JP4707850B2 - 回収装置および回収システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水底地盤付近の汚泥や水などの回収物を回収する回収装置および回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
水底地盤の汚泥を回収するには、例えば、特開平9−302712号公報に開示されているように、汚泥を回収する回収装置が取り付けられた吸引パイプを台船から水底に伸ばし、真空発生装置などにより吸引して回収する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水底地盤付近の汚泥を回収するときには、汚泥の捲き上がりを極力抑えることが望ましい。回収のときに汚泥が巻き上がると、これに伴って濁水が周辺海域に広がってしまう他、汚泥内の栄養塩が溶出して広がるために生じる悪影響が懸念される。
特に、きわめて軽量な浮遊状の汚泥である「浮泥」を回収する場合には、周囲に拡散し易く、環境を汚染しやすいという問題があった。
【0004】
従来の回収装置および回収システムでは、水底地盤付近の水や汚泥などの回収物をある程度攪拌してしまい、これに伴って回収したい汚泥や水をその他のものと混合して回収していた。そこで、水底地盤付近の汚泥や水などの回収物だけを効率よく回収できる回収装置および回収システムが望まれていた。
【0005】
本発明の課題は、水底地盤付近の汚泥や水などの回収物だけを効率よく回収できる回収装置および回収システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜3に示すように、水底地盤P付近の汚泥や水などの回収物(例えば、浮泥)を回収する回収装置10であって、
前記回収物を吸引する吸引部11と、
該吸引部に前記回収物を吸引させる吸引力を付与する吸引手段(例えば、真空ポンプ30)と、
空気圧を調整可能に空気を封入すると共に、前記水底地盤に接地して前記吸引部を移動させるタイヤ12と、を備え、
前記タイヤが封入する空気圧を調整することにより前記タイヤが水中でうける浮力Cを調節し、前記タイヤが前記水底地盤に接地する圧力(例えば、接地圧F)を調節する接地圧調節手段(例えば、コンプレッサ40)を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、接地圧調節手段によりタイヤが水底地盤に接地する圧力が小さくなるように調節することで、回収のときにタイヤが水底地盤に接地する深さを調節できる。これにより、タイヤが水底地盤付近を掘り下げて汚泥を巻き上げたり、水底地盤付近の水を混合したりすることなく、水底地盤付近の水や汚泥などの回収物だけを効率よく回収できる。
さらに、吸引部が回収物を吸引する部分をタイヤに対して位置合わせしておくことで、特に水底地盤表面付近(厚さ10cm程度)の浮遊状の汚泥である「浮泥」を効率よく回収できる。
また、タイヤにより水底地盤の起伏にあわせて吸引部を移動させることができ、水底地盤の広範囲にわたって回収することも容易である。
【0008】
請求項2記載の発明は、例えば、図1、3に示すように、請求項1記載の回収装置において、前記回収物は、支持層Qのうえに該支持層よりも軟弱な汚泥からなる汚泥層Rが堆積する水底地盤の前記汚泥であり、前記接地圧調節手段は、前記タイヤ封入する空気圧を調整することにより回収装置本体が水中でうける浮力を調節し、前記タイヤが前記水底地盤に接地する圧力を、前記汚泥層の支持力Dよりも大きく、かつ、前記支持層の支持力Eよりも小さくなるように調節することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、接地圧調節手段により、タイヤは汚泥層を貫通し、かつ、支持層を掘り下げることなく支持層上に接地するようになる。これにより支持層の泥を吸引することなく汚泥層の汚泥だけを効率よく回収できる。
なお、吸引部が汚泥層に埋没する配置となると汚泥を攪拌して巻き上げる畏れがあるので、吸引部が汚泥を回収する部分が汚泥層上面よりも上方に配置されることが好ましい。
【0010】
請求項3記載の発明は、例えば、図1、3に示すように、請求項1または2記載の回収装置において、
前記吸引部は、吸引された回収物を回収するための回収パイプ14を備え、
該回収パイプがフレキシブルな素材からなることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏することができるとともに、回収装置が水底の起伏に沿って移動するにあわせて、回収パイプのフレキシブルさにより回収パイプの方向が自在に変わるようになり、さらに効率的よく回収できる。
【0012】
