JP4682801B2 - 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム - Google Patents

均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4682801B2
JP4682801B2 JP2005311261A JP2005311261A JP4682801B2 JP 4682801 B2 JP4682801 B2 JP 4682801B2 JP 2005311261 A JP2005311261 A JP 2005311261A JP 2005311261 A JP2005311261 A JP 2005311261A JP 4682801 B2 JP4682801 B2 JP 4682801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
analysis
homogenization
deformation
macro
unit cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005311261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007122242A (ja
Inventor
岳 原田
誠 藤内
賢二郎 寺田
真幸 山田
洋平 脇坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005311261A priority Critical patent/JP4682801B2/ja
Publication of JP2007122242A publication Critical patent/JP2007122242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4682801B2 publication Critical patent/JP4682801B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、均質化法を用いる構造解析に係り、特に、複数のミクロ構造が配置されるマクロ構造体に均質化法を適用して構造解析を行う均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラムに関する。
構造体、特に複合材料が用いられている構造体の構造設計をシミュレーションにより行うものとして、有限要素法が広く知られている。有限要素法は、解析対象範囲を有限の要素に分割して離散化し、与えられた境界条件を下に近似解を求める方法である。したがって、解析対象が大きな構造体である場合や、構造体が小さくても、内部の微小構造が複雑に複合化している場合等では、必要な精度のシミュレーションを行うために、分割要素数が大きくなり、多くの計算時間を要することになる。
微細構造を有して全体としては不均質な材料特性となっている構造体の構造解析をより容易に行うものとして、非特許文献1に詳述されているような均質化法による解析が知られている。均質化法は、無数のミクロ構造が分布する全体構造物についての現象の数理モデルを与える際に、ミクロ構造内で一様でない応力やひずみをそれらの平均量で置き換える、とのアプローチを用いる(同文献p3−4参照)。そしてその例として、周期的なミクロ構造(ユニットセル)を有する非均質体を等価な均質体で置き換える階層的モデル化が行われる(同文献p5,p13−p55)。
例えば、特許文献1には、解析する構造の要素数を低減させて、計算リソースを節約するために、均質化法を用いた構造解析方法等が開示されている。ここでは半導体技術分野の多層配線構造の構造安定性について、厳密な応力計算が必要な最下層以外の構造に、均質化法を適用して同等の機械的挙動を示す均質化構造に置き換えるモデルが用いられている。具体的には、Cu平板の中にSiO2膜が周期的に配置されている複合材料構造について、この周期的な単位構造を構成している材料が等方弾性材料の場合に、この単位構造と同等の機械的挙動を示す弾性定数を求めている。これによって、従来有限要素法を用いると211000要素を要したものが、77000要素で済むことが述べられている。
特開2003−347301号公報 寺田他,「計算力学レクチャーシリーズ1 均質化法入門」, 平成15年7月25日,丸善株式会社,p1−154
このように、周期的なミクロ構造を有する非均質体を等価な均質体で置き換える均質化法の手法により、構造計算に要する時間を短縮できる。しかし、従来技術における均質化法の適用は、3方向に周期性を有するマクロ構造体について行われている。
したがって、1方向にのみ周期性を有し、その周期性の方向に直交する断面内で不均質なマクロ構造体の場合には、従来技術の均質化法が適用できず、元に戻って有限要素法の適用が行われ、多大な解析時間を要することになる。
本発明の目的は、1方向にのみ周期性を有し、断面内で不均質なマクロ構造の構造解析時間を短縮できる均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラムを提供することである。
本発明に係る均質化法を用いる構造解析方法は、コンピュータによって実行される有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析をコンピュータによって行う方法であって、解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさのメッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶装置に記憶する分割工程と、記憶装置からマクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、マクロ構造体におけるミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する工程と、ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化工程と、マクロ構造体について、その全域にわたって、求められたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析工程と、マクロスケール解析工程によって得られた任意の位置における変形を、その位置におけるユニットセルを構成する微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、有限要素法解析の手法を適用して、微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、変形、変形力とは広義の意味であって、いわゆるN(ニュートン)の次元を有する力のみならず、曲げ変形を生じさせるもの、ねじり変形を生じさせるものを広く含めて変形力といい、それらによって生じる軸方向伸び縮み歪、せん断歪、曲げ歪、ねじり歪を含めて変形という。不均質な変形特性とは、材料特性が不均質のために変形が不均質に生じる場合と、材料特性は均質であるが、変形力の荷重負荷が不均質であるために変形が不均質に生じる場合、およびこれらが重畳する場合を含む。
また、マクロスケール解析工程は、マクロ構造体においてミクロ構造が周期的に配置される1方向に沿った1次元のモデルとして解析することが好ましい。また、マクロスケール解析工程は、マクロ構造体を1次元の梁モデルとして解析することが好ましい。
また、マクロスケール解析工程は、マクロ構造体において前記ミクロ構造が3次元的変形をする3次元のモデルとして解析することが好ましい。また、マクロスケール解析工程は、マクロ構造体を3次元の直方体モデルとして解析することが好ましい。
また、均質化工程は、ユニットセルに単位変形を与えたときの応力応答に基づいてユニットセル均質化弾性係数を求めることが好ましい。
また、均質化工程は、1つの軸方向引張モード、2つのせん断モード、2つの曲げモード、1つのねじりモードについての単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの応答を1組とする第1均質化弾性係数を求め、マクロスケール解析工程は、第1均質化弾性係数を用い、マクロ構造体を1次元の梁モデルとして解析することが好ましい。
