JP4709401B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被閉鎖部を開閉する開閉体を備えた開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の開閉装置としては、例えば、図5および図6に示す窓シャッタ等の開閉装置1が知られている。
【0003】
この図5および図6に示す開閉装置1は、例えば、駆動手段としての駆動モータ2からの駆動力を受けて昇降する複数枚のスラット等にて構成されたシャッター等の開閉体3を備えている。
【0004】
また、開閉装置1は、太陽光のエネルギを電気的エネルギに変換する太陽電池パネル等の太陽電池4を備えているとともに、太陽電池4からの電気的エネルギを作動用エネルギとして化学的エネルギの形態で繰り返し蓄積する過充電保護装置付のバッテリ5を備えている。
【0005】
そして、例えば夜間やくもりの日等に、ワイヤレススイッチ等の操作手段6が操作されると、操作信号が受信手段7にて受信され、コントローラ等の制御手段8による制御によりバッテリ5から駆動モータ2に対して作動用エネルギに基づく電力が供給される。これにより、駆動モータ2の回転軸がいずれかの方向に回転して開閉体3が昇降し、その結果、開閉体3にて窓等の開口部である被閉鎖部9が開かれたり閉じられたりする。
【0006】
なお、例えば晴れた日の昼間等に操作手段6が操作された場合には、太陽電池4から駆動モータ2に対して電力が直接供給され、これにより、駆動モータ2の回転軸がいずれかの方向に回転して開閉体3が昇降し、この開閉体3にて被閉鎖部9が開かれたり閉じられたりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の開閉装置1では、開閉体3を作動させるための作動用エネルギを化学的エネルギの形態で繰り返し蓄積するバッテリ5の寿命が比較的短いため、バッテリ5を頻繁に交換しなければならず、保守管理に手間がかかるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、保守管理を容易にできる開閉装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の開閉装置は、自然的エネルギを電気的エネルギに変換するエネルギ変換手段としての太陽電池と、電力を発生させる発電機能を有し、前記太陽電池からの電気的エネルギにより駆動力を発生させる動力発生手段としてのばね用モータと、このばね用モータからの駆動力を受けて弾性変形することにより作動用エネルギを力学的エネルギの形態で繰り返し蓄積し、この蓄積した作動用エネルギを弾性作用に基づく復元力により繰り返し放出する弾性変形可能なエネルギ蓄積手段としてのコイル状のねじりばねと、このねじりばねからの作動用エネルギに基づく駆動力を受けて作動する開閉体と、前記ばね用モータからの電力を受けて駆動力を出力することにより、前記開閉体を作動させる駆動手段としての開閉体用モータと、細長箱状の開閉体収容手段としてのボックスと、このボックスの左右両側面部間に回転可能に架け渡され、前記開閉体が巻取りおよび巻戻し可能に取り付けられ、前記開閉体用モータから駆動力を受けて回転する巻取軸とを備え、前記ばね用モータおよび前記開閉体用モータは、前記ボックス内に配置され、前記ねじりばねは、前記ばね用モータの回転軸に直結され、かつ前記ボックス内にこのボックスの長手方向に沿って前記ばね用モータの回転軸と同軸上に配置され、前記ばね用モータの回転軸が前記ねじりばねの復元力で回転させられると、前記ばね用モータがこのばね用モータの回転軸の回転に応じて電力を発生させるものである。
【0010】
請求項2記載の開閉装置は、請求項1記載の開閉装置において、ボックス内に位置する制御手段を備え、前記制御手段は、太陽電池の発電時には前記太陽電池からの電力で開閉体用モータの回転軸を回転させ、前記太陽電池の非発電時にはねじりばねからの作動用エネルギに基づくばね用モータからの電力で前記開閉体用モータの回転軸を回転させるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の開閉装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0012】
図1において、11は開閉装置としてのシャッタ装置で、このシャッタ装置11は、例えば外部電源との配線工事等の電気工事を必要としない後付け用の室外取付け式の窓シャッタ装置等で、家のリフォーム時に外壁等に取り付けられ、出入口や窓等の開口部である被閉鎖部12を開閉するものである。
