JP4704424B2 - 殻入り卵の低温殺菌 - Google Patents

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Description

本発明は殻入り卵の低温殺菌に関する。特に、殻入り卵低温殺菌方法および殻入り卵低温殺菌装置に関する。本発明によれば、既に標準的な小売り卵容器に包装された殻入り卵の低温殺菌が、液状熱媒体(例えば熱水)を必要とすることなく、可能になる。
卵は、殆んどの文化圏で受け容れられている、高栄養価で、安価な食品である。生あるいは半料理卵の消費に伴なう主要な危険因子としての病原体腸炎菌(Salmonella enteritidis)の発現により、卵の安全性が世界的な関心事となっている。1993年までに腸炎菌の発生は多くの国で流行といえる割合に達している。サルモネラ属の2000の亜種の他のものとは異なり、この生物は、卵の殻の形成前に卵子または卵白に送られ、卵が生み落される前に卵に感染する。
英国のみをとっても、1991年に腸炎菌によるヒト食中毒が14500件確認されている。米国においては、卵の年間消費量は500億〜600億個と推算されているが、その1万分の1は、腸炎菌に感染しており、個人がある年に汚染卵を消費する確率は1/50にも達する。1993年以来、家禽群の管理法の改善に伴い、腸炎菌の発生は、減少しているが、この生物は家禽群から根絶されておらず、これは法による制限が酷しくない国にとっては、特に然りである。
腸炎菌は熱処理により死ぬものであり、卵の適当な調理によりこの生物を殺すことができる。しかしながら、特に仕出し料理および家庭料理において食品としての生卵の使用および部分調理卵の消費が現実にある。
そこで、腸炎菌食中毒の防止あるいは減少のために、卵は頒布前に低温殺菌するべきである。腸炎菌食中毒の危険が実質的にない卵の供給という点から離れても、低温殺菌により卵の保存期間は有意に増大される。
卵を生むめんどりの腸炎菌による感染およびその結果として卵内容物の汚染は、1980年代中頃よりヒト・サルモネラ症の増加をもたらしている。他の亜属の感染経路が殻を経由してのものであるのに対し、腸炎菌の感染経路は卵巣を経由するものである。
機械的および化学的抑制因子により、新鮮な卵の卵白中の腸炎菌および他の経殻汚染物質の増殖を抑制することができる。新鮮な卵白は、高い粘性を有し、卵に生物学的構造を与えて、壊れ易い卵黄を殻およびその膜から離間保持するように組織されている。新鮮な卵白は、微生物の増殖阻害因子を含んでいる。例えばグラム陽性菌に対する抗生物質であるリゾチームおよび金属イオンに結合してFe+++を微生物に利用不能とするコナルブミン(オボトランスフェリン)がある。他の阻害因子として、リボララビンと結合するオボフラボ蛋白および卵阻害因子等の抗トリプシン因子がある。卵白が老化するにつれて、粘度および阻害作用が低下する。卵黄の周囲の卵黄素膜の劣化により、卵黄内容物の卵白への洩れ出しが起り、卵白中の生存微生物の急速な増殖を惹き起す。卵の保管温度が卵白老化速度を決定する支配因子となる。
全殻卵中のサルモネラおよび腐敗性微生物の制御は多面的である。家禽の一般に高いサルモネラ感染速度および卵鶏の無症状卵巣感染は、集中飼育、強制脱羽および食餌蛋白補給剤としての汚染動物副成物などと関連付けられてきた。卵の約30%は、壊され、食品加工業界における卵製品にされてきた。これらの卵製品について、低温殺菌法は、充分に確立されており、サルモネラの負荷を約5桁(5logs)低減することを意図している。壊される卵についての主たるサルモネラ源は、殻上の新鮮な糞便質であり、その負荷は新たに貯められた新鮮な卵内容物において大になる。貯められた卵黄、貯められた全卵および貯められた卵白は、卵製品の熱的安定性の差異を反映して、異なる温度で殺菌される。
全殻卵の殺菌は、卵製品の殺菌より、はるかに問題であり、必要な対象微生物の減少と、卵白品質の維持とをバランスさせなくてはならない。
下表1に、卵白の組成と特性についての若干の情報を、また表2に卵白中の各種蛋白の特性についてのより多くの情報を示す。
Figure 0004704424
Figure 0004704424
特定の蛋白画分が変性する速度および温度に影響する因子は多くあるので、表1は単なる一般化に過ぎない。最も重要な因子の一つは、媒体のpHおよびイオン強度である。文献発表値における相当な差異は、主として蛋白画分が加熱された媒体のpHおよびイオン強度の差異によるものである。特に重要なこととして、グロブリンG3Aは、9.0を超えるpHにおいては、オボトランスフェリンに比べて、変性に対してはるかにより感受性となる。1〜2日経過した全殻卵は、9.0を超えるpH範囲であり、従って、オボトランスフェリンを熱損傷に対する標識蛋白として用いることが問題となる。液状卵の低温殺菌においては、通常塩あるいは緩衝剤の添加によりpHおよびイオン強度を変化させて、卵蛋白に対してより安定な環境を形成する。例えば、pH7においてはグロブリンG3Aは、60℃では変質が開始するに過ぎないが、pH9では内容物が60℃に到達したときには、ほぼ50%が変質する。卵の加熱処理の最初の段階において最初に観察される濁りにおいては、グロブリンG3Aが主役を果す。卵白は依然として液状であるが、グロブリンG3Aの変質が55℃で開始するのにつれて、“乳白”あるいは濁った外観を呈する。グロブリンG3Aの変質は、60℃では直ちに起り、5分後には50%が変質する。卵蛋白を損傷することなく、標的微生物である腸炎菌を死滅させる必要があるので、微生物に対して最大の熱を与え、卵蛋白には最小の熱を与えるように、効率的な卵への熱伝達を行うことが重要である。
卵黄蛋白は、卵白蛋白に比べて、より熱安定性である。しかしながら、標的微生物は卵黄中にあるので、卵白を損傷することなく、卵黄温度を充分に高く上昇させなくてはならない。これが、出願人によれば、卵の外部からの加熱媒体として水またはスチームを用いる従来の系の主要な問題である。腸炎菌の死滅に必要な温度に卵黄温度が到達するまでに、卵白がその熱に長時間曝露され、卵白に乳白色を与える過剰な沈殿が生じてしまう。卵白は一般に卵黄に比べてより熱感受性であるので、卵白を処理における卵品質管理の標識蛋白として使うべきである。
卵白は、4つの明確な層、すなわち外側の淡い白層、粘稠あるいは濃い白層、内側の淡い白層およびカラザ(提靭帯)含有層、からなる。全固形分は11〜13%である。蛋白が主要成分であり、1%までの炭水化物を含む。遊離炭水化物は、約5%がグルコースであり、残りが糖蛋白(マンノースおよびガラクトース)である。下表3に、卵白の層構造および水分量に関する情報を示す。
Figure 0004704424
下表4には、卵白、卵黄および全卵組成についての情報を示す。
Figure 0004704424
[発明の開示]
本発明の一つの観点によれば、温度上昇過程において、主としてマイクロ波照射により殻入り卵の卵白温度を、途中少なくとも一度温度上昇速度が低下するようにして、57℃〜60℃の温度に上昇させ、同時に、該温度上昇過程において、該卵の外表面温度を主として外部熱照射もしくは伝導により57℃〜70℃の温度に上昇させるか、あるいは代りにまたはこれに加えて、該卵からの熱損失を防止して該マイクロ波照射により該卵の表面温度を57℃〜70℃の温度に上昇させ;且つ低温殺菌過程において、マイクロ波照射および外部熱照射もしくは伝導により少なくともある時間前記温度を維持することを特徴とする殻入り卵の低温殺菌方法が提供される。
上記温度は、マイクロ波照射および/または外部熱照射もしくは伝導により、少なくとも10分間保持される。該温度を、マイクロ波照射および外部熱放射により、低温殺菌の一部の期間保持し、また外部熱照射もしくは伝導により低温殺菌の残部の期間保持することもできる。
卵を加熱雰囲気に保持することにより、卵からの放熱を防止することもできる。本発明の一つの態様によれば、卵の外表面温度は、57〜70℃の温度に上昇される。
好ましくは、前記温度は、15分以上、25分未満、例えば10〜20分間、維持される。低温殺菌過程において、低温殺菌期間の少なくとも一部の期間に卵にマイクロ波エネルギーを加えて、卵からの水分蒸発による温度低下を防止する。卵における、腸炎菌コロニー形成単位の対数低減量の最大化および熱損傷の最小化が、目標温度58〜59℃、保持時間15分により達成された。
有利には、前記温度の上昇および維持を約40分以内、より有利には約35分以内、最も有利には約30分以内、例えば約22〜25分間行い、腸炎菌コロニー形成単位の3以上、好ましくは5以上の対数低減量を達成する。
製品にマイクロ波を照射すると、内部で熱が直接発生し、製品が急速に加熱される。これは、エネルギーが、熱要素から、伝導または対流または放射により製品に伝達され、加熱速度を制約する従来方法とは異なる。マイクロ波加熱の他の利点は、選択加熱であり、ある種の物質は他の物質に比べてマイクロ波加熱により感受性であり、その結果マイクロ波エネルギーは前者に優先的に吸収される。マイクロ波加熱系には、加熱あるいは冷却されるべき熱要素はないので、系の熱遅れは小さく、熱源(マイクロ波フィールド)は瞬間的にオン・オフ可能である。誘電定数、誘電損失係数および卵へのパワー浸透深さの決定のための卵黄および卵白の誘電率測定によれば、卵白および卵黄はともに非常に高い誘電損失係数を有し、これはこれらがマイクロ波エネルギーを効率的に吸収することを意味している。パワー浸透深さは、マイクロ波パワーの50%が既に吸収された物質表面からの距離である。パワー浸透深さは、2.45GHz(小規模装置周波数)において卵白で約15mm、卵黄で約32mmである。これらのパワー浸透深さは、短い側であるが、それでも卵容積の全体に熱が発生するのに充分な長さである。しかしながら、2.45GHzにおいて共鳴効果が存在し、フィールドが卵の中心に集まり中心においては予測以上に早く加熱が起り、いわゆるホット・スポットを形成されるのが認められた。共鳴効果は卵の形状に依存し、個々の卵で異なる。ホット・スポットの形成を防止し、あるいは卵のより均一な加熱を得るために、他のマイクロ波周波数、例えば915MHz、を使用することが有利であり得る。
複数の卵について同時に低温殺菌を行うことが好ましい。これら卵は、少なくとも一部は、例えば卵トレイ上に置かれて、包装される。代りに、これら卵は、例えばローラー・コンベアのような、コンベア上に配列されることもある。全ての卵を、同一方向に(例えば空気溜りを頂部または底部に)して、包装および/または配列することが好ましい。
本発明の方法には、予め定めた重量範囲に基づいて、同時に低温殺菌する卵の選択段階を含めることができる。すなわち、予め特定した重量範囲に入る複数の卵を一緒に少なくとも部分的に包装し、マイクロ波照射、および熱放射または伝導により同時に加熱する。卵の重量範囲は、約10gまでと大きく、あるいは約5gとより小さく、あるいは約3gと小さくすることもできる。
卵白温度を、時間函数としての概ね逆対数曲線に従って減少する速度で上昇させることができる。これは、孔あきの伸長導波管を用い、卵を導波管の長手方向に移動させることにより達成することができる。
本発明の方法には、卵白および表面温度の上昇に先立って、卵を所望の初期温度に前調整する段階を含めることができる。これは、卵白および表面温度を正確に上昇および保持するのを助けるために有利である。
本発明の方法には、卵へのエネルギー供給を熱照射もしくは伝導のみにより、すなわちマイクロ波照射なしに、行う温度保持段階を含めることができる。この温度保持段階で、エネルギーを約1分〜約10分、例えば約5分、エネルギーを供給することができる。
本発明の方法には、卵を、30℃未満、好ましくは25℃未満、より好ましくは20℃以下、に冷却する、冷却段階を含めることができる。
本発明の別の観点によれば、マイクロ波を入射可能なマイクロ波凹みまたはマイクロ波凹み部分を有する昇温段;マイクロ波を入射可能なマイクロ波凹みまたはマイクロ波凹み部分を有する低温殺菌段;該昇温段に置かれた殻入り卵および該低温殺菌段に置かれた殻入り卵に、放射または伝導熱を与える加熱手段;および殻入り卵と該マイクロ波凹みまたはマイクロ波凹み部分との相対移動を行う移動手段;を含むことを特徴とする殻入り卵低温殺菌装置が提供される。
マイクロ波凹み(複数)を直結させ、使用時に、殻入り卵が昇温段のマイクロ波凹みから低温殺菌段のマイクロ波凹みへと直接に通過するように構成することができる。代りに、単一のマイクロ波凹みにより前記のマイクロ波凹み部分(複数)を区画することもできる。代りに、マイクロ波凹み(複数)を離間させることもできる。マイクロ波凹み(複数)が離間される場合、装置にはそれらの間に安定化段を含めることができる。安定化段には、例えば加熱空気の発生または受取手段を含めて、加熱することができ、これにより殻入り卵温度の安定化を補助することができる。
典型的には、温度保持段のマイクロ波凹みの卵入口端と低温殺菌段のマイクロ波凹みの卵出口端には絞り部を設け、これら端部を通って、マイクロ波凹みからマイクロ波が逸出するのを防止あるいは抑制することができる。
装置には、殻入り卵の卵表面温度を検知するための温度検知手段を含めることができる。温度検知手段には、赤外温度センサーが含まれる。
装置には、低温殺菌段の後に、保持段を含め、ここで殻入り卵を加熱雰囲気に保持可能とすることもできる。
装置には冷却段を含め、冷却手段により冷却段において殻入り卵を冷却するようにすることもできる。冷却手段には、冷却段へ冷却空気を送る冷却器が含まれる。
移動手段には、二つのマイクロ波凹みを通過するコンベアが含まれる。コンベアは、全部の段を通過するものであることが好ましい。コンベアは、可変速コンベアであり得る。
装置は、マイクロ波発生器を含み得る。典型的には、連続放射マイクロ波発生器を用い、二つのマイクロ波凹みに一定のマイクロ波パワー出力を発生させるようにする。すなわち、装置には、発生したマイクロ波を、典型的には不等の二つの部分に分割するカップラーを含ませ、より大なる部分を昇温段のマイクロ波凹みに供給し、小なる部分を低温殺菌段のマイクロ波凹みに供給するように構成することができる。典型的には、一以上の導波管を用い、発生したマイクロ波を、マイクロ波発生器からカップラーへと、またカップラーからマイクロ波凹み(複数)へと誘導する。
昇温段のマイクロ波凹みおよび/または低温殺菌段のマイクロ波凹みは伸長したものであり、長手方向に延長する導波アンテナを含むものとすることができる。好ましくは、導波アンテナは長手方向に離間した溝孔を含み、この溝孔からマイクロ波を出射させて、使用時に、低温殺菌段のマイクロ波凹みを通過する殻入り卵にほぼ均一なマイクロ波照射を照射するように構成する。
昇温段のマイクロ波凹みの導波アンテナは、昇温段のマイクロ波凹みに入ってくる卵に比較的高線量のマイクロ波を与えて、初期には卵白および卵黄の温度を急速に上昇させるような形態とすることができる。また、昇温段のマイクロ波凹みの導波アンテナは、昇温段のマイクロ波凹みを通過する卵に次第に減少するマイクロ波照射量を与えるような形態とし、受容されたマイクロ波照射量が概ね逆対数曲線状に減少し、且つ卵白および卵黄温度が概ね対数曲線状に上昇するようにすることができる。
本発明の方法および装置の有効性を示し、一連の実験手順を確立するために、一連の実験および試行テストを行った。これらについては、必要に応じて図面を参照しつつ、以下に説明する。
(卵の機能特性の測定)
卵の機能特性は、各種の蛋白の特性により決定される。従って、蛋白類の三次構造の変化により、卵の機能特性の変化が起る。グロブリンG3Aが最も熱感受性の蛋白であるため、これを卵機能変化の標識蛋白とした。泡安定性試験を行うために不完全卵を処理したが、グロブリンG3Aは変質により濁りを生じて起泡性の低下を示すために、処理後の卵白の濁りは、損傷の良好な表示となった。濁りは、いくつかの利用可能な分光光度試験および画像解析により測定した。卵白への処理効果を評価するための初期ふるい分けテストとして画像解析を選択した。卵の粘度も、卵の老化の判定のために、卵包装産業全般において測定されている。これは、卵白の異なる層の安定性の表示を与えるハウ単位(Haugh unit)の粘度測定により行われる。古い卵はより“流れ易く”なり、平らな表面で壊すと、より広く、低い厚さで広がる。ハウ単位は、業界における主要な基準であり、卵への低温殺菌処理効果の第二測定として選択した。
(試験微生物の選択)
本発明は、殻入り卵中の病原体Salmonella entericaの変種のenteriditis(腸炎菌)の制御に焦点を置いている。卵に関係する腸炎菌の菌株としては、ファージ・タイプ4(PT4)が最も一般的且つ研究された菌株である。PT16およびPT19に対する本発明法の効果についても若干の情報が得られはしたが、実験およびテストの全体に亘ってPT4菌株を使用した。増殖の遅滞期、すなわち最も耐熱性の段階、にある微生物を処理した。これは、(試行を通じて使用した)最も耐熱性の菌株を選択したこと、および(卵白は阻害効果を有するので)常に微生物を卵黄中に注入したこと、と相俟って最悪のケース・シナリオを与えたものである。
(腸炎菌PT4および卵中の腐敗性微生物の増殖の実効化)
<全殻卵中の腸炎菌の増殖>
