JP4702002B2 - アドホックネットワークにおけるパケット転送方法、携帯端末及びプログラム - Google Patents

アドホックネットワークにおけるパケット転送方法、携帯端末及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、アドホックネットワークにおけるパケット転送方法、携帯端末及びプログラムに関する。
アドホックネットワークは、複数の端末間でバケツリレー式にパケットを転送する「マルチホップ通信」によって実現され、無線LANにおける「アドホックモード」等、端末同士が直接的にパケットを送受信する機能によってサポートされる。通常、アドホックモードでは、端末同士1対1で通信する。どの端末がどのようにパケットを中継していくかを制御するための技術を、「アドホックルーティング」といい、これにより自端末に隣接した相手方端末のみならず、直接的には通信できない相手方端末と通信するためにどのような経路(中継端末)を経由するかを決定することができる。
アドホックルーティングプロトコルとしては、「リアクティブ型」と「プロアクティブ型」とがある(例えば非特許文献1及び2参照)。「リアクティブ型」は、端末が通信を開始しようとした際に経路確立手順を起動し、通信のための経路を確保する。「プロアクティブ型」は、予めネットワーク内に存在する端末を把握し、経路情報を常に保持することによって直ちに通信を開始する。
RFC3561、「Ad hoc On-Demand Distance Vector (AODV) Routing」、[online]、July 2003、[平成17年10月4日検索]、インターネット<URL:http://www.faqs.org/rfcs/rfc3561.html> draft-ietf-manet-dsr-09.txt、「The Dynamic Source Routing Protocol for Mobile Ad Hoc Networks (DSR)」、[online]、5 April 2003、[平成17年10月4日検索]、インターネット<URL: http://www.ietf.org/proceedings/04mar/I-D/draft-ietf-manet-dsr-09.txt>
しかしながら、大量の携帯端末が、一定の宛先(例えば1つの無線基地局)に向かってパケットを送信する場合、前述した2種類のアドホックルーティングプロトコルを用いても、シグナリングにかかるオーバーヘッドが大きい。シグナリングとは、経路確立のためのパケットであり、この場合、大量の全ての携帯端末が、1つの無線基地局との間で、経路を確立しなければならない。このような場合として、例えば、イベント会場など群集がアドホックネットワークを構成し、サーバが、この群集の所持する携帯端末からデータを収集したい場合がある。
従って、本発明は、大量の携帯端末と1つの無線基地局とが通信する場合であっても、経路確立においてオーバヘッドとなるシグナリングを必要としない、アドホックネットワークにおけるパケット転送方法等を提供することを目的とする。
本発明によれば、アドホックネットワークにおける携帯端末のパケット転送方法において、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する第1のステップと、
問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する第2のステップと、
第1のTTL値を1減分した問い合わせパケットを送信する第3のステップと、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する第4のステップと、
返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、第1のTTL値を設定した返答パケットを送信する第5のステップと
を有することを特徴とする。
本発明によれば、アドホックネットワークにおける携帯端末のパケット転送方法において、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する第1のステップと、
問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する第2のステップと、
第1のホップ数を1増分した問い合わせパケットを送信する第3のステップと、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する第4のステップと、
返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、第1のホップ数を設定した返答パケットを送信する第5のステップと
を有することを特徴とする。
本発明のパケット転送方法における他の実施形態によれば、第1のステップの前段階について、先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合、該第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録するステップを更に有することも好ましい。
本発明によれば、アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末において、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
第1のTTL値を1減分した問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、第1のTTL値を設定した返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末において、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
第1のホップ数を1増分した問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、第1のホップ数を設定した返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