【0013】
そして、シャッタ装置11は、図1に示すように、上下方向に長手方向を有する左右一対の細長形状の案内手段としてのガイドレール14,14を備えている。各ガイドレール14は、互いに離間対向した状態で下枠或いは床面等の当接部15に立設され、被閉鎖部12の左右両側縁部に配置されている。また、各ガイドレール14の上端部側は、左右水平方向に長手方向を有する細長箱状の開閉体収容手段としてのボックス16内に挿入されている。
【0014】
ボックス16は、下面部に長孔状の挿通口部17がボックス16の長手方向に沿って開口形成されており、各ガイドレール14の上端部側が挿通口部17の長手方向の両端部を介してボックス16内に挿入されている。また、ボックス16の左右両側面部間には、左右水平方向に長手方向を有する細長筒形状の回転体である巻体としての巻取軸19が図示しない軸受け部等を介して回転可能に架け渡されている。
【0015】
巻取軸19は、例えばボックス16内に配置された駆動手段としての開閉体用モータ20から図示しない伝動手段を介して駆動力を受けて所定方向に回転する構成となっている。また、巻取軸19には、被閉鎖部12に沿って移動可能つまり昇降可能な開閉体21が巻取りおよび巻戻し可能に取り付けられている。すなわち、巻取軸19は所定方向への回転により開閉体21を巻き取ったり巻き戻したりする。
【0016】
開閉体21は、被閉鎖部12を開閉するもので、例えば複数枚の金属製のスラット22,22等にて構成され、巻取軸19の一の方向である巻戻方向への回転に応じて被閉鎖部12に沿ってこの被閉鎖部12を閉じる閉方向Cである下方に向って下降する閉動作を行い、巻取軸19の他の方向である巻取方向への回転に応じて被閉鎖部12に沿ってこの被閉鎖部12を開く開方向Oである上方向に向って上昇する開動作を行う構成となっている。
【0017】
また、シャッタ装置11は、図1および図2に示すように、例えばボックス16内に位置するCPU、メモリ等にて構成されたコントローラ等の制御手段30を備えている。
【0018】
制御手段30には、開閉体21を昇降させる開閉体用モータ20が接続されているとともに、自然的エネルギすなわち例えば太陽光のエネルギを電気的エネルギに変換するエネルギ変換手段としての太陽電池31が接続されている。太陽電池31は、例えば複数枚の太陽電池パネル32等にて構成され、ボックス16の前低後高の傾斜状の上面部16aに取り付けられている。
【0019】
また、制御手段30には、太陽電池31からの電気的エネルギにより駆動力を発生させる動力発生手段としてのばね用モータ33が接続されている。ばね用モータ33は、例えばボックス16内に配置され、ばね用モータ33の回転軸には、弾性変形可能なエネルギ蓄積手段としての弾性体であるコイル状のねじりばね34が直結されている。ねじりばね34は、図1に示されるように、ボックス16内にこのボックス16の長手方向に沿ってばね用モータ33の回転軸と同軸上に配置されている。
【0020】
そして、ねじりばね34は、太陽光のエネルギに基づいてばね用モータ33から出力される駆動力を受けてねじられて弾性変形するたびに作動用エネルギを力学的エネルギである弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積する一方、蓄積した作動用エネルギを弾性作用に基づく復元力により繰り返し放出する。なお、ばね用モータ33は発電機能を有した発電機を兼ねた電動機であり、ばね用モータ33の回転軸がねじりばね34の復元力で強制的に回転させられると、ばね用モータ33は回転軸の回転に応じて電力を発生させる。
【0021】
さらに、制御手段30には、例えばボックス16内に配置された受信手段35が接続されており、この受信手段35はワイヤレススイッチ等の操作手段36から送信された所定の操作信号を受信する。なお、操作手段36には、図1に示されるように、例えば、閉操作スイッチ37、開操作スイッチ38、停止スイッチ39等が設けられている。
【0022】
そして、制御手段30は、太陽電池31の発電時すなわち太陽電池31が開閉体用モータ20を作動させるのに十分な電力を発電している時に開操作スイッチ38または閉操作スイッチ37が操作されたとき、太陽電池31からの電力で開閉体用モータ20の回転軸を回転させ、開閉体21を昇降させる機能を有している。
【0023】
また、制御手段30は、太陽電池31が非発電時すなわち太陽電池31が開閉体用モータ20を作動させるのに十分な電力を発電していない時に開操作スイッチ38または閉操作スイッチ37が操作されたとき、ねじりばね34からの作動用エネルギに基づくばね用モータ33からの電力で開閉体用モータ20の回転軸を回転させ、開閉体21を昇降させる機能を有している。