PT4菌株を一夜増殖させ、洗浄し(×3)、更に採集してペレットとした。このペレットを再懸濁し、マクファーランド(McFaland)密度標準0.5(150×10cfu)に調整し、引き続いて約10cfuに希釈した。0.1mLを新鮮卵の卵黄に接種し、25℃で培養した。間隔をおいて、三個の卵の組(複数)を除き、内容物について、プレート・カウントを行った。図1に増殖曲線を示す。
PT16およびPT19菌株を新鮮卵の卵黄に接種した所、PT4と同じ時間で卵(静止期)1g当り、セル数が約10〜10へと増加し、生育力が示された。
<各種温度における貯めた卵白および貯めた卵黄中の腸炎菌PT4の増殖>
6個の卵を、卵黄と卵白に分離した。卵白を、磁気撹拌機上で、蛋白の機械的変質を起さずに、卵白を混合するに充分な速度で1時間に亘って混合し、均質化した。卵黄は15分間、均質化した。これら卵白および卵黄に、洗浄したPT4の懸濁液を接種し、25℃で2.5日間に亘ってPT4濃度を評価した。この実験を15℃および6℃でも繰り返した。結果を図2および図3にグラフで示す。PT4菌株は、貯めた卵黄中ではよく成長し、10℃以下で成長する、低温親和性のように見える。貯めた卵白中では全テスト期間に亘って、三つの培養温度のいずれにおいても、この微生物の有意な増殖は認められなかった。
<分離して貯めた卵白および卵黄中の腐敗性微生物、緑膿菌、の増殖>
全卵中の腐敗性微生物の多くは、着色腐敗物を生ずる非腸性のグラム陰性菌である。典型的には、腐敗は、着色シュードモナス菌株により影響される。色素の生成は、Fe+++結合の脱キレートによるピオベルジンの生成と関連しており、これを微生物増殖に利用可能とする。明るい緑の色素を生成する蛍光シュードモナス菌株を実験に使用した。貯めた卵白および卵黄に、このシュードモナス菌株を接種し、5℃、15℃および25℃で培養した。結果を図4および5にグラフで示す。
このシュードモナス菌株は、試験期間を通じて、25℃で貯めた卵白および卵黄の双方においてよく増殖した。この微生物は、15℃において、卵白中では増殖しなかったが、卵黄中では増殖した。選択した菌株緑膿菌(ATCC27853)は、腐敗性微生物に対する本発明法の有効性確認のための適切な試験微生物と認められた。
<殻入り卵または全卵への接種方法>
非受精新鮮卵への接種経路として、卵黄接種の方が、卵白接種より実際的であると考えられた。新鮮な非受精卵を光に照すこと(egg candling)によっては、卵の構造成分の区別はできず、卵白への接種の実施および確認はともに困難であった。サルモネラおよび腐敗微生物の増殖は、卵白中よりは卵黄中の方が早く、これは実験的にも確認された。卵黄の脂質蛋白は菌細胞に耐熱性を与えるので、卵黄における減少は、感染部位が、自然感染卵では、卵白である全殻卵に対する本発明法の効果には、おそらくは、より低いあるいは最低の効果的なシナリオとなる。
接種方法としては、Grijspeerdtの方法(Grijspeerdt, K ; Herman, L;「卵のボイリング中のSEの不活性化」,Int. J. Food Micro, 82, 13-24頁)に従った。試験微生物の一夜培養は、大豆トリプトン浴(tryptone soya bath)中で増殖を行った。培養物は食塩水で洗い(×3)、洗浄済ペレットを得た。その後洗浄済ペレットを食塩水中に顕濁し、マクファーランド標準0.5まで稀釈した。洗浄懸濁液(0.2mL)を新鮮な重量測定済卵(複数)(1gの範囲)の卵黄に接種し、このシリーズを一夜培養した。各マイクロ波試験の開始に当って、このシリーズの6個の卵を除き、貯めた卵内容物のグラム(g)当りの静止相カウントを行った。平均対数カウントを決定した。このシリーズの残りの卵を、マイクロ波試験に供した。マイクロ波照射による加熱後、卵を壊してあけ、卵白の状態を評価した。内容物を食塩水中で30秒間消化(stomaching)して、均質化した後、プレート上カウントを行った。非処理シリーズのカウントの平均からセル数の対数減少を計算した。
<マイクロ波装置>
概ね立方形のマイクロ波凹みを2kW可変電源に取付けて、マイクロ波装置ないしオーブンを形成した。マイクロ波凹み内の、マイクロ波導波管の入口の前にアルミニウム撹拌具を取付けた。この撹拌具により、マイクロ波を偏向させマイクロ波フィールドを均一に拡大した。卵を、その尖った端部が下向きになるように紙コップに載せ、凹み中の個所には耐水マーカで印を付けた。各卵は、正確に同一個所で処理して、位置的な差により起り得る変化を除けるようにした。データ取得系に取り付けられた光ファイバー温度検知器(プローブ)を各卵内に挿入した。プローブを挿入するために、各卵の頂部に小孔をドリルで穿った。これにより、プローブを卵の中央部で各時点において同一の高さに挿入した。そして、コンピュータに設けたFisco Technologies(カナダ)供給のソフトウェアを用いて卵内部の温度を測定し、記録した。温度記録の目的は、卵を過加熱することなく処理し、且つ同時に標的微生物(腸炎菌)を充分に死滅させることにある。処理後の卵は実験台上に放置して冷却した。上記の仕組みでは、一時に1個の卵の処理が行われた。
同一質量の卵でも形は有意に異なり、マイクロ波照射中の卵内のホット・スポットの位置の問題が生じ得る。同一長さのプローブをいつも用いると、異なる卵については、センサーの存在するプローブ尖端の底部からの位置は異なり得る。これにより、二つの有意に異なる検出温度勾配が生じた。プローブが卵のホット・スポットにあれば、卵の内部温度は適切に制御され、卵白の損傷のない処理卵が得られる。しかし、プローブがホット・スポットを見失うと、PID制御器が遅い勾配のみを検出し、速い勾配に従って上昇したホット・スポットにおいて内部に凝固部を有する卵が生成した。プローブが実際にホット・スポットにあるか否かを、各処理の最初の数秒で確定することが極めて重要であった。データにおける一般的な傾向から、卵のホット・スポットの加熱速度は各卵について類似しており、ホット・スポットの位置はこの加熱速度に影響しないと一般的に結論付けられた。
(低温殺菌の試行)
<熱空気ブランケットなしでの瞬間低温殺菌>
目標内部温度に到達するまで卵にマイクロ波を照射して、卵の低温殺菌を行った。目標温度は58℃から60℃と変化させた。その温度に到達したときにマイクロ波処理を停止した。
<熱空気ブランケット中のPID制御のあり−なしによる低温殺菌>
上記瞬間低温殺菌処理によっては、微生物の充分な死滅が達成されないことが判明し、それは処理後の殻温度が低いことに起因すると判定された。より制御された加熱を可能にするために、マイクロ波装置に空気ヒータを取付けた。空気温度は56〜64℃とされ、マイクロ波照射と熱空気ブランケットの同時組合せにより、処理を繰り返した。熱空気は主として、卵表面から熱損失を防止するものであり、熱空気から卵内部への熱伝達はマイクロ波加熱速度に比べて遅いので、実質的に別途の加熱作用は有さなかった。
<PID制御付き>
卵中に挿入した光ファイバー温度検知器(プローブ)と連動したPID制御器を設けた。PID制御器は特定の目標温度を達成するように設定可能なものであり、且つマイクロ波電源制御器とも直接連動させた。このPID制御器により卵内部のホット・スポット温度が1℃の範囲内で制御可能となり、制御された加熱方法の開発が可能となった。この目的はホット・スポットの過熱を防止し、且つ卵表面からの熱の逸失を(卵の周囲の熱空気により)防止しつつホット・スポットから卵の残りの部分への徐々の熱伝達を許容して、卵を徐々に加熱することにある。卵は、卵内のホット・スポットの過熱なしに、58℃を超える表面温度まで15分以内で加熱できた。
PID制御器を用いた低温殺菌中の卵の全温度プロファイルを図6、7および8に示す。図6は、内部温度59℃に加熱された15分間保持された卵の内部温度を、図7は、内部温度57℃に加熱された30分間保持された卵の内部温度を、図8は、内部温度57℃に加熱された35分間保持された卵の内部温度を、それぞれ示す。各図において、卵ホット・スポットにおける内部記録温度、IR温度センサーにより検出された最終卵表面温度および既知量の腸炎菌の対数減少を示す。
接種卵の水浴浸漬による元気付けられる結果に引き続いて、卵の目標および保持温度を57℃に設定して試行を開始した。しかしながら、35分後においても、最大腸炎菌対数減少として3.7が得られただけであった。この温度での保持時間を40分に伸ばすと、沈殿および卵外の濁りが生じた。そこで、目標温度を上昇して実験することに決定した。目標温度59℃において、わずかに15分間の保持時間で、卵白の損傷なしに最大対数減少3.24が得られた。IR温度センサーで検知された卵表面温度(以下、「IR温度」という)は変化し、IR温度として58℃以上が充分な対数減少を得るために必要であるように思われる。IR温度は処理時間の終了後に測定され、これは処理の終点における卵表面温度を示す。IR温度は卵の回りの空気温度に大きく影響され、これは卵表面からの熱損失の防止を助ける。
<温度プローブなしの低温殺菌>
卵に挿入した光ファイバー・プローブを用いる各種の試行に基づいて、プローブの挿入の必要なしに卵を加熱する方法が開発された。プローブなしに卵を処理する工業的立ち上げと同様に、これは処理の繰り返しを必要とした。以下に述べる方法は、実験室規模の装置用に開発されたものであり、これにより、卵内部に白濁部を形成させることなく卵の制御された加熱を可能とした。方法が成功するためには以下の規準が重要であることが示された。
・特定の卵の処理群においては、互いに1g以内の重量差の範囲内でなければならない。・卵(複数)は、同一の初期温度でなければならない(卵は30℃で一夜接種された。)
・マイクロ波の可変出力を充分なレベルに制御しなければならない。
・熱空気ユニットを充分なレベルに制御しなければならない。
・オーブン内が適切に断熱されていないのであれば、実験室を一定温度としなければならない。
開発された方法は、次の工程を含み、IR温度センサーを使用するものであった:
・接種した卵を30℃の培養器中で一夜培養する。
・マイクロ波凹み内の区別された位置に卵を置き、蓋を閉める。
・熱空気中で卵を2分間平衡化する。
・第1加熱サイクル:出力設定を約18にして2分間加熱、出力ユニットの表示は変動するが44Wを超えてはならない。出力の読みは平均35〜37Wとする。
・2分間スイッチ・オフ。
・第2加熱サイクル:第1加熱サイクルと同様に出力設定を18にして90秒間加熱。
・2分間スイッチ・オフ。
・第3加熱サイクル:出力設定を約4にして8分間加熱して(表示は17Wを超えてはならず、平均12−14W)、低温殺菌温度とする。
・1分間スイッチ・オフ。
・低温殺菌。第3加熱サイクルで確定した出力設定で1分間加熱。時刻(「保持時間」の開始)を記録。3分間スイッチ・オフ。1分間加熱−3分間休止を、保持時間20分の終りまで継続(すなわち、5回のオン/オフサイクル)
・最終の3分間休止の終り(20分サイクルの終り)に、IR温度センサーの温度表示を記録し、卵を取り出す。