また、均質化工程は、3つの軸方向引張モード、3つのせん断モードについての単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの応答を1組とする第2均質化弾性係数を求め、マクロスケール解析工程は、第2均質化弾性係数を用い、マクロ構造体を3次元の直方体モデルとして解析することが好ましい。
また、マクロ構造体の3次元モデルにおけるローカル解析工程は、周期的に配置される1方向に沿った任意の位置における微小要素のそれぞれの局所的応答を、マクロスケール解析において周期的に配置される1方向に沿った任意の位置における変形の補正項として加えることが好ましい。
また、本発明に係る均質化法を用いる構造解析装置は、有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析を行う構造解析装置であって、解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさのメッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶する記憶部と、記憶部からマクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、マクロ構造体におけるミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する手段と、ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化手段と、マクロ構造体について、その全域にわたって、取得されたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析手段と、マクロスケール解析工程によって得られた任意の位置における変形を、その位置におけるユニットセルを構成する微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、有限要素法解析の手法を適用して、微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析手段と、を含むことを特徴とする。
また、均質化法を用いる構造解析プログラムは、コンピュータによって実行される有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータに、解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさのメッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶装置に記憶する分割処理手順と、記憶装置からマクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、マクロ構造体におけるミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する処理手順と、ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化処理手順と、マクロ構造体について、その全域にわたって、求められたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析処理手順と、マクロスケール解析工程によって得られた任意の位置における変形を、その位置におけるユニットセルを構成する微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、有限要素法解析の手法を適用して、微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析処理手順と、を実行させるためのものであることを特徴とする。
上記構成により、3次元的に不均質な変形特性を有するユニットセルが1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造の構造解析について、ユニットセルの均質化弾性係数を求め、この均質化弾性係数を用いてマクロ構造について変形力に対する変形を求め、求められた変形を、ユニットセルを構成する各微小要素のそれぞれに与えることで各微小要素の局所的応答を得る。この手順によれば、微小要素についての詳細な解析計算は、均質化弾性係数の算出工程のときと、局所的応答を得るローカル解析工程のときとの2度であり、マクロ構造体全体の変形応答は、均質化弾性係数を用いてマクロスケール解析で行うので、微小要素についての詳細な解析計算は行わなくて済む。したがって、3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置され、周期性に直交する断面内で不均質の変形特性を有するマクロ構造体について、均質化法を適用して各微小要素の変形応答を得ることができる。そして、微小要素の全部について有限要素法を最初から最後まで適用する従来技術に対し、計算時間を短縮することが可能となる。
また、マクロ構造体は周期性配置の1方向に沿った1次元のモデルとして解析されるので、マクロ構造体の解析を簡単なモデルで行うことができる。また、マクロ構造体は1次元の梁モデルとして解析されるので、周知の梁構造解析法を用いることができる。
また、マクロ構造体は3次元のモデルとして解析されるので、例えば周期性配置の1方向に直交する断面内で不均質な荷重が負荷される場合等のモデル化ができ、より精度の高い解析が可能となる。また、マクロ構造体は3次元の直方体モデルとして解析されるので、周知の直方体構造解析法を用いることができる。
また、ユニットセルに単位変形を与えたときの応力応答に基づいて均質化弾性係数を求めるので、各微小要素に基づく計算を行うことなく、変形力−変形の簡単な実験、あるいは簡単なシミュレーション等により、均質化弾性係数を求めることができる。
また、第1均質化弾性係数として、1つの軸方向引張モード、2つのせん断モード、2つの曲げモード、1つのねじりモードについての単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの応答を求める。そして、この第1均質化弾性係数は、マクロ構造体を1次元の梁モデルとして解析する場合に用いられる。これにより梁モデルの解析に適した均質化弾性係数を用いることができる。
また、第2均質化弾性係数として、3つの軸方向引張モード、3つのせん断モードについての単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの応答を求める。そして、この第2均質化弾性係数は、マクロ構造体を3次元の直方体モデルとして解析する場合に用いられる。これにより直方体の解析に適した均質化弾性係数を用いることができる。
また、マクロ構造体の3次元モデルのローカル解析工程は、周期性配置の1方向に沿った任意の位置における各微小要素の応答を、周期性配置の1方向に沿ったマクロスケール解析における任意の位置における変形の補正項として加えるので、0次近似としてはマクロスケールの周期性配置の1方向に沿った任意の位置における変形そのものを用いることができ、さらにローカル解析によって補正することでより精度を上げることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下において、均質化法を用いる構造解析方法の具体的な適用対象として、車両用の燃料電池スタックを述べるが、この適用例は、あくまで説明のための例示であって、複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体であれば、それ以外の一般的な複合構造体であってもよい。また、以下において、ユニットセル等は、それを構成する微小要素の数を例えば27とし、また、簡単な3次元不均質の構成としたが、これは説明を簡単にするためであって、実際の構造物に適合するようにユニットセルを構成する微小要素の数をこれ以外の数とし、また実際の3次元不均質性に適合する構成とすることができる。また、以下において、不均質な変形特性として、周期性の方向に直交する断面内で材料特性は均質であるが変形力が断面内で不均質に負荷される場合を主に述べるが、断面内における材料特性が不均質な場合であってもよい。また、断面内で、材料特性と、負荷される変形力との双方が不均質な場合であってもよい。
均質化法を用いる構造解析においては、マクロ構造体の周期性配置の1方向に沿ったモデルを1次元モデルにする場合と、3次元モデルにする場合とで、処理が異なる。以下では、最初に、マクロ構造体を1次元モデルとする場合を述べ、その後に、マクロ構造体を3次元モデルとする場合について述べる。
図1は、均質化法を用いる構造解析方法が適用される車両用燃料電池スタック10の様子を示す図である。車両用燃料電池スタック10は、その外部を覆うケースの中に燃料電池モジュール8が複数整列配置される。また、各燃料電池モジュール8は、燃料電池の単位である単セル6が複数整列配置されて構成される。一例を上げると、1つの燃料電池スタック10は、20の燃料電池モジュール8で構成され、各燃料電池モジュール8はそれぞれ20の単セル6で構成される。したがって、1つの燃料電池スタック10は、合計400の単セル6から構成される。
このことは、1つの燃料電池スタック10は、20の燃料電池モジュール8が1方向にのみ周期的に繰り返されて配置されるマクロ構造体であると見ることができる。また、各燃料電池モジュール8は、20の単セル6が1方向にのみ周期的に繰り返されて配置されるマクロ構造体であると見ることができる。また、燃料電池モジュール8の整列配置の方向と、単セル6の整列配置の方向とが同じであるとすると、1つの燃料電池スタック10は、400の単セル6が1方向にのみ周期的に繰り返されて配置されるマクロ構造体であると見ることもできる。このように、単セル6は、マクロ構造体である燃料電池スタック10において1方向にのみ周期的に繰り返して配置されるミクロ構造の単位であり、これを構造解析上のユニットセルと呼ぶことができる。また、単セル6は、周知のように、セパレータや電解質膜、触媒電極層等の複数の部材から構成される複合体であるので、この複数の部材を材料別の微小要素とすれば、単セル6は、複数の微小要素からなるミクロ構造でもある。そして、この単セル6は、これら複数の微小要素の構成により、3次元的に不均質な変形特性を有している。そこで、燃料電池スタック10を、複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造、すなわちユニットセルである単セル6が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体として、その構造解析に、均質化法がどのように適用されるかを以下に説明する。
図2は、均質化法を用いる構造解析装置20のブロック図である。この構造解析装置20は、CPU22と、解析の条件等を入力するキーボード等の入力部24と、解析結果を表示するディスプレイ等の出力部26と、解析に必要なデータやプログラムを記憶する記憶装置28とを含んで構成される。また、通信制御部を設け、外部の設計装置、例えば燃料電池スタック設計装置等とネットワークによって接続されるものとしてもよい。かかる構造解析装置20は、3次元シミュレーション計算に適したコンピュータ等で構成することができる。
CPU22は、マクロ構造体である燃料電池スタック10において1方向にのみ周期的に配置されるユニットセルとして燃料電池の単セル6を特定するユニットセル特定モジュール30と、ユニットセルを一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化し、それに単位変形を与えて均質化弾性係数を求める単位変形・均質化弾性係数算出モジュール32と、マクロ構造体である燃料電池スタック10を1次元梁又は3次元直方体等にモデル化し、そのモデルについて変形力に対する変形を求めるマクロスケール解析モジュール34と、マクロスケール解析の結果の変形を、ユニットセルである燃料電池用単セル6を構成する微小要素のそれぞれに与えて、その局所的応答を得るローカル解析モジュール36を含んで構成される。これらの機能は、ソフトウェアで実現でき、具体的にはこれらに対応した、均質化法を用いる構造解析プログラムを実行することで実現できる。これらの機能をハードウェア等で実現することもできる。
かかる構成の構造解析装置20の作用について、特にCPU22の各機能について、以下に詳細に説明する。図3は、均質化法を用いる構造解析方法の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの各手順は、均質化法を用いる構造解析プログラムを構成する各処理手順に対応する。
均質化法を用いて構造解析を行うには、最初に、解析の対象物を定める。上記の例では、燃料電池スタック10の構造解析を行うので、入力部24から、あるいは図示されていない通信制御部を介し、燃料電池スタック設計装置から、燃料電池スタック10の構造図等が入力される。それに対して適当な処理を施して、解析に適した単純化を行い、解析の精度に合わせて適当な大きさのメッシュに分割する。メッシュ分割は均等分割で行うことができる。また、必要に応じ、その後、材料特性の同じ部分であって隣接するメッシュを結合する処理等で、解析対象の分割数を低減させる処理を行ってもよい。このようにして、メッシュ分割された燃料電池スタック10の解析用構造データが解析の対象物として取得される。この取得されたデータは、必要があれば一旦記憶装置28に記憶される。
次いで、燃料電池スタック10の解析用構造データから、1方向にのみ周期性のある単位を抽出し、これをユニットセルとして特定する(S10)。具体的には、CPU22のユニットセル特定モジュール30の機能により、解析用構造データの1方向周期性判定が行われてユニットセルの範囲が抽出される。あるいは、解析の方針として、予めユニットセルを何にするかを定めてあるときには、その部分を抽出する。上記の場合には、燃料電池の単セル6を1方向周期性の単位として解析するものとするので、メッシュ分割された単セル6の部分をユニットセルとして抽出する。これと別に、仮に、燃料電池モジュール8を1方向周期性の単位として解析するものとするときは、燃料電池モジュール8をユニットセルとして特定する。
その様子を図4に示す。図4において、単純化処理された後の燃料電池スタックがマクロ構造体40として示されている。このマクロ構造体40は、長手方向であるx1方向にのみ規則的に周期的に繰り返して配置されるミクロ構造であるユニットセル50を有する。各ユニットセル50は、内部構造的に同じ内容のものであり、上記の例では、燃料電池の単セル6に対応している。マクロ構造体40は単純に棒状の直方体として示されているが、上記のように燃料電池スタック10はメッシュ分割がされた構造体データを有するので、マクロ構造体40の内部はメッシュ分割されている。同様にユニットセル50も単純に矩形ブロックで示されているが、燃料電池の単セル6の内部も、材料特性の相違に応じて微小要素にメッシュ分割がされている。
図5は、ユニットセル50を構成する微小要素51の様子を示す図である。ここでは、ユニットセルが27の微小要素51が集合したミクロ構造であることが示されている。ユニットセル50は、燃料電池の単セル6であるので、ここでは、その構造が、2つのセパレータ52と、その間に挟まれる膜電極アセンブリ(Membrane Electorode Assembly:MEA)54とでモデル化されている。なお、図5に示されるy1方向に沿って、セパレータ52−MEA(54)−セパレータ52が配置される。セパレータ52とMEA54とは材料特性が異なるので、それを示すため、MEA(54)を構成する微小要素に斜線を付してある。また、セパレータ52のy23面内は、均質な構造ではなく、その中央部56の周りにガス供給路及び生成水排水路等が配置される。したがってセパレータ52のy23面内は材料特性が不均質で、それを示すために中央部56の微小要素に斜線が付されている。
ユニットセル50が特定されると、ユニットセルを一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化され、そのモデルに対し単位変形が与えられ(S12)、その応答に基づいて均質化弾性係数が求められる(S14)。具体的には、単位変形・均質化弾性係数算出モジュール32の機能により、ユニットセル50の均質化モデル化処理、単位変形処理、均質化弾性係数算出処理の順に処理が行われる。
図6は、ユニットセルをモデル化して、均質な材料特性を有するユニットセル60とする様子を示す図である。この均質な材料特性とは、材料特性的に不均質なユニットセル50を全体として評価し均質体としたときに、本来の不均質体と等価に見ることができる材料特性のことで、これを、均質化材料特性あるいは均質化弾性係数と呼ぶことができる。図6には、モデル化したユニットセル60の均質化弾性係数をDとして示してある。均質化弾性係数に(H)の記号が付されているのは、Homogeneous(均質)を示すもので、全体にバー(−)を付してあるのは、断面平均を取ってあることを示すためである。なお、文章中においては、これらの付記を省略して、均質化弾性係数を単にDとして示す。
均質化弾性係数は、モデル化したユニットセル60に単位変形を与え、その応答から得ることができる。以下に、単位変形と均質化弾性係数との関係を説明するために、いくつかの数式を示す。
式(1)は、弾性体に与えられる変形力Fと、それによって生じる変形δuと、それらを結び付ける均質化弾性係数Dの関係を示すものである。
Figure 0004682801
変形δuとは、変位uの変化分であり、それを示すための記号として0が付されている。δu(x1)とは、位置x1における変形を意味する。なお、変形を示すのには、偏微分を示すのに一般的に用いられるデルタ記号をuの前に記すことが慣例上用いられ、式(1)等ではそのように記載したが、文章中記号の変換が制約されているため、これに代えてδu を用いた。また、δuに付される記号0も、文章中においては省略した。また、変形力Fは式(2)で示すように6次のベクトルである。
Figure 0004682801
なお、式(2)のTは転置を示す。以下においても同様である。変形力Fを与えたときの対象物に生じる応力σは、変形力Fが6次のベクトルであるのに対応し6次のベクトルであり、式(3)で表される。
Figure 0004682801
ここで、変形力Fの各成分と、応力σの各成分とは、変形力が負荷される断面Aについての積分を用いて式(4)で与えられる。
Figure 0004682801
このように、変形力Fとは、広義の意味であって、いわゆるN(ニュートン)の次元を有する力のみならず、曲げ変形を生じさせるもの、ねじり変形を生じさせるものを広く含めている。したがって、式(1)における変形も、広義の変形力によって生じる軸方向伸び縮み歪、せん断歪、曲げ歪、ねじり歪を広く含めている。
そして、この変形力Fと、変形δuとを関係付ける係数が均質化弾性係数Dであるが、式(4)から分かるように、変形力Fは断面Aについての積分である。したがって、均質化弾性係数とは、断面Aについての積分によって平均化されたものである。
単位変形とは、式(5)に示されるように、変形δuにおける6次の成分のうち1つが1で、他の成分が0であるものである。したがって、上記の例において、単位変形は、6種類あることになる。
Figure 0004682801
図7は、6種類の単位変形を生じさせる6つの変形モードを説明する図である。ここで破線は単位変形を生じさせる変形力が負荷される前のユニットセル60の断面形状を示し、実線は変形力が負荷されたときの単位変形である。6つの変形モードは、図7(a)に示され、式(4)の第1番目の式に対応する1つの軸方向引張モードと、図7(b)に示され、式(4)の第2番目、第3番目の式に対応する2つのせん断モードと、図7(c)に示され、式(4)の第4番目、第5番目の式に対応する2つの曲げモードと、そして図7(d)に示され、式(4)の第6番目の式に対応する1つのねじりモードである。
ここで、式(5)で与えられる単位変形を式(1)に適用すると、その単位変形を生じさせる変形力Fは、均質化弾性係数Dとなることが式(6)によって示される。
Figure 0004682801
このように、モデル化したユニットセル60に、単位変形を生じさせるように変形力Fを負荷すると、その変形力Fがそのまま均質化弾性係数Dとなる。このことから、均質化弾性係数Dとは、断面Aについて平均化された剛性、すなわち均質化断面剛性というべきものであることが分かる。式(6)では、式(5)に示される1種類の単位変形に対する6次の均質化弾性係数Dが示されているが、上記のように単位変形は6種類あるので、均質化弾性係数D全体は、6×6のマトリクスで示されることになる。
このような均質化弾性係数Dの算出、すなわち単位変形を生じさせる変形力Fの算出は、実際のユニットセル50、すなわち、実際の燃料電池用単セル6を材料特性試験機にかける簡単な実験で求めることができる。あるいは、燃料電池用単セル6を材料別に微小要素に細分割し、各微小要素に適当な材料特性を与えてシミュレーションを実行させることで算出することもできる。
再び図3に戻り、均質化弾性係数Dが算出されると、マクロ構造体40がその均質化弾性係数Dを有し、周期性配置の1方向に沿った1次元梁としてモデル化される。そして、均質化弾性係数Dを有する1次元梁について周知の梁構造解析手法によりマクロスケール解析が行われる(S16)。具体的には、マクロスケール解析モジュール34の機能により、マクロ構造体40の構造データを用いて周期性配置の1方向を長手方向とする1次元梁にモデル化し、その梁が均質化弾性係数Dを有するものとして、任意の荷重を負荷したときの長手方向の任意の位置における変形を求める。すなわち、任意の荷重条件を入力部24から与え、それに対する均質化梁モデルの長手方向の任意の位置における断面の変形を算出して出力する。
その様子を図8に示す。ここではマクロ構造体は1次元梁70にモデル化されており、荷重として、1次元梁70の一方端が固定され、他方端に荷重Wが負荷されている。1次元梁70はその全域にわたって均質化弾性係数Dを有するものであるから、この荷重条件の下での1次元梁70の任意の位置xiにおける変形δu(xi)は周知の梁構造解析手法で容易に求めることができる。このように、マクロ構造体について均質化弾性係数を有するモデルを用いることで、任意の荷重条件の下での長手方向の任意の位置における変形を解析できるので、これをマクロスケール解析と呼んでいる。あるいは、これを、次のローカル解析と対比させてグローバル解析と呼ぶこともできる。
マクロスケール解析(S16)に続いてローカル解析が行われる(S18)。具体的には、ローカル解析モジュール36の機能により、マクロスケール解析によって1次元梁70の長手方向の任意の位置xiにおける変形δu(xi)が求められたので、これを図4のマクロ構造体40とユニットセル50とに戻され、ユニットセル50を構成する各微小要素の応答が求められる。ユニットセル50は、その内部は図5で説明したように、材料特性の相違に対応してメッシュ化された微小要素51に分割されている。そこで、その断面に、マクロスケール解析で求められた断面についての変形δuを適用し、これを各微小要素51についての境界条件として与え、例えば周知の有限要素法の手法によって、その条件の下での各微小要素51の応答を求める。各微小要素51の応答としては、応力、歪等である。
このようにして、任意の荷重条件の下で、マクロ構造体40におけるユニットセル50の周期的配置の1方向に沿った任意の位置において、ユニットセル50を構成する各微小要素51の応答を求めることができるので、これを局所的応答解析と呼ぶことができ、これをローカル解析と呼んでいる。
上記のように、均質化法を用いる構造解析においては、まず材料特性が異なる微小要素から構成され、3次元的に不均質であるマクロ構造体について、1方向にのみ周期的に配置されるユニットセルを特定する。次に、そのユニットセルを、均質化材料特性を有するものとしてモデル化してその均質化弾性係数を求める。このことで均質化法が適用可能となる。ここでの処理は、ユニットセルの各微小要素についての解析であるので、燃料電池の単セルに対する有限要素法のメッシュ分割の下での処理となり、例えば10,000程度のメッシュ分割に対する処理を要する。そして、マクロ構造体を1次元のモデルとして、任意の荷重条件の下での周期性配置の1方向に沿った任意の位置における解析が行われるが、ここでの処理は、ユニットセルの各微小要素についての処理に比べ格段に少なく、例えば数100の領域分割に対する処理で済む。その後、再びユニットセルの各微小要素の応答解析が行われるが、そこでの処理は、上記の例で、約10,000のメッシュ分割に対する処理となる。
したがって、均質化法を用いる構造解析に要する処理の規模は、ユニットセルを構成する各微小要素に対するローカルな解析が2度と、1次元モデル化されたマクロ構造体に対するグローバルな解析が1度である。つまり、おおよそ、ユニットセルについての有限要素法の解析に要する処理の約2倍プラスアルファで済む。図1の例では、マクロ構造体である燃料電池スタックは400の燃料電池用単セルから構成されるので、これら全体について有限要素法を適用すると、1つのユニットセルについて要する詳細処理のおおよそ400倍の処理を要する。このように、均質化法を用いる構造解析によれば、3次元的に不均質なマクロ構造体の構造解析を、従来技術に比して格段に少ない計算時間で処理することが可能になる。
上記の例では、マクロ構造体について均質化弾性係数を有するものとしてモデル化するに当たり、周期性配置の1方向に沿った1次元梁モデルを用いた。これにより、荷重条件として、断面に均一な荷重が負荷される場合に、迅速に構造解析を行うことができる。これに対し、断面に不均一な荷重が負荷される荷重条件の場合には、マクロ構造体に対し、1次元梁モデルを断面方向に拡張して、3次元のモデル化をすることで、詳細な構造解析を行うことができる。
この場合でも、均質化法を用いる構造解析の手順は、図3のフローチャートと同じ手順で、S14の均質化弾性係数算出工程、S16のマクロスケール解析工程、S18のローカル解析工程の内容が変更になるのみである。S10、S12の工程の内容は図3に関連して説明したものと同一であるので、S14からS18の相違点について以下に説明する。
S14における均質化弾性係数算出工程においては、均質化弾性係数を算出するときの単位変形を生じさせる変形モードが、1次元梁の場合に用いたものと別のものとなる。図9は、マクロ構造体のモデル化に際して3次元直方体モデルを用いる場合について、均質化弾性係数を算出するための6種類の単位変形を生じさせる6つの変形モードを説明する図である。
この場合の6つの変形モードは、図9(a)から(c)に示される3つの軸方向引張モードと、図9(d)から(f)に示される3つのせん断モードである。3つの軸方向引張モードは、それぞれy1軸方向の引張モード、y2軸方向の引張モード、y3軸方向の引張モードである。3つのせん断モードは、それぞれ、y12面内のせん断モード、y13面内のせん断モード、y32面内のせん断モードである。
この6つの変形モードについての単位変形を生じさせる変形力から、均質化弾性係数を得ることができるのは、式(6)に関し説明したところと同じである。異なるのは、マクロ構造体40をモデル化する際に、1次元梁のモデルを用いる場合の均質化弾性係数と、3次元直方体モデルを用いる場合の均質化弾性係数との間の内容である。これらを区別するために、前者を第1均質化弾性係数、後者を第2均質化弾性係数と呼ぶことにする。
S16のマクロスケール解析工程は、マクロ構造体を、第2均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルの下で任意の荷重を負荷したとき、周期性配置の1方向に沿った任意の位置の断面における変形を求める工程である。図10は、マクロ構造体40を、周期性配置の1方向を長手方向とする直方体80とし、これを均質化弾性係数を有するものとしてモデル化したときの構造解析の手順を説明する図である。図10(a)は、ユニットセル50が1方向にのみ周期性を有して配置されるマクロ構造体40を示し、先に述べた図4と同じ内容の図である。図10(b)は、ユニットセル50の3次元的変形の様子を示す図で、ユニットセル50は、その周期的繰り返し方向にε1の変形をし、その方向に直交する断面内における2つの基本軸の方向にそれぞれε2とε3の変形をするものとしてある。ここでε2とε3が相互に異なるときが断面内不均質な変形である。
図10(c)は、マクロ構造体を直方体80にモデル化する様子を示し、(d)は、一方端が固定され、他方端に荷重Wが負荷されるときにおける直方体82の変形の様子を示す図である。均質化弾性係数を有する直方体80に任意の荷重が負荷されたときにおいて、長手方向に沿った任意の位置における断面Aiの変形は、周知の直方体構造解析の手法を用いて容易に計算される。このようにしてマクロスケール解析が行われる。
S18のローカル解析は、マクロスケール解析によって得られる長手方向に沿った任意の位置の断面Aiにおける変形を、ユニットセル50の断面に適用し、その応答を得る工程である。応答は、その断面内の2次元的なものとなる。応答の内容は、応力、ひずみ等である。
図11は、3次元的変形の各成分をどのようにして求めるかを説明するものである。ここでεは、ローカル解析で得られる結果の反映度、すなわち寄与度を示す。図11(a)は、第0近似の場合で、ここではマクロスケール解析によって得られる3次元的変形の各成分がそのまま用いられ、ローカル解析によって得られる結果は考慮されない。すなわちε1、ε2、ε3は、ゼロとされる。換言すれば、マクロ構造体40の3次元的変形の第0近似としては、直方体80の変形をそのまま用いることができる。
図11(b)は、第0近似に対する補正で、ここでは、第1軸方向、すなわちユニットセルの周期性配置の1方向についての変形は、上記第0近似で得られていると考え、これに直交する断面内の2つの基本軸方向について、ローカル解析で得られた応答を補正する。すなわち、ε1はゼロ、ε2、ε3は1とされる。換言すれば、ユニットセル50の周期性配置の1方向に直交する断面内の変形が補正される。このようにして、マクロスケール解析の結果を断面内において補正することで、3次元的ローカル解析が行われる。
図12は、マクロ構造体40の断面内で不均一な荷重が負荷される場合の様子の一例を示す図である。図12(a)は、マクロ構造体40を示し、(b)はマクロ構造体40の中で1方向にのみ周期的に配置される単位であるユニットセル50を特定する様子を示す。(c)は、マクロ構造体を、均質化弾性係数を有する直方体80にモデル化し、その一方端を固定し、他方端において、その上辺と下辺にそれぞれ荷重Wを負荷する様子を示す図である。上辺と下辺との間の領域には、荷重は負荷されない。この場合の長手方向に沿った任意の断面Aiにおける変形の大きさの分布の様子が、矢印の長さで示されている。すなわち、上辺と下辺に対応するところの変形が最も大きく、断面Ai内において変形が不均一となっている。これがマクロスケール解析の結果である。
図12(d)は、マクロスケール解析の結果である不均一変形分布を、ユニットセル50の断面に適用する様子を示す図である。ユニットセル50の内部は、3次元的に材料特性に応じて微小要素に分割されているので、適用された不均一変形分布に対し、それぞれの微小要素が応答する。その応答は、その微小要素における応力やひずみである。このようにして、断面内不均一な荷重の負荷に対するローカル解析が行われる。
図13は、マクロ構造体40の断面内で不均一な荷重が負荷される場合の様子を他の例で示す図である。図13(a)は、マクロ構造体40と、マクロ構造体40の中の1方向にのみ周期的に配置される単位であるユニットセル50を示し、(b)は、均質化弾性係数Dを有する直方体80にマクロ構造体をモデル化する様子を示し、(c)は、モデル化した直方体80をメッシュに分割する様子を示す。
図13(d)は、モデル化した直方体80の一方端を固定し、他方端の端面Aiにおいて、4つの支持材90を介し荷重Wを負荷する様子を示す図である。図13(e)に示すように、4つの支持材は、直方体80の他方端の端面Ai内における4つの支持点92で固定される。すなわち端面Aiの断面内において、荷重Wは、4つの支持点92に偏在して負荷される。この荷重条件の下でマクロスケール解析が行われ、その結果が、ユニットセル50に適用されて、ユニットセル50を構成する各微小要素の応答を求めることで、ローカル解析が行われる。
このようにして、マクロ構造体を、均質化弾性係数を有するものとしてモデル化する際に、3次元モデルを用い、ユニットセルの周期性配置の1方向に直交する断面内の不均一変形について、詳細なローカル解析を行うことができる。
上記において、材料特性は線形特性を有することを前提として述べているが、材料特性が非線形、すなわち、変形が変形力に対し非線形関係にある場合についても、均質化弾性係数Dを変形の関数D(δu)と考えることで、同様に実施を行うことが可能である。すなわち、非線形性のバネ特性、非線形性の物性、固定以外の接触問題等の大規模非線形問題についても、計算処理数を低減して解析結果を得ることが可能となる。
本発明に係る実施の形態である均質化法を用いる構造解析方法が適用される車両用燃料電池スタックの様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、均質化法を用いる構造解析装置のブロック図である。 本発明に係る実施の形態において、均質化法を用いる構造解析方法の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、マクロ構造体から、周期性のある単位を抽出し、これをユニットセルとして特定する様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、ユニットセルを構成する微小要素の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、ユニットセルをモデル化して、均質な材料特性を有するユニットセルとする様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、6種類の単位変形を生じさせる6つの変形モードを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、マクロ構造体がその均質化弾性特性を有する1次元梁としてモデル化される様子を示す図である。 他の実施の形態において、3次元直方体モデルを用いる場合について、均質化弾性係数を算出するための6種類の単位変形を生じさせる6つの変形モードを説明する図である。 他の実施の形態において、マクロ構造体を、均質化弾性係数を有する直方体としてモデル化したときの構造解析の手順を説明する図である。 他の実施の形態において、3次元的変形の各成分をどのようにして求めるかを説明する図である。 他の実施の形態において、マクロ構造体の断面内で不均一な荷重が負荷される場合の様子の一例を示す図である。 他の実施の形態において、マクロ構造体の断面内で不均一な荷重が負荷される場合の様子について他の一例を示す図である。
符号の説明
6 単セル、8 燃料電池モジュール、10 燃料電池スタック、20 構造解析装置、22 CPU、24 入力部、26 出力部、28 記憶装置、30 ユニットセル特定モジュール、32 単位変形・均質化弾性係数算出モジュール、34 マクロスケール解析モジュール、36 ローカル解析モジュール、40 マクロ構造体、50 ユニットセル、51 微小要素、52 セパレータ、54 MEA、56 中央部、60 モデル化したユニットセル、70 1次元梁、80,82 直方体、90 支持材、92 支持点。

Claims (11)

  1. コンピュータによって実行される有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析を前記コンピュータによって行う方法であって、
    解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさの前記メッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶装置に記憶する分割工程と、
    前記記憶装置から前記マクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した前記解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、前記マクロ構造体における前記ミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する工程と、
    前記ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化工程と、
    前記マクロ構造体について、その全域にわたって、前記求められたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析工程と、
    前記マクロスケール解析工程によって得られた前記任意の位置における変形を、その位置における前記ユニットセルを構成する前記微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、前記有限要素法解析の手法を適用して、前記微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析工程と、
    を含むことを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  2. 請求項1に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記マクロスケール解析工程は、前記マクロ構造体において前記ミクロ構造が周期的に配置される1方向に沿った1次元のモデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  3. 請求項2に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記マクロスケール解析工程は、前記マクロ構造体を1次元の梁モデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  4. 請求項1に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記マクロスケール解析工程は、前記マクロ構造体において前記ミクロ構造が3次元的変形をする3次元のモデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  5. 請求項に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記マクロスケール解析工程は、前記マクロ構造体を3次元の直方体モデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  6. 請求項1に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記均質化工程は、前記ユニットセルに前記単位変形を与えたときの前記応力応答に基づいて前記ユニットセル均質化弾性係数を求めることを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  7. 請求項6に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記均質化工程は、1つの軸方向引張モード、2つのせん断モード、2つの曲げモード、1つのねじりモードについての前記単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの前記応力応答を1組とする第1均質化弾性係数を求め、
    前記マクロスケール解析工程は、前記第1均質化弾性係数を用い、前記マクロ構造体を1次元の梁モデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  8. 請求項に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記均質化工程は、3つの軸方向引張モード、3つのせん断モードについての前記単位変形をそれぞれ与えたときの合計6つの前記応力応答を1組とする第2均質化弾性係数を求め、
    前記マクロスケール解析工程は、前記第2均質化弾性係数を用い、前記マクロ構造体を3次元の直方体モデルとして解析することを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  9. 請求項8に記載の均質化法を用いる構造解析方法において、
    前記ローカル解析工程は、周期的に配置される1方向に沿った任意の位置における前記微小要素のそれぞれの前記局所的応答を、前記マクロスケール解析において前記周期的に配置される1方向に沿った任意の位置における変形の補正項として加えることを特徴とする均質化法を用いる構造解析方法。
  10. 有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析を行う構造解析装置であって、
    解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさの前記メッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部から前記マクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した前記解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、前記マクロ構造体における前記ミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する手段と、
    前記ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化手段と、
    前記マクロ構造体について、その全域にわたって、前記取得されたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析手段と、
    前記マクロスケール解析工程によって得られた前記任意の位置における変形を、その位置における前記ユニットセルを構成する前記微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、前記有限要素法解析の手法を適用して、前記微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析手段と、
    を含むことを特徴とする均質化法を用いる構造解析装置。
  11. コンピュータによって実行される有限要素法解析に用いられるメッシュに分割された複数の微小要素からなり3次元的に不均質な変形特性を有するミクロ構造が1方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造体の構造解析の手順を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、
    解析対象物であるマクロ構造体を適当な大きさの前記メッシュに分割し、メッシュ分割された解析用構造データを記憶装置に記憶する分割処理手順と、
    前記記憶装置から前記マクロ構造体の解析用構造データを取得し、取得した前記解析用構造データから1方向にのみ周期性のある単位を抽出して、前記マクロ構造体における前記ミクロ構造の繰り返し単位であるユニットセルを特定する処理手順と、
    前記ユニットセルを、一体の均質な材料特性を有するものとしてモデル化したときの変形力と変形とを関連付けるユニットセル均質化弾性係数を求める均質化処理手順と、
    前記マクロ構造体について、その全域にわたって、前記求められたユニットセル均質化弾性係数を有するものとしてモデル化し、そのモデルに対し予め定めた任意の荷重条件を負荷したときの任意の位置における変形を求めるマクロスケール解析処理手順と、
    前記マクロスケール解析工程によって得られた前記任意の位置における変形を、その位置における前記ユニットセルを構成する前記微小要素のそれぞれについての境界条件として与えて、前記有限要素法解析の手法を適用して、前記微小要素のそれぞれの局所的応答をるローカル解析処理手順と、
    を実行させるための均質化法を用いる構造解析プログラム。
JP2005311261A 2005-10-26 2005-10-26 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム Expired - Fee Related JP4682801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005311261A JP4682801B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005311261A JP4682801B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007122242A JP2007122242A (ja) 2007-05-17
JP4682801B2 true JP4682801B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=38146045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005311261A Expired - Fee Related JP4682801B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4682801B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8126659B2 (en) 2009-03-02 2012-02-28 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Computational method of material constant of composite material and volume fraction of material component in composite material, and recording medium
US8380776B2 (en) 2009-03-02 2013-02-19 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Computational method of material constant of composite material and volume fraction of material component in composite material, and recording medium
US8170846B2 (en) 2009-04-14 2012-05-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Computation method of mechanical material constant of composite material and volume fraction of material component in composite material, and recording medium
JP5834456B2 (ja) * 2011-04-12 2015-12-24 横浜ゴム株式会社 タイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション用コンピュータプログラム並びに構造物のシミュレーション方法
JP6136977B2 (ja) * 2014-02-25 2017-05-31 マツダ株式会社 断熱層の設計方法、設計装置及び設計プログラム
US11296677B2 (en) 2016-08-29 2022-04-05 Resonant, Inc. Fast, highly accurate, full-FEM surface acoustic wave simulation
US11728786B2 (en) 2016-08-29 2023-08-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Fast, highly accurate, full-FEM surface acoustic wave simulation
US10797673B2 (en) * 2016-08-29 2020-10-06 Resonant Inc. Hierarchical cascading in two-dimensional finite element method simulation of acoustic wave filter devices
JP2019153210A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 三菱重工業株式会社 設計支援装置及び設計支援プログラム
JP7271911B2 (ja) * 2018-11-16 2023-05-12 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 情報処理装置及びプログラム
US11507054B2 (en) * 2018-12-31 2022-11-22 Palo Alto Research Center Incorporated Method and system for hierarchical multi-scale part design with the aid of a digital computer
JP7068214B2 (ja) * 2019-03-04 2022-05-16 株式会社東芝 解析装置、解析方法、および解析プログラム
CN109950587A (zh) * 2019-04-02 2019-06-28 浙江大学 一种质子交换膜燃料电池系统温度主动容错控制方法
JP7356030B2 (ja) 2020-02-12 2023-10-04 日本製鉄株式会社 自動車構造体の評価性能予測方法、評価性能予測プログラム、及び設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007122242A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4682801B2 (ja) 均質化法を用いる構造解析方法、均質化法を用いる構造解析装置及び均質化法を用いる構造解析プログラム
Niiranen et al. Isogeometric analysis for sixth-order boundary value problems of gradient-elastic Kirchhoff plates
Mirzaei et al. Thermal buckling of temperature dependent FG-CNT reinforced composite conical shells
Rahman et al. A univariate approximation at most probable point for higher-order reliability analysis
Li et al. Simulation of springback
Wei et al. Structural reliability analysis by univariate decomposition and numerical integration
Pham et al. Free vibration analysis of nanoplates with auxetic honeycomb core using a new third-order finite element method and nonlocal elasticity theory
Li et al. Spectral stochastic isogeometric analysis for static response of FGM plate with material uncertainty
Zheng et al. Symplectic superposition method-based new analytic bending solutions of cylindrical shell panels
Muscat et al. Evaluating shakedown under proportional loading by non-linear static analysis
Nedelcu Buckling mode identification of perforated thin-walled members by using GBT and shell FEA
Zhang et al. Rotational snap-through behavior of multi-stable beam-type metastructures
Amani et al. Buckling and postbuckling behavior of unstiffened slender curved plates under uniform shear
Caicedo et al. High performance reduced order modeling techniques based on optimal energy quadrature: application to geometrically non-linear multiscale inelastic material modeling
Zhou et al. Pseudorigid-body models of compliant DNA origami mechanisms
Eccher et al. Geometric nonlinear isoparametric spline finite strip analysis of perforated thin-walled structures
Greene et al. A generalized uncertainty propagation criterion from benchmark studies of microstructured material systems
Li et al. Developing an instantaneous response surface method t-IRS for time-dependent reliability analysis
Brunet et al. Nonlinear kinematic hardening identification for anisotropic sheet metals with bending-unbending tests
Zhu et al. Numerical investigation of necking in perforated sheets using the periodic homogenization approach
Mehta et al. Two-step design of multicontact-aided cellular compliant mechanisms for stress relief
Dikaros et al. Distortional analysis of beams of arbitrary cross section using BEM
Lahbazi et al. Size-independent strain gradient effective models based on homogenization methods: applications to 3D composite materials, pantograph and thin walled lattices
Eroglu Perturbation approach to Eringen’s local/non-local constitutive equation with applications to 1-D structures
Boussem et al. Assumed strain finite element for natural frequencies of bending plates

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4682801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees