JP4703894B2 - ゴキブリ用毒餌収納容器およびそれを用いたゴキブリ駆除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴキブリを駆除するために用いられるゴキブリ用毒餌収納容器およびそれを用いたゴキブリ駆除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴキブリの駆除には、粘着剤を用いた紙箱等の容器による捕獲や、液体状の殺虫剤の噴霧が一般的に用いられている。
【0003】
しかしながら、粘着剤を用いたゴキブリの捕獲は、容器内の粘着面積が限られることから、ある程度ゴキブリが粘着面に捕獲されると、さらなるゴキブリの捕獲は困難であり、また、粘着面積を確保するために容器の大きさが大きくなり、該捕獲器を設置することができる場所が自ずと限定されるという問題点を有している。
【0004】
また、ゴキブリの通り道等に広範囲に殺虫剤を噴霧することは経済的ではなく、また、安全性にも問題がある。そこで、効率的な殺虫剤の処理方法が求められてきている。
【0005】
そこで、残効性、経済性に優れた、ゴキブリの効率的な殺虫方法として、近年、ゴキブリの通り道、特にゴキブリが集まりやすい場所に毒餌を仕掛け、これをゴキブリに摂取させることにより駆除する方法が用いられている。このような毒餌は、無包装のままで使用すると、幼児やペットが誤って口にする可能性があり、安全性に問題があるため、通常、容器の中に収納した状態で使用される。
【0006】
この種のゴキブリ用毒餌収納容器としては、従来、例えば、矩形の底壁の長手方向両端部にのみ側壁が設けられ、両側壁が互いに接合された、毒餌の収納およびゴキブリが通過できる空間を有する三角形のトンネル状の容器内に毒餌を配したもの(意匠第729682号公報)や、内部に毒餌の収容が可能な円筒状偏平容器の四方に、ゴキブリの侵入が可能なトンネル状の通路からなる出入口を設けたもの(意匠第876832号公報)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のゴキブリ用毒餌収納容器は、ゴキブリを該ゴキブリ用毒餌収納容器内に誘引する誘引性能、並びに、該ゴキブリ用毒餌収納容器内に侵入したゴキブリを該ゴキブリ用毒餌収納容器内に長く留めておく潜伏性能が充分であるとは言い難く、ゴキブリをより効率的に駆除するために、さらなる改良が望まれている。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ゴキブリの駆除性能が従来よりも向上されたゴキブリ用毒餌収納容器およびそれを用いたゴキブリ駆除方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるゴキブリ用毒餌収納容器は、上記の課題を解決するために、ゴキブリ用毒餌収納部が設けられた底壁と、該底壁周縁部に沿って設けられた側壁と、上記底壁と側壁とで形成される空間部を覆う天壁とを備え、上記側壁には、上記ゴキブリ用毒餌収納部に通じる開口部が、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつ外に面して設けられ、上記開口部は、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記側壁における上記開口部の周縁には、上記底壁並びに側壁よりも外に突出する突出部が、上記開口部の形状に沿って、上記開口部の下端となる、上記底壁における開口部の形成部の縁部以外の部分に設けられており、上記空間部には、上記空間部内を分割するとともに、上記開口部と上記ゴキブリ用毒餌収納部とを連通する誘導路を形成する複数の仕切壁が設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、上記開口部が、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつゴキブリ用毒餌収納容器の外に面して設けられ、該開口部の周縁に、上記底壁並びに側壁よりも該ゴキブリ用毒餌収納容器の外に突出する突出部が設けられていることで、ゴキブリが、該ゴキブリ用毒餌収納容器内部に侵入し易く、また、落ち着いて接餌できる環境を得ることができ、高い誘引性能並びに潜伏性能を得ることができる。
【0011】
したがって、上記の構成によれば、ゴキブリの誘引性能や潜伏性能に優れ、従来よりもゴキブリの駆除性能が向上されたゴキブリ用毒餌収納容器を提供することができる。
【0012】
また、本発明にかかるゴキブリ用毒餌収納容器は、上記の課題を解決するために、上記突出部が、上記側壁における上記開口部の周縁に円弧状に設けられていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、ゴキブリの接触効果を高め、誘引性能がさらに向上されたゴキブリ用毒餌収納容器を提供することができる。
【0014】
なお、上記開口部としては、3つ以上形成されていることが好ましく、4つ、または5つ形成されていることがさらに好ましい。
【0015】
また、本発明にかかるゴキブリ駆除方法は、上記の課題を解決するために、上記ゴキブリ用毒餌収納容器を、内部のゴキブリ用毒餌収納部に、ゴキブリ用毒餌を収納した状態で、ゴキブリの侵入が可能な位置に設置することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、従来よりも高いゴキブリの誘引性能が得られると共に、上記ゴキブリ用毒餌収納容器内に侵入したゴキブリを該ゴキブリ用毒餌収納容器内に長く留めることができるので、従来よりも確実かつ効率的にゴキブリを駆除することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態について、図1(a)・(b)〜図7(a)・(b)(但し、図5は参考図)に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0018】
