers and an index evaluation. In addition, evaluation is shown by an index display when the conventional product (Comparative Example 1) is set to 100, and a larger value indicates a better result.
[0042]
(6) Tire appearance Sensory evaluation by 10 general consumers was performed and evaluated by an index. In addition, evaluation is shown by an index display when the conventional product (Comparative Example 1) is set to 100, and a larger value indicates a better result.
[0043]
(7) Formability of convex portion The ratio of the convex portion formed at a desired position on the inner wall surface after vulcanization is shown as a percentage (%).
[0044]
Example 1
In the tread pattern as shown in FIG. 1, an opening (taper angle is 15 °, the area of the circular upper surface is 9 mm 2 , and the interval between the convex side walls is 1) in the region 50% deep from the block surface of the blade shown in FIG. .2 mm) was used to produce a prototype radial tire. For other sizes of sipe, the sipe depth was 8 mm and the groove width was 0.5 mm. In addition, the number of vent spewes for venting air was set to 1/4 of the conventional molding die. Table 1 shows the results of each performance evaluation described above using this tire.
[0045]
Example 2
In Example 1, except that a blade having an opening formed on the entire surface was used, a prototype radial tire was manufactured in the same manner as in Example 1, and the above performance evaluations were performed. The results are shown in Table 1.
[0046]
Comparative example 1 (conventional product)
In Example 1, a trial radial tire was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a blade having no opening was used, and each performance evaluation was performed. The results are shown in Table 1. The number of bent spews was the same as before.
[0047]
Comparative Example 2
In Example 1, a prototype radial tire was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a blade whose opening taper angle was changed to 5 ° was used, and each performance evaluation was performed. The results are shown in Table 1.
[0048]
Comparative Example 3
In Example 1, a trial radial tire was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a blade with the opening taper angle changed to 40 ° was used, and each performance evaluation was performed. The results are shown in Table 1.
[0049]
Comparative Example 4
In Example 1, a trial radial tire was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a blade in which the interval between the convex side wall surfaces was changed to 3 mm was used, and each performance evaluation was performed. The results are shown in Table 1.
[0050]
[Table 1]
As shown in the results of Table 1, in the examples, the convex portions can be suitably formed by cutting at the time of demolding, and by suppressing the sipe blockage and the block collapse, the snowy road performance, wet braking performance, Uneven wear was better than the conventional product. In addition, since the number of vent spews is smaller than the conventional products, the noise performance and the tire appearance are also better than the conventional products.
[0051]
On the other hand, in Comparative Example 2 in which the taper angle of the opening is too small, the convex portion is not sufficiently formed at a desired position, and the improvement effect of each performance is small. Further, in Comparative Example 3 in which the taper angle of the opening is too large, the engagement effect between the side wall surfaces of the convex portions is small, and the effect of suppressing the collapse is lowered, so the effect of improving each performance is small. This was the same for Comparative Example 4 in which the interval between the convex portion side wall surfaces was too large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a tread surface of an example of a pneumatic tire of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part showing a longitudinal section of an example of a sipe according to the present invention. FIG. 4 is a cross-sectional view of a main part showing another example of a sipe according to the present invention. FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part showing a longitudinal section of a conventional sipe.
1 block 10
Claims (2)
前記サイプは、対向する内壁面の双方から深さ方向に交互に形成され、対向する内壁面に上面が当接する凸部を有し、その凸部の側壁面の縦断面におけるテーパ角が10〜30°であり、前記凸部が切断によって形成されており、上下に形成された凸部の縦断面における側壁面同士の間隔が0.5〜2.0mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。In a pneumatic tire provided with a tread pattern having a plurality of blocks formed with a plurality of sipes,
The sipe is formed alternately in the depth direction from both of the opposing inner wall surfaces, and has a convex portion whose upper surface abuts on the opposing inner wall surface, and the taper angle in the longitudinal section of the side wall surface of the convex portion is 10 to 10. The pneumatic tire is 30 °, the convex portions are formed by cutting, and the interval between the side wall surfaces in the longitudinal section of the convex portions formed vertically is 0.5 to 2.0 mm. .
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