JP4686168B2 - 超音波診断装置の遠隔操作システム - Google Patents

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Description

本発明は、遠隔操作が容易な超音波診断装置の遠隔操作システムに関する。
医用画像診断装置を使用する医療現場では、日進月歩で様々な医療技術が進歩し、全ての医師や技師が同じスキルを持つことが困難になってきており、医用画像診断装置の操作や医用画像の読影においても医療スタッフチーム内や医療スタッフチーム間での相互協力の必要性が高まってきている。
また、超音波診断装置等の医用画像診断装置においては、近年ネットワーク接続によるサービスの拡大が目覚ましく、リモートメンテナンス機能等を搭載したものも出現している。そして、ネットワークを利用した医用画像診断装置の遠隔操作の環境が整いつつあり、医療スタッフにも医療技術の支援ツールとして期待されている。
ところで、超音波診断装置の遠隔操作においては、遠隔地にある超音波診断装置を一般的なコンピュータシステムで操作を行っているものがある(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術では、操作する側には超音波診断装置の操作部は有しておらず、操作部の操作に相当するコマンドをキーボードから入力し制御信号を送信する方法や、操作パネルを疑似したGUIを作成し、そのGUIを介して操作の制御信号を送信する方法により遠隔操作が行われるものである。
特開2002―17732号公報
特許文献1の従来装置では、遠隔操作側の操作者は、超音波診断装置と異なる複雑な操作を習得する必要があり、また遠隔操作するためのコンピュータシステムを設ける必要があるため、特殊な作業に限定されることが多い。
そのため、同一検査室内で複数の操作者が夫々の患者に対して診断を行っている場合に、他の操作者からアドバイスを受けたいときは、超音波診断装置から離れて他の操作者の所まで行き直接依頼する必要がある。また、操作者が診断時に、遠隔地にいる相互協力者と患者の症状や所見等を緊密に連絡し合いたい場合においても、直接コミュニケーションできず十分な情報を得ることができない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、遠隔操作が容易な超音波診断装置の遠隔操作システムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明の超音波診断装置の遠隔操作システムは、被検体を撮影する第1の超音波診断装置と、ネットワークを介して前記第1の超音波診断装置の遠隔操作を行う第2の超音波診断装置とを備えた超音波診断装置の遠隔操作システムであって、前記第2の超音波診断装置は、前記遠隔操作に関する遠隔操作接続許可情報を前記第1の超音波診断装置へ前記ネットワークを介して送信する送信手段を有し、前記第1の超音波診断装置は、前記ネットワークを介して受信した前記遠隔操作接続許可情報に基づいて、前記第1の超音波診断装置が前記第2の超音波診断装置によって遠隔操作されることの承諾の可否を求めるメッセージを表示する表示手段と、前記承諾の可否に対する対応を入力する入力手段と、前記入力に基づいて、生成した画像データに遠隔操作状態に関する情報及び前記被検体に関する画像情報を付帯させるか、遠隔操作拒否情報を前記第2の超音波診断装置へ送信するかを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、遠隔操作側の超音波診断装置を用いて被遠隔操作側の超音波診断装置の操作を容易に行うことができるので、被遠隔操作側の超音波診断装置を用いて迅速且つ正確な診断を行うことができる。
本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の実施例の特徴は、ネットワークを介して接続された超音波診断装置間で遠隔操作を行うことにある。また、遠隔操作側の超音波診断装置の操作を行う操作部を用いて、遠隔操作側の超音波診断装置を操作するのと同じ操作で、被遠隔操作側の超音波診断装置を遠隔操作することにある。
以下、本発明の超音波診断装置の遠隔操作方法及び遠隔操作システムに係る実施例を図1乃至図9を参照して説明する。
図1は、実施例の超音波診断装置の遠隔操作システムの構成を示すブロック図である。この超音波診断装置遠隔操作システム100は、ネットワーク61を介して接続される超音波診断装置10と超音波診断装置90−1乃至90−Nを備えている。
そして、夫々の超音波診断装置10、90−1乃至90−Nは、超音波診断装置間の遠隔操作によりネットワーク61を介して相手の超音波診断装置から得られた画像データなどを受信すると共に、操作信号を送信して相手の超音波診断装置を遠隔操作する遠隔操作側として動作することができる。
また、夫々の超音波診断装置10、90−1乃至90−Nは、被遠隔操作側として超音波診断装置間の遠隔操作によりネットワーク61を介して相手の操作信号を受信し、その操作信号に基づいて画像データなどを生成すると共に、その画像データなどを送信して相手の超音波診断装置に遠隔操作される被遠隔操作側として動作することもできる。
まず、超音波診断装置10について説明する。
超音波診断装置10は、被検体に対して超音波の送受信を行う超音波プローブ1と、超音波プローブ1に対して駆動信号の送信と反射信号の受信を行い、更に得られた受信信号を信号処理する送受信・信号処理部2を備えている。
また、超音波診断装置10は、送受信・信号処理部2において処理された信号から画像データを生成する画像データ生成部3と、画像データ生成部3で生成した画像データを表示する表示部4と、被検体の情報や各種コマンド信号を入力する操作部5と、ネットワーク61を介して外部と画像データの送受信や操作部5の操作信号の送受信を行うインターフェース6と、これらのユニットを統括して制御するシステム制御部7を備えている。
なお、上述の画像データは、被検体から得られた受信信号に基づいてリアルタイム表示されるBモード画像データ、カラードプラ画像データ等である。
超音波プローブ1は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受信を行うものであり、1次元に配列された複数個の圧電振動子をその先端部に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、また受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。
送受信・信号処理部2は、超音波プローブ1から送信超音波を発生するための軌道信号を生成する超音波送信部21と、超音波プローブ1の圧電振動子から得られる複数チャンネルの受信信号に対して整相加算を行う超音波受信部22と、整相加算した受信信号に対してBモードデータの生成のための信号処理を行うBモード処理部23と、上記受信超音波信号に対してドプラ偏移周波数を検出するドプラ信号検出部24と、ドプラ信号検出部24からの信号を処理してカラードプラデータを生成するカラードプラ処理部25とを備えている。
画像データ生成部3は、Bモード処理部23から受信したBモードデータを処理してBモード画像データを生成し保存するBモード画像生成部31と、カラードプラ処理部25から受信したカラードプラデータを処理してカラードプラ画像データを生成するカラードプラ画像生成部32をと備え、生成したBモード画像データやカラードプラ画像データの静止画像データや動画像データを内部メモリ(図示せず)に保存する機能も備えている。
そして、画像データ生成部3は、生成したBモード画像データやカラードプラ画像データをシステム制御部7の指示に基づいて表示部4、またはインターフェース6へ出力する。
なお、画像データ生成部3のカラードプラ画像生成部32は、関心領域(ROI)の設定によりROIのカラードプラ画像データを生成した後、このROIのカラードプラ画像データとBモード画像生成部31から受信したBモード画像データを合成してカラードプラ画像データを生成する。
表示部4は、CRTや液晶などのカラーモニタを備え、画像データ生成部3で生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データなどの表示を行う。
操作部5は、図2に示すように遠隔操作の開始と終了を入力する遠隔操作スイッチ52、カラードプラ画像データ表示用のCDIモードスイッチ53などのモード変更スイッチ、カラードプラ画像データのROIの設定等種々の操作を行うトラックボール54、カラーフィルタスイッチ55等の各種スイッチや図示しないキーボード、マウスなど様々な入力デバイスを備えている。
そして、操作部5から被検体の氏名、ID等の被検体情報の入力、視野深度、超音波送受信周波数、画像の色調、画像の色調、Bモード画像データやカラードプラ画像データなどの画像データ収集モード等の画像条件、撮影部位、画像名等の画像情報の設定、遠隔操作などの操作が行われる。
なお、操作部5の遠隔操作スイッチ52がONの時には遠隔操作モードに設定され、操作部5からの操作は超音波診断装置90−1乃至90−Nに対する遠隔操作になり、遠隔操作スイッチ52がOFFの時には通常モードに設定され、操作部5からの操作により内部の各ユニットが動作するようになっている。
図1に戻り、超音波診断装置10が遠隔操作側の場合、インターフェース6は、操作部5から入力された遠隔操作スイッチ52のONの信号に基づき、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1乃至90−Nより撮影されたBモード画像データやカラードプラ画像データなどの受信や、操作部5から入力された様々な操作信号を超音波診断装置90−1乃至90−Nへ送信する機能を有する。
また、超音波診断装置10が被遠隔操作側の場合、インターフェース6は、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1乃至90−Nからの様々な操作信号の受信や、画像データ生成部3において生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データなどの送信を行う機能を有する。
システム制御部7は、図示しないがCPUと記憶回路を備え、操作部5からの入力信号に基づいて送受信・信号処理部2、画像データ生成部3、表示部4、インターフェース6などの各ユニットの制御、システム全体の制御、更には外部の超音波診断装置の遠隔操作に関する制御を統括して行う。
また、システム制御部7の記憶回路には、操作部5から設定された被検体情報や、画像条件(視野深度、超音波送受信周波数、画像の色調、画像の色調、Bモード画像データやカラードプラ画像データなどの画像データ収集モード等)、撮影部位、画像名などの画像情報が保存される。
ネットワーク61は、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル等の通信回線で構成され、専用回線、或いは電話回線、ISDN回線等の公衆回線を経由するインターネット、イントラネット等を含むが、無線通信ネットワークを経由するものであってもよい。
なお、超音波診断装置90−1乃至90−Nは、超音波診断装置10と同様の構成であるので、その説明を省略するが、超音波診断装置90−1については超音波診断装置10と同じものに同じ参照番号aと表示している。
そして、超音波診断装置10、90−1乃至90−Nから構成される超音波診断装置遠隔操作システム100において、例えば超音波診断装置10が遠隔操作側で超音波診断装置90−1が被遠隔操作側の場合、次に説明する動作により遠隔操作を実現することができる。
まず、超音波診断装置10は、操作部5の遠隔操作スイッチ52からの遠隔操作信号により遠隔操作状態になり、システム制御部7が、遠隔操作状態における操作部5からの操作信号を内部の送受信信号処理部2や画像生成部3等に送らず、インターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1に送る。
次に、超音波診断装置90−1は、ネットワーク61、インターフェース6aを介して超音波診断装置10から受信した操作信号に基づいて、システム制御部7aが送受信信号処理部2aや画像生成部3aを制御して生成したBモード画像データやカラードプラ画像データ等を含む遠隔操作情報をインターフェース6a、ネットワーク61を介して超音波診断装置10に送信する。
更に、超音波診断装置10は、ネットワーク61、インターフェース6を介して超音波診断装置90−1から受信した遠隔操作情報のBモード画像データやカラードプラ画像データ等を表示部4に表示する。
図3は、ネットワーク61に接続された、例えば超音波診断装置10と超音波診断装置90−1間の遠隔操作の一例を示した図である。ここでは、超音波診断装置10を操作する操作者Yと超音波診断装置90−1を操作する操作者Xとの間での遠隔操作を例に説明する。なお、超音波診断装置10と超音波診断装置90−1の設置場所は、同一医療機関または互いに異なる医療機関のいずれでもよい。
そして、操作者Yは超音波診断の分野では十分な経験と知識をもっており、超音波診断装置10についてもその機能を十分使いこなしているものを想定し、操作者Xは超音波診断装置90−1の操作に習熟していないものを想定する。
そして、操作者Xは、超音波診断装置90−1を使用して被検体Pの診察中に、例えば内臓に腫瘍の疑いがあると判断し、操作者Yにアドバイスを求めるために直ちに図示しない電話やテレビ電話などを利用して操作者Yに連絡した状態にある。そして、操作者Yは診断状況から電話だけによるアドバイスは難しいと判断し、超音波診断装置10の操作部5を操作して超音波診断装置90−1の遠隔操作を開始した想定をする。
以下、図1乃至図9を参照して、実施例に係る遠隔操作システムの動作を説明する。
まず、図4は、図3の操作者Yが行う遠隔操作の手順と、遠隔操作により超音波診断装置90−1が動作する手順の概要のフローチャートである。
このフローチャートは、超音波診断装置10と90−1の間で遠隔操作が開始されるまでの遠隔操作起動ステップS1と、超音波診断装置90−1により生成された第1の画像データが超音波診断装置10に表示されるまでの第1の画像表示ステップS10と、操作者Yが行った第1の画像の変更操作の信号が超音波診断装置10から送信されるまでの第1の画像変更ステップS20と、超音波診断装置10から送信された第1の画像の変更操作信号に基づいて超音波診断装置90−1が生成した第2の画像データが超音波診断装置10に表示されるまでの第2の画像表示ステップS30からなる。
遠隔操作起動ステップS1は、予め超音波診断装置10に遠隔操作条件の設定を行う手順と、遠隔操作条件設定後に超音波診断装置10から超音波診断装置90−1へ遠隔操作を起動させるまでの手順を含んでいる。
第1の画像表示ステップS10は、超音波診断装置10の遠隔操作起動により、超音波診断装置10から超音波診断装置90−1へ送信が開始され、超音波診断装置90−1から承諾の可否を返信すると共に超音波診断装置90−1から得られた被検体Pの第1の画像データが超音波診断装置10へ送信され、超音波診断装置10の表示部4にその第1の画像データが表示されるまでの手順を含んでいる。
第1の画像変更ステップS20は、超音波診断装置10に表示された第1の画像に対して第1の画像の画像条件等の変更操作信号が、超音波診断装置10から超音波診断装置90−1へ送信されるまでの手順を含んでいる。ここでは、多種多様の遠隔操作の中から、CDIモードへのモード変更操作及びROI操作を例に説明を行う。
第2の画像表示ステップS30は、超音波診断装置90−1が超音波診断装置10から受信した画像条件等の変更操作信号に基づき第2の画像データを生成後、超音波診断装置10へ送信し、超音波診断装置10から第2の画像を確認した後、遠隔操作終了させるまでの手順を含んでいる。
次に、図5乃至図9を用い、上述した各ステップの詳細を説明する。
図5は、図4の遠隔操作起動ステップS1の詳細を示したフローチャートである。
操作者Yは、超音波診断装置10の操作部5から遠隔操作の相手となる超音波診断装置と、その操作者Yの氏名、アカウント、パスワード等の遠隔操作情報1を設定入力する。ここでは、操作者Yは、予め遠隔操作の相手として「超音波診断装置90−1」を設定する。操作部5から入力された遠隔操作情報1は、超音波診断装置10のシステム制御部7の図示しない認証部に記憶される。
そして、超音波診断装置10から超音波診断装置90−1を遠隔操作する必要が生じた場合、超音波診断装置10の操作部5から超音波診断装置10の遠隔操作状態として、遠隔操作側または被遠隔操作側のいずれかを選択する(ステップS101)。
遠隔操作側を選択した場合、超音波診断装置10の操作部5から超音波診断装置90−1の遠隔操作を行うことができるようになる。また、被遠隔操作側を選択した場合、超音波診断装置90−1の操作部5aから超音波診断装置10を遠隔操作することができるようになる。この場合、操作部5から複数の相手を選択することにより、選択した複数の超音波診断装置から遠隔操作を受けることができる。ここでは、操作部5から遠隔操作側を選択する。
次に、超音波診断装置10の操作部5を操作して遠隔操作相手の超音波診断装置90−1を呼び出す(ステップS102)。
次に、操作部5からアカウントとパスワードを入力した後(ステップS103)、操作部5の遠隔操作スイッチ52をONする(ステップS104)。そして、システム制御部7は内部認証部に記憶している操作者Yからの遠隔操作情報1と上記入力情報との照合を行い、アカウントとパスワードの両方が一致したときに、図6のステップS11へ移る。
図6は、図4の第1の画像表示ステップS10の詳細を示したフローチャートである。
図4の遠隔操作起動ステップS1により、超音波診断装置10のシステム制御部7は遠隔操作を開始し(ステップS11)、まずインターフェース6に超音波診断装置90−1と接続のための遠隔操作接続許可信号、操作者Yの氏名、超音波診断装置10が遠隔操作側で超音波診断装置90−1が被遠隔操作側であることを示したメッセージなどの遠隔操作情報2を送信する。
そして、これらの遠隔操作情報2がインターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信される(ステップS12)。
超音波診断装置90−1のインターフェース6aは、超音波診断装置10から受信した遠隔操作情報2をシステム制御部7aへ送信し、その情報2を受信したシステム制御部7aは表示部4aに表示する。そして、操作者Xに対して、超音波診断装置90−1が超音波診断装置10によって遠隔操作されることの承諾の可否を求めるメッセージを表示する(ステップS13)。
そして、操作部5aから遠隔操作拒否が入力された場合(ステップS13のいいえ)、システム制御部7aは遠隔操作拒否信号をインターフェース6a、ネットワーク61を介して超音波診断装置10へ送信する(ステップS14)。
超音波診断装置90−1からの遠隔操作拒否信号を受信したシステム制御部7は、表示部4に遠隔操作拒否の表示を行い(ステップS15)、遠隔操作が終了する(ステップS35)。
一方、操作部5aから遠隔操作可が入力された場合(ステップS13のはい)、システム制御部7aは、遠隔操作可の入力に基づき画像データ生成部3aに対し生成した画像データに、遠隔操作状態、及び予め操作部5aからの設定によりシステム制御部7aの記憶回路に保存されている被検体Pの画像条件、撮影部位、画像名などの画像情報1を付帯させるための指示をする。
そして、超音波撮影を開始するために超音波診断装置90−1の操作者Xは、超音波プローブ1aを被検体Pの所望の撮影部位に接触させ、表示部4aに所望の撮影部位の画像を表示させる(ステップS111)。
この超音波撮影開始に対応して、超音波診断装置90−1のBモード処理部23aは、超音波プローブ1aからの受信超音波を処理してBモードデータを生成した後、Bモード画像生成部31aへ送信する。そして、Bモード画像生成部31aはBモード処理部23aから受信したBモードデータを処理してBモード画像データを生成し、「遠隔操作状態」及び「画像情報1」データを付帯した後、表示部4aとインターフェース6aへ送信する。
表示部4aは、Bモード画像生成部31aから受信した「遠隔操作状態」及び「画像情報1」データ付帯のBモード画像データを表示する。
また、超音波診断装置90−1のシステム制御部7aは、遠隔操作開始前における操作部5aから設定された被検体Pの被検体情報、画像情報1などの遠隔操作情報をインターフェース6aに送信する。そして、インターフェース6aは、システム制御部7aから受信した遠隔操作情報と共に、Bモード画像生成部31aから受信した第1の画像データをネットワーク61を介して超音波診断装置10へ送信する(ステップS16)。
超音波診断装置90−1からの遠隔操作情報を受信した超音波診断装置10のシステム制御部7は、その遠隔操作情報を内部の情報記憶エリアに記憶する。また、インターフェース6は、ネットワーク61を介して受信した第1の画像データを画像データ生成部3に送信する。そして、画像データ生成部3は、インターフェース6から受信した第1の画像データを表示部4に送信する。そして、表示部4は、受信した第1の画像データを表示する(ステップS17)。
超音波診断装置10の操作者Yは、表示部4に表示された第1の画像、例えば図8(a)の画面41に「遠隔操作状態」43及び「画像情報1」48と共に表示されたBモード画像42を参照して診察を行う(ステップS112)。そして、Bモード画像42によって十分な診察が行え、画像条件等の変更操作が必要ないと判断した場合(ステップS113のいいえ)、表示部4に表示されたBモード画像42による診察結果を電話やテレビ電話等を利用して超音波診断装置90−1の操作者Xに伝える。そして、超音波診断装置10の遠隔操作スイッチ52をOFFし(ステップS133)、遠隔操作を終了させる。
一方、表示部4に表示されたBモード画像42では十分な診察を行うことができないと判断し、例えばカラードプラ画像を希望する場合には、画像条件等の変更操作を行う(ステップS113のはい)。即ち、超音波診断装置10の操作者Yは、操作部5から画像条件等の変更操作を行う(図7の第1の画像変更ステップS20)。
図7は、図4の第1の画像変更ステップS20において行われる第1の画像の変更操作の手順を示したフローチャートである。ここでは、多種多様の遠隔操作の中から、CDIモードへのモード変更操作及びROI操作を例に説明を行う。
超音波診断装置10の操作者Yが、操作部5のCDIモードスイッチ53をONすることにより(ステップS121)、CDIモードスイッチ53が点灯する。そして、システム制御部7は、CDIモードスイッチON信号に基づいて、その内部の記憶回路に保存されている画像情報1を画像情報2に変更保存した後、そのCDIモードスイッチON信号をインターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信する(ステップS21)。
超音波診断装置10からのCDIモードスイッチON信号を受信した超音波診断装置90−1のシステム制御部7aは、その内部の記憶回路に保存されている画像情報1を画像情報2に変更保存すると共に操作部5のCDIスイッチ53aを点灯させた後、Bモード画像生成部31aから表示部4a及びインターフェース6aへのBモード画像データの送信を停止させると共に、送受信・信号処理部2aのドプラ信号検出部24a、カラードプラ処理部25a、及び画像データ生成部3aのカラードプラ画像生成部32aを起動する。
そして、送受信・信号処理部2aのドプラ信号検出部24a、カラードプラ処理部25aは、超音波プローブ1aからの受信超音波を処理して画像データ生成部3aへ送信する。画像データ生成部3aのカラードプラ画像生成部32aは、カラードプラ処理部25aから受信したカラードプラデータを処理して所定のROIカラードプラ画像データを生成する。また、画像データ生成部3aのBモード画像生成部31aは、Bモード処理部23aから受信したBモードデータを処理して生成する。そして、カラードプラ画像生成部32aは、ROIカラードプラ画像データとBモード画像データとを合成してカラードプラ画像データを生成する。
また、システム制御部7aは、画像データ生成部3aに対し生成した画像データに、付帯情報を画像情報1から画像情報2に変更するための指示をする。そして、カラードプラ画像生成部32aは、生成したカラードプラ画像データに「遠隔操作情報」及び「画像情報2」データを付帯した後、表示部4a及びインターフェース6aへ送信する。
超音波診断装置90−1の表示部4aは、カラードプラ画像生成部32aから受信したカラードプラ画像データを表示し、またインターフェース6aはカラードプラ画像生成部32aから受信したカラードプラ画像データをネットワーク61を介して超音波診断装置10へ送信する(ステップS22)。
超音波診断装置10のインターフェース6は、超音波診断装置90−1から受信したカラードプラ画像データを表示部4へ送信し、表示部4はその画像データを表示する。例えば図8(b)に、表示部4の画面44に「遠隔操作状態」43及び「画像情報2」48aと共に表示されたカラードプラ画像45の例を示す。このカラードプラ画像45は、第1の画像データ(Bモード画像データ)とROIカラードプラ画像データの合成により生成された画像であり、図8(b)のROI46外がBモード画像42に相当し、ROI46内がROIカラードプラ画像47を表している。
この表示部4に表示されたROI46を操作部5のトラックボール54の操作により所望のROIに変更設定できる(ステップS122)。この操作が行われると、システム制御部7は、ROI変更設定信号に基づいてその内部の記憶回路に保存されている画像情報2を画像情報3に変更保存した後、インターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信する(ステップS24)。
超音波診断装置10からのROI設定信号を受信した超音波診断装置90−1のシステム制御部7aは、その内部の記憶回路に保存されている画像情報2を画像情報3に変更保存した後、送受信・信号処理部2a及び画像データ生成部3aに対してROI変更設定の指示を行う。
送受信・信号処理部2aのカラードプラ処理部25aは、超音波プローブ1aからの受信超音波を処理して画像データ生成部3aへ送信し、画像データ生成部3aのカラードプラ画像生成部32aは、受信したカラードプラデータを処理してROI変更設定におけるROIカラードプラ画像データを生成する。また、画像データ生成部3aのBモード画像生成部31aは、Bモード処理部23aから受信したBモードデータを処理しBモード画像データを生成する。そして、カラードプラ画像生成部32aは、生成したROIカラードプラ画像データとBモード画像データを合成し、「遠隔操作状態」及び「画像情報3」データを付帯した第1のカラードプラ画像データとして生成した後、表示部4a及びインターフェース6aへ送信する。
表示部4aは、カラードプラ画像生成部32aから受信した第1のカラードプラ画像データを表示し、インターフェース6aはカラードプラ画像生成部32aから受信した第1のカラードプラ画像データをネットワーク61を介して超音波診断装置10へ送信する(ステップS25)。
超音波診断装置10のインターフェース6は、超音波診断装置90−1から受信した第1のカラードプラ画像データを画像データ生成部3に送信する。そして、画像データ生成部3は、インターフェース6から受信した第1のカラードプラ画像データを表示部4へ送信し、表示部4はその画像データを表示する(ステップS26)。
次に、超音波診断装置10の操作者Yは、表示部4に表示された第1のカラードプラ画像を見て、例えば上記ROIにおける血流をもう少し低流速血流まで表示できるようにしたい場合、更に操作部5のカラーフィルタスイッチ55を調整する(ステップS124)。
超音波診断装置10のシステム制御部7は、カラーフィルタスイッチ55からのカラーフィルタ変更信号に基づいてその内部の記憶回路に保存されている画像情報3を画像情報4に変更保存した後、インターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信する(ステップS27)。
図9は、図4の第2の画像表示ステップS30で行われる第1の画像変更操作から第2の画像が表示されるまでの手順を示したフローチャートである。
超音波診断装置10からのカラーフィルタ変更信号を受信した超音波診断装置90−1のシステム制御部7aは、その内部の記憶回路に保存している画像情報3を画像情報4に変更保存した後、送受信・信号処理部2a及び画像データ処理部3aにカラーフィルタの変更の指示を行う。そして、同様な手順でカラードプラ画像生成部32a及びBモード画像生成部31aにおいて、システム制御部7aからのカラーフィルタの変更の指示に基づくカラードプラ画像データ及びBモード画像データを生成し、更にカラードプラ画像生成部32aで合成して「遠隔操作状態」及び「画像情報4」データ付帯の第2のカラードプラ画像データ(第2の画像データ)として生成した後(ステップS31)、表示部4aとインターフェース6aへ送信する。
表示部4aは、カラードプラ画像生成部32aから受信した第2の画像データを表示し、インターフェース6aは第2の画像データをネットワーク61を介して超音波診断装置10へ送信する(ステップS32)。
超音波診断装置10のインターフェース6は、超音波診断装置90−1から受信した第2の画像データを画像データ生成部3に送信する。そして、画像データ生成部3は、インターフェース6から受信した第2の画像データを表示部4へ送り、表示部4は、受信した第2の画像データを表示する(ステップS33)。
超音波診断装置10の操作者Yは、表示部4に表示された第2の画像を見て再度診察を行い(ステップS131)、同様に画像条件等の変更操作の必要があると判断した場合(ステップS132のはい)、更に操作部5から画像条件等の変更操作を行う(図7のステップS121)。
同様に、超音波診断装置10のシステム制御部7は、ステップS132の「はい」に対応して、操作部5から画像条件等の変更信号を受信したとき(ステップS34のはい)、画像条件等の変更信号をインターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信する(図7のステップS21へ)。
一方、超音波診断装置10の操作者Yは、表示部4に表示された第2の画像を見て画像条件等の変更操作の必要がないと判断したとき(ステップS34のいいえ)、操作部5からの遠隔操作により、第2の画像の動画像や静止画像を超音波診断装置90−1の画像データ生成部3aに保存させる。また、第2の画像の診察結果を電話やテレビ電話等を利用して超音波診断装置90−1の操作者Xに伝えた後、操作部5の遠隔操作スイッチ52をOFFし(ステップS133)、遠隔操作を終了させる。
なお、ステップS34で操作部5からの入力がないとき(ステップS34のいいえ)、超音波診断装置10及び超音波診断装置90−1は、超音波プローブ1aからの送受信信号を基に送受信・信号処理部2a及び画像データ生成部3aから生成された第2の画像データを表示部4及び表示部4aにリアルタイム表示する。
そして、超音波診断装置10のシステム制御部7は、ステップS133に対応して操作部5からの遠隔操作スイッチ52のOFF信号を受信した時点で遠隔操作の終了信号をインターフェース6、ネットワーク61を介して超音波診断装置90−1へ送信する。
次いで、システム制御部7は、超音波診断装置90−1へ終了信号を送信した時点で、超音波診断装置10の遠隔操作を終了する(ステップS35)。
超音波診断装置10からの遠隔操作の終了信号を受信した超音波診断装置90−1のシステム制御部7aは、超音波診断装置10へのすべての送信の停止、及び画像データに遠隔操作状態データを付帯するのを停止した時点で、超音波診断装置90−1の遠隔操作を終了する(ステップS35)。
以上述べた本発明の実施例によれば、被遠隔操作側の超音波診断装置から得られた画像データが遠隔操作側の超音波診断装置の表示部にも表示されるので、遠隔操作側の操作者は、被遠隔操作者側と同一の画像を同時に見て診察することができる。
また、遠隔操作側の操作者は、遠隔操作側の超音波診断装置に表示された画像データを見ながら、自装置の操作部を用いて自装置と同じ操作で、被遠隔操作側の超音波診断装置の画像条件等の変更操作を行うことができるので、診察に必要な画像条件等を的確に判断し、自装置の操作により迅速な画像条件等の変更操作を行うことができる。
また、遠隔操作側の超音波診断装置の表示部には画像データと共に「遠隔操作状態」が付帯表示されるので、遠隔操作による画像データであることが認識できる。
また、操作部には遠隔操作スイッチ、CDIモードスイッチ、およびカラーフィルタスイッチを備え、それらのスイッチを操作することにより簡単に遠隔操作の設定や、CDIモード変更信号や、カラーフィルタ変更信号を被遠隔操作側の超音波診断装置に通知することができる。
また、遠隔操作側からの通知により、遠隔操作側のCDIモードスイッチON操作による点灯など、操作部に表示、点灯されるものについては被遠隔操作側の操作部にも反映され、遠隔操作側からの操作結果を認識できる。
更に、遠隔操作側の超音波診断装置からの遠隔操作により、被遠隔操作側の超音波診断装置で生成された画像データ及びその画像データの「画像情報」が被遠隔操作側及び遠隔操作側の超音波診断装置の表示部に同時表示されるので、遠隔操作側の操作者は、被遠隔操作側の操作者と同じく被遠隔操作側の超音波診断装置から的確な画像データを得ることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば超音波診断装置間の同一の機能に対して操作方法が異なる場合、予め操作方法の異なる部分の入力デバイスの入力信号の変換を行う操作変換部を設けることにより、遠隔操作時にはその操作変換部を介して遠隔操作を実施するようにしてもよい。
また、遠隔操作時には、被遠隔操作側の超音波診断装置の送受信信号処理部において生成されたデータを遠隔操作側の超音波診断装置に送信し、遠隔操作側の超音波診断装置はそのデータを受信して内部の画像データ生成部に送信し、その画像データ生成部で画像データを生成して表示部に表示するようにしてもよい。
本発明の実施例に係る超音波診断装置の遠隔操作システムの構成を示すブロック図。 本発明の実施例に係る操作部を示す図。 本発明の実施例に係る遠隔操作の一例を示す図。 本発明の実施例に係る遠隔操作の手順の概略を示すフローチャート。 本発明の実施例に係る遠隔操作起動ステップの詳細を示すフローチャート。 本発明の実施例に係る第1の画像表示ステップの詳細を示すフローチャート。 本発明の実施例に係る第1の画像変更ステップの詳細を示すフローチャート。 本発明の実施例に係る画像の一例を示す図。 本発明の実施例に係る第2の画像表示ステップの詳細を示すフローチャート。
符号の説明
P 被検体
X 操作者
Y 操作者
1a 超音波プローブ
2、2a 送受信・信号処理部
3、3a 画像データ生成部
4、4a 表示部
5、5a 操作部
6、6a インターフェース
7、7a システム制御部
10、90−1乃至90−N 超音波診断装置
23、23a Bモード処理部
24、24a ドプラ信号検出部
25、25a カラードプラ処理部
31、31a Bモード画像生成部
32、32a カラードプラ画像生成部
41、44 画面
43 遠隔操作状態
45 Bモード画像
47 カラードプラ画像
61 ネットワーク

Claims (1)

  1. 被検体を撮影する第1の超音波診断装置と、ネットワークを介して前記第1の超音波診断装置の遠隔操作を行う第2の超音波診断装置とを備えた超音波診断装置の遠隔操作システムであって、前記第2の超音波診断装置は、前記遠隔操作に関する遠隔操作接続許可情報を前記第1の超音波診断装置へ前記ネットワークを介して送信する送信手段を有し、前記第1の超音波診断装置は、前記ネットワークを介して受信した前記遠隔操作接続許可情報に基づいて、前記第1の超音波診断装置が前記第2の超音波診断装置によって遠隔操作されることの承諾の可否を求めるメッセージを表示する表示手段と、前記承諾の可否に対する対応を入力する入力手段と、前記入力に基づいて、生成した画像データに遠隔操作状態に関する情報及び前記被検体に関する画像情報を付帯させるか、遠隔操作拒否情報を前記第2の超音波診断装置へ送信するかを制御する制御手段とを有することを特徴とする超音波診断装置の遠隔操作システム。
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