図1(a)は、本実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器(以下、単に容器と記す)の一例を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す容器の斜視図である。また、図2は、図1(a)・(b)に示す容器の正面図であり、図3は、図1(a)・(b)に示す容器の底板部材の構成を示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態にかかる容器1は、図1(a)・(b)〜図3に示すように、ゴキブリ用の毒餌を内部に収納する略円錐台状の偏平な容器であり、ゴキブリ用の毒餌を収納する毒餌収納部(ゴキブリ用毒餌収納部)12が設けられた底板部材10と、該底板部材10上方を覆う蓋体20とからなっている。
【0020】
上記底板部材10を覆う蓋体20は、天壁21と、該天壁21から垂設された側壁22とからなり、蓋体20の天壁21が円形、該天壁21から垂設された側壁22の枠(周縁部)形状が、平面視で底板部材10と同じ略円形状を有している。
【0021】
上記蓋体20は、底板部材10に着脱自在に配置され、上記側壁22が上記底板部材10の底壁11の周縁部に沿って、該底壁11上に設けられた毒餌収納部12の周囲を囲むと共に、天壁21が上記底壁11と側壁22とで形成される空間部を覆うように、上記底板部材10に係合されている。
【0022】
これにより、上記容器1は、上記蓋体20を底板部材10に係合した状態で、蓋体20と底板部材10との間に、ゴキブリ用の毒餌を収納すると共に、ゴキブリの移動が可能な空間(空間部)、好適には、ゴキブリが移動できるだけの大きさの空間(空間部)を保持している。上記蓋体20は、上記毒餌収納部12にゴキブリ用の毒餌を収納した後、上記底板部材10に係合される。
【0023】
上記側壁22には、その四方の下部に、切欠部23aが、蓋体20の中心に対して各々点対称となる位置に設けられ、上記底板部材10とそれを覆う蓋体20に設けられた切欠部23aとにより、上記底壁11を開口部下端、つまり、開口部23の床面とし、上記側壁22と面一かつ容器1の外に面した、複数(図1(a)・(b)〜図3に示す容器1では4つ)の開口部23を形成している。
【0024】
つまり、本実施の形態では、上記容器1の側壁22の四方に、容器1の中心に対して各々点対称に開口部23が設けられ、上記底壁11は上記開口部23から容器1の外側に突出せず、上記開口部23の側方には、開口部23と面一に側壁22が設けられている。
【0025】
また図3に示すように、上記底壁11における開口部23形成部の縁部11a以外の縁部には、上記底板部材10に上記蓋体20を係合すると共に、係合位置を示す位置決め部11bが各々設けられ、蓋体20における切欠部23a・23a間に設けられた位置決め部24と各々位置合わせされる。また、上記底壁11
における開口部23形成部の縁部11aは、例えば略直線状に形成されている。
【0026】
上記開口部23は、容器1内部、つまり、上記空間部にゴキブリが侵入するための出入口として用いられる。上記開口部23は、ゴキブリの大きさに応じて形成され、ゴキブリが通れるだけの大きさを有している。ゴキブリは、暗く狭い場所に集まる習性がある。このため、上記開口部23が、ゴキブリの触角あるいは背面が接触する大きさに形成されていることが、ゴキブリの接触効果を高め、ゴキブリを容器1内部に誘引する上で、好ましい。
【0027】
上記開口部23の形状、特に、その上縁部となる上記切欠部23aの形状は、特には限定されないが、余分な隙間を抑え、容器1内部を暗所に保ち、ゴキブリの接触効果を高める上で、ゴキブリの形状に合わせた円弧状、特に、開口部23の開口幅aが広く、開口高さbが開口幅aよりも小さい、いわゆる蒲鉾形に形成されていることがより好ましい。
【0028】
また、同様の理由で、上記底板部材10と蓋体20との間に形成される空間部は、好適にはゴキブリが通れるだけの大きさ、より好適には、ゴキブリが底壁11以外の部分にも接触した状態で移動(接触移動)することができる大きさに形成されていることが好ましい。例えば、上記底板部材10と蓋体20との間の間隙は、ゴキブリの触角あるいは背面が蓋体20の天壁21内表面に接触するように設定されていることが好ましく、また、上記空間内は、ゴキブリが接触移動可能な幅に仕切られていることがより望ましい。
【0029】
何れの場合にも、ゴキブリの出入口として用いられる上記開口部23は、全て、上記底板部材10と蓋体20との間に形成される空間部内に設けられた毒餌収納部12に通じている。
【0030】
上記底板部材10は、図2および図3に示すように、その底壁11が、中心部に向かって隆起し、昇り勾配(傾斜)を有すると共に、その頂点となる中心部が凹状に陥没して皿状の毒餌収納部12を形成している。ゴキブリ用の毒餌は、上記底板部材10の中心部に設けられた窪み(凹部)からなる毒餌収納部12に収納される。
【0031】
該毒餌収納部12として用いられる凹部には、ゴキブリ用の毒餌を固定するための突起13が3箇所に渡って設けられている。上記突起13は、その上面13aが切り立った形状を有し、これにより、ゴキブリ用の毒餌を、移動しないように安定して固定することができるようになっている。
【0032】
また、上記空間部内には、底壁11の頂点となる中心部に設けられた毒餌収納部12から各開口部23に至る仕切壁14が各々設けられている。
【0033】
上記蓋体20は、各開口部23の一方の側端部、例えば左側端部を、上記仕切壁14の開口部側端部に合わせるように上記底板部材10に係合される。
【0034】
上記仕切壁14は、四方の開口部23の一方の側端部から上記毒餌収納部12の接線方向に向かって斜め方向に、ゴキブリが通過できるように互いに離間して設けられ、これにより、容器1内に侵入したゴキブリを、各開口部23から毒餌収納部12に導く誘導路を形成している。各開口部23は、上記仕切壁14・14間に形成される空間(誘導路)により、上記毒餌収納部12の入り口に連通している。
【0035】
各開口部23の正面は、図2に示すように、各開口部23の一方の側端部から上記毒餌収納部12の接線方向に向かって斜め方向に延びる仕切壁14により阻まれ、また、隣り合う仕切壁14により、容器1内の内側ほど、つまり、上記毒餌収納部12の近傍ほど狭くなっている。
【0036】
このため、外部からの漏光を遮断し、上記蓋体20と底板部材10との間に形成される空間部を、ゴキブリが好む薄暗い状態に保持することができると共に、開口部23から容器1内に侵入したゴキブリが、隣り合う仕切り壁14・14間に形成される誘導路を通って斜め方向に移動し、毒餌収納部12に到達することで、迷路効果を生じるようになっている。
【0037】
また、上記各仕切壁14は、上記底板部材10の底壁11上に、各々、蓋体20に向かって延びるように立設され、上記蓋体20の天壁21の内表面あるいは、蓋体20に設けられた図示しない係合部材に当接あるいは嵌合することで、上記蓋体20を支持し、上記容器1に一定の強度を与えると共に、上記蓋体20と底板部材10との間に形成される空間部を一定に保持し、かつ、外部からの漏光を遮断し、上記蓋体20と底板部材10との間に形成される空間部を、ゴキブリが好む薄暗い状態に保持することができるようになっている。
【0038】
上記仕切壁14における仕切壁14と底壁11との境界部分(接合部)、つまり、上記仕切壁14の下部には、補強部14aが設けられ、仕切壁14の厚みを増すことで補強されている。
【0039】
このように、上記空間部内に、上記蓋体20を支持すると共に、上記空間部を分割する仕切壁14が設けられ、容器1内部を暗い状態に維持すると共に、迷路効果を有し、また、容器1内に障害をもたせることで、ゴキブリとの接触効果を有し、ゴキブリに対し、容器1内を快適な状態に維持している。また、上記仕切壁14は、その迷路効果並びに接触効果により、一旦、容器1内に侵入したゴキブリを容器1内に長く留めておく効果(潜伏性能)を有する。このように、一旦、容器1内に侵入したゴキブリを容器1内に長く留めておくことで、ゴキブリに確実に毒餌を食させることができ、また、毒餌の喫食量(摂取量)を高め、ゴキブリの殺虫効果を高めることができると共に、容器1内に潜伏するゴキブリあるいはゴキブリの糞等から発せられる匂い(フェロモン)により、さらにゴキブリを容器1内に誘引する効果(誘引性能)を得ることができる。
【0040】
また、上記仕切壁14が、開口部23の一方の側端部からのみ上記毒餌収納部12に向かって形成されていることで、上記開口部23における仕切壁14が設けられていない他方の側端部(つまり、上記底壁11における開口部23形成部の縁部11a以外の縁部部分)において、上記誘導路の幅が広くなっている。
【0041】
したがって、該部分で侵入するゴキブリと脱出するゴキブリとがすれ違うことができ、容器1内でゴキブリが身動きがとれなくなることはない。また、ゴキブリの出入口となる上記開口部23から毒餌収納部12に向けて昇り勾配(傾斜)が設けられ、上記仕切壁14が斜めに形成され、上記底壁11における開口部23形成部の縁部11a以外の縁部部分に上述した空間部(誘導路の幅が広くなっている部分)が形成されることで、ゴキブリの糞や毒餌の食べ滓は該部分(空間部)に溜まり、ゴキブリの糞や毒餌が容器1の外にこぼれ落ちるのを阻止することができる。
【0042】
また、上記誘導路が、上り勾配を有していると共に上記仕切壁14が斜めに形成され、開口部23の正面において障壁として機能することで、外部からの容器1内への水の侵入を抑制すると共に、粉塵などが容器1内に入り込み、毒餌を被い、殺虫効果を低減させることを防止することもできる。また、幼児やペットの体の一部(例えば指等)が毒餌に直接触れることがなく、誤食の防止にも有効である。
【0043】
なお、本実施の形態では、上記仕切壁14は、上記底板部材10側に設けた構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、蓋体20側に垂設されている構成としてもよい。また、上記仕切壁14並びに隣合う仕切壁14・14間に形成される誘導路は、蛇行していてもよく、折れ曲がっていてもよい。
【0044】
また、上記容器1は、ゴキブリの出入口となる上記開口部23から毒餌収納部12に向けて昇り勾配(傾斜)が設けられていることで、毒餌収納部12近傍ほど、上記底板部材10と蓋体20との間の間隙が小さくなり、ゴキブリが落ち着いて毒餌を摂取することができる空間が形成されている。
【0045】
なお、上記底壁11の傾斜は、ゴキブリの種類や、毒餌の量、容器1内部の広さ、誘導路の距離等に応じて適宜設定すればよく、ゴキブリの侵入を妨げず、昇降が容易であり、かつ、水や粉塵の侵入を阻止できる勾配であれば、特に限定されるものではない。
【0046】
また、上記各開口部23の上方には、上記底壁11よりも外側(容器1の外)に突出する庇25(突出部)が設けられている。上記庇25は、側壁22が底壁11の縁部に沿って設けられ、開口部23が側壁22と面一かつ容器1の外に面して形成されていることから、当然、開口部23の側方の側壁22よりも容器1の外に突出している。
【0047】
本実施の形態によれば、このように、上記底壁11を下端とし、上記側壁22と面一かつ外に面して設けられた開口部23上方に、上記底壁11並びに側壁22よりも容器1の外に突出する庇25が設けられていることで、ゴキブリに対し、高い誘引性能並びに潜伏性能を得ることができる。
【0048】
上記庇25は、上記各開口部23の上方に、上記底壁11並びに側壁22よりも外側に突出、つまり、上記底壁11並びに側壁22より水平方向に張り出し、上記側壁11における開口部23の縁部(周縁)に沿って設けられている。言い換えれば、切欠部23aの縁部(例えば縁部全体)、つまり、上記開口部23の上縁(開口部23の下端となる、底壁11における開口部23形成部の縁部11a以外の部分)に沿って設けられている。特に、上記庇25は、ゴキブリの形状に合わせて円弧状(蒲鉾状)に湾曲していることが、ゴキブリの接触効果を促し、外部からの容器1内部への漏光を防止し、容器1内へのゴキブリの誘引性能を向上させる上で特に好ましい。
【0049】
また、上記開口部23がゴキブリが通れるだけの大きさを有することで、上記容器1内部への漏光を抑制し、ゴキブリが侵入し易く、落ち着いて接餌できる環境を得ることができ、高い潜伏効果を得ることができる。
【0050】
そして、上記開口部23内部、つまり、底板部材10と蓋体20との間に形成される空間に、上記仕切壁14が設けられていることで、上記庇25により、ゴキブリの誘引効果のみならず、上記仕切壁14による迷路効果をより一層高めることができ、一旦、容器1内に侵入したゴキブリを容器1内に潜伏させ易く、ゴキブリに確実に毒餌を摂取させることができ、また、毒餌の摂取量(喫食量)を高め、ゴキブリの殺虫効果を高めることができると共に、容器1内に潜伏するゴキブリあるいはゴキブリの糞等から発せられる匂い(フェロモン)により、さらに誘引性能を高めることができるという相乗効果を有する。
【0051】
以上のように、上記容器1は、ゴキブリが侵入し易い侵入口と、ゴキブリが快適に毒餌を摂取することができる環境と、容易には方向変換して脱出できない空間とを有し、効率的にゴキブリを駆除することができる。
【0052】
また、図4(a)は、本実施の形態にかかる容器の他の例を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す容器の斜視図である。なお、図5は、参考図であり、上記図4(a)・(b)に示す容器の底板部材の構造を示す斜視図である。
【0053】
図4(a)・(b)に示す容器31は、ゴキブリ用の毒餌を内部に収納する略円筒状の偏平な容器であり、ゴキブリ用の毒餌を収納する毒餌収納部(ゴキブリ用毒餌収納部)42が設けられた底板部材40と、該底板部材40上方を覆う蓋体50とからなっている。
【0054】
上記底板部材40を覆う蓋体50は、天壁51と、該天壁51から垂設された側壁52とからなり、蓋体50の天壁51から垂設された側壁52の枠(周縁部)形状(平面視)が、底板部材40と同じ略円形状を有している。
【0055】
上記の容器31は、特に、小型のゴキブリの駆除に好適に用いられるようになっている。上記容器31もまた、蓋体50の取外しが可能であり、上記側壁52が上記底板部材40の底壁41の周縁部に沿って、該底壁41上に設けられた毒餌収納部42の周囲を囲むと共に、天壁51が上記底壁41と側壁52とで形成される空間部を覆うように、上記底板部材40に係合されている。
【0056】
これにより、上記容器31もまた、上記蓋体50を底板部材40に係合した状態で、蓋体50と底板部材40との間に、ゴキブリ用の毒餌を収納すると共に、ゴキブリの移動が可能な空間(空間部)、好適には、ゴキブリが移動できるだけの大きさの空間(空間部)を保持している。
【0057】
上記容器31もまた、側壁52の下部に、図示しない切欠部が4箇所設けられ、上記底板部材40とそれを覆う蓋体50とを係合することで、上記底壁41を開口部下端とし、上記側壁52と面一かつ容器31の外に面した4つの開口部53が設けられているが、各開口部53は互いに対向して設けられてはおらず、また、小さいゴキブリの駆除が可能なように、大小2種類の大きさの開口部53が設けられている。
【0058】
上記開口部53もまた、容器31内部、つまり、上記空間部にゴキブリが侵入するための出入口として用いられる。この場合、上記側壁52に設けられる小孔53a、つまり、小さい方の開口部53の大きさは、駆除対象のゴキブリが通れるだけの大きさを有し、大きい方の開口部53(大孔53b)により、大型のゴキブリをも駆除可能な構成としてもよく、大孔53bの大きさを駆除対象のゴキブリが通れるだけの大きさに設定することで、成長過程にあるゴキブリが、小孔53aを接触通過することが可能な構成としてもよい。
【0059】
つまり、ゴキブリの出入口として用いられる開口部53は、全て同一の大きさを有していてもよいが、ゴキブリの大きさは、その種類や、成長の度合いによって異なるため、複数の大きさの開口部53を設けることで、複数の大きさのゴキブリに適した開口部53を設けてもよい。上記開口部53は、ゴキブリの触角あるいは背面が接触する大きさに形成されていることが、容器31内部を暗所に保ち、ゴキブリの接触効果を高め、ゴキブリを容器31内部に誘引する上で、好ましい。
【0060】
上記容器31においても、上記開口部53の形状、つまり、上記切欠部の形状は特には限定されないが、余分な隙間を抑え、容器31内部を暗所に保ち、ゴキブリの接触効果を高める上で、ゴキブリの形状に合わせた円弧状、特に、開口部53の開口幅AあるいはA’が広く、開口高さBあるいはB’が開口幅AあるいはA’よりも小さい、いわゆる蒲鉾形に形成されていることがより好ましい。
【0061】
上記容器31においても、上記開口部53は、容器31内部に設けられた毒餌収納部42に通じている。
【0062】
上記容器31において、毒餌収納部42は、底壁41に突設された低壁(周壁)43によって囲まれた皿状を有し、底壁41の端部に設けられている。上記開口部53は、各々、上記毒餌収納部42から離れた位置に設けられ、障壁として機能すると共に、位置決め部材並びに補強部材として機能する、上記容器31内部に設けられた所定の長さの支柱44、並びに、上記毒餌収納部42における開口部53の正面に設けられた障壁45により、毒餌収納部42に迂回して到達するようになっている。
【0063】
上記支柱44は、上記底壁41上に、各々、蓋体50に向かって延びるように立設され、上記蓋体50の天壁51の内表面あるいは、蓋体50に設けられた図示しない係合部材に当接あるいは嵌合することで、上記蓋体50を支持し、上記容器31に一定の強度を与えると共に、上記蓋体50と底板部材40との間に形成される空間部を一定に保持し、また、外部からの容器31内部への漏光を抑制する。
【0064】
また、上記毒餌収納部42内には、ゴキブリ用の毒餌を固定するための突起46が、上記毒餌収納部42の中央に1箇所設けられている。これにより、上記突起46は、ゴキブリ用の毒餌を、移動しないように安定して固定することができるようになっている。
【0065】
なお、上記容器31では、上記突起46は、上記毒餌収納部42の中央に1箇所設けられている構成としているが、毒餌が移動せず、容器31からこぼれ落ちなければ、必ずしも毒餌収納部42の中央に設ける必要はなく、また前記した容器1のように、複数個の突起が設けられていてもよい。また、蓋体50の天壁51内表面における上記毒餌収納部42に対向する位置に、図示しない突起を設けることにより、上記突起46と共に、あるいは、単独で、ゴキブリ用の毒餌を固定することができるように設定されていてもよい。
【0066】
さらに、上記蓋体50の天壁51内表面に、上記底壁41に設けられた支柱44と所定位置で嵌合する嵌合部材を設けるか、あるいは、支柱44の長さよりも、蓋体50の側壁52の高さを短く形成することで、底板部材40と蓋体50との間に、容器31内の暗さが維持できると共に、成長過程にある小型のゴキブリが通過できる程度に隙間が設けられている構成としてもよい。
【0067】
また、上記容器31においても、上記各開口部53の上方には、上記底壁41よりも外側(容器31の外)に突出する庇54(突出部)が設けられている。なお、上記容器31においても、上記庇54は、側壁52が底壁41の縁部に沿って設けられ、開口部53が側壁52と面一かつ容器31の外に面して形成されていることから、当然、開口部53の側方の側壁52よりも容器31の外に突出している。
【0068】
上記庇54もまた、上記各開口部53の上方に、上記底壁41並びに側壁52よりも外に突出、つまり、上記底壁41より水平方向に張り出して、上記側壁52における開口部53縁部(切欠部)に沿って設けられており、各開口部53の形状、つまり、ゴキブリの形状に合わせて円弧状(蒲鉾状)に湾曲していることが、ゴキブリとの接触効果を促し、外部からの容器31内部への漏光を防止し、ゴキブリの誘引性能並びに潜伏性能を向上する上で特に好ましい。
【0069】
また、開口部53が、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記側壁52と面一かつ容器31の外に面して設けられ、該開口部53の床面となる底壁41が該開口部53より外側に突出せず、また、該開口部53上方に庇54が設けられていることで、ゴキブリが容器31内部に侵入し易く、高い誘引効果を得ることができると共に、潜伏性能を向上させることができる。
【0070】
以上のように、本実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器は、ゴキブリ用毒餌収納部が設けられた底壁と、該底壁周縁部に沿って設けられた側壁と、上記底壁と側壁とで形成される空間部を覆う天壁とを備え、上記側壁には、上記ゴキブリ用毒餌収納部に通じる開口部が、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつ外に面して設けられ、上記開口部は、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記開口部上方には、上記底壁並びに側壁よりも外に突出する突出部が設けられている構成を有している。
【0071】
上記の構成によれば、上記開口部が、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつゴキブリ用毒餌収納容器の外に面して設けられ、該開口部上方に、上記底壁並びに側壁よりも外に突出する突出部が設けられていることで、ゴキブリが、該ゴキブリ用毒餌収納容器内部に侵入し易く、また、落ち着いて接餌できる環境を得ることができ、高い誘引性能並びに潜伏性能を得ることができる。
【0072】
したがって、上記の構成によれば、ゴキブリの誘引性能や潜伏性能に優れ、従来よりもゴキブリの駆除性能が向上されたゴキブリ用毒餌収納容器を提供することができる。
【0073】
なお、例えば図1(a)・(b)〜図3に示すゴキブリ用毒餌収納容器では、略円形の底壁周縁部に沿って側壁が設けられ、上記開口部が、該側壁と面一かつゴキブリ用毒餌収納容器の外に面して設けられた構成としたが、底壁の形状、つまり、該底壁周縁部に設けられた側壁の形状によって、開口部周辺の側壁が、他の側壁に対し、容器内部側に設けられている場合、つまり、開口部を含む平面よりもゴキブリ用毒餌収納容器の外側に突出する側面が存在する場合、上記突出部は、開口部を含む平面よりもゴキブリ用毒餌収納容器の外側に突出する側面より外に突出して設けられる。
