JP4699422B2 - 光信号発生器および光通信システム - Google Patents
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Description
M.C.NuSS,W.H.Knox and U.koren,"Scalable 32 channel chirped-pulse WDM source,"Electronics Letters,vol.32,No.14,pp.1311-1312,(1996) A.Shimura,Y.Sugawara,S.Haruyama,M.Nakagawa,H.Suzuki,A.Kondo,T.Ishigure and Y.Koike,"Train Communication System using Graded-Index Leaky Plastic Optical Fiber",2004IEEE International Conference on Industrial Technology(ICIT),pp.78-83,(2004)
第1の発明によれば、非線形過程により、第1および第2の波長掃引型光源の出力光信号の波長掃引範囲を逓倍できるため、単一の光源の性能に制限されず、広い波長帯域を有する光信号を発生させることができる。また、第1および第2の波長掃引型光源に、図14、図15に示すような高速な波長掃引が可能な構成を用いることで、高速性と広帯域性を兼ね備える波長スイープ光信号を発生させることが可能である。
第2の発明によれば、第1の発明と同様、基となる波長掃引光信号の波長掃引範囲を逓倍できるが、さらに、生成される波長掃引光信号の波長掃引範囲と周期について、一定の値ではなく、動的に変化させることが可能である。これにより、例えば、周期毎に波長掃引範囲が変化するような波長掃引光信号や、周期が不規則に変化する波長掃引光信号を発生させることができる。
第3の発明によれば、第1および第2の発明の光信号発生器を用いて光通信システムを構成し、光送信部の光部品点数が少ないため、波長チャネル数を増大して光通信システムを大容量化する際のスケーラビリティに優れる。また、光信号発生器から高い繰り返し周波数で、かつ広い波長範囲の波長掃引光信号が得られるため、伝送レートの高速化が容易に実現できる。
第4の発明によれば、第1および第2の発明の光信号発生器を用いて、複数の波長チャネルにそれぞれ異なるユーザを割り当て、WDMによりユーザ多重する光通信システムを実現でき、第3の発明と同様に、拡張性、高速性に優れる。
第5の発明によれば、有線の光導波路媒体を用いて光送信部と光受信部を接続する必要がなく、通信機器の設置の柔軟性に優れる。
(光信号発生器の第1の実施形態)
図1は、本発明の光信号発生器の第1の実施形態に係る構成例と、構成例の1a,1b,1c,1d、1eにおける信号を示している。光信号発生器は、所定の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに増大させる、正の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)11と、上述の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに減少させる、負の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)12と、スイープ光源11およびスイープ光源12の出力光信号を、偏波面を同一に調整した状態で合波する光合波器13と、光合波器13の出力光信号に対して非線形作用を及ぼす非線形媒質14と、非線形媒質14の出力光信号のうち所定の波長帯域の光信号を抽出する波長フィルタ15を備える。
この非線形媒質内における非線形過程により、1dに示すように、入力光信号の近傍に高次の成分(3次,5次,・・・)が発生するが、これらの光信号のうち所望の波長帯域を波長フィルタ15で抽出することで、光信号(1e)を得る。
まず、2つのスイープ光源の出力光信号を、時刻tについて、0≦t≦T(T:繰り返し周期)の範囲でそれぞれ下記のように表す。
図2は、本発明の光信号発生器の第2の実施形態に係る構成例と、構成例の2a,2b,2c,2d、2eにおける信号を示している。光信号発生器は、所定の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに増大させる、正の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)21と、上述の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに減少させる、負の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)22と、スイープ光源21およびスイープ光源22の出力光信号を、偏波面を同一に調整した状態で合波する光合波器23と、光合波器23の出力光信号に対して非線形作用を及ぼす高調波発生媒質24と、高調波発生媒質24の出力光信号のうち所定の波長帯域の光信号を抽出する波長フィルタ25を備える。
第2の実施形態は、上記の第1の実施形態と同様の構成であるが、非線形媒質として、基となる光信号(2a,2b)の高調波成分を効率よく発生させるよう設計された高調波発生媒質24を用いることが特徴である。
以上説明したように、高調波帯においても、波長スイープ範囲の逓倍効果を得ることができる。
図3は、本発明の光信号発生器の第3の実施形態に係る構成例と、構成例の3a,3b,3cにおける信号を示している。光信号発生器は、所定の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに増大させる、正の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)31と、上述の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに減少させる、負の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)32と、スイープ光源31およびスイープ光源32の出力光信号を、偏波面を同一に調整した状態で合波する光合波器33と、光合波器33の出力光信号に対して非線形作用を及ぼす非線形媒質/高調波発生媒質34と、非線形媒質/高調波発生媒質34の出力光信号のうち所定の波長帯域の光信号を抽出する波長フィルタ35を備える。
このような光信号は、例えば、図14に示すスイープ光源の構成例において、変調信号として用いるランプ波信号の振幅を変化させることで容易に得ることができる。
従来例に示すパルス光信号を用いた方法では、波長帯域はパルス光信号のパルス幅に依存するが、通常、パルス光信号のパルス幅は一定で、周期毎に変化させることは容易ではないため、3cに示すような波長スイープ光信号の発生は困難である。
図4は、本発明の光信号発生器の第4の実施形態に係る構成例と、構成例の4a,4b,4cにおける信号を示している。光信号発生器は、所定の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに増大させる、正の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)41と、上述の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに減少させる、負の波長掃引を行うスイープ光源(波長掃引型光源)42と、スイープ光源41およびスイープ光源42の出力光信号を、偏波面を同一に調整した状態で合波する光合波器43と、光合波器43の出力光信号に対して非線形作用を及ぼす非線形媒質/高調波発生媒質44と、非線形媒質/高調波発生媒質44の出力光信号のうち所定の波長帯域の光信号を抽出する波長フィルタ45を備える。
このような光信号は、例えば、図14に示すスイープ光源の構成例において、変調信号として用いるランプ波信号の周期を変化させることで容易に得ることができる。
従来例に示すパルス光信号を用いた方法では、通常、パルス光信号の繰り返し周波数は一定で、周期毎に変化させることは容易ではないため、4cに示すような波長スイープ光信号の発生は困難である。
以上、光信号発生器の第3の実施形態として、基となる2波の波長スイープ光信号の特性について、図3の3a、3bに示すように、スイープ波長範囲が変動する形態について説明し、第4の実施形態として、基となる2波の波長スイープ光信号の特性について、図4の4a、4bに示すように、繰り返し周波数が変動する形態について説明したが、当然に、基となる波長スイープ光信号において、スイープ波長範囲と繰り返し周波数が同時に変動する形態も実施できる。光信号発生器の第5の実施形態は、基となる2波の波長スイープ光信号について、スイープ波長範囲と繰り返し周波数が同時に変動するものである。
図5は、正弦波信号を用いて波長スイープ光信号を発生する第1の構成例と、構成例の5a,5b−1,5b−2,5c−1,5c−2,5d−1,5d−2における信号を示している。この構成例では、電気発振器51から出力される正弦波信号(5a)を基に、2波の波長スイープ光信号を生成する。ここで、この正弦波信号(5a)の周期は、所望の波長スイープ光信号の周期Tの2倍に等しい。正弦波信号(5a)は、図示するように周期Tで出力先を切り替える時間切替スイッチ52を用いて、半周期毎に抽出された電気信号(5b−1,5b−2)に分割される。これらの電気信号は、さらに分波器53,54により2つの出力に分波された後、遅延線55,56により一方の出力にのみ時間Tの遅延を与え、合波器57,58で合波することで、振幅が周期Tで単調増加もしくは単調減少する電気信号(5c−1,5c−2)に変換される。この電気信号(5c−1,5c−2)に適宜バイアスを印加した後、それぞれ周波数変調光源59,60の駆動信号として入力することで、周期Tで波長が増大する方向にスイープする光信号(5d−1)と、減少する方向にスイープする光信号(5d−2)を生成することができる。
この実験系では、2波の無変調の光搬送波信号を基に発生する、高次の成分の光強度を評価した。2波の光搬送波信号の波長は、それぞれ1550.0nm、1550.8nmとし、等しい偏波状態で合波した後、2波の合計光強度が+23dBm(それぞれ+20dBm)になるよう増幅し、非線形ファイバに入力した。この非線形ファイバは、ファイバ長が510m、3次の非線形係数が30W−1・km−1であった。また、図17に示すように、非線形ファイバと光スペクトルアナライザの間において、コネクタ損失等を含めて5dB以上の損失があった。
このように、大きな逓倍効果が得られる高い次数の成分を、十分な光強度で抽出することが可能である。
図8は、本発明の光通信システムの第1の実施形態に係る構成例と、構成例の8a,8bにおける信号を示している。図8に示す光通信システムは、ベースバンド信号で変調された複数波長の変調光信号を出力する光送信部と、光伝送路を介して変調光信号を受信し、ベースバンド信号を復調する光受信部とにより構成され、光送信部は、第1〜第5の実施形態の光信号発生器と、光信号発生器の出力光信号をベースバンド信号で変調する光変調器とを備え、光受信部は、光送信部から受信した光信号を各チャネルの波長毎に分離する波長分離フィルタ(図示せず)と、波長分離フィルタの各出力を並列受信する受光素子アレイ(図示せず)とを備える。
また、本実施形態は、上述の並列伝送に限らず、複数のサービスのデータをそれぞれ異なる波長チャネルに割り当てて伝送する、いわゆるWDMによるサービス多重を用いた光通信システムにおいても有効である。
上述した光通信システムの第1の実施形態では、高速のベースバンド信号を複数の波長チャネルで並列伝送する光通信システム、もしくは複数の波長チャネルに異なるサービスのデータを割り当ててサービス多重する光通信システムについて本発明の有効性を示したが、図9に示すように、1つの光送信部と複数の光受信部を接続する光伝送路中に、波長分離フィルタを設置する光通信システムにおいても有効である。このような光通信システムとしては、光送信部で発生する複数の波長チャネルを固定的もしくは動的に複数のユーザに割り当て、1つの光送信部で複数のユーザの光受信部を収容する、いわゆるWDMによるユーザ多重を用いた光通信システムが想定される。
以上、第1および第2の実施形態においては、光伝送路として、ガラスを材料としたシングルモード光ファイバ(SMF)、マルチモード光ファイバ(MMF)や、プラスチックを材料とした光ファイバ(POF)等のような有線の光導波路媒体を想定していたが、光伝送路が空間伝搬路であっても良い。
13,23,33,43,68,69,73 光合波器
14,74 非線形媒質
15,25,35,45,75 波長フィルタ
24 高調波発生媒質
34,44 非線形媒質/高調波発生媒質
51,61 電気発振器
52 時間切替スイッチ
53,54 分波器
55,56 遅延線
57,58 合波器
59,60,62 周波数変調光源
63 時間切替光スイッチ
64,65 光分波器
66,67 光遅延線
71,72 直接変調レーザ
91 パルス光源
92 分散媒質
93 光変調器
94 波長分離フィルタ
95 受光素子アレイ
Claims (5)
- 広い波長帯域を有する光信号を出力する光信号発生器であって、
所定の繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに増大させる、正の波長掃引を行う第1の波長掃引型光源と、
前記繰り返し周波数で、出力光信号の波長を時間とともに減少させる、負の波長掃引を行う第2の波長掃引型光源と、
前記第1および第2の波長掃引型光源の出力光信号を、偏波面を同一に調整した状態で合波する光合波器と、
前記光合波器の出力光信号に対して非線形作用を及ぼす媒質と、
前記媒質の出力光信号のうち所定の波長帯域の光信号を抽出する波長フィルタと、
を備え、前記第1および第2の波長掃引型光源の波長掃引範囲を逓倍した光信号を出力することを特徴とする光信号発生器。 - 請求項1に記載の光信号発生器において、
第1および第2の波長掃引型光源は、掃引する波長範囲と周期のいずれか一方もしくは両方について、一定の値に固定せず、動的に所望の値に設定できる
ことを特徴とする光信号発生器。 - 光送信部から、ベースバンド信号で変調された複数波長の変調光信号を出力し、光伝送路を介して光受信部に送信し、光受信部において前記変調光信号を受信し、前記ベースバンド信号を復調する光通信システムであって、
前記光送信部は、
請求項1または2に記載の光信号発生器と、
該光信号発生器の出力光信号をベースバンド信号で変調する光変調器を備え、
前記光受信部は、
前記光送信部から受信した光信号を各チャネルの波長毎に分離する波長分離フィルタと、
該波長分離フィルタの各出力を並列受信する受光素子アレイを備える
ことを特徴とする光通信システム。 - 光送信部から、ベースバンド信号で変調された複数波長の変調光信号を出力し、光伝送路を介して光受信部に送信し、光受信部において前記変調光信号を受信し、前記ベースバンド信号を復調する光通信システムであって、
1つの光送信部と複数の光受信部を備え、
前記光送信部は、
請求項1または2に記載の光信号発生器と、
該光信号発生器の出力光信号をベースバンド信号で変調する光変調器を備え、
前記光受信部は、
前記光送信部から受信した光信号を各チャネルの波長毎に分離する波長分離フィルタと、
該波長分離フィルタの各出力を並列受信する受光素子アレイを備え、
前記光伝送路中において、
前記光送信部から送信された複数波長光信号を、所定の波長間隔で分離し、複数の光受信部にそれぞれ入力する波長分離光分波器を備える
ことを特徴とする光通信システム。 - 請求項3または4に記載の光通信システムにおいて、
前記光伝送路は、空間伝搬路または漏洩光伝送路である
ことを特徴とする光通信システム。
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