【0024】
なお、太陽電池31の非発電時には、ねじりばね34から放出される作動用エネルギは、開閉体21を作動させるためのエネルギとして利用されるのみならず、制御手段30および受信手段35の各々を作動させるためのエネルギとして利用される。すなわち、制御手段30および受信手段35の各々は、太陽電池31の発電時には太陽電池31から供給される電力で作動するが、太陽電池31の非発電時にはばね用モータ33から供給される電力で作動する。なお、ねじりばね34、ばね用モータ33、開閉体用モータ20等にてシャッタ駆動ユニット40が構成され、シャッタ駆動ユニット40はボックス16内に配置されている。また、開閉体21、制御手段30および受信手段35にて、ねじりばね34から出力される作動用エネルギに基づいて作動する作動手段41が構成されている。
【0025】
次に、上記一実施の形態のシャッタ装置11の動作を説明する。
【0026】
例えば晴れた日の昼間等に、太陽光のエネルギが太陽電池31に供給されると、太陽光のエネルギが電気的エネルギに変換され、この電気的エネルギに基づく電力がばね用モータ33に供給される。すると、ばね用モータ33の回転軸が一の方向に回転し、この回転軸の回転力でねじりばね34がねじられる。こうして、ねじりばね34は、例えば前日の夜間中にもとの形状に復帰したとしても、所定量弾性変形した状態となり、ねじりばね34にて作動用エネルギが弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積されることとなる。
【0027】
また一方、例えば晴れた日の昼間等、太陽電池31が発電しているときに、例えば操作手段36の開操作スイッチ38または閉操作スイッチ37が操作され、受信手段35が開信号または閉信号の受信すると、太陽電池31で発電した電力が開閉体用モータ20に対して直接供給される。
【0028】
すると、開閉体用モータ20の回転軸がいずれかの方向に回転し、この回転軸の回転力で開閉体21が所定量昇降し、その結果、開閉体21にて被閉鎖部22が開かれたり閉じられたりする。なお、開閉体21の昇降時に受信手段35が停止信号を受信した場合には、開閉体用モータ20への電力供給が停止され、開閉体21が任意の位置で止まる。
【0029】
なお、太陽電池31による電力とばね用モータ33の発電による電力とを併用してもよい。すなわち、太陽電池31が発電しているときに、例えば、この電力で操作手段36に関する制御を行うとともに、開閉動作等を伴う操作指示がなされたときの開閉体用モータ20の駆動電力は太陽電池31による電力とばね用モータ33の発電による電力とを併用してもよいし、どちらか一方の電力を用いてもよい。例えば、開閉体用モータ20の駆動に大きな電力を必要とするため、太陽電池31による電力全てではまかなえない場合には、ばね用モータ33の発電による電力を用いるように構成してもよい。また、例えば自然的エネルギを変換可能な太陽電池31による電力は専ら充電のみ用いすなわちねじりばね34を変形させることのみに用い、使用電力は、ばね用モータ33等の発電による電力による構成としてもよい。
【0030】
一方、例えば夜間や、雨、くもりの昼間等、太陽電池31が発電していないときに、例えば操作手段36の開操作スイッチ38または閉操作スイッチ37が操作され、受信手段35が開信号または閉信号を受信したとする。すると、エネルギ蓄積状態にあるねじりばね34から作動用エネルギが放出され、ねじりばね34の巻き戻ろうとする復元力でばね用モータ33の回転軸が強制的に回転させられる。この回転軸の回転により、ばね用モータ33が発電機能を発揮し、このばね用モータ33で発電した電力が開閉体用モータ20に対して供給される。
【0031】
すると、開閉体用モータ20の回転軸がいずれかの方向に回転し、この回転軸の回転力である駆動力で巻取軸19が回転して開閉体21が所定量昇降し、その結果、開閉体21にて被閉鎖部12が開かれたり閉じられたりする。なお、開閉体21の昇降時に受信手段35が停止信号を受信した場合には、開閉体用モータ20への電力供給が停止され、開閉体21が任意の位置で止まる。
【0032】
このように、上記一実施の形態のシャッタ装置11によれば、作動用エネルギを化学的エネルギの形態で繰り返し蓄積するバッテリ5等を用いることなく、作動用エネルギを弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積するコイル状のねじりばね34を用いる構成であるため、図5等に示す従来のバッテリ5等を用いた構成に比べて、保守管理を容易にできる。
【0033】
すなわち、例えば、従来のバッテリ5ではボックス内から取り出しにくいばかりでなく、おおよそ3年に1回交換しなければならないのに対し、本実施の形態のねじりばね34はおおよそ5年に1回交換すればよく、ねじりばね34の交換回数を比較的少なくでき、保守管理を容易できる。
【0034】
また、従来のバッテリ5のリサイクルは難しいことがあるものの、本実施の形態のねじりばね34のリサイクルは比較的容易で、環境保護の面からの廃棄問題が生じる可能性は少ない。
【0035】
さらに、従来のバッテリ5は外気の温度の影響を受けやすく、外気の温度の上下によりバッテリ5の充電量に大きく差が生じる。このため、充電量に余裕をもたせる必要があり、大形のバッテリ5を利用せざるを得ず、コスト高、スペース確保が困難となる等の問題がある。しかし、本実施の形態のねじりばね34は外気の温度の影響を受け難いため、本実施の形態はそのような問題がなく、配線工事を必要としない後付け用の室外取付け式の窓シャッタ装置として最適である。なお、外気温度の影響を受けないようにバッテリ5を室内に設置したのでは、配線工事が必要となり、施工性が悪くなる。
【0036】
また、従来のバッテリ5では過充電保護装置等が必要であり、構成が複雑で、コスト高および故障要因にもなる等の問題もあったが、ねじりばね34を用いる本実施の形態ではそのような問題もない。
【0037】
さらに、本実施の形態では、停電等により例えば商用電源等からのエネルギ供給が途絶えたとしても、作動用エネルギで開閉体21を適切に作動させることができる。
【0038】
次に、本発明の開閉装置の関連技術の構成を図面を参照して説明する。
【0039】
図3において、51は開閉装置としてのシャッタ装置で、このシャッタ装置51は、例えば外部電源との配線工事等の電気工事を必要としない後付け用の室外取付け式の窓シャッタ装置等で、家のリフォーム時に外壁等に取り付けられ、出入口や窓等の開口部である被閉鎖部52を開閉するものである。
【0040】
そして、シャッタ装置51は、図3に示すように、上下方向に長手方向を有する左右一対の細長形状の案内手段としてのガイドレール54,54を備えている。各ガイドレール54は、互いに離間対向した状態で下枠或いは床面等の当接部55に立設され、被閉鎖部52の左右両側縁部に配置されている。また、各ガイドレール54の上端部側は、左右水平方向に長手方向を有する細長箱状の開閉体収容手段としてのボックス56内に挿入されている。
【0041】
ボックス56は、下面部に長孔状の挿通口部57がボックス56の長手方向に沿って開口形成されており、各ガイドレール54の上端部側が挿通口部57の長手方向の両端部を介してボックス56内に挿入されている。また、ボックス56の左右両側面部間には、左右水平方向に長手方向を有する細長筒形状の回転体である巻体としての巻取軸59が図示しない軸受け部等を介して回転可能に架け渡されている。
【0042】
巻取軸59には、被閉鎖部52に沿って移動可能つまり昇降可能な開閉体61が巻取りおよび巻戻し可能に取り付けられており、この巻取軸59は所定方向への回転により開閉体61を巻き取ったり巻き戻したりする。
【0043】
開閉体61は、被閉鎖部52を開閉するもので、例えば複数枚の金属製のスラット62,62等にて構成され、巻取軸59の一の方向である巻戻方向への回転に応じて被閉鎖部52に沿ってこの被閉鎖部52を閉じる閉方向Cである下方に向って下降する閉動作を行い、巻取軸59の他の方向である巻取方向への回転に応じて被閉鎖部52に沿ってこの被閉鎖部52を開く開方向Oである上方向に向って上昇する開動作を行う構成となっている。
【0044】
また、シャッタ装置51は、図3および図4に示すように、例えばボックス56の長手方向略中央部内に位置するCPU、メモリ等にて構成されたコントローラ等の制御手段70を備えている。
【0045】
制御手段70には、自然的エネルギすなわち例えば太陽光のエネルギを電気的エネルギに変換するエネルギ変換手段としての太陽電池71が接続されている。太陽電池71は、例えば複数枚の太陽電池パネル等にて構成され、ボックス56の前低後高の傾斜状の上面部56aに取り付けられている。
【0046】
また、制御手段70には、開閉体51に開動作を行わせる開駆動ユニット72aが接続されているとともに、開閉体51に閉動作を行わせる閉駆動ユニット72bが接続されている。
【0047】
まず、開駆動ユニット72aは、制御手段70に接続された電動機である開ばね用モータ73aを有し、この開ばね用モータ73aは太陽電池71からの電気的エネルギにより駆動力を発生させる。また、開ばね用モータ73aは、例えばボックス56の一側部内つまりシャッタ装置51を室外から見て右側部内に配置され、開ばね用モータ73aの回転軸には、弾性変形可能な開き用弾性体としてのコイル状の開ねじりばね74aの一端側が直結されている。
【0048】
開ねじりばね74aは、図3に示されるように、ボックス56の長手方向一端部内にこのボックス56の長手方向に沿って開ばね用モータ73aの回転軸と同軸上に配置されており、この開ねじりばね74aの他端側に連結手段としてのクラッチ手段である開電磁カップリング75aを介して巻取軸59の一端部に連結されている。なお、開電磁カップリング75aは、制御手段70の制御により電磁作用に基づき動力伝達許容状態となったり、動力伝達禁止状態となったりする。開電磁カップリング75aの動力伝達許容状態時には開ねじりばね74aから巻取軸59に駆動力が直接的に伝達され、一方、開電磁カップリング75aの動力伝達禁止状態時には開ねじりばね74aから巻取軸59への駆動力の伝達が禁止される。
【0049】
そして、開ねじりばね74aは、太陽光のエネルギに基づいて開ばね用モータ73aから出力される駆動力を受けて弾性変形するたびに作動用エネルギを力学的エネルギである弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積する。また、開ねじりばね74aは、開電磁カップリング75aが作動して動力伝達許容状態になるたびに、蓄積した作動用エネルギを弾性作用に基づく復元力により繰り返し放出して、巻取軸59を巻取方向に回転させる。
【0050】
次いで、閉駆動ユニット72bは、制御手段70に接続された電動機である閉ばね用モータ73bを有し、この閉ばね用モータ73bは太陽電池71からの電気的エネルギにより駆動力を発生させる。また、閉ばね用モータ73bは、例えばボックス56の他側部内つまりシャッタ装置51を室外から見て左側部内に配置され、閉ばね用モータ73bの回転軸には、弾性変形可能な閉じ用弾性体としてのコイル状の閉ねじりばね74bの一端側が直結されている。
【0051】
閉ねじりばね74bは、図3に示されるように、ボックス56の長手方向他端部内にこのボックス56の長手方向に沿って閉ばね用モータ73bの回転軸と同軸上に配置されている。また、閉ねじりばね74bは開ねじりばね74aに対しても同軸上に配置されているが、閉ねじりばね74bの向きと開ねじりばね74aの向きとは反対となっており、閉ねじりばね74bおよび開ねじりばね74aは中心側の制御手段70に対して左右対称となっている。
【0052】
さらに、閉ねじりばね74bの他端側に連結手段としてのクラッチ手段である閉電磁カップリング75bを介して巻取軸59の他端部に連結されている。なお、閉電磁カップリング75bは、制御手段70の制御により電磁作用に基づき動力伝達許容状態となったり、動力伝達禁止状態となったりする。閉電磁カップリング75bの動力伝達許容状態時には閉ねじりばね74bから巻取軸59に駆動力が直接的に伝達され、一方、閉電磁カップリング75bの動力伝達禁止状態時には閉ねじりばね74bから巻取軸59への駆動力の伝達が禁止される。
【0053】
そして、閉ねじりばね74bは、太陽光のエネルギに基づいて閉ばね用モータ73bから出力される駆動力を受けて弾性変形するたびに作動用エネルギを力学的エネルギである弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積する。また、閉ねじりばね74bは、閉電磁カップリング75bが作動して動力伝達許容状態になるたびに、蓄積した作動用エネルギを弾性作用に基づく復元力により繰り返し放出して、巻取軸59を巻戻方向に回転させる。
【0054】
なお、開ばね用モータ73aおよび閉ばね用モータ73bにて動力発生手段76が構成され、開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bにてエネルギ蓄積手段77が構成され、開電磁カップリング75aおよび閉電磁カップリング75bにて動力伝達手段78が構成されている。
【0055】
さらに、制御手段70には、例えばボックス56内に配置された受信手段81が接続されており、この受信手段81はワイヤレススイッチ等の操作手段82から送信された所定の操作信号を受信する。なお、操作手段82には、図3に示されるように、例えば、閉操作スイッチ83、開操作スイッチ84、停止スイッチ85等が設けられている。
【0056】