【0074】
さらに、上記構成において、上記空間部に、上記空間部内を分割する仕切壁(障壁)により、上記開口部とゴキブリ用毒餌収納部とを連通する誘導路(通路)が設けられ、上記仕切壁が開口部正面を遮る(横切る)ことで、上記誘導路は、上記開口部とゴキブリ用毒餌収納部とを最短距離とならないように連通し、迂回させることで迷路効果を有し、上記突出部は、この迷路効果を高めることで、ゴキブリの誘引効果をさらに高めると共に、一旦、開口部内に侵入したゴキブリを、上記ゴキブリ用毒餌収納容器内に長く潜伏(滞在)させることができ、さらに高い駆除効果を得ることができる。
【0075】
なお、上記図1(a)・(b)〜図3に示したゴキブリ用毒餌収納容器並びに上記図4(a)・(b)に示したゴキブリ用毒餌収納容器の各構成は、互いに適宜組み合わせて用いることができる。例えば、図4(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器が、上記図3に示した内部構造を有している構成とすることができ、また、上記図1(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器が、上記図3に示した内部構造を有している構成としてもよい。さらに、上記図1(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器が、複数の大きさの開口部を有している構成としてもよい。
【0076】
上記開口部は、ゴキブリ用毒餌収納容器側壁に、少なくとも1つ以上設けられる。上記開口部の数並びにその形状は特に限定されるものではないが、ゴキブリを効率的に該ゴキブリ用毒餌収納容器内に導くためには、上記開口部が3箇所以上設けられていることが好ましく、4箇所もしくは5箇所設けられていることがより好ましい。特に、上記開口部は、全方位に設けられていることが、ゴキブリの侵入に有利である。但し、開口部の数が多くなりすぎると、該ゴキブリ用毒餌収納容器の開口率が大きくなりすぎてゴキブリの住環境が損なわれる虞れがある。
【0077】
また、本実施の形態では、上記開口部上方に設けられた突出部として、例えば、図1(b)および図2に示すように、開口部23の上縁、つまり、切欠部23a全体に、切欠部23に沿って湾曲した円弧状の庇25が設けられている構成としたが、上記突出部としてはこれに限定されるものではない。
【0078】
上記突出部としては、図6(a)・(b)に示すように、開口部23の上縁に、逆V字状の庇25が設けられた構成としてもよい。この場合、図示しない切欠部としては、逆V字状の形状を有していてもよい。つまり、上記開口部23上縁に突出部(庇)を設ける場合、上記突出部(庇)の形状としては、上記開口部23の形状(切欠部の形状)に沿った種々の形状に形成してもよく、開口部23の形状に関係なく形成してもよい。
【0079】
上記ゴキブリ用毒餌収納容器は、円錐台状、円柱状、多角柱状、多角錐台状の他、円錐状、多角錐状等、種々の形状に形成することができ、特に限定されない。
【0080】
また、材質も、樹脂や金属、陶器等、種々のものを使用することができるが、軽量で水に強く、耐久性がよいことから、樹脂(プラスチック)が好適に使用できる。但し、耐水性、保形性(強度)等を満たしさえすれば、木材、紙、発泡スチロール等、その材質は特に制限されない。
【0081】
上記ゴキブリ用毒餌収納容器は、その材質、形状等に応じて、例えば真空成形、射出成形、プレス成形、組み立て加工、接着加工等の種々の方法を採用して形成され、その形成方法は特に限定されない。
【0082】
また、本実施の形態では、図8(a)に示すように、ゴキブリの出入口となる開口部23が、蓋体20に切欠部23aを設けることにより形成されている構成としたが、ゴキブリの出入口となる開口部23の形成方法としては、これに限定されるものではなく、図8(b)に示すように、蓋体20を、天壁21に柱状部材22’が立設された構成とすることで、該柱状部材22’を側壁とする開口部23が形成された構成としてもよい。
【0083】
その他、開口部の形成方法としては、底板部材に柱状部材が立設され、これにより柱状部材間を、ゴキブリの出入口となる開口部として用いる構成としてもよく、底壁周縁に直接、側壁が立設され、この底壁から延びる側壁に切欠部を形成することにより、開口部を形成してもよく、上下2枚の板を天壁および底壁とし、この2枚の板を、切欠部を有する側壁で連結した構成を有していてもよく、底壁周縁に立ち上がり部を設け、この立ち上がり部に切欠部を形成し、該切欠部と蓋体から垂設された側壁に設けられた切欠部とを位置合わせすることにより、ゴキブリの出入口となる開口部を形成する構成としてもよい。
【0084】
上記ゴキブリ用毒餌収納容器内に収納されるゴキブリ用の毒餌としては、特に限定されるものではなく、ゴキブリの駆除に通常使用される従来公知の種々の毒餌を使用することができ、駆除対象となるゴキブリの種類等に応じて適宜設定することができる。
【0085】
上記毒餌の有効成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニトロチオン、フェンチオン等の有機リン系化合物;フェノブカルブ、カルバリル等のカーバメート系化合物;アセタミプリド、ニテンピラム等のネオニコチノイド系化合物;クロロフェナピル等のフェニルピロール系化合物;フェニルピラゾール系化合物;ホウ酸、ヒドラメチルノン、リチウム パーフルオロオクタンスルフォネート;等が用いられる。
【0086】
なお、上記毒餌の量は特に限定されるものではなく、その使用量に応じて、ゴキブリ用毒餌収納部の大きさを設定するか、あるいは、ゴキブリ用毒餌収納部の大きさに応じて、毒餌がゴキブリ用毒餌収納部からこぼれ出ないように、該毒餌の使用量が設定される。また、上記毒餌には、ゴキブリの誘引性成分がはじめから添加されていてもよい。
