JP4686095B2 - 訓練用弾薬における改良、および訓練用弾薬に関する改良 - Google Patents
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Description
本発明は、改良された訓練用弾薬、および訓練用弾丸を発射するように銃を修正する方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
低パワーの訓練用カートリッジが公知であり、このようなカートリッジの例が、PCTGB98/00620、PCT/GB99/02859、PCT/GB99/02556、GB9819928.4、および米国特許第5492063号に開示されている。訓練用カートリッジは、実弾の(「殺害用の」)弾丸よりも発射物に対するエネルギーが少ないことを特徴としている。従って、実弾の弾丸では、銃弾に対して約1085J(800ft/lbs)のエネルギーがかかり、散弾銃では発射に対して約1356J(1000ft/lbs)ものエネルギーがかかるのに対して、訓練用カートリッジの場合は、はるかに少ないエネルギーしかかからない。例えば、訓練用カートリッジにより発射物にかかるエネルギーは、一般に約6.8J(5ft/lbs)未満、より通常は約5.4J(4ft/lbs)未満である。従って、本明細書中で使用される「訓練用カートリッジ」という語は、文脈が他のものを示していなければ、このような低エネルギーのカートリッジを指す。
【0003】
前記の訓練用カートリッジは、一般にプライマを含み、従来の量の発射火薬は含まない。従って、武器を再利用することと、銃弾等の発射物を放射することとの両方に十分なエネルギーを確実に有するように、入念に設計する必要がある。多くの訓練用カートリッジ(例えば特許文献supraに開示されたカートリッジを参照)は、カートリッジ本体が「ピストンおよびシリンダ」構成を含む、膨張タイプである。このようなカートリッジでは、プライマのエネルギーの一部を使用してピストンおよびシリンダを分離させ(すなわち、カートリッジを膨張させ)、カートリッジの後端部を後方に駆動して武器を再利用し、エネルギーの一部を利用して発射物をカートリッジの前端部から放出する。確実に発射物が一貫した適宜の速度で放出され、発射の度に武器が再利用されるように、カートリッジ内のガス流を入念に制御する必要がある。
【0004】
現在のすべての(出願人がこれまでに知っている)訓練用弾薬、および大部分の実弾の軍事用弾薬は、センタ・ファイア型である。例外としては、標的射撃で(および時には軍事訓練で)一般に使用される、リム・ファイア・タイプの5.56mm(0.22”)弾丸がある。センタ・ファイア型の実弾カートリッジは、一般に、カートリッジの後端部内にセットされるカップまたは「缶」内に担持されるプライマを有する。しかし、リム・ファイア・タイプ(例えば前記の5.56mm(0.22”)弾丸)の実弾弾丸では、プライマは、カップまたは缶には担持されず、カートリッジ・ケース自体の中空の縁部に保持される。
【0005】
図1は、実弾の軍事弾薬で一般に使用されるタイプのセンタ・ファイア・カートリッジ用のプライマの、断面立面図である。プライマは、例えばニッケルめっきした真鍮から形成され、適宜の火工品プライマ材料4を含む缶2を備えている。缶はカートリッジの後面(図示せず)の中央の凹部に保持される。アンビル6は、缶2の前部内にセットされ、缶を閉じてプライマを定位置に保持する。アンビルが缶内に挿入されると、アンビルの突出中央部6aはプライマを大きく圧縮して、非常に衝撃を受けやすい圧縮領域4aを生成する。衝撃を受けやすい領域4aは、ほぼ幅Iを有し、これはセンタ・ファイア武器の撃針用の衝突領域を示す。従って、センタ・ファイア撃針は衝突領域に衝突し、さらに缶の壁とアンビルとの間のプライマを圧縮することにより、プライマを爆発させる。しかし、リム・ファイヤ武器の撃針は、衝突領域Iの外側で缶に衝突するため、プライマを爆発させることがない。
【0006】
