JP4710689B2 - 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム - Google Patents

内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム Download PDF

Info

Publication number
JP4710689B2
JP4710689B2 JP2006089260A JP2006089260A JP4710689B2 JP 4710689 B2 JP4710689 B2 JP 4710689B2 JP 2006089260 A JP2006089260 A JP 2006089260A JP 2006089260 A JP2006089260 A JP 2006089260A JP 4710689 B2 JP4710689 B2 JP 4710689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
pulsation
fluid
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006089260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007263747A (ja
Inventor
貴章 出垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006089260A priority Critical patent/JP4710689B2/ja
Publication of JP2007263747A publication Critical patent/JP2007263747A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4710689B2 publication Critical patent/JP4710689B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

この発明は、内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システムに係り、特に、筒内流入空気量の模擬を前提とする性能予測解析に好適な内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システムに関する。
従来、特開2005−249420号公報に開示されているように、CFDを用いた内燃機関の性能予測手法が知られている。CFDは、作動流体の運動を模擬する物理モデルを用いたシミュレーションの手法である。上記従来の性能予測方法によれば、内燃機関の諸元を特定することで、CFDにより、吸気や排気の流れを模擬することができ、その結果から、上記の諸元で特定される内燃機関の性能を予測することができる。
上記従来の方法では、吸気や排気の流れを1次元の流れとして模擬する1次元CFDモデルと、その流れを3次元の流れとして模擬する3次元CFDモデルとが適宜選択的に用いられる。1次元CFDモデルを用いた演算(以後、「1次元CFD演算」と称す)は、3次元CFDモデルを用いた演算(以後、「3次元CFD演算」と称す)に比して負荷が軽く、短時間で行うことができる。他方、作動流体の挙動を高い精度で模擬するうえでは、3次元CFD演算が1次元CFD演算に比して優れている。
上記従来の公報には、内燃機関の性能を予測するにあたり、基本的には1次元CFDを行い、特に精度の要求される部位に限って、3次元CFDを行うことが記載されている。1次元CFDと3次元CFDとを、このように切り換えて用いることによれば、演算負荷が不当に重くなるのを避けつつ、十分な精度で内燃機関の性能を予測することができる。このため、上記従来の手法は、諸元の特定された内燃機関の性能を、短時間で正確に予測する手法として有用である。
特開2005−249420号公報 特開2005−249418号公報 特開2005−249419号公報 特開2005−249422号公報
内燃機関の吸気や排気の流れには、内燃機関の運転状態に応じて脈動が生ずることがある。このような脈動の影響をも考慮して吸気や排気の流れを模擬するためには、少なくとも、その流れを、吸気や排気の進行方向において、個々の位置毎に模擬することが必要である。そして、このような模擬を実現するためには、1次元以上のCFDモデルを用いることが必要である。上述した従来の方法では、常に1次元以上のCFDモデルが用いられる。このため、この方法によれば、吸気や排気の挙動を、常に脈動を考慮して、精度良く模擬することが可能である。
しかしながら、内燃機関における脈動は、常に出力トルクに影響を与えるものではない。例えば、機関回転数が十分に低い低回転領域や、その回転数が十分に高い高回転領域では、内燃機関のトルクに、吸気の脈動の影響は殆ど及ばない。そして、このような状況下では、吸気や排気の挙動が、進行方向に対して一様であるものとして取り扱っても、内燃機関の性能を正しく評価することができる。つまり、このような状況下では、脈動の影響を無視してモデル演算を行っても、内燃機関の動作を正確に模擬することが可能である。この点、常に1次元以上のCFD演算を行う従来の方法は、演算負荷の軽減を図る意味で、必ずしも最適化されたものではなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、脈動の影響が出力トルクに及ばない条件下では、その影響を無視したモデルで模擬を行うことにより、十分な演算負荷の軽減を可能とする内燃機関の性能予測解析方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、上記の性能予測解析方法を自動的に実行する内燃機関の性能予測解析システムを提供することを第2の目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、模擬の対象である空間内の流体物理量を一様なものとして模擬する集中定数系流体モデルと、前記流体物理量を流体の進行方向の位置に応じた量として模擬する1次元CFDモデルとを用いる内燃機関の性能予測解析方法であって、
機関回転数、スロットル開度、及び負荷率の少なくとも1つに基づいて脈動条件の成否を判断するステップと、
前記脈動条件の成立時に、前記1次元CFDモデルを用いて前記流体物理量を模擬するステップと、
前記脈動条件の不成立時に、前記集中定数系流体モデルを用いて前記流体物理量を模擬するステップと、
前記流体物理量の模擬値に基づいて筒内流入空気量を算出するステップとを含み、
前記脈動条件は、前記筒内流入空気量に、前記空間内での脈動の影響が及ぶ条件であることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記空間は、内燃機関の吸気通路であり、
前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れも吸気通路を流れる空気の流体物理量を模擬するモデルであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、機関回転数が、脈動下限回転数と脈動上限回転数との間にある場合に、前記脈動条件の成立を判定することを特徴とする。
また、第4の発明は、模擬の対象である空間内の流体物理量を一様なものとして模擬する集中定数系流体モデルと、前記流体物理量を流体の進行方向の位置に応じた量として模擬する1次元CFDモデルとを用いて内燃機関の性能予測解析を行うシステムであって、
機関回転数、スロットル開度、及び負荷率の少なくとも1つに基づいて脈動条件の成否を判断する脈動条件判定手段と、
前記脈動条件の成立時に、前記1次元CFDモデルを用いて前記流体物理量を模擬する1次元模擬手段と、
前記脈動条件の不成立時に、前記集中定数系流体モデルを用いて前記流体物理量を模擬する0次元模擬手段と、
前記流体物理量の模擬値に基づいて筒内流入空気量を算出する空気量算出手段とを含み、
前記脈動条件は、前記筒内流入空気量に、前記空間内での脈動の影響が及ぶ条件であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記空間は、内燃機関の吸気通路であり、
前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れも吸気通路を流れる空気の流体物理量を模擬するモデルであることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記脈動条件判定手段は、機関回転数が、脈動下限回転数と脈動上限回転数との間にある場合に、前記脈動条件の成立を判定することを特徴とする。
また、第7の発明は、第6の発明において、前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れもアクセル開度をパラメータとして含むモデルであり、
前記筒内流入空気量に基づいて内燃機関の発生するトルクを模擬するトルク模擬手段と、
前記トルクの模擬値に基づいて、機関回転数及び車速を模擬する車両模擬手段と、
前記機関回転数の模擬値を前記脈動条件判定手段に提供する機関回転数提供手段と、
規定の走行モードを記憶する走行モード記憶手段と、
前記走行モードによる目標車速と前記車速の模擬値とに基づいて、前記目標車速を実現するためのアクセル開度を算出するアクセル開度算出手段と、
前記アクセル開度の算出値を、前記集中定数系流体モデル及び前記1次元CFDモデルに提供するアクセル開度提供手段と、
を含むことを特徴とする。
第1又は第4の発明によれば、脈動条件の成立時に、1次元CFDモデルを用いて流体物理量を模擬し、脈動条件の不成立時に、集中定数系流体モデルを用いて流体物理量を模擬することができる。集中定数系流体モデルの演算は、模擬の対象である空間内の流体物理量を一様なものとして模擬するため、1次元CFDモデルの演算に比して負荷が軽い。このため、本発明によれば、内燃機関の性能予測解析精度を下げることなく、模擬演算の負荷を軽くすることができる。
第2又は第5の発明によれば、集中定数系流体モデル又は1次元CFDモデルによって、内燃機関の吸気通路を流れる空気の流体物理量を、軽い演算負荷で、かつ正確に模擬し、その結果として、筒内流入空気量を、精度良く模擬することができる。
第3又は第6の発明によれば、機関回転数が、脈動下限回転数と脈動上限回転数との間にあるか否かを見ることで、脈動条件の成否を簡単に判定することができる。
第7の発明によれば、集中定数系流体モデル、及び1次元CFDモデルは、それぞれ、アクセル開度をパラメータとして吸気通路内の空気の流体物理量を模擬することができる。また、本発明によれば、それらの流体物理量に基づいて、内燃機関の発生するトルク、更には、機関回転数及び車速を模擬することができる。そして、脈動条件の成否は、機関回転数の模擬値に基づいて判断することができる。更に、本発明によれば、集中定数系流体モデル及び1次元CFDモデルに、車速の模擬値に基づいて算出されたアクセル開度を提供することができる。その結果、本発明によれば、車両が規定の走行モードで走行する際の内燃機関の状態を自動的に模擬することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の設計値最適化システムの構成を説明するためのブロック図である。本実施形態のシステムは、通常のコンピュータシステムに、後述する機能を実現するためのソフトウェアをインストールすることにより実現することができる。図1に示す各ブロックは、コンピュータシステムが、上記のソフトウェアに従った処理を行うことで実現される機能ブロックを、模式的に表したものである。
図1に示すように、本実施形態のシステムは、入力インターフェイス(IF)10、及び出力IF12を備えている。入力IF10は、具体的には、キーボードやマウスにより実現される。また、出力IF12は、ディスプレイやスピーカーにより実現される。
また、このシステムは、空気モデル14を備えている。空気モデル14は、内燃機関の設計値や、その運転状態を表す各種のパラメータに基づいて、筒内流入空気量を模擬するためのモデルである。本実施形態において、空気モデル14には、集中定数系の空気モデル16(以下、「集中定数系流体モデル」と称す)と、1次元CFDによる空気モデル18(以下、「1DCFDモデル18」と称す)とが含まれている。
集中定数系流体モデル16は、模擬の対象である空間において流体が一様であるものとして、その流体の物理量を模擬するモデルである。集中定数系流体モデル16によれば、内燃機関の吸気通路の設計値(吸気管長、吸気管径等)や、内燃機関の運転状態を表すパラメータ(アクセル開度など)を特定することで、吸気通路の内部を流れる空気の流体物理量(圧力、流量、流速など)を、一様のものとして模擬することができる。
1DCFDモデル18は、模擬の対象である空間内の流体の流れを1次元の流れ(流れの方向に対して垂直な平面内では一様であり、流れの方向には位置毎に一様でない流れ)として模擬するモデルである。1DCFDモデル18によれば、内燃機関の吸気通路の設計値(吸気管長、吸気管径等)や、内燃機関の運転状態を表すパラメータ(アクセル開度など)を特定することで、吸気通路の内部を流れる空気の物理量(圧力、流量、流速など)を、流れ方向の位置毎に模擬することができる。
集中定数系流体モデル16による模擬の結果と、1DCFDモデル18による模擬の結果との差は、特に、吸気通路内に吸気の脈動が発生する場合に顕著となる。すなわち、集中定数系流体モデル16では、空間内の流体が一様なものとして模擬されるため、その結果に、吸気の脈動の影響は表れない。これに対して、1DCFDモデル18の結果には、脈動の影響が正しく表れる。
空気モデル14は、上述した2つのモデルの一方を選択して、吸気通路内の空気の流体物理量を模擬することができる。そして、空気モデル14は、その流体物理量(例えば、空気流量)の模擬値に基づいて、筒内流入空気量を算出することができる。
本実施形態のシステムは、更に、トルクモデル20、車両モデル22、及び演算制御ユニット24を備えている。トルクモデル20は、内燃機関の挙動を模擬するモデルであり、筒内流入空気量に対して発生するトルクを演算することができる。また、車両モデル22は、内燃機関のトルクを受けて、車両がどのような挙動を示すかを模擬するモデルであり、トルクの提供を受けることにより、車速や機関回転数Neを演算することができる。そして、演算制御ユニット24は、システムの全体を制御するためのユニットである。図1に示す各ブロックは、相互にデータが授受できるように構成されている。
[実施の形態1の性能予測解析方法]
上述した通り、本実施形態のシステムは、空気モデル14の中に、集中定数系流体モデル16と、1DCFDモデル18を含んでいる。本実施形態の性能予測解析方法は、これらのモデルを適宜選択的に用いることにより、性能予測解析の精度を下げることなく、模擬のための演算負荷を軽量化する点に特徴を有している。
図2は、トルクモデル20によって算出されるトルクの結果と、機関回転数Neとの間に成立する関係を示す。より具体的には、図2中に示す実線は、1DCFDモデル18によって筒内流入空気量を算出した場合に、機関回転数Neとトルクの間に成立する関係を示している。また、図2中に示す破線は、集中定数系流体モデル16(0Dモデル)によって筒内流入空気量を算出した場合に両者間に成立する関係を示す。
上述した通り、集中定数系流体モデル16による演算の結果と、1DCFDモデル18による演算の結果との差は、吸気通路内に脈動が発生する場合に顕著となる。そして、現実の内燃機関において、筒内流入空気量は、機関回転数Neが十分に低い低回転領域、及び機関回転数Neが十分に高い高回転領域において、吸気の脈動の影響を殆ど受けない。換言すると、現実の内燃機関において、筒内流入空気量は、中回転領域においてのみ、吸気の脈動の影響を大きく受ける。以下、筒内流入空気量に吸気の脈動が実質的な影響を与える下限の回転数を「脈動下限回転数Ne1」と称し、また、脈動が実質的な影響を与える上限の回転数を「脈動上限回転数Ne2」と称する。
上記の理由により、機関回転数Neが脈動下限回転数Ne1より低い低回転領域、及び機関回転数Neが脈動上限回転数Ne2より高い高回転領域では、1DCFDモデル18を用いた場合に得られる筒内流入空気量(つまりトルク)と、集中定数系流体モデル16を用いた場合に得られる筒内流入空気量とは、ほぼ同様となる。他方、機関回転数Neが脈動下限回転数Ne1と脈動上限回転数Ne2との間にある場合は、集中定数系流体モデル16によるトルク(図2中の破線)には、1DCFDモデル18によるトルクに対するずれが重畳する。
集中定数系流体モデル16の演算は、1DCFDモデル18の演算に比して軽い負荷で行うことができる。このため、模擬の結果に差がなければ、1DCFDモデル18ではなく、集中定数系流体モデル16を用いて演算を行うことが適切である。そこで、本実施形態では、吸気に脈動が生じない低回転領域と高回転領域では、集中定数系流体モデル16を用いて性能予測解析を行い、吸気の脈動が生ずる中回転領域では、1DCFDモデル18を用いて性能予測解析を行う。
図3は、本実施形態のシステムの動作を説明するためのブロック図である。本実施形態のシステムは、規定の走行モードを入力することにより、車両がその走行モードで走行した場合に、内燃機関がどのような性能を発揮するかを予測・解析することができる。この機能を実現するため、本実施形態のシステムは、走行モードを記憶し、その走行モードに従って走行するための目標車速を算出し、更に、その目標車速を実現するためのアクセル操作量を算出する機能を有している。
上記の機能によって算出されたアクセル操作量(開度)は、図3に示すように、空気モデル14に提供される。空気モデル14は、車両モデル22によって算出される機関回転数Neに基づいて、筒内流入空気量に脈動の影響が及ぶ条件が成立しているか否かを判断し、その結果に基づいて、集中定数系流体モデル16及び1DCFDモデル18の一方を選択する。そして、空気モデル14は、選択したモデルを用いて、アクセル開度等に基づいて、筒内流入空気量を算出する。尚、空気モデル14における処理の内容は、後に図4を参照してより詳しく説明する。
空気モデル14において算出された筒内流入空気量は、トルクモデル20に提供される。トルクモデル20は、その筒内流入空気量に基づいて、内燃機関が発生するトルクを演算する。トルクモデル20によって演算されたトルクは、車両モデル22に提供される。そして、車両モデル22は、提供されたトルクに基づいて、機関回転数Neや車速の模擬値を算出する。
車両モデル22において算出された機関回転数Neの模擬値は、上述した通り空気モデル14に提供される。また、車両モデル22において算出された車速の模擬値は、アクセル操作量を算出するための基礎とされる。つまり、空気モデル14に提供されるアクセル操作量は、車速の模擬値と、目標車速との差に基づいて算出される。
図4は、空気モデル14が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すように、空気モデル14は、先ず、アクセル操作量に基づいて決められるスロットル開度TAや、車両モデル22によって算出される機関回転数Neなど、吸気通路の空気流量を算出するために必要なパラメータを取得する(ステップ100)。
次に、機関回転数Neが、脈動下限回転数Ne1と、脈動上限回転数Ne2との間にあるかが判別される(ステップ102)。脈動下限回転数Ne1及び脈動上限回転数Ne2は、予め定められた固定値としても、或いは、負荷率や筒内流入空気量をパラメータとする変動値としてもよい。
上記の判別の結果、Ne1<Ne<Ne2の成立、つまり、脈動条件の成立が認められた場合は、演算の精度を確保するため、1DCFDモデル16によって筒内流入空気量が算出される(ステップ104)。他方、上記の条件が成立しないと判断された場合は、脈動の影響を考慮する必要がないため、集中定数系流体モデル18(ODモデル)によって筒内流入空気量が算出される(ステップ106)。
以上説明した処理によれば、脈動の影響を考慮する必要がない状況下では、負荷の軽い集中定数系流体モデル16を用いた演算が行われ、負荷の重い1DCFDモデル18を用いた演算は、脈動の影響を考慮する必要がある場合に限って行われる。このため、本実施形態のシステムによれば、吸気通路における脈動の影響を無視することなく、かつ、演算負荷の十分な軽減を図りつつ、内燃機関の性能を正確に予測解析することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、集中定数系流体モデル16及び1DCFDモデル18が、吸気通路内の空気流量を模擬することとしているが、模擬の対象は、これに限定されるものではない。例えば、排気通路における排気流量を模擬の対象としてもよい。また、模擬の対象となる物理量は、流量に限られるものではなく、圧力や流速をその対象としてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、脈動条件の成否を、機関回転数Neに基づいて判断することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スロットル開度TAや負荷率などに基づいて脈動の有無が判断できる場合には、それらの変数に基づいて脈動条件の成否を判断することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ステップ102が前記第4の発明における「脈動条件判定手段」に、ステップ104が前記第4の発明における「1次元模擬手段」及び「空気量算出手段」に、ステップ106が前記第4の発明における「0次元模擬手段」及び「空気量算出手段」にそれぞれ相当している。
また、上述した実施の形態1においては、トルクモデル20が前記第7の発明における「トルク模擬手段」に、車両モデル22が前記第7の発明における「車両模擬手段」に、車両モデル22において算出された機関回転数Neの模擬値を空気モデル14に提供する処理が前記第7の発明における「機関回転数提供手段」に、アクセル操作量の基礎として走行モードを記憶しておくことが前記第7の発明における「走行モード記憶手段」に、アクセル操作量を算出することが前記第7の発明における「アクセル開度算出手段」に、算出したアクセル開度を空気モデル14に提供する処理が前記第7の発明における「アクセル開度提供手段」に、それぞれ相当している。
本発明の実施の形態1の設計値最適化システムの構成を説明するためのブロック図である。 図1に示すトルクモデルによって算出されるトルクの結果と、機関回転数Neとの間に成立する関係を示す。 本発明の実施の形態1のシステムの動作を説明するためのブロック図である。 図3に示す空気モデルが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
14 空気モデル
16 集中定数系流体モデル(0Dモデル)
18 1DCFDモデル
20 トルクモデル
22 車両モデル
Ne1 脈動下限回転数
Ne2 脈動上限回転数

Claims (7)

  1. 模擬の対象である空間内の流体物理量を一様なものとして模擬する集中定数系流体モデルと、前記流体物理量を流体の進行方向の位置に応じた量として模擬する1次元CFDモデルとを用いる内燃機関の性能予測解析方法であって、
