JP4699211B2 - イネの鉄などの金属錯体の吸収や輸送に関与するトランスポーター、その遺伝子 - Google Patents
イネの鉄などの金属錯体の吸収や輸送に関与するトランスポーター、その遺伝子 Download PDFInfo
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Description
また、本発明は、OsYSL2による植物における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の体内輸送を調整する方法に関する。
また、ムギネ酸類を鉄獲得に利用するのはストラテジー−IIに属するイネ科植物のみであるが、ムギネ酸類を体内で合成しないストラテジー−Iの植物に属するシロイヌナズナのゲノム上にも、8つものYS1様の遺伝子(AtYSL)が存在することが報告されてきた。ストラテジー−Iの植物は、ムギネ酸類を体内で合成しないのであるから「ムギネ酸類−3価鉄」トランスポーターは必要ないはずである。ストラテジー−Iの植物にこのようなトランスポーターが存在することは、YS1様のトランスポーターが「ムギネ酸類−3価鉄」複合体のみを輸送するものではなく、「鉄−ニコチアナミン」錯体をも輸送するトランスポーターであると推測されている。即ち、ストラテジー−Iの植物であるシロイヌナズナのYS1様の遺伝子(AtYSL)は、植物体内での鉄輸送に関与していると考えられている「鉄−ニコチアナミン」錯体を輸送するトランスポーターをコードしているものと推測されている。
これまでの研究において、ムギネ酸類の合成酵素をコードする各種の遺伝子を本発明者らはクローニングしてきた。このような遺伝子を用いることにより、潜在的な鉄欠乏発生土壌における不溶態の鉄Fe(OH)3を植物が吸収可能な「ムギネ酸類−3価鉄」複合体に転換することが可能となった。例えば、最近の研究では、大麦のニコチアナミンアミノ転位酵素(NAAT)の遺伝子を導入した形質転換イネは、低Feのアルカリ土壌での生育において野生型よりも許容性があることが示されている(非特許文献2参照)。しかしながら、ムギネ酸類の分泌が増強されて土中に可溶化した「ムギネ酸類−3価鉄」複合体が生成しても、当該複合体を植物が吸収するためには、「ムギネ酸類−3価鉄」トランスポーターが必須のものとなる。
このように、鉄欠乏土壌におけるイネの生育を改善するためには、土中におけるムギネ酸類の分泌を改善させるだけでなく、それを吸収し、植物体の必要な箇所に輸送するための吸収輸送機構の改善が同時に必要となる。イネにおける鉄などの金属成分の吸収や輸送のための「ムギネ酸類−3価鉄」トランスポーターは未だ見出されておらず、イネにおける「ムギネ酸類−3価鉄」トランスポーターをコードする遺伝子の解明が求められていた。
さらに、本発明者らは、この中のOsYSL2が植物における鉄及びマンガンのニコチアナミン錯体の輸送に関与しているトランスポーターであることを見出した。
また、本発明は、前記した本発明のイネ由来のトランスポーターをコードし得る塩基配列を有する遺伝子、より詳細には、配列表の配列番号19〜36のいずれかに示される塩基配列、又はストリンジェントな条件でこれとハイブリダイズ可能な塩基配列を有する遺伝子に関する。
また、本発明は、前記した本発明の遺伝子を含有してなるベクター、及び当該遺伝子を含有する遺伝子により形質転換された形質転換細胞に関する。
さらに、本発明は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はその一部のアミノ酸が欠失若しくは置換され、及び/又は他のアミノ酸が付加されることにより配列番号2に示されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有しているアミノ酸配列をコードする遺伝子を導入することからなる、植物における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の体内輸送を調整する方法に関する。
検索では、シンジェンタのデータベースを主に参考にした。しかし、このデータベースはシロイヌナズナのものほど完成されておらず、各コンティグがばらばらの状態での開示されており、そのため検索で得られたYS1に相同性が高いコンティグもOsYSLの全長を含んでいない場合が多かった。また、塩基解読の精度もそれほど高くなく、不明の塩基も数多くあった。そこで、中国のデータベースを検索することで得られたインディカ種のOsYSLの塩基配列も参考にした。これらの配列を基に、ばらばらになっていたジャポニカ種のOsYSLについても断片をつなぎ合わせ、推測される全長を同定した。
その結果、イネのゲノム中に18個のYS1に相同性の高い遺伝子が存在することを見出した。これらの18種の遺伝子を、それぞれOsYSL1〜OsYSL18と命名した。
そして、これらの遺伝子がイネの鉄輸送にかかわるトランスポーターの遺伝子であるかどうかを検討した。
ゲノム配列から予測されるOsYSLのORFがコードするタンパク質のアミノ酸配列を、図1に示すトウモロコシのYS1から予測し、SOSUIプログラム(Hirokawa T.,et al.,Bioinformatics,14,378−379(1998))で各OsYSLタンパク質の膜貫通領域を予測した。この結果、予測される膜貫通領域が7個から16個存在することが予想され、いずれも膜に存在するタンパク質である可能性が高かいことがわかった。
結果を図2に図面に変わる写真で示す。図2の上からOsYSL2、OsYSL6、OsYSL13、OsYSL14、OsYSL15、及びOsYSL16をそれぞれ示す。各OsYSLの左側は根からのサンプルによるものであり、右側は葉からのサンプルによるものである。各サンプルの左側はコントロール条件(鉄十分条件)で栽培したものであり、右側は鉄欠乏条件で栽培したものである。
一方、オオムギでは根における「鉄−ムギネ酸類」錯体の吸収活性は鉄欠乏誘導的で、オオムギの根の細胞膜には鉄欠乏処理により誘導されるタンパク質がある(Mihashi and Mori,1989)。イネでも同様の応答が起きていると仮定すれば、「鉄−ムギネ酸類」錯体の吸収トランスポーターは特に根で鉄欠乏によって発現が誘導されると考えられる。
本発明のOsYSL15とOsYSL16は、前記したように根特異的に発現し、鉄欠乏条件で発現が誘導されることがノーザン解析によって明らかとなった(図2参照)。
また、本発明の18個のOsYSLであるOsYSL1〜18の塩基配列の比較を、図6〜図14に示す。各行の最下段はこれらの相同性を示し、*印は全てで保存されている塩基であることを示し、・印は高度に保存されている塩基であることを示す。
これらのOsYSL1〜18のアミノ酸配列を配列番号1〜18に示し、その塩基配列を配列表の配列番号19〜36にそれぞれ示す。
また、これらのOsYSL1〜18の遺伝子が存在する染色体の番号(Chr.)、アミノ酸長(Length)、及びDDBJにおいてOsYSL1〜18の遺伝子が存在するContigをまとめて次の表2に示す。
さらに、アフリカツメガエル卵母細胞でOsYSL遺伝子を発現させ、「鉄−ムギネ酸類」、「鉄−ニコチアナミン」錯体を輸送するかどうかを確かめることにより、これらのタンパク質が「鉄−ムギネ酸類」、「鉄−ニコチアナミン」錯体のトランスポーターであることを確認することができる。
また、OsYSL15とOsYSL16の各プロモーター領域1.5kbにGUSレポーター遺伝子をつないだ、それぞれのコンストラクトでイネを形質転換して、形質転換植物のT1種子を用いてこれらの遺伝子の発現の組織局在を観察することができる。
本発明者らは、OsYSL2の機能についてさらに検証し、そして、OsYSL2が「鉄−ムギネ酸類」錯体または「鉄−ニコチアナミン」錯体のいずれのトランスポーターとして機能しているのかをさらに検証した。
OsYSL2の発現は、先のノーザンブロット解析ではイネに鉄を十分与えたコントロール条件と鉄を与えない鉄欠乏条件の根では共に検出できなかったが、GUSレポーター遺伝子を結合させた分析では、コントロール条件下のイネの根中心部で検出され、鉄欠乏条件下では発現が増加していることを観察することができた。結果を図17に図面に代わるカラー写真で示す。図17aは鉄十分条件での結果を示し、図17bは鉄欠乏条件での結果を示す。図17a及びbの右下の写真はそれぞれ中心柱の中の篩部の細胞の倍率を上げて撮影した結果を示している。いずれも青色部分が発現を示している。しかし、鉄欠乏条件下の根の表皮および皮層においてもOsYSL2が検出されていないことは、OsYSL2が土からの「鉄−ムギネ酸」錯体のトランスポーターではないことを示している。
イネでは、鉄欠乏によりクロロシスを呈した葉でイネのニコチアナミン合成酵素(OsNAS)の1種であるOsNAS1、及びOsNAS2の発現が強く誘導されており(Inoue H.,et al.,Plant J.,36,366−381)、OsNAS1、OsNAS2によって合成されたニコチアナミンが鉄欠乏条件の葉で発現したOsYSL2と何らかの相互作用を持っている可能性も考えられる。また、ショルツ(Scholz(1989))は、ニコチアナミンが新根や新葉への鉄の再分配に関与し、再分配が篩管を経て行われていることを示唆している。鉄欠乏条件では古い葉から新しい葉へ鉄がOsYSL2を介して再転流しているのかもしれない。
これらの知見からすれば、本発明のOsYSL6、OsYSL13のどちらか、または双方が、過剰の鉄に対する耐性に関与しているのかもしれない。過剰の鉄を何らかの細胞内のオルガネラに隔離するためのトランスポーターとして機能しているのかもしれないことが予想される。このことは鉄過剰処理したイネを栽培し、ノーザン解析により確認することができる。また、OsYSL6やOsYSL13が恒常的に土壌からの「鉄−ムギネ酸類」錯体の吸収を行っていることも考えられる。イネマイクロアレイ解析の結果、OsYSL13は、亜鉛欠乏により葉で発現が誘導されることが明かになった。このことからOsYSL13は「亜鉛−ニコチアナミン」トランスポーターとして機能していることも考えられる。いずれにしても、レポーター遺伝子を用いた発現の組織特異性の解析や、インビトロ(in vitro)でのトランスポーター活性の確認を行うことにより、機能や組織内の分布などについてのさらなる知見を得ることができる。
さらに、農業生物資源研究所遺伝子機能研究チームによって作成されているTos17によるイネの遺伝子破壊系統の中に、OsYSL12が破壊された変異株(NE7024)が見出された。この変異株は半分が不稔形質を示していた。したがって、18個のOsYSLのうちのいくつか、特にOsYSL12が生殖段階で「金属−ニコチアナミン」錯体の輸送に関与している可能性は高い。
例えば、OsYSL2、OsYSL6、OsYSL9、OsYSL13、OsYSL14、OsYSL15、及びOsYSL16の各プロモーター領域1.5KbにGUSレポーター遺伝子をつないで、それぞれのコンストラクトを用いて、常法によりイネを形質転換対を作製して、様々な金属元素の欠乏、過剰処理を行うことで鉄やその他の金属元素の植物体内での輸送や移行に関する知見をえることができる。
また、井上ら(2001)が行った鉄欠乏イネへの鉄分の葉面散布の実験では、鉄をニコチアナミンとの錯体として与えた場合にはクロロシスを回復したが、ムギネ酸類の一種であるデオキシムギネ酸との錯体で与えた場合や、塩化第二鉄として与えた場合にはクロロシスの回復は見られなかった。このことは、イネの葉で発現しているOsYSLが、葉面から与えられた「鉄−ニコチアナミン」錯体の吸収に関与していることを予測させる。「鉄−デオキシムギネ酸」錯体を与えた場合にクロロシスを回復しなかったことは興味深く、OsYSLは輸送する基質を厳しく選択している可能性がある。酵母の鉄吸収変異株frt1fet3fre1(Bughio et al.,2002)を用いて相補実験を行えば、これらのOsYSLが「鉄−ニコチアナミン」錯体と「鉄−デオキシムギネ酸」錯体を選択しているのかどうかが明らかになるだろう。
ニコチアナミンは鉄以外の遷移金属元素もキレートし、特に銅はニコチアナミンとの錯体で導管内を輸送されている(Pich and Scholz,1996)。また、亜鉛、マンガンなどの金属元素の篩管を通じた輸送にニコチアナミンが関与していると示唆されている(Stphan and Scholz,Physiol.Plantarum,88,522−529(1993))。銅や亜鉛、マンガンなどの金属元素を吸収できない酵母の変異株(それぞれctr1(Dancis et al.,1994)、zrt1zrt2(Zao and Eide,1996)、smf1(Supek F.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,93,5105−5110(1996))を用いて、相補実験を行うことによりOsYSLが鉄以外の金属元素の輸送に関与しているかどうかの知見を得ることができる。また、アフリカツメガエル卵母細胞に18個のOsYSL遺伝子を発現させ、「鉄−ムギネ酸類」、「鉄−ニコチアナミン」、「金属−ニコチアナミン」錯体を輸送するかどうかを確かめることにより、これらのタンパク質が「鉄−ムギネ酸類」、「鉄−ニコチアナミン」、「金属−ニコチアナミン」錯体のどの種類のトランスポーターであるかを確認することができる。
以上のことから、本発明のOsYSL2が、穀物植物におけるミネラル栄養素の篩部の輸送と移動にかかわるFeの制御下における金属−NAのトランスポーターであることが確証された。
本発明のイネのトランスポーターにおける金属元素としては、鉄、マンガン、亜鉛、銅、コバルト、ニッケルなどのニコチアナミンと安定な錯体を形成する金属元素であり、好ましい金属元素としては鉄、マンガン、亜鉛、銅などが挙げられ、これらの金属元素の1種又は2種以上の吸収や輸送に関与するものである。本発明のイネのトランスポーターにおける好ましい金属元素としては、例えば、鉄、鉄とマンガン、鉄と亜鉛などが挙げられる。
また、本発明の遺伝子は、前記した本発明のイネの鉄やマンガンなどの金属錯体の吸収や輸送に関与するトランスポーター(OsYSL)をコードするものである。本発明の遺伝子としては、DNAでもRNAでもよい。好ましい本発明の遺伝子としては、配列表の配列番号19〜36に示される塩基配列を有するものが挙げられるが、これに限定されるものではなく、これとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能な配列も包含される。
また、本発明は、本発明の遺伝子、又は本発明の遺伝子を含有する遺伝子が導入された形質転換体を提供する。導入される遺伝子は本発明の遺伝子が単独で導入されてもよいし、本発明の遺伝子に、さらに必要なプロモーター領域やシグナル領域などを付加した遺伝子として、導入することもできる。遺伝子の導入方法としては、プラスミドやファージなどを用いる公知の導入手段を採用できる。
本発明の形質転換体の宿主細胞としては、特に制限は無く動物細胞や植物細胞などを任意に選定することができる。本発明のイネの鉄やマンガンなどの金属錯体の吸収や輸送に関与するトランスポーター(OsYSL)を製造する場合には、大腸菌などを宿主細胞とすることができるし、また本発明の遺伝子を用いて他の植物を形質転換する場合にはイネやトウモロコシ、トマト、シロイヌナズナなどの植物細胞を宿主細胞とすることができる。
本発明のOsYSL2は、植物における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の体内輸送に関与しており、これを用いて植物の体内における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の輸送や蓄積を調節することが可能であり、本発明は当該OsYSL2を用いた植物における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の体内輸送の調整方法を提供するものである。
本発明の調整方法としては、本発明のOsYSL2、例えば、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はその一部のアミノ酸が欠失若しくは置換され、及び/又は他のアミノ酸が付加されることにより配列番号2に示されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有しているアミノ酸配列をコードする遺伝子、好ましくは配列表の配列番号20に示される塩基配列を有する遺伝子を植物に導入する方法が挙げられる。植物としては、鉄成分やマンガン成分の輸送が行える植物であれば特に制限はないが、本発明のOsYSL2がイネ由来であることから、イネ科植物が好ましいがこれに限定されるものではない。
本発明のこの方法により、鉄分が強化された植物、例えば、野菜や果実などを製造することも可能となり、本発明のOsYSL2は鉄分などの金属成分の強化された植物の製造に極めて有用である。
イネの鉄及び他の金属錯体の吸収や輸送に関与するトランスポーターを見出すために、ジャポニカ種のイネのゲノムデーターベースである、Oryza sativa L.ssp.japonica(cv.Nipponbare)(Goff et al.,2002)(http://portal.tmri.org/rice/)を用いて、トウモロコシのトランスポーターであるYS1と高い相同性をもつタンパク質をコードするイネの遺伝子(OsYSL)をブラスト(Blast)検索(Atlschul et al.,1990)した。
しかし、このデータベースは完成されたものではなく、各コンティグがばらばらの状態での開示であり、そのため検索で得られたYS1に相同性が高いコンティグもOsYSLの全長を含んでいない場合が多かった。また、塩基解読の精度もそれほど高くなく、不明の塩基も数多くあった。
そこで、本発明者らは、インディカ種のイネについてのゲノムデーターベースであるOryza sativa L.ssp.indica(cv.91−11)(Yu et al.,2002)(http://btn.genomics.org.cn/rice/)を検索することで得られたインディカ種のOsYSLの塩基配列も参考にした。これらの配列を基に、ばらばらになっていたジャポニカ種のOsYSLについても断片をつなぎ合わせ、推測される全長を同定した。この結果、合計18個のOsYSLが見出された。これらのトランスポーターをそれぞれOsYSL1〜18と命名した。
この配列に基づいて、シロイヌナズナのトランスポーターであるAtYSL3のゲノム配列から、イネにおけるこれらの配列を決定した。決定されたそれぞれのアミノ酸配列を配列表の配列番号1〜18にそれぞれ示す。また、その塩基配列を配列表の配列番号19〜36にそれぞれ示す。
決定されたアミノ酸配列とトウモロコシのYS1とのアミノ酸の比較を図3〜5に順次示す。また、これらのOsYSL1〜18の塩基配列の比較を図6〜14に順次示す。
このようにして得られたOsYSL1〜18は、予測されたアミノ酸配列がトウモロコシのYS1と高い相同性を示したこと(図3〜5参照)、そのうちのいくつかはイネゲノムプロジェクトによる完全長cDNAライブラリーに一致するcDNAが発見されたことから、本発明の推測は極めて精度の高いものであると考えられた。これらのタンパク質は全て7個から16個の膜貫通領域を持つと推測され、YS1と同様に膜タンパク質である可能性が高いことも明らかとなった。
試料用のイネは、次に示す組成を有する水耕液で栽培した。
Ca(NO3)2・4H2O 2000μM
MgSO4・7H2O 500μM
Fe(III)・EDTA 100μM
K2SO4 700μM
KCl 100μM
KH2PO4 100μM
H3BO3 10μM
MnSO4・5H2O 0.5μM
ZnSO4・7H2O 0.5μM
CuSO4・5H2O 0.2μM
(NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01μM
イネの第五葉目が展開した時に鉄欠乏処理を開始し、10日間鉄を除いた水耕液で栽培することで鉄欠乏処理を行った。コントロール条件のイネはそれまでと同じ濃度の鉄を加えた水耕液で栽培した。処理後10日目にコントロール区、鉄欠乏区ともにサンプリングを行った。
前記表1に示すプライマー対を設計し、ゲノムDNAを鋳型にしてPCRを行った。OsYSL1、OsYSL8、OsYSL16のPCRにはKOD−plus−(TOYOBO)を、その他の遺伝子のPCRにはExTaq(TaKaRa)をDNAポリメラーゼとして用いた。OsYSL1の増幅の際、反応液にDMSOを終濃度5%(v/v)になるように加えた。KOD−plus−で増幅された断片はpCR4Blunt−TOPO(Invitrogen)に、その他の断片はpCR4−TOPO(Invitrogen)にクローニングした。クローニングの方法はキットに付属のプロトコールに従った。塩基配列を確認し、クローニングされた断片が目的のものであることを確認した。
得られた断片を通常の方法により32Pで標識化した。
実施例2で栽培したイネをサンプリングして、根と葉の部分について、実施例3で調製したプローブを用いてノーザン解析を行った。
結果を図2に示す。
カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター−sGFP(S65T)−NOS3’の構造を有するプラスミドpUC18は、丹羽博士(静岡県立大学)から提供された。このプラスミドは、35Sプロモーターの3’側にSalIとNcoIサイトを持っている。このNcoIサイト「CCATGG」は、sGFPの開始コドンを含んでいる。そして、このNcoIとSalIサイトの間にアニールドオリゴマー(5’TCGAGATATCGGTACCAGATCTGAGCTCGAGGTCGAと5’CTAGTCGACCTCGAGCTCAGATCTGGTACCGATATC)を挿入し、新しいEcoR Vサイト(GATATC)を導入した。導入されたEcoR Vサイトに、5’末端にattR1サイト、クロラムフェニコール耐性遺伝子、ccdBの遺伝子、及びattR2サイトカセットを含む1579bpのマルチサイトゲートウェイスリー断片(Invitrogen)を挿入した。そして、この修飾ベクターは、pDEST35S−sGFPと命名され、デェスティネーションベクター(destination vector)として使用された。
一方、OsYSL2のORFを、’5’−CACCATGGAAGCCGCCGCTCCCGAGATAGと3’−GCTTCCGGGAGTGAACTTCAGCAGの2つのプライマーを用いて増幅した。OsYSL2のコード配列を含む増幅された断片は、pENTR/D−TOPO(Invitrogen)にサブクローニングされた。OsYSL2のコード配列を含むこのpENTR/D−TOPOエントリーベクターは、pENTR−OsYSL2と命名され、前記のデェスティネーションベクター(destination vector)とこのエントリーベクターの間のサブセキュエントLRリコンビネーション反応(Invitrogen)により、35S−OsYSL2−sGFPをコードする遺伝子を含む発現クローンを得た。
また、同様にGFPのみを有するベクターを導入した。
遺伝子が導入され、可視化された結果を図16に示す。
OsYSL2の推定されるプロモーター領域(翻訳開始コドンからの−1500〜−1bp)を含むゲノム配列を、ゲノムDNAからのPCR法により増幅した。得られたイネのトランスポーターOsYSL2のプロモーター領域1.5KbにGUSレポーター遺伝子を結合させて、これをイネに導入した。イネへの形質転換及びGUS染色は井上らの方法(Inoue,H.,et al.,Plant J.36,366−381(2003))に準じて行った。
結果を、図17〜図20にそれぞれ示す。
イネの開花前、開花5日後および開花8日後の試料を処理して、RT−PCR解析を行った。その結果を図22に図面に代わる写真で示す。図22の左側のレーンは開花前の場合を示し、中央のレーンは開花5日後の場合を示し、右側のレーンは開花8日後の場合を示す。
OsYSL2をEcoRIとXbaIとで消化して、OsYSL2の2022bpの断片を得た。これを、pGEM−3zf(t)ベクターのEcoRI、XbaIサイトに挿入した。得られたプラスミドpGEMYSL2TをXbaIで消化して鎖状とした。キャップ付きの相補RNA(cRNA)を、MEGAscript SP6キット(TX、Ambion、オースチン、米国)を用いてインビトロで合成した。
卵母細胞は、イガラシらの方法(Igarashi,Y.,ET al.,Plant Cell Physiol.41,750−756(2000))により調製した。これに、前記で得たOsYSL2 cRNAの10ngを注入した。注入された卵母細胞は、2日間のND溶液で培養され、pH7.5で電気的測定に供せられた。卵母細胞の膜の電流は、TEV−200システム(MN、Dagan、ミネアポリス、米国)を有する自動化された日立システムを使用する、2−マイクロボルテージクランプ法により測定した。卵母細胞は、−60mVに固定され、そして、金属キレートの複合体(10μL、5mM)の添加に対応した定常電流が得られた。電流は、Mac Labシステム(NSW、Adinstruments、シドニーオーストラリア)で絶え間なくモニターして、分析した。OsYSL2遺伝子が注入された独立している6つの卵母細胞を、電流を測定するのに使用した。また、コントロールとして6つの独立している水注入の卵母細胞を用いた。
この結果を図23に示す。
本発明は、イネの「鉄−ムギネ酸類」錯体トランスポーター及びそれをコードする遺伝子、「鉄−ニコチアナミン」錯体トランスポーター及びそれをコードする遺伝子、並びに「金属−ニコチアナミン」錯体トランスポーター及びそれをコードする遺伝子を提供するものであり、潜在的な鉄などの金属元素欠乏発生土壌においても生育可能なイネを創出するため、さらに鉄および金属元素を種子可食部に集積させた栄養価の高い米を作出するために不可欠の、鉄などの金属錯体の吸収や輸送に関与するタンパク質及びその遺伝子を提供するものであり、産業上極めて有用なものである
配列番号2 OsYSL2のアミノ酸配列
配列番号3 OsYSL3のアミノ酸配列
配列番号4 OsYSL4のアミノ酸配列
配列番号5 OsYSL5のアミノ酸配列
配列番号6 OsYSL6のアミノ酸配列
配列番号7 OsYSL7のアミノ酸配列
配列番号8 OsYSL8のアミノ酸配列
配列番号9 OsYSL9のアミノ酸配列
配列番号10 OsYSL10のアミノ酸配列
配列番号11 OsYSL11のアミノ酸配列
配列番号12 OsYSL12のアミノ酸配列
配列番号13 OsYSL13のアミノ酸配列
配列番号14 OsYSL14のアミノ酸配列
配列番号15 OsYSL15のアミノ酸配列
配列番号16 OsYSL16のアミノ酸配列
配列番号17 OsYSL17のアミノ酸配列
配列番号18 OsYSL18のアミノ酸配列
配列番号19 OsYSL1の塩基配列
配列番号20 OsYSL2の塩基配列
配列番号21 OsYSL3の塩基配列
配列番号22 OsYSL4の塩基配列
配列番号23 OsYSL5の塩基配列
配列番号24 OsYSL6の塩基配列
配列番号25 OsYSL7の塩基配列
配列番号26 OsYSL8の塩基配列
配列番号27 OsYSL9の塩基配列
配列番号28 OsYSL10の塩基配列
配列番号29 OsYSL11の塩基配列
配列番号30 OsYSL12の塩基配列
配列番号31 OsYSL13の塩基配列
配列番号32 OsYSL14の塩基配列
配列番号33 OsYSL15の塩基配列
配列番号34 OsYSL16の塩基配列
配列番号35 OsYSL17の塩基配列
配列番号36 OsYSL18の塩基配列
Claims (11)
- 配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はその一部のアミノ酸が欠失若しくは置換され、及び/又は他のアミノ酸が付加されることにより配列番号2に示されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有しているアミノ酸配列からなる、イネの金属−ニコチアナミン錯体トランスポーター。
- 前記金属が、鉄及び/又はマンガンである請求項1に記載のトランスポーター。
- 請求項1又は2に記載のイネの金属−ニコチアナミン錯体トランスポーターをコードする塩基配列からなる遺伝子。
- 遺伝子が、配列表の配列番号20に示される塩基配列を含むものである請求項3に記載の遺伝子。
- 請求項3又は4に記載の遺伝子を含有してなるベクター。
- ベクターが、発現ベクターである請求項5に記載のベクター。
- 請求項3又は4に記載の遺伝子を含有する遺伝子により形質転換された形質転換細胞。
- 細胞が、植物細胞である請求項7に記載の形質転換細胞。
- 配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はその一部のアミノ酸が欠失若しくは置換され、及び/又は他のアミノ酸が付加されることにより配列番号2に示されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有しているアミノ酸配列からなり、イネの金属−ニコチアナミン錯体トランスポーターをコードする遺伝子を導入することからなる、植物における鉄錯体及び/又はマンガン錯体の体内輸送を調整する方法。
- 前記遺伝子が、配列表の配列番号20に示される塩基配列を含む遺伝子である請求項9に記載の方法。
- 植物が、イネ科植物である請求項9又は10に記載の方法。
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