弾丸を一貫して低エネルギーで放出するように構成された訓練用カートリッジは、一般にそれ自体安全であるが、実弾の殺害用カートリッジが不注意で混入したり、低パワーの訓練用カートリッジの代わりに使用した場合に安全性の問題が生じる。前記したように、すべての公知の既存の訓練用カートリッジは、センタ・ファイア・タイプのプライマを使用しているが、これは特定の銃タイプの同等の実弾の殺害用カートリッジで使用されるプライマのタイプと非常に類似しており、しばしば同一のものである。通常銃から発射されるカートリッジ・タイプを発射せず、訓練用カートリッジのみを発射するように銃を修正することより、2つのタイプのカートリッジ間の混乱をなくす試みがなされている。残念なことに、この安全性の特徴は、装填の際に銃に適合する異なる実弾カートリッジ・タイプを使用することにより、または破損した実弾カートリッジを使用する事により、無視されることがある。このような状況では、訓練用カートリッジではなく、実弾のカートリッジを発射させることによって重大な事故および死を招くことになる。
【0007】
本発明の目的は、実弾の殺害用カートリッジを訓練用カートリッジの代わりに不注意に発射させることを防止することにより、前記の問題を解決することである。
【0008】
(発明の概要)
本発明は、訓練用カートリッジ中の周辺ファイア・プライマと、銃の撃針がカートリッジに点火する周囲のプライマの周囲(縁部)に当たるようにする銃の改良を利用する。改造を適合しながら任意タイプのセンター・ファイア・カートリッジを銃に装填すると、撃針の衝撃点がセンター・ファイア・プライマの繊細な部分の向こう側にあるので、撃針はセンター・ファイア・プライマに点火することができない。このように、本発明は、標準的なセンター・ファイア式の軍用弾薬が、低速度の訓練用弾薬に代わって不慮に発射されることを防止する。
【0009】
したがって、一実施形態では、本発明は周辺ファイア・プライマを有する訓練用カートリッジを提供する。
【0010】
プライマは通例カップまたは「缶」の形状であり、これをカートリッジの後部端の中にセットする。カップは通例、その中にプライマ材料が置かれる空洞の周囲縁を有し、プライマ材料は圧縮された状態にあり、衝撃に対して非常に弱い。このため、プライマ材料は、缶の周囲縁が撃針の衝撃を受けると爆発する恐れがある。この構成は、プライマ材料がカートリッジの後部中にセットされたカップの周囲縁ではなくカートリッジ自体の周囲部に置かれる従来型の実弾リムファイア・カートリッジ(すなわち5.56mm(0.22”)口径)と対照的である。
【0011】
本発明の訓練用カートリッジは点火時に膨張できることが好ましく、カートリッジが膨張することにより、カートリッジの後部表面が後ろに向かって銃の銃尾ブロックに押し付けられて銃の再回転の開始が促される。
【0012】
例えば、一実施形態では、発射物(例えば弾丸)をその先端部分の中または上に取り付けることを可能にするように構成された膨張可能な訓練用カートリッジが提供され、この先端部分を貫通するガス経路がカートリッジ内部と発射物との連通を提供する。このカートリッジは、ガス経路から発射物までの推進用ガスの流れを制御するバルブ手段と、点火時にカートリッジ中の推進ガスの圧力によってカートリッジから後方に小火器の銃尾ブロックに向かって推進され、小火器を再回転させる可動部材とを有する。バルブ手段は、発射物がカートリッジから発射された後に、前記ガス経路中の推進ガスの流れを停止させるか、または相当量低減して、それにより可動部材が後方に推進するのを助けるために、閉じるように構成することが好ましい。
【0013】
この訓練用カートリッジの厳密な性質は重要ではなく、例えば、この訓練用カートリッジは、PCT98/00620、PCT/GB99/02859、およびGB9819928.4のいずれかに記載される一般的なタイプでよいが、適切に改良したプライマを備える。この訓練用カートリッジの直径は、一般には、実弾の5.65mm(0.22”)弾丸の直径より大きい(通例は約9mm(0.375”))が、この訓練用カートリッジは5.65mm(0.22”)の弾丸または発射物を装填することができ、また通例5.65mm(0.22”)弾丸(round)に関連する直径のプライマを備えることができる。
【0014】
一般に、プライマはカートリッジ中で唯一の火工材料である。つまり、プライマ以外に発射火薬はない。このプライマは、カートリッジが約5.4J(4ft/lbs)未満、より好ましくは約4.1J(3ft/lbs)未満、例えば約3.4J(2.5ft/lbs)未満、最も好ましくは約2.7J(2ft/lbs)あるいはそれ以下のエネルギーを生むようになっている。
【0015】
別の態様では、本発明は、銃が実弾を発射することを防止するが、リムファイア・プライマの訓練用カートリッジの点火は可能にするように銃を改良する方法を提供し、この方法は次を含む。(i)センター・ファイア式の撃針をリム・ファイア式の撃針に替える。かつ/または、センタ・ファイアの撃針がカートリッジの中央点火には整合しないが、カートリッジの縁部の点火には整合するように銃の銃身を置換えるが、センタ・ファイアの撃針をリムファイア撃針に置き換えることにより、実弾の5.56mm(0.22”)のカートリッジの点火が可能な銃の改良は除く。
【0016】
さらに別の態様で、本発明は、銃が実弾を発射できないようにするが、5.56mm(0.22”)口径のカートリッジ以外のリムファイア・プライマの訓練用カートリッジは点火できるように銃を改良する方法を提供する。この方法は、センタ・ファイアの撃針をリム・ファイアの撃針に置き換えることを含む。
【0017】
別の態様で、本発明は、リムファイア・プライマを有する訓練用カートリッジと、リムファイア・プライマを含んだ訓練用カートリッジを発射できるように改良した銃との組合せを提供する。
【0018】
別の態様で、本発明は、上記で定義したカートリッジで使用するための周辺ファイア・プライマを提供し、このプライマは、カートリッジの後部中にセットするためのカップを含み、このカップは圧縮されたプライマ材料を入れる空洞の周辺縁部を有する。
【0019】
別の態様で本発明は、銃が実弾を発射するのを防ぐが、リムファイア・プライマの訓練用カートリッジの点火は可能にするように銃を改良する方法を提供し、この方法は、センタ・ファイア式の撃針を有する銃を選択し、その銃の銃身を銃尾がオフセットされた銃身に置換えて、センタ・ファイアの撃針が、リムファイア・プライマの訓練用カートリッジに強く当たってカートリッジに点火するが、センタ・ファイア・カートリッジにはそれが行われないようにすることを含む。
【0020】
さらに別の態様で、本発明は、センタ・ファイアの撃針と、銃尾がオフセットされた銃身とを有する銃を提供し、これによりセンタ・ファイアの撃針がリムファイア・プライマ・カートリッジに強く当たり、それに点火するが、センタ・ファイア・プライマのカートリッジにはそれが行われない。
【0021】
どの改良を選ぶかは銃の性質に左右される。スライド式または可動の銃身を有するピストルやその他の銃の場合は、銃身の改造が、武器を改良する最も簡単な手段を提供することができる。一方、大半のライフルおよびマシン・ガンのように銃身が固定式であり、銃身ブロックがスライド可能である場合は、最も簡単な改造は撃針をリムファイアの撃針に修正または変更することである。
【0022】
銃身を改造する場合、改造の前に銃のセンタ・ファイアの撃針を調整して、それが銃身の銃腔または銃尾から見て中心にある位置に当たるようにする。つまり、撃針の中心線が銃身の中心線と一致するようにする。本発明による改造後に、撃針の中心線に相対的に銃身の銃腔をオフセットする。これは、センタ・ファイアの撃針を組み込んだ点火メカニズムが、センタ・ファイア・カートリッジの繊細な中心領域には衝撃を与えないが、周辺部に衝撃を与えることを意味する。したがって、銃身の改造により、リムファイアの訓練用カートリッジを発射することが可能になるが、それに対応してセンタ・ファイアの実弾が爆発することは防止される。
【0023】
銃腔のオフセットのこの他の利点は、銃身の軸に対して銃腔を傾けることができ、それにより銃の使用者がその通常の照準を変更せずに、低速度の発射物の弾道を補正する手段が提供されることである。
【0024】
銃身よりも撃針を改造する方が適している場合は、撃針の中心線をやはり銃身の銃腔の中心線と合わせることができるが、改造した撃針は通例横方向に延びた先端部分を有し、この横方向に延びた先端部分は、それがリムファイア・プライマの縁に当たるが、センタ・ファイア・プライマの中心には当たらないように作られたリーディング表面を有する。横方向に延びた先端部分は、1面または2面で横方向に延長することができる。
【0025】
例えば、それを1面で延長する場合、撃針の先端は平坦な鋤状の構造をとることができ、これが銃尾ブロック中に切り抜かれた溝に嵌まる。この平坦な鋤状の構造は、その先端に前方方向を向いた1つまたは2つの(バランスのために2つが好ましい)突起物を有することができ、これがリムファイア・プライマの縁に当たるが、センタ・ファイア・プライマの中心衝撃領域には当たらない。
【0026】
改造した撃針の先端部分を2面で横方向に延長すると、この部分は例えば円筒形にすることができる。この場合、リーディング表面はそこから前方に突出した1つまたは複数の(好ましくは複数)別個の突起物を有することができ、あるいはリーディング表面に、リムファイア・プライマの衝撃領域には当たるが、センタ・ファイア・プライマの衝撃領域には当たらないように、前方に突出した環状の縁部を提供することができる。
【0027】
センタ・ファイア・プライマが改造した撃針によって爆発する(例えば撃針とカートリッジ間の粒子状物質または破片によって)可能性をさらに減らすために、突起物の間または突起物内部のリーディング表面の領域を、少なくともセンタ・ファイア・プライマの衝撃領域に重なる範囲にわたって取り除くことができる。
【0028】
ここで、本発明について、添付の概略的な図面、図1から9に示した特定の実施形態を参照して、非制限的でなく、例示する。
【0029】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明によるカートリッジにおいて使用する周辺ファイア・プライマを図2に示す。これは、中空周辺リム領域103を提供するように形成された閉鎖端であるカン102を備える。爆発プライマの複合物104は、カンに配置され、カンは、スピンされ、それにより、爆発材料を中空周辺リム領域103内に押し込む。図2のプライマで、衝撃領域I’は、形状が環状であり、プライマの周辺リムの周りに広がる。図1および2からわかるように、同じ口径のカートリッジに対して、センタ・ファイア・プライマの衝撃領域Iと、あらゆる衝撃が、プライマを爆発させない周辺発射領域の衝撃領域I’との間には、デッド・ゾーンSが存在する。図2のプライマを含んでいるカートリッジが、適切に構成され、かつ、位置合わせされたファイアリング・ピンを有する兵器に配置され、兵器が発射されたとき、ファイアリング・ピンは、衝撃領域I’を撃ち、中空リム領域103の2つの壁103aと103bの間の爆発複合物を圧縮し、衝撃が爆発複合物に分与されて、爆発が起きる。
【0030】
ここで図3を参照すると、中心ファイアリング・ピン202、その銃尾に挿入された訓練用カートリッジ204を有する銃200の従来の構成が示されている。この場合、従来の習慣によれば、カートリッジ204は、その端部内にはめ込まれたセンタ・ファイア・プライマを有する。プライマは、図1に示したタイプのものである。ファイアリング・ピン202の中心線L1は、銃のバレルの中心線L2と一致することに留意されたい。
【0031】
図4には、銃300を変更して、銃バレルの中心線からずれている周辺発射ファイアリング・ピン302を提供し、したがって、図2に示したタイプの周辺ファイア・プライマ306を有する訓練用カートリッジ304を発射することができる、構成が示されている。
【0032】
上記で示したように、センタ・ファイア訓練用カートリッジに関する問題は、時々、訓練用カートリッジと実弾の殺人用弾薬とが混合されることがあることである。この問題を回避するために、本発明は、プライマの周辺リムに対する衝撃によって爆発する訓練用カートリッジを提供し、周辺センタ・プライマの使用を可能にするように特別に変更された銃を使用する。
【0033】
図5は、センタ・ファイア・プライマを有するカートリッジが内部に挿入された、標準的なセンタ・ファイア・ピストルを示す。この図に示した構成は、図3に対応するが、ピストルのバレルが取り外されている点が異なる。図6は、図5に示した銃を変更したものを示す。図6に示したように、銃は、依然として、通常の銃バレルを有し、センタ・ファイア・カートリッジの発射を可能にするセンタ・ファイア・ファイアリング・ピン410を備えている。しかし、センタ・ファイア・カートリッジが発射することを防止するために、銃は、通常の銃バレルを、ボア414がずれている銃バレル412で置き換えることによって、変更されている。図6からわかるように、ボア414は、バレルの軸線16に対して、角度α傾いている。ボア414の中心線も、ファイアリング・ピン410の中心線に対して、傾いている。
【0034】
周辺ファイア・プライマを有する訓練用カートリッジが、銃尾に挿入されている場合、銃バレルとファイアリング・ピンの相対的な幾何形状は、ファイアリング・ピンが、カートリッジを発射することができるようなものである。一方、センタ・ファイア・カートリッジ(例えば、実弾の殺人用カートリッジ)が、銃バレルに挿入されている場合、ファイアリング・ピン410は、センタ・ファイア衝撃領域318を撃つことができず、したがって、カートリッジは、爆発しない。したがって、本発明の変更により、実弾の殺人用弾薬が、訓練用弾薬と不注意に混合されることを防止するという点で、安全性が著しく向上する。
【0035】
図6に示した構成の他の利点は、訓練用弾薬を、より正確に使用することを可能にすることができることである。訓練用弾薬に関する問題の1つは、低速が、銃弾が標的に到達する前に、しばしば進路をそれて落ち、したがって、ユーザが、標的より上をねらうことによって、これを補償する傾向があることを意味することである。したがって、低速の弾薬を使用して標的を撃つことは、望ましいというより現実的でない。図6に示した銃バレルの構成で、銃のユーザは、通常の方式で、視界を標的に定めることができ、バレルの角度ではなく、ボアの角度が、発射物が標的に到達することを可能にするように、必要な補正を提供する。したがって、訓練用弾薬の射程は、通常の実弾の殺人用弾薬の射程にはるかにより近い。
【0036】
図6に示した変更は、ピストルに特に適しているが、その理由は、多くの場合、ピストルのバレルをかなり簡単に取り外すことができるからである。しかし、ライフルのバレルは、通常固定されており、したがって、図6に示したタイプのバレルの変更は、銃に対するいくらかより複雑な変更を含み、実用的な提案ではない。
【0037】
したがって、ライフルと機関銃、および、固定されたスライドしないバレルを有する他の小火器では、ファイアリング・ピンを変更することはより簡単であり、これを図7と図8に示す。
【0038】
図7は、センタ・ファイアリング・ピンを装備し、かつ、銃尾に挿入されたセンタ・ファイア訓練用弾丸を有する従来のライフルの部分図を示す。図8は、同じライフルであるが、ファイアリング・ピンが変更されているものを示す。したがって、ファイアリング・ピンは、もはや、ピンの形状ではなく、代わりに、スペード様の形状になるように、横方向に延びる前縁を有する。前縁の前表面は、どちらかの縁に、前方を向いた突出部512を有し、突出部は、カートリッジの周辺ファイア・プライマ513の衝撃領域514と位置合わせされている。前縁の中心部分516は、凹んでおり、凹みの幅は、センタ・ファイア・プライマ318の衝撃領域の幅と少なくとも同程度である。使用時に、兵器が発射されたとき、変更したファイアリング・ピンの前縁の縁の上の突出部512は、周辺ファイア・プライマの鋭敏な衝撃領域に衝撃を与え、プライマを爆発させる。しかし、センタ・ファイア・プライマを有するカートリッジ(例えば、実弾の殺人用の一斉射撃に要する弾薬)が、不注意に銃に挿入された場合、これは爆発しない。図8に示した変更したファイアリング・ピンの構成の安全性は、センタ・ファイア・プライマが、ファイアリング・ピンとカートリッジの間に残骸粒子が存在する結果として偶然に発射することがないことを保証する、凹んだ中心領域516によって、さらに向上される。
【0039】
図8の変更したファイアリング・ピンは、例えば、既存のファイアリング・ピンを短縮する、その端部のスレッドを切断する、および、スレッドした端部を適切なプロファイルの端部品に固定することによって、はめ込むことができる。ファイアリング・ピンが通常スライドする環状チャネルまたは開口は、端部品のスペード様の形状を収容するスロットを形成するように、機械加工される。
【0040】
図9は、図8の変更した銃において発射することができる爆発ブランク・カートリッジを示す。ブランク・カートリッジは、ノーズ604において閉鎖され、かつ、爆発材料606を含んでいるケーシング602を備える。ブランク・カートリッジの後縁は、従来の方式で、使用済みカートリッジを銃尾から抜き取ることを可能にするフランジ608を有する。したがって、今のところ、ブランク・カートリッジは、従来の構成である。しかし、このカートリッジは、カートリッジの後の中心内にセットされたプライマ610が、周辺ファイア・プライマであるという点が、従来のブランク・カートリッジとは異なる。プライマ610は、図2に示した形態、またはそれを適切に変更したものとすることができ、圧縮されたプライマの材料を含んでいる中空周辺リム614を有するカップまたはカン612を備える。使用時には、銃のオフ・センタ・ファイアリング・ピン616は、周辺リム614を撃ち、それにより、プライマの材料を爆発させ、これが、爆発材料606を爆発させる。プライマと爆発材料の爆発によって生じた膨張する気体は、実際的な爆発を与えるように、従来の方式で、ノーズ604を通って爆発する。
【0041】
上記の例は、単に、本発明を実施することができるいくつかの方式を示し、本発の基盤となっている原理から逸脱せずに、添付の図面に示した構成に対して、多くの変更と修正を行うことができることが、容易に理解されるであろう。すべてのそのような変更と修正は、本出願に包含されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 センタ・ファイア・プライマを通る側面断面図である。
【図2】 リムファイア・プライマを通る側面断面図である。
【図3】 センタ・ファイア・ファイアリング・ピンを通る側面断面図である。
【図4】 リムファイア・ファイアリング・ピンではめ込まれた銃におけるリムファイア・プライマの従来の構成の側面断面図である。
【図5】 センタ・ファイア・プライマ・カートリッジを含んでいるバレルを有する標準的なセンタ・ファイア・ピストルの概略的な部分図である。
【図6】 図5のセンタ・ファイア銃であるが、バレルが、変更したバレルによって置き換えられている、概略図である。
【図7】 センタ・ファイア・ファイアリング・ピンではめ込まれ、かつ、センタ・ファイア・プライマ・カートリッジを含んでいる、標準的なライフルの図である。
【図8】 図7のライフルであるが、変更したファイアリング・ピンを有する図である。
【図9】 周辺ファイア・プライマを有する爆発ブランク・カートリッジの図である。
Claims (9)
- 実弾の弾薬の発射は防止するが、リム・ファイア・プライマの訓練用カートリッジの発射は可能にするように銃を改良する方法であって、該方法は、センタ・ファィア撃針の代わりに、リム・ファイア・プライマ撃針を使用するステップを含むことを特徴とする銃を改良する方法。
- センタ・ファイア撃針を有する銃を選択し、その銃の銃身を、前記センタ・ファイア撃針が、センタ・ファイア・カートリッジではなく、前記リム・ファイア・プライマの訓練用カートリッジに対して衝撃を与えてこれを発射させることができるように銃尾をずらした銃身に取り替えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記銃身の銃腔が該銃身の軸線に対して傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記方法は、その銃のセンタ撃針が、該銃の銃身に収容されるカートリッジのセンタ・ファイアに対して整合されていないが、前記訓練用カートリッジのリム・ファイア・プライマのファイアに対して整合されるように、前記銃の銃身を交換するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法によって改良された銃。
- 請求項5による改造された銃と、リム・ファイア・プライマを有して前記改良された銃から発射されるように構成される一つ以上の訓練用カートリッジとの組合せ。
- 請求項5による前記銃によって発射するように構成されたリム・ファイア・プライマを備える訓練用カートリッジ。
- 後端部内にセットされるリム・ファイア・プライマ・カップを特徴とする請求項7に記載の訓練用カートリッジ。
- 前記カートリッジは発射時に膨張可能であり、前記カートリッジが膨張して該カートリッジの後面を銃の遊底に対して後方に押圧し、銃の再利用を開始するのに役立つことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の訓練用カートリッジ。
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