JP4239680B2 - Electromagnetic clutch mechanism - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁クラッチ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば四輪駆動車における駆動軸と従動軸との間には両軸間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置が配設されている。図15に示すように、この従来の駆動力伝達装置100は、互いに同軸的かつ相対回転可能に配置されたフロントハウジング101及びリヤハウジング102を備えている。フロントハウジング101内には多板式のメインクラッチ103及びプラネタリーギヤ式の差動機構104が配置されている。
【0003】
リヤハウジング102には電磁クラッチ105が設けられている。この電磁クラッチ105は、磁路形成部材としてのリヤハウジング102と、当該リヤハウジング102の一側(図15における左側)に配置された環状の摩擦クラッチ106とを備えている。また、電磁クラッチ105は、摩擦クラッチ106の一側(図15における左側)に配置された環状のアーマチャ107と、前記リヤハウジング102の他側(図15における右側)に配置された環状の電磁石108とを備えている。電磁石108はヨーク109に形成された環状の収容凹部110に嵌め込まれており、この電磁石108が取付けられたヨーク109はリヤハウジング102の外側面(図15における右側側面)に形成された筒状の電磁石支持部111にベアリング112を介して回動可能に外嵌されている。
【0004】
図16に示すように、ヨーク109の内側壁109aはリヤハウジング102の外側面に形成された環状凹部113の小径側の内周面113aに対向配置されており、同じく外側壁109bはリヤハウジング102の外周面102aに対向するように配置されている。ヨーク109の内側壁109aと前記環状凹部113の小径側の内周面113aとの間には所定の内側ギャップC1が形成されている。また、ヨーク109の外側壁109bとリヤハウジング102の外周面102aとの間には、所定の外側ギャップC2が形成されている。
【0005】
電磁石108の電磁コイル( 図示略) が通電されると、次の経路で磁路Mが形成される。前記経路はヨーク109の外側壁109b→外側ギャップC2→リヤハウジング102の外周側→摩擦クラッチ106の外周側→アーマチャ107→摩擦クラッチ106の内周側→リヤハウジング102の内周側→内側ギャップC1→ヨーク109の内側壁109aである。この結果、アーマチャ107が磁気誘導作用により摩擦クラッチ106側へ吸引され、これにより摩擦クラッチ106が押圧されて摩擦係合する。この摩擦係合力によってメインクラッチ103(図15参照)が作動されると共に差動機構104の差動が制限され、フロントハウジング101とリヤハウジング102とがトルク伝達可能に連結される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−16731号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の電磁クラッチ105及びそれを備えた駆動力伝達装置100には、次のような問題があった。即ち、駆動力伝達装置100各部の寸法公差等により、ヨーク109のリヤハウジング102に対する取付け位置がそれらの中心軸方向において変化するおそれがあった。駆動力伝達装置100各部の寸法公差等としては、例えばベアリング112の寸法公差、同じくベアリング112のリヤハウジング102に対する組付け公差、ヨーク109及びリヤハウジング102の加工公差、ヨーク109のリヤハウジング102に対する組付け公差が含まれる。
【0008】
そして、ヨーク109のリヤハウジング102に対する取付け位置がそれらのの中心軸方向において変化すると、ヨーク109及びリヤハウジング102において互いに対向する面の対向面積が変化する。即ち、ヨーク109の内側壁109aの外面(ヨーク109の内周面)及び環状凹部113の小径側の内周面113aにおいて互いに重なり合っている部分の面積である内側対向面積が変化する。また、ヨーク109の外側壁109bの内面(収容凹部110の大径側の内周面)及びリヤハウジング102の外周面102aにおいて互いに重なり合っている部分の面積である外側対向面積が変化する。これは、ヨーク109及びリヤハウジング102において互いに対向する面、即ち内側対向面及び外側対向面の重複長さL1,L2(図16参照)がそれぞれ変化するからである。
【0009】
ヨーク109及びリヤハウジング102における内側対向面積及び外側対向面積は、それぞれ電磁石108の通電時に形成される磁路Mの面積(磁路面積)に相当するので、内側対向面積及び外側対向面積が変化すると磁路面積が変化する。そして、この磁路面積が変化すると磁力(磁束の数)も変化し、ひいては電磁クラッチ105の摩擦係合力も変化する。そして、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ予め設定された面積(ヨーク109が図15に示す基準位置にあるときの内外両対向面積)に対して変化すると、磁路面積も予め設定された面積とはならず、電磁クラッチ105の摩擦係合力も設定値に対して変化する。
【0010】
このような電磁クラッチ105のクラッチ特性の変化は、当該電磁クラッチ105をパイロット機構として作動する駆動力伝達装置100の作動にも影響を与える。即ち、電磁クラッチ105のクラッチ特性の変化に起因して、駆動力伝達装置100には伝達トルクが増大したり低下したりする等の変動が発生する。
【0011】
例えば、図16に示すように、電磁石108が取付けられたヨーク109のリヤハウジング102(厳密には、環状凹部113の内底面)に対する取付位置が図15に示す基準位置よりも近づいた場合、磁路長(磁路のループ)が小さくなる。この位置における内外両対向面の重複長さL1n,L2nが基準位置における前記重複長さL1,L2よりも長くなるからである(L1<L1n、L2<L2n)。このため、磁路全体の磁気抵抗が低下し、電磁石108に供給された電流値が同じであってもヨーク109が基準位置にある場合と比べて磁束が大きくなり伝達トルク(駆動力)が増大する。また、ヨーク109がリヤハウジング102(厳密には、環状凹部113の内底面)に近づくほど内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大し、内側ギャップC1及び外側ギャップC2における磁気抵抗がそれぞれ低下する。従って、前述した磁路長の変化と相まって磁束が更に大きくなり伝達トルクがいっそう増大する。
【0012】
逆に、図17に示すように、電磁石108が取付けられたヨーク109のリヤハウジング102(厳密には、環状凹部113の内底面)に対する取付位置が図15に示す基準位置よりも離れた場合、磁路長(磁路のループ)が大きくなる。この位置における内外両対向面の重複長さL1f,L1fが基準位置における前記重複長さL1,L2よりも短くなるからである(L1>L1f、L2>L2f)。このため、磁路全体の磁気抵抗が増大し、電磁石108に供給された電流値が同じであってもヨーク109が基準位置にある場合と比べて磁束が小さくなり伝達トルク(駆動力)が減少する。また、ヨーク109がリヤハウジング102から離れるほど内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少し、内側ギャップC1及び外側ギャップC2における磁気抵抗がそれぞれ増大する。従って、前述した磁路長の変化と相まって磁束が更に小さくなり伝達トルクがいっそう減少する。
【0013】
具体的に説明すると、図18に示すように、ヨーク109のリヤハウジング102に対する取付け位置が例えば基準位置よりも1mmだけリヤハウジング102側に近い場合、ヨーク109が基準位置にある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は22.0%程度となる。逆に、ヨーク109のリヤハウジング102に対する取付け位置が例えば基準位置よりも1mmだけリヤハウジング102から離れている場合、ヨーク109が基準位置にある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は−20.0%程度となる。電磁クラッチ105の伝達トルクを決定する要素の一つに電磁石108の電磁力による吸引力があり、この吸引力は磁気回路の磁束の大きさで決まる。従って、磁束が大きいほど吸引力が大きくなり電磁クラッチ105の伝達トルクも大きくなる。換言すれば、磁束が小さいほど吸引力が小さくなり電磁クラッチ105の伝達トルクは小さくなる。
【0014】
このように、前記従来の電磁クラッチ105及びそれを備えた駆動力伝達装置100においては、電磁石108へ供給する電流値によりその伝達トルク(駆動力)を制御することができる。しかしながら、ヨーク109のリヤハウジング102に対する取付け位置のずれ(誤差)により、得られる伝達トルクの大きさが製品毎に変化してばらつきが発生するおそれがあった。換言すれば、電磁クラッチ105の作動特性(クラッチ特性)、ひいては駆動力伝達装置100の作動特性(伝達トルク特性)が製品毎に変化するという問題があった。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、組立て誤差に起因する作動特性の変化を抑制することができる電磁クラッチ機構を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、摩擦クラッチと、当該摩擦クラッチの一側に配置されると共に電磁石が収容された第1磁路形成部材と、前記摩擦クラッチと第1磁路形成部材とを隔てるように設けた第2磁路形成部材と、前記摩擦クラッチの他側に位置するアーマチャとを備え、前記電磁石への通電によりアーマチャを第2磁路形成部材側へ吸引すると共に当該アーマチャと第2磁路形成部材との協働により前記摩擦クラッチを摩擦係合させるようにした電磁クラッチ機構において、前記第1磁路形成部材は第2磁路形成部材に対してギャップ部を介して相対回転可能に配設し、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも近接した場合には前記ギャップ部のギャップ対向面積が小さくなるように、また、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも離間した場合には前記ギャップ部のギャップ対向面積が大きくなるように、前記第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材を構成するようにしたことを要旨とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、前記第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材は、第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材における互いに対向するギャップ対向面にそれぞれ突部を一体形成し、前記第1磁路形成部材の突部と前記第2磁路形成部材の突部とは中心軸方向においてずれて対向配置されていることを要旨とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、摩擦クラッチと、当該摩擦クラッチの一側に配置されると共に電磁石が収容された第1磁路形成部材と、前記摩擦クラッチと第1磁路形成部材とを隔てるように設けた第2磁路形成部材と、前記摩擦クラッチの他側に位置するアーマチャとを備え、前記電磁石への通電により発生する磁束によりアーマチャを第2磁路形成部材側へ吸引すると共に当該アーマチャと第2磁路形成部材との協働により前記摩擦クラッチを摩擦係合させるようにした電磁クラッチ機構において、前記第1磁路形成部材は第2磁路形成部材に対してギャップ部を介して相対回転可能に配設し、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも近接した場合には前記磁束の磁路の長さが小さくなるとともに前記ギャップ部のギャップ距離が大きくなるように、また、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも離間した場合には前記磁束の磁路の長さが長くなるとともに前記ギャップ部のギャップ距離が小さくなるように、前記第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材を構成するようにしたことを要旨とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電磁クラッチにおいて、前記ギャップ部のギャップ距離を変化させる構成は、第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材における互いに対向するギャップ対向面をそれぞれ所定の傾斜角度を有する傾斜面とし、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する相対位置が予め設定した基準位置にある状態で、前記両ギャップ対向面が互いに平行をなすように両ギャップ対向面の傾斜角度をそれぞれ設定するようにしたものであることを要旨とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を、例えば前輪駆動ベースの四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経路に配設される駆動力伝達装置に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0024】
図1に示すように、四輪駆動車等の車両11は、エンジン12及びトランスアクスル13を備えている。トランスアクスル13には一対のフロントアクスル14, 14及びプロペラシャフト15が連結されている。両フロントアクスル14, 14にはそれぞれ前輪16, 16が連結されている。プロペラシャフト15には駆動力伝達装置17が連結されている。駆動力伝達装置17にはドライブピニオンシャフト18を介してリヤディファレンシャル19が連結されている。リヤディファレンシャル19には一対のリヤアクスル20, 20を介して後輪21, 21が連結されている。駆動力伝達装置17、ドライブピニオンシャフト18及びリヤディファレンシャル19はディファレンシャルキャリヤ22内に収容支持されており、同ディファレンシャルキャリヤ22を介して車体に支持されている。ディファレンシャルキャリヤ22内にはディファレンシャルオイルが封入されている。
【0025】
エンジン12の駆動力はトランスアクスル13及び両フロントアクスル14, 14を介して両前輪16, 16に伝達される。また、プロペラシャフト15とドライブピニオンシャフト18とが駆動力伝達装置17にてトルク伝達可能に連結された場合、エンジン12の駆動力はプロペラシャフト15、ドライブピニオンシャフト18、リヤディファレンシャル19及び両リヤアクスル20, 20を介して両後輪21, 21に伝達される。
【0026】
(駆動力伝達装置)
次に駆動力伝達装置17について説明する。図2に示すように、駆動力伝達装置17はアウタケース31を備えている。このアウタケース31内にはインナシャフト32、メインクラッチ機構33、パイロットクラッチ機構35及びカム機構36がそれぞれ収容されている。
【0027】
(アウタケース)
アウタケース31は、一端(後端)が開口した有底筒状のフロントハウジング31aと、同フロントハウジング31aの開口部に螺着されたリヤハウジング31bとを備えている。フロントハウジング31aは非磁性体材料であるアルミニウム合金、リヤハウジング31bは軟質の磁性体材料である低炭素鋼(鉄)によりそれぞれ形成されている。
【0028】
(インナシャフト)
インナシャフト32の一端部(図1における左側端部)は、リヤハウジング31bの中央部を液密的に貫通してフロントハウジング31a内に挿入されている。インナシャフト32は回動中心軸方向への移動を規制された状態でフロントハウジング31a及びリヤハウジング31bに対して回転可能に支持されている。インナシャフト32の一端部はディファレンシャルキャリヤ22の前端部内周面に対してベアリングBを介して回動可能に支持されている。インナシャフト32の他端部(図1における右側端部)には、ドライブピニオンシャフト18(図2では図示略)の一端部がスプライン結合されている。
【0030】
(パイロットクラッチ機構)
パイロットクラッチ機構35は、アウタケース31の後端側(図1における右端側)に配設されている。パイロットクラッチ機構35は、リヤハウジング31b、摩擦クラッチ61、アーマチャ62、電磁石63及びヨーク64を備えている。アーマチャ62は摩擦クラッチ61と後述するカム機構36を構成する第1カム部材71との間に位置している。電磁石63は摩擦クラッチ61の後端側に配置されている。電磁石63にはワイヤハーネスWの一端が接続されている。ワイヤハーネスWの他端は外部に導出されており、スイッチ(図示略)を介してバッテリ(図示略)に接続されている。
【0031】
(リヤハウジング)
図3に示すように、リヤハウジング31bの後端側側面(図3における右側側面)には円筒状の内側筒部41及び同じく外側筒部42が形成されている。外側筒部42は内側筒部41よりも大径とされている。リヤハウジング31bの後端側側面、内側筒部41及び外側筒部42により環状のヨーク収容凹部43が形成されている。リヤハウジング31bの径方向における中間部には、非磁性体材料であるステンレス製又は銅製の円環状の筒体(磁路遮断部材)44が埋設(鋳込み形成)されている。
【0032】
(摩擦クラッチ)
摩擦クラッチ61は、湿式多板式の摩擦クラッチ機構であって、複数のインナクラッチプレート61a及びアウタクラッチプレート61bを備えている。各インナクラッチプレート61aは後述するカム機構36を構成する第1カム部材71の外周面に対してスプライン結合されており、インナシャフト32の回転中心軸方向へ移動可能となっている。各アウタクラッチプレート61bはフロントハウジング31aの内周面に対してスプライン結合されており、アウタケース31の回転中心軸方向へ移動可能となっている。各インナクラッチプレート61aと各アウタクラッチプレート61bとはそれぞれ交互に配置されている。インナクラッチプレート61a及びアウタクラッチプレート61bは互いに当接して摩擦係合すると共に、互いに離間して非係合の自由状態になる。
【0033】
(アーマチャ)
アーマチャ62は環状に形成されており、フロントハウジング31aの内周面に対してスプライン結合されている。アーマチャ62はアウタケース31の回転中心軸方向へ移動可能かつとなっていると共に、アウタケース31と一体回転可能となっている。
【0034】
(電磁石及びヨーク)
図2及び図3に示すように、ヨーク64は環状に形成されており、当該ヨーク64はディファレンシャルキャリヤ22の後端側側壁の内面にスナップリングSを介して回動不能に固定されている。ヨーク64はリヤハウジング31bと同様の低炭素鋼により形成されており、当該ヨーク64の摩擦クラッチ61側の側面(図2における左側側面)には環状の電磁石収容凹部64aが形成されている。この電磁石収容凹部64aには環状の電磁石63が嵌め込まれている。この電磁石63が取付けられたヨーク64は、リヤハウジング31bの後端側側面(図2における右側側面)に形成された環状のヨーク収容凹部43に収容されている。
【0035】
ヨーク64の内周面と内側筒部41の外周面(即ち、ヨーク収容凹部における小径側の内周面)との間には、内側ギャップ(第1のギャップ)C1が形成されている。また、ヨーク64の外周面と外側筒部42の内周面(即ち、ヨーク収容凹部43における大径側の内周面)との間には外側ギャップ(第2のギャップ)C2が形成されている。これにより、アウタケース31(リヤハウジング31b)はヨーク64に対して相対的に回動可能とされている。ヨーク64及びリヤハウジング31bにおいて、内側ギャップC1及び外側ギャップC2にそれぞれ臨む部位である内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2の構成については後に詳述する。
【0036】
電磁石63の電磁コイル( 図示略) に電流が供給されると、パイロットクラッチ機構35には図3に一点鎖線で示すように循環する磁路Mが発生する。即ち、ヨーク64(外周側)、外側ギャップC2、リヤハウジング31b(外側筒部42)、摩擦クラッチ61(外周側の磁路域)、アーマチャ62、摩擦クラッチ61(内周側の磁路域)、リヤハウジング31b(内側筒部41)、内側ギャップC1及びヨーク64(内周側)を循環する磁路Mが形成される。すると、アーマチャ62は磁気誘導作用により電磁石63側に吸引され、このアーマチャ62の吸引力に応じて摩擦クラッチ61は摩擦係合する。
【0037】
(カム機構)
カム機構36は、環状の第1カム部材71、環状の第2カム部材72及び球状のカム体73(図2参照)を備えている。第1カム部材71及び第2カム部材72の互いに対向する面にはそれぞれ複数のカム溝が第1カム部材71及び第2カム部材72の周方向に所定間隔毎に形成されている。第1カム部材71及び第2カム部材72の互いに対向するカム溝間にはカム体73がはめ込まれている。
【0038】
第1カム部材71はインナシャフト32に対して相対回転可能に嵌挿されており、リヤハウジング31bの前端面に対して軸受を介して接触している。第2カム部材72はインナシャフト32の外周面に対してスプライン結合されており、同インナシャフト32の回転中心軸方向に移動可能となっている。第2カム部材72はメインクラッチ機構33のインナクラッチプレート33aに対向するように配設されている。
【0039】
パイロットクラッチ機構35の摩擦クラッチ61が非摩擦係合状態の場合には、第1カム部材71は自由状態に保持される。そして、摩擦クラッチ61が摩擦係合状態となると、第1カム部材71はアウタケース31に連結される。すると、第1カム部材71と第2カム部材72との間には相対回転が生じ、同第1カム部材71はカム体73を介して第2カム部材72をメインクラッチ機構33側へ押圧する。この結果、メインクラッチ機構33は摩擦係合状態となる。
【0040】
即ち、パイロットクラッチ機構35の電磁石63の電磁コイルが非通電状態にある場合には、摩擦クラッチ61及びアーマチャ62は自由状態である。そして、第1カム部材71及び第2カム部材72はカム体73を介してインナシャフト32に対して一体回転可能な状態に保持され、摩擦クラッチ61及びカム機構36の機能はそれぞれ規制される。
【0041】
(ギャップ部)
次に、内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2の構成について詳細に説明する。
【0042】
図3に示すように、リヤハウジング31bにおいて、内側筒部41における外端側の外周面(即ち、ヨーク収容凹部43の外端側における小径側の内周面)には環状且つ帯状のリヤハウジング側内側突部81が形成されている。リヤハウジング側内側突部81は内側筒部41の外端縁から同じく中間部までの範囲に亘って形成されている。リヤハウジング側内側突部81の両端縁にはそれぞれ面取りが施されている。リヤハウジング側内側突部81の内面において、面取り部分を除く部位はリヤハウジング側内側対向面81aとされている。
【0043】
また、外側筒部42における外端側の内周面(即ち、ヨーク収容凹部43の外端側における大径側の内周面)には環状且つ帯状のリヤハウジング側外側突部82が形成されている。リヤハウジング側外側突部82は外側筒部42の外端縁から同じく中間部までの範囲に亘って形成されている。リヤハウジング側外側突部82の両端縁にはそれぞれ面取りが施されている。リヤハウジング側外側突部82の内面において、面取り部分を除く部位はリヤハウジング側外側対向面82aとされている。
【0044】
ヨーク64の内周面には環状且つ帯状のヨーク側内側突部83が形成されている。ヨーク側内側突部83の両端縁にはそれぞれ面取りが施されている。ヨーク側内側突部83の内面において、面取り部分を除く部位はヨーク側内側対向面83aとされている。また、ヨーク64の外周面には環状且つ帯状のヨーク側外側突部84が形成されている。ヨーク側外側突部84の両端縁にはそれぞれ面取りが施されている。ヨーク側外側突部84の外面において、面取り部分を除く部位はヨーク側外側対向面84aとされている。
【0045】
そして、ヨーク64をリヤハウジング31bのヨーク収容凹部43に収容した状態において、リヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとは内側ギャップC1を介して互いに対向している。リヤハウジング側内側対向面81a及びヨーク側内側対向面83aはアウタケース31の中心軸方向においてずれており、互いに半分程度だけ重なっている。リヤハウジング側内側対向面81a及びヨーク側内側対向面83aの重なった部分の面積(以下、「内側対向面積」という。)は、電磁石63へ通電したときに形成される磁路Mの面積(以下、「内側磁路面積」という。)に相当する。
【0046】
また、ヨーク64をリヤハウジング31bのヨーク収容凹部43に収容した状態において、リヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとは外側ギャップC2を介して互いに対向している。リヤハウジング側外側対向面82a及びヨーク側外側対向面84aはアウタケース31の中心軸方向においてずれており、互いに半分程度だけ重なっている。リヤハウジング側外側対向面82a及びヨーク側外側対向面84aの重なった部分の面積(以下、「外側対向面積」という。)は、電磁石63へ通電したときに形成される磁路Mの面積(以下、「外側磁路面積」という。)に相当する。
【0047】
図3に示す位置がヨーク64のリヤハウジング31bに対する組付けの基準位置Psとされている。図3に示すように、ヨーク64がリヤハウジング31bに対する基準位置Psに組付けられているとき、内側対向面積及び外側対向面積は予め設定された面積となる。即ち、磁束も予め設定された値が得られ、電磁石63によるアーマチャ62の吸引力も予め設定された値が得られる。図3に二点鎖線で示すように、本実施形態ではリヤハウジング31bに対するヨーク64の組付け位置(相対位置)を当該ヨーク64の内端面の位置で示す。
【0048】
パイロットクラッチ機構35の各部における寸法公差により、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置が当該リヤハウジング31bの中心軸方向において変化するおそれがある。パイロットクラッチ機構35の各部における寸法公差としては、例えばベアリングBの寸法公差、同じくベアリングBのリヤハウジング31bに対する組付け公差、ヨーク64及びリヤハウジング31bの加工公差、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する組付け公差等がある。
【0049】
そして、図4に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも近づいた場合、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ減少する。逆に、図5に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも離れた場合、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ増大する。これは、リヤハウジング側内側突部81とヨーク側内側突部83とが互い違いになるように対向配置されていると共に、リヤハウジング側外側突部82とヨーク側外側突部84とが互い違いになるように対向配置されているからである。
【0050】
尚、本実施形態において、アウタケース31は外側回転部材を構成し、インナシャフト32は内側回転部材を構成する。ヨーク64は第1磁路形成部材を構成し、リヤハウジング31bは第2磁路形成部材を構成する。パイロットクラッチ機構35は電磁クラッチ機構を構成する。リヤハウジング側内側対向面81a、リヤハウジング側外側対向面82a、ヨーク側内側対向面83a及びヨーク側外側対向面84aはそれぞれギャップ対向面を構成する。内側ギャップ距離d1及び外側ギャップ距離d2はギャップ距離を構成する。内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2はギャップ部を構成する。
【0051】
また、本実施形態において、リヤハウジング側内側突部81及びリヤハウジング側外側突部82は、それぞれリヤハウジング31bのギャップ対向面に形成された突部を構成する。ヨーク側内側突部83及びヨーク側外側突部84は、それぞれヨーク64のギャップ対向面に形成された突部を構成する。この場合におけるギャップ対向面はヨーク64及びリヤハウジング31bにおいて互いに対向する面をいい、請求項2におけるギャップ対向面に相当する。具体的には、ギャップ対向面(請求項2におけるギャップ対向面)とは、リヤハウジング31bの内側筒部41における外端側の外周面、同じく外側筒部42における外端側の内周面、ヨーク64の内周面及びヨーク64の外周面をいう。
【0052】
(第1実施形態の作用)
次に、前述のように構成した駆動力伝達装置17の車両11の走行時における作用を説明する。
【0053】
(二輪駆動状態)
電磁石63の電磁コイルへ電流が供給されていない場合には磁路Mが形成されることはなく、パイロットクラッチ機構35は非作動の状態に保持される。即ち、摩擦クラッチ61は非係合状態に保持される。このため、カム機構36を構成する第1カム部材71はカム体73を介して第2カム部材72と一体回転可能となり、メインクラッチ機構33は非作動状態に保持される。この結果、フロントハウジング31a(アウタケース31)とインナシャフト32との間のトルク伝達は行われない。即ち、車両11はプロペラシャフト15とドライブピニオンシャフト18とが連結されない二輪駆動状態となる。
【0054】
(非直結の四輪駆動状態)
一方、電磁石63の電磁コイルへ電流を供給すると、パイロットクラッチ機構35には磁路Mが形成され、電磁石63は磁気誘導作用によりアーマチャ62を自身の方へ吸引する。アーマチャ62は摩擦クラッチ61を押圧して摩擦係合させ、これによりカム機構36の第1カム部材71がフロントハウジング31a(アウタケース31)に連結される。このため、第1カム部材71と第2カム部材72との間には相対回転が発生する。そして、カム体73は第1カム部材71と第2カム部材72とを互いに離間する方向へ押圧する。
【0055】
第2カム部材72はメインクラッチ機構33側へ押圧され、当該メインクラッチ機構33は摩擦クラッチ61の摩擦係合力に応じて摩擦係合する。この結果、フロントハウジング31a(アウタケース31)とインナシャフト32との間のトルク伝達が行われる。プロペラシャフト15からドライブピニオンシャフト18へ摩擦クラッチ61の摩擦係合力に応じたトルクが伝達される。即ち、車両11はプロペラシャフト15とドライブピニオンシャフト18とが非直結の四輪駆動状態となる。
【0056】
(直結の四輪駆動状態)
また、電磁石63の電磁コイルへ供給する電流値を所定値まで高めると、電磁石63のアーマチャ62に対する吸引力が増大する。そして、アーマチャ62は強く電磁石63側へ吸引される。すると、摩擦クラッチ61の摩擦係合力が増大し、これに伴って第1カム部材71と第2カム部材72との間の相対回転も増大する。この結果、カム体73は第2カム部材72に対する押圧力が高められて、メインクラッチ機構33は強固に摩擦係合し、完全に結合した状態となる。即ち、車両11はプロペラシャフト15とドライブピニオンシャフト18とが直結した四輪駆動状態となる。
【0057】
(パイロットクラッチ機構の伝達トルク)
ここで、パイロットクラッチ機構35の伝達トルクとギャップ対向面積(内側対向面積及び外側対向面積)との関係について説明する。パイロットクラッチ機構35の伝達トルクは、摩擦半径、摩擦面数、クラッチ摺動部摩擦係数及び電磁力による吸引力により決定される。パイロットクラッチ機構35の伝達トルクを決定する要因の一つである吸引力は、磁気回路を流れる磁束の大きさで決まる。この磁束は次式(ア)により求まる。
【0058】
φ=NI/R………(ア)
ここで、磁束とギャップ対向面積との関係を得るために、次式(イ)を前記式(ア)に代入する。すると、次式(ウ)が得られる。
【0059】
R=d/μA………(イ)
φ=μNIA/d…(ウ)
ここで、φは磁束、Nは電磁石63における電磁コイルの巻き数、Iは電磁石63へ供給される電流値、Rは内側ギャップC1及び外側ギャップC2の磁気抵抗、μは空気の透磁率、dは内側ギャップC1及び外側ギャップC2の距離、Aはギャップ対向面積である。
【0060】
従って、(ウ)式により、ギャップ対向面積Aが増大すれば磁束φも増大し、この結果、パイロットクラッチ機構35の伝達トルクも大きくなることがわかる。同じくギャップ対向面積Aが減少すれば磁束φも減少し、この結果、パイロットクラッチ機構35の伝達トルクも小さくなることがわかる。
【0061】
(ヨークの相対位置変化の影響について)
次に、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置(相対位置)の変化がパイロットクラッチ機構35、ひいては当該パイロットクラッチ機構35を備えた駆動力伝達装置17へ及ぼす影響について説明する。
【0062】
例えば、前述したパイロットクラッチ機構35の各部における寸法公差等により、ヨーク64のリヤハウジング31b(厳密には、ヨーク収容凹部43の内底面)に対する相対位置が当該リヤハウジング31bの中心軸方向において変化することがある。そして、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が当該リヤハウジング31bの中心軸方向において変化すると、ギャップ対向面積(内側対向面積及び外側対向面積)が変化する。これは、ヨーク64及びリヤハウジング31bにおいて互いに対向する面、即ちリヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとの重複長さL1、及びリヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとの重複長さL2がそれぞれ変化するからである。ギャップ対向面積は電磁石63の通電時に形成される磁路Mの面積(磁路面積)に相当するので、ギャップ対向面積が変化することは磁路面積が変化することであり、この磁路面積が変化すると磁力(磁束の数)も変化し、ひいてはパイロットクラッチ機構35の摩擦係合力、即ち伝達トルクが変化する。
