JP4686952B2 - Driving force transmission device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁石の通電によるアーマチャの吸引力を安定させることができる駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、車両のプロペラシャフトとドライブピニオンシャフトとの間に配設されて、両シャフト間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置として、図6、図7に示すものを提案している。
【0003】
なお、図6及び図7において、左側を前側、右側を後側とする。
図6は車両12の概略図を示しており、駆動力伝達装置11はディファレンシャルキャリヤ22に収容状態で支持され、かつ駆動力伝達装置11にはプロペラシャフト18及びドライブピニオンシャフト19が連結されている。
【0004】
図7に示すように、駆動力伝達装置11は外側回転部材としてのアウタケース30a、内側回転部材としてのインナシャフト30b、メインクラッチ機構30c、パイロットクラッチ機構30d、及びカム機構30eを備えている。
【0005】
アウタケース30aは、有底筒状のフロントハウジング31aと、フロントハウジング31aの後端開口部にネジ止めされ、且つその開口部を覆うリヤハウジング31bとから構成されている。フロントハウジング31aの前端部には入力軸50が突出形成され、同入力軸50にはプロペラシャフト18が連結されている(図6参照)。
【0006】
入力軸50が一体に形成されたフロントハウジング31a、及びリヤハウジング31bは、磁性材料の鉄で形成されている。リヤハウジング31bの径方向の中間部には、非磁性体材料のステンレス製の筒体51が埋設され、同筒体51は環状の非磁性部位を形成している。
【0007】
フロントハウジング31aは、その前端部外周が、ディファレンシャルキャリヤ22(図6参照)に対してベアリング(図示省略)等を介して回転可能に支持されている。また、リヤハウジング31bは、その軸線O方向中間部外周が、ディファレンシャルキャリヤ22に対して支持されたヨーク36に対してベアリング40を介して相対回転可能に支持されている。
【0008】
そのベアリング40は、ラジアル軸受に相当する。
インナシャフト30bは、リヤハウジング31bの中央部を液密的に貫通してフロントハウジング31a内に挿入され、駆動力伝達装置11の軸線O方向への移動を規制された状態でフロントハウジング31aとリヤハウジング31bに対して相対回転可能に支持されている。インナシャフト30bには、ドライブピニオンシャフト19が挿入されている(図6参照)。
【0009】
メインクラッチ機構30cは湿式多板式の摩擦クラッチ機構であって、多数のインナクラッチプレート32a及びアウタクラッチプレート32bを備えており、フロントハウジング31a内の前部側に配設されている。
【0010】
摩擦クラッチ機構を構成する各インナクラッチプレート32aは、インナシャフト30bの外周にスプライン嵌合されて軸線O方向へ移動可能に組み付けられている。一方、各アウタクラッチプレート32bは、フロントハウジング31aの内周にスプライン嵌合されて軸線O方向へ移動可能に組み付けられている。各インナクラッチプレート32aと各アウタクラッチプレート32bは交互に位置されて互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して非係合の自由状態になる。
【0011】
パイロットクラッチ機構30dは、電磁石33、摩擦クラッチ34、及びアーマチャ35を備えている。
ヨーク36はディファレンシャルキャリヤ22に対していわゆる印ろう嵌合により差し込まれた状態で支承されている。そのヨーク36には環状の電磁石33が嵌着され、この電磁石33は、リヤハウジング31bの環状凹所53に嵌合されている。
【0012】
リヤハウジング31bにおけるヨーク36の外周面と対向する部位には、第1磁束通過突条61が形成され、ヨーク36における第1磁束通過突条61と対向する部位には第2磁束通過突条62が形成されている。また、リヤハウジング31bにおけるヨーク36の内周面と対向する部位には、第3磁束通過突条63が形成され、ヨーク36における第3磁束通過突条63と対向する部位には第4磁束通過突条64が形成されている。第1〜第4磁束通過突条61〜64の先端面は軸線Oに対して平行となるように形成されている。そして、第1磁束通過突条61と第2磁束通過突条62、及び第3磁束通過突条63と第4磁束通過突条64との間には所定の空隙が形成されている。
【0013】
摩擦クラッチ34は、複数のインナクラッチプレート34a及びアウタクラッチプレート34bからなる多板式の摩擦クラッチとして構成されている。各インナクラッチプレート34aは、後述するカム機構30eを構成する第1カム部材37の外周にスプライン嵌合されて軸線O方向へ移動可能に組み付けられている。一方、各アウタクラッチプレート34bは、フロントハウジング31aの内周にスプライン嵌合されて軸線O方向へ移動可能に組み付けられている。
【0014】
各インナクラッチプレート34aと各アウタクラッチプレート34bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して非係合の自由状態になる。
【0015】
アーマチャ35は環状をなしており、フロントハウジング31aの内周にスプライン嵌合されて軸線O方向への移動可能に組み付けられている。アーマチャ35は摩擦クラッチ34に対して前側に位置し、摩擦クラッチ34に対向している。
【0016】
電磁石33の電磁コイルへの通電により、ヨーク36、第2磁束通過突条62、第1磁束通過突条61、リヤハウジング31b、摩擦クラッチ34、アーマチャ35、摩擦クラッチ34、リヤハウジング31b、第3磁束通過突条63、第4磁束通過突条64、及びヨーク36間を循環する磁路Zが形成される。
【0017】
カム機構30eは、第1カム部材37、第2カム部材38、及びカムフォロア39で構成されている。
第1カム部材37及び第2カム部材38には、対向面に互いに対向する図示しないカム溝が周方向に所定間隔を保持して複数形成されている。第1カム部材37はインナシャフト30bの外周に回転可能に挿入されるとともに、リヤハウジング31bに回転可能に支承されている。第1カム部材37の外周には、各インナクラッチプレート34aがスプライン嵌合されている。
【0018】
第2カム部材38はインナシャフト30bの外周にスプライン嵌合されており、インナシャフト30bに対して一体回転可能に組み付けられている。同第2カム部材38はメインクラッチ機構30cのインナクラッチプレート32aに対向して位置されている。第2カム部材38と第1カム部材37の互いに対向するカム溝には、ボール状のカムフォロア39が介在されている。
【0019】
この結果、フロントハウジング31a内において、アーマチャ35が摩擦クラッチ34の前側に位置し、且つ電磁石33がリヤハウジング31bを挟んで摩擦クラッチ34の後側に位置し、リヤハウジング31bは磁路形成部材として機能する。
【0020】
リヤハウジング31bはインナシャフト30bの外周に液密的かつ回転可能に挿入された状態で、その前側壁部の周縁部にてフロントハウジング31aにネジ止めされている。また、リヤハウジング31bは、その後側筒部の後端部の外周にて図示しないオイルシールを介して、ディファレンシャルキャリヤ22に液密的かつ回転可能に支持されている。
【0021】
そして、駆動力伝達装置11は、電磁石33の電磁コイルへの通電がなされていない場合には磁路Zは形成されず、摩擦クラッチ34は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構30dは非作動の状態にあって、カム機構30eを構成する第1カム部材37は、カムフォロア39を介して第2カム部材38と一体回転可能であり、メインクラッチ機構30cは非作動状態にある。
【0022】
一方、電磁石33の電磁コイルへ通電されると、パイロットクラッチ機構30dには磁路Zが形成され、電磁石33はアーマチャ35を吸引し、アーマチャ35は摩擦クラッチ34を押圧して摩擦係合させる。すると、カム機構30eの第1カム部材37は第2カム部材38と一体回転していた状態から、アウタケース30aの回転に応じて回転するようになる。すると、第1カム部材37と第2カム部材38との間には相対回転が生じ、両カム部材37,38のカム溝内において、カムフォロア39が移動する。このカムフォロア39の移動により、カム機構30eではカムフォロア39が両カム部材37,38を互いに離間する方向へ押圧する。
【0023】
この結果、第2カム部材38はメインクラッチ機構30c側へ押圧され、メインクラッチ機構30cを摩擦クラッチ34の摩擦係合力に応じて摩擦係合させ、アウタケース30aとインナシャフト30bとの間のトルク伝達を行う。
【0024】
また、電磁石33の電磁コイルへの電圧電流を所定の値に高めると、電磁石33のアーマチャ35に対する吸引力が増大する。そして、アーマチャ35は強く電磁石33側へ吸引され、摩擦クラッチ34の摩擦係合力を増大させる。すると、第1カム部材37はアウタケース30aの回転に対して滑りが生じにくくなり、この結果、両カム部材37,38間の相対回転を増大させる。この結果、カムフォロア39は第2カム部材38に対する押圧力を高めて、メインクラッチ機構30cを結合状態とする。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示すように、ベアリング40は内輪40a、外輪40b及びその両者40a,40b間に配置されたベアリングボール40cを備えている。内輪40a、外輪40bにはベアリングボール40cを収容するためのボール溝が形成され、そのボール溝の曲率半径はベアリングボール40cの曲率半径よりも僅かに大きく形成されている。このように、ボール溝の曲率半径をベアリングボール40cの曲率半径よりも僅かに大きくすることで、ボール溝とベアリングボール40cとの間で、僅かな隙間をつくる。そして、この隙間を設けることで、ボール溝とベアリングボール40cとの焼きつきを防いでいる。
【0026】
以下、この僅かな隙間のことを「残留角隙間」という。
しかしながら、ボール溝の曲率半径がベアリングボール40cの曲率半径より大きいため、図7において、内輪40a(リヤハウジング31b)に対して外輪40bが、前後方向や、軸線Oに直交する方向へ平行移動することがある。また、図7において、中心点Cを中心とし紙面に対して垂直な仮想線を回転軸として時計回り方向又は反時計回り方向等へ回転移動するなどしてがたついてしまう。以下、ベアリング40の中心点Cを中心とした上記時計回り方向又は反時計回り方向を、「周方向」という。
【0027】
なお、ここでいう中心点Cとは軸線O上で、かつベアリング40における軸線O方向中央に位置する点とする。そして、「中心点Cを中心とした時計回り方向又は反時計回り方向」は、「ラジアル軸受の軸線に対して直交する仮想線を中心とした回転方向」に相当する。
【0028】
上記前後方向及び上記軸線Oに直交する方向への外輪40bのがたつきは、それほど大きながたつきにはならないが、上記周方向への外輪40bのがたつきは大きながたつきとなる。
【0029】
図8に示すように、外輪40bの周方向へのがたつきが起こると、第2磁束通過突条62の先端面及び第4磁束通過突条64の先端面は軸線Oに対して平行が保てず、第1磁束通過突条61と第2磁束通過突条62との空隙、及び第3磁束通過突条63と第4磁束通過突条64との空隙の幅が大きく変化してしまう。この空隙は磁路Zを形成する際の磁気抵抗であるため、幅が大きく変化してしまうと磁路Zを通過する磁束密度が安定しなくなる。この結果、電磁石33に加える電流が常に一定でも、磁路Zを通過する磁束密度がその時々によって大きくばらついてしまい、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力は不安定となっていた。
【0030】
また、上記周方向へのがたつきにより第1磁束通過突条61と第2磁束通過突条62及び第3磁束通過突条63と第4磁束通過突条64とが衝突すると、異音やビビリが発生する。さらには、回転側であるリヤハウジング31bに対して固定側であるヨーク36が接触することにより、摩耗、欠けなどが発生し、組み付け当初の磁束密度を保てなくなることがあった。
【0031】
さらには、リヤハウジング31bとヨーク36とが固着してしまってプロペラシャフト18の回転不良や、リヤハウジング31b、ヨーク36の割れ等を引き起こすおそれがある。従って、上記衝突を防ぐために、第1磁束通過突条61と第2磁束通過突条62及び第3磁束通過突条63と第4磁束通過突条64の空隙をできる限り幅広く設計する必要があり、空隙を広くするほど電磁石33がアーマチャ35を吸引する力が弱くなってしまうことがあった。
【0032】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は電磁石の通電によるアーマチャの吸引力を安定させることができる駆動力伝達装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、相対回転可能に位置する内側回転部材及び外側回転部材と、前記内側回転部材と前記外側回転部材とのトルクを伝達する摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチと対向配置されたアーマチャと、前記摩擦クラッチを挟んで前記アーマチャに対向配置された電磁石と、前記電磁石を支持するヨークと、同ヨークを前記外側回転部材に対して空隙を介して相対回転可能に支持するベアリングとを備え、前記電磁石へ通電することでヨーク、外側回転部材、摩擦クラッチ、アーマチャ、摩擦クラッチ、外側回転部材、ヨークを循環する磁路を形成し、前記電磁石が前記アーマチャを吸引して前記摩擦クラッチを摩擦係合し、同摩擦クラッチの摩擦係合力にて前記両回転部材をトルク伝達可能な連結状態とするように構成した駆動力伝達装置において、前記ヨークの前記磁路において前記外側回転部材に対向する面である第1対向面が、前記ベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されるとともに、前記外側回転部材の前記磁路において前記ヨークに対向する面である第2対向面が、前記ベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されていることを要旨とする。
【0034】
請求項1に記載の駆動力伝達装置では、ベアリングには内輪と外輪とを備えており、内輪を基準として見ると、外輪及びヨークは、ベアリングの軸線に対して直交する仮想線を中心とした回転方向へ僅かに回動する。しかしながら、磁路が通過するヨークの第1対向面はベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されているため、第1対向面部分の空隙の幅はほとんど変わらない。そのため、磁路を通過する磁束密度が安定するという作用がある。
また、磁路が通過する外側回転部材の第2対向面もベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。そのため、外輪及びヨークがベアリングの軸線に対して直交する仮想線を中心とした回転方向へ僅かに回動しても、第1対向面と第2対向面とがなす空隙の幅はほとんど変わらない。従って、該隙間管理が容易となる。
【0035】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記ベアリングは、内輪、外輪、及び前記内輪と外輪の間に配置されるベアリングボールを備えたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の駆動力伝達装置において、前記第1対向面は、前記外側回転部材へ向け突出した突出部に配置されたことを要旨とする。
【0036】
請求項3に記載の駆動力伝達装置では、請求項1又は請求項2に記載の駆動力伝達装置の作用に加え、ヨークに突出部を形成することで、その突出部に磁路を導きやすくできるという作用がある。
【0039】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の駆動力伝達装置において、前記第2対向面は、前記ヨークへ向け突出した突出部に配置されたことを要旨とする。
請求項4に記載の駆動力伝達装置では、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の駆動力伝達装置の作用に加え、外側回転部材に突出部を形成することで、その突出部に磁路を導きやすくできるだけでなく隙間管理が容易になるという作用がある。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。なお、本実施形態においては、従来の技術と同様の部分については同符号を付すと共に、その詳細な説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0041】
本実施形態の駆動力伝達装置81では、第1磁束通過突条61の先端面61aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。また、本実施形態では、第2磁束通過突条62の先端面62aにおいても中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。
【0042】
さらに、ヨーク36が周方向に回動しても、常に先端面61aの全面に対して先端面62aが対向可能なように第2磁束通過突条62が形成されている。
本実施形態では、摩擦クラッチ34は特許請求の範囲における摩擦クラッチに相当し、第1磁束通過突条61は突出部に相当し、先端面61aは第2対向面に相当する。また、第2磁束通過突条62は突出部に相当し、先端面62aは第1対向面に相当する。
【0043】
次に、上記第1実施形態の駆動力伝達装置81の作用について説明する。
駆動力伝達装置81の駆動中において、アウタケース30a(リヤハウジング31b)とヨーク36との相対回転等により発生する振動、及びベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36は中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動する(振れ動く)。
【0044】
しかしながら、先端面61a及び先端面62aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿うように形成されているため、ヨーク36が中心点Cを中心として周方向へ僅かに回動してもその両先端面61a,62aがなす空隙の幅はほとんど変化しない。このため、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力、及び磁路Zを通過する磁束密度が従来技術の駆動力伝達装置11と比べて安定し、かつ両先端面61a,62aがなす空隙を最小限度まで狭く設計可能となる。
【0045】
以下、本実施形態において、両先端面61a,62aがなす空隙をただ単に空隙ということがある。
従って、上記第1実施形態の駆動力伝達装置81によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0046】
(1)本実施形態では、第1磁束通過突条61の先端面61a、及び第2磁束通過突条62の先端面62aを、中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面にそれぞれ形成した。そのため、ベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36が中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動しても両先端面61a,62aがなす空隙の幅がほとんど変化しない。従って、従来の駆動力伝達装置11と比して本実施形態の駆動力伝達装置81は電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力を安定させることができる。この結果、駆動力伝達装置81は、空隙の幅を駆動力伝達装置11よりも狭く形成できる。また、両先端面61a,62aが互いに衝突することがなく、衝突による異音、ビビリ、摩耗、欠け等を防ぐことができる。加えて、両先端面61a,62aの互いの衝突による摩耗、欠けがないため、両先端面61a,62a間を通過する磁束密度が組み付け当初の状態を維持できる。
【0047】
(2)また、本実施形態の駆動力伝達装置81は、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力が駆動力伝達装置11に比して安定化し、かつ空隙の幅を駆動力伝達装置11よりも狭くすることで、駆動力伝達装置11と同じ通電量であっても吸引力が上がる。そのためプレート32a,32b又は、プレート34a,34bの枚数を削減したり、大きさを小さくできる。この結果、駆動力伝達装置81自体を小型化できる。以下、駆動力伝達装置81自体を小型化できる理由を説明する。
【0048】
電磁石33がアーマチャ35を吸引する力が安定していない場合には、最も吸引力が弱いときを想定して駆動力伝達装置81を構成しなければならない。また、先端面61a,62aが軸線Oに対して平行な面であったとすると、ヨーク36の周方向へのがたつきを考慮し空隙の幅を幅広く設ける必要があるため、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力が弱くなり、両プレート34a,34bを摩擦係合させる力も弱くなる。このため、第2カム部材38が両プレート32a,32bを摩擦係合させる力も弱くなり、アウタケース30aとインナシャフト30bとの間のトルク伝達が所望のものとならない。
【0049】
そこで、アーマチャ35による両プレート32a,32bを摩擦係合させる力の弱さを補うために、両プレート32a,32bの接触面積を増やすことが考えられる。その接触面積を増やす具体的な方法としては、両プレート32a,32bの枚数を増やしたり、大きさを大きくさせることが考えられる。この結果、アウタケース30aとインナシャフト30bとの間のトルク伝達が十分に行うことができるが、駆動力伝達装置81全体が大型化してしまう。
【0050】
また、両プレート32a,32bの枚数を増やしたり、大きさを大きくする変わりに、パイロットクラッチ機構30dの両プレート34a,34bの枚数を増やしたり、大きさを大きくすることが考えられる。このようにしてもアウタケース30aとインナシャフト30bとの間のトルク伝達が十分に行うことができるが、やはり駆動力伝達装置81全体が大型化してしまう。
【0051】
そのため、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力が安定しかつ、空隙の幅を最小限度にできれば、その分、両プレート32a,32b、又は両プレート34a,34bの枚数を増やしたり、大きさを大きくする必要がない。
【0052】
従って、本実施形態の駆動力伝達装置81は従来技術の駆動力伝達装置11と比して両プレート32a,32b、又は両プレート34a,34bの枚数を減らしたり、大きさを小さくでき、駆動力伝達装置81自体を小型化できる。
【0053】
(3)本実施形態では、第2磁束通過突条62に曲面(中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面)をなす先端面62aを形成した。従って、その先端面62aと同じ曲面を凹んだ部分や、平らな部分に形成する場合と比べて、本実施形態では突出した第2磁束通過突条62に形成しているため形成しやすい。
【0054】
(4)本実施形態では、ヨーク36に第2磁束通過突条62を形成した。そのため、第2磁束通過突条62の近辺においては、第2磁束通過突条62が最もリヤハウジング31b(第1磁束通過突条61)に近接しているため、第2磁束通過突条62に磁路を導きやすくすることができ、空隙の幅の管理も容易となる。
【0055】
(5)本実施形態では、第1磁束通過突条61に曲面(中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面)をなす先端面61aを形成した。従って、その先端面61aと同じ曲面を凹んだ部分や、平らな部分に形成する場合と比べて、本実施形態では突出した第1磁束通過突条61に形成しているため形成しやすい。
【0056】
(6)本実施形態では、リヤハウジング31bに第1磁束通過突条61を形成した。そのため、第1磁束通過突条61の近辺においては、第1磁束通過突条61が最もヨーク36(第2磁束通過突条62)に近接しているため、空隙の幅管理が容易にでき、かつ第1磁束通過突条61に磁路Zを導きやすくすることができる。
【0057】
(7)本実施形態では、ヨーク36が周方向に回動しても、常に先端面61aの全面に対して先端面62aが対向可能なように第2磁束通過突条62を形成した。従って、電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力をより一層安定させることができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図2に従って説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の部分については同符号を付すと共に、その詳細な説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0059】
本実施形態の駆動力伝達装置91においては、第1磁束通過突条61の先端面が第1実施形態と異なっている。本実施形態の第1磁束通過突条61の先端面70は軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿うように形成されている。先端面70は前方へ向かうにつれ軸線Oに近づくような斜面とされている。
【0060】
さらに、ヨーク36が周方向に回動しても、常に先端面70の全面に対して先端面62aが対向可能なように第2磁束通過突条62が形成されている。
次に、上記第2実施形態の駆動力伝達装置91の作用について説明する。
【0061】
先端面62aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿うように形成され、先端面70は軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿うように形成されている。そのため、ヨーク36が中心点Cを中心として周方向へ僅かに回動してもその両先端面70,62aがなす空隙の幅はほとんど変化しないため、その空隙の幅を最小限度まで狭く設計可能となる。
【0062】
従って、上記第2実施形態の駆動力伝達装置91によれば、第1実施形態の(2)〜(4)、(6)、(7)の効果と同様の効果を得ると共に、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
(1)本実施形態では、第1磁束通過突条61の先端面70を、軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿う曲面に形成した。また、第2磁束通過突条62の先端面62aを、中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成した。そのため、ベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36が中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動しても両先端面70,62aがなす空隙の幅がほとんど変化しない。従って、従来の駆動力伝達装置11と比して本実施形態の駆動力伝達装置91は電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力を安定させることができる。この結果、駆動力伝達装置91は、両先端面70,62aがなす空隙の幅を駆動力伝達装置11よりも狭く形成できる。また、両先端面62a,70が互いに衝突することがなく、衝突による異音、ビビリ、摩耗、欠け等を防ぐことができる。加えて、両先端面62a,70の互いの衝突による摩耗、欠けがないため、両先端面62a,70間を通過する磁束密度が組み付け当初の状態を維持できる。
【0064】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図3に従って説明する。なお、本実施形態においては、従来の技術と同様の部分については同符号を付すと共に、その詳細な説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0065】
本実施形態の駆動力伝達装置101では、第1磁束通過突条61が省略されると共に、その第1磁束通過突条61が形成されていた部分から後端側には凹部71が形成されている。凹部71の底面(表面)71aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。
【0066】
また、本実施形態の第2磁束通過突条62は従来技術の第2磁束通過突条62と比して長く突出されている。そして、第2磁束通過突条62の先端面62aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。
【0067】
本実施形態では、底面71aは第2対向面に相当する。また、第2磁束通過突条62は突出部に相当し、先端面62aは第1対向面に相当する。
従って、上記第3実施形態の駆動力伝達装置101によれば、第1実施形態の駆動力伝達装置81の作用と同様の作用を奏する。また、上記第3実施形態によれば、第1実施形態の(2)〜(4)の効果と同様の効果を得ると共に、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
(1)本実施形態では、凹部71の底面71a、及び第2磁束通過突条62の先端面62aを、中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成した。そのため、ベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36が中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動しても両面71a,62aがなす空隙の幅がほとんど変化しない。従って、従来の駆動力伝達装置11と比して本実施形態の駆動力伝達装置101は電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力を安定させることができる。この結果、駆動力伝達装置101は、両面71a,62aがなす空隙の幅を駆動力伝達装置11よりも狭く形成できる。また、先端面62aと底面71aとが互いに衝突することがなく、衝突による異音、ビビリ、摩耗、欠け等を防ぐことができる。加えて、先端面62aと底面71aとの互いの衝突による摩耗、欠けがないため、先端面62aと底面71aとの間を通過する磁束密度が組み付け当初の状態を維持できる。
【0069】
(2)本実施形態では、凹部71に曲面(中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面)をなす底面71aを形成した。即ち、底面71aはリヤハウジング31bの後端部内面に形成されている。従って、その底面71aと同じ曲面を、端部でない平らな部分に形成する場合と比べて形成しやすい。
【0070】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図4に従って説明する。なお、本実施形態においては、第3実施形態と同様の部分については同符号を付すと共に、その詳細な説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0071】
本実施形態の駆動力伝達装置111においては、凹部71の底面が第3実施形態と異なっている。本実施形態の凹部71の底面72は軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿うように形成されている。底面72は前方へ向かうにつれ軸線Oに近づくような斜面とされている。
【0072】
次に、上記第4実施形態の駆動力伝達装置111の作用について説明する。
先端面62aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿うように形成され、底面72は軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿うように形成されている。そのため、ヨーク36が中心点Cを中心として周方向へ僅かに回動しても底面72と先端面62aとがなす空隙の幅はほとんど変化しないため、その空隙の幅を最小限度まで狭く設計可能となる。
【0073】
従って、上記第4実施形態の駆動力伝達装置111によれば、第1実施形態の(2)〜(4)の効果と同様の効果を得ると共に、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
(1)本実施形態では、凹部71の底面72を、軸線Oを軸心とした仮想の円錐の表面に沿う曲面に形成した。また、第2磁束通過突条62の先端面62aを、中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成した。そのため、ベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36が中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動しても底面72と先端面62aとの空隙の幅がほとんど変化しない。従って、従来の駆動力伝達装置11と比して本実施形態の駆動力伝達装置111は電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力を安定させることができる。この結果、駆動力伝達装置111は、底面72と先端面62aとの空隙の幅を駆動力伝達装置11よりも狭く形成できる。また、先端面62aと底面72とが互いに衝突することがなく、衝突による異音、ビビリ、摩耗、欠け等を防ぐことができる。加えて、先端面62aと底面72との互いの衝突による摩耗、欠けがないため、先端面62aと底面72との間を通過する磁束密度が組み付け当初の状態を維持できる。
【0075】
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態を図5に従って説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の部分については同符号を付すと共に、その詳細な説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0076】
本実施形態の駆動力伝達装置121では、第4磁束通過突条64が省略されると共に、その第4磁束通過突条64が形成されていた部分から後端側には凹部73が形成されている。凹部73の底面(表面)73aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。また、本実施形態の第3磁束通過突条63は従来技術の第3磁束通過突条63と比して長く突出されている。そして、第3磁束通過突条63の先端面63aは中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されている。
【0077】
本実施形態では、第1磁束通過突条61及び第3磁束通過突条63は突出部に相当し、先端面61a及び先端面63aは第2対向面に相当する。また、第2磁束通過突条62は突出部に相当し、先端面62a及び底面73aは第1対向面に相当する。
【0078】
次に、上記第5実施形態の駆動力伝達装置121の作用について説明する。
ヨーク36が中心点Cを中心として周方向へ僅かに回動しても、両先端面61a,62aがなす空隙の幅がほとんど変化しないことに加えて、先端面63aと底面73aとがなす空隙の幅がほとんど変化しないため、その空隙の幅を最小限度まで狭く設計可能となる。そのため、電磁石33がアーマチャ35を吸引する力、及び磁路Zを通過する磁束密度が第1実施形態の駆動力伝達装置81と比べて安定する。
【0079】
従って、上記第5実施形態の駆動力伝達装置121によれば、第1実施形態の(1)〜(7)の効果と同様の効果を得ると共に、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
(1)本実施形態では、凹部73の底面73a、及び第3磁束通過突条63の先端面63aをも、中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面にそれぞれ形成した。そのため、ベアリング40の残留角隙間により、ヨーク36が中心点Cを中心に周方向へ僅かに回動しても先端面63aと底面73aとがなす空隙の幅がほとんど変化しない。従って、第1実施形態の駆動力伝達装置81と比して本実施形態の駆動力伝達装置121は電磁石33の通電によるアーマチャ35の吸引力を安定させることができる。この結果、駆動力伝達装置121は、先端面63aと底面73aとがなす空隙の幅を駆動力伝達装置81よりも狭く形成できる。また、先端面63aと底面73aとが互いに衝突することがなく、衝突による異音、ビビリ、摩耗、欠け等を防ぐことができる。加えて、先端面63aと底面73aとの互いの衝突による摩耗、欠けがないため、先端面63aと底面73aとの間を通過する磁束密度が組み付け当初の状態を維持できる。
【0081】
(2)本実施形態では、凹部73に曲面(中心点Cを中心とした仮想の球面に沿う曲面)をなす底面73aを形成した。即ち、底面73aはヨーク36の段部の角に形成されている。従って、その底面73aと同じ曲面を、段部でない平らな部分に形成する場合と比べて形成しやすい。
(別例)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
【0082】
・上記第1実施形態では、ヨーク36が周方向に回動しても、常に先端面61aの全面に対して先端面62aが対向可能なように第2磁束通過突条62を形成していた。これに限らず、ヨーク36が周方向に回動しても、常に先端面62aの全面に対して先端面61aが対向可能なように第1磁束通過突条61を形成してもよい。また、このような変更を第2及び第5実施形態において具体化してもよい。
【0083】
・上記第1実施形態では、第1磁束通過突条61と第2磁束通過突条62とをメインクラッチ機構30cと、パイロットクラッチ機構30dを備えた駆動力伝達装置81に適応していた。これに限らず、例えば、1つの摩擦クラッチからなる駆動力伝達装置に対して第1磁束通過突条61及び第2磁束通過突条62に相当するものを適応してもよい。即ち、パイロットクラッチ機構が無く、メインクラッチ機構の摩擦クラッチ機構を電磁コイルとアーマチャにて挟み、電磁コイルへの電圧電流に応じてアーマチャに対する吸引力を調整することで、直接的にメインクラッチ機構の締結力を制御するようにした構成の駆動力伝達装置に適応してもよい。また、このような変更を第2乃至第5実施形態において具体化してもよい。
【0084】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記第1対向面は凹部に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
【0085】
(ロ)前記第2対向面は凹部に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように、各請求項に記載の発明によれば、電磁石の通電によるアーマチャの吸引力を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図2】 第2実施形態における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図3】 第3実施形態における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図4】 第4実施形態における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図5】 第5実施形態における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図6】 従来技術における駆動力伝達装置を搭載した車両の説明図。
【図7】 従来技術における駆動力伝達装置の部分断面図
【図8】 従来技術における駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【符号の説明】
81,91,101,111,121…駆動力伝達装置、30a…外側回転部材としてのアウターケース、30b…内側回転部材としてのインナシャフト、33…電磁石、34…摩擦クラッチ、35…アーマチャ、36…ヨーク、40…ラジアル軸受としてのベアリング、61…突出部としての第1磁束通過突条、61a,63a,70…第2対向面としての先端面、62…突出部としての第2磁束通過突条、62a…第1対向面としての先端面、63…突出部としての第3磁束通過突条、71a,72…第2対向面としての底面、73a…第1対向面としての底面、Z…磁路。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a driving force transmission device that can stabilize the attractive force of an armature by energization of an electromagnet.
[0002]
[Prior art]
The present applicant has proposed a driving force transmission device shown in FIGS. 6 and 7 that is disposed between a propeller shaft and a drive pinion shaft of a vehicle and transmits torque between the shafts.
[0003]
6 and 7, the left side is the front side and the right side is the rear side.
FIG. 6 is a schematic view of the
[0004]
As shown in FIG. 7, the driving
[0005]
The
[0006]
The
[0007]
The
[0008]
The bearing 40 corresponds to a radial bearing.
The
[0009]
The
[0010]
Each
[0011]
The
The
[0012]
A first magnetic
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
By energizing the electromagnetic coil of the
[0017]
The cam mechanism 30 e includes a
In the
[0018]
The
[0019]
As a result, in the
[0020]
The
[0021]
The driving
[0022]
On the other hand, when the electromagnetic coil of the
[0023]
As a result, the
[0024]
Further, when the voltage current to the electromagnetic coil of the
[0025]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as shown in FIG. 8, the
[0026]
Hereinafter, this slight gap is referred to as “residual angular gap”.
However, since the radius of curvature of the ball groove is larger than the radius of curvature of the bearing
[0027]
The center point C here is a point located on the axis O and in the center of the bearing 40 in the direction of the axis O. The “clockwise direction or counterclockwise direction about the center point C” corresponds to “the rotational direction about the virtual line orthogonal to the axis of the radial bearing”.
[0028]
The backlash of the
[0029]
As shown in FIG. 8, when the
[0030]
Further, when the first magnetic
[0031]
Furthermore, the
[0032]
The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and an object thereof is to provide a driving force transmission device capable of stabilizing the attractive force of an armature by energization of an electromagnet.
[0033]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to claim 1 includes an inner rotating member and an outer rotating member positioned so as to be relatively rotatable, and a friction clutch for transmitting torque between the inner rotating member and the outer rotating member. An armature disposed opposite to the friction clutch, an electromagnet disposed opposite to the armature across the friction clutch, a yoke supporting the electromagnet, and the yoke with respect to the outer rotating member via a gap. To support relative rotationbearingA magnetic path that circulates through the yoke, outer rotating member, friction clutch, armature, friction clutch, outer rotating member, and yoke by energizing the electromagnet, and the electromagnet attracts the armature to form the friction. In the driving force transmission device configured to frictionally engage the clutch and connect the both rotating members to transmit torque by the frictional engagement force of the friction clutch, the outer rotating member in the magnetic path of the yoke The first facing surface that is the surface facing thebearingFormed on a curved surface along a virtual sphere centered on the center point ofAnd a second facing surface that is a surface facing the yoke in the magnetic path of the outer rotating member is formed as a curved surface along a virtual spherical surface centered on the center point of the bearing.It is a summary.
[0034]
In the driving force transmission device according to claim 1,bearingHas an inner ring and an outer ring. Looking at the inner ring as a reference, the outer ring and the yoke arebearingIt rotates slightly in the rotation direction around a virtual line perpendicular to the axis of the axis. However, the first opposing surface of the yoke through which the magnetic path passes isbearingTherefore, the width of the air gap in the first facing surface portion hardly changes. For this reason, the magnetic flux density passing through the magnetic path is stabilized.
Further, the second facing surface of the outer rotating member through which the magnetic path passes is also formed as a curved surface along a virtual spherical surface centered on the center point of the bearing. For this reason, even if the outer ring and the yoke are slightly rotated in the rotation direction around a virtual line orthogonal to the bearing axis, the width of the gap formed by the first facing surface and the second facing surface is hardly changed. . Therefore, the gap management becomes easy.
[0035]
The invention according to claim 2 is the driving force transmission device according to claim 1,The gist of the invention is that the bearing includes an inner ring, an outer ring, and a bearing ball disposed between the inner ring and the outer ring.
The invention according to claim 3 is the driving force transmission device according to claim 1 or 2,The gist is that the first facing surface is disposed in a protruding portion protruding toward the outer rotating member.
[0036]
Claim3In the driving force transmission device according to claim 1,Or claim 2In addition to the operation of the driving force transmission device described in (1), by forming a protrusion on the yoke, there is an effect that the magnetic path can be easily guided to the protrusion.
[0039]
The invention according to claim 4 is the claim1-claim3Any one ofIn the driving force transmission device according to the item, the second opposing surface is arranged in a protruding portion protruding toward the yoke.
In the driving force transmission device according to claim 4,1-claim3Any one ofIn addition to the operation of the driving force transmission device described in (1), by forming the protrusion on the outer rotating member, there is an effect that not only the magnetic path can be easily guided to the protrusion but also the gap management becomes easy.
[0040]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
A first embodiment embodying the present invention will be described below with reference to FIG. In the present embodiment, the same parts as those in the prior art are denoted by the same reference numerals, detailed description thereof is omitted, and only different parts are described.
[0041]
In the driving
[0042]
Further, the second magnetic
In the present embodiment, the
[0043]
Next, the operation of the driving
During the driving of the driving
[0044]
However, since the tip surface 61a and the
[0045]
Hereinafter, in the present embodiment, the gap formed by the both
Therefore, according to the driving
[0046]
(1) In this embodiment, the front end surface 61a of the first magnetic
[0047]
(2) Further, in the driving
[0048]
When the force with which the
[0049]
Therefore, in order to compensate for the weakness of the force by which the
[0050]
Further, instead of increasing the number of both
[0051]
Therefore, if the force with which the
[0052]
Therefore, the driving
[0053]
(3) In the present embodiment, the
[0054]
(4) In the present embodiment, the second magnetic
[0055]
(5) In the present embodiment, the tip surface 61 a that forms a curved surface (a curved surface along a virtual spherical surface with the center point C as the center) is formed on the first magnetic
[0056]
(6) In this embodiment, the 1st magnetic
[0057]
(7) In the present embodiment, the second magnetic
[0058]
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In the present embodiment, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, detailed description thereof is omitted, and only different parts are described.
[0059]
In the driving
[0060]
Furthermore, even if the
Next, the operation of the driving
[0061]
The
[0062]
Therefore, according to the driving
[0063]
(1) In this embodiment, the front end surface 70 of the first magnetic
[0064]
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In the present embodiment, the same parts as those in the prior art are denoted by the same reference numerals, detailed description thereof is omitted, and only different parts are described.
[0065]
In the driving
[0066]
Moreover, the 2nd magnetic
[0067]
In the present embodiment, the
Therefore, according to the driving
[0068]
(1) In the present embodiment, the
[0069]
(2) In the present embodiment, the
[0070]
(Fourth embodiment)
Next, a fourth embodiment embodying the present invention will be described with reference to FIG. In the present embodiment, the same parts as those in the third embodiment are denoted by the same reference numerals, detailed description thereof is omitted, and only different parts are described.
[0071]
In the driving
[0072]
Next, the operation of the driving
The
[0073]
Therefore, according to the driving
[0074]
(1) In the present embodiment, the
[0075]
(Fifth embodiment)
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In the present embodiment, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, detailed description thereof is omitted, and only different parts are described.
[0076]
In the driving
[0077]
In the present embodiment, the first magnetic
[0078]
Next, the operation of the driving
Even if the
[0079]
Therefore, according to the driving
[0080]
(1) In the present embodiment, the bottom surface 73a of the
[0081]
(2) In the present embodiment, the bottom surface 73 a that forms a curved surface (a curved surface along a virtual spherical surface with the center point C as the center) is formed in the
(Another example)
In addition, you may change each said embodiment as follows.
[0082]
In the first embodiment, the second magnetic
[0083]
In the first embodiment, the first magnetic
[0084]
Next, technical ideas that can be grasped from the above embodiments and other examples will be described below.
(A) The driving force transmission device according to claim 1, wherein the first facing surface is disposed in a recess.
[0085]
(B) The second facing surface is disposed in a recess.1The driving force transmission device according to 1.
[0086]
【The invention's effect】
As detailed above,eachClaimIn termsAccording to the described invention, the attractive force of the armature by energization of the electromagnet can be stabilized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device according to a first embodiment.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device according to a second embodiment.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device according to a third embodiment.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device according to a fourth embodiment.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device according to a fifth embodiment.
FIG. 6 is an explanatory diagram of a vehicle equipped with a driving force transmission device according to the prior art.
FIG. 7 is a partial cross-sectional view of a conventional driving force transmission device.
FIG. 8 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device in the prior art.
[Explanation of symbols]
81, 91, 101, 111, 121 ... Driving force transmission device, 30a ... Outer case as outer rotating member, 30b ... Inner shaft as inner rotating member, 33 ... Electromagnet, 34 ... Friction clutch, 35 ... Armature, 36 ... A yoke, 40 ... a bearing as a radial bearing, 61 ... a first magnetic flux passage ridge as a protrusion, 61a, 63a, 70 ... a tip surface as a second facing surface, 62 ... a second magnetic flux passage ridge as a protrusion. , 62a: a tip surface as a first facing surface, 63: a third magnetic flux passage ridge as a protruding portion, 71a, 72: a bottom surface as a second facing surface, 73a: a bottom surface as a first facing surface, Z: magnetism Road.
Claims (4)
前記電磁石へ通電することでヨーク、外側回転部材、摩擦クラッチ、アーマチャ、摩擦クラッチ、外側回転部材、ヨークを循環する磁路を形成し、前記電磁石が前記アーマチャを吸引して前記摩擦クラッチを摩擦係合し、同摩擦クラッチの摩擦係合力にて前記両回転部材をトルク伝達可能な連結状態とするように構成した駆動力伝達装置において、
前記ヨークの前記磁路において前記外側回転部材に対向する面である第1対向面が、前記ベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されるとともに、
前記外側回転部材の前記磁路において前記ヨークに対向する面である第2対向面が、前記ベアリングの中心点を中心とした仮想の球面に沿う曲面に形成されていることを特徴とする駆動力伝達装置。An inner rotating member and an outer rotating member positioned so as to be capable of relative rotation, a friction clutch for transmitting torque between the inner rotating member and the outer rotating member, an armature disposed opposite to the friction clutch, and the friction clutch in comprising a counter arranged electromagnet to the armature, a yoke for supporting the electromagnet, and a bearing for rotatably supported through a gap the same yoke to the outer rotary member,
By energizing the electromagnet, a yoke, an outer rotating member, a friction clutch, an armature, a friction clutch, an outer rotating member, and a magnetic path that circulates the yoke are formed, and the electromagnet attracts the armature to frictionally engage the friction clutch And a driving force transmission device configured to be in a connected state capable of transmitting torque by the friction engagement force of the friction clutch.
The first opposing surface is a surface facing the outer rotating member in the magnetic path of the yoke is formed in a curved surface along the imaginary sphere centered on the center point of the bearing Rutotomoni,
A driving force characterized in that a second facing surface, which is a surface facing the yoke, in the magnetic path of the outer rotating member is formed as a curved surface along a virtual spherical surface centered on the center point of the bearing. Transmission device.
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