なお、図4に示されるように、制御手段70には、小形のコンデンサ等にて構成された予備電源部86が接続されており、予備電源部86は太陽電池71で発電した電力で充電可能とされている。そして、制御手段70、受信手段81および動力伝達手段78の各々は、太陽電池71の発電時には太陽電池71から供給される電力で作動するが、太陽電池71の非発電時には予備電源部86から供給される電力で作動する。また、開閉体61にて、エネルギ蓄積手段77から出力される作動用エネルギに基づいて作動する作動手段91が構成されている。
【0057】
次に、上記関連技術のシャッタ装置51の動作を説明する。
【0058】
例えば晴れた日の昼間等に、太陽光のエネルギが太陽電池71に供給されると、太陽光のエネルギが電気的エネルギに変換され、この電気的エネルギに基づく電力が開ばね用モータ73aおよび閉ばね用モータ73bに供給される。
【0059】
そして、開ばね用モータ73aの回転軸が回転し、この回転軸の回転力で開ねじりばね74aがねじられる。こうして、開ねじりばね74aは、例えば前日の夜間中にもとの形状に復帰したとしても、所定量弾性変形した状態となり、開ねじりばね74aにて作動用エネルギが弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積されることとなる。
【0060】
また、閉ばね用モータ73bの回転軸が回転し、この回転軸の回転力で閉ねじりばね74bがねじられる。こうして、閉ねじりばね74bは、例えば前日の夜間中にもとの形状に復帰したとしても、所定量弾性変形した状態となり、閉ねじりばね74bにて作動用エネルギが弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積されることとなる。
【0061】
また一方、例えば晴れた日の昼間等、太陽電池71が発電しているときに、例えば操作手段82の開操作スイッチ84が操作され、受信手段81が開信号を受信すると、太陽電池71で発電した電力が開電磁カップリング75aに対して供給される。
【0062】
すると、開電磁カップリング75aが作動して動力伝達許容状態となり、エネルギ蓄積状態にある開ねじりばね74aから作動用エネルギが放出され、開ねじりばね74aの巻き戻ろうとする復元力で巻取軸59が巻取方向に回転させられる。この巻取軸59の巻取方向への回転により、開閉体61が所定量上昇して、被閉鎖部52が開く。なお、開閉体61の上昇時に受信手段81が停止信号を受信した場合には、開電磁カップリング75aへの電力供給が停止され、開閉体61が任意の位置で止まる。
【0063】
また、例えば晴れた日の昼間等、太陽電池71が発電しているときに、例えば操作手段82の閉操作スイッチ83が操作され、受信手段81が閉信号を受信すると、太陽電池71で発電した電力が閉電磁カップリング75bに対して供給される。
【0064】
すると、閉電磁カップリング75bが作動して動力伝達許容状態となり、エネルギ蓄積状態にある閉ねじりばね74bから作動用エネルギが放出され、閉ねじりばね74bの巻き戻ろうとする復元力で巻取軸59が巻戻方向に回転させられる。この巻取軸59の巻戻方向への回転により、開閉体61が所定量下降して、被閉鎖部52が閉じる。なお、開閉体61の上昇時に受信手段81が停止信号を受信した場合には、閉電磁カップリング75bへの電力供給が停止され、開閉体61が任意の位置で止まる。
【0065】
なお、例えば夜間や、雨、くもりの昼間等、太陽電池71が発電していないときに、受信手段81が開信号または閉信号の受信した場合であっても、上述と同様、開ねじりばね74aまたは閉ねじりばね74bから弾性作用により放出される作動用エネルギに基づいて開閉体61が昇降し、被閉鎖部52を開閉する。しかし、この太陽電池71の非発電時には、制御手段70、受信手段81および動力伝達手段78の各々は予備電源部86から供給される電力で作動する。
【0066】
このようにして、上記関連技術のシャッタ装置51によれば、上記一実施の形態のシャッタ装置11と同様、作動用エネルギを化学的エネルギの形態で繰り返し蓄積するバッテリ5等を用いることなく、作動用エネルギを弾性エネルギの形態で繰り返し蓄積するコイル状の開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bにて構成されたエネルギ蓄積手段77を用いる構成であるため、図5等に示す従来のバッテリ5等を用いた構成に比べて、保守管理を容易にできる。
【0067】
すなわち、例えば、従来のバッテリ5ではボックス内から取り出しにくいばかりでなく、おおよそ3年に1回交換しなければならないのに対し、本関連技術の開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bはおおよそ5年に1回交換すればよく、開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bの交換回数を比較的少なくでき、保守管理を容易にできる。
【0068】
また、従来のバッテリ5のリサイクルは難しいことがあるものの、本関連技術の開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bのリサイクルは比較的容易で、環境保護の面からの廃棄問題が生じる可能性は少ない。
【0069】
さらに、従来のバッテリ5は外気の温度の影響を受けやすく、外気の温度の上下によりバッテリ5の充電量に大きく差が生じる。このため、充電量に余裕をもたせる必要があり、大形のバッテリ5を利用せざるを得ず、コスト高、スペース確保が困難となる等の問題がある。しかし、本関連技術の開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bは外気の温度の影響を受け難いため、本関連技術はそのような問題がなく、配線工事を必要としない後付け用の室外取付け式の窓シャッタ装置として最適である。なお、外気温度の影響を受けないようにバッテリ5を室内に設置したのでは、配線工事が必要となり、施工性が悪くなる。
【0070】
また、従来のバッテリ5では過充電保護装置等が必要であり、構成が複雑で、コスト高および故障要因にもなる等の問題もあったが、開ねじりばね74aおよび閉ねじりばね74bを用いる本関連技術ではそのような問題もない。
【0071】
さらに、開閉体61を昇降させる際に、エネルギ蓄積手段77側から開閉体61側に駆動力をエネルギ形態を変えることなく伝達できるため、駆動力伝達の際のエネルギ損失を少なくでき、エネルギ効率を向上できる。
【0072】
また、本関連技術では、停電等により例えば商用電源等からのエネルギ供給が途絶えたとしても、作動用エネルギで開閉体61を適切に作動させることができる。
【0073】
なお、上記実施の形態および関連技術において、開閉装置11,51はシャッタ装置として説明したが、例えば、雨戸、引戸等のドア装置、シャッタ装置、ブラインド装置、スライディングウォール装置、スクリーン装置、防煙垂れ幕装置、防煙垂れ壁装置、防潮板装置、防止板装置、オーニング装置等、或いは、これら装置のうちの同種または異種を複数並設したものでもよい。
【0074】
また、上記実施の形態および関連技術において、開閉体21,61は、被閉鎖部に沿って昇降可能な構成として説明したが、例えば、左右方向に移動可能な構成、床面等に沿って水平方向に移動可能な構成、床面等に対して傾斜した傾斜方向に移動可能な構成、或いは、これらの複合した方向に移動可能な構成でもよい。
【0075】
また、上記実施の形態および関連技術において、開閉体21,61は、駆動モータ等から出力される駆動力で電動下降する構成として説明したが、開閉体21,61自体の重力にて自重下降する構成にも適用できる。
【0076】
さらに、開閉体21,61の収納方式は、上記実施の形態では巻取軸等の巻体に巻き取る巻取式であると説明したが、例えば、折り畳み式、送り込み式、分離重合式等の任意のものとできる。
【0077】
また、受信手段35,81および操作手段36,82間の通信は無線通信でなく、有線通信とすることもできる。
【0078】
さらに、上記実施の形態において、例えば、図示しないが、開閉装置11,51の周囲を照らすための照明手段を設けて、この照明手段に対して例えばばね用モータ33等で発電した電力を供給するようにしてもよい。
【0079】
また、図示しないが、太陽電池31,71或いはばね用モータ33等で発電した電力や、予備電源部86等からの電力で作動して開閉体が上限位置、下限位置に位置するのを感知する感知装置を設けてもよい。また、図示しないが、太陽電池31,71或いはばね用モータ33等で発電した電力や、予備電源部86等からの電力で作動して下限位置に位置する開閉体をロックするシリンダ等にて構成されたロック手段を設けてもよい。
【0080】
さらに、ばね用モータ33等で発電した電力を、障害物感知および感知した際の回避動作、障害物感知や強制移動動作検知等に伴う警報や通知動作、ブラインド装置等のブラインドシャッタにおけるスラットの回動動作等に用いる構成としてもよい。
【0081】
さらに、開閉装置11,51等において、使用する電力の一部やあるタイミングではすべて、通常のバッテリや商用電源の電力を用いることまで排除しているわけではない。例えば、操作手段に直接関係する制御については、使用電力が少ないため常に通常のバッテリを用いるようにしてもよい。ただ、使用する電力の大部分、少なくとも半分以上は、ばね用モータ33等の発電によるものであることが好ましい。
【0082】
また、開駆動ユニット72aおよび閉駆動ユニット72bを設けた構成として説明したが、必要に応じて開駆動ユニット72aおよび閉駆動ユニット72bのいずれか一方のみを設けた構成でもよい。
【0083】
さらに、エネルギ蓄積手段からの作動用エネルギに基づいて作動する作動手段41は、開閉体21、制御手段30および受信手段35の少なくとも1つで構成してもよい。例えば、ばね用モータ33の発電による電力を、開閉体21の作動に用いることなく、操作手段36に関する制御、障害物感知制御(障害物回避動作等の開閉体動作を除く)、論理回路部の制御等に用いるようにしてもよい。ただし、ばね用モータ33の発電による電力の全部または一部を開閉体21の作動に用いることが好ましい。
【0084】
また、作動用エネルギに基づいて作動する開閉体としては、開閉等の動作の際、モータ等の電力駆動による作動のみでなく、自重降下のように電力を用いずに閉動作を行うが、閉動作開始のきっかけとなる開閉体保持ブレーキ開放や閉動作開始時のみモータ駆動を必要とする構成の開閉体でもよく、かかる構成の開閉体の作動にばね用モータ33等の発電による電力を用いるようにしてもよい。つまり、エネルギ蓄積手段からの作動用エネルギに基づく電力を開閉体の開や閉動作の所定のある段階にのみ用いるようにしてもよい。なお、自重降下以外の例として、開放や閉鎖動作のために、ばね等の力学的エネルギを用いる構成でもよい。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のような作動用エネルギを化学的エネルギの形態で繰り返し蓄積するバッテリ等に比べて、作動用エネルギを力学的エネルギの形態で繰り返し蓄積するエネルギ蓄積手段としてのコイル状のねじりばねの寿命が長いため、従来のバッテリ等を用いた構成に比べて、保守管理を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開閉装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 同上開閉装置の概要図である。
【図3】 本発明の開閉装置の関連技術を示す斜視図である。
【図4】 同上開閉装置の概要図である。
【図5】 従来の開閉装置の斜視図である。
【図6】 従来の開閉装置の概要図である。
【符号の説明】
11 開閉装置としてのシャッタ装置
16 ボックス
19 巻取軸
20 開閉体用モータ
21 開閉体
30 制御手段
31 太陽電池
33 ばね用モータ
34 ねじりばね
Claims (2)
- 自然的エネルギを電気的エネルギに変換するエネルギ変換手段としての太陽電池と、
電力を発生させる発電機能を有し、前記太陽電池からの電気的エネルギにより駆動力を発生させる動力発生手段としてのばね用モータと、
このばね用モータからの駆動力を受けて弾性変形することにより作動用エネルギを力学的エネルギの形態で繰り返し蓄積し、この蓄積した作動用エネルギを弾性作用に基づく復元力により繰り返し放出する弾性変形可能なエネルギ蓄積手段としてのコイル状のねじりばねと、
このねじりばねからの作動用エネルギに基づく駆動力を受けて作動する開閉体と、
前記ばね用モータからの電力を受けて駆動力を出力することにより、前記開閉体を作動させる駆動手段としての開閉体用モータと、
細長箱状の開閉体収容手段としてのボックスと、
このボックスの左右両側面部間に回転可能に架け渡され、前記開閉体が巻取りおよび巻戻し可能に取り付けられ、前記開閉体用モータから駆動力を受けて回転する巻取軸とを備え、
前記ばね用モータおよび前記開閉体用モータは、前記ボックス内に配置され、
前記ねじりばねは、前記ばね用モータの回転軸に直結され、かつ前記ボックス内にこのボックスの長手方向に沿って前記ばね用モータの回転軸と同軸上に配置され、
前記ばね用モータの回転軸が前記ねじりばねの復元力で回転させられると、前記ばね用モータがこのばね用モータの回転軸の回転に応じて電力を発生させる
ことを特徴とする開閉装置。 - ボックス内に位置する制御手段を備え、
前記制御手段は、太陽電池の発電時には前記太陽電池からの電力で開閉体用モータの回転軸を回転させ、前記太陽電池の非発電時にはねじりばねからの作動用エネルギに基づくばね用モータからの電力で前記開閉体用モータの回転軸を回転させる
ことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
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