請求項4記載の発明は、例えば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の回収装置において、前記タイヤが着脱自在に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つと同様の効果を奏することができるとともに、水底地盤に応じて最適なタイヤを適宜選択できる。
例えば、タイヤ径が小さいために汚泥層に埋没すると、汚泥を攪拌して巻き上げる畏れがある。この場合には、タイヤが支持層に接地した状態でタイヤの上部が汚泥層から露出する程度に大径のタイヤを選択することが好ましい。
【0014】
請求項5記載の発明は、例えば、図1、2に示すように、請求項1〜4のいずれか一つに記載の回収装置と、
前記回収物を回収する水域まで前記回収装置を運ぶための台船20と、
前記回収装置により回収された回収物を回収場所(例えば、汚泥処理場60)へ運ぶための搬送手段(例えば、空気圧送システム50)と、
を備える回収システム1であることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一つと同様の効果を奏することができるとともに、台船により回収処理をおこなう水域まで回収装置を自在に運ぶことができ、回収された回収物は搬送手段により回収場所まで運ばれる。これにより、回収物を効率よく回収できる簡易なシステムが得られる。
【0016】
請求項6記載の発明は、例えば、図1、2に示すように、請求項5記載の回収システムにおいて、
前記搬送手段は、空気圧送により前記回収物を前記回収場所へ運ぶ空気圧送システムであり、
該空気圧送システムは、コンプレッサを有する空気圧送システム本体51と、該空気圧送システム本体から前記回収場所に至る搬送パイプ52と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項5と同様の効果を奏することができるとともに、空気圧送により回収物が回収場所へと迅速に運ばれ、回収の効率化にさらに寄与する。
【0018】
請求項7記載の発明は、例えば、図1、2に示すように、請求項6記載の回収システムにおいて、
前記台船には、前記吸引手段と前記接地圧調節手段と前記空気圧送システム本体とが装備されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、請求項6と同様の効果を奏することができるとともに、必要な装置が台船にまとめて装備されてコンパクト化に寄与すると共に、所望の水域に移動させることも容易である。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、図1〜3を参照して、本発明の第1の実施の形態の回収システム1を詳細に説明する。
回収システム1は、図1、2に示すように、砂質土などの安定した支持層Qと、支持層Qの表面付近(厚さが数cmから数10cm程度)にある浮遊状の汚泥(以下「浮泥」と称す)からなる汚泥層Rと、が堆積してなる水底地盤Pをもつ海域100において「浮泥」を回収する。
【0021】
図1、2に示すように、回収システム1は、水底地盤Pに着底して浮泥を回収する回収装置10と、回収装置10を曳航する台船20と、空気圧送システム50(搬送手段)とを主体に構成される。
空気圧送システム50は、図示しないコンプレッサなどを有する空気圧送システム本体51と、浮泥を陸上の汚泥処理場60(回収場所)まで運ぶための搬送パイプ52と、等から構成される。搬送パイプ52は数カ所にフロート52aが取り付けられ水面に係留される。搬送パイプ52を数10km程度の長さまで継ぎ足しても空気圧送システム50により浮泥を好適に圧送できる。
【0022】
図3に示すように、回収装置10は、下方に向かって拡巾しかつ下面が開放される略半円錐状の外枠11aをもつ吸引部11と、吸引部11に浮泥を吸引させる吸引力を付与する真空ポンプ30(吸引手段:図1参照)と、外枠11aのほぼ頂部から真空ポンプ30まで接続される回収パイプ14と、ほぼ水平に回転自在に配設されるシャフト13と、シャフト13の両端部に着脱自在に設けられると共に、吸引部11の左右にほぼ平行に配設される左右1対のタイヤ12と、タイヤ12に空気を入れるためのコンプレッサ40(接地圧調節手段:図1参照)とを主体に構成される。
図3に示すように、シャフト13のほぼ中央に位置規制して設けられる軸受13aが外枠11aに固定される。外枠11aの背面から下方に傾斜してタイヤ12の接地面に至る寸法の板材11bが設けられる。板材11bおよび回収パイプ14は、周知の弾性材料(例えばゴム材料)などのフレキシブルな素材からなる。これにより、回収パイプ14は、台船20に曳航される回収装置10にあわせて自在に向きを変えられると共に、板材11bは水底地盤Pに穏やかに接触する。
タイヤ12は図示しない空気供給部を備える。タイヤ12は予め台船20上でコンプレッサ40により空気供給部から空気が封入され、所定の空気圧に保たれている。図示しない圧力センサによりタイヤ12の空気圧が監視される。
【0023】
以上の構成により、台船20に曳航される回収装置10は、回収パイプ14が自在に向きを変えると共に、タイヤ12接地面と吸引部11下面とに間隔Lをあけた状態で、1対のタイヤ12により水底地盤Pの起伏に沿いながらスムーズに移動する。
【0024】
台船20は、真空ポンプ30と、コンプレッサ40と、空気圧送システム本体51と、海域100における台船20の位置を把握するためのGPSアンテナ21と等がまとめて装備されてコンパクト化が図られている。
【0025】
以下、本発明の実施の形態の回収システム1による回収方法を説明する。
初めに、海域100においてボーリング調査などによる事前調査を行う。支持層Qとそのうえの浮泥からなる汚泥層Rとでは含水比が大きく異なるため、支持力(圧縮強度)が大きく異なるが、ボーリング調査により支持層Qと汚泥層Rとの支持力を容易に把握できる。
【0026】
事前調査により把握した支持力の差に基づいてタイヤ12の空気圧を調節する。空気圧は以下の通りに設定する。図3(a)に示すように、回収装置10には、吸引部11が水もしくは汚泥を吸引するときに回収装置10の水中にある部分を沈降させる方向に働く反力Aと、回収装置10の水中にある部分による自重Bと、タイヤ12に封入される空気量に基づき回収装置10の水中にある部分を上昇させる方向に働く浮力Cとが作用する。
ここで、タイヤ12が水底地盤Pに接地する圧力(以下「接地圧F」と称す)は次の通りに定まる。
F=A+B−C
予め台船20上でコンプレッサ40によりタイヤ12封入する空気圧を調整しておくことで、水中で回収装置10に働く浮力Cを調整できる。これにより接地圧Fを自在に調整できる。すなわち、反力Aと自重Bとの合力に対して浮力Cを調節することにより、タイヤ12が水底地盤Pに接地する接地圧Fを調節する(接地圧調節手段)。
【0027】
そして、接地圧Fは、汚泥層Rの支持力Dより大きく、かつ、その下の支持層Qの支持力Eより小さく設定しておく。
すなわち、D<A+B−C(=F)<E
なお、支持力D、Eは事前調査により予め把握されている。
このように設定することで、図3(a)に示すように、タイヤ12は汚泥層Rに入り込み、かつ、支持層Qの上面に僅かな圧力で接地する。これにより、タイヤ12が支持層Qを掘り下げることを抑制できると共に、吸引部11下方の浮泥が1対のタイヤ12と板材11bとからなる空間に仕切られる。従って、吸引部11からは汚泥層Rの浮泥だけが吸引され、支持層Qの泥まで併せて吸引してしまうことが抑制される。また、真空ポンプ30が生じる負圧が吸引部11下方で仕切られた浮泥に効率よく作用する。こうして、回収装置10が移動して巻き上げられる浮泥を最小限に防止でき、浮泥を効率よく回収できる。
【0028】
さらに、図3に示すように、吸引部11下面と汚泥層R上面とのあいだに間隔δがあくように接地させることが好ましい。
吸引部11が汚泥層Rに入り込んだ状態で、回収装置10を水底地盤Pに沿って移動させると浮泥が大きく巻き上げられる場合があるが、間隔δをあけることで、吸引部11の浮泥を吸引する部分が汚泥層Rの上方に配置され、穏やかに浮泥を回収できる。なお、吸引部11をシャフト13に対する上下方向に昇降自在に構成すると共に、台船20上から吸引部11の昇降量を制御できるように構成しても良い。この場合には間隔δの調整がさらに容易である。
【0029】
なお、タイヤ12は汚泥層Rに埋没しない外径をもつタイヤ12を選択する。本実施の形態では、タイヤ12がシャフト13の両端部に着脱自在に構成されており、外径を自在に選択できる。
この場合に、予めさまざまな外径をもつタイヤ12を準備しておき、タイヤ12に封入される空気圧と、この空気圧に基づいて回収装置10の水中にある部分がうける浮力Cと、の関係をタイヤ12ごとに把握しておく。また、タイヤ12は接地圧Fを軽減できるように軽い素材から構成することが好ましい。これにより、浮力Cを調整して接地圧Fを調節できる自由度がより高まり、さらに広範な用途に応用できる。
【0030】
次いで、回収装置10を台船20から水底地盤Pに着底させる。
タイヤ12の空気圧が上述のように調整されているので、タイヤ12は汚泥層Rに入り込み、かつ、支持層Qの上面に僅かな圧力で接地する。次いで、真空ポンプ30により負圧を生じさせて吸引部11から浮泥を回収する。浮泥は略半円錐状の外枠11aに沿って上方に吸い上げられて回収パイプ14を介して台船20上へと回収される。ここで必要に応じて、真空ポンプ30による吸引力を微調整しても良い。その後、空気圧送システム50により搬送パイプ52を介して速やかに陸上の汚泥処理場60へと運ばれ、汚泥処理場60で適宜処理される。
