JP4676939B2 - 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法 - Google Patents

塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4676939B2
JP4676939B2 JP2006250084A JP2006250084A JP4676939B2 JP 4676939 B2 JP4676939 B2 JP 4676939B2 JP 2006250084 A JP2006250084 A JP 2006250084A JP 2006250084 A JP2006250084 A JP 2006250084A JP 4676939 B2 JP4676939 B2 JP 4676939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
steel wire
cleaning liquid
containing cleaning
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006250084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008069419A (ja
Inventor
豊 左田野
正弘 土岐
幸弘 高橋
康裕 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006250084A priority Critical patent/JP4676939B2/ja
Publication of JP2008069419A publication Critical patent/JP2008069419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4676939B2 publication Critical patent/JP4676939B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

本発明は,オーステナイト状態の鋼線ルーズコイルを溶融塩浴により冷却する際に鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩を回収する,塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法に関する。
従来より,中・高炭素鋼の線材を製造する際に,鋼線材に強度を付与することを目的として,鋼線材を熱間圧延してから,そのままのオーステナイト状態又はオーステナイト状態まで再加熱してから500℃前後の温度まで急冷して微細パーライトに変態させるパテンティングと呼ばれる熱処理技術が知られている。
特に,熱間圧延された直後の鋼線ルーズコイルの顕熱を利用するように,上述したパテンティングを,圧延ラインに続けてインラインで直接的に行う直接熱処理技術は,直接パテンティングと呼ばれる(特許文献1参照)。
直接パテンティングは,例えば以下のようにして行われる。まず,圧延ラインにおいて熱間圧延した鋼線材をオーステナイト状態のまま巻き取って連続する非同心リング状態である鋼線ルーズコイルにしてから,この鋼線ルーズコイルを,第1及び第2の溶融塩浴槽内に満たされた溶融塩に浸漬させながら搬送し,冷却処理及び恒温処理を施す。次いで,鋼線ルーズコイルを例えば水等の洗浄液で洗浄し,鋼線ルーズコイルの表面に付着した溶融塩を除去してから収束装置で鋼線コイル製品にする。
鋼線ルーズコイルを洗浄した洗浄液に含まれる塩は回収される(非特許文献1参照)。特許文献2,3には,鋼線ルーズコイルを洗浄した後の塩含有洗浄液を第1の溶融塩浴槽の溶融塩にスプレーすることによって,溶融塩を回収する塩回収装置が開示されている。
特開昭56−38426号公報 実開昭61−191461号公報 特開平2−245213号公報 製鉄研究,315,94(1984)
しかしながら,第1の溶融塩浴槽の溶融塩は,鋼線ルーズコイルを所定の冷却速度で冷却するよう450℃程度の高温に維持されている。このため,上記特許文献2,3に記載の塩回収装置を用いて溶融塩を回収する際に,塩含有洗浄液を第1の溶融塩浴槽の溶融塩にスプレーすると,高温の溶融塩表面で激しい沸騰現象が起こり,水蒸気と共に塩の蒸気(ヒューム)が発生し,集塵機の集塵能力を低下させたり,集塵機までのダクトを閉塞させる等,本設備周辺の環境を汚染してしまう場合がある。
本発明は,上記課題に鑑みてなされたものであり,鋼線ルーズコイルを溶融塩に浸漬して冷却する際に,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩を,安全に且つ環境汚染を生じさせずに回収する塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために,本発明によれば,溶融塩浴による熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液から塩を回収する塩回収装置において,溶融塩浴槽の溶融塩と塩含有洗浄液とを熱交換させ,塩含有洗浄液の水分を蒸発させる熱交換器と,前記溶融塩浴槽の溶融塩を,前記熱交換器に循環供給させる循環経路と,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給する供給経路と,を有し,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であり,前記熱交換器は,その内部に塩含有洗浄液を導入する導入口,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を排出する排出口,及び前記熱交換器にて蒸発させた塩含有洗浄液の水分を蒸気として排気する排気口,を備えた容器と,該容器内に配設され,前記循環経路によって循環供給させた前記溶融塩浴槽の溶融塩が流れる熱交換用配管と,を有し,前記熱交換用配管の少なくとも一部が,前記容器内に導入された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置され,前記容器は,前記塩含有洗浄液導入口と前記塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた,塩含有洗浄液を各々貯留する複数の熱交換用貯留部を有し,前記堰の下部には,塩含有洗浄液が移動可能な孔が設けられ,前記熱交換用配管は,前記熱交換用貯留部に各々貯留された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置されていることを特徴とする塩回収装置が提供される。