PID制御器を用いた試行により得たベース・ラインデータを用いて、マイクロ波入力、時間および卵表面温度のIR測定に基づいて、上記方法を開発した。卵の内部温度を光ファイバー・プローブを用いて記録したが、プローブはPID制御器と非接続とした。温度プロファイル、IR測定および腸炎菌の対数減少の結果を図9〜13に示す。図9はこの方法における基本的な温度プロファイルを示す。保持時間を延長するか短縮するかの点を除いて、処理(複数)を通じて、このプロファイルは同一に維持した。図9の処理機は:A=44Wによる速い加熱、B=スイッチ・オフ、C=IRの読みに基づく12−14Wの遅い加熱、D=オフ(短い休止)、E=遅い加熱(12−14W):F=オフ(長い休止)、G=冷却、の通りである。図10において、卵(複数)間の質量差は、これらの条件で試験した範囲において、検出されたホット・スポット温度に対し有意な影響を与えていないように思えた。図11において、沈殿あるいは「くもり」の発生は卵の内部温度と関連しており、低温殺菌処理後のより良い卵白品質の実現のために高温での短時間処理(58−59℃で保持時間15分)に焦点を絞ることに決定した。図12に適度に低温殺菌された卵の温度プロファイルを示す。6を超える対数減少が達成された。但し、3未満の減少は懸念される。図13に示す対数減少データを得るために、この実験を繰り返した。この試行において経験された一つの問題は、卵に注入した接種物の変化である。処理する卵に注入するものと同じ接種物が注入された6個の卵を対照サンプルとする。問題は、生存微生物の回収および対照数が同一の卵で行えないことである。6個の卵の群において、微生物量は2桁も異なり得る。これにより、図13に示す生存微生物数最終測定値の変化を部分的には説明し得る。図13には、対数減少を対照の平均カウントからとともに、対照の最高および最低から計算した対数減少を示している。計算方法自体に2桁の実験誤差を示しており、例えば卵の表面温度の変化をもたらす空気温度制御などの他の問題による変化を考慮すると、対数減少における大きな変化は部分的には説明可能である。しかし、保持時間を15分から20分に増大しても微生物カウントをより効率的に減少してないと思われるのは注目に値する。この傾向は他の実験においても認められた。15分間処理後において5を超える対数減少が多くの場合に得られた。(図12の結果は図13に貯えられていないし、この傾向を示す多くのデータの組が生成されている)。図13は、4組のデータの要約に過ぎない。図13で処理された卵は全て“完全に生”、すなわち、沈殿/くもり/乳濁なし、と記載された。
加熱の初期段階(図9の処理域A、BおよびC)は、問題を生ぜず、偶発的に過剰の過熱が起ったときのみ、卵白に可視可能な変化を与えた。卵白の変化は、この方法において、異なる長さの保持時間を与えたときのみ、検知された。保持時間15分では、濁りはより少なく、殆んどの卵では完全に透明であった。濁りは、消費者の観点から、また卵白の泡立ち性に対する影響から低温殺菌卵の受け入れ可能性に影響する。
局所過熱の卵白外観への影響についても検討した。110Wで2.5分間卵を加熱して局所凝固を形成した。“遅い勾配”の処理時間に付したいくつかの卵を、処理後に注意深く(尖った)底部において開けた。卵黄基部から出発する竜巻形に卵白が凝固しているのが見出された。しかしながら、初期凝固がいつも同一点から出発しているのではなかった。凝固は卵黄の底半分の異なる点から出発しているように思えた。卵黄は凝固せず付着した卵白部分のみが凝固していた。ホット・スポットが、この位置、すなわち卵黄底部と卵の底部の間、にあり、これが卵黄から下向きに種々の点で発達するように思える。プローブは卵の中央部に挿入したので、挿入したプローブによりホット・スポットを見出すのは困難であった。しかしながら処理条件はホット・スポットの温度感受性に従って設計され、ホット・スポットの加熱速度は、それがどこにあれ、同一であると仮定する。温度プローブを挿入する必要なしに処理の繰り返しが行われたので、この仮説が正しく、大規模装置の設計の基礎として使用可能であると思われる。(ある卵の頂部を除き、それを別の殻のキャップにより再び覆って)、卵黄と卵白にそれぞれプローブを挿入することにより、ホット・スポットから離れた卵黄と卵白の加熱速度が同様であることが確認された。ホット・スポットの形成は、卵内部のマイクロ波の共鳴効果による可能性があり、定性的データが得られただけであるが、尖った底部を有する卵の方が、丸い底部を有する卵に比べ、これらホット・スポットを急速に且つ安定的に形成せしめ、容易に発達せしめるように思われる。一般的に云えば、この底部は卵の空気だまりと逆側であり、空気だまりは頂部にある。ある卵(複数)は形が極めて不揃いであり、他のもの(複数)においては、頂部と底部が類似しており、頂部と底部の区別が付き難かった。従って、卵は質量だけでなく、形も処理方法に影響を与えるように見える。
本出願人は、当初、卵を加熱雰囲気におく必要はなくマイクロ波のみにより加熱できると思っていた。外見的に許容され、卵白の損傷のない卵は、マイクロ波照射のみにより生成可能であったが、驚くべきことに、標的微生物腸炎菌の対数減少は不適当(1桁あるいはそれ以下の減少)であった。これに対し、マイクロ波と卵表面からの熱損失を防止する熱空気の同時使用が驚くほど効果的である。事実、処理後の卵表面温度が、明らかに本発明法の低温殺菌効果に影響する。他の驚くべきことは、たとえ特定の内部温度の卵を同一温度の熱空気中に置くとしても、卵を熱空気雰囲気のみに目標保持時間(15〜20分間)に亘って保持することはできないということである。卵の内部温度は低下したので、低強度マイクロ波エネルギーを、保持時間中連続的に加えなければならないことが知見された。この保持中の温度低下は卵表面からの水分蒸発に帰することができる(例えば、58℃の卵を58℃の熱空気雰囲気に置くと、殻からの水分蒸発により、3分毎に2℃の温度低下を生ずる)。各処理中に、卵が0.9gまでの水分を失うことが認められた。この効果は、卵表面に鉱油を塗布することにより減少できるが、それを完全に除去するものではなく、低エネルギーマイクロ波/熱空気保持の組合せユニットの必要性は残る。このように、卵殻(外表面)温度58℃に達するまで、マイクロ波のみで殺菌することはできない。空気温度20〜25℃においてマイクロ波照射のみにより1時間もの保持時間を置いても、表面温度は52℃に到達したのみであった。
本発明に従う小容量殻入り卵低温殺菌装置の概略図を示す図14を参照して本発明を更に説明する。
図14を参照して、小容量殻入り卵低温殺菌装置は参照数字10で示される。該装置10は、移動手段として、コンベアベルト12を含み、これは搭載段(ステージ)14、昇温段16、安定化段18、低温殺菌段20、保持段22、冷却段24および荷おろし段26を通過する。
コンベアベルト12はシリコンベルトからなる。シリコンベルトは、マイクロ波および食品とともに、適合性があり、清浄化容易であることが有利である。コンベアベルト12は、減速ギアボックス(図示せず)を備えた可変周波数ACモータにより、最小速度0.15m/分から最大速度0.3m/分に、±0.004m/分の精度で駆動される。これにより、卵3個/分〜6個/分の低温殺菌速度を与える。搭載段14から荷おろし段26までのコンベアベルト12の長さは約6.1mである。
装置10には、マイクロ波発生器(図示せず)および生成マイクロ波を二つの部分に分ける10dBのカプラー(図示せず)が含まれる。マイクロ波発生器は、最大マイクロ波出力2000W、最小マイクロ波出力約50Wを有し、2.45GHzで動作する。カプラーは導波管28および導波管30に結合され、マイクロ波発生装置から発生したマイクロ波を昇温段16および低温殺菌段20に導く。
昇温段16および低温殺菌段20は、それぞれマイクロ波凹み32を有し、使用時にはこれにマイクロ波が入射される。低温殺菌段20には、長手方向に延長する伸長した導波管34が含まれ、この導波管34は複数の長手方向に離間した溝孔を有し、これらを通してマイクロ波が照射される。同様に昇温段16には、長手方向に延長する伸長した導波管35が含まれ、これも複数の長手方向に離間した溝孔を有する。
マイクロ波絞り36が、昇温段16の入口端部に設けられ、マイクロ波絞り38が低温殺菌段20の出口端部に設けられる。
昇温段16と低温殺菌段20は各々、専用空気ヒータ(図示せず)を有する。各空気ヒータは、流量制限器、ファンおよびヒータボックスを有し、PID制御器で制御される。PT100センサー(図示せず)を使用して、空気温度を測定し制御する。これらの温度センサーは、昇温段16および低温殺菌段20のそれぞれに加熱空気が流入する位置に設けられる。空気ヒータは、各々7m/hourの容量を有し、温度範囲として外気温〜70℃まで精度±0.5℃の空気を送る。
冷却段24は、凝縮器、蒸発器および循環ファンを有する単独の冷却器(図示せず)を有する。冷却器は、2kWの容量を有し、温度5℃の冷却空気を生成する。
使用時には、搭載段14においてコンベアベルト12に6個の卵トレイが置かれる。これらの卵は、絞り36を通って、昇温段16のマイクロ波凹み32に入り、ここで、連続的に卵にマイクロ波を照射して選択された加熱プロファイルを達成する。卵の最終の目標ホット・スポット温度を59.5℃とし、これは理解されるように、コンベアベルト速度とマイクロ波強度により決定される。コンベアベルト速度0.15m/分については、マイクロ波出力900Wで照射時間600秒が必要となる。卵が長手方向に昇温段16を通過するに従い、卵に吸収されるマイクロ波パワーは逆対数曲線に沿って低下するが、卵白および卵黄温度は対数曲線に沿って上昇する。同時に卵の外表面温度は、マイクロ波照射および昇温段16に供給される熱空気により、57℃−60℃の温度域に上昇される。昇温段16を出ると、卵は約1分間に亘って、安定化段18を通過し、卵の内部および表面温度が安定化される。
卵は安定化段18を出、低温殺菌段20に入り、ここで約10分間のマイクロ波照射を受ける。低温殺菌段20においては、マイクロ波と熱空気の併用により、卵の内部および外部温度が維持される。低温殺菌段20における卵は、段20の長さに沿って溝孔付きアンテナ34から均質なマイクロ波照射を受ける。
低温殺菌段20を出た卵は、マイクロ波絞り38を通り、保持段22を通過する。保持段22における卵の滞留時間は約5分である。保持段22もまた熱空気の供給を受け、保持段22中の卵は、マイクロ波照射は受けないが、熱空気からエネルギーを受ける。
保持段22を出た卵は、冷却段24を滞留時間約5分で通過する。冷却段24において、卵は冷却空気により最終表面温度約20℃まで冷却され、次いでトレイ入り卵は、荷おろし段26においてコンベアベルト12から取り除かれる。
以上説明したように、本発明によれば、既に包装された卵が、低温殺菌され、且つ完全に乾燥状態で低温殺菌される。卵は、包装された卵容器内の位置と同様の静止位置においてうまく低温殺菌された。したがって、包装された卵を、低温殺菌装置の各種ゾーンをコンベアに載せて移送することとは別に個々の卵を回転あるいは動かすことなく、処理することができる。低温殺菌は、マイクロ波エネルギーと熱空気の同時使用により、有意に減少した処理時間で達成され、従来の熱水浴システムに比べて、卵白品質の改善が得られる。本発明法は、以前に信じられていたように卵黄に存在するものではなく、卵黄の直下にあることが見出された卵のホット・スポットの加熱速度を特性付けることにより決定されたプロセス変数に基づき、大量の包装済み卵の低温殺菌を可能にすることが期待される。このホット・スポットの的確な制御により、卵白の損傷の少ない卵の生産が可能になる。
卵黄中の腸炎菌(PT4)増殖曲線。 種々の温度における貯められた卵白中の腸炎菌(PT4)の増殖曲線。 種々の温度における貯められた卵黄中の腸炎菌(PT4)の増殖曲線。 種々の温度における貯められた卵白中の緑膿菌の増殖曲線。 種々の温度における貯められた卵黄中の緑膿菌の増殖曲線。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる目標温度および保持時間における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる目標温度および保持時間における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる目標温度および保持時間における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる変数および殺菌結果における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる変数および殺菌結果における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる変数および殺菌結果における、時間変化を示すグラフ。 PID温度制御器を用いて本発明に従い低温殺菌中の卵内部温度の、異なる変数および殺菌結果における、時間変化を示すグラフ。 腸炎菌を接種し、PID温度制御器を使用せずに本発明に従い低温殺菌した卵の対数減少を示すグラフ。 本発明の殻入り卵低温殺菌装置の一実施例の概略図。

Claims (17)

  1. 温度上昇過程において、主としてマイクロ波照射により殻入り卵の卵白温度を、途中少なくとも一度温度上昇速度が低下するようにして、57℃〜60℃の温度に上昇させ、
    同時に、該温度上昇過程において、該卵の外表面温度を主として外部熱照射もしくは伝導により57℃〜70℃の温度に上昇させるか、あるいは代りにまたはこれに加えて、該卵からの熱損失を防止して該マイクロ波照射により該卵の表面温度を57℃〜70℃の温度に上昇させ;且つ
    低温殺菌過程において、マイクロ波照射および外部熱照射もしくは伝導により少なくともある時間前記温度を維持する
    ことを特徴とする殻入り卵の低温殺菌方法。
  2. 前記温度上昇過程において、卵を加熱雰囲気中に維持することにより該卵からの熱損失を防止する請求項1に記載の方法。
  3. 前記温度を15分以上、25分未満維持する請求項1または2に記載の方法。
  4. 複数の卵について同時に低温殺菌を行い且つそれらの卵の少なくとも一部が包装されている請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 全部の卵が同一方向に包装されている請求項4に記載の方法。
  6. 予め定めた卵の重量範囲に基づいて、同時に低温殺菌する卵を選択することを含む請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 卵白温度を、時間関数として概ね逆対数曲線に沿って低下する速度で上昇させる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記卵白および表面温度の上昇に先立って、該卵を所望の初期温度に前調整することを含む請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 該卵へのエネルギー供給を、熱照射もしくは伝導のみにより、即ちマイクロ波照射なしに、行う温度保持段階を、前記低温殺菌過程の後に、含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. マイクロ波を入射可能なマイクロ波凹みまたはマイクロ波凹みの一部分により形成される昇温段;
    マイクロ波を入射可能な別のマイクロ波凹みまたは前記昇温段を形成するマイクロ波凹みの下流側の部分により形成される、前記昇温段の後に配置された低温殺菌段;
    該昇温段に置かれた殻入り卵および該低温殺菌段に置かれた殻入り卵に、放射または伝導熱を与える加熱手段;および
    殻入り卵と該マイクロ波凹みまたは該昇温段を形成するマイクロ波凹み部分および該低温殺菌段を形成するマイクロ波凹みの部分との相対移動を行う移動手段;
    を含むことを特徴とする殻入り卵低温殺菌装置。
  11. 前記昇温段が一つのマイクロ波凹みにより形成され、前記低温殺菌段が別のマイクロ波凹みにより形成され、装置の操作時に、殻入り卵が昇温段のマイクロ波凹みから低温殺菌段のマイクロ波凹みへと直接に通過するように、これらのマイクロ波凹みが直結されている請求項10に記載の装置。
  12. 前記昇温段および低温殺菌段が単一のマイクロ波凹みにより形成され、該単一のマイクロ波凹みが前記昇温段を形成するマイクロ波凹み部分および低温殺菌段を形成する同じマイクロ波凹みの下流側の部分を含む請求項10に記載の装置。
  13. 前記昇温段が一つのマイクロ波凹みにより形成され、前記低温殺菌段が他のマイクロ波凹みにより形成され、これらマイクロ波凹みが離間しており、それらの間に、装置の操作時に殻入り卵温度を安定化する安定化段を更に含む請求項10に記載の装置。
  14. 安定化段が加熱されている請求項13に記載の装置。
  15. 低温殺菌段の後に、殻入り卵を加熱雰囲気に所定時間保つ保持段を含む請求項10〜14のいずれかに記載の装置。
  16. 温殺菌段のマイクロ波凹みが伸長しており、伸長した長手方向に延長する導波アンテナを含み、該導波アンテナが、マイクロ波を出射可能な長手方向に離間した複数の溝孔を含み、装置の操作時に、低温殺菌段のマイクロ波凹みを通過する殻入り卵にほぼ均一なマイクロ波を与えるように構成されている請求項11または13に記載の装置。
  17. 昇温段のマイクロ波凹みが伸張しており、伸長した長手方向に延長する導波アンテナを含み、該導波アンテナが、昇温段のマイクロ波凹みに入ってくる卵に比較的高線量のマイクロ波を与えて、初期には卵白および卵黄の内部温度を急速に上昇させ、昇温段のマイクロ波凹みを通過する卵には次第に減少するマイクロ波照射量を与えるように形成されており、受容されたマイクロ波照射量が概ね逆対数曲線状に減少し、且つ卵白および卵黄温度が概ね対数曲線状に増加することを可能にする請求項11または13に記載の装置。
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