【0031】
なお、回収装置10を台船20から水底に着底させるには、真空ポンプ30を作動させて回収装置10を下降させる方向に働く反力A(上述)を利用しても良い。この場合には、特別な構成を要さずとも真空ポンプ30を作動させるだけで回収装置10を容易に着底させられる。
【0032】
こうして台船20により回収装置10を曳航しながら予定の領域の浮泥を回収していく。予定の領域の回収処理が完了したら、水底地盤Pから回収装置10を引き上げる。
以上により、本実施の形態の回収システム1を用いて浮泥が効率よく回収される。
【0033】
なお、台船20上のコンプレッサ40からタイヤ12に至る空気供給路を設けても良い。この場合には、台船20上からタイヤ12への空気の出し入れを制御でき、回収装置10を沈めたあとに空気圧を調節できる。
例えば、左右1対のタイヤに通じる中空部とこの中空部に空気を供給する供給口を有するシャフト13と、シャフト13の前記供給口とコンプレッサ40とを繋ぐフレキシブルなホースと、ある大きさの空気圧がかかったときに開放してタイヤ12に空気を供給する弁を有し、シャフト13の端部から左右1対のタイヤ12に至るスポーク状の供給路と、を備えて構成する。
【0034】
また、タイヤ12を駆動させるモータを設け、タイヤ12を自走式に構成しても良い。さらに、CCDカメラ、光源などを設け、台船20上で水底地盤Pの様子を監視できるように構成しても良い。
さらに、周知のセンサなどを用いてタイヤ12の回転数を計測できるように構成しても良い。この場合には、回収装置10の走行距離が簡易的に把握され、浮泥を回収した範囲を容易に把握できる。
【0035】
さらに、吸引部11下面の開放される部分の形状を小さくし、より穏やかに回収できるように構成しても良い。この場合には、浮泥の捲き上がりをより抑えられる。
【0036】
なお、回収装置10を台船20から水底に着底させる便宜のために、回収装置10を沈める自重をもつ錘(図示しない)を設けても良い。但しこの場合には、回収装置10の水中にある部分の自重B(図3参照)を増加させ、タイヤ12の接地圧Fを調節するためにより大きな浮力Cを作用させる必要がないように構成することが好ましい。例えば、着底するまでは回収装置10と一体となり、着底したのちに回収装置10から分離するように構成しても良い。さらに、回収装置10を引き上げるときに錘を回収できるように、回収装置10と錘とをロープなどで繋いでも良い。
【0037】
以上の本発明の実施の形態の汚泥回収システム1によれば、コンプレッサ40によりタイヤ12の空気圧を調整することで接地圧Fを調節できる。これにより、タイヤ12が支持層Qを掘り下げるなどして浮泥を巻き上げることが抑制され、浮泥だけを効率よく回収できる。さらに浮泥だけを選択的に回収できるので、汚泥処理場60におけるその後の処理も容易である。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
以下、第2の実施の形態の回収システムを詳細に説明する。
第2の実施の形態の回収システムは、第1の実施の形態と同様の構成からなる回収システムであり、水底表面近傍にある酸素濃度が低い貧酸素水塊を採水する。水底付近の貧酸素水塊は魚などの水中生物が生活する障害となる場合があり除去する必要がある。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態の回収システムによれば、第1の実施の形態と基本的に同様にして、タイヤ12が水底地盤に接地する接地圧Fを調整することで、タイヤ12が水底を大きく掘り下げることが抑制される。さらに、吸引部11下面と水底表面との距離を容易にかつ高い精度で調節でき、吸引部11が吸引する部分を貧酸素水塊の高さに位置合わせできる。これにより、貧酸素水塊とそれ以外の水とが混合されることなく、水底近傍の貧酸素水塊だけを効率よく採水して除去できる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。
回収システム1は上述のとおりに汚泥や貧酸素水塊を回収するにとどまらず、各種用途に転用できる。特に、水底近傍の水を攪拌したり表層付近の泥を巻き上げたりせず、水底表面近傍にある回収物だけを穏やかに回収する用途に適する。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、水底地盤付近の汚泥を巻き上げたり、水底地盤付近の水を混合したりすることなく、水底地盤付近の水や汚泥などの回収物だけを効率よく回収できる。特に、水底地盤表面付近の浮遊状の汚泥である「浮泥」を効率よく回収できる。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、支持層の泥を吸引することなく汚泥層の汚泥だけを効率よく回収できる。
