JP4678613B2 - 可変巻数変圧器による負荷時電圧調整機 - Google Patents

可変巻数変圧器による負荷時電圧調整機 Download PDF

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Description

本発明は商用電力の配電線に用いることを目的とした、可変巻数変圧器による負荷時電圧調整機に関する。
従来、商用配電線に用いる負荷時電圧調整機は半導体または機械的スイッチを用いて変圧器のタップを切り替えるものであった。
巻数を負荷時に変える配電線用負荷時電圧調整機が実用された例は無い。
文献としては下記のものがある。
公開、昭54−48033(特願 昭53−104480) 公開、昭60−00717(特願 昭58−109639) 特表 2001−518700
公開、昭54−48033について説明する。
この発明では、図1,2,5に示す、スリップリング5a、5bの上をブラシ6a、6bが移動してコイルの電流を外部に取り出しているが、スリップリングに分離箇所16があり、これをブラシが移動する時に図5のリアクトル19の電流を切り火花を発生するためスリップリングおよびブラシが損耗し、絶縁油の中で用いる場合は絶縁油の劣化を招く。
特にブラシが分離箇所を移動する速度が変圧器のタップ切替機のように5mS程度の高速度ではなく、0.5秒〜5秒程度かかるので火花の継続時間が長くなり損耗や劣化が多くなる。
この問題を実際の配電線用の負荷時電圧調整機を例にとって計算すると、6600V、1000KVA、電流87A、巻数1回あたりの電圧6Vと仮定すると、87A、6Vの電力をリアクトルによって短絡電流を防止して火花を制限しながら、変圧器タップ切替機の50〜100倍程度の頻度でゆっくりと開閉することになる。
可変巻数形変圧器の1回巻き当たりの電圧を6Vと仮定し、従来の変圧器タップ切替機のタップ電圧を125Vと仮定すると開閉頻度は125/6倍、火花の元になる開閉電圧は逆に6/125倍となり電圧の大きさによる火花の大きさは頻度と掛け合わせると同じになる。
しかし実際にはタップを切り替える方式は中間に抵抗を取り付けて短絡を防止しながら火花を抑制しているので、リアクトルの電流を直接切るものと比較して、10倍以上の差が出る。
タップ切り替え方式は開閉時間が5mS程度であるのに対し、可変巻数形変圧器の場合は0.5秒程度のため火花は100倍の差が出るので合計1000倍の火花による損傷が見込まれる。
この場合、火花による開閉部分の損耗および絶縁油の劣化の程度が、配電線の負荷時電圧調整機としては許容限界を超える。
図1の場合は巻数によって巻線の直径が変わるので図2のような歯車15a15bによって回転することは不可能である。
図1のように薄い帯状の絶縁された導体を40〜100回巻き替えると、電気導体はその重さにより下に移動して下部が変形したり磨耗したりする。
これを防止するためには装置全体を横置きにする必要があるが、横置きにすると絶縁油や空気の自然流通が出来なくなり、温度上昇を発生する。
図3、の場合は巻き取り可能であるが、コイルが片方にしか巻かれていないので当社発明に比較して鉄心が2倍になる。
この欠点は従来の発明全てに共通しているもので、本発明に比較して鉄心の重量が2倍、タンクの容量もほぼ2倍、可変巻数1回当たりの電圧も同じ可変電圧の場合2倍となる。
図3の場合右側のコイルの端部はスリップリングに接続されているが、左側のコイルの端部は下になるので、どこにも接続されていないことになる。
図3の左側のスリップリングを上ではなく、下に取り付ければこの間違いは解決するのでこれは簡単なミスである。
さらに巻き癖の問題を解決していないので図3の場合は3A程度の容量が限界である。
次に、公開 昭60−00717について説明する。
昭60−00717の図3に示すように正巻線4a及び負巻線4bの電流を環状の正電極6c負電極7cと接触子10、11によって外部に取り出すことになっているが、環状の電極はどこかに絶縁部を設けないと短絡コイルとなり焼損するので、この発明は動作原理が不成立である。
絶縁部分を設けると火花が大きく、先述場合と同じ結果となり使用不能である。
無理に環状の電極の抵抗を増して短絡電流を負荷電流と同じ値にしても、この発熱は大きく、大容量の装置の場合例えば6600V、1000KVA、V結線、調整電圧400V、可変巻数20回×2、の装置の場合、負荷電流87A、巻数1回当たりの電圧10V、で計算すると環状の正電極で870W、負電極で870W、の熱が出るのでV結線の合計では3480Wの熱がでる。
配電線の短絡時には短絡電流が40倍となるので発熱量は1600倍の大きさになり短時間であっても焼損の恐れがある。
さらに図3の正ボビン6に巻かれた2次巻線4は歯車の回転によって正ボビン6から負ボビン7に巻き替えられることになっているが、コイル4aから4bに移動する箇所の曲げの半径が小さくなり、丸線では1Aの巻線が限界になる。
さらに2次巻線の巻き癖が逆になるので、たとえば87Aの大電流を流すことが出来る太さの電線の移動は、柔らかい撚線を用いたとしても困難であり、柔らかい網状の線を用いた場合、曲げられた線を逆方向に巻きつける時、一部の細い素線に力が集中することになる。
さらに摩擦による磨耗によって素線切れの恐れがあり、上下左右方向に変形および移動が自由であるような線では、巻き取りによって型崩れを起こし巻き取り不可能である。
もし公開、昭60−00717の図の通り、丸い線とすれば、電線の直径は細くなり許容電流は3A以下の小電流となるが、それなら従来のスライダックのほうが実用的である。
正巻線は0Vから最大まで、負巻線も0Vから最大までしか変化しないので、正の最大電圧を発生した時は負の電圧は0Vであり、鉄心の半分は使用されないので、鉄心の利用効率は他社の発明の1/2以下であり、当社の発明の1/4以下である。
したがって鉄心重量も当社発明の方式に比較して4倍以上になる。
次に、特表2001−518700について説明する。
この発明では図1の巻線5の片端を貯蔵手段(12)に巻き取り、他端をアースに接続しているが、スリップリングを用いないで回転すれば、片端を巻き取ると同じだけ他端が巻きほどされるため、巻き数に変化が無く、電圧調整は出来ない。
これを解決する手段として図6及び[0038]項の文に100Ωから1000Ωの抵抗を持つリングとブラシにより外部に電流を取り出すことが書いてあるが、上記の本文[0009]項に記したようにこの方法は発熱のため不可である。
図3のように鉄心(コア)を18a、18bに分割し、絶縁材料の円板20をこの間に挿入し、この円板に取り付けられた半径方向導線22aを通過して出導線21、21aより電線を外部に引き出すことが書いてあるが、半径方向導線22aを正方形とすれば仮に100Aを流すことが出来る線は一辺の長さが6mm程度になり、この線を通す6mm以上の空間を鉄心に作ることになる。
空間を狭くする目的で半径方向導線22aを導体の円板にしても、こんどは円板に大きな過流損が発生するので使用不可能である。
上記のように空間を作ると磁気抵抗が増して変圧器の励磁電流が増大してリアクトルになり、変圧器としては使用できないのでこの発明の明細書の[0002]項にあるような1000MVAのような大きさの変圧器は製作できない。
過大な損失と励磁電流の増大により小型の変圧器でも製作不能と思われる。
従ってこの発明は動作原理が不成立である。
さらに、出導線21、21aより電線を外部に引き出す場合に鉄心の中心に穴をあけここから線を引き出すようになっているが、回転部分もあり絶縁が困難である。
この問題を解決するために鉄心と出導線をアースするように書いてあるが、これでは配電線の6600Vのような電圧を加えることは出来ない。
さらに、不要な電線を貯蔵手段(12)に貯蔵しているので当社発明では不要なものが場所を取り、外形が大きくなり重量が増す。
鉄心の重量も当社発明の方式に比較して2倍以上になる。
右巻きに巻いた電線を左巻きに巻きかえると大電流の場合、巻癖が問題になるがこれを解決する手段が記載されてないし実際に不可能である。
0014項にXLPEケーブルはケーブルの直径の約4倍、好ましくは12倍の曲率半径まで可能であると書いてあるが、これは1回だけ曲げることが許可されているのであり、30万回が許可されているわけではない。
直径30mmの線を約65cmの曲率半径で曲げたり平面に伸ばしたりすれば短い時間の内に断線する。
発生電圧をゼロから最大までとし、電圧の極性を変化させなければ巻癖の問題は緩和されるが、こんどは可変電圧が1/4になるので鉄心重量が4倍になる。
絶縁油を用いずに空冷であることが記載されているが、巻線ほか潤滑油がなければ滑らかな移動が出来ないので変形や摩滅を生じる。
以上、従来の文献では 巻癖、火花、鉄心の減量、の内、どの項目をみても解決した項目は無く、現実にこの原理を用いた電圧調整機が完成した場合、その目標とする機能が理想的であるにもかかわらず、まったく市販されていない。
また、全ての文献は動作原理に無理があり試作した跡が見られない。
発明の表示
発明が解決しようとする課題
以上述べた従来の文献では可変巻数形変圧器は上記の通り動作原理が不成立であったり、鉄心が大きくなるため経済的に高価になったり、容量が小さくなったり、巻線の巻き癖が考えられてなかったり、スイッチ、ブラシ、スリップリング等から大きな火花が出たりした。
これらを全て解決することが本発明の課題であるが、さらに可変巻数形変圧器ではなく、現在、配電線に用いられているスイッチによりタップを切り替える方式の負荷時電圧調整機の問題点を本発明によって解決することが課題である。
タップ切り替え方式では、スイッチ部分に半導体スイッチ、真空スイッチ、絶縁油の中の切り替えスイッチ、等を用いる。
これらは、切り替え回数および段数の制限があり、制御が階段状になって連続的でなく絶縁油を使用するものは切り替え時に発生する火花により絶縁油が劣化する。
半導体スイッチを用いるものは配電線の短絡事故時の短絡電流や雷の過大なサージ電圧に弱く、故障が頻発したので現在は使用していない。
配電線に多数のタップ切り替え式の電圧調整機を用いると始めの電圧調整機の電圧調整の影響を末端の電圧調整機が受けて切り替え回数が増すので、電圧調整機の間で、不感巾、積分時間、制御量、の協調が困難であり、電圧調整機の設定に大きな余裕を持たせる必要があるため、電圧調整結果に悪影響をもたらす。
さらに三相電源の各相間のアンバランスをなくすような制御は不可能である。
以上述べた従来の電圧調整機の問題点を解決することが課題の概要である。
ここで、本発明の可変巻数形電圧調整機特有の課題を箇条書きにする。
1、 可変巻線は巻き戻した跡に別の脚の巻線を巻き、鉄心の重量を従来発明の1/2〜1/4にすること。
2、 大容量の装置では可変巻線を帯状の導体の束として容量を大きくし、巻癖の屈伸率を最低にし、屈伸による金属疲労や、巻線重量による変形、摩擦による磨耗、等の障害を無くして、大電流を無理なく流すこと。
3、 可変巻線に帯状の導体を用いた場合、一部または全体に銅合金を用い弾力性を持たせることにより屈伸による金属疲労に強くし、巻枠から外に出た部分ではバネの作用により自然に外に膨らむ巻癖をもたせ、曲率半径の変化を最小にして金属疲労を防ぐとともに、軟銅より硬い銅合金を一部使用して摩擦による磨耗を防ぐこと。
4、 左右の巻枠の回転を等しくして導体を押し出す力と同じ力で引き込み、巻線に無駄な力を加えず、巻枠から離れている部分の導体の巻癖とバネ性を利用して巻線を自然に外側へ膨らませながら適当な張力を与え案内板等で楕円形に誘導し巻癖の曲率半径の変化を3倍程度にしながら、巻枠に隙間なく密着して巻き取ること。
5、 スリップリング(当社の発明では輪形コイルまたは集電リング)の部分で電力損失や火花を出さないこと。
6、 配電線の短絡事故や雷に強くするため、常時は巻枠を静止位置で静止させそれ以外の場所では高速度で回転させ、全ての部品を雷や短絡事故に充分耐えながら安価軽量になるよう設計すること。
7、 巻枠は絶縁物であり、100度以上の絶縁油の温度に耐え、電線の重量に耐え、導体との摩擦が少なく、歯車や溝等の加工が容易で機械的強度が充分あること。
8、 絶縁物だけでは機械的強度が不足する場所には絶縁に注意しながら金属を使用すること。
9、 全体として寿命が30年以上であること。
10、3相のアンバランスをなくし連続的な電圧調整を高速度で行うこと。
11、従来のタップ切り替え式の電圧調整機と比較して、使用する鉄、銅、空間、タンクの大きさ、が従来の可変巻線形電圧調整機では2〜4倍であったものを同じ程度にすること。
13、巻枠を回転させる歯車機構やバネ、モータ及びモータの回転制御回路、静止位置の検出、調整電圧制御回路、ほか常識的な付属装置の開発。
問題を解決するための手段
本発明では、変圧器の2つの主脚鉄心にそれぞれ設置された2つの巻枠を同じ方向に回転して、巻枠の間を移動する巻線(以下この巻線のことを可変巻線と記す)を左の脚から右の脚へ巻き変えた跡にすぐ右の脚から左の脚へと巻き替えて鉄心を有効利用する。
従来の可変巻数電圧調整機に比較して同じ鉄心の大きさであれば2倍の電圧を発生し、さらに+最大から−最大まで電圧を変化させるので、ゼロから最大まで変化させるものに比較して2倍の調整電圧範囲をもたせ、しかも巻線の曲率半径の変化を最小にする。
この巻枠は線を収納するための突起を持ち、突起で絶縁を保ちながら決められた場所に収納する。
配電線の電圧調整機は例えば6600V、1000KVA、の定格で電圧上昇を300V、電圧下降を100V、のような場合、可変巻線部分で上昇200V、下降200Vの調整巾をもたせ、固定巻線の上昇100Vと加算して上昇300V、下降100Vの調整巾を得る。
次に主脚の間の可変巻線を移動させる手段について説明する。
配電線用の電圧調整機として6600V、1000KVA、定格電流87A、の例をとって考えると、可変巻線の定格電流は87Aで、このような大電流を流すために帯状の導体を数多く重ねて用い、可変巻線を巻き替える途中で巻枠の外に出る部分で線癖が支障にならないようにし、逆に巻癖を積極的に利用して線の通る道を自然に外部に膨らませて、巻線に必要な張力を与えて巻き取る。
材料は弾力性のある燐脱酸素銅板を用い、導電性を良くするため燐の含有量が少ないものとし、一例として6600V、1000KVA、の電圧調整機の場合、幅は7〜9mm、厚さ0.5mm、の帯状導体8枚を重ねて使用する。
8枚の導体が密着している時は幅7〜9mm、厚さ4mmの台形、断面積32sq(平方mm)の燐脱酸素銅板になり許容電流は87Aである。
導体に弾力性を持たせれば巻枠4,3から外に出ている部分は巻癖により外側に膨らみ、巻癖の変化がもっとも少ない楕円軌道を通って最小曲率半径の変化になる場所を移動する。
巻枠は両方同じように回転し、その結果、可変巻線のどちらか片方に力が多く掛かるようなことは無く、押し出す力と引き込む力が同じで、常に押し出した巻線を同時に同じだけ引き込むようにして巻数を変化させる。
巻枠と可変巻線との間の摩擦を少なくするために、巻枠3,4から外に出ている部分の重量を下から支えるための巻線支持板を設ける。
可変巻線の導体を導電性と弾力性を両立させる程度の燐含有量とし、短絡事故時に流れる4000A程度の短絡電流による外側に膨らむ力を受け止めるために、巻線支持板の上に案内板を設ける。
可変巻線が巻枠に巻かれた状態の直径と、巻枠の外に出た時の直径では巻枠に巻かれた時の直径が小さいため、可変巻線の内側は近道を通り、外側は遠い道を通るように案内板の通り道に余裕をもたせる。
案内板は機械的強度を充分持たせる必要があるため、金属によって製作し巻線支持板は人工大理石のような硬くて磨耗しない絶縁物を使用する。
また、配電線の短絡事故によって可変巻線が外に向かって膨らむ力を受けとめるためには案内板を出来るかぎり厚くして強度を持たせるとともに、巻線支持板、を上下させる棒ネジの直径を大きくし、さらに巻線支持板を変圧器の主脚の間の隙間を通して機械的に結合すれば、膨らむ力を相殺して受け止めることが出来る。
この案内板と、巻線支持板、は可変巻線の上下位置に合わせて上下させるが、主脚の間の可変巻線には線位置の上下による傾斜があるのでこれにあわせて精密な傾斜と上下位置を確保する上下機構を必要とする。
この上下機構はナットと棒ネジの組み合わせによるが、ナットはボールベアリングを用いた精密なボールナットを用いる。
また精密な位置を確保するためには棒ネジを3本以上用いて、上下機構の前後左右ねじれ等の誤差をなくすることも必要である。
巻線支持板にはバネを用いて可変巻線の全体を同じ力で支え、中央部を少し上部にふくらませて巻枠と可変巻線の間の摩擦を少なくする。
巻線支持板が磨耗することが心配されるが、巻線支持板に人工大理石を用い、絶縁油の中で使用するとほとんど問題にならないし、長年の間に巻線支持板に多少の磨耗や歪みが発生してもバネによって一定の重量を支えるようにして解決する。
それでも問題が発生する場合は可変巻線をモータで駆動されたローラーベアリングによって移動させる。
次に巻枠の回転について述べる。
巻枠は重量があるので、回転を受け止める部分にローラーベアリングを用いて軽く回転するようにするとともに、巻枠の下部を絶縁物と金属で補強して重量を安全に支える。
回転部はすべて絶縁油の中にあり、1秒間に1回転程度で回転するので振動や潤滑の問題はすくない。
実際の可変巻数形電圧調整機では、電圧を下げることは少なく、上げることが多いので、固定巻線により固定的に電圧を上げ、可変コイル部分は電圧を上下同じだけ変化させる。
巻枠や案内板を回転させたり移動させたりする機構は機構の専門家であれば容易に設計できるが、高温の絶縁油の中で絶縁物を主材料とする歯車を回転させるためには歯車に機械的な衝撃をあたえないように緩やかに加速するとともに右左の巻枠の歯車に同じ力がかかるようにしなければならない。
このため、巻枠の歯車を駆動する歯車の軸にバネを取り付け、回転にクッションを持たせて巻枠の歯車に同じ力が掛かるようにする。
本発明では回転する巻枠の中の巻線から固定した外部の電線に電流を取り出すために2つの手段を発明している。
次に第一の手段を説明する。
輪形(リング状)の鉄心に絶縁した電線を巻き、ブラシが接触する部分を裸導線にしたもの(以下輪形コイルと記す)を巻枠の上下の端部に取り付け、輪形コイルの一端に可変巻線の終端を接続し、導電部からブラシで集電する。
これによって変圧器の鉄心を1回巻くことによって生ずる電圧を輪形コイルの巻線間に(1/輪形コイルの巻数)に分布させる。
例えば変圧器の1回巻当たりの電圧が2.6Vで輪形コイルの巻数が40回とすると輪形コイルの巻線間に0.065Vの電圧が分布することになる。
ここで、従来の発明では1回巻当たりの電圧が10Vであったのに対し、本発明では2.6Vとなるのは、本発明の場合鉄心を利用しない部分を無くして鉄心の断面積(重量)を1/2とし、同じ巻線が+方向と−方向の電圧を発生するので、電圧が倍に使用できるためここで1/2の鉄心とし、合計1/4の鉄心とするので、1回巻当たりの電圧を1/4にすることが出来るためである。
輪形コイルは絶縁電線を輪形の鉄心に巻き、ブラシが接触する部分を直流電動機の整流子のように裸の導体としたもので、巻き始めと巻き終わりを接続してある。
したがってこの輪形コイルには終端部がなく、巻き枠に巻かれた可変巻線の端末が輪形コイルの一部に接続される。
上記で絶縁電線を輪形の鉄心に巻き、と書いてあるのは理解を易しくするための表現で、実際の製作には半田付けの温度に耐えるように、400度の高温度に耐える絶縁物で鉄心を絶縁し、2つのL形または短形を切り離した形の導体を結合して結合部を圧縮したり半田付けしたりして巻線をつくる。
これらの結合部は複雑な嵌め合わせを行う。
巻き終わった状態の輪形コイルを真空タンクに入れ、絶縁能力のある接着材を真空含侵させた後、表面を滑らかな円形状にし、縦に切れ目を入れる等の機械加工を行う。
円形の鉄心はその材料になる珪素鋼板を1回巻くごとに2.6V程度の電圧が発生するので適当に切断部分をもうけ珪素鋼板の間を絶縁したり、ダストコア(鉄粉を接着材と共に圧縮し成型したもの)を用いたりする。
また、ブラシが接触する部分は銅合金を使用し直流機の整流子のように旋盤で円形に仕上げるので上記の輪形の鉄心はその断面が矩形である。
このように輪形コイルの巻き始めと巻き終わりを接続すると、主脚鉄心が輪形コイルに誘起する電圧を(1/輪形コイルの巻数)に低減して輪形コイルの裸の導体部分に平等に分布させる。
従って、ブラシが切る電圧は従来の方式に比較して、(1/輪形コイルの巻数)になる。
しかしブラシに掛かる開閉電圧が仮に従来の1/40になっても87A程度の電流をブラシが開閉すると火花が出てブラシを損耗するし、ブラシが隣の輪形コイルの裸の導電部(以下裸の導電部と記す)に跨ると0.065Vの電圧を短絡するので短絡電流が流れ輪形コイルの鉄心の磁束を流さないようにする。
この短絡電流を少なくするためには、裸の導電部のブラシの接触面に抵抗をもたせたり、ブラシの抵抗を大きくしたりする必要があるが、配電線には短絡事故があり、3000Aの電流が流れた場合、ブラシの接触面の抵抗を0.01Ωとすると90KWの熱が出るので損傷する。
このため、ブラシや輪形コイルの裸の導電部に抵抗を持たせることは出来ない。
したがって、ブラシが通る部分だけは輪形コイルの裸の導体の電圧分布をほとんどゼロにしてブラシや裸の導電部の抵抗をほとんどゼロにしても輪形コイルに短絡電流は流れず、火花も出ないようにしなければならない。
裸の導電部の電圧分布は輪形コイルの中の鉄心に磁束が通るために発生するので、ブラシが通る部分だけは輪形コイルの鉄心の磁束を外部に取り出してバイパスし、輪形コイルの鉄心の磁束をこの部分だけゼロにする。
その手段として、ブラシの近くの輪形コイルにU字形の鉄心をもうけ、この鉄心にコイルを巻き、ブラシの近くの輪形コイルの磁束をU字形の鉄心(以下本文ではバイパス鉄心と記す)にバイパスする。
すると輪形コイル内のブラシの近くの鉄心に流れる磁束がゼロに近くなり、ブラシの近くのコイルの電位差がほぼゼロになるのでブラシの火花を防止する。
輪形コイル内の磁束は(主脚鉄心の磁束/輪形コイルの巻数)となるが、この磁束をバイパスするために、バイパス鉄心に巻かれたコイルにどのような位相角でどれだけの大きさの電流を流すべきかを決めるには、ブラシを除いた状態でブラシが跨ぐ部分の裸の導電部の電圧分布がゼロになるようコイルの電流の位相角と大きさを決める。
バイパス鉄心のコイルに流す電流は、位相角と大きさ、を設定できることが求められるので、可変巻数電圧調整機が接続されている配電線から取り出した3相電源を用い、特殊結線の変圧器とインピーダンスにより位相角とその大きさを調整する。
バイパス鉄心の磁束が通過する部分の裸の導電部には渦電流が流れて磁束の通過を妨げ、発熱するので裸の導体部に縦に多数の切れ目を入れて渦電流を防止するか、幅が狭く厚い導体を並列に用いてその間を絶縁する、等の方法により渦電流を少なくする。
これでブラシが隣の裸の導電部に跨った状態でも裸の導電部の電圧分布がほぼゼロなので短絡電流は流れず、火花も出ないのでブラシと裸の導電部の抵抗を0.001Ω以下にすることが出来る。
抵抗が0.001Ωの場合9KWの熱が0.1秒程度出るが、熱の損傷を受けない。
ブラシの幅より広い幅を持った裸の導電部分をもうけ、この部分を静止位置とし、電圧を調整しない時は静止位置にブラシを置く。
静止位置の導電部分はコイルにならないよう一部を切断して絶縁し、この導電部分に可変巻線の端部を接続する。
ブラシが隣の裸の導体に跨っていない状態では輪形コイルをブラシで短絡しないので短絡電流が流れず、火花も出ないのでバイパス鉄心のコイルに流す電流はゼロにすることができる。
これによりU字形の鉄心に巻かれたコイルの磁束が輪形コイルを通過することによる損失および輪形コイルの損失を巻枠が静止した時はゼロにする。
したがって、ブラシと裸の導電部は電気抵抗が少なく、磨耗に耐える銅合金や銀、を中心にして低抵抗のカーボンを両側に配置したブラシを使用することが出来、絶縁油の中で低速回転し、火花もない状態で使用することを考えると、輪形コイルとブラシの摺動による磨耗は少ない。
輪形コイルに雷が入るとブラシが接続されている近くのコイルに雷の電圧が集中し絶縁破壊を起こしやすい。
これを防ぐために輪形コイルの絶縁を強化すれば外形が大きくなる。
この対策として輪形コイルの一回巻きごとに隣のコイルとの間にコンデンサを接続して雷の電流をコンデンサで通過させて電位を平等に分布させたり、金属箔のシールドをコイルに被せてその静電容量で雷電圧を均等に分布させる。
この時シールドが一回巻きの閉じた輪のコイルを形成し磁気を短絡したりしないように、どこかに切断面を縦方向と横方向の2箇所作る必要がある。
出来上がった輪形コイルを絶縁物で出来た巻枠に取り付けるために、輪形コイルの巻線の間の隙間に入る突起を巻枠に作り輪形コイルを接着剤と共に巻枠に押し込んだ後さらにネジ等で止めその上をさらに絶縁物で挟んで締め付けて固定する。
次に第二の手段を説明する。
この手段では先述の輪形コイルの代わりに一部を絶縁物とし、他の部分を導体としたリング(以下このリングのことを集電リングと記す)を用いる。
この集電リングに二個のブラシを接触させ、通常は両方のブラシが導体に接触し可変巻線の巻数が変わる部分では片方のブラシが絶縁部を通過し、他方のブラシは導体に連続的に接触する。
ここまでは特開54−48033と同じである。
集電リングの絶縁物の反対側の導体の中央部に可変巻線の端末を接続し、この部分を静止位置とする。
以下分り易くするために6600V、1000KVA、定格電流87A、V結線の三相可変巻数電圧調整機の例をとって具体的な数値とともに説明する。
ブラシと外部に電流をとり出す端子との間に小型変圧器を接続し小型変圧器の1次側を例えば2.6V、87A/2の巻線とし、2次側を100V、1.1Aとする。
上記の数値は主巻線の1回巻き当たりの電圧と、定格電流/2、及び2次側電圧を適当な値たとえば100Vに設定した場合の2次電流である。
小型変圧器の2次側(100V側)に半導体スイッチを接続し2次巻線を短絡したり開放したりして、ブラシが集電リングの導電部から絶縁部に入る直前にこれに接続されたブラシの電流を遮断する。
2つのブラシが両方とも集電リングの絶縁部から出て導電部にある時、2つの半導体スイッチを閉じる。
半導体スイッチには抵抗とコンデンサを直列に接続したものを並列に接続し半導体にかかるサージ電圧を低減する。
しかし、このままでは小型変圧器の励磁電流によってブラシに2.5A程度の電流が流れるので小型変圧器に3次巻線を設け、リアクトル等のインピーダンスを通して別電源から励磁電流を供給する。
3次巻線を用いないで2次巻線に励磁電流を加えても同じ結果である。
上記のリアクトルは抵抗やコンデンサ等を用いてもよいが、電源の電圧の大きさと位相角を調整してブラシに流れる電流が最も少なくなるよう、電圧の大きさと位相角を設定する。
以上により半導体スイッチで遮断した時のブラシに流れる電流を2.5Aから0.1A程度に低減することが出来る。
半導体スイッチにSCR(サイリスタ)を用いる場合は通過電流が保持電流より小さくなる場合に、通過電流を安定して通すことが困難になるので、SCRの通電中はゲートに小さい直流電流を流し続けてSCRの通電状態を保つ。
以上により、ブラシに掛かる電圧は2.6V、電流は0.1A程度に低減され、火花による損傷はほとんど無くなり寿命が長くなる。
小型変圧器は絶縁油の中に入れ、1次巻線に雷電圧に対する絶縁耐力を持たせ、2次巻線と3次巻線はその一端をアースして対地電圧を低下させた後、電線を接続して空気中に取り出し制御箱内の電子装置に接続する。
集電リングの絶縁物と導体の境目では材料の硬さ、磨耗の程度が異なるので長年使用すると階段状になりやすく、ここをブラシが通過する場合に障害になる。
これを防ぐためにリングの境目に滑らかな傾斜を持たせた溝を作り、この溝を斜めにしておけば両者の間に多少の段差があっても容易に通過することができる。
配電線の短絡事故による過電流は負荷電流の40倍を想定するが、このとき小型変圧器の1次巻線を強制的に通る電流により生じる電圧降下は他方のブラシに流れる電流を簡略計算のためゼロとすると5V程度になる。
この場合2つの小型変圧器は磁気飽和状態になるが、導通状態の半導体スイッチには定格負荷電流の40倍の電流が0.1秒程度流れ、開放状態の半導体スイッチには最大4倍程度のピーク電圧が加わる。
したがって半導体スイッチはAC400V、50A、の電圧、電流に0.1秒間耐えなければならないが、この程度であれば1600V、50Aの安価な市販品がある。
雷電圧に対しては抵抗、コンデンサ、サージアブソーバ、等で対処できる。
短絡事故の過大な電流により2つの変圧器の鉄心が飽和するので、2つのブラシが導体に接触し、片方の半導体スイッチが開放状態でも開放側のブラシに1/3、半導体スイッチが短絡状態側のブラシに2/3程度の電流が流れる。
この時半導体スイッチが開放状態の側のブラシがちょうど導体と絶縁部の境目を通過し、ブラシがこの電流を遮断し場合、遮断電流はたとえば1160Aであり、電圧は5V程度である。
この時の火花による損傷を出来る限り小さくし、短絡電流をブラシが遮断する回数を減少させるためにはブラシが絶縁物と導体の境目を早く通過しなければならない。
そのため、集電リングの絶縁物の反対側の導体を静止位置とし、ここに可変巻線の終端部を接続し、巻枠は静止位置から徐々に加速し、絶縁部で最高速度に達し、ここから徐々に減速して静止位置に戻るようにする。
巻枠は絶縁物のため機械的強度が弱いので、歯車部分とローラーベアリングを支持する部分に一部鉄を用いて補強する。
この場合、変圧器主脚の磁束を一回巻きのコイルになって短絡しないように、鉄の部分に切れ目を入れたり、歯車の接触面にだけ鉄を用いたりして絶縁する。
ローラーベアリングにも絶縁部分を入れる必要がある。
絶縁物だけで充分な機械的強度を得られる場合は補強の必要が無い。
静止位置から出発し、静止位置で停止するまでの速度経過は輪形コイルの場合も同様である。
短絡事故を遮断する頻度は最悪10年に1回程度なので軽傷ですめば問題にはならない。
このため絶縁物と導体の境目付近の導体には銅合金を用いブラシは外側をカーボン、内側を銅または銀等を用いる。
可変巻線の終端部が静止位置にある時、ブラシも静止位置にあること、の条件を満足すれば、巻枠のどの場所を静止位置にしてもよい。
集電リングを使用する場合は2つのブラシの中間を上記の巻枠の静止位置とする。
以上で回転する巻枠の中の巻線から固定した外部の電線に電流を取り出すための2つの手段についての説明を終わる。
次にこれらの装置を駆動する装置について述べる。
インバータによって電圧と周波数及び相回転の方向を自由に変えられる電源によって駆動される歯車群付の交流モータ(以下本文ではこの歯車群付の交流モータをモータと記す)を2台または4台変圧器タンクの底に近い場所に取り付ける。
モータをタンクの底にしたのは温度が低いためであるが、モータとモータに直結した歯車群を一体としたものは空気中に置く必要がある。
油は空気より重いのでモータの軸を下向きに取り付け空気の代わりに窒素を封入し低速で回転する軸の部分にパッキンを取り付け、パッキンを通り抜けて歯車側に出てくる油を窒素の圧力で押し戻す。
窒素は大きなベローズに貯蔵しタンクの底に設置しタンクの底の油圧と窒素の圧力をバランスさせる。
空気中に置かない場合は極数の多い低速回転のモータを使用して、油の中で高速回転する回転子や歯車をなくする。
モータは本来1台で充分であるが歯車が多いので1台のモータで駆動すると末端の歯車に力が伝達するまでに機械損が大きくなり故障の原因になるし、2台以上のモータのトルクのバランスを電流によって検出して駆動機構の故障検出を行い、また歯車の一部を絶縁するため鉄の歯が常時どこかで接触するように2台以上使用する。
モータの回転を次々に歯車に伝達し巻枠と棒ネジを回転させる。
歯車の回転が急に巻枠に伝わると巻枠は絶縁物なので機械的に弱く破損する可能性があるのでモータは徐々にトルクと回転数を増して行く。
巻枠の回転で見ると静止位置から微速で回転を始め次第に加速して静止位置の反対側で最高速度に達し減速しながら静止位置で停止する。
巻枠の回転と比例して案内板を上下させるために、巻枠を回転させる歯車に結合された歯車によって棒ネジを回転させ、棒ネジに取り付けられたメスネジ(ナットのようなボールネジ)を上下させ、これに巻線支持板と案内板を取り付ける。
静止位置の検出には寿命が長いこと、故障が無いこと、高温の絶縁油に耐えられること、の条件に合う高周波の誘導コイルを用いる。
巻枠の一部に金属片を埋め込み誘導コイルのリアクタンスの変化で静止位置の検出を行う。
配電線の電圧測定を各相それぞれ別に行い、各相別にモータを制御する。
制御の不感巾を1%、時定数を10秒、程度に取るがマイコン等で動作頻度を計測し頻度が高ければ不感巾と時定数を自動的に大きくする。
発明の効果
内鉄形の鉄心の両脚に巻枠を設け巻枠から出た可変巻線は隙間なく隣の巻枠に入るので巻枠には常に可変巻線が無い部分が無く、可変巻線が隣の巻枠に移動すると電圧の極性が逆になり、電圧調整巾は2倍になるので、従来の可変巻数変圧器に比較して鉄心の量が1/2〜1/4となる効果がある。
鉄心が小さくなれば、銅も少なくなる効果がある。
左右2つの可変巻線を巻いた巻枠を同時に同じ方向に回転させ、巻枠から出た可変巻線は隙間なく隣の巻枠に入ること、2つの巻枠の可変巻線を支えるための突起の変圧器の中心線に最も近い部分が常に同じ水平線上にあること、可変巻線に帯状の導体を重ねあわせて使用すること、以上の3項目をすべて持つことが絶対条件であり、この項目の発明がすべて成されたことにより、大型の可変巻数形変圧器を製作し、これを用いた電圧調整機を製造できる効果がある。
1、可変巻線の終端部が静止位置にある時、ブラシも静止位置であれば、巻枠のどの場所を静止位置にしてもよい。
2、集電リングを使用する場合は2つのブラシの中間を上記のブラシの静止位置とする。
という2つの条件の発見により、右左2つの巻枠を同じ形で作ることが出来るようになり、巻枠に巻線がない部分が最小になるように設計することが出来るので、鉄心が最小になる効果がある。
これは輪形コイルの場合も同様である。
巻枠から電流を取り出す手段として火花を従来の1/400〜1/1000程度に抑える手段を2つ開発した。
第一の手段(輪形コイル)の効果を説明する。
従来2.6V、87Aのリアクトル電流をブラシやスイッチで開閉していたのに比較して0.0065V、87Aの抵抗電流の開閉となりブラシの火花は従来の1/400となる効果がある。
第二の手段(集電リング)の効果を説明する。
この手段では先述の輪形コイルの代わりに一部を絶縁物とし、他の部分を導体とした集電リングを用いる。
従来機械的スイッチが10V、87Aのリアクトル通過電流を直接開閉していたのに比較して本発明では小型変圧器の2次側を半導体スイッチにより開閉し、小型変圧器の励磁電流を補償してブラシの開閉電圧を2.6V、電流0.1Aとした。
これにより従来のスイッチ開閉による火花と、本発明のブラシの通過によるブラシの火花を電圧電流の掛け算で考えると1/3300、さらにリアクトルは抵抗より火花が10倍大きくなるものとすると1/33000になる効果がある。
さらに従来の半導体スイッチによって変圧器のタップを切り替える方式が雷による短絡事故に半導体が弱かったのに対し、本発明では小さく安価な半導体スイッチを用いながら、雷や短絡電流対し充分安全率を持たせるともに、微小電流の通過も安定する効果がある。
巻枠は主に絶縁物であるため、その歯車に金属を用いて補強し、ローラーベアリングで回転を軽くし、衝撃を加えないで2つの巻枠を同じ力で回転させる機構を開発したので巻枠が壊れにくい効果がある。
配電線の電圧を各相別々に連続調整するので調整結果に段が無く、三相の電圧アンバランスも解消する効果がある。
損耗部分が少なく、可変巻線の屈伸による金属疲労も30年以上の設計とし、大きさや重量も、他の可変巻数形変圧器関係の発明に比較して1/2〜1/4程度になる効果がある。
以下本発明の実施の形態を図1〜図22に基づいて説明する。
図1、2、3、4は本発明の可変巻数変圧器の基本原理を説明するための構造の略図で、輪形コイルを使用した例である。
これらは理解し易くするために、原理説明に直接関係のない部分は省略してある。
特に図4は可変巻線移動の原理を理解するための略図である。
図1は側面図、図2はA−A断面図、図3は図1の側面図を透視して図1の裏側を図示したもので裏から見た側面図ではない。
図4は図1のB−B面の断面図である。
図1〜図4を合わせて見ることにより、可変巻線左9と可変巻線右10の通路、巻枠の構造を詳細に理解することが出来る。
輪形コイル2は巻枠3,4の上下に取り付けられ、巻枠3,4と共に回転する。
巻枠3,4にはそれぞれ可変巻線左9と可変巻線右10が巻かれ、この巻線の端末はそれぞれ図1の輪形コイル2の静止位置7に接続してある。
巻枠3,4を同時に同じ方向に回転させるとブラシ8は輪形コイル2に密着しながら電流を外部にとりだすと同時に可変巻線左9と可変巻線右10が巻枠の間を相互に移動する。
上部絶縁物5と下部絶縁物6は主脚鉄心1に固定してあるが、図1〜4は略図のため可変巻線の移動の説明に必要な部分以外は省略してある。
図2は図1のA−A断面図で、主脚鉄心1に1次巻線11と2次巻線12を巻き、その外側に巻枠3、4があり、その外側に輪形コイル2を設置する構造を示す。
図1に示すように、上下2箇所の輪形コイル2の静止位置7、は縦方向の同じ位置にあり、上下2箇所のブラシも縦方向の同じ位置にあるように書いてある。
これは、説明を分かり易くするためで、実際には巻枠3、4を静止させた時、全てのブラシが静止位置(可変巻線端末)にあるようにすればブラシ位置は自由である。
ブラシ8と静止位置7がどのような場所にあっても、巻枠3,4がどのような位置にあっても、巻枠3の突起3aの右端と巻枠4の突起4aの左端の位置は図1、3に示すように同じ水平線上にあることが必要である。
同じ水平線上に無ければ可変巻線左9と可変巻線右10は枠3,4に入らなくなる。
図3は図1を透視した図で、図1と図3を見ると巻線の傾斜分だけ両者の位置が上下方向に変わらなければ可変巻線が巻枠に入らないように思われるが、可変巻線が巻枠に出入する場所は、可変巻線が膨らんで中心線より外側になり、巻枠3の右端の突起と巻枠4の左足の突起位置が各段において同じ水平線上にある場合のみ可変巻線が無理なく巻枠の間を移動できる。
以上で巻枠と可変巻線の移動の原理とブラシと静止位置の場所の説明を終わる。
図5は磁束の方向と電圧の方向を示す原理図である。
図5は動作原理を説明するための原理図であり、可変巻線の移動を判り易くするために鉄心、1次巻線、2次巻線、巻枠、を省略して書いてある。
また、図5ではブラシ8と静止位置7は分かり易くするために全て前に書いているが、本物の可変巻数形電圧調整機では巻枠3、と巻枠4を同じ形にするため可変巻線9と可変巻線10はブラシ8と静止位置7の位置が異なる。
しかし原理説明では同じことになるので図5のように全て前に書いた状態で説明する。
図5の矢印は主脚の磁束と可変巻線の誘起電圧の方向を示す。
磁束の方向と電圧の方向を同じにするように可変巻線を巻いてあるとすれば、左側に巻かれた巻線は上方向のベクトルになり、右側に巻かれた巻線は下向きのベクトルの電圧となる。
これは、右巻線と左巻線が同じ巻方向に巻かれ、磁束の方向は主脚の右と左で逆になるためである。
図5は可変巻線左9が全て左にあり、可変巻線右が全て右にある状態であり、この誘起電圧を加算して端子14と端子13の間から取り出す。
枠を回転させて左巻線12を右側へ、右巻線13を左側へ巻き変えていくと端子14と端子15の間の電圧は減少しさらに回転すると逆方向になる。
もしこの電圧が最大200Vとすると、正方向と逆方向の電圧を出すことができることになり+−200Vの電圧変化となるので、図2に示す2次巻線12の電圧を+100Vとすると、この電圧を直列に加算することになり、+300Vから−100Vまでの電圧調整範囲となる。
図1、3,4,5では輪形(リング状)の鉄心に絶縁した電線を巻き、ブラシが接触する部分を裸導線にしたもの(以下輪形コイルと記す)を使用し、輪形コイルの裸の導電部からブラシで集電する例が記してあるが集電リングを使用しても同じである。
次に第一の手段である輪形コイルの構造を図6と図7によって説明する。
図6は輪形コイル2とブラシ8、バイパスコイル16、バイパス鉄心17の側面図、図7は図6のC−C拡大断面図である。
輪形コイルはリング状の鉄心の外側にコイルをスパイラル状に巻き付けたもので、輪形コイルの巻線21の外側に裸銅合金22を用いる。
円形鉄心20の断面積を第2図の(主脚鉄心1の断面積)÷輪形コイルの巻数とすると両者の磁束密度は等しくなる。
輪形コイルの円形鉄心20の周囲は、絶縁物19で絶縁されており、銅合金22の部分は直流電動機の整流子のような構造になっている。
円形鉄心20は主脚鉄心1に巻かれたコイルと同じように電圧を発生するので、鉄心を適当に切断して絶縁し、円形鉄心20が発生する電圧を短絡しないように絶縁する。
円形鉄心20を切断しない場合は、円形鉄心20を主脚1に巻かれた巻線と考えて円形鉄心の周囲を全て絶縁し耐圧を充分にする必要がある。
円形鉄心20に用いられる珪素鋼板の厚さを増せば、鉄心の巻数が減少し鉄心の渦流損は多くなるが絶縁は容易になる。
円形鉄心20にダストコア(鉄粉を接着材とともに圧縮成型したもの)を用いればこの問題は解決するが、最大許容磁束密度が高いものは電気抵抗が低くなり渦流損が大きくなる傾向がある。
輪形コイルの巻線は2つに分割された部品を組み合わせ結合し、圧縮や半田付け等によりスパイラル状に巻きつけたコイルに仕上げる。
輪形コイル2は巻き始めと巻き終わりが接続されているので、銅合金22は隣との間に電位差がないように思えるが、実際には主脚鉄心1の磁束が中を通るので電位差が出る。
ブラシ8は銅合金22の隣の電位差(0.065V程度)を短絡するので短絡電流が流れるとともに、円形鉄心20の磁束を打ち消して磁束の流れを遮断する。
これを防ぐために図6に示すようにブラシ8の近くにバイパス鉄心17を設け、輪形コイル2の磁束はバイパス鉄心17を通ってまた輪形コイル2に戻すようにする。
円形鉄心20を通る磁束をバイパス鉄心17にバイパスし、ブラシ8の付近の隣の導体の間の電位差をゼロしでブラシ8の火花を防ぐ。
この時、輪形コイルの円形鉄心20とバイパス鉄心17との間に鉄が無いため磁気抵抗が大きくなり、磁束が完全にバイパスしないことを防ぐために、バイパスコイル16に電流を流して、強制的に輪形コイル2の磁束をバイパス鉄心17に通過させ磁気抵抗の影響をなくする。
図6に静止位置7とあるのは、輪形コイル2の一部に幅の広い導電部分を設けたもので可変巻線9、10の端末を輪形コイルに接続し、常時はブラシ8をこの静止位置7に停止させ、バイパスコイル16に流れる電流を切りバイパス鉄心17の磁束を0にして、バイパス部分の電力損失をゼロにする。
静止位置7の導電部は1回巻のコイルになって、円形鉄心20磁束の通過を妨げないように切断部分を作り絶縁する。
図7のバイパス磁束が通るところは過流損が発生するので磁束が通る部分の導体はすべて縦に細かく切断し、負荷電流を流しながら、バイパス磁束を通して過流損を少なくする。
次に第二の手段(集電リング)について記す。
集電リングは一部を絶縁物とし、他の部分を導体としたもので、集電リングの構造及び付属する電気回路を図8、9、10、11、12,13によって説明する。
図8に示すように絶縁物29と導電部30によって作られた集電リングに2個のブラシの組(以下本文では2個のブラシの組をブラシ組と記す)25,26を接触させ、通常は両方のブラシ組25,26が導体部30に接触し可変巻線の巻数が変わる部分ではブラシ組25,26の内片側が絶縁物29を通過し、他方のブラシは導体部30に接触する。
集電リングの絶縁部29の反対側には可変巻線の接続部31があり、ここが静止位置となる。
図9はブラシ組25の構造を詳細に示す拡大図である。
ブラシ組25の接触部は外側をカーボン38、中を銀37で作り銀の部分で導電性を、カーボンの部分で火花による損傷の低減する性質をもたせ、絶縁油の中で集電リングと滑らかに接触し集電リングを磨耗させないようにする。
バネ36はブラシ組25、26、の銀37とカーボン38が磨耗しても常に集電リングと充分な接触圧力を持つようにするもので、編素線35と端子用ボルト33を通してAMP端子34に電流を流す。
図10はブラシ接触部の拡大断面図である。
図11は図10のブラシ接触面を上から見た図である。
これらの図に示すように集電リングの絶縁物29と導電部30との境には斜めに傾斜した溝42を付けて両者の間に段差が出来てもブラシが通過できるようにする。
絶縁物29と導電部30の接合は困難であるが、組み合わせ結合40を用いて組み立てた後、ボルト41で接着材とともに締め付けて止める。
その後、機械加工して表面や溝を滑らかに仕上げる。
図12はブラシ組25,26の片方が集電リングの絶縁物を通過する前に直列に接続されたほうのスイッチS1またはS2を開いてブラシに電流を流さないようにしてブラシの火花による損傷を防ぐ回路である。
可変巻線形変圧器の定格を仮に6600V、1000KVA、定格電流87A、とすると、通常状態(静止状態)ではブラシ組25,26にそれぞれ約44Aの電流が流れる。
図13は図12のスイッチS1、S2の内部を示す詳細回路図である。
スイッチS1、S2が開閉する電圧は可変巻数変圧器1回巻あたりの電圧、2.6V程度、電流は定格電流の半分、44A程度であるが、これを市販の半導体スイッチで開閉しやすいように、また対地電位を100V程度にするため小型変圧器T1、T2によって100V、1.1Aに変換する。
100V側にはSCR1、SCR2、C3、R3、C4、R4を図13の通り接続し、SCR1、SCR2を開閉して図12に示すスイッチS1、S2を開閉する
図13では半導体スイッチにSCRを用いているが、どのような素子を用いてもよい。
SCRを用いる場合は2つの1600V、30AのSCRを逆並列にして用い、保持電流が10mA程度なので、ゲートには常時20mA程度の直流電流を流し保持電流をゼロにする。
後述のモータの電源も含めて電源異常の瞬間から3秒間安定電源を供給するため、大容量のコンデンサに常時電力を蓄積し、インバータで定電圧に変換して使用する。
このままでは小型変圧器の励磁電流が2.6Vの巻線に2.5A程度流れるので、励磁電流の無効分をコンデンサC1、C2、C3、C4で吸収し有効分を25Vの巻線に100V電源から強制的に電流を流して補償し、励磁電流2.5Aを0.1A程度に軽減する。
抵抗R1、R2は電力損失を発生するのでリアクトルに置き換え、100V電源の大きさと位相角を調整して有効分を補償することも出来る。
以上により常時ブラシが開閉するのは2.6V、0.1A程度になるので火花による損傷は少ない。
図14は巻枠を回転する速度と回転角度の関係を示すグラフである。
この図において、回転角度0度と360度の位置は同じ場所であり、ここは輪形コイルの場合はブラシ静止位置であり、集電リングの場合は図8に示す可変巻線の接続部31が静止位置となり、静止状態ではブラシ組25,26の中間が静止位置の中央となる。
この静止位置から図に示すように時間が経過するに従ってサイン曲線状に回転速度を上げ、180度付近で最高速度に達し、サイン曲線状に減速し、誘導コイルで検出した静止位置で静止する。
連続的に回転する場合は最高速度のまま回転し停止する時はサイン曲線状に減速し停止する。
次に1例として6600V、87A、電圧上昇300V、電圧降下100V、容量1000KVAの可変巻線形変圧器の製作図を図15、16、17、18、19、20、21、22により各方向から図示したものを説明する。
この製作図はそのまま図面どおり製作するための図面であり、動作原理の理解には適当でないが、発明が容易に製作出来ることの証明と、細部に亘って設計して発明の欠点を調べ、問題をすべて解決できることを確認するためのものである。
これらの図は絶縁油の中で使用され、6600Vの電圧が加わる場所は最小21mmの対地絶縁距離があり、可変巻線は1平方mmあたり2.2Aとしている。
図15、16は主脚鉄心1の脚が横に並んだ場所から見た断面図で、図15はE−E断面図、図16はD−D断面図である。
これらの図は歯車断面を側面図のように描いてあるが、これは図面を理解し易くするためである。
図15、16において、内鉄形の主脚鉄心1の両脚に1次巻線11、2次巻線12、を巻き付けその外に巻枠3,4がある。
巻枠3,4の突起3a、4aが作る溝の中には可変巻線左9、可変巻線右10が収納してあり、巻枠3,4を回転すると、可変巻線は案内板44を通ってそれぞれ別の巻枠3,4に巻き替えられる。
図15,16、17,18では集電リング48を使用した例を示すもので、輪形コイルを使用しても同じである。
集電リング48は、巻枠3,4の上下に1個ずつ、計4個取り付けてあり、絶縁リング49で巻枠3,4に固定する。
取り付け金物50は主脚鉄心1に太いボルトで強く締め付け固定してあり、巻枠3,4や歯車群、モータ、等を取り付ける。
図17、18は主脚鉄心1の脚が縦に並んだ場所から見た断面図で、図17はG−G断面図、図18はF−F断面図である。
図18の拡大図に示すように可変巻線は8枚の導体が密着している場合は幅9〜7mm、厚さ4mm、断面積32sq(平方mm)の台形で、燐脱酸素銅板を使用し許容電流は87Aである。
ここで台形にした理由は、巻枠3,4に可変巻線が入りやすくまた、巻枠3,4の可変巻線を収納する溝の突起3a,4aの根元を大きくし強度を強くするためである。
下の絶縁リング49の上部は絶縁材料を用いて耐圧をもたせ、下部に金属の歯車G9とローラーベアリング47用の金属を一体にしたものを嵌め込んでボルトで止めて絶縁材料で出来た巻枠が機械的に弱い欠点を無くしている。
上の絶縁リング49には大きな重量が掛からないので、絶縁物だけで対応している。
図15ではブラシが断面G−Gの上には無いので記入してないが、図17ではわかり易くするために、集電リング48に使用するブラシの位置53,54,55、56が記入してある。
集電リング48の代わりに輪形コイル2を用いる場合はこのブラシ位置はブラシ組の中間に1箇所となる。
図18の棒ネジ45、46の位置は正確には断面線F−Fから外れているが、理解しやすくするために側面図として描いてある。
可変巻線9、10は巻枠の中で交差しているので、図18の断面線G−Gは水平ではない。
ボールナット57は支持板52を上下させ可変巻線を持ち上げて巻枠3,4に可変巻線が入る時下部で曲がらないようにする。
支持板52に取り付けられた案内板44は可変巻線を決められた場所に案内し、短絡事故によって流れる5000A程度の短絡電流による可変巻線の外に膨らむ力を受け止める。
この力を棒ネジ45だけで受け止めると弱いので絶縁棒51によって2つの支持板52を結合し力を相殺して受け止める。
図19は図18の下部を取り出した図で、図20,21との位置関係を示す。
図20,21は歯車の配置とかみ合わせを示す。
これらの図において、モータM1、M2が回転すると歯車G1、G5を通して歯車G2、G4が回転し、これの回転がスプリングSPを通して歯車G7、G10に伝わり、歯車G9により、巻枠3、4を回転させると同時に歯車G8、G11を通して棒ネジ45、46を回転させ、ボールナット57を上下させる。
図21の歯車G8、G11、G13、G15、はそれぞれ棒ネジ45を回転させるので3本の棒ネジの組を2組、計6本の棒ネジ45を回転させる。
歯車G6、G12、G14は不要のようにみえるが、2台以上のモータを使用すると巻枠3,4の回転位置がずれる恐れがあるのでこれらの歯車で回転位置を一致させるものである。
歯車G9は主脚1の磁束が貫通するのでどこか1箇所切断し絶縁して1回巻きのコイルにならないようにする。
すべてのローラーベアリング47も同様である。
歯車G9の下側はローラーベアリング47の金属部を兼ねている。
上側の絶縁リング49の上部の周辺に誘導コイル58を多数取り付けて、静止位置や高速回転の場所を検出する。
誘導コイルの代わりに機械的スイッチや光電スイッチ、リードスイッチを磁気で開閉するもの、ホール効果素子を使用するもの、等が考えられるが、高温の絶縁油の中で30年以上故障なしに使用できるものは、誘導コイル58である。
図22は図18を拡大したもので、図18では分かり難い細部が分かり易くなる。
巻枠3が左から右に向かって回転しているものとして、可変巻線左9はP1の点で集電リング48に終端部を接続され、ここから巻枠3に入り巻枠3の表を通って(図22では表を通る可変巻線を1点鎖線で示す)から裏を通って(図22では裏を通る可変巻線を点線で示す)1段上がった所に入る。
このようにして1段ずつ巻かれた可変巻線左9はP2の点で巻枠3から離れ図16に示す巻枠4に入る。
可変巻線10はP3の点で巻枠4から巻枠3の表を通ってから裏を通って1段上がった所に入る。
このようにして巻かれた可変巻線10の終端はP4の点で集電リング48に接続される。
巻枠3,4が静止した時、可変巻線の終端が集電リング48に接続される場所に2つのブラシの中間があるようブラシの設置場所を決める。
巻枠3、4、絶縁リング49、取り付け金物50、には適当に穴をあけ、絶縁油の通り道を確保する。
【0107】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可変巻数変圧器の構造の一部を示す巻線の原理を示す側面図
【図2】 本発明の図1のA−A断面図
【図3】 本発明の図1の裏側を示す透視図
【図4】 図1のB−B断面図
【図5】 本発明の可変巻数変圧器の磁束の方向と電圧誘起の方向を示す原理図
【図6】 同変圧器の巻枠の上下に取り付ける集電手段の内、輪形コイルとバイパスコイルの側面図
【図7】 同図6のC−C断面図
【図8】 同変圧器の巻枠の上下に取り付ける集電手段の内、集電リングとブラシ組の断面図
【図9】 同集電リングに用いられるブラシ組25と集電リングの拡大図
【図10】 同ブラシ組25の拡大図の内、さらにブラシ接触部分を取り出した拡大断面図
【図11】 同ブラシ接触部分を上から見た図
【図12】 集電リングのブラシの電流を切るスイッチの原理図
【図13】 同電流を切るスイッチの詳細回路図
【図14】 本発明の可変巻数変圧器の巻枠の回転角度と回転速度の関係を示す曲線
【図15】 本発明の可変巻数変圧器の実施例を示す図16のE−E断面図
【図16】 同図15のD−D断面図
【図17】 同図18のG−G断面図
【図18】 同図17のF−F断面図
【図19】 同図17のF−F断面図の下部を示す図
【図20】 同図19のI−I断面図
【図21】 同図19のH−H断面図
【図22】 同図16の拡大図
【0108】
【符号の説明】
1 主脚鉄心
2 輪形コイル
3、4 巻枠
3a、4a 巻枠3,4の可変巻線を収納する溝の突起
5 上部絶縁物
6 下部絶縁物
7 静止位置
8 ブラシ
9 可変巻線左
10 可変巻線右
11 1次巻線
12 2次巻線
13 電線
14 端子
15 端子
16 バイパスコイル
17 バイパス鉄心
18 輪形コイルの隣の巻線への移動断面
19 絶縁物
20 円形鉄心
21 輪形コイルの巻線
22 銅合金
23 シールドの切断面
24 シールド
25、26 ブラシ組
27 固定金具
28 絶縁物
29 絶縁物
30 集電リングの導電部
31 可変巻線の接続部
32 端子用ナット
33 端子用ボルト
34 AMP端子
35 編素線
36 バネ
37 銀
38 カーボン
39 枠
40 組み合わせ結合
41 ボルト
42 溝
43 ブラシの接触面
44 案内板
45、46 棒ネジ
47 ローラーベアリング
48 集電リング
49 絶縁リング
50 取り付け金物
51 絶縁棒
52 支持板
53、54、55、56 ブラシの位置
57 ボールナット
58 誘導コイル
R1・・・R4 抵抗
C1・・・C4 コンデンサ
T1、T2 小型変圧器
SCR サイリスタ
G1・・・G15 歯車
SP バネ
M1、M2 モータ

Claims (3)

  1. 内鉄形変圧器の左右2本の主脚鉄心にそれぞれ固定巻線を巻き、固定巻線の外側にそれぞれ回転可能な左右2本の巻枠を有し、左右2本の巻枠は巻枠に固定した歯車を有し、この歯車をモータの歯車に結合して巻枠を同じ方向に回転させる機構と、左側の巻枠の可変巻線を右側の巻枠に巻き取ると同時に、右側の巻枠の可変巻線を左側の巻枠に巻き取り、お互いに巻き解いた巻枠の跡に巻線を巻き取る構造の巻枠と可変巻線を有し、かつ、可変巻線は帯状の導体を巻枠と平行に6〜15枚重ねたものであり、かつ、巻枠の上下に環状の集電装置を有し、可変巻線の終端を環状の集電装置に接続することを特徴とする可変巻数変圧器
  2. 前記集電装置が、輪形の鉄心に絶縁したコイルを巻き付け、コイルにブラシが接触する面の絶縁を除き導電部とし、コイルの導電部に接触する位置にブラシを取り付け、コイルの一部に他の導電部より広い導電部を設け、この広い導電部に、コイルの巻始め、及び、巻終わり、及び、可変巻線の終端を接続する構造を有し、この集電装置を巻枠の上下に設置し、ブラシを電源に接続し、広い導電部を静止位置とし、常時はこの静止位置にブラシが接触した状態で巻枠を静止させ、巻枠を回転する場合は早く回転し、静止位置で停止する駆動機構を有することを特徴とする、請求項1記載の可変巻数変圧器。
  3. 集電装置が、円筒形のリングの一部を絶縁部とし、他の部分を導電部とした構造の集電リングを有し、集電リングに接触する位置にブラシ2組を有し、それぞれのブラシと電源の間に小型変圧器の1次側巻線を接続し、2次側の巻線に半導体スイッチを接続する回路を有し、さらに集電リングの絶縁部より180度の位置の導電部を静止位置とし、ここに可変巻線の終端を接続する構造を有し、この集電装置を巻枠の上下に設置し、常時は静止位置にブラシが接触した状態で巻枠が静止し、巻枠を回転する時は早く回転し、静止位置で停止する駆動機構を有することを特徴とする、請求項1記載の可変巻数変圧器。
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