【0063】
しかしながら、本実施形態ではヨーク64の相対位置がリヤハウジング31b中心軸方向に変化しても磁束が変化しないように、内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2がそれぞれ形成されている。即ち、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少するように内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2はそれぞれ構成されている(図4参照)。また、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも離れた場合、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ増大するように内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2はそれぞれ構成されている(図5参照)。
【0064】
このため、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、及びヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも離れた場合のいずれの場合においても磁束の変化は最小限に抑制される。以下に、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、及びヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも離れた場合について、順に説明する。
【0065】
(基準位置よりも近接している場合)
図4に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)が小さくなると共に、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少する。この近接位置Pnにおけるリヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとの重複長さL1n、及びリヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとの重複長さL2nが、それぞれ基準位置Psにおける重複長さL1,L2よりも短くなるからである。即ち、L1>L1n、L2>L1nとなる。このため、磁路Mの長さが小さくなることによる伝達トルク(駆動力)の増大と、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少することによる伝達トルク(駆動力)の減少とで釣り合う。従って、伝達トルクの変化が抑制される。
【0066】
(基準位置よりも離れている場合)
図5に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも離れた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)が大きくなると共に、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大する。この離間位置Pfにおけるリヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとの重複長さL1f、及びリヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとの重複長さL2fが、それぞれ基準位置Psにおける重複長さL1,L2よりも長くなるからである。即ち、L1<L1f、L2<L1fとなる。このため、磁路Mの長さが大きくなることによる伝達トルク(駆動力)の減少と、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大することによる伝達トルク(駆動力)の増大とで釣り合う。従って、伝達トルクの変化が抑制される。
【0067】
(伝達トルクの変化の具体例)
具体的に説明すると、図6に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置(相対位置)が例えば基準位置Psよりも1mmだけリヤハウジング31bに近い場合、ヨーク64が基準位置Psにある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は2.0%程度となる。逆に、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置が例えば基準位置よりも1mmだけリヤハウジング31bから離れている場合、ヨーク64が基準位置にある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は−2.0%程度となる。吸引力の変化率が−2.0%〜2.0%と僅かであるので、この吸引力により影響を受ける伝達トルクの変動も僅か(従来品の1/10程度)なものとなる。
【0068】
このように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置の変化(ずれ及び誤差等)により伝達トルクの大きさが製品毎に大きく変化することはないので、製品間での伝達トルクのばらつきが抑制される。従って、パイロットクラッチ機構35の作動特性(クラッチ特性)、ひいてはパイロットクラッチ機構35を備えた駆動力伝達装置17の作動特性(伝達トルク特性)の製品毎の変化が抑制される。吸引力の変化率が−2.0%〜2.0%と僅かであるので、この吸引力により影響を受ける伝達トルクの変動も僅かなものとなる。
【0069】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも近づいた場合、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少するように、内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2をそれぞれ構成するようにした。また、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも離れた場合、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大するように、内側ギャップ部G1及び外側ギャップ部G2をそれぞれ構成するようにした。
【0070】
具体的には、リヤハウジング31bにおいて、内側筒部41における外端側の外周面にはリヤハウジング側内側突部81を形成し、当該リヤハウジング側内側突部81の内面において面取り部分を除く部位をリヤハウジング側内側対向面81aとした。外側筒部42における外端側の内周面にはリヤハウジング側外側突部82を形成し、当該リヤハウジング側外側突部82の内面において面取り部分を除く部位をリヤハウジング側外側対向面82aとした。また、ヨーク64の内周面にはヨーク側内側突部83を形成し、当該ヨーク側内側突部83の内面において面取り部分を除く部位をヨーク側内側対向面83aとした。ヨーク64の外周面にはヨーク側外側突部84を形成し、当該ヨーク側外側突部84の外面において面取り部分を除く部位をヨーク側外側対向面84aとした。また、リヤハウジング側内側対向面81aの幅(中心軸方向長)をヨーク側内側対向面83aの幅よりも長くすると共に、リヤハウジング側外側対向面82aの幅をヨーク側外側対向面84aの幅よりも短くするようにした。そして、リヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとをそれらの中心軸方向において若干ずらして互いに対向させると共に、リヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側内側対向面83aとをそれらの中心軸方向において若干ずらして互いに対向させるようにした。
【0071】
このため、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、磁路Mの長さが小さくなることによる伝達トルク(駆動力)の増大と、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ減少することによる伝達トルク(駆動力)の減少とで釣り合う(互いの作用を打ち消し合う)。また、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも離れた場合、磁路Mの長さが大きくなることによる伝達トルク(駆動力)の減少と、内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大することによる伝達トルク(駆動力)の増大とで釣り合う。
【0072】
従って、ヨーク64とリヤハウジング31bとの組付け位置(相対位置)がそれぞれの中心軸方向にずれても伝達トルクの変化はほとんどなく、組立て誤差に起因するパイロットクラッチ機構35、ひいては駆動力伝達装置17の作動特性の変化(増減)を抑制することができる。また、伝達トルクのばらつきもないので車両11の制御性を向上させることができる。
【0073】
(2)アウタケース31とヨーク64とを別体にすると共に、当該ヨーク64をディファレンシャルキャリヤ22に固定するようにした。このため、次のような手順で駆動力伝達装置17をディファレンシャルキャリヤ22内に組付けることができる。即ち、まずディファレンシャルキャリヤ22の後端部に形成された電磁石用コネクタの挿通孔22a(図2参照)に電磁石用コネクタWaを挿通しながらヨーク64をディファレンシャルキャリヤ22内に固定する。この後、メインクラッチ機構33、パイロットクラッチ機構35及びカム機構36等の各種機構が内装されたアウタケース31をディファレンシャルキャリヤ22内に配置する。従って、電磁石63が取付けられたヨーク64をアウタケース31側に一体的に固定するようにした場合に比べて、駆動力伝達装置17のディファレンシャルキャリヤ22内への組付け作業を簡単にすることができる。
【0074】
ちなみに、電磁石63が取付けられたヨーク64をアウタケース31側に一体的に固定するようにした場合、駆動力伝達装置17全体を一度にディファレンシャルキャリヤ22内に配置固定することとなる。この場合、電磁石63のワイヤハーネスW及び電磁石用コネクタWaをディファレンシャルキャリヤ22の挿通孔22aに通しながら駆動力伝達装置17全体をディファレンシャルキャリヤ22内に配置する必要がある。このため、駆動力伝達装置17のディファレンシャルキャリヤ22への取付け作業が煩雑になる。また、作業中に電磁石用コネクタWaをディファレンシャルキャリヤ22にぶつけたり駆動力伝達装置17との間に挟まったりして破損のおそれもある。
【0075】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7〜図10に従って説明する。本実施形態はギャップ部の構成の点で前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同様の部材構成は同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0076】
図7に示すように、第1実施形態におけるリヤハウジング側内側突部81及びリヤハウジング側外側突部82はそれぞれ省略されている。内側筒部41の外周面はリヤハウジング側内側対向面91とされており、当該リヤハウジング側内側対向面91は外端側に向うにつれて拡径する傾斜面とされている。また、外側筒部42の内周面はリヤハウジング側外側対向面92とされており、当該リヤハウジング側外側対向面92は外端側に向うにつれて縮径する傾斜面とされている。
【0077】
ヨーク64においてヨーク側内側対向面83a及びヨーク側外側対向面84aはそれぞれ外端側に向うにつれて縮径する傾斜面とされている。そして、ヨーク64をリヤハウジング31bに対して基準位置Psに取付けた状態において、互いに対向するリヤハウジング側内側対向面91とヨーク側内側対向面83aとが互いに平行をなすように、リヤハウジング側内側対向面91及びヨーク側内側対向面83aの傾斜角度がそれぞれ設定されている。同様に、互いに対向するリヤハウジング側外側対向面92とヨーク側外側対向面84aとが互いに平行をなすように、リヤハウジング側外側対向面92及びヨーク側外側対向面84aの傾斜角度がそれぞれ設定されている。尚、本実施形態において、リヤハウジング側内側対向面91及びリヤハウジング側外側対向面92はそれぞれギャップ対向面を構成する。
【0078】
(第2実施形態の作用)
(基準位置よりも近接している場合)
従って、図8に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置Psよりも近づいた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)が小さくなる。また、この近接位置Pnにおける内側ギャップ距離d1n、及び外側ギャップ距離d2nは、それぞれ基準位置Psにおける内側ギャップ距離d1及び外側ギャップ距離d2よりも長くなる。即ち、d1n>d1、d2n>d2となる。前記(イ),(ウ)式により、ヨーク64が基準位置Psにあるときに比べて、磁気抵抗Rが大きくなり磁束φは小さくなる。このため、磁路Mの長さが小さくなることによる伝達トルクの増大と、内側ギャップ距離及び外側ギャップ距離がそれぞれ大きくなることによる伝達トルク(駆動力)の減少とで釣り合う。従って、伝達トルクの変化が抑制される。ちなみに、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ不変である。これは、近接位置Pnにおける重複長さL1n,L2nがそれぞれ不変だからである。
【0079】
(基準位置よりも離れている場合)
また、図9に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも離れた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)が大きくなる。また、この離間位置Pfにおける内側ギャップ距離d1f、及び外側ギャップ距離d2fは、それぞれ基準位置Psにおける内側ギャップ距離d1及び外側ギャップ距離d2よりも短くなる。即ち、d1>d1f、d2>d2fとなる。前記(イ),(ウ)式により、ヨーク64が基準位置Psにあるときに比べて、磁気抵抗Rが小さくなり磁束φは大きくなる。このため、磁路Mの長さが大きくなることによる伝達トルクの減少と、内側ギャップ距離d1及び外側ギャップ距離d2がそれぞれ大きくなることによる伝達トルク(駆動力)の増大とで釣り合う。従って、伝達トルクの変化が抑制される。ちなみに、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ不変である。これは、離間位置Pfにおける重複長さL1f,L2fがそれぞれ不変だからである。
【0080】
(伝達トルクの変化の具体例)
具体的に説明すると、図10に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置(相対位置)が例えば基準位置Psよりも1mmだけリヤハウジング31bに近い場合、ヨーク64が基準位置Psにある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は6.0%程度となる。逆に、図11に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置が例えば基準位置Psよりも1mmだけリヤハウジング31bから離れている場合、ヨーク64が基準位置Psにある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は−8.0%程度となる。吸引力の変化率が−6.0%〜8.0%と僅かであるので、この吸引力により影響を受ける伝達トルクの変動も僅か(従来品の1/3程度)なものとなる。
【0081】
従って、本実施形態によれば、ギャップ距離(内側ギャップ距離及び外側ギャップ距離)を変化させることによって磁気抵抗Rを変化させ、これにより伝達トルクの増減のバランスをとることにより、前記第1実施形態の(1),(2)番目の効果と同様の効果を得ることができる。
【0082】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図11〜図14に従って説明する。本実施形態はギャップ部の構成の点で前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同様の部材構成は同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0083】
図11に示すように、ヨーク64において、ヨーク側内側対向面83aは内側筒部41の外端縁から突出するようにヨーク64の外端側に延出されている。また、ヨーク側外側対向面84aは外側筒部42の外端縁から突出するようにヨーク64の外端側に延出されている。そして、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置(組付け位置)がそれらの中心軸方向にずれても、リヤハウジング側内側対向面81aがヨーク側内側対向面83aからはみ出すことがないように、ヨーク側内側突部83の外端側及び内端側への延出長さが設定されている。同様に、リヤハウジング側外側対向面82aがヨーク側外側対向面84aからはみ出すことがないように、ヨーク側外側突部84の外端側及び内端側への延出長さが設定されている。また、これらのようにヨーク64のリヤハウジング31bに対する基準位置Psが設定されている。
【0084】
(基準位置よりも近接している場合)
従って、図12に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも近づいた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)は小さくなるものの、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ不変である。この近接位置Pnにおけるリヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとの重複長さL1n、及びリヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとの重複長さL2nが、それぞれ基準位置Psにおける重複長さL1,L2と同じ値になるからである。即ち、L1=L1n、L2=L1nとなる。このため、磁路Mの長さが小さくなることにより伝達トルクは若干減少するものの、これに加えて内側対向面積及び外側対向面積がそれぞれ増大する場合に比べて、伝達トルクの変動が抑制される。
【0085】
(基準位置よりも離れている場合)
また、図13に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置が基準位置よりも離れた場合、磁路Mの長さ(磁路Mのループ)は大きくなるものの、内側対向面積及び外側対向面積はそれぞれ不変である。この離間位置Pfにおけるリヤハウジング側内側対向面81aとヨーク側内側対向面83aとの重複長さL1f、及びリヤハウジング側外側対向面82aとヨーク側外側対向面84aとの重複長さL2fが、それぞれ基準位置Psにおける重複長さL1,L2と同じ値になるからである。即ち、L1=L1f、L2=L1fとなる。このため、磁路Mの長さが小さくなることにより伝達トルクは若干増大するものの、これに加えて内側対向面積及び外側対向面積もそれぞれ増大する場合に比べて、伝達トルクの変動が抑制される。
【0086】
(伝達トルクの変化の具体例)
具体的に説明すると、図14に示すように、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置(相対位置)が例えば基準位置Psよりも1mmだけリヤハウジング31bに近い場合、ヨーク64が基準位置Psにある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は12.0%程度となる。逆に、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する取付け位置が例えば基準位置よりも1mmだけリヤハウジング31bから離れている場合、ヨーク64準位置にある場合の吸引変化率を0%としたとき、吸引変化率は−12.0%程度となる。吸引力の変化率が−12.0%〜12.0%と僅か(従来品の半分程度)であるので、この吸引力により影響を受ける伝達トルクの変動も僅かなものとなる。
【0087】
このように、本実施形態によれば、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置(組付け位置)がそれらの中心軸方向にずれてもギャップ対向面積(内側対向面積及び外側対向面積)を不変とすることにより、前記第1実施形態の(1),(2)番目の効果と同様の効果を得ることができる。
【0088】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・第1実施形態では、ヨーク64をスナップリングSによりディファレンシャルキャリヤ22に固定するようにしたが、例えばボルトにより固定するようにしてもよい。
【0089】
・第1〜第3実施形態では、ヨーク64をディファレンシャルキャリヤ22に直接固定するようにしたが、例えばリヤハウジング31bに固定するようにしてもよい。
【0090】
・第1〜第3実施形態では、電磁クラッチとしてのパイロットクラッチ機構35を駆動力伝達装置17に使用するようにしたが、例えばエアコン等に応用するようにしてもよい。
【0091】
・第3実施形態では、ヨーク側内側対向面83aが内側筒部41の外端縁から突出するようにヨーク側内側突部83をヨーク64の外端側に延出するようにした。また、ヨーク側外側対向面84aが外側筒部42の外端縁から突出するようにヨーク側外側突部84をヨーク64の外端側に延出するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、リヤハウジング側内側対向面81a及びリヤハウジング側外側対向面82aをリヤハウジング31bの中心軸方向(外端側及び内端側)に延出する。そして、ヨーク64のリヤハウジング31bに対する相対位置(組付け位置)がそれらの中心軸方向にずれても、ヨーク側内側対向面83aがリヤハウジング側内側対向面81aからはみ出すことがないように、リヤハウジング側内側突部81の外端側及び内端側への延出長さを設定する。同様に、ヨーク側外側対向面84aがリヤハウジング側外側対向面82aからはみ出すことがないように、リヤハウジング側外側突部82の外端側及び内端側への延出長さを設定する。このようにしても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、組立て誤差に起因する作動特性の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における4輪駆動車の概略構成図。
【図2】 第1実施形態における駆動力伝達装置の正断面図。
【図3】 第1実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置に取付けられている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図4】 第1実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも近づいている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図5】 第1実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも離れている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図6】 第1実施形態におけるヨークとリヤハウジングとの相対位置と吸引力変化率との関係を示すグラフ。
【図7】 第2実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置に取付けられている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図8】 第2実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも近づいている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図9】 第2実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも離れている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図10】第2実施形態におけるヨークとリヤハウジングとの相対位置と吸引力変化率との関係を示すグラフ。
【図11】第3実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置に取付けられている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図12】第2実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも近づいている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図13】第3実施形態におけるヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも離れている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図14】第3実施形態におけるヨークとリヤハウジングとの相対位置と吸引力変化率との関係を示すグラフ。
【図15】従来の駆動力伝達装置の正断面図。
【図16】従来のヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも近づいている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図17】従来のヨークがリヤハウジングに対する基準位置よりも離れている場合の駆動力伝達装置の要部拡大断面図。
【図18】従来のヨークとリヤハウジングとの相対位置と吸引力変化率との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
17…駆動力伝達装置、
31…アウタケース(外側回転部材)、
31b…リヤハウジング(第2磁路形成部材)、
32…インナシャフト(内側回転部材)、
33…メインクラッチ機構、
35…パイロットクラッチ機構(電磁クラッチ機構)、
36…カム機構、
61…摩擦クラッチ、
62…アーマチャ、
63…電磁石、
64…ヨーク(第1磁路形成部材)、
81…リヤハウジング側内側突部(突部)、
82…リヤハウジング側外側突部(突部)、
83…ヨーク側内側突部(突部)、
84…ヨーク側外側突部(突部)、
81a…リヤハウジング側内側対向面(ギャップ対向面)、
82a…リヤハウジング側外側対向面(ギャップ対向面)、
83a…ヨーク側内側対向面(ギャップ対向面)、
84a…ヨーク側外側対向面(ギャップ対向面)、
A…ギャップ対向面積、
d1…内側ギャップ距離(ギャップ距離)、
d2…外側ギャップ距離(ギャップ距離)、
G1…ギャップ部を構成する内側ギャップ部、
G2…ギャップ部を構成する外側ギャップ部、
Ps…基準位置、
Pn…近接位置、
Pf…離間位置。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electromagnetic clutch machine. Indeed It is related.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, for example, a driving force transmission device that transmits torque between both shafts is disposed between a driving shaft and a driven shaft in a four-wheel drive vehicle. As shown in FIG. 15, this conventional driving
[0003]
The
[0004]
As shown in FIG. 16, the
[0005]
When an electromagnetic coil (not shown) of the
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Publication No. 6-16731
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional
[0008]
When the mounting position of the
[0009]
Since the inner facing area and the outer facing area in the
[0010]
Such a change in the clutch characteristics of the
[0011]
For example, as shown in FIG. 16, when the attachment position of the
[0012]
On the contrary, as shown in FIG. 17, when the attachment position of the
[0013]
More specifically, as shown in FIG. 18, when the mounting position of the
[0014]
As described above, in the conventional
[0015]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide an electromagnetic clutch machine capable of suppressing changes in operating characteristics due to assembly errors. Structure It is to provide.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to
[0017]
The invention described in claim 2 is the electromagnetic clutch according to
[0018]
The invention according to claim 3 separates the friction clutch, the first magnetic path forming member disposed on one side of the friction clutch and containing the electromagnet, and the friction clutch and the first magnetic path forming member. A second magnetic path forming member provided as described above and an armature located on the other side of the friction clutch, and energizing the electromagnet Due to the generated magnetic flux In the electromagnetic clutch mechanism that attracts the armature to the second magnetic path forming member side and frictionally engages the friction clutch by cooperation of the armature and the second magnetic path forming member, the first magnetic path forming member Is relative to the second magnetic path forming member through the gap. rotation The first magnetic path forming member can be disposed with respect to the second magnetic path forming member. Central axis direction If the relative position is closer than the preset reference position As the magnetic path length of the magnetic flux decreases, The gap distance of the gap portion is increased, and the first magnetic path forming member with respect to the second magnetic path forming member is Central axis direction If the relative position is far from the preset reference position As the length of the magnetic path of the magnetic flux becomes longer In order to reduce the gap distance of the gap part, First magnetic path forming member and second magnetic path forming member The gist is that it is configured.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, in the electromagnetic clutch according to the third aspect, the configuration in which the gap distance of the gap portion is changed is that the first magnetic path forming member and the second magnetic path forming member face each other. Each of the surfaces is an inclined surface having a predetermined inclination angle, and the gap facing surfaces are parallel to each other in a state where the relative position of the first magnetic path forming member to the second magnetic path forming member is at a preset reference position. The gist of the present invention is that the inclination angles of the opposite surfaces of the gaps are respectively set.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in, for example, a driving force transmission device disposed in a driving force transmission path to a rear wheel in a front wheel drive base four-wheel drive vehicle will be described with reference to FIGS. .
[0024]
As shown in FIG. 1, a
[0025]
The driving force of the engine 12 is transmitted to the
[0026]
(Driving force transmission device)
Next, the driving
[0027]
(Outer case)
The
[0028]
(Inner shaft)
One end portion (left end portion in FIG. 1) of the
[0030]
(Pilot clutch mechanism)
The
[0031]
(Rear housing)
As shown in FIG. 3, a cylindrical inner
[0032]
(Friction clutch)
The
[0033]
(Armature)
The
[0034]
(Electromagnet and yoke)
As shown in FIGS. 2 and 3, the
[0035]
An inner gap (first gap) C <b> 1 is formed between the inner peripheral surface of the
[0036]
When a current is supplied to an electromagnetic coil (not shown) of the
[0037]
(Cam mechanism)
The
[0038]
The
[0039]
When the
[0040]
That is, when the electromagnetic coil of the
[0041]
(Gap part)
Next, the structure of the inner side gap part G1 and the outer side gap part G2 is demonstrated in detail.
[0042]
As shown in FIG. 3, in the
[0043]
An annular and belt-like rear housing side
[0044]
An annular and belt-like yoke-side
[0045]
In the state where the
[0046]
Further, in the state where the
[0047]
The position shown in FIG. 3 is a reference position Ps for assembling the
[0048]
Due to dimensional tolerances in each part of the
[0049]
As shown in FIG. 4, when the relative position of the
[0050]
In the present embodiment, the
[0051]
Further, in the present embodiment, the rear housing side
[0052]
(Operation of the first embodiment)
Next, the operation of the driving
[0053]
(Two-wheel drive state)
When no current is supplied to the electromagnetic coil of the
[0054]
(Non-directly connected four-wheel drive state)
On the other hand, when a current is supplied to the electromagnetic coil of the
[0055]
The
[0056]
(Directly connected four-wheel drive state)
Further, when the current value supplied to the electromagnetic coil of the
[0057]
(Transmission torque of pilot clutch mechanism)
Here, the relationship between the transmission torque of the
[0058]
φ = NI / R (...)
Here, in order to obtain the relationship between the magnetic flux and the gap facing area, the following equation (A) is substituted into the equation (A). Then, the following formula (c) is obtained.
[0059]
R = d / μA ......... (I)
φ = μNIA / d (C)
Here, φ is the magnetic flux, N is the number of turns of the electromagnetic coil in the
[0060]
Therefore, it can be seen from equation (c) that if the gap facing area A increases, the magnetic flux φ also increases, and as a result, the transmission torque of the
[0061]
(Effect of relative position change of yoke)
Next, the influence of the change in the mounting position (relative position) of the
[0062]
For example, the relative position of the
[0063]
However, in the present embodiment, the inner gap portion G1 and the outer gap portion G2 are formed so that the magnetic flux does not change even if the relative position of the
[0064]
For this reason, the magnetic flux changes both when the relative position of the
[0065]
(When closer than the reference position)
As shown in FIG. 4, when the relative position of the
[0066]
(If it is far from the reference position)
As shown in FIG. 5, when the relative position of the
[0067]
(Specific examples of changes in transmission torque)
More specifically, as shown in FIG. 6, when the attachment position (relative position) of the
[0068]
As described above, since the magnitude of the transmission torque does not vary greatly from product to product due to a change in the relative position of the
[0069]
(Effect of embodiment)
Therefore, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) When the relative position of the
[0070]
Specifically, in the
[0071]
For this reason, when the relative position of the
[0072]
Therefore, even if the assembly position (relative position) between the
[0073]
(2) The
[0074]
Incidentally, when the
[0075]
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. This embodiment differs from the first embodiment in the configuration of the gap portion. Therefore, the same member configuration as that of the first embodiment is denoted by the same reference numeral, and redundant description thereof is omitted.
[0076]
As shown in FIG. 7, the rear housing side
[0077]
In the
[0078]
(Operation of Second Embodiment)
(When closer than the reference position)
Therefore, as shown in FIG. 8, when the relative position of the
[0079]
(If it is far from the reference position)
As shown in FIG. 9, when the relative position of the
[0080]
(Specific examples of changes in transmission torque)
More specifically, as shown in FIG. 10, when the mounting position (relative position) of the
[0081]
Therefore, according to this embodiment, the magnetoresistance R is changed by changing the gap distance (the inner gap distance and the outer gap distance), thereby balancing the increase / decrease of the transmission torque. The same effects as the effects (1) and (2) can be obtained.
[0082]
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. This embodiment differs from the first embodiment in the configuration of the gap portion. Therefore, the same member configuration as that of the first embodiment is denoted by the same reference numeral, and redundant description thereof is omitted.
[0083]
As shown in FIG. 11, in the
[0084]
(When closer than the reference position)
Therefore, as shown in FIG. 12, when the relative position of the
[0085]
(If it is far from the reference position)
Further, as shown in FIG. 13, when the relative position of the
[0086]
(Specific examples of changes in transmission torque)
Specifically, as shown in FIG. 14, when the attachment position (relative position) of the
[0087]
Thus, according to this embodiment, even if the relative position (assembly position) of the
[0088]
(Another example)
In addition, you may implement the said embodiment by changing into the following other examples.
In the first embodiment, the
[0089]
In the first to third embodiments, the
[0090]
In the first to third embodiments, the
[0091]
In the third embodiment, the yoke-side inner protruding
[0092]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to suppress changes in operating characteristics due to assembly errors.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a four-wheel drive vehicle in a first embodiment.
FIG. 2 is a front sectional view of the driving force transmission device in the first embodiment.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke according to the first embodiment is attached to a reference position with respect to the rear housing.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the first embodiment is closer than a reference position with respect to the rear housing.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the first embodiment is separated from a reference position with respect to the rear housing.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the relative position between the yoke and the rear housing and the suction force change rate in the first embodiment.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the second embodiment is attached to a reference position with respect to the rear housing.
FIG. 8 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the second embodiment is closer than the reference position with respect to the rear housing.
FIG. 9 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the second embodiment is separated from the reference position with respect to the rear housing.
FIG. 10 is a graph showing the relationship between the relative position between the yoke and the rear housing and the suction force change rate in the second embodiment.
FIG. 11 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a driving force transmission device when a yoke according to a third embodiment is attached to a reference position with respect to a rear housing.
FIG. 12 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the second embodiment is closer than the reference position with respect to the rear housing.
FIG. 13 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when the yoke in the third embodiment is separated from the reference position with respect to the rear housing.
FIG. 14 is a graph showing the relationship between the relative position between the yoke and the rear housing and the suction force change rate in the third embodiment.
FIG. 15 is a front sectional view of a conventional driving force transmission device.
FIG. 16 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission device when a conventional yoke is closer than a reference position with respect to the rear housing.
FIG. 17 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the driving force transmission apparatus when the conventional yoke is separated from the reference position with respect to the rear housing.
FIG. 18 is a graph showing a relationship between a relative position between a conventional yoke and a rear housing and a suction force change rate.
[Explanation of symbols]
17 ... Driving force transmission device,
31 ... Outer case (outside rotating member),
31b ... Rear housing (second magnetic path forming member),
32 ... Inner shaft (inner rotating member),
33 ... main clutch mechanism,
35 ... Pilot clutch mechanism (electromagnetic clutch mechanism),
36 ... cam mechanism,
61 ... friction clutch,
62 ... Armature,
63 ... electromagnet,
64 ... Yoke (first magnetic path forming member),
81 ... rear housing side inner protrusion (protrusion),
82 ... rear housing side outer protrusion (protrusion),
83 ... Yoke side inner side projection (projection),
84 ... Yoke side outer protrusion (protrusion),
81a ... rear housing side inner facing surface (gap facing surface),
82a ... rear housing side outer facing surface (gap facing surface),
83a ... yoke side inner facing surface (gap facing surface),
84a ... Yoke side outer facing surface (gap facing surface),
A: Gap facing area,
d1 ... inner gap distance (gap distance),
d2 ... outer gap distance (gap distance),
G1 ... the inner gap part constituting the gap part,
G2 ... Outer gap part constituting the gap part,
Ps: Reference position,
Pn: proximity position,
Pf: separation position.
Claims (4)
前記第1磁路形成部材は第2磁路形成部材に対してギャップ部を介して相対回転可能に配設し、
前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも近接した場合には前記ギャップ部のギャップ対向面積が小さくなるように、また、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも離間した場合には前記ギャップ部のギャップ対向面積が大きくなるように、前記第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材を構成するようにした電磁クラッチ機構。A friction clutch, a first magnetic path forming member disposed on one side of the friction clutch and containing an electromagnet, and a second magnetic path formed to separate the friction clutch from the first magnetic path forming member A member and an armature located on the other side of the friction clutch, and by energizing the electromagnet, the armature is attracted to the second magnetic path forming member side, and the armature and the second magnetic path forming member cooperate with each other. In the electromagnetic clutch mechanism that frictionally engages the friction clutch,
The first magnetic path forming member is disposed so as to be relatively rotatable with respect to the second magnetic path forming member via a gap.
When the relative position in the central axis direction of the first magnetic path forming member to the second magnetic path forming member is closer than a preset reference position, the gap facing area of the gap portion is reduced, and the as the gap face area of the gap portion when the center axis direction of the relative position with respect to the second magnetic path forming member of the first magnetic path forming member is spaced than the reference position set in advance is large, the first magnetic An electromagnetic clutch mechanism configured to constitute a path forming member and a second magnetic path forming member .
前記第1磁路形成部材は第2磁路形成部材に対してギャップ部を介して相対回転可能に配設し、
前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも近接した場合には前記磁束の磁路の長さが小さくなるとともに前記ギャップ部のギャップ距離が大きくなるように、また、前記第1磁路形成部材の第2磁路形成部材に対する中心軸方向の相対位置が予め設定した基準位置よりも離間した場合には前記磁束の磁路の長さが長くなるとともに前記ギャップ部のギャップ距離が小さくなるように、前記第1磁路形成部材及び第2磁路形成部材を構成するようにした電磁クラッチ機構。A friction clutch, a first magnetic path forming member disposed on one side of the friction clutch and containing an electromagnet, and a second magnetic path formed to separate the friction clutch from the first magnetic path forming member A member and an armature located on the other side of the friction clutch, and attracts the armature to the second magnetic path forming member side by the magnetic flux generated by energizing the electromagnet, and the armature and the second magnetic path forming member In the electromagnetic clutch mechanism in which the friction clutch is frictionally engaged by the cooperation of
The first magnetic path forming member is disposed so as to be relatively rotatable with respect to the second magnetic path forming member via a gap.
When the relative position in the central axis direction of the first magnetic path forming member with respect to the second magnetic path forming member is closer than a preset reference position , the length of the magnetic path of the magnetic flux is reduced and the gap portion When the relative position in the central axis direction of the first magnetic path forming member with respect to the second magnetic path forming member is separated from a preset reference position so that the gap distance is increased , the magnetic path of the magnetic flux is An electromagnetic clutch mechanism configured to configure the first magnetic path forming member and the second magnetic path forming member such that the gap length of the gap portion is reduced with an increase in length .
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