【0087】
上記ゴキブリ用毒餌収納容器は、内部のゴキブリ用毒餌収納部に、ゴキブリ用毒餌を収納した状態で、ゴキブリの侵入が可能な位置、具体的には、ゴキブリの通り道、特に、ゴキブリが集まりやすい場所やゴキブリが生息する場所に載置して用いられる。これにより、上記ゴキブリ用毒餌収納容器に設けられた開口部から侵入したゴキブリが毒餌を摂取することにより、該ゴキブリ用毒餌収納容器から脱出し、巣に戻ったゴキブリを殺虫し、効率的に駆除することができる。
【0088】
すなわち、本実施の形態にかかるゴキブリ駆除方法は、上記ゴキブリ用毒餌収納容器を、内部のゴキブリ用毒餌収納部に、ゴキブリ用毒餌を収納した状態で、ゴキブリの侵入が可能な位置に設置する方法であり、ゴキブリ用毒餌収納容器として、本実施の形態にかかる上記ゴキブリ用毒餌収納容器を使用することで、従来よりも高いゴキブリの誘引性能が得られると共に、上記ゴキブリ用毒餌収納容器内に侵入したゴキブリを該ゴキブリ用毒餌収納容器内に長く留めることができるので、従来よりも確実かつ効率的にゴキブリを駆除することができる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0090】
〔実施例1〕
本発明にかかる試験用のゴキブリ用毒餌収納容器(以下、容器(1)と記す)として、図1(a)・(b)〜図3に示す構成を有する容器を使用した。該容器(1)の開口幅a(開口部23下端の長さ;図2参照)は32mm、開口高さb(開口部23の最大高さ;図2参照)は13mm、広面幅c(底壁11の直径;図1(a)参照)は72mm、上面幅d(天壁21の直径;図1(a)参照)は55mm、該容器(1)の高さe(図2参照)は15mm、庇25の高さf(図2参照)は12mm、開口部23との界面における庇25の下端25cまでの高さg(図2参照;図1(a)・(b)〜図3に示す構成を有する容器においては底壁11の厚みに相当する)は1mm、底壁11から突出する庇25の長さh(庇の出;図2参照)は10mmとした。なお、上記庇25は、αが13°となるように水平面より上向きに形成した。
【0091】
また、比較用のゴキブリ用毒餌収納容器(以下、比較容器(1)と記す)として、図8に示す、内部に毒餌の収容が可能な円筒状偏平容器の四方に、ゴキブリの侵入が可能なトンネル状の通路70からなる出入口を設けた容器を使用した。但し、上記の比較容器(1)は、下記の点を除いては、容器(1)と同様の構成にて作成した。つまり、上記容器(1)では、図1(a)・(b)〜図3に示すように、側壁22の下部に開口部23を設け、該開口部23の上縁(切欠部23a)全体に庇25を形成したのに対し、上記比較容器(1)では、図8に示すように、開口部形成位置における側壁22が、天壁21から底壁11にかけて切欠かれた構成とし、このようにして得られた開口部に、トンネル状の通路70からなる出入口を設けた構成とした。上記比較容器(1)におけるトンネル状の通路71の、底壁11から突出する長さmは、10mmとした。なお、上記容器(1)、比較容器(1)共に、毒餌は使用しなかった。
【0092】
先ず、直径30cm、高さ10cmの透明な樹脂製のバットの内壁の上から5cmの部分に、ゴキブリの逃亡を防止するためにワセリン(商標)を塗り、ゴキブリとして、チャバネゴキブリの雄、雌各50匹をこのバットに入れ、3時間そのまま放置し、環境に馴染ませた。
【0093】
次に、このバットのほぼ中央付近に、上記容器(1)と比較容器(1)とを同時に載置し、5分間、ゴキブリの出入りを観察した。5分後、上記容器(1)並びに比較容器(1)を回収し、5分間経過後、再び上記容器(1)と比較容器(1)とをバットに同時に載置して、1回目と同様にゴキブリの出入り数を観察した。この作業を5回繰り返した。この結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
表1の結果から、本発明にかかる容器(1)は比較容器(1)に対し、ゴキブリの侵入数は圧倒的に多く、また、棲みついているゴキブリの数(つまり、所定時間内に脱出しなかったゴキブリの数)も、比較容器(1)と比較して、容器(1)の方が多いことが判る。このことから、庇下部に底壁が設けられている場合、誘引性能並びに潜伏性能が低下する傾向にあることが判る。
【0096】
〔実施例2〕
実施例1において、比較容器(1)に代えて、図9に示す、毒餌の収納およびゴキブリが通過できる空間を有する三角形のトンネル状のゴキブリ用毒餌収納容器(以下、比較容器(2)と記す)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行って、ゴキブリの出入り数を観察した。この結果を表2に示す。
【0097】
上記比較容器(2)の底壁71は矩形であり、該底壁71の長手方向、すなわち、側壁72形成側の底壁71の長さpは78mm、短手方向の長さqは63mm、開口部73の高さrは25mm、突出部分74の長さsは30mmとした。また、上記比較容器(2)もまた、毒餌は使用しなかった。
【0098】
【表2】
【0099】
表2から、比較容器(2)の方がゴキブリの侵入数は多かったものの、脱出数も多く、比較容器(2)内に棲みついているゴキブリの数よりも、本発明にかかる容器(1)内に棲みついているゴキブリの数の方が圧倒的に多いことが判る。つまり、上記比較容器(2)は、一旦、ゴキブリが侵入したとしても、通過するだけで、餌を十分に摂取せず、十分な駆除効果を得ることができるとは言い難い。一方、本発明にかかる容器(1)は、表2から、比較容器(2)の方がゴキブリの侵入数は多かったものの、表1の結果から、比較容器(1)と比較すれば、上記容器(1)の誘引性能はかなり高い。
【0100】
したがって、上記の結果から、本発明にかかる容器(1)は、ゴキブリの誘引性能と潜伏性能とに共に優れ、ゴキブリを効率良く駆除することができることが判る。
【0101】
【発明の効果】
本発明にかかるゴキブリ用毒餌収納容器は、以上のように、ゴキブリ用毒餌収納部が設けられた底壁と、該底壁周縁部に沿って設けられた側壁と、上記底壁と側壁とで形成される空間部を覆う天壁とを備え、上記側壁には、上記ゴキブリ用毒餌収納部に通じる開口部が、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつ外に面して設けられ、上記開口部は、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記側壁における上記開口部の周縁には、上記底壁並びに側壁よりも外に突出する突出部が、上記開口部の形状に沿って、上記開口部の下端となる、上記底壁における開口部の形成部の縁部以外の部分に設けられており、上記空間部には、上記空間部内を分割するとともに、上記開口部と上記ゴキブリ用毒餌収納部とを連通する誘導路を形成する複数の仕切壁が設けられている構成である。
【0102】
それゆえ、ゴキブリの誘引性能や潜伏性能に優れ、従来よりもゴキブリの駆除性能が向上されたゴキブリ用毒餌収納容器を提供することができるという効果を奏する。
【0103】
また、本発明にかかるゴキブリ駆除方法は、以上のように、上記ゴキブリ用毒餌収納容器を、内部のゴキブリ用毒餌収納部に、ゴキブリ用毒餌を収納した状態で、ゴキブリの侵入が可能な位置に設置する方法である。
【0104】
それゆえ、従来よりも高いゴキブリの誘引性能が得られると共に、上記ゴキブリ用毒餌収納容器内に侵入したゴキブリを該ゴキブリ用毒餌収納容器内に長く留めることができるので、従来よりも確実かつ効率的にゴキブリを駆除することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の一実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の斜視図である。
【図2】 図1(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の正面図である。
【図3】 図1(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の底板部材の構成を示す斜視図である。
【図4】 (a)は、本発明の一実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器の他の例を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の斜視図である。
【図5】 図4(a)・(b)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の底板部材の構成を示す斜視図(参考図)である。
【図6】 (a)は、本発明の一実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器のさらに他の例を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すゴキブリ用毒餌収納容器の斜視図である。
【図7】 (a)・(b)は、本発明の一実施の形態にかかるゴキブリ用毒餌収納容器の開口部の形成方法を示す説明図である。
【図8】 比較用のゴキブリ用毒餌収納容器の構成を示す斜視図である。
【図9】 他の比較用のゴキブリ用毒餌収納容器の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器(ゴキブリ用毒餌収納容器)
10 底板部材
11 底壁
11a 縁部
12 毒餌収納部
13 突起
14 仕切壁
20 蓋体
21 天壁(突出部)
22 側壁
23 開口部
23a 切欠部
25 庇(突出部)
25a 先端
25b 基端
31 容器(ゴキブリ用毒餌収納容器)
40 底板部材
41 底壁
42 毒餌収納部
44 支柱
45 障壁
46 突起
50 蓋体
51 天壁
52 側壁
53 開口部
53a 小孔(開口部)
53b 大孔(開口部)
54 庇(突出部)
54a 先端
54b 基端
Claims (3)
- ゴキブリ用毒餌収納部が設けられた底壁と、該底壁周縁部に沿って設けられた側壁と、上記底壁と側壁とで形成される空間部を覆う天壁とを備え、上記側壁には、上記ゴキブリ用毒餌収納部に通じる開口部が、上記底壁を開口部下端とし、上記側壁と面一かつ外に面して設けられ、上記開口部は、ゴキブリが通れるだけの大きさを有し、上記側壁における上記開口部の周縁には、上記底壁並びに側壁よりも外に突出する突出部が、上記開口部の形状に沿って、上記開口部の下端となる、上記底壁における開口部の形成部の縁部以外の部分に設けられており、
上記空間部には、上記空間部内を分割するとともに、上記開口部と上記ゴキブリ用毒餌収納部とを連通する誘導路を形成する複数の仕切壁が設けられていることを特徴とするゴキブリ用毒餌収納容器。 - 上記突出部が、上記側壁における上記開口部の周縁に円弧状に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゴキブリ用毒餌収納容器。
- 請求項1または2に記載のゴキブリ用毒餌収納容器を、内部のゴキブリ用毒餌収納部に、ゴキブリ用毒餌を収納した状態で、ゴキブリの侵入が可能な位置に設置することを特徴とするゴキブリ駆除方法。
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