【0042】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏することができるとともに、回収装置が水底の起伏に沿って移動するにあわせて回収パイプの方向が自在に変わりさらに効率的よく回収できる。
【0043】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つと同様の効果を奏することができるとともに、水底地盤に応じて最適なタイヤを適宜選択できる。
【0044】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一つと同様の効果を奏することができるとともに、水底地盤付近の汚泥や水などの回収物を効率よく回収できる簡易なシステムが得られる。
【0045】
請求項6記載の発明によれば、請求項5と同様の効果を奏することができるとともに、空気圧送により回収物が回収場所へと迅速に運ばれ、回収の効率化にさらに寄与する。
【0046】
請求項7記載の発明によれば、請求項6と同様の効果を奏することができるとともに、必要な装置が台船にまとめて装備されてコンパクト化に寄与すると共に、所望の水域に移動させることも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の回収システム1を示す図である。
【図2】図1の回収システム1において台船20から汚泥処理場60の周辺を示す図である。
【図3】図1の回収装置10を示す図である。
【符号の説明】
1 回収システム
10 回収装置
11 吸引部
12 タイヤ
14 回収パイプ
20 台船
30 真空ポンプ(吸引手段)
40 コンプレッサ(接地圧調節手段)
50 空気圧送システム(搬送手段)
51 空気圧送システム本体
52 搬送パイプ
60 汚泥処理場(回収場所)
C 浮力
D 支持力
E 支持力
F 接地圧
P 水底地盤
Q 支持層
R 汚泥層

Claims (7)

  1. 水底地盤付近の汚泥や水などの回収物を回収する回収装置であって、
    前記回収物を吸引する吸引部と、該吸引部に前記回収物を吸引させる吸引力を付与する吸引手段と、空気圧を調整可能に空気を封入すると共に、前記水底地盤に接地して前記吸引部を移動させるタイヤと、を備え、
    前記タイヤ封入する空気圧を調整することにより前記タイヤが水中でうける浮力を調節し、前記タイヤが前記水底地盤に接地する圧力を調節する接地圧調節手段を備えることを特徴とする回収装置。
  2. 請求項1記載の回収装置において、
    前記回収物は、支持層のうえに該支持層よりも軟弱な汚泥からなる汚泥層が堆積する水底地盤の前記汚泥であり、
    前記接地圧調節手段は、前記タイヤ封入する空気圧を調整することにより回収装置本体が水中でうける浮力を調節し、前記タイヤが前記水底地盤に接地する圧力を、前記汚泥層の支持力よりも大きく、かつ、前記支持層の支持力よりも小さくなるように調節することを特徴とする回収装置。
  3. 請求項1または2記載の回収装置において、
    前記吸引部は、吸引された回収物を回収するための回収パイプを備え、該回収パイプがフレキシブルな素材からなることを特徴とする回収装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の回収装置において、
    前記タイヤが着脱自在に設けられていることを特徴とする回収装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の回収装置と、前記回収物を回収する水域まで前記回収装置を運ぶための台船と、前記回収装置により回収された回収物を回収場所へ運ぶための搬送手段と、を備えることを特徴とする回収システム。
  6. 請求項5記載の回収システムにおいて、
    前記搬送手段は、空気圧送により前記回収物を前記回収場所へ運ぶ空気圧送システムであり、
    該空気圧送システムは、コンプレッサを有する空気圧送システム本体と、該空気圧送システム本体から前記回収場所に至る搬送パイプと、を備えることを特徴とする回収システム。
  7. 請求項6記載の回収システムにおいて、
    前記台船には、前記吸引手段と前記接地圧調節手段と前記空気圧送システム本体とが装備されていることを特徴とする回収システム。
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