を有することを特徴とする。
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、返答パケット受信手段が、先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合に第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録する受信履歴テーブル記憶手段を更に有することも好ましい。
本発明によれば、アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
第1のTTL値を1減分した問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、第1のTTL値を設定した返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
第1のホップ数を1増分した問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、第1のホップ数を設定した返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のプログラムにおける他の実施形態によれば、返答パケット受信手段が、先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合に第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録する受信履歴テーブル記憶手段としてコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明によれば、シグナリングを必要としないために、大量の携帯端末と1つの無線基地局とが通信する場合における経路確立のためのオーバヘッドを抑制することができる。従って、イベント会場など群集がアドホックネットワークを構成した場合であっても、各自が所持する携帯端末からの情報収集を、高速且つ簡易に実現することができる。
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
図1によれば、1つの無線基地局2の下に、大量の携帯端末1が存在する。無線基地局2は、移動通信網4に接続され、インターネット5を介してサーバ3に接続される。サーバ3は、例えばアンケート収集サーバであってもよく、イベント会場の入場者が所持する携帯端末からアンケート情報を収集することができる。尚、本発明が対象とするシステムは、1つの無線基地局2に、全ての携帯端末1が接続されるものではない。本発明は、1つの無線基地局2が、マルチホップ通信によって全ての携帯端末と接続されるものである。
図1のシステムは、サーバ3が、無線基地局2を介して、アンケート質問のような問い合わせ情報を含むパケットを、イベント会場内の入場者全員の携帯端末へ送信する。一方、各入場者は、所持する携帯端末を用いてアンケート結果のような返答情報を含むパケットを、サーバ3へ送信する。つまり、大量の携帯端末が、返答パケットを無線基地局2へ送信するような状況を想定している。
サーバ3は、全ての入場者の携帯端末へ問い合わせパケットを送信するために、その問い合わせパケットの宛先アドレスは、ブロードキャストアドレス(又はマルチキャストアドレス)に設定される。また、問い合わせパケットには、TTL(Time To Live)値が設定される。
TTL値は、パケットの有効期間を表す値である。TTL値が0になったパケットは、その時点で廃棄される。この機能は、パケットの無限ループを防止するためのものである。本発明によれば、イベント会場内の広さから、予めTTL値を決定するのが好ましい。
また、TTL値は、ホップ数によって代替することもできる。ホップ数とは、ネットワーク的な距離を表す数であって、実際の物理的な距離ではなく、経由した携帯端末の数を表わす。例えば、ホップ数が3であるならば、3つの携帯端末を経由して受信されたパケットであることが理解できる。
無線基地局から送信された問い合わせパケットについて、TTL値は、初期値(例えば64)から、携帯端末を経由する度に1減分する。また、ホップ数は、初期値1から、携帯端末を経由する度に1増分する。
一方、携帯端末から送信された返答パケットについて、TTL値は、携帯端末を経由する度に1増分する(ホップ数は、携帯端末を経由する度に1減分する)。最初に返答パケットを送信する携帯端末は、その返答パケットに、問い合わせパケットのTTL値(又はホップ数)を含める。従来技術によれば、携帯端末を経由する度に、TTL値は減分するものである(ホップ数は増分するものである)のに対し、本発明によれば、返答パケットについて、携帯端末を経由する度に、TTL値は増分する(ホップ数は減分する)点で相違する。TTL値(又はホップ数)は、無線基地局から携帯端末までの距離に応じたグルーピングに用いられる。
表1には、無線基地局2が送信する問い合わせパケットの構成が表されている。
Figure 0004702002
無線基地局2が送信する問い合わせパケットは、以下のような構成を有する。
宛先アドレス:broadcast
送信元アドレス:サーバ3のアドレスSaddr
TTL値:例えば64
(ホップ数:0)
シーケンス番号:Seq
パケット毎にシーケンス番号が付加されており、IPパケットであれば、Identificationフィールドで代用されてもよい。
図1によれば、無線基地局2と直接的に通信をすることができるのは、携帯端末101、102、103、104及び105である。これらは、アドホックネットワークにおけるホップ数0で接続される。携帯端末101は、無線基地局2から問い合わせパケットを受信すると、そのパケットを更に同報送信する。
携帯端末111は、携帯端末101を中継ノードとして、無線基地局2から送信された問い合わせパケットを受信することができる。これは、アドホックネットワークにおけるホップ数1で接続される。更に、携帯端末121は、携帯端末101及び111を介して、ホップ数2で無線基地局2と接続される。更に、携帯端末131は、携帯端末101、111及び121を介して、ホップ数3で無線基地局2と接続される。
各携帯端末は、以下のような転送制御テーブルを有する。
Figure 0004702002
転送制御テーブルには、受信した問い合わせパケットの送信元アドレスと、シーケンス番号Seqと、TTL値(又はホップ数)とが記録される。例えば、携帯端末101は、無線基地局2から問い合わせパケットを受信すると、TTL値64(又はホップ数0)を転送制御テーブルに記録する。携帯端末111は、携帯端末101から問い合わせパケットを受信すると、TTL値63(又はホップ数1)を転送制御テーブルに記録する。携帯端末121は、携帯端末111から問い合わせパケットを受信すると、TTL値62(又はホップ数2)を転送制御テーブルに記録する。携帯端末131は、携帯端末121から問い合わせパケットを受信すると、TTL値61(又はホップ数3)を転送制御テーブルに記録する。
ここで、受信した問い合わせパケットの送信元アドレスが、転送制御テーブルに既に記録されている場合、転送制御テーブルに記録されたシーケンス番号が、問い合わせパケットのシーケンス番号よりも小さい場合にのみ、転送制御テーブルを更新し、その問い合わせパケットを送信する。
逆に、転送制御テーブルに記録されたシーケンス番号が、問い合わせパケットのシーケンス番号以上である場合、その問い合わせパケットは、既に一度受信しているという理由で、破棄される。このような動作は、一般に「フラッディング」と称される。
結果的に、サーバ3から問い合わせパケットが送信され、アドホックネットワーク内をフラッディングしていくと、サーバ3の送信元アドレスSaddrに対して、図1のようなホップ数のグループが形成される。
次に、携帯端末が、1つの無線基地局2を介して、サーバ3へ返答パケットを送信する場合について説明する。
携帯端末は、返答パケットを送信する場合、最初に転送制御テーブルを参照する。そして、転送制御テーブルに記録されている宛先アドレス及びTTL値(又はホップ数)を含む返答パケットを送信する。返答パケットは、以下のような構成を有する。
Figure 0004702002
図1における携帯端末131は、以下のような値を含む返答パケットを送信する。
宛先アドレス:サーバ3のアドレスSaddr
送信元アドレス:携帯端末131のアドレスTaddr
TTL値:61(64−3)
(ホップ数:3)
シーケンス番号:10
携帯端末121は、携帯端末131から返答パケットを受信する。携帯端末121は、以前に受信した問い合わせパケットに対応する返答パケットであるか否かを判定する。
[転送制御テーブル] [返答パケット]
送信元アドレス = 宛先アドレス
TTL値 > TTL値
(ホップ数 < ホップ数)
携帯端末121は、前述した対応する項目を比較し、返答パケットと一致するか否かを判定する。真ならば、返答パケットのTTL値(又はホップ数)を、転送制御テーブルに記憶されたTTL値(又はホップ数)に書き直し(TTL値は1増分、ホップ数は1減分)、その返答パケットを同報送信する。偽ならば、返答パケットを破棄する。
このようにして、携帯端末111及び101も、返答パケットの転送の可否を判定していく。
図2は、本発明における問い合わせパケットを受信した携帯端末の処理を表すフローチャートである。
(S201)問い合わせパケットの送信元アドレスが、転送制御テーブルに登録されているか否かを判定する。
(S202)問い合わせパケットの送信元アドレスが、転送制御テーブルに登録されていない場合、その送信元アドレスをエントリに登録し、シーケンス番号及びTTL値(又はホップ数)を登録する。その後、S206へ移行する。
(S203)問い合わせパケットの送信元アドレスが、転送制御テーブルに登録されている場合、問い合わせパケットのシーケンス番号が、転送制御テーブルに登録されたシーケンス番号よりも大きいか否かを判定する。等しい又は小さい場合には、その問い合わせパケットは、当該携帯端末において既に受信されていることを意味する。
(S204)問い合わせパケットのシーケンス番号が、転送制御テーブルに登録されたシーケンス番号と比較して等しい又は小さい場合、その問い合わせパケットを破棄する。
(S205)問い合わせパケットのシーケンス番号が、転送制御テーブルに登録されたシーケンス番号よりも大きいならば、転送制御テーブルのそのエントリのシーケンス番号及びTTL値(又はホップ数)を更新する。
(S206)問い合わせパケットのTTL値が0に達しているか否かを判定する。又はホップ数が所定閾値に達しているか否かを判定するものであってもよい。例えば、ホップ数が最大64であってもよいし、イベント会場を考慮して3であってもよい。問い合わせパケットのTTL値が0に達しているならば、S204へ移行し、その問い合わせパケットを破棄する。
(S207)問い合わせパケットのTTL値が0に達していなければ、携帯端末は、TTL値を1減分した問い合わせパケットを、同報的に送信する。
図3は、本発明における返答パケットを受信した携帯端末の処理を表すフローチャートである。
(S301)最初に受信履歴処理をすることができる。この処理は、本発明において必須ではなく、効率化の方法であって、詳細については後述する。
(S302)返答パケットの宛先アドレスが、転送制御テーブルの送信元アドレスとして登録されているか否かを判定する。
(S303)返答パケットの宛先アドレスが、転送制御テーブルの送信元アドレスとして登録されていない場合、その返答パケットを破棄する。
(S304)返答パケットの宛先アドレスが、転送制御テーブルの送信元アドレスとして登録されている場合、返答パケットのTTL値が、転送制御テーブルのTTL値よりも小さいか否かを判定する。返答パケットのTTL値が、転送制御テーブルのTTL値よりも大きいか又は等しい場合、S303へ移行し、返答パケットを破棄する。
(S305)返答パケットのTTL値が、転送制御テーブルのTTL値よりも小さい場合、転送制御テーブルのTTL値で返答パケットのTTL値を設定し直して、その返答パケットを同報的に送信する。
次に、効率化の方法である受信履歴処理について説明する。この場合、携帯端末は、返答パケットの受信履歴テーブルを更に備える。
Figure 0004702002
受信履歴テーブルは、返答パケットの送信元アドレス(返答パケットを送信する携帯端末のアドレス)と、返答パケットのシーケンス番号と、ライフタイムとを含む。ライフタイムは、一定の初期値から、時間経過と共に減分していく時間カウンタである。
(S3011)返答パケットの送信元アドレスが、受信履歴テーブルに登録されているか否かを判定する。
(S3012)返答パケットの送信元アドレスが、受信履歴テーブルに登録されていないならば、返答パケットの送信元アドレス、シーケンス番号及び初期値のライフタイムを、受信履歴テーブルに登録する。
(S3013)返答パケットの送信元アドレスが、受信履歴テーブルに登録されているならば、返答パケットのシーケンス番号が、受信履歴テーブルのシーケンス番号よりも大きいか否かを判定する。返答パケットのシーケンス番号が、受信履歴テーブルのシーケンス番号よりも小さいか又は等しいならば、S303に移行し、返答パケットを破棄する。即ち、同一パケットを受信した場合、先に到着したパケットについてのみ受信履歴テーブルを更新する。
(S3014)返答パケットのシーケンス番号が、受信履歴テーブルのシーケンス番号よりも大きいならば、返答パケットのシーケンス番号及び初期値のライフタイムによって、受信履歴テーブルを更新する。
(S3015)受信履歴テーブルに、ライフタイムが0になっているエントリがあるか否かを判定する。ライフタイムが0になっているエントリがないならば、S302へ移行する。
(S3016)ライフタイムが0になっているエントリがあるならば、そのエントリを削除して、S302へ移行する。
尚、S3015及びS3016におけるエントリの削除処理は、返答パケットを受信する毎ではなく、所定のタイマのタイムアウト毎に行うものであってもよい。
S3011からS3016のシーケンスによって、パケットの転送回数を更に減らすことができる。但し、携帯端末の処理能力や周辺に存在する端末数によっては、大きな処理負荷となる可能性もある。
図4は、本発明における携帯端末の機能構成図である。以下で説明する機能ブロックは、携帯端末に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムによって実現されてもよい。
図4によれば、携帯端末1は、問い合わせパケット受信部101と、転送制御テーブル記憶部102と、問い合わせパケット送信部103と、返答パケット受信部104と、返答パケット送信制御部105と、受信履歴テーブル記憶部106とを有する。
問い合わせパケット受信部101は、無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する。問い合わせパケット受信部101は、前述したS201〜S206の処理を行う。
転送制御テーブル記憶部102は、問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する(又は第1のホップ数を記憶する)ものであってもよい。転送制御テーブル記憶部102は、前述したS202及びS205の処理を行う。
問い合わせパケット送信部103は、第1のTTL値を1減分(又は第1のホップ数を1増分)した問い合わせパケットを送信する。問い合わせパケット送信部103は、前述したS207の処理を行う。
返答パケット受信部104は、無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する。返答パケット受信部104は、前述したS301、S3011〜S3016の処理を行う。
返答パケット送信制御部105は、返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、第1のTTL値を設定した返答パケットを転送する。又は、返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、第1のホップ数を設定した返答パケットを転送するものであってもよい。返答パケット送信制御部105は、前述したS302〜S305の処理を行う。
受信履歴テーブル記憶部106は、受信履歴テーブルを記憶する。受信履歴テーブル記憶部106は、S3012及びS3014の処理を行う。
尚、前述した説明によれば、所定のエリアに存在する全ての携帯端末にパケットを送信するという実施形態について説明したが、本発明は、1対1通信であっても用いることができる。但し、1つの端末宛のパケットをフラッディングしなければならないため、効率は悪い。
前述した本発明における種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略を、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
本発明におけるシステム構成図である。 本発明における問い合わせパケットを受信した携帯端末の処理を表すフローチャートである。 本発明における返答パケットを受信した携帯端末の処理を表すフローチャートである。 本発明における携帯端末の機能構成図である。
符号の説明
1 携帯端末
101 問い合わせパケット受信部
102 転送制御テーブル記憶部
103 問い合わせパケット送信部
104 返答パケット受信部
105 返答パケット送信制御部
106 受信履歴テーブル記憶部
2 無線基地局
3 サーバ
4 移動通信網
5 インターネット

Claims (9)

  1. アドホックネットワークにおける携帯端末のパケット転送方法において、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する第1のステップと、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する第2のステップと、
    第1のTTL値を1減分した前記問い合わせパケットを送信する第3のステップと、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する第4のステップと、
    前記返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、前記第1のTTL値を設定した前記返答パケットを送信する第5のステップと
    を有することを特徴とする携帯端末におけるパケット転送方法。
  2. アドホックネットワークにおける携帯端末のパケット転送方法において、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する第1のステップと、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する第2のステップと、
    第1のホップ数を1増分した前記問い合わせパケットを送信する第3のステップと、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する第4のステップと、
    前記返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、前記第1のホップ数を設定した前記返答パケットを送信する第5のステップと
    を有することを特徴とする携帯端末におけるパケット転送方法。
  3. 前記第1のステップの前段階について、
    先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合、該第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録するステップを更に有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末におけるパケット転送方法。
  4. アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末において、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
    第1のTTL値を1減分した前記問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
    前記返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、前記第1のTTL値を設定した前記返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
    を有することを特徴とする携帯端末。
  5. アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末において、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
    第1のホップ数を1増分した前記問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
    前記返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、前記第1のホップ数を設定した前記返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
    を有することを特徴とする携帯端末。
  6. 前記返答パケット受信手段が、先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合に第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録する受信履歴テーブル記憶手段を更に有することを特徴とする請求項4又は5に記載の携帯端末。
  7. アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のTTL値を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
    第1のTTL値を1減分した前記問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
    前記返答パケットに設定された第2のTTL値が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のTTL値よりも小さい場合にのみ、前記第1のTTL値を設定した前記返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  8. アドホックネットワークの中でパケットをマルチホップで転送する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    無線基地局から下り方向への問い合わせパケットを受信する問い合わせパケット受信手段と、
    前記問い合わせパケットに設定された第1のホップ数を記憶する転送制御テーブル記憶手段と、
    第1のホップ数を1増分した前記問い合わせパケットを送信する問い合わせパケット送信手段と、
    前記無線基地局へ向かって上り方向への返答パケットを受信する返答パケット受信手段と、
    前記返答パケットに設定された第2のホップ数が、該返答パケットに対応して記憶された前記第1のホップ数よりも大きい場合にのみ、前記第1のホップ数を設定した前記返答パケットを送信する返答パケット送信制御手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  9. 前記返答パケット受信手段が、先に受信した第1の返答パケットと、後に受信した第2の返答パケットとが同一である場合に第2のパケットを破棄するために、第1の返答パケットの送信元アドレス及びシーケンス番号を登録する受信履歴テーブル記憶手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする請求項7又は8に記載のプログラム。
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