JP4678522B2 - ステータ及び回転電機 - Google Patents

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本発明は、内周側にスロットが形成されたステータコアを備えるとともに、前記スロット内にコイル辺部が挿入されて配置されるコイルをステータ周方向に複数配列してなるステータ、及びそのステータを用いた回転電機に関する。
電動機又は発電機として用いられる回転電機に関し、一般的に、比較的出力の大きい回転電機のステータでは、予め所定形状の輪状に形成した型巻コイルが多く用いられている。このような型巻コイルは、その一対のコイル辺部をステータコアの径方向内側からスロット内に挿入することで組み付けられる。一方、コイルの組み付け後は、スロット内に挿入されたコイル辺部がステータ径方向内側に移動してロータと干渉することを防止するための構造が必要となる。しかし、上記のような型巻コイルを用いる場合、コイルのスロット占有率を維持しつつスロット内へのコイル辺部の挿入を可能にするためには、スロットのステータ径方向内側端の開口部付近に、コイル辺部の挿入の妨げとなるようなステータ周方向の突起を設けることができない。そこで、図15に示すように、ステータコア101のスロット102の開口部付近におけるティース103の両側面に、ステータ軸方向に延びる溝104を設け、その溝104に沿ってスロット楔105を挿入することで、スロット102の開口部を閉塞する構成が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
特許3514939号公報(第3頁、第5図)
上記の構成では、ティース103の先端部(ステータ径方向内側端部)付近におけるステータ軸方向の全域に、ティース103のステータ周方向の幅を狭くする溝104が設けられている。この溝104は、ティース103の先端部付近の断面積を小さくし、磁気抵抗を大きくする。すなわち、このような溝104を設けると、ティース103の内部を通過する磁束の流れが妨げられ、溝104が存在しない場合に比べて回転電機の性能が低下するという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スロット内へのコイル辺部の挿入の容易性を確保しつつ、コイルのステータ径方向内側への移動を規制でき、更にティースの磁気抵抗の増加を抑えることができるステータ及びそのステータを用いた回転電気を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、内周側にスロットが形成されたステータコアを備えるとともに、前記スロット内にコイル辺部が挿入されて配置されるコイルをステータ周方向に複数配列してなるステータの特徴構成は、前記コイルに対してステータ径方向内側において、ステータ周方向に沿って前記ステータコアの複数のスロット間にわたって配置される輪状のコイル位置規制体を備え、前記コイルは、少なくとも前記スロットからステータ軸方向に突出しているコイル端部が樹脂モールドされた型巻コイルであり、前記コイル端部の内周面に、ステータ周方向の全周にわたって、前記コイル位置規制体が嵌め込まれる周方向溝が前記樹脂モールドを用いて形成されている点にある。
この特徴構成によれば、ステータ周方向に沿って前記ステータコアの複数のスロット間にわたって配置される輪状のコイル位置規制体により、ステータ軸方向の全域にわたって上記スロット楔等のコイル位置規制手段を設けなることなく、コイルのステータ径方向内側への移動を規制することができる。またこれにより、スロットの開口部付近にコイルのステータ径方向内側への移動を規制するためのステータ周方向の突起を設ける必要がなく
なるので、スロット内へのコイル辺部の挿入を容易に行うことができる。更に、このコイル位置規制体は、ステータ周方向に沿って配置されるので、ティースの先端部付近の断面積が小さくなることがなく、ティースの磁気抵抗の増加を抑えることができる。
加えて、コイル位置規制体を周方向溝に嵌め込むだけで容易に所定位置に配置することができる。また、この構成によれば、コイル位置規制体を嵌め込むための周方向溝を構成する凹部を、コイルの樹脂モールドの際に形成することができる。したがって、ステータコアの内周面の形状をステータ軸方向全域にわたって同じ形状とすることができる。
ここで、前記コイル位置規制体は、拡径方向に弾性力を有した状態で配置されている輪状のばねとすると好適である。
このように構成すれば、縮径した状態のコイル位置規制体を所定の取り付け位置で開放することで容易に取り付けて配置することができる。また、配置後の状態で拡径方向に弾性力を有しているので、コイル位置規制体が振動等によっても容易に外れることがなく、がたつきの発生も抑制することができる。
また、前記コイル位置規制体は、磁性体で構成されていると好適である
また、前記コイル位置規制体は、ステータ軸方向に複数配置されていると好適である。
このように構成すれば、ステータ軸方向の複数箇所でコイルのステータ径方向内側への移動を規制することができるので、コイルがステータ径方向内側に移動してロータと干渉することをより確実に防止することができる。
本発明に係る回転電機の特徴構成は、上記の各構成を備えたステータと、このステータに対して相対回転可能に保持されるロータとを備える点にある。
この特徴構成によれば、ステータのティースの先端部付近の断面積を小さくすることなく、ステータコアに取り付けられたコイルのステータ径方向内側への移動を規制することができる。したがって、ティースの磁気抵抗の増加を抑えることができ、高性能な回転電
機を実現することができる。
参考実施形態〕
本発明に関連する参考実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す断面図である。この回転電機1は、U相、V相及びW相の3相交流の入出力を行う電動機及び発電機として機能する同期機(同期電動機、同期発電機)である。また、図2は、回転電機1のステータ2の構成を示す斜視図である。これらの図に示すように、本発明は、ステータコア3のスロット31内にコイル辺部が挿入されて配置されるコイル4の、ステータ径方向内側への移動を規制するためのコイル位置規制体5の構成に特徴を有するものである。以下、この回転電機1及びステータ2の各部の構成について詳細に説明する。
1.回転電機1の構成
図1に示すように、回転電機1は、本例ではステータ2、ロータ11、及びハウジング12を備えている。ステータ2は、回転電機1の電機子を構成する。このステータ2は、ハウジング12の内周面に固定されている。ステータ2の構成については後に詳細に説明する。また、ステータ2の径方向内側には、永久磁石を備えた界磁としてのロータ11が、ステータ2に対して相対回転可能に配置される。このロータ11は、その回転軸11aが、軸受12aを介してハウジング12に対して回転可能に保持されている。ハウジング12は、軸方向両側に壁部12bが設けられた円筒形状に形成されている。そして、壁部12bの径方向中央部に軸受12aが取り付けられている。なお、図1に示す例では、一方(図における左側)の壁部12bがハウジング12の本体部から分離可能とされている。
2.ステータ2の全体構成
図2に示すように、ステータ2は、内周側に複数のスロット31が形成されたステータコア3を備えるとともに、スロット31内にコイル辺部4aが挿入されて配置されるコイル4をステータ周方向D1に複数配列して構成される。
ステータコア3は、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒形状に形成されている。また、ステータコア3の内周面には、その軸方向に延びる複数のスロット31が所定の周方向間隔で設けられている。各スロット31は同じ断面形状であって、所定の幅及び深さを有している。本例では、ステータコア3の全周で24個のスロット31が設けられている。また、各スロット31間には、ステータコア3の軸方向に延びるティース32が、スロット31の幅に相当する間隔で突出形成されてスロット31を区画している。各ティース32は同じ断面形状であって、所定の幅及び長さを有している。また、ステータコア3の軸方向(ステータ軸方向)D3の中央部の内周面には、ステータ周方向D1の全周にわたって、コイル位置規制体5が嵌め込まれる周方向溝6が形成されている。なお、このステータコア3の周方向溝の構成については、後に詳細に説明する。
コイル4は、ここでは、図3に示すように、導線41を複数回巻回して構成された型巻コイルである。このコイル4は、直線状に形成された一対のコイル辺部4aと、一対のコイル辺部4a間をつなぐコイル端部4bとを有して構成されている。そして、図2に示すように、各コイル辺部4aは、ステータコア3のスロット31内にそれぞれ挿入されて配置される。本例では、一つのスロット31に一つのコイル辺部4aが収められている。また、コイル端部4bは、ステータコア3の軸方向D3の両端部から突出するように配置されている。なお、図2では、煩雑さを避けるために一部のコイル4のコイル端部4bのみを示し、他のコイル4はその断面のみを示している。そして、ステータ2の全体では、ステータ周方向D1に沿って複数個(本例では、12個)のコイル4が配列されている。
本実施形態に係るステータ2は、上記のとおり、U相、V相及びW相の3相交流の入出力を行う回転電機1に用いられる。したがって、このステータ2のステータ周方向D1に配列された複数のコイル4は、U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wの三相のコイル4に分けられる。図4は、U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wのステータコア3への配置を示す模式図である。この図において、各コイル4の両端の黒丸は一対のコイル辺部4aが挿入されるスロット31の位置を示している。また、両端の黒丸をつなぐ部分は、各コイル4のコイル端部4bのステータ径方向D2の配置関係を示している。そして、各スロット31のU、V、Wの符号は、各スロット31に挿入されるコイル辺部4aがU相、V相及びW相のいずれの相のコイル4であるかを示している。この図に示すように、本実施形態においては、U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wが、それぞれ4個ずつ配置されている。そして、それらのコイル端部4bの配置について見れば、ステータ径方向D2外側から、U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wの順に配置されている。
3.本実施形態の特徴構成
次に、本実施形態の特徴構成である、コイル位置規制体5及び周方向溝6の構成について詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るステータ2の要部を拡大して示す部分断面斜視図である。また図6は、周方向溝6の構成を示す部分断面斜視図である。図2、図5及び図6に示すように、ステータ2は、コイル4に対してステータ径方向D2内側において、ステータ周方向D1に沿ってステータコア3の複数のスロット31間(ここでは全スロット31間)にわたって配置される輪状のコイル位置規制体5を備えている。また、ステータコア3には、その内周面に、このコイル位置規制体5を嵌め込むための周方向溝6が、ステータ周方向D1の全周にわたって形成されている。
ここで、ステータコア3の内周面は、ステータ周方向D1に互いに離間して配置された複数のティース32の先端面(ステータ径方向D2の内側端面)32aにより構成されている。そして、本実施形態においては、図6に示すように、周方向溝6は、各ティース32の先端面32aにおけるステータ軸方向D3の所定位置(ここでは中央位置)に、断面コの字状の溝をそれぞれ形成することにより構成されている。すなわち、このように全てのティース32の先端面32aに設けられた溝は、ステータ軸に直交する一つの平面上において、ステータ周方向D1に沿って所定間隔で配列される。したがって、これらの複数の溝の集合によりステータ周方向D1の全周にわたる周方向溝6が構成される。
ところで、周方向溝6のステータ軸方向D3の幅w6は、コイル位置規制体5のステータ軸方向D3の幅w5より大きい寸法に設定する。この際、周方向溝6の幅w6をコイル位置規制体5の幅w5に対してわずかに大きい寸法とすると、コイル位置規制体5のステータ軸方向D3のがたつきを抑制できるので好適である。一方、周方向溝6のステータ径方向D2の深さd6は、周方向溝6の底面(ステータ径方向D2の外側面)6aが、コイル4のコイル辺部4aにおける、ステータ径方向D2の内側端面4cよりもステータ径方向D2内側に位置するように設定する。本例では、周方向溝6の底面6aが、コイル4の前記内側端面4cの設計上の位置と一致するように設定している。これにより、周方向溝6にコイル位置規制体5が嵌め込まれた状態で、コイル4のステータ径方向D2の位置が、コイル位置規制体5により設計上の位置にほぼ一致するように規制される。また、周方向溝6の深さd6は、コイル位置規制体5のステータ径方向D2の厚さt5との関係で、周方向溝6に嵌め込まれたコイル位置規制体5が、ティース32の先端面32aよりステータ径方向D2内側に突出しないように設定すると好適である。
このような周方向溝6は、ステータコア3を構成するために積層される複数枚の電磁鋼板の中の一部の電磁鋼板の形状を、他の電磁鋼板の形状と異ならせることにより形成する
ことができる。すなわち、本例の場合であれば、ステータ軸方向D3の中央位置に積層される、周方向溝6の幅w6に相当する枚数の電磁鋼板の形状を、他の電磁鋼板に対して異ならせる。具体的には、それら中央位置の電磁鋼板について、ティース32の先端部32aが、周方向溝6の深さd6分だけステータ径方向D2の外側に後退した形状とする。これにより、全ての電磁鋼板を積層してステータコア3を構成した際に、その内周面のステータ軸方向D3の中央位置に周方向溝6が形成される。
図2及び図5に示すように、コイル位置規制体5は、本実施形態においては、拡径方向に弾性力を有した状態で周方向溝6に嵌め込まれて配置される輪状のばねである。具体的には、このコイル位置規制体5は、線状のばね材を円輪形状に湾曲させることにより形成されており、したがって、円周上の一箇所にばね材の両端部が対向する間隙部5aを有している。この間隙部5aの周方向間隔は、コイル位置規制体5が周方向溝6に嵌め込まれた状態で、ティース32の先端面のステータ周方向D1の幅w32より十分に小さくなるようにすると好適である。すなわち、コイル位置規制体5の周長は、周方向溝6の全周長より僅かに短く設定すると好適である。また、コイル位置規制体5は、周方向溝6に嵌め込まれていない状態では、その外周面5bの直径が周方向溝6の底面6a(図6参照)の直径より大きくなるように形成する。これにより、コイル位置規制体5は、縮径した状態で周方向溝6に嵌め込まれることになり、拡径方向に弾性力を有した状態で周方向溝6内に配置されることになる。よって、コイル位置規制体5が振動等によっても容易に外れることがなく、がたつきの発生も抑制することができる。なお、本例では、断面が略正方形の線状のばね材を用いてコイル位置規制体5を形成しているが、断面形状は任意であり、円形や長方形等のように他の断面形状としてもよい。
また、コイル位置規制体5を構成するばね材は、磁性体とすると好適である。このようにコイル位置規制体5を磁性体で構成すると、コイル位置規制体5が、コイルで発生した磁束に与える影響を最小限に抑えることができる。したがって、コイル位置規制体5を設けることによる回転電機1の性能低下を最小限に抑えることができる。
図7及び図8は、周方向溝6への組み付け前後のコイル位置規制体5の状態を示すステータ2の断面図である。コイル位置規制体5は、周方向溝6への組み付けの際には、図7に示すように、間隙部5a近傍部分を交差させるようにして縮径した状態で、ステータコア3の軸方向D3の一方端からステータコア3の内部に挿入する。そして、周方向溝6と同じステータ軸方向D3の位置において、縮径した状態から開放することにより、図8に示すように、周方向溝6にコイル位置規制体5が嵌め込まれる。これにより、ステータコア3に取り付けられたコイル4のステータ径方向D2内側への移動が規制される。
第一の実施形態〕
次に、本発明の第一の実施の形態について説明する。図9は、本実施形態に係るステータ2の要部を拡大して示す部分断面斜視図である。また図10は、周方向溝6の構成を示す部分断面斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態に係るステータ2では、コイル4として、その全体が樹脂モールドされた型巻コイルを用いる。そして、コイル位置規制体5が嵌め込まれる周方向溝6が、ステータコア3のスロット31からステータ軸方向D3に突出しているコイル端部4bの内周面4dに、前記樹脂モールドとステータコア3の軸方向端面(ステータ軸方向D3の端面)3aとを用いて形成されている。したがって、本実施形態においては、ステータコア3の内周面には、周方向溝6は形成されていない。これらの点で、本実施形態に係るステータ2は、上記参考実施形態と相違する。その他の点に関しては、上記参考実施形態と同様である。以下、相違点に関して詳細に説明する。
上記参考実施形態と同様に、本実施形態に係るステータ2では、図4に示すように、
U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wが、それぞれ4個ずつ配置されている。そして、それらのコイル端部4bの配置について見れば、ステータ径方向D2外側から、U相用コイル4U、V相用コイル4V、及びW相用コイル4Wの順に配置されている。すなわち、本例では、図9に示すように、ステータコア3のスロット31内にコイル辺部4aが挿入されて配置された状態で、樹脂モールドされたコイル端部4bが、ステータ径方向D2外側からU相、V相及びW相の順に三層に重ねられて配置されている。したがって、これら3相のコイル4の中で、W相用コイル4Wのコイル端部4bが、ステータ径方向D2の最も内側に配置され、その内周面が、ステータ周方向D1の全周にわたってコイル端部4bの内周面4dを構成する。
図11は、本実施形態に係るW相用コイル4Wの形状を示す斜視図である。この図に示すように、コイル4は、導線41を複数回巻回して構成された型巻コイルの全体を樹脂モールドにより所定形状に成形したものである。具体的には、一対のコイル辺部4aは、スロット31の内部形状に合致する断面矩形の柱状に形成されている。また、コイル端部4bは、一対のコイル辺部4aの上端同士及び下端同士を接続し、ステータ周方向D1に沿って湾曲した柱状に形成されている。ここで、コイル端部4bは、コイル辺部4aのステータ径方向D2の内側端面4cよりもステータ径方向D2内側に突出するように形成されている。これにより、コイル端部4bの内周面4dに段差部4eが形成されている。なお、U相用コイル4及びV相用コイル4は、ステータ径方向D2のコイル端部4bの配置が異なる他は、W相用コイル4Wの形状と同じである。すなわち、図9に示すように、ステータコア3に取り付けた状態で、V相用コイル4Vのコイル端部4bは、W相用コイル4Wのコイル端部4bのステータ径方向D2の外側に配置されるように形成され、U相用コイル4Uのコイル端部4bは、V相用コイル4Vのコイル端部4bの更にステータ径方向D2の外側に配置されるように形成されている。
そして、本実施形態においては、図10に示すように、コイル位置規制体5が嵌め込まれる周方向溝6は、コイル端部4bの樹脂モールドにより形成された内周面4dの段差部4eと、ステータコア3の軸方向端面3aとにより構成されている。すなわち、本実施形態においては、周方向溝6は、段差部4eとステータコア3の軸方向端面3aとにより周方向溝6の幅方向(ステータ軸方向D3)の両側面が構成され、段差部4eよりコイル辺部4a側のコイル端部4bの内周面4dにより周方向溝6の底面6aが構成される。ここで、周方向溝6を構成するステータコア3の軸方向端面3aは、具体的には、ステータコア3のティース32の先端部(ステータ径方向D2の内側端部)の軸方向端面3aである。そして、W相用コイル4Wの内周面4dは、ステータコア3に取り付けられた状態でステータ周方向D1の全周にわたってコイル端部4bの内周面4dを構成しており、ステータコア3のティース32の先端部の軸方向端面3aもステータ周方向D1の全周にわたって配置されている。したがって、周方向溝6は、ステータ周方向D1の全周にわたって形成される。
また、図10には、ステータ軸方向D3の一方のコイル端部4bのみを示しているが、ステータ軸方向D3の他方のコイル端部4bにも同様に周方向溝6が形成されている。そして、このステータ軸方向D3両側のコイル端部4bに形成された周方向溝6のそれぞれにコイル位置規制体5が嵌め込まれる。これにより、ステータ軸方向D3の2箇所にコイル位置規制体5が配置されることになる。よって、コイル4のステータ径方向内側への移動を、コイル4のステータ軸方向D3の両端部近傍で規制することができる。なお、コイル位置規制体5の構成は、上記参考実施形態と同様である。
第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。図12は、本実施形態に係るステータ2の要部を拡大して示す部分断面斜視図である。また図13は、周方向溝6の構成を
示す部分断面斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態に係るステータ2では、コイル位置規制体5が嵌め込まれる周方向溝6が、ステータコア3のスロット31からステータ軸方向D3に突出しているコイル端部4bの内周面4dの樹脂モールドのみを用いて形成されている点で、上記第一の実施形態と相違する。その他の点に関しては、上記第一の実施形態と同様である。以下、相違点に関して詳細に説明する。
図14は、本実施形態に係るW相用コイル4Wの形状を示す斜視図である。このコイル4は、上記第一の実施形態と同様に、導線41を複数回巻回して構成された型巻コイルの全体を樹脂モールドにより所定形状に成形したものである。具体的には、一対のコイル辺部4aは、スロット31の内部形状に合致する断面矩形の柱状に形成されている。また、コイル端部4bは、一対のコイル辺部4aの上端同士及び下端同士を接続し、ステータ周方向D1に沿って湾曲した柱状に形成されている。そして、本実施形態に係るコイル4は、コイル端部4bの樹脂モールドにより形成された内周面4dに、ステータ周方向D1に沿って周方向溝6が形成されている。なお、U相用コイル4及びV相用コイル4については、上記第一の実施形態と同様である。
図13に示すように、ステータコア3に取り付けられた状態で、W相用コイル4Wの内周面4dは、ステータ周方向D1の全周にわたってコイル端部4bの内周面4dを構成している。したがって、周方向溝6は、ステータ周方向D1の全周にわたって形成される。また、図12には、ステータ軸方向D3の一方のコイル端部4bのみを示しているが、ステータ軸方向D3の他方のコイル端部4bにも同様に周方向溝6が形成されている。そして、このステータ軸方向D3両側のコイル端部4bに形成された周方向溝6のそれぞれにコイル位置規制体5が嵌め込まれる。これにより、ステータ軸方向D3の2箇所にコイル位置規制体5が配置されることになる。なお、コイル位置規制体5の構成は、上記参考実施形態と同様である。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態では、コイル位置規制体5が輪状のばねである場合について説明した。しかし、コイル位置規制体5は、これ以外の構成とすることも可能である。例えば、コイル位置規制体5は、周方向に複数個に分割した輪状体とすることも可能である。ただし、この場合は、コイル位置規制体5を周方向溝6の内部に固定するための構成が必要となる。このような構成としては、例えば、周方向溝6のステータ軸方向D3の幅w6をコイル位置規制体5のステータ軸方向D3の幅w5とほぼ同じ寸法とし、コイル位置規制体5を周方向溝6に圧入して固定する構成や、コイル位置規制体5を周方向溝6の内部に接着剤等により接着する構成等を用いることができる。
(2)上記の各実施形態では、コイル位置規制体5を磁性体により構成する場合について説明した。しかし、コイル位置規制体5の材質はこれに限定されるものではない。したがって、例えば、磁性体以外のばね材等によりコイル位置規制体5を構成することも可能である。
(3)上記第一及び第二の実施形態では、コイル4として、その全体が樹脂モールドされた型巻コイルを用いる場合を例として説明した。しかし、少なくともスロット31からステータ軸方向D3に突出しているコイル端部4bが樹脂モールドされていれば、上記第一及び第二の実施形態と同様の構成を実現することが可能である。したがって、例えば、コイル端部4bのみが樹脂モールドされた型巻コイルを用い、コイル端部4bの内周面4dに、樹脂モールドを用いて周方向溝6を形成した構成とすることも好適な実施形態の一つである。
(4)上記第一及び第二の実施形態では、W相用コイル4Wのコイル端部4bが、ステー
タ径方向D2の最も内側に配置され、その内周面がコイル端部4bの内周面4dを構成する場合を例として説明した。しかし、このようなコイル端部4bの配置関係は単なる一例である。したがって、その他の配置関係がとられる場合であっても、ステータ径方向D2の最も内側に配置されるコイル端部4bの内周面に周方向溝6を形成すれば、上記第一及び第二の実施形態と同様に、コイル位置規制体5を配置することができる。
(5)上記の各実施形態では、回転電機1が同期機である場合を例として説明した。しかし、本発明は、回転電機が誘導電動機や誘導発電機等の誘導機である場合等にも好適に用いることができる。
本発明は、電動機又は発電機として用いられる回転電機のステータ、及びそれを用いた回転電機に適用することが可能である。
本発明の実施形態に係る回転電機の全体構成を示す断面図 本発明の参考実施形態に係る回転電機のステータの構成を示す斜視図 本発明の参考実施形態に係るコイルを示す斜視図 本発明の実施形態に係る各コイルのステータコアへの配置を示す模式図 本発明の参考実施形態に係るステータの要部を拡大して示す部分断面斜視図 本発明の参考実施形態に係る周方向溝の構成を示す部分断面斜視図 周方向溝への組み付け前のコイル位置規制体の状態を示すステータの断面図 周方向溝への組み付け後のコイル位置規制体の状態を示すステータの断面図 本発明の第一の実施形態に係るステータの要部を拡大して示す部分断面斜視図 本発明の第一の実施形態に係る周方向溝の構成を示す部分断面斜視図 本発明の第一の実施形態に係るW相用コイルの形状を示す斜視図 本発明の第二の実施形態に係るステータの要部を拡大して示す部分断面斜視図 本発明の第二の実施形態に係る周方向溝の構成を示す部分断面斜視図 本発明の第二の実施形態に係るW相用コイルの形状を示す斜視図 背景技術に係るステータの構成を示す断面図
1:回転電機
2:ステータ
3:ステータコア
31:スロット
32:ティース
4:コイル
4a:コイル辺部
4b:コイル端部
4d:コイル端部の内周面
5:コイル位置規制体
6:周方向溝
11:ロータ
D1:ステータ周方向
D2:ステータ径方向
D3:ステータ軸方向

Claims (5)

  1. 内周側にスロットが形成されたステータコアを備えるとともに、前記スロット内にコイル辺部が挿入されて配置されるコイルをステータ周方向に複数配列してなるステータであって、
    前記コイルに対してステータ径方向内側において、ステータ周方向に沿って前記ステータコアの複数のスロット間にわたって配置される輪状のコイル位置規制体を備え
    前記コイルは、少なくとも前記スロットからステータ軸方向に突出しているコイル端部が樹脂モールドされた型巻コイルであり、
    前記コイル端部の内周面に、ステータ周方向の全周にわたって、前記コイル位置規制体が嵌め込まれる周方向溝が前記樹脂モールドを用いて形成されているステータ。
  2. 前記コイル位置規制体は、拡径方向に弾性力を有した状態で配置されている輪状のばねである請求項1に記載のステータ。
  3. 前記コイル位置規制体は、磁性体で構成されている請求項1又は2に記載のステータ。
  4. 前記コイル位置規制体は、ステータ軸方向に複数配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のステータ。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のステータと、このステータに対して相対回転可能に保持されるロータとを備える回転電機。
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