    機関回転数、スロットル開度、及び負荷率の少なくとも1つに基づいて脈動条件の成否を判断するステップと、
    前記脈動条件の成立時に、前記1次元CFDモデルを用いて前記流体物理量を模擬するステップと、
    前記脈動条件の不成立時に、前記集中定数系流体モデルを用いて前記流体物理量を模擬するステップと、
    前記流体物理量の模擬値に基づいて筒内流入空気量を算出するステップとを含み、
    前記脈動条件は、前記筒内流入空気量に、前記空間内での脈動の影響が及ぶ条件であることを特徴とする内燃機関の性能予測解析方法。
  2. 前記空間は、内燃機関の吸気通路であり、
    前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れも吸気通路を流れる空気の流体物理量を模擬するモデルであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の性能予測解析方法。
  3. 機関回転数が、脈動下限回転数と脈動上限回転数との間にある場合に、前記脈動条件の成立を判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の性能予測解析方法。
  4. 模擬の対象である空間内の流体物理量を一様なものとして模擬する集中定数系流体モデルと、前記流体物理量を流体の進行方向の位置に応じた量として模擬する1次元CFDモデルとを用いて内燃機関の性能予測解析を行うシステムであって、
    機関回転数、スロットル開度、及び負荷率の少なくとも1つに基づいて脈動条件の成否を判断する脈動条件判定手段と、
    前記脈動条件の成立時に、前記1次元CFDモデルを用いて前記流体物理量を模擬する1次元模擬手段と、
    前記脈動条件の不成立時に、前記集中定数系流体モデルを用いて前記流体物理量を模擬する0次元模擬手段と、
    前記流体物理量の模擬値に基づいて筒内流入空気量を算出する空気量算出手段とを含み、
    前記脈動条件は、前記筒内流入空気量に、前記空間内での脈動の影響が及ぶ条件であることを特徴とする内燃機関の性能予測解析システム。
  5. 前記空間は、内燃機関の吸気通路であり、
    前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れも吸気通路を流れる空気の流体物理量を模擬するモデルであることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の性能予測解析システム。
  6. 前記脈動条件判定手段は、機関回転数が、脈動下限回転数と脈動上限回転数との間にある場合に、前記脈動条件の成立を判定することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の性能予測解析システム。
  7. 前記集中定数系流体モデル、及び前記1次元CFDモデルは、何れもアクセル開度をパラメータとして含むモデルであり、
    前記筒内流入空気量に基づいて内燃機関の発生するトルクを模擬するトルク模擬手段と、
    前記トルクの模擬値に基づいて、機関回転数及び車速を模擬する車両模擬手段と、
    前記機関回転数の模擬値を前記脈動条件判定手段に提供する機関回転数提供手段と、
    規定の走行モードを記憶する走行モード記憶手段と、
    前記走行モードによる目標車速と前記車速の模擬値とに基づいて、前記目標車速を実現するためのアクセル開度を算出するアクセル開度算出手段と、
    前記アクセル開度の算出値を、前記集中定数系流体モデル及び前記1次元CFDモデルに提供するアクセル開度提供手段と、
    を含むことを特徴とする請求項6記載の内燃機関の性能予測解析システム。
JP2006089260A 2006-03-28 2006-03-28 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム Expired - Fee Related JP4710689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089260A JP4710689B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089260A JP4710689B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007263747A JP2007263747A (ja) 2007-10-11
JP4710689B2 true JP4710689B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=38636884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006089260A Expired - Fee Related JP4710689B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4710689B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102261137B1 (ko) * 2019-08-19 2021-06-07 주식회사 현대케피코 기관 성능 예측 방법
CN113899557B (zh) * 2020-06-22 2023-11-28 中国航发商用航空发动机有限责任公司 确定航空发动机空气系统特性的方法和装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000146178A (ja) * 1998-11-05 2000-05-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 循環流動層ボイラ特性解析方法
JP2004239131A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mazda Motor Corp エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2004239128A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mazda Motor Corp エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2004249422A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Hitachi Koki Co Ltd 回転打撃工具

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000146178A (ja) * 1998-11-05 2000-05-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 循環流動層ボイラ特性解析方法
JP2004239131A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mazda Motor Corp エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2004239128A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mazda Motor Corp エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2004249422A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Hitachi Koki Co Ltd 回転打撃工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007263747A (ja) 2007-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102644366B1 (ko) 엔진 가상시험환경 시스템 및 ems 매핑 방법
KR100872753B1 (ko) 제어 시스템의 평가 장치, 평가 장치에 사용되는 검증장치, 제어 시스템의 평가 방법 및 그에 이용되는 컴퓨터프로그램
Jian et al. Optimization of a pressure control valve for high power automatic transmission considering stability
JP2010513787A (ja) エンジン動作のシミュレート方法
Casoli et al. Coupling excavator hydraulic system and internal combustion engine models for the real-time simulation
JP4727473B2 (ja) 最適パラメータ探索方法およびそのプログラム
CN112257276B (zh) 一种发动机实时虚拟标定系统及其仿真建模方法
JP4710689B2 (ja) 内燃機関の性能予測解析方法及び性能予測解析システム
CN113673089B (zh) 一种发动机性能确定方法、装置以及电子设备
JP2007187064A (ja) 内燃機関制御装置
US8433546B2 (en) Response surface modeling device, response surface modeling method, and response surface modeling program
JP4802789B2 (ja) 設計値最適化方法及び設計値最適化システム
Watanabe et al. The CFD application for efficient designing in the automotive engineering
JP4192803B2 (ja) エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2007164437A (ja) エンジン性能の予測解析システム、予測解析方法及び予測解析プログラム
JP4175130B2 (ja) エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP2007172349A (ja) エンジン性能の予測解析システム、予測解析方法及び予測解析プログラム
JP2005249420A (ja) エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
Pearson et al. Lotus engineering software–an approach to model-based design
CN112182744B (zh) 一种egr率预测方法、装置、设备和介质
Chica et al. Simulation NMPC in 2-HIL to design ECU
KR101907527B1 (ko) 엔진의 공기량 계산 방법
JP2005249419A (ja) エンジン性能の予測解析方法、予測解析システム及びその制御プログラム
JP4618533B2 (ja) 設計支援プログラム及び設計支援装置
JP2017115777A (ja) エンジン制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees