JP4680343B2 - 集光性ホログラムアレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集光性ホログラムアレーに関し、特に、ホログラムカラーフィルター等の集光性要素ホログラムのアレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願平5−12170号等において、液晶表示用バックライト等の利用効率を大幅に向上させるために、ホログラムを利用したカラーフィルターを提案した。このホログラムカラーフィルターは、基本的には、特定波長で特定の斜めの入射角で入射した平行光を特定の焦点距離の位置に収束するように回折する透過型の集光性要素ホログラムのアレーからなるものである。
【0003】
また、マイクロレンズアレーの各マイクロレンズをマイクロホログラムレンズとしてマイクロホログラムレンズアレーを構成することもよく知られている。
【0004】
このような集光性ホログラムアレーを原版として同様の特性のホログラムアレーをホログラム複製方法により複製するには、例えば、計算機ホログラム(CGH)として第1原版を作製し、次いで、その第1原版をホログラム複製方法により複製してホログラム原版を作製し、そのホログラム原版から最終製品を同様のホログラム複製方法により複製して作製する方法がとられている(例えば、特願平7−260035号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなホログラムカラーフィルターは、例えば液晶表示装置用のカラーフィルターとして構成する場合、図4に断面を示すように、ホログラムカラーフィルター11自身は斜めの入射の平行光1を正面方向に集光する要素ホログラムaのアレーからなり、そのホログラムカラーフィルター11をガラス板12と13の間に挟んで、ガラス板13の表面近傍に斜めの入射の平行光(G光)1の集光位置bがくるように構成して使用する。
【0006】
ここで、界面による不要な反射を防止するために、通常、ガラス板12、13とホログラムカラーフィルター11の屈折率は略同じに選択される。
【0007】
ところで、上記したように、このようなホログラムカラーフィルター11はホログラム複製方法により複製して製造されるが、設計通りの焦点距離fを有していない場合に、ホログラムカラーフィルター11によってバックライトがRGB3色に分散分光される位置が所定位置からずれるため、所望の特性が得られない。
【0008】
そこで、最終製品等の焦点距離fを測定検査することが重要になる。図4のような配置で焦点距離fを測定するには、ホログラムカラーフィルター11の面(主面)を検出する必要があるが、上記のように、ガラス板12、13、ホログラムカラーフィルター11の屈折率は略同じであるため、フレネル反射によりホログラムカラーフィルター11の面(主面)を検出することは困難である。
【0009】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホログラムカラーフィルター等の集光性ホログラムアレーのホログラム面を容易に検出できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の集光性ホログラムアレーは、特定波長で特定の入射角で入射した平行光を特定の焦点距離の位置に収束するように回折する透過型の集光性要素ホログラムのアレーからなる集光性ホログラムアレーにおいて、前記集光性ホログラムアレーと同一のホログラム感材中にアレーに重畳して、干渉縞がホログラム面と平行な体積ホログラムからなり、前記集光性要素ホログラムの焦点距離を求める際の基準面となるホログラムミラーを備えており、前記ホログラム感材が透明板間に接着挟持されていることを特徴とするものである。
【0011】
この場合に、集光性要素ホログラムが斜めの入射角で入射した白色平行光を分散分光するホログラムからなることが望ましい。
【0014】
本発明においては、アレーの一部に重畳してホログラムミラーを備えているので、そのホログラムミラーに測定光を照射し、反射光を検出することにより容易にホログラム面を検出することができ、集光性ホログラムアレーの焦点距離等が所定の値になるように作製されているか否かを検査することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の集光性ホログラムアレーを実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1に、本発明による集光性ホログラムアレーの1実施例の断面図を示す。この実施例においては、集光性ホログラムアレーとしては、斜めの入射の平行光1を正面方向に集光する要素ホログラムaのアレーからなるホログラムカラーフィルター11としている。このホログラムカラーフィルター11は、屈折率が略等しいガラス板12と13の間に接着挟持されている。この場合、ホログラムカラーフィルター11には、要素ホログラムaと多重記録されて、ホログラムミラーcが同じフォトポリマー等のホログラム感材中に記録されている。
【0017】
ここで、ホログラムミラーcは、体積型ホログラム感材中に干渉縞がホログラム面と平行に記録されてなる体積ホログラムであり、ブラッグ条件を満足する入射光を正反射する性質を持っている。
【0018】
このように、本発明においては、集光性ホログラムアレー11の同じ記録材料中の一部に干渉縞がホログラム面と平行に記録されてなるホログラムミラーcが記録されているので、このホログラムミラーcを基準面として、例えば公知の適当な測定装置15を用いて、その測定装置15から測定光16をこのホログラムミラーcに照射し、ホログラムミラーcからの反射光17を検出することにより、ホログラムミラーcの面、すなわち、集光性ホログラムアレー11の面を検出することができる。その検出された集光性ホログラムアレー11の面の位置と他の方法で測定された集光位置bとから要素ホログラムaの焦点距離fを求めることができ、その焦点距離fが所定の値に一致するか否かが検査される。
【0019】
ここで、測定装置15の1つの方式を図2を参照にして説明する。この測定装置15は、光源21と、その光源21からの発散光を収束光に変換して測定光16としてホログラムミラーcに照射する対物レンズ23と、対物レンズ23を経て戻ってきたホログラムミラーcからの反射光17を入射光路から分離するハーフミラー22と、ハーフミラー22で分離された反射光17の集光点近傍に配置されたピンホール24と、ピンホール24の射出側に配置された光電検出器25とからなり、対物レンズ23は光軸方向に移動調節可能になっている。
【0020】
このような配置において、光源21からの発散光は対物レンズ23で収束光16に変換され、ホログラムミラーcに入射する。収束光16の収束点が丁度ホログラムミラーc上にあるとき、反射光17は対物レンズ23とハーフミラー22を経てピンホール24上に収束するようにピンホール24の位置が調節されている。
【0021】
したがって、対物レンズ23に対してホログラムミラーcが任意の位置にあるとき、対物レンズ23の光軸方向の位置を調節してピンホール24を通って光電検出器25に達する光量が最大になる対物レンズ23の位置を読み取れば、対物レンズ23に対するホログラムミラーcの相対位置が求まる。
【0022】
もちろん、測定光16をホログラムミラーcに照射し、ホログラムミラーcからの反射光17を検出することにより、ホログラムミラーcの面の位置を検出する測定装置15としては、上記の方式のものに限定されず、種々の公知の方式のものが使用できる。
【0023】
ところで、要素ホログラムaのアレーからなる集光性ホログラムアレーを記録した同じホログラム11の要素ホログラムaに多重化してホログラムミラーcを記録する方法の1例を図3に示す。この方法は、集光性ホログラムアレー11をCGHアレー原版31からホログラム複製法により複製して作製する場合に、同時にホログラムミラーcを記録する方法である。
【0024】
CGHアレー原版31のレリーフ面に密着あるいは若干離間してフォトポリマー等のホログラム感材32を配置し、また、そのCGHアレー原版31側とは反対側に光吸収ガラス板あるいは反射防止膜を表面に設けて反射光をなくしたガラス板36を配置する。このような配置で、複製用の所定の波長の複製照明光33を所定の入射角でCGHアレー原版31の裏面(レリーフ面と反対側の面)から入射させ、CGHアレー原版31の各要素ホログラムによって回折された回折光35と直進透過光34とをホログラム感材32中で干渉させて集光性ホログラムアレー11を複製する。ホログラム感材32を透過した回折光35と直進透過光34はガラス板36で反射されて戻ることがないので、ホログラム感材32中に不要干渉縞が記録されることはない。
【0025】
この際、光吸収ガラス板あるいは反射防止ガラス板36のホログラムミラーcを記録する領域に相当する表面に反射膜37を設けておき、上記のCGHアレー原版31の複製と同時あるいはその前後に、複製照明光33とは別の平行光38をこの反射膜37に向けて入射させ、反射膜37からの反射光39と入射光38とをホログラム感材32中で干渉させることにより、ホログラム面に平行な干渉縞からなるホログラムミラーcが記録される。
【0026】
以上は、第1原版作製段階で同時にホログラムミラーcを記録するが、この第1原版からホログラム原版を複製する段階、あるいは、そのホログラム原版から最終製品を複製する段階で同時にホログラムミラーcを記録するようにしてもよい。
【0027】
さて、上記のホログラムミラーcの記録において、複製照明光33とホログラムミラー記録用の光38とは波長が同じでも異なっていてもよいが、異なる場合には、ホログラム感材32はその両波長の光に感度を持つものを用いる必要がある。
【0028】
また、特に、複製照明光33とホログラムミラー記録用の光38に同じ波長を持つものを用いる場合(異なる波長の場合でも同様であるが)、得られたホログラムミラーcが測定装置15からの垂直入射の測定光16を反射するブラッグ条件を満足しない場合がある。このような場合には、上記のようにして得られたホログラム面に平行な干渉縞の間隔を膨潤により広げたり、収縮により狭めたりするカラーチューニングの手法によりブラッグの反射条件を満足するようにするとよい。
【0029】
以上、本発明の集光性ホログラムアレーを実施例に基づいて説明してきが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の集光性ホログラムアレーによると、アレーの一部に重畳してホログラムミラーを備えているので、そのホログラムミラーに測定光を照射し、反射光を検出することにより容易にホログラム面を検出することができ、集光性ホログラムアレーの焦点距離等が所定の値になるように作製されているか否かを検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による集光性ホログラムアレーの1実施例の断面図である。
【図2】本発明による集光性ホログラムアレーのホログラムミラーの面を検出する測定装置の1つの方式を説明するための図である。
【図3】集光性ホログラムアレーにホログラムミラーを記録する方法の1例を説明するための図である。
【図4】液晶表示装置用のホログラムカラーフィルターの1例の断面図である。
【符号の説明】
a…要素ホログラム
b…集光位置
c…ホログラムミラー
11…ホログラムカラーフィルター(集光性ホログラムアレー)
12、13…ガラス板
15…測定装置
16…測定光
17…反射光
21…光源
22…ハーフミラー
23…対物レンズ
24…ピンホール
25…光電検出器
31…CGHアレー原版
32…ホログラム感材
33…複製照明光
34…直進透過光
35…回折光
36…光吸収ガラス板、反射防止膜を表面に設けて反射光をなくしたガラス板
37…反射膜
38…平行光
39…反射光
Claims (2)
- 特定波長で特定の入射角で入射した平行光を特定の焦点距離の位置に収束するように回折する透過型の集光性要素ホログラムのアレーからなる集光性ホログラムアレーにおいて、前記集光性ホログラムアレーと同一のホログラム感材中にアレーに重畳して、干渉縞がホログラム面と平行な体積ホログラムからなり、前記集光性要素ホログラムの焦点距離を求める際の基準面となるホログラムミラーを備えており、前記ホログラム感材が透明板間に接着挟持されていることを特徴とする集光性ホログラムアレー。
- 前記集光性要素ホログラムが斜めの入射角で入射した白色平行光を分散分光するホログラムからなることを特徴とする請求記1記載の集光性ホログラムアレー。
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