JP4687589B2 - 硬度測定装置および硬度測定方法 - Google Patents

硬度測定装置および硬度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧痕の押し込み深さに基づいて硬度を計測する硬度測定装置および硬度測定方法に関する。
従来より、三角錐や四角錐形状のビッカース圧子の押し込みにより試料の表面に圧痕を形成し、この圧痕の押し込み深さから圧痕の投影面積を算出し、投影面積と圧痕形成時の荷重とから硬度を求める手法が知られている(例えば特許文献1参照)。この手法によれば、圧痕の対角線長さを直接計測する必要がないため、十分な対角線長さが得られない微少の圧痕を形成した場合でも、硬度測定が可能である。
ところで、圧子は、通常は設計値通りの理想的な形状とはならず、圧子の先端が局所的に丸みを帯びていたり、圧子先端の対稜角が設計値から微少量ずれていたりする。したがって、圧痕の深さから投影面積を算出する場合、圧子の形状に応じた補正が必要である。この点に関し、弾性率が既知の試料に対して予め圧痕の深さが異なる8通りの押し込み試験を行い、これらの試験結果を用いて圧子の形状に応じた補正式を演算し、この補正式により投影面積の補正を行う手法が知られている(例えば非特許文献1参照)。
特開平9−210891号公報 Oliver.W.C and Pharr.G.M ,An improved technique for determining hardness and elastic modulus using load and displacement sensing indentation experiments ,J.Mater.Res.Vol7,No6,June1992,pp1564-1583
しかしながら、圧痕の深さを所定範囲内で変化させる試験を行って補正式を算出した場合、その範囲内については補正の精度が保たれるが、範囲外では補正の精度が悪い。
本発明による硬度測定装置は、試料に圧子を負荷する負荷手段と、負荷手段により負荷される試験力を検出する試験力検出手段と、試料への圧子の押し込み深さを検出する深さ検出手段と、圧子の押し込みにより形成された試料表面上の圧痕の投影面積を補正する補正手段と、投影面積の補正値に基づき試料の硬度を評価する評価手段とを備え、補正手段が、予め基準となる試料に対し、押し込み深さを複数通りに変えて行った複数回の負荷除荷試験により得られた試験力と押し込み深さとの関係に基づき、最小の押し込み深さと最大の押し込み深さの間の第1の押し込み深さ範囲に対応した第1の補正関数を算出するとともに、最大の押し込み深さより大きい第2の押し込み深さ範囲に対応した第2の補正関数を算出し、評価用試料に対して負荷手段により圧子を負荷したときの押し込み深さが、第1の押し込み範囲内のときは、第1の補正関数により投影面積を補正し、第2の押し込み範囲内のときは、第2の補正関数により投影面積を補正することを特徴とする。
基準となる試料に対して行った負荷除荷試験結果に基づき、最小の押し込み深さにおける投影面積の補正値と理想形状の圧子を想定した場合の理想投影面積との比である第1の投影面積比、および最大の押し込み深さにおける投影面積の補正値と理想投影面積との比である第2の投影面積比をそれぞれ算出し、押し込み深さが第2の押し込み深さ範囲内のときは、その圧子の押し込み深さに応じた理想投影面積に第2の投影面積比を乗じた値を補正値とし、押し込み深さが最小の押し込み深さより小さい第3の押し込み深さ範囲内のときは、その圧子の押し込み深さに応じた理想投影面積に第1の投影面積比を乗じた値を補正値とすることもできる。
圧子の先端を三角錐または四角錐のビッカース形状としたとき、第1の補正関数を、以下の式で表すこともできる。
Ap=α×hc2+C1×hc+C2×hc(1/2)+C3×hc(1/4)+C4×hc(1/8)
+C5×hc(1/16)+C6×hc(1/32)+C7×hc(1/64)+C8×hc(1/128)
なお、hc=ha−0.75×(ha−hr)
但し、Ap;投影面積の補正値
α;圧子の形状に対応した定数
C1〜C8;計算により求める定数
ha;負荷除荷試験を行ったときの押し込み深さ
hr;負荷除荷試験により得られる除荷曲線に対して近似直線を引いたときの近似直線と試験力0の軸線との交点。
本発明による硬度測定方法は、予め基準となる試料に対し、圧子の押し込み深さを複数通りに変えて複数回の負荷除荷試験を行う第1の負荷除荷試験工程と、第1の負荷除荷試験工程で得られた試験力と押し込み深さとの関係に基づき、最小の押し込み深さと最大の押し込み深さの間の第1の押し込み深さ範囲に対応した第1の補正関数、最小の押し込み深さより小さい第2の押し込み深さ範囲に対応した第2の補正関数、および前記最大の押し込み深さより大きい第3の押し込み深さ範囲に対応した第3の補正関数をそれぞれ算出する算出工程と、評価用試料に対し、負荷除荷試験を行う第2の負荷除荷試験工程と、第2の負荷除荷試験工程における圧子の押し込み深さが、第1の押し込み範囲内のときは、第1の補正関数により試料表面上の圧痕の投影面積を補正し、第2の押し込み範囲内のときは、第2の補正関数により投影面積を補正し、第3の押し込み範囲内のときは、第3の補正関数により投影面積を補正する補正工程と、投影面積の補正値に基づき試料の硬度を評価する評価工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧子の押し込み深さに応じて異なる補正関数により投影面積を補正するので、試料の深さ方向全範囲にわたって精度よく硬度を測定することができる。
以下、図1〜図5を参照して本発明による硬度測定装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る硬度測定装置の構成を示すブロック図である。この硬度測定装置は、ビッカース硬度計を構成し、硬度測定部1は、ダイヤモンド圧子101と、圧子101をZ方向(鉛直方向)に昇降させる昇降用アクチュエータ102と、ステージ上に設置された試料を、ステージの移動によりXY方向(水平方向)に移動させるステージ用アクチュエータ103と、圧子101の押し込み荷重(試験力)を検出する荷重計2と、圧子101の押し込み位置(押し込み深さ)を検出する位置検出センサ3とを有する。圧子101は三角錐形状であり、先端の対稜角θ(図4)は115°に形成されている。
CPU10には、荷重計2と位置検出センサ3からの信号、メモリ4に記憶された各種設定値、およびユーザが操作指令を入力する各種スイッチなどの入力部6からの信号が入力される。これらの信号に基づき、CPU10はメモリ4に記憶された所定のプログラムを実行する。
補正式演算部11では、弾性率とポアソン比が既知である基準となる試料TP0の圧子押し込み試験を行って、圧子101の押し込み深さと圧痕の投影面積との関係を表す補正式を算出する。硬度算出部12では、硬度評価用試料TP1の硬度試験を行い、補正式演算部11で算出された補正式を用いて圧子の押し込み深さから投影面積を算出する。この補正投影面積に基づいて硬度を算出し、その結果を表示装置5に出力する。
補正式演算部11における処理について説明する。図2は、補正式演算部11における処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、弾性率とポアソン比が既知である基準試料TP0(例えばガラス)をステージ上にセットした後に、ユーザが入力部6の操作により補正式演算指令を入力するとスタートする。なお、メモリ4には、基準試料TP0の弾性率Esとポアソン比Vs、および圧子101のポアソン比Viと弾性率Eiが予め記憶されている。
まず、ステップS11で、昇降用アクチュエータ102を駆動して圧子101を降下し、試料TP0の表面に圧子101の先端を押し付け、圧痕を形成する。ここでは、所定の押し込み試験力Faまで試験力を徐々に増加した後に、試験力が0となるまで徐々に試験力を減少させる、いわゆる負荷除荷試験を行って圧痕を形成する。負荷除荷試験により得られた試験力Fと押し込み深さhとの関係(負荷除荷曲線f)を図3に示す。図中、haは、試験力をFaまで増加させたときの押し込み深さであり、Lは除荷時の負荷除荷曲線fを最小二乗法で近似した近似直線、hrは直線Lと試験力0の軸線との交点である。図3の負荷除荷曲線fは、荷重計2と位置検出センサ3からの信号により導出できる。
ステップS12では、負荷除荷試験によって形成された圧痕の投影面積Ap、すなわち水平面内の圧痕の面積を算出する。除荷時の直線Lの傾きSと、圧痕の投影面積Apとの間には次式(I)の関係が成立する。なお、式(I)において、E*は複合弾性率であり、試料TP0のポアソン比Vsと弾性率Es、および圧子101のポアソン比Viと弾性率Eiを用いて次式(II)で表される。
S=dF/dh=2×E*×√(Ap/π) (I)
1/E*=(1−Vs2)/Es+(1−Vi2)/Ei (II)
試料TP0のポアソン比Vsと弾性率Esおよび圧子101のポアソン比Viと弾性率Eiは予めメモリ4に記憶されているので、上式(II)により複合弾性率E*を求める。この複合弾性率E*と負荷除荷試験により求まる除荷時の直線Lの傾きSとを(I)式に代入し、(I)式を逆算することで投影面積Apを算出できる。
ステップS13では、負荷除荷試験により得られた押し込み深さhaと深さhrを次式(III)に代入し、接触深さhcを算出する。接触深さhcは、後述の補正式(IV)で用いる変数である。
hc=ha−0.75×(ha−hr) (III)
このようにしてステップS2,ステップS3では、所定の試験力Faに対応する投影面積Apおよび接触深さhcをそれぞれ算出する。
ステップS14では、試験力Faを8通りに変えて負荷除荷試験を行ったか否かを判定する。ステップS14が否定されると、ステップS15に進む。ステップS15では、ステージ用アクチュエータ103を駆動してステージを所定量だけ水平移動し、圧子101の直下方に圧痕が存在しないように試料TP0の位置をずらす。次いで、ステップS11に戻って、以前とは異なる大きさの試験力Faを負荷して同様に負荷除荷試験を行う。
ステップS11〜ステップS15は、8通りの試験力Fa1〜Fa8による負荷除荷試験が行われるまで繰り返される。これにより8通りの負荷除荷曲線f1〜f8を取得し、この負荷除荷曲線f1〜f8を用いて、各試験力Fa1〜Fa8に対応する投影面積Ap1〜Ap8および接触深さhc1〜hc8をそれぞれ算出する。
ステップS16では、負荷除荷試験により得られた投影面積Ap1〜Ap8および接触深さhc1〜hc8を、それぞれ次式(IV)のAp,hcに代入する。
Ap=23.96×hc2+C1×hc+C2×hc(1/2)+C3×hc(1/4)+C4×hc(1/8)
C5×hc(1/16)+C6×hc(1/32)+C7×hc(1/64)+C8×hc(1/128) (IV)
ここで、C1〜C8は未知の定数であり、投影面積Ap1〜Ap8と接触深さhc1〜hc8をそれぞれ代入して得られる8つの式を連立させて解くことで、各定数C1〜C8を求める。上述した式(IV)に定数C1〜C8を代入したものを、補正式(IV)としてメモリ6に記憶する。
上記補正式(IV)は、接触深さhcから実際の圧子形状に対応した投影面積Apを算出するための補正式であり、一般にオリバーの式として知られている。この式(IV)の第1項は、圧子101の先端を理想形状としたときの投影面積(理想投影面積Aps)に相当し、理想投影面積Apsは次式で表される。
Aps=23.96×hc2 (V)
理想形状とは、図4に点線で示すように圧子101の先端が設計値通りのものを言うが、圧子先端を厳密に理想形状とすることは困難であり、現実には図4の実線に示すように圧子先端が丸みを帯びていたり、対稜角θが115°からずれていたりする。この点を考慮して、後述の硬度評価の際には、上式(IV)により投影面積Apを補正する。
ステップS17では、各負荷除荷曲線f1〜f8により得られた接触深さhc1〜hc8の最大値hmaxおよび最小値hminをメモリ6に記憶する。例えば1回目〜8回目にかけて試験力Faを徐々に増加させて負荷除荷試験を行った場合には、1回目の負荷除荷試験による押し込み深さ(接触深さhc)が最小値hmin、8回目の負荷除荷試験による押し込み深さ(接触深さhc)が最大値hmaxとなる。
ステップS18では、算出した接触深さhmin,hmaxを補正式(IV)に代入し、補正投影面積Apmin,Apmaxを算出するとともに、補正式(V)にも代入し、理想投影面積Apsmin,Apsmaxを算出する。そして、算出した補正投影面積Apmin,Apmaxを理想投影面積Apsmin,Apsmaxでそれぞれ除算して投影面積比kmin(=Apmin/Apsmin),kmax(=Apmax/Apsmax)を算出し、これをメモリ6に記憶する。以上により、補正式演算部11における処理を終了する。
次に、硬度評価部12における処理について説明する。図5は、硬度評価部12における処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、弾性率とポアソン比が未知である硬度評価用試料TP1をステージ上にセットした後に、ユーザが入力部6の操作により硬度評価指令を入力するとスタートする。
まず、ステップS21で、試料TP1の表面に圧子101を押し付け、負荷除荷試験を行い、試料TP1の負荷除荷曲線fを取得する。この際の試験力Faは、試料TP1の種類、厚さ等を考慮して決定される。ステップS22では、負荷除荷曲線fにより得られた押し込み深さhcと深さhr(図3参照)を上式(III)に代入し、接触深さhcを算出する。ステップS23では、算出した接触深さhcを上式(V)に代入し、理想投影面積Apsを算出する。
ステップS24では、ステップS22で求めた接触深さhcと上述した最小値hmax,最大値hmax(ステップS17)との大小を判定する。接触深さhcが最小値hmaxより小さいと判定されるとステップS25に進み、上述した投影面積比kmin(ステップS18)に、ステップS23で求めた理想投影面積Apsを乗じて、補正投影面積Apを算出する。接触深さhcが最小値hmin以上かつ最大値hmax以下と判定されるとステップS26に進み、ステップS22で求めた接触深さhcを上式(IV)に代入し、補正投影面積Apを算出する。接触深さhcが最大値hmaxより大きいと判定されるとステップS27に進み、上述した投影面積比kmax(ステップS18)に理想投影面積Apsを乗じて補正投影面積Apを算出する。
ステップS28では、補正投影面積Apと負荷除荷試験時の試験力Faとに基づいて試料TP1の硬度を算出する。ステップS29では、補正投影面積Apと試料TP1の負荷除荷試験により得られた直線Lの傾きSを上式(I)に代入し、複合弾性率E*を算出する。さらに算出した複合弾性率E*と、圧子101のポアソン比Viおよび弾性率Eiを、上式(II)に代入し、試料TP1の材料特性を表す物性値(1−Vs2)/Esを算出する。ステップS30では、以上の処理により得られた算出結果を表示装置5に出力し、一連の処理を終了する。
本発明の実施の形態に係る硬度評価方法による試験手順をまとめると次のようになる。
(1)弾性率とポアソン比が既知の試料TP0に対し、試験力Faを8通りに変化させて負荷除荷試験を行う(ステップS11;第1の負荷除荷試験工程)。
(2)各負荷除荷試験により得られた近似直線Lの傾きS、押し込み深さha、および深さhrを上式(I),(III)にそれぞれ代入し、8通りの投影面積Ap1〜Ap8および接触深さhc1〜hc8を求める(ステップS12,ステップS13)。
(3)上記投影面積Ap1〜Ap8と接触深さhc1〜hc8を式(IV)に代入し、式(IV)の定数C1〜C8を算出し、圧子101の形状に応じた投影面積Apの補正式(IV)を算出する(ステップS16;算出工程)。
(4)8通りの負荷除荷試験のうち、最大の押し込み深さhmaxに対応した補正投影面積Apと理想投影面気Apsとの比kmax、および最小の押し込み深さhminに対応した補正投影面積Apと理想投影面積Apsとの比kminをそれぞれ算出する(ステップS18;算出工程)。
(5)弾性率とポアソン比が未知の硬度評価用試料TP1に対し、所定の試験力Faを負荷して負荷除荷試験を1回だけ行う(ステップS21;第2の負荷除荷試験工程)。
(6)負荷除荷試験により得られた押し込み深さhaと深さhrを上式(III)に代入し、接触深さhcを求めるとともに、上式(V)により接触深さhcに対応した理想投影面積Apsを求める(ステップS22,ステップS23)。
(7)接触深さhcに応じた補正式を選択し、補正投影面積Apを算出する。すなわち接触深さがhmin≦hc≦hmaxのときは補正式(IV)により補正投影面積Apを算出する。一方、hc<hminまたはhc>hmaxのときは、それぞれ補正係数が一定であるとして、理想投影面積Apsに投影面積比kminまたはkmaxをそれぞれ乗じて補正投影面積Apを算出する(ステップS25〜ステップS27;補正工程)。
(8)補正投影面積Apと試験力Faとに基づいて試料Tp1の硬度を算出し、さらに弾性率Esとポアソン比Vsで表される物性値を算出する(ステップS28,ステップS29;評価工程)。
本実施の形態によれば、圧子101の接触深さhcを3つの範囲に分けて、各範囲毎に異なる補正式を設定して投影面積Apを補正するようにしたので(ステップS25〜ステップS27)、接触深さhcの全範囲について精度よく投影面積を補正できる。すなわち上記補正式(IV)は、一定範囲(hmin≦hc≦hmax)の接触深さhcに基づいて算出した式であるから、接触深さhcがこの範囲内であれば、補正式(IV)により投影面積Apを精度よく補正できる。一方、接触深さhcが上記範囲外のときは、補正式(IV)は多次元の式であるため、補正式(IV)により補正したのでは補正投影面積Apの変化量が大きくなり、実際の投影面積Apから大きく乖離する場合がある。
この点を考慮して、本実施の形態では、最小の押し込み深さhminの下での実際の投影面積と理想投影面積との比kmin、および最大の押し込み深さhmaxの下での実際の投影面積と理想投影面積との比kmaxをそれぞれ算出し、hcが最小押し込み深さhminより小さいときは、投影面積を一定の投影面積比kminにより補正し、hcが最大押し込み深さhmaxより大きいときは、一定の投影面積比kmaxにより補正する。
この場合、図4に示すように、hcが最大値hmaxより大きいときは、実際の投影面積と理想投影面積とのずれΔAは、主に圧子先端の対稜角θの誤差が原因と考えられる。したがって、実際の投影面積は理想投影面積に対して一定の割合でずれるため、投影面積比kmaxを乗じることで投影面積を精度よく補正できる。
なお、上記実施の形態では、(IV)式に示した補正式を用いて、hcが所定範囲内(hmin≦hc≦hmax;第1の押し込み深さ範囲)のときの投影面積を補正するようにしたが、押し込み深さをパラメータとした他の補正関数(第1の補正関数)を用いることもできる。したがって、異なる試験力Faを負荷した8通りの負荷除荷試験を行う必要があるとは限らない。また、hcが最大押し込み深さhmaxより大きい範囲(第2の押し込み深さ範囲)では、投影面積比kmax(第2の投影面積比)に理想投影面積Apsを乗じたものを補正式として設定したが、押し込み深さをパラメータとした他の補正関数(第2の補正関数)を用いることもできる。さらに、押し込み深さhaが最小押し込み深さhminより小さい範囲(第3の押し込み深さ範囲)では、投影面積比kmin(第1の投影面積比)に理想投影面積Apsを乗じたものを補正式として設定したが、押し込み深さをパラメータとした他の補正関数を用いることもできる。すなわち補正手段としてのCPU10における処理は上述したものに限らない。
負荷手段としての昇降用アクチュエータ102は、電磁式アクチュエータ等、種々のものを用いることができる。試験力検出手段としての荷重計2は、ロードセル等種々のものを用いることができる。電磁力により試験力を負荷するものにあっては、電流値を検出することで試験力を検出することができる。深さ検出手段としての位置検出センサ3は、差動トランス式のセンサ等、種々のものを用いることができる。補正投影面積Apを用いて硬度評価するのであれば、評価手段としてのCPU10の処理はいかなるものでもよい。圧子101を三角錐形状としたが、圧子形状はこれに限らず、四角錐形状でもよい。入力部6からの指令によりアクチュエータ102,103を自動的に駆動して試験を行うようにしたが、アクチュエータ102,103を手動操作により駆動して試験を行うようにしてもよい。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の硬度計測装置に限定されない。
本発明の実施の形態に係る硬度測定装置の構成を示すブロック図。 図1の補正式演算部における処理の一例を示すフローチャート。 負荷除荷曲線の一例を示す図。 圧子の先端形状を拡大して示す図。 図1の硬度評価部における処理の一例を示すフローチャート。
符号の説明
2 荷重計
3 位置検出センサ
10 CPU
11 補正式演算部
12 硬度評価部
101 圧子
102 昇降用アクチュエータ

Claims (4)

  1. 試料に圧子を負荷する負荷手段と、
    前記負荷手段により負荷される試験力を検出する試験力検出手段と、
    前記試料への圧子の押し込み深さを検出する深さ検出手段と、
    圧子の押し込みにより形成された試料表面上の圧痕の投影面積を補正する補正手段と、
    前記投影面積の補正値に基づき試料の硬度を評価する評価手段とを備え、
    前記補正手段は、
    予め基準となる試料に対し、押し込み深さを複数通りに変えて行った複数回の負荷除荷試験により得られた試験力と押し込み深さとの関係に基づき、最小の押し込み深さと最大の押し込み深さの間の第1の押し込み深さ範囲に対応した第1の補正関数を算出するとともに、前記最大の押し込み深さより大きい第2の押し込み深さ範囲に対応した第2の補正関数を算出し、
    評価用試料に対して前記負荷手段により圧子を負荷したときの押し込み深さが、前記第1の押し込み深さ範囲内のときは、前記第1の補正関数により前記投影面積を補正し、前記第2の押し込み深さ範囲内のときは、前記第2の補正関数により前記投影面積を補正することを特徴とする硬度測定装置。
  2. 請求項1に記載の硬度測定装置において、
    前記補正手段は、前記基準となる試料に対して行った負荷除荷試験結果に基づき、前記最小の押し込み深さにおける前記投影面積の補正値と理想形状の圧子を想定した場合の理想投影面積との比である第1の投影面積比、および前記最大の押し込み深さにおける前記投影面積の補正値と理想投影面積との比である第2の投影面積比をそれぞれ算出し、
    前記押し込み深さが前記第2の押し込み範囲内のときは、その圧子の押し込み深さに応じた理想投影面積に前記第2の投影面積比を乗じた値を補正値とし、
    前記押し込み深さが前記最小の押し込み深さより小さい第3の押し込み範囲内のときは、その圧子の押し込み深さに応じた理想投影面積に前記第1の投影面積比を乗じた値を補正値とすることを特徴とする硬度測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の硬度測定装置において、
    圧子の先端を三角錐または四角錐形状としたとき、前記第1の補正関数は、以下の式で表されることを特徴とする硬度測定装置。
    Ap=α×hc2+C1×hc+C2×hc(1/2)+C3×hc(1/4)+C4×hc(1/8)
    +C5×hc(1/16)+C6×hc(1/32)+C7×hc(1/64)+C8×hc(1/128)
    なお、hc=ha−0.75×(ha−hr)
    但し、Ap;投影面積の補正値
    α;圧子の形状に対応した定数
    C1〜C8;計算により求める定数
    ha;負荷除荷試験を行ったときの押し込み深さ
    hr;負荷除荷試験により得られる除荷曲線に対して近似直線を引いたときの近似直線と試験力0の軸線との交点。
  4. 予め基準となる試料に対し、圧子の押し込み深さを複数通りに変えて複数回の負荷除荷試験を行う第1の負荷除荷試験工程と、
    前記第1の負荷除荷試験工程で得られた試験力と押し込み深さとの関係に基づき、最小の押し込み深さと最大の押し込み深さの間の第1の押し込み深さ範囲に対応した第1の補正関数、および前記最大の押し込み深さより大きい第2の押し込み深さ範囲に対応した第2の補正関数をそれぞれ算出する算出工程と、
    評価用試料に対し、負荷除荷試験を行う第2の負荷除荷試験工程と、
    前記第2の負荷除荷試験工程における圧子の押し込み深さが、前記第1の押し込み範囲内のときは、前記第1の補正関数により試料表面上の圧痕の投影面積を補正し、前記第2の押し込み範囲内のときは、前記第2の補正関数により投影面積を補正する補正工程と、
    前記投影面積の補正値に基づき試料の硬度を評価する評価工程とを備えることを特徴とする硬度測定方法。
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