前記塩回収装置において,前記熱交換器で回収された塩の排出口には,温度を検知して開閉するバルブを設置してもよい。
本発明によれば,溶融塩浴により鋼線ルーズコイルを熱処理する熱処理設備において,鋼線ルーズコイルを溶融塩浴槽に浸漬させながら搬送し,熱処理する熱処理装置と,前記熱処理装置で熱処理した鋼線ルーズコイルを洗浄液で洗浄する洗浄装置と,前記溶融塩浴槽の溶融塩と前記鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液とを熱交換させ,塩含有洗浄液の水分を蒸発させる熱交換器と,前記溶融塩浴槽の溶融塩を,前記熱交換器に循環供給させる循環経路と,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給する供給経路と,を有し,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であり,前記熱交換器は,その内部に塩含有洗浄液を導入する導入口,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を排出する排出口,及び前記熱交換器にて蒸発させた塩含有洗浄液の水分を蒸気として排気する排気口,を備えた容器と,該容器内に配設され,前記循環経路によって循環供給させた前記溶融塩浴槽の溶融塩が流れる熱交換用配管と,を有し,前記熱交換用配管の少なくとも一部が,前記容器内に導入された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置され,前記容器は,前記塩含有洗浄液導入口と前記塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた,塩含有洗浄液を各々貯留する複数の熱交換用貯留部を有し,前記堰の下部には,塩含有洗浄液が移動可能な孔が設けられ,前記熱交換用配管は,前記熱交換用貯留部に各々貯留された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置されていることを特徴とする,鋼線ルーズコイルの熱処理設備が提供される。
前記鋼線ルーズコイルの熱処理設備において,前記洗浄装置で洗浄する前に,前記熱処理装置で熱処理した鋼線ルーズコイルにガス又は蒸気を噴射する噴射装置を有していてもよい。
前記鋼線ルーズコイルの熱処理設備において,前記塩排出口に,温度を検出して開閉するバルブが設けられていてもよい。
本発明によれば,溶融塩浴による熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液から塩を回収する塩回収方法において,前記溶融塩浴槽の溶融塩と塩含有洗浄液とを熱交換させ,熱交換させる塩含有洗浄液は,塩含有洗浄液導入口と塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた他の熱交換用貯留部に前記堰の下部に設けられた孔から搬送され,塩含有洗浄液の水分を複数回に亘って段階的に蒸発させると共に,前記溶融塩浴槽の溶融塩を冷却し,前記水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給し,前記水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であることを特徴とする,塩回収方法が提供される。
上記塩回収方法において,前記熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄する前に,ガス又は蒸気を噴射し,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩の一部を吹飛ばしておくようにしてもよい。
本発明によれば,溶融塩浴により鋼線ルーズコイルを熱処理する鋼線ルーズコイルの熱処理方法において,溶融塩浴槽の溶融塩によって鋼線ルーズコイルを熱処理し,前記熱処理した鋼線ルーズコイルを洗浄液で洗浄し,前記溶融塩浴槽の溶融塩と前記鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液とを熱交換させ,熱交換させる塩含有洗浄液は,塩含有洗浄液導入口と塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた他の熱交換用貯留部に前記堰の下部に設けられた孔から搬送され,塩含有洗浄液の水分を複数回に亘って段階的に蒸発させると共に,前記溶融塩浴槽の溶融塩を冷却し,前記水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給することを特徴とする,鋼線ルーズコイルの熱処理方法が提供される。
上記鋼線ルーズコイルの熱処理方法において,前記水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であってもよい。
上記鋼線ルーズコイルの熱処理方法において,前記熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄する前に,ガス又は蒸気を噴射し,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩の一部を吹飛ばしておくようにしてもよい。
本発明によれば,溶融塩浴による熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄した後の塩含有洗浄液から塩を回収する際に,溶融塩浴槽の溶融塩と塩含有洗浄液とを熱交換させ,塩含有洗浄液の水分を蒸発させてから回収した塩を溶融塩浴槽内に戻すようにしたことによって,温度差が大きい2つの液体を直接接触させた場合に生じる激しい沸騰及び塩のヒューム等の発生を防止し,これによるトラブルも防止できる。また,鋼線ルーズコイルを冷却する際に温度上昇した溶融塩浴槽の溶融塩の熱を,塩含有洗浄液の水分を蒸発させる熱として有効に利用することができる。特に,塩含有洗浄液から急激にではなく,複数回に亘って段階的に水分を蒸発させると,冷却槽に戻す塩の水分を大量に蒸発させ,水分がゼロ若しくは非常に少ない高濃度の状態で戻すことができ,激しい沸騰及び塩のヒューム等の発生をより効果的に防止できる。さらに,鋼線ルーズコイルを洗浄する前に,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩を吹飛ばして付着量を低減させた場合には,塩含有洗浄液からの塩の回収量が減るため,回収設備をより小型化することができる。以上の点から,本発明によれば,鋼線ルーズコイルの洗浄に用いた洗浄液中に含有する塩を安全且つ確実に回収することができる。
以下,図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について説明をする。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は,本発明の実施の形態に係る熱処理設備1が適用された鋼線材の製造ライン2の構成図である。製造ライン2は,図1に示すように,例えば鋼のビレットを連続する非同心リング状態の鋼線ルーズコイルWに熱間圧延する圧延ライン3の下流に,鋼線ルーズコイルWを直接パテンティングする熱処理ライン4を設けた構成を有する。鋼線材の製造ライン2では,鋼のビレット及び鋼線ルーズコイルWは,図1中,右向きに搬送される。
圧延ライン3は,鋼ビレットを熱間圧延温度に加熱する加熱炉10,加熱された鋼ビレットを粗・中間圧延する粗・中間圧延機11,粗・中間圧延された鋼ビレットを鋼線材に圧延する仕上げ圧延機12,及び鋼線材を連続する非同心リング状態の鋼線ルーズコイルWに巻取る巻取り機13が,搬送方向に沿って順に配置された構成を有する。図1に示すように,巻取り機13で成形された鋼線ルーズコイルWは,下流の熱処理ライン4に搬送される。
熱処理ライン4は,上流の圧延ライン3から連続する非同心リング状態で搬送された鋼線ルーズコイルWを,直接熱処理(直接パテンティング)する熱処理設備1と,直接熱処理した鋼線ルーズコイルWを鋼線コイルに成形する収束装置15とが,搬送方向に沿って順に配置された構成を有する。
図2は,本発明の実施の形態に係る熱処理設備1の構成図である。図2では,鋼線ルーズコイルWは,右向きに搬送される。熱処理設備1は,圧延ライン3から搬送された鋼線ルーズコイルWを溶融塩で熱処理する熱処理装置20,該熱処理装置20で熱処理した鋼線ルーズコイルWを洗浄液としての水で洗浄する洗浄装置21,及び本発明の実施の形態に係る塩回収装置22を有する。なお,本実施の形態では,溶融塩として,NaNo−KNOを用いている。熱処理装置20は,圧延ライン3から搬送された鋼線ルーズコイルWを溶融塩により例えば450℃前後の温度まで冷却する冷却装置25,冷却された鋼線ルーズコイルWを溶融塩により例えば550℃の温度に所定時間保持する恒温装置26が搬送方向に沿って順に配置された構成を有する。
冷却装置25は,溶融塩を450℃前後の温度で貯留する溶融塩浴槽としての冷却槽30を備えている。冷却装置25は,圧延ライン3から搬送された鋼線ルーズコイルWを,搬送ロール(図示せず)によって冷却槽30内の溶融塩に浸漬させながら搬送方向に沿って搬送するように構成されている。
恒温装置26は,溶融塩を550℃前後の温度で貯留する溶融塩浴としての恒温槽31を備えている。恒温装置26は,冷却装置25から搬送された鋼線ルーズコイルWを,搬送ロール(図示せず)によって恒温槽31内の溶融塩に浸漬させながら搬送するように構成されている。恒温装置26内の出側の位置の上方には,高圧ガス又は蒸気を鉛直方向に対して傾斜した下向きの噴射方向に噴射する噴射装置35が設けられている。この噴射装置35は,溶融塩浴から出た鋼線ルーズコイルWが恒温装置26から退出する前に高圧ガス又は蒸気を噴射し,鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩の一部を吹飛ばして,溶融塩浴に落とすように構成されている。
洗浄装置21は,例えば水等の洗浄液を鉛直方向下向きに噴射するノズル41を鋼線ルーズコイルWの搬送経路に沿ってケーシング40内の上部に備えた構成を有する。洗浄装置21は,搬送ロール(図示せず)によってケーシング40内で鋼線ルーズコイルWを水平方向に搬送しながら,ノズル41から洗浄液を噴射し,鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩を除去するように構成されている。ケーシング40内の下部には,鋼線ルーズコイルWを洗浄した後の塩含有洗浄液を貯留する回収槽42が設けられている。
塩回収装置22は,冷却装置25の冷却槽30に貯留され,鋼線ルーズコイルWを冷却した溶融塩と,洗浄装置21の回収槽42に貯留され,鋼線ルーズコイルWを洗浄した後の塩含有洗浄液とを熱交換させる熱交換器としての蒸発器50を,冷却槽30の外に備えた構成を有する。図3は,塩回収装置22が備える蒸発器50の構成を説明する構成図である。
図3に示すように,蒸発器50は,その内部に塩含有洗浄液が導入される直方体形状の容器55を備えている。容器55の上面には,長手方向Xの一端部側に容器55内に塩含有洗浄液を導入する導入口60が設けられている。この導入口60には,図2に示す洗浄装置21の回収槽42の塩含有洗浄液を蒸発器50に導入する配管61がポンプ62を介して接続されている。また,容器55の上面には,長手方向Xの中央付近に,容器55内で熱交換によって蒸発させた塩含有洗浄液の水分を蒸気として排気する排気口63が設けられている。この排気口63には外部に通じた排気管65が接続されている。
容器55の下面には,長手方向Xの他端部側(即ち,塩含有洗浄液導入口60と反対側)に,容器55内で熱交換させて水分を蒸発させて得られた塩を排出する排出口70が設けられている。この塩排出口70には,冷却槽30に通じる供給経路としての配管71が接続され,水分を蒸発させて得られた塩を冷却槽30に供給できるように構成されている。
図3に示すように,容器55の底面上には,長手方向Xにおいて塩含有洗浄液導入口60側に,(長手方向Xに直交する)幅方向Yに沿って鉛直方向Zに立設した堰75が設けられている。塩含有洗浄液導入口60の下方には,この堰75と,容器55の三方の内面とによって,塩含有洗浄液導入口60から導入された塩含有洗浄液を貯留する貯留部80が形成されている。さらに,貯留部80と塩排出口70との間には,堰75と同様に,容器55の底面上に幅方向Yに沿って鉛直方向Zに立設した4つの熱交換用堰76〜79が設けられている。容器55内下部は,これら4つの熱交換用堰76〜79によって各々仕切られ,各々が塩含有洗浄液を貯留可能な5つの熱交換用貯留部81〜85が形成されている。
貯留部80及び熱交換用貯留部81〜85は,いずれも上方が開放され,堰75及び熱交換用堰76〜79より上側で互いに連通している。本実施の形態では,堰75と,4つの熱交換用堰76〜79は全て,容器55の上面に達しない同一の高さに設定されている。また,容器55内に導入された塩含有洗浄液が貯留部80に満杯に貯留されると,堰75を越えて,隣接する熱交換用貯留部81に溢流するように構成されている。
これに対して,熱交換用貯留部81〜85を仕切る各熱交換用堰76〜79には,各々の下部に小孔90が設けられており,各熱交換用貯留部81〜85に貯留された塩含有洗浄液が,堰76〜79の各小孔90を通して各熱交換用貯留部81〜85間を移動できるようになっている。本実施の形態では,貯留部80から溢流した塩含有洗浄液が容器55内を長手方向Xに沿って,熱交換用貯留部81,82,83,84及び85を順に移動するように構成されている。また,熱交換用貯留部85の下部にある塩排出口70の配管71にはバルブ72が接続されており,このバルブ72を開閉することにより,特に,本回収装置の始動時,終了時等の非定常状態で,水分濃度の高い即ち温度の低い回収塩の冷却槽30への流入をストップすることもできる。
容器55内には,冷却槽30の溶融塩を容器55内に循環供給させる熱交換用配管95が配設されている。熱交換用配管95の両端は,いずれも容器55の長手方向Xの他端部側(即ち,塩含有洗浄液導入口60と反対側)の側面を貫通し,一方に溶融塩が流入する流入口100を備え,他方に溶融塩が流出する流出口101を備えた構成を有する。本実施の形態では,流出口101が流入口100よりも下側に設けられており,熱交換用配管95は,流入口100から熱交換用貯留部81〜85の全てを通過するように長手方向Xに沿って水平方向に往復してから流出口101に到達するように配置されている。また,熱交換用配管95は,長手方向Xに沿って水平方向に配置された往路及び復路の流入口100及び流出口101の間で,熱交換用貯留部81〜85に各々貯留された塩含有洗浄液と熱的に接触するようになっている。
熱交換用配管95の流入口100は,冷却槽30とポンプ104を介して配管105で接続されている。また,熱交換用配管95の流出口101は,冷却槽30と配管106で接続されている。本実施の形態では,ポンプ104によって配管105から流入口100経由で蒸発器50の容器55内に循環供給された冷却槽30の溶融塩が,容器55内にて熱交換用配管80を進行する際に塩含有洗浄液と間接的な熱交換を行ってから,流出口101経由で配管106から冷却槽30に戻る循環経路が構成されている。
図3に示した熱交換器50は伝熱管である熱交換用配管95を容器50内に水平方向に配置したものであるが,図4に示すように,各部分を区切る堰75,76,79を同心円状に配置すると共に,熱交換用配管95を環状に形成された熱交換用貯留部81,82,85に沿って螺旋状又は環状に配置するようにしてもよい。なお,溶融塩が流れる熱交換用配管95を横向きではなく,縦向きに配置するようにしてもよい。
また,熱交換器50の容器50内の各部分を区切る堰75,76,79は,図5に示すように,熱交換用貯留部81,82,85が入れ子式に形成されるように構成してもよい。図5に示す熱交換器50は,図4に示す熱交換器50と同様に熱交換用配管95は螺旋状に配置されている。また,図5に示す熱交換器50には,塩排出口70が設けられた熱交換用貯留部85内の溶融塩の温度を測定する温度センサ73が設けられており,配管71のバルブ72は,この温度センサ73に基づいて開閉されるように構成されている。
また,図3では蒸発器22の中を6つの部分に分割した事例を示したが,図4に示すように,蒸発器の中を任意の数に分割してもよい。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る熱処理設備1を用いて,上流の圧延ライン3で圧延されてから,連続する非同心リング状態に成形された鋼線ルーズコイルWを,搬送しながら溶融塩30で熱処理する熱処理方法について図1〜図3を用いて説明する。
熱処理ライン4の上流にある圧延ライン3において,鋼のビレットを加熱炉10で熱間圧延温度まで加熱してから,この鋼ビレットを搬送しながら粗・中間圧延機11で粗・中間圧延し,次いで仕上げ圧延機12によって仕上げ圧延して鋼線材に成形する。この鋼線材を,巻取り機13によって,連続する非同心リング状態に巻取って鋼線ルーズコイルWに成形してから,この鋼線ルーズコイルWを搬送ロール(図示せず)によって下流の熱処理ライン4に搬送する。
圧延ライン3から連続する非同心リング状態で搬送された鋼線ルーズコイルWを熱処理装置20に搬送する。圧延ライン3で例えば800℃を超える温度に加熱したオーステナイト状態の鋼線ルーズコイルWを冷却装置25の冷却槽30に進入させる。冷却槽30に進入させた鋼線ルーズコイルWを,冷却槽30の溶融塩に浸漬させながら搬送方向に沿って搬送し,500℃前後の温度まで冷却する。
鋼線ルーズコイルWが溶融塩で冷却される際には,冷却槽30の溶融塩が,鋼線ルーズコイルWの熱によって加熱されている。加熱された溶融塩を,ポンプ104によって,冷却槽30から吸上げ,配管105を介して蒸発器50の容器55内の熱交換用配管95に供給する。
鋼線ルーズコイルWを搬送方向に沿って搬送し,冷却槽30から退出させ,恒温装置26の恒温槽31に進入させる。恒温槽31に進入させた鋼線ルーズコイルWを,恒温槽31の溶融塩に浸漬させながら搬送方向に沿って搬送し,550℃の温度に所定時間保持する。鋼線ルーズコイルWを搬送方向に沿って搬送し,恒温槽31内の溶融塩から上昇した鋼線ルーズコイルWが恒温装置26から退出する前に,噴射装置35から鋼線ルーズコイルWに向けて高圧ガス又は蒸気を噴射するのが好ましい。これにより,鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩の一部を吹飛ばすことができる。
鋼線ルーズコイルWを搬送方向に沿って搬送し,恒温槽31から退出させ,洗浄装置21のケーシング40に進入させる。ケーシング40に進入させた鋼線ルーズコイルWを,水平方向に搬送しながらノズル41から洗浄液を鋼線ルーズコイルWに向けて噴射する。これにより,鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩が,洗浄液によって除去され,塩含有洗浄液がケーシング40の下部にある回収槽42に貯留する。鋼線ルーズコイルWを搬送方向に沿って搬送し,洗浄装置21から退出させ,下流にある収束装置15で鋼線コイルに成形する。
回収槽42に貯留した塩含有洗浄液を,回収槽42からポンプ62によって吸上げ,配管61を介して蒸発器50の容器55内に導入する。配管61から導入口60経由で容器55内に導入された塩含有洗浄液は,まず,導入口60の下方にある貯留部80に貯留される。そして,貯留部80に貯留されて満杯になった塩含有洗浄液は,堰75を越えて,隣接する熱交換用貯留部81に溢流する。このようにして熱交換用貯留部81に貯留された塩含有洗浄液は,後述するように熱交換用配管95を流れる溶融塩によって熱交換されながら,熱交換用堰76の下部に設けた小孔90経由で隣接する熱交換用貯留部82に進行する。以下同様にして,塩含有洗浄液は,熱交換用堰77〜79の下部に各々設けた各小孔90を経由し,後述するように熱交換用配管95を流れる溶融塩によって熱交換されながら,熱交換用貯留部82,83,84及び85を順に進行する。
既述したように,蒸発器50の容器55内に配設された熱交換用配管95内には,冷却槽30からポンプ104で吸上げられ,配管105から流入口100経由で循環供給された溶融塩が流れている。図3の実線矢印で示すように,流入口100から容器55内の熱交換用配管95に流入した溶融塩は,水平に配置された配管を上から下に移動し,容器55内を往復する際に熱交換用貯留部81〜85を通過して流出口101に向かって流れる。このように溶融塩が流れる際に,熱交換用配管95を流れる溶融塩と,各熱交換用貯留部81〜85に貯留された塩含有洗浄液とを,間接的に熱的に接触させて熱交換させる。この熱交換によって冷却された溶融塩を,流出口101経由で配管106から冷却槽30に戻す。以下同様に,冷却槽30の溶融塩は,配管105,106及びポンプ104を備えた循環経路によって,蒸発器50に循環供給され,蒸発器50内で塩含有洗浄液との熱交換により冷却された後に冷却槽30に戻される。
これに対して,蒸発器50内の塩含有洗浄液は,熱交換用貯留部81,82,83,84及び85を順に進行しながら,熱交換用配管95を流れる溶融塩によって加熱され,その水分が蒸発分離される。蒸発した水分は,蒸気として,蒸発器50の排気口63経由で排気管65から外部に排気される。なお,塩含有洗浄液は,熱交換用堰77〜79の下部に各々設けた各小孔90を介して移動するため,各熱交換用貯留部81〜85に貯留された塩含有洗浄液のうちで,より水分が少なく,高濃度で比重の重い塩含有洗浄液だけが隣接する各熱交換用貯留部81〜85に移動するようになっている。また,この高濃度で比重の重い塩含有洗浄液(回収塩)はその温度も上昇している。即ち,図3に示すように,熱交換用貯留部81〜85に各々貯留された塩含有洗浄液(回収塩)は,熱交換用貯留部85,84,83,82及び81の順で,貯留量が少なく,水分も少なく濃度が高く,温度も高くなっている。温度が300℃を超えると回収塩の水分はゼロとなり純粋な溶融塩となる。
本実施の形態では,貯留部80及び各熱交換用貯留部81〜84を経て最終的に熱交換用貯留部85に貯留された回収塩は,熱交換用配管95内を流れる溶融塩との熱交換によって,塩が少量の水で希釈され,凝固点が下がった液体状態になっている。以下,本明細書中では,塩が少量の水で希釈され,凝固点が下がったこの液体状態を,「水希釈状態」と称する。熱交換用貯留部85に貯留された,水希釈状態若しくは水分を完全に除去した回収塩を,配管95を用いて冷却槽30に搬送する。配管71に設置されたバルブ72を,例えば図5に示す温度センサ73で測定した塩排出口70の塩温度に基づいて開閉することにより,300℃以下であれば水希釈状態,300℃超であれば回収塩を純粋な溶融状態にして冷却槽30に搬送できる。
以上の実施の形態によれば,洗浄装置21で鋼線ルーズコイルWを洗浄した塩含有洗浄液から塩を回収する際に,蒸発器50を用いて,塩含有洗浄液を,冷却装置25の冷却槽30から循環させた溶融塩と間接的に熱交換をさせ,大量の水分を蒸発させてから冷却槽30に戻して回収するようにしたことによって,温度差の大きい2つの液体を直接接触させた場合に発生する激しい沸騰や蒸気爆発を防止することができる。また,集塵機までのダクトを閉塞させる等の要因になる塩のヒューム等の発生も防止できる。これにより,鋼線ルーズコイルWを溶融塩に浸漬して冷却する際に鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩を,安全に且つ環境汚染を生じさせずに回収することが可能になる。
さらに,塩含有洗浄液と冷却槽30から循環させた溶融塩との間で熱交換を行い,塩含有洗浄液の加熱及び溶融塩の冷却を一度に行うようにしたことによって,塩の回収と,鋼線ルーズコイルWの熱処理のエネルギー効率が向上する。また,恒温装置26に設けた噴射装置35を用いて,鋼線ルーズコイルWに付着した溶融塩の一部を予め吹飛ばすようにしたことによって,鋼線ルーズコイルWを洗浄した塩含有洗浄液に含有する塩の量が低減する。これにより,塩含有洗浄液から回収する塩の量も減少するため,塩回収装置を小型化できる。さらに,水希釈状態で回収した塩を冷却槽30に戻す場合に発生する塩のヒュームの量を低減させることができる。
さらに,塩含有洗浄液を,熱交換用堰77〜79の下部に各々設けた各小孔90を介して移動させるようにしたことによって,各熱交換用貯留部81〜85に貯留された塩含有洗浄液のうちで,より水分が少なく,高濃度で比重の重い回収塩だけを,各小孔90を介して隣接する各熱交換用貯留部82〜85に移動させ,複数回に亘って段階的に水分を蒸発させて濃縮を行うことができる。これにより,塩含有洗浄液(回収塩)が蒸発器50の塩排出口70が設けられた熱交換用貯留部85に到達した際には,含有する水分が大量に蒸発した非常に高濃度の回収塩を冷却槽30に戻すことができ,激しい沸騰や蒸気爆発をさらに効果的に防止し,集塵機までのダクトを閉塞させる等の要因になる塩のヒューム等の発生もさらに効果的に防止できる。また,300℃超で冷却槽30に戻す場合は純粋な溶融塩となっているため,水蒸気の発生やヒュームの発生は完全に防止できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においては,熱処理ライン4の上流に設けられている圧延ライン3は,鋼ビレット(鋼線ルーズコイルW)の搬送方向に沿って加熱炉10,粗・中間圧延機11,仕上げ圧延機12及び巻取り機13が配置されている場合について説明したが,圧延ライン3は,その他の配置及び構成であってもよい。
上述した実施形態においては,熱処理ライン4は,鋼線ルーズコイルWの搬送方向に沿って熱処理設備1及び収束装置15が配置されている場合について説明したが,熱処理ライン4は,その他の配置及び構成であってもよい。
上述した実施形態においては,溶融塩としてNaNo−KNOを用いている場合について説明したが,その他の溶融塩が用いられてもよい。
上述した実施形態においては,恒温装置26に設けた噴射装置35を用いて,熱処理した鋼線ルーズコイルWを洗浄液で洗浄する前に高圧ガス又は蒸気を噴射する場合について説明したが,その他の装置を用いて熱処理した鋼線ルーズコイルWを洗浄液で洗浄する前に高圧ガス又は蒸気を噴射するようにしてもよい。
上述した実施形態においては,洗浄装置21にて鋼線ルーズコイルWを洗浄する洗浄液が水である場合について説明したが,水以外の洗浄液が用いられてもよい。
上述した実施形態においては,冷却槽30の溶融塩を,蒸発器50に循環供給させる循環経路が,配管105,106及びポンプ104で構成される場合について説明したが,循環経路は,その他の構成であってもよい。
上述した実施形態においては,蒸発器50にて水分を蒸発させて得られた塩を冷却槽30に供給する供給経路が,配管71で構成される場合について説明したが,供給経路は,その他の構成であってもよい。
上述した実施形態においては,5つの熱交換用貯留部81〜85が形成されている場合について説明したが,熱交換用堰の数は,5以外の任意の数であってもよい。
本発明は,例えば直接パテンティングを用いて中・高炭素鋼の線材を製造する熱処理設備に適用できるが,その他の熱処理設備に対しても有用である。
本発明の実施の形態に係る熱処理設備1が適用された鋼線材の製造ライン2の構成図である。 本発明の実施の形態に係る熱処理設備1の構成図である。 本発明の実施の形態に係る塩回収装置22が備える蒸発器50の構成を説明する構成図である。 本発明の他の実施の形態に係る塩回収装置22が備える蒸発器50の構成を説明する構成図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る塩回収装置22が備える蒸発器50の構成を説明する構成図である。
符号の説明
1 熱処理設備
2 線材の製造ライン
3 圧延ライン
4 熱処理ライン
10 加熱炉
11 粗・中間圧延機
12 仕上げ圧延機
13 巻取り機
15 収束装置
20 熱処理装置
21 洗浄装置
25 冷却装置
26 恒温装置
30 冷却槽
31 恒温槽
35 噴射装置
40 ケーシング
41 ノズル
42 回収槽
50 蒸発器
55 容器
60 塩含有洗浄液導入口
61,71,105 配管
62,104 ポンプ
63 排気口
65 排気管
70 排出口
72 バルブ
73 温度センサ
75 堰
76〜79 熱交換用堰
80 貯留部
81〜85 熱交換用貯留部
90 小孔
95 熱交換用配管
100 流入口
101 流出口
X 容器55の長手方向
Y 容器55の幅方向
Z 鉛直方向
W 鋼線ルーズコイル

Claims (10)

  1. 溶融塩浴による熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液から塩を回収する塩回収装置において,
    溶融塩浴槽の溶融塩と塩含有洗浄液とを熱交換させ,塩含有洗浄液の水分を蒸発させる熱交換器と,
    前記溶融塩浴槽の溶融塩を,前記熱交換器に循環供給させる循環経路と,
    前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給する供給経路と,を有し,
    前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であり,
    前記熱交換器は,
    その内部に塩含有洗浄液を導入する導入口,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を排出する排出口,及び前記熱交換器にて蒸発させた塩含有洗浄液の水分を蒸気として排気する排気口,を備えた容器と,
    該容器内に配設され,前記循環経路によって循環供給させた前記溶融塩浴槽の溶融塩が流れる熱交換用配管と,を有し,
    前記熱交換用配管の少なくとも一部が,前記容器内に導入された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置され,
    前記容器は,前記塩含有洗浄液導入口と前記塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた,塩含有洗浄液を各々貯留する複数の熱交換用貯留部を有し,
    前記堰の下部には,塩含有洗浄液が移動可能な孔が設けられ,
    前記熱交換用配管は,前記熱交換用貯留部に各々貯留された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置されていることを特徴とする,塩回収装置。
  2. 前記塩排出口に,温度を検出して開閉するバルブが設けられていることを特徴とする,請求項1に記載の塩回収装置。
  3. 溶融塩浴により鋼線ルーズコイルを熱処理する熱処理設備において,
    鋼線ルーズコイルを溶融塩浴槽に浸漬させながら搬送し,熱処理する熱処理装置と,
    前記熱処理装置で熱処理した鋼線ルーズコイルを洗浄液で洗浄する洗浄装置と,
    前記溶融塩浴槽の溶融塩と前記鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液とを熱交換させ,塩含有洗浄液の水分を蒸発させる熱交換器と,
    前記溶融塩浴槽の溶融塩を,前記熱交換器に循環供給させる循環経路と,
    前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給する供給経路と,を有し,
    前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であり,
    前記熱交換器は,
    その内部に塩含有洗浄液を導入する導入口,前記熱交換器にて塩含有洗浄液から水分を蒸発させて得られた塩を排出する排出口,及び前記熱交換器にて蒸発させた塩含有洗浄液の水分を蒸気として排気する排気口,を備えた容器と,
    該容器内に配設され,前記循環経路によって循環供給させた前記溶融塩浴槽の溶融塩が流れる熱交換用配管と,を有し,
    前記熱交換用配管の少なくとも一部が,前記容器内に導入された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置され,
    前記容器は,前記塩含有洗浄液導入口と前記塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた,塩含有洗浄液を各々貯留する複数の熱交換用貯留部を有し,
    前記堰の下部には,塩含有洗浄液が移動可能な孔が設けられ,
    前記熱交換用配管は,前記熱交換用貯留部に各々貯留された塩含有洗浄液と熱的に接触するように配置されていることを特徴とする,鋼線ルーズコイルの熱処理設備。
  4. 前記洗浄装置で洗浄する前に,前記熱処理装置で熱処理した鋼線ルーズコイルにガス又は蒸気を噴射する噴射装置を有することを特徴とする,請求項3に記載の鋼線ルーズコイルの熱処理設備。
  5. 前記塩排出口に,温度を検出して開閉するバルブが設けられていることを特徴とする,請求項3又は4に記載の鋼線ルーズコイルの熱処理設備。
  6. 溶融塩浴による熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液から塩を回収する塩回収方法において,
    前記溶融塩浴槽の溶融塩と塩含有洗浄液とを熱交換させ,熱交換させる塩含有洗浄液は,塩含有洗浄液導入口と塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた他の熱交換用貯留部に前記堰の下部に設けられた孔から搬送され,塩含有洗浄液の水分を複数回に亘って段階的に蒸発させると共に,前記溶融塩浴槽の溶融塩を冷却し,
    前記水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給し,
    前記水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であることを特徴とする,塩回収方法。
  7. 前記熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄する前に,ガス又は蒸気を噴射し,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩の一部を吹飛ばしておくことを特徴とする,請求項6に記載の塩回収方法。
  8. 溶融塩浴により鋼線ルーズコイルを熱処理する鋼線ルーズコイルの熱処理方法において,
    溶融塩浴槽の溶融塩によって鋼線ルーズコイルを熱処理し,
    前記熱処理した鋼線ルーズコイルを洗浄液で洗浄し,
    前記溶融塩浴槽の溶融塩と前記鋼線ルーズコイルを洗浄した塩含有洗浄液とを熱交換させ,熱交換させる塩含有洗浄液は,塩含有洗浄液導入口と塩排出口との間に設けた堰によって仕切られた他の熱交換用貯留部に前記堰の下部に設けられた孔から搬送され,塩含有洗浄液の水分を複数回に亘って段階的に蒸発させると共に,前記溶融塩浴槽の溶融塩を冷却し,
    前記水分を蒸発させて得られた塩を前記溶融塩浴槽に供給することを特徴とする,鋼線ルーズコイルの熱処理方法。
  9. 前記水分を蒸発させて得られた塩は,水希釈状態の塩であることを特徴とする,請求項8に記載の鋼線ルーズコイルの熱処理方法。
  10. 前記熱処理後の鋼線ルーズコイルを洗浄する前に,ガス又は蒸気を噴射し,鋼線ルーズコイルに付着した溶融塩の一部を吹飛ばしておくことを特徴とする,請求項9に記載の鋼線ルーズコイルの熱処理方法。
JP2006250084A 2006-09-14 2006-09-14 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法 Expired - Fee Related JP4676939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250084A JP4676939B2 (ja) 2006-09-14 2006-09-14 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250084A JP4676939B2 (ja) 2006-09-14 2006-09-14 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008069419A JP2008069419A (ja) 2008-03-27
JP4676939B2 true JP4676939B2 (ja) 2011-04-27

Family

ID=39291261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006250084A Expired - Fee Related JP4676939B2 (ja) 2006-09-14 2006-09-14 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4676939B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102232937B1 (ko) * 2020-08-25 2021-03-26 정창일 열처리 가공 소재의 담금용 소금용융수를 세척하기 위한 세정수 처리장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5732323A (en) * 1980-08-01 1982-02-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Method for temperature control of high-temperature molten salt and recovery of salt solution
JPH031956U (ja) * 1989-05-31 1991-01-10

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5732323A (en) * 1980-08-01 1982-02-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Method for temperature control of high-temperature molten salt and recovery of salt solution
JPH031956U (ja) * 1989-05-31 1991-01-10

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008069419A (ja) 2008-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101641462B (zh) 烟气冷却和净化系统
CN211896044U (zh) 用于黄磷炉气喷淋的循环装置、黄磷炉气冷凝系统
CN103357677A (zh) 一种大型棒材冷却设备
JP7183639B2 (ja) ボイラの化学洗浄方法
CN107075599A (zh) 热处理装置以及冷却装置
JP4676939B2 (ja) 塩回収装置及び方法,並びに鋼線ルーズコイルの熱処理設備及び熱処理方法
CN113136584B (zh) 一种冷轧带钢酸洗生产线
JP4709666B2 (ja) ルーズコイルのインライン熱処理設備及びインライン熱処理方法
CN105102142B (zh) 厚钢板的制造设备及制造方法
JP2018502985A (ja) 炭素鋼帯を処理する、特に酸洗処理のための方法及びシステム
CN104567442B (zh) 高炉冲渣水余热制冷系统
SE440233B (sv) Anordning for vermebehandling av staltradsemnen
CN102427893B (zh) 用于从热轧带材卷中回收能量的方法和装置
JP5245746B2 (ja) 金属ストリップ冷却装置及び金属ストリップ冷却方法
CN114833207A (zh) 一种带钢轧后等温处理和余热回收工艺方法
CN204359153U (zh) 高炉冲渣水余热制冷系统
CN211813945U (zh) 高硬度工业循环水处理系统
CN210057794U (zh) 一种降低湿法洗涤湿烟气温度和含水量的设备
CN203470495U (zh) 一种大型棒材冷却设备
CN111744974A (zh) 棒钢的冷却方法和棒钢的制造方法、以及冷却雾的喷吹装置
WO2024113598A1 (zh) 一种热轧不锈钢线材轧后喷淋冷却系统
CN208567550U (zh) 一种高炉冲渣水余热回收装置
CN218932218U (zh) 一种热轧不锈钢线材轧后喷淋冷却系统
US4005744A (en) Apparatus for continuous pickling of cast rod
CN108048629A (zh) 一种淬火介质温度控制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4676939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees