JP4674918B2 - デジタル画像データ処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットをデジタル処理するデジタル画像データ処理装置及び処理方法に関するものである。
例えばデジタル又はインターネット放送受信機を用いて、ビデオデータやオーディオデータをデジタル化して多重伝送するデジタル放送が既に開始されている。このデジタル放送においては、所定の圧縮符号化方式(例えばMPEG;Moving Picture Expert Group方式等)が採用され、複数の番組のデータが、当該符号化方式に対応したストリーム(例えばMPEGトランスポートストリーム;MPEG−TS等)に多重化して伝送される。このように多重化しストリームとして伝送されたデータは、これを受信した受信機側において所望のデータが選択的に抽出される。このとき、受信データには、例えば画像フレームごとに時刻情報(再生時刻情報)が連続的に付与されており、この時刻情報を用いて復号装置にデコード処理を行わせることにより、時間順序に沿った整合性を保持しつつ、フレームの復号化及び再生が行われるようになっている。
このような再生時刻情報について、何らかの理由によりデータ処理上の不都合が生じたときに、これを是正するための技術として、例えば特許文献1記載のものが提唱されている。この従来技術では、受信時刻を基に再生時刻情報(PTS)を作成するものであり、特に、クロックジッタによる誤差を解消するために、受信時刻と再生時間の差を使用して再生時刻情報を補正するようになっている。
特開2004−282569号公報
近年、ブロードバンド化の一層の進展に伴い、携帯電話機やその他の携帯端末等、比較的簡素な構造のデジタル又はインターネット放送受信機を用い、簡易的な動画配信を行うことが計画されている。この場合、機能的にデータ伝送量において一定の制約があるため、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットを伝送するようになっている。そして、上記制約のため、前述のように例えばフレームごとに再生時刻情報を付与することはできず、所定のフレームデータ単位(例えば数フレームから数十フレーム単位)ごとに基準となる再生時刻情報を付与する一方、その他のフレームには当該再生時刻情報からのオフセット値を付与することによって、各フレーム固有の実際の再生時刻を算出できるようになっている。
しかしながら、このような伝送方式をとる場合、再生時刻情報のために必要なトータルの伝送量を削減できるというメリットはあるものの、何らかの事情で上記(所定フレームデータ単位ごとに)付与された再生時刻情報が取得できなかった場合、次の再生時刻情報を受信し取得するまでの間(数フレームから数十フレーム単位分)画像を再生することができなくなる。このため、正常な映像再生に復帰するまでに比較的長い時間を要し、操作者の利便性を阻害する。
前述の従来技術では、各データに再生時刻情報が付与されているのを前提とし、この際に生じる単純なクロックジッタを補正するに過ぎないものであり、上記のような所定データ単位ごとに再生時刻情報が付与されているときにおける受信不能時の対応等については配慮されていない。
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットであって、これら複数のデータパケットが、再生時刻情報を含むヘッダ、このヘッダの前記再生時刻情報と実質同一の再生時刻情報を基準値として備える基準フレームデータ、前記基準値に対する前記再生時刻情報のオフセット値を備える非基準フレームデータを有する基準パケットと、前記ヘッダ及び前記非基準フレームデータを有する非基準パケットとを含む、ストリームを処理するデジタル画像データ処理装置であって、前記非基準フレームデータに備えられた前記基準値への前記オフセット値を用いて、当該非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定する決定手段と、この決定手段で決定した前記固有の再生時刻情報が適正であるかどうかを判定する判定手段と、この判定手段で前記固有の再生時刻情報が適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータに対応した、前記基準フレームデータに備えられた前記基準値を算出する演算手段とを有する。
また上記課題を解決するために、請求項5記載の発明は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットであって、これら複数のデータパケットが、再生時刻情報を含むヘッダ、このヘッダの再生時刻情報と実質同一の再生時刻情報を基準値として備える基準フレームデータ、前記基準値に対する前記再生時刻情報のオフセット値を備える非基準フレームデータを有する基準パケットと、前記ヘッダ及び前記非基準フレームデータを有する非基準パケットとを含む、ストリームを処理するデジタル画像データ処理方法であって、前記非基準フレームデータに備えられた前記基準値への前記オフセット値を用いて、当該非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定する決定手順と、この決定した前記固有の再生時刻情報が適正であるかどうかを判定する判定手順と、この判定において前記固有の再生時刻情報が適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータに対応した、前記基準フレームデータに備えられた前記基準値を算出する演算手順とを有する。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。この実施形態は、デジタル画像データ処理装置の一例として、MPEG2−TSシステムを用いた地上波デジタル放送のワンセグ受信機に適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態のワンセグ受信機の全体機能構成を表す機能ブロック図である。図1において、デジタル画像データ処理装置としてのこのワンセグ受信機1は、映像信号を受信するチューナ10と、受信された映像信号を例えばOFDM復調する復調部20と、復調部20からのトランスポートストリーム(TS)が入力されるDemux(デマルチプレクサ)部30と、このDemux部30からのESデータを解析する1segエントロピー復号部40と、パラメータ解析部50と、PTS作成部60と、Residualdataデコード部70と、MCデコード部80と、参照フレームバッファメモリ90と、フレームバッファメモリ100と、最終的に画像データを出力する信号出力部110とを有している。
復調部20は、チューナ10で受信された映像信号に対し、FFT、デインターリーブ、デマッピング等の公知の手法によりチャネルデコード(復調)を行う。このとき、復調された受信ストリームを解析し、簡易動画情報が含まれていると判断した場合、その簡易動画映像PID(パケット識別子)のフィルタリング指定を行う。また、上記TSを取り出し、所定のTSBuffer(図示せず。復調部20又はDemux部30内にあってもよい)に格納する。
Demux部30は、MPEG2−TSヘッダ解析により上記TSBufferからのTSパケットを解析し、上記復調部20から指定されたPIDのTSパケットを抽出する。その後、その抽出したTSパケットからPES(Packetized Elementary Stream)を抽出し、さらにPESからPESヘッダ解析により再生時刻情報としてのPTS(Presentation Time Stamp)を抽出し、対応するエレメンタリストリーム(ES)の保持領域を指し示す情報とともにPTS作成部60へと出力する。
また一方、Demux部30は、一方で前述の指定されたPIDによりTSから特定のESを抜き出し、所定のESbuffer(図示せず。Demux部30又は1segエントロピー復号部40内にあってもよい)に格納する。この際、簡易動画サービスの映像ESと時刻情報(PCR)ESについては常にDemux(多重分離)を行う。
1segエントロピー復号部40は、上記ESbufferに時事刻々と格納されているデータに対し、Syntax解析を行う。このとき、先のDemux部30においてPESヘッダよりPTSを得ることができなかったアクセスユニットに対しては、パラメータ解析部50においていわゆるSPS、PPS、SEI等のNALユニットを構成する各機能ごとのデータの集まりに解析され(詳細は後述)、PTSの生成が行われ、PTS作成部60へ供給される。
MCデコード部80は、参照フレームバッファメモリ90にバッファされた参照フレームを参照しつつ、1segエントロピー復号部40から入力されたデータをAU(後述)単位毎にデコードを行い、デコード後のフレームをフレームバッファメモリ100へ蓄積する。このときフレームバッファメモリ100には、1segエントロピー復号部40からのデータを元にResidualdataデコード部70でデコードしたデータも併せて蓄積される。
PTS作成部60は、詳細な図示を省略するが、PTS保持器と、PTS判定器とを備えている。PTS保持器は、上記Demux部30でPESから抽出されたPTSを、対応するESの領域情報と併せて保持する。PTS判定器は該当画像のPTSと現在時刻を比較し、各アクセスユニット毎にPTSと現在の時刻を評価し、PTSが現在の時刻より未来になった場合にイネーブル信号を生成して信号出力部110へ出力する。
信号出力部110は、PTSに基づき上記PTS作成部のPTS判定器から入力されるイネーブル信号により、画像データを送出する。
本実施形態のワンセグ受信機1に備えられた上記PTS作成部60では、何らかの事情でPTS情報取得のエラーが発生した場合に、正しいPTSの再算出処理が実行される。以下、その内容の詳細を順を追って説明する。
図2は、MPEG2−TSシステムにおけるデータ構造を表す説明図である。図2(a)に示すように、一般に、OFDM復調後の地上波デジタル放送のデータは、MPEG2−TSストリームの形式になっている。このTSストリームは、TSヘッダ(TSH)とTSペイロードとで構成されており、さらにTSペイロードはTSH内の情報(PID:パケット識別子)を用いることでDemux部30においてそれぞれのストリームに振り分けることができる。
そして、図2(b)に示すように、上記Demux部30において、上記TSストリームのうち、TSペイロードのみを集めることによってPESパケット(データパケット)が形成される。PESパケットはPESヘッダとPESペイロードとにより構成され、PESヘッダにはPTSの情報などが含まれている。このPESヘッダのPTSは、上記Demux部30において所定の処理を行うことで取得することができる。
ここで、ワンセグ放送で使用されているデータフォーマットは、H.264符号化方式であるが、図2(c)に示されるように、通常、地上波デジタルのワンセグ放送では1つのPESペイロードに複数個のH.264のAU(アクセスユニット)が入っている。このとき、IDR−AUは必ずPESペイロードの(時間軸に沿って)最初にあるが、PESペイロードの最初にはこのIDR−AU以外のnonIDR−AUが存在する場合もある。なお、ワンセグの規格として1つのPESペイロードに1個のH.264のAUの場合もあれば、1つのPESペイロードに10個のH.264のAUの場合もある。
上記AUは、ピクチャ単位にアクセスするために、いくつかのNALユニットがまとめられて構成されたものである。NALユニットは、H.264機能毎のデータの集まりで、図2(d)に示すように、AUデリミタ、SPS,PPS、SEI,IDR、non−IDRなどにより構成され、さらにこれらのデータはそれぞれNALヘッダとRBSPデータとを含んでいる。そして、H.264規格では、各フレームのPTSオフセット値を、SEIのシンタックス要素とSPSのシンタックス要素から上記パラメータ解析部50で求めることができる。
次に、本実施形態の画像データ処理の原理を図3(a)〜(c)により説明する。
これら図3(a)〜(c)は、non fix frame rateで1PESにn個のAUが含まれる(nは1以上の整数)場合を表す概念的説明図である。各図の上段は、上記Demax部30で取得されたPESとさらにそのPESヘッダ解析により抽出されたPTSとを表している。また下段は上記の図2(c)にほぼ相当するものであり、各PESに含まれるアクセスユニット(AU)の並びを表している。なお、理解の容易のために、下段の数字は、デコーダで求められるPTSオフセット値とフレームナンバーとを兼ねた数字としている。
図3(a)において、上記non fix frame rateにおいては、基準パケットとしての所定のPES(図示の例では「1PES」と「3PES」)のPESペイロードの最初に、IDRをもつIDR−AU(=オフセット値0(IDR)と図示。すなわちIDR−AUではPESヘッダのPTSを用いる)が備えられている。そして、このIDR−AU以外のAUは、当該AUより時間軸に沿って直前に位置するIDR−AUのPTSを基準として、その基準値に対するオフセット値のみが1フレームに1つずつ含まれている。例えば「1PES」のPESペイロードに備えられる「1」「2」「3」「4」「5」「6」と図示するAUや、「2PES」のPESペイロードに備えられる「7」「8」「9」「10」「11」「12」「13」と図示するAUがこれに該当する。なお、図示の例では、説明の簡素化ためにオフセット値の増分を一定としているが、実際には一定でない場合もある。
この図3(a)は、IDR−AUからの上記PTSの基準値(=IDR)がエラーなく取得できており、IDR−AU以外のすべてのnonIDR−AUについても各AUに備えられた上記オフセット値(差分値)がエラーなく取得できている通常の状態を表している。この場合、上記基準パケット以外の非基準パケットとしてのPES(図示の例では「2PES」と「4PES」)のPESペイロードも含み、すべてのnonIDR−AUに係わる各オフセット値によって当該AUのPTSをもれなく取得することができる。
図3(b)は、IDR−AUからの上記PTSの基準値(=IDR)がエラーなく取得できている一方、一部のnonIDR−AU(図示の例では「2PES」のPESペイロードのオフセット値「9」「10」「11」で表すAU、及び「3PES」のPESペイロードのオフセット値「2」「3」「4」で表すAU;網掛け部分参照)のオフセット値が何らかの事情で取得できなかった場合を示している。
この場合、図示の範囲において2つの基準となるIDR−AUのPTS(それぞれPTS=0、PTS=14)が取得できているので、上記以外の、オフセット値が正常に取得できているnon−IDRについてはそのオフセット値と上記基準値(PTS=0又はPTS=14)とに基づきPTSの値が正常に生成されるので、問題はない。例えば、図示矢印Aで示す「3PES」のPESペイロードの「5」フレーム目のPTSは、このフレームに対応する「3PES」のIDR−AUのPTS=14が正しく得られていることから、当該PTS=14に6を加えてPTS=19と(途中の「2」「3」「4」フレーム目が取得できなかったこととは無関係に)正しく求めることができる。
図3(c)は、「3PES」のペイロードに備えられるIDR−AUからの上記PTSの基準値(=IDR)が取得できなかった場合を示している。この場合、例えば、図示矢印Bで示す「3PES」のPESペイロードの「5」フレーム目のPTSは、このフレームに対応する上記「3PES」のIDR−AUのPTS=14が正しく得られていないことから、さらに前の「1PES」のPESペイロードに備えられるIDR−AUのPTSの値(PTS=0)が基準値となってしまい、当該PTS=0に5を加えてPTS=5となり、(本来PTS=19であるべきところ)過去のPTSの値になってしまう。このため、そのままでは、次のIDR−AUのPTSの値(例えば「5PES」のPESペイロードに備えられるIDR−AUの)までの間、nonIDR−AUで正しいPTSを生成することができず、再生不能となる。
そこで、本実施形態では、このような場合、図3(d)に示すように、当該「3PES」のPESペイロードとその次の「4PES」のPESペイロードとの境界となるまで監視を行い、「4PES」のPESペイロードの先頭のnonIDR−AU(矢印C参照)のPTSを、(PESの先頭であることに基づき)PESヘッダよりPTS=21と取得する。なお、あるPESペイロードとその次のPESペイロードとの境界を判定する方法は、PESの変わり目となるESデータバッファのアドレス値を保持したり、ESデータにユニークなコードを埋め込むなどの手法とすればよい。
そして、このnonIDR−AUより実際に取得されるオフセット値「7」を、上記PTS=21から減じることで、上記「3PES」のIDR−AUのPTS=14を正しく算出することができる(矢印D参照)。したがって、この「3PES」のIDR−AUのPTS=14を元に、これ以降(「4PES」のPESペイロードの「8」フレーム目のnonIDR−AU以降、矢印E参照)、通常通り、各nonIDR−AUのオフセット値を用いて正しくPTS値を算出でき、正常再生に復帰することができる。
なお、正常再生復帰の前、エラー発生のため正しいPTSが得られない「3PES」ペイロードの「2」フレーム目のAU(矢印F参照)については、最後に正しいPTS値を取得できた「2PES」ペイロードの「11」フレーム目のAU(矢印G参照)におけるPTS=11を仮の基準値として、これにオフセット値を加えて暫定的なPTS=13とする。「3PES」ペイロードの「3」「4」「5」「6」フレーム目のAUも同様である。このようにすることで、この間も、PTSが過去の値となり再生不可となることは回避し、一応の暫定的な再生を行うことはできる。
図4は、上記の態様の動作を行うために上記PTS作成部60で実行されるPTS計算処理手順を表すフローチャートである。なお、この実施例では、フレームレートがIDRのPTSからのオフセット値により決定される場合、すなわち、H.264符号化方式においては、fixed_frame_rate_flag=0となる場合について述べる。
まずこのフローチャートを開始するにあたり、各変数を、
PES_PTS:PESヘッダから得られるPTS値、
Local_PTS:H.264のシンタックス要素と計算により求めたIDR_ptsからのPTSオフセット値、
FLIP_PTS:実際に使用されるPTS(デコードした画像をいつ表示するかをあらわす)、
IDR_pts:IDRピクチャの時にPESヘッダから得られるPTSを保持しておく変数(他のピクチャのPTSを導く際に基準となる値)、
Prev_PTS:1つ前にデコードを行ったピクチャのPTS
のように定義する。
まずステップS10において、これからデコードしようとするピクチャ(AU)が、IDR−AUであるかどうかを判定する。具体的には、例えばNALヘッダのnal_unit_typeなどを用いて判定すればよい。
IDR−AUであった場合は判定が満たされ、ステップS20に移る。ステップS20では、PESヘッダからPTS値(PES_PTS)を取得し、これをIDR−AUのときのPESヘッダからのPTS値を表すIDR_ptsとして保持しておく。
その後、ステップS40において、実際に使用されるPTS(FLIP_PTS)としてこの時点での上記PTS値(PES_PTS)を置く。
そして、この処理では、1つのPESペイロードに複数フレームのデータが存在しており、どのフレーム(AU)が、PESペイロードの最初のデータなのかをチェックするために、ステップS40の後はステップS120に移り、上記FLIP_PTSの値を1つ前にデコードしたピクチャのPTS(Prev_PTS)に設定して保持し、このフローを終了する。
一方、前述のステップS10において、これからデコードしようとするピクチャがnonIDR−AUであった場合、判定が満たされず、ステップS50に移る。ステップS50では、適宜の手法でPESパケットが新しくなったか確認する(言い換えればPESパケットどうしの境界の検出を行う)。例えば、ESのデータ中、PESが変わったところに固有のコードを埋め込んでおき、デコーダがそれを検出してその直後のピクチャに対するPTSがPESヘッダから得られるものと同じと考えるようにしてもよい。
上記ステップS50において、PESパケットが新しくなった(新しいPESの最初のAUが見つかった)場合には判定が満たされ、ステップS60でPESヘッダより新しいPTS値を取得して更新した後、ステップS80に移る。
ステップS80では、直前の基準値となるIDR−AUのPTSにエラーが入っていたかどうか、すなわちPTS_error_flag=1であるかどうかを判定する。エラーがなかった場合には判定が満たされず、後述のステップS110に直ちに移行する。エラーがあった場合には判定が満たされ、ステップS90に移る。
ステップS90では、この新しいPESパケットの最初のAUのPTSオフセット値(Local_PTS)を、ESデータより得られたシンタックス要素パラメータなどを用いて算出する。
その後、ステップS100に移り、消失した(エラーで取得できなかった)IDR−AUのPTS(IDR_pts)を、この時点でのPTS値(PES_PTS)から、上記ステップS90で算出したオフセット値を差し引くことによって算出する。以上のようにして、シンタックス要素のオフセット値と、PESヘッダのPTS値とを用いて、(取得に失敗した)基準のPTSを算出することができる。
このようにしてIDR_ptsが得られることでこれ以降のPTSは通常処理に戻り、ステップS110で、上記ステップS40と同様、実際に使用されるPTS(FLIP_PTS)としてこの時点でのPTS値(PES_PTS)を置いた後、前述のステップS120を経てこのフローを終了する。
一方、前述のステップS50において、新しいPESの最初のAUではなかった場合にはステップS160に移る。
ステップS160では、前述のステップS90と同様、処理対象の当該AUのPTSオフセット値(Local_PTS)を、ESデータより得られたシンタックス要素データなどを用いて算出する。
その後、ステップS170に移り、現在デコード中の当該AUのPTS(Dec_PTS)を、この時点で保持されているIDR−AUのPESヘッダからのPTS値(IDR_pts)と、上記ステップS160で算出したLocalPTSとの和として、一時的に算出する。その後、ステップS180に移る。
ステップS180においては、上記ステップS170において今回求めたPTS(DEC_PTS)の値が、1つ前にデコードしたAU(ピクチャ)のPTS(Prev_PTS)以下であるかどうかを判定する。DEC_PTS≦Prev_PTSであった場合は判定が満たされ、1つ前のピクチャに対するPTSよりも、デコード中のピクチャに対するPTSの方が過去を示しておりエラーが発生してIDRフレームのPTS(IDR_pts)が抜けてしまっている(言い換えれば基準値となるIDR−AUのPTSにエラーが入っていた)とみなして、ステップS190に移り、エラーフラグ(PTS_error_flag)をvalidにする。
その後、ステップS200に移り、デコードしたピクチャのPTS(FLIP_PTS)を、その直前の1つ前のピクチャのPTS(Prev_PTS)を基準値とし、これにシンタックス要素から求めたPTSオフセット値(Local_PTS)を加えることで、とりあえず暫定的に算出する。これにより、少なくともPTSが過去を示すことはなくなるので、再生が全くできなくなることは回避される。
なおこのとき、別の手法として、PTS_error_flag=1の間のピクチャはこの時点ではPTSを算出せず、正しいIDR_ptsが得られた際に、これらのピクチャのPTSを作る(PTSがエラーであるフレームは、出力せず一時メモリに保持する)ようにしてもよい。
ステップS200が終了したら、前述のステップS120を経て、このフローを終了する。
一方、ステップS180において、Dec_PTS>Prev_PTSであった場合は判定が満たされず、ステップS210に移り、実際に使用されるPTS(FLIP_PTS)として上記ステップS170で算出したDec_PTSを置いた後、前述のステップS120を経てこのフローを終了する。
以上において、図4に示すフローのステップS170が、非基準フレームデータに備えられた基準値へのオフセット値を用いて、非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定する決定手段を構成し、ステップS180が、この決定手段で決定した固有の再生時刻情報が適正であるかどうかを判定する判定手段を構成する。
また、ステップS50〜ステップS100が、判定手段で固有の再生時刻情報が適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータに対応した、基準フレームデータに備えられた基準値を算出する演算手段を構成する。
また、ステップS50が、判定手段で基準値が取得できなかったと判定された場合、基準パケット以降の複数のデータパケットどうしの境界を検出する検出手段を構成し、ステップS60及びステップS90が、検出手段で検出した境界の直後のデータパケットのヘッダに備えられる再生時刻情報と、当該直後のデータパケットに備えられた前記非基準フレームデータのオフセット値とを取得する取得手段を構成し、ステップS100が、取得手段で取得したオフセット値と、ヘッダの再生時刻情報とを用いて、基準パケットの基準フレームデータより取得できなかった基準値を算出する算出手段を構成する。
以上説明したように、本実施形態におけるデジタル画像データ処理装置1は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケット(この例ではPESパケット)であって、これら複数のデータパケットが、再生時刻情報(この例ではPTS)を含むヘッダ(この例ではPESヘッダ)、このヘッダの再生時刻情報(この例ではPES_PTS)と実質同一の再生時刻情報を基準値(この例ではIDR_pts)として備える基準フレームデータ(この例ではIDR−AU)、基準値IDR_ptsに対する再生時刻情報のオフセット値(この例ではLocal_PTS)を備える非基準フレームデータ(この例ではnonIDR−AU)を有する基準パケットと、上記ヘッダ及び非基準フレームデータ(nonIDR−AU)を有する非基準パケットとを含む、ストリーム(この例ではTSストリーム)を処理するデジタル画像データ処理装置1であって、非基準フレームデータnonIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsへのオフセット値Local_PTSを用いて、非基準フレームデータnonIDR−AU固有の再生時刻情報(この例ではDec_PTS)を決定する決定手段(この例ではステップS170)と、この決定手段S170で決定した固有の再生時刻情報Dec_PTSが適正であるかどうかを判定する判定手段(この例ではステップS180)と、この判定手段S180で固有の再生時刻情報Dec_PTSが適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した、基準フレームデータIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsを算出する演算手段(この例ではステップS50〜ステップS100)とを有することを特徴とする。
本実施形態のデジタル画像データ処理装置(この例ではワンセグ受信機1)においては、符号化データの複数のデータパケット(PESパケット)のストリーム(TSストリーム)のデジタル処理を行う。複数のデータパケットには、ヘッダ(PESヘッダ)、基準フレームデータIDR−AU、非基準フレームデータnonIDR−AUを備えた基準パケットと、ヘッダ、非基準フレームデータnonIDR−AUを備えた非基準パケットとが含まれる。基準フレームデータIDR−AUの再生時刻情報PTSは、対応するヘッダに含まれる再生時刻情報PES_PTSと実質同一であり、基準値IDR_ptsとして備えられる。非基準フレームデータの固有の再生時刻情報Dec_PTSは、これに備えられたオフセット値Local_PTSを、対応する基準フレームデータIDR−AUの上記再生時刻情報PES_PTSに適用することによって、決定手段S170により決定される。
仮に何らかの原因で、上記適用対象の基準フレームデータIDR−AUの上記再生時刻情報PTSが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいて上記決定手段S170により決定された非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSは不適正なものとなる。この不適正であることが判定手段S180によって判定されると、演算手段S50〜S100が、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した基準フレームデータIDR−AUの基準値IDR_ptsを算出する。このようにして基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、決定手段S170で改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しく再生時刻情報PTSを求めた非基準フレームデータnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができる。すなわち、ある基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報PTS取得のエラーが発生した場合に、次の基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報PTSが取得されるまで正常な映像を再生できない従来構造に比べ、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
また、本実施形態のデジタル画像データ処理装置1で実行するデジタル画像データ処理方法は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケット(この例ではPESパケット)であって、これら複数のデータパケットが、再生時刻情報(この例ではPTS)を含むヘッダ(この例ではPESヘッダ)、このヘッダの再生時刻情報(この例ではPES_PTS)と実質同一の再生時刻情報を基準値(この例ではIDR_pts)として備える基準フレームデータ(この例ではIDR−AU)、基準値IDR_ptsに対する再生時刻情報のオフセット値(この例ではLocal_PTS)を備える非基準フレームデータ(この例ではnonIDR−AU)を有する基準パケットと、上記ヘッダ及び非基準フレームデータ(nonIDR−AU)を有する非基準パケットとを含む、ストリーム(この例ではTSストリーム)を処理するデジタル画像データ処理方法であって、非基準フレームデータnonIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsへのオフセット値Local_PTSを用いて、非基準フレームデータnonIDR−AU固有の再生時刻情報(この例ではDec_PTS)を決定する決定手順(この例ではステップS170)と、この決定した固有の再生時刻情報Dec_PTSが適正であるかどうかを判定する判定手順(この例ではステップS180)と、この判定において固有の再生時刻情報Dec_PTSが適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した、基準フレームデータIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsを算出する演算手順(この例ではステップS50〜ステップS100)とを有することを特徴とする。
本実施形態のデジタル画像データ処理方法においては、符号化データの複数のデータパケット(PESパケット)のストリーム(TSストリーム)のデジタル処理を行う。複数のデータパケットには、ヘッダ(PESヘッダ)、基準フレームデータIDR−AU、非基準フレームデータnonIDR−AUを備えた基準パケットと、ヘッダ、非基準フレームデータnonIDR−AUを備えた非基準パケットとが含まれる。基準フレームデータIDR−AUの再生時刻情報PTSは、対応するヘッダに含まれる再生時刻情報PES_PTSと実質同一であり、基準値IDR_ptsとして備えられる。非基準フレームデータの固有の再生時刻情報Dec_PTSは、これに備えられたオフセット値Local_PTSを、対応する基準フレームデータIDR−AUの上記再生時刻情報PES_PTSに適用することによって、決定される。
仮に何らかの原因で、上記適用対象の基準フレームデータIDR−AUの上記再生時刻情報PTSが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいて上記決定手順S170により決定された非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSは不適正なものとなる。この不適正であることが判定手順S180によって判定されると、演算手順S50〜S100で、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した基準フレームデータIDR−AUの基準値IDR_ptsを算出する。このようにして基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しく再生時刻情報PTSを求めた非基準フレームデータnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができる。すなわち、ある基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報PTS取得のエラーが発生した場合に、次の基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報PTSが取得されるまで正常な映像を再生できない従来手法に比べ、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態におけるデジタル画像データ処理装置1においては、決定手段S170は、演算手段S50〜S100で算出した基準値IDR_ptsに基づき、非基準フレームデータnonIDR−AU固有の再生時刻情報Dec_PTSを決定することを特徴とする。
基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを演算手段S50〜S100で正しく算出した後、その算出した基準値IDR_ptsに基づき、決定手段S170で改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定する。これにより、ある基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報IDR_pts取得のエラーが発生した場合に、次の基準フレームデータIDR−AUにおける再生時刻情報IDR_ptsの取得を待たず、迅速かつ確実に正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態のデジタル画像データ処理装置1で実行するデジタル画像データ処理方法は、演算手順S50〜S100で算出した基準値IDR_ptsに基づき、非基準フレームデータnonIDR−AU固有の再生時刻情報Dec_PTSを決定することを特徴とする。
基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを演算手順S50〜S100で正しく算出した後、その算出した基準値IDR_ptsに基づき、改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定する。これにより、ある基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報IDR_pts取得のエラーが発生した場合に、次の基準フレームデータIDR−AUにおける再生時刻情報IDR_ptsの取得を待たず、迅速かつ確実に正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態におけるデジタル画像データ処理装置1においては、判定手段S180は、固有の再生時刻情報Dec_PTSが決定された非基準フレームデータnonIDR−AUに対応する基準フレームデータIDR−AUより基準値IDR_ptsを取得できたかどうか判定し、演算手段S50〜S100は、判定手段S180で基準値IDR_ptsが取得できなかったと判定された場合、当該基準パケット以降の複数のデータパケットどうしの境界を検出する検出手段(この例ではステップS50)と、この検出手段S50で検出した境界の直後のデータパケットのヘッダ(PESヘッダ)に備えられる再生時刻情報PES_PTSと、当該直後のデータパケットに備えられた非基準フレームデータnonIDR−AUのオフセット値Local_PTSとを取得する取得手段(この例ではステップS60及びステップS90)と、この取得手段S60,S90で取得したオフセット値Local_PTSと、ヘッダの再生時刻情報PES_PTSとを用いて、基準パケットの基準フレームデータIDR−AUより取得できなかった基準値IDR_ptsを算出する算出手段(この例ではステップS100)とを有することを特徴とする。
何らかの原因で、基準フレームデータIDR−AUの再生時刻情報(基準値)IDR_ptsが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいて決定手段S170により決定された非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSは不適正なものとなる。本実施形態においては、上記基準フレームデータの基準値IDR_ptsが取得されなかったことが判定手段S180によって判定されると、演算手段S50〜S100に備えられた検出手段S50が、当該基準パケット以降の複数のデータパケットどうしの境界を検出する。このとき、当該境界直後のデータパケットのヘッダには再生時刻情報PES_PTSが備えられており、取得手段S60,S90が、そのヘッダの再生時刻情報PES_PTSと、このデータパケットの非基準フレームデータnonIDR−AUのオフセット値Local_PTSとを取得する。そして、算出手段S100が、取得したヘッダの再生時刻情報PES_PTSに対して取得したオフセット値Local_PTSを適用する(この例では減算する)ことにより、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した上記(正常に取得できなかった)基準フレームデータIDR−AUの基準値IDR_ptsを算出することができる。
このようにして基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、決定手段S170で改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しく再生時刻情報Dec_PTSを求めた非基準フレームデータnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができるので、次の基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報IDR_ptsが取得されるのを待たず、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態のデジタル画像データ処理装置1で実行するデジタル画像データ処理方法は、判定手順S180は、固有の再生時刻情報Dec_PTSが決定された非基準フレームデータnonIDR−AUに対応する基準フレームデータIDR−AUより基準値IDR_ptsを取得できたかどうか判定する手順であり、演算手順S50〜S100は、判定手段S180で基準値IDR_ptsが取得できなかったと判定された場合、当該基準パケット以降の複数のデータパケットどうしの境界を検出し、この検出した境界の直後のデータパケットのヘッダ(PESヘッダ)に備えられる再生時刻情報PES_PTSと、当該直後のデータパケットに備えられた非基準フレームデータnonIDR−AUのオフセット値Local_PTSとを取得し、この取得したオフセット値Local_PTSと、ヘッダの再生時刻情報PES_PTSとを用いて、基準パケットの基準フレームデータIDR−AUより取得できなかった基準値IDR_ptsを算出することを特徴とする。
何らかの原因で、基準フレームデータIDR−AUの再生時刻情報(基準値)IDR_ptsが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいて決定手順S170により決定された非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSは不適正なものとなる。本実施形態においては、上記基準フレームデータの基準値IDR_ptsが取得されなかったことが判定手順S180によって判定されると、演算手順S50〜S100において、まず当該基準パケット以降の複数のデータパケットどうしの境界を検出する。このとき、当該境界直後のデータパケットのヘッダには再生時刻情報PES_PTSが備えられているので、次に、そのヘッダの再生時刻情報PES_PTSと、このデータパケットの非基準フレームデータnonIDR−AUのオフセット値Local_PTSとを取得する。そして、取得したヘッダの再生時刻情報PES_PTSに対して取得したオフセット値Local_PTSを適用する(この例では減算する)ことにより、当該非基準フレームデータnonIDR−AUに対応した上記(正常に取得できなかった)基準フレームデータIDR−AUの基準値IDR_ptsを算出することができる。
このようにして基準フレームデータIDR−AUの基準値(再生時刻情報)IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、改めて非基準フレームデータnonIDR−AUの再生時刻情報Dec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しく再生時刻情報Dec_PTSを求めた非基準フレームデータnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができるので、次の基準フレームデータIDR−AUにおいて再生時刻情報IDR_ptsが取得されるのを待たず、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態におけるデジタル画像データ処理装置1においては、データパケットは、再生時刻情報としてのPTSを備えたPESヘッダを、ヘッダとして有するPESパケットであることを特徴とする。
これにより、PTSを備えたPESヘッダをそれぞれ有する複数のPESパケットストリームのデジタル処理を行う際、何らかの原因で、基準フレームデータIDR−AUのPTS基準値IDR_ptsが正常に取得されなかった(=エラー発生)場合であっても、基準フレームデータIDR−AUのPTS基準値IDR_ptsを正しく算出しなおすことで、決定手段S170で改めて非基準フレームデータnonIDR−AUのDec_PTSを正しく決定することができる。
上記実施形態のデジタル画像データ処理装置1で実行するデジタル画像データ処理方法は、データパケットとして、再生時刻情報としてのPTSを備えたPESヘッダを前記ヘッダとして有するPESパケットを用いることを特徴とする。
これにより、PTSを備えたPESヘッダをそれぞれ有する複数のPESパケットストリームのデジタル処理を行う際、何らかの原因で、基準フレームデータIDR−AUのPTS基準値IDR_ptsが正常に取得されなかった(=エラー発生)場合であっても、基準フレームデータIDR−AUのPTS基準値IDR_ptsを正しく算出しなおすことで、改めて非基準フレームデータnonIDR−AUのDec_PTSを正しく決定することができる。
上記実施形態におけるワンセグ受信機1は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のPESパケットであって、これら複数のPESパケットが、PTSを含むPESヘッダ、このPESヘッダのPES_PTSと実質同一の再生時刻情報を基準値IDR_ptsとして備えるIDR−AU、IDR_ptsに対するPTSのオフセット値Local_PTSを備えるnonIDR−AUを有する基準パケットと、上記PESヘッダ及びnonIDR−AUを有する非基準パケットとを含む、TSストリームを処理するワンセグ受信機1であって、nonIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsへのオフセット値Local_PTSを用いて、nonIDR−AU固有のDec_PTSを決定するステップS170の手順と、このステップS170で決定したDec_PTSが適正であるかどうかを判定するステップS180の手順と、このステップS180でDec_PTSが適正できなかったと判定された場合、当該nonIDR−AUに対応したIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsを算出するステップS50〜ステップS100の手順とを有する。
本実施形態のワンセグ受信機1においては、仮に何らかの原因で、IDR−AUのIDR_ptsが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいてステップS170により決定されたnonIDR−AUのDec_PTSは不適正なものとなる。この不適正であることがステップS180において判定されると、ステップS50〜S100で、当該nonIDR−AUに対応したIDR−AUの基準値IDR_ptsが算出される。このようにしてIDR−AUの基準値IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、ステップS170で改めてnonIDR−AUのDec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しくPTSを求めたnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができる。すなわち、あるIDR−AUにおいてPTS取得のエラーが発生した場合に、次のIDR−AUにおいて再生時刻情報PTSが取得されるまで正常な映像を再生できない従来構造に比べ、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
上記実施形態におけるワンセグ受信機1で実行するデジタル画像データ処理方法は、符号化データを可変長にてパケット化した複数のPESパケットであって、これら複数のPESパケットが、PTSを含むPESヘッダ、このPESヘッダのPES_PTSと実質同一の再生時刻情報を基準値IDR_ptsとして備えるIDR−AU、IDR_ptsに対するPTSのオフセット値Local_PTSを備えるnonIDR−AUを有する基準パケットと、上記PESヘッダ及びnonIDR−AUを有する非基準パケットとを含む、TSストリームを処理するデジタル画像データ処理方法であって、nonIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsへのオフセット値Local_PTSを用いて、nonIDR−AU固有のDec_PTSを決定するステップS170の手順と、この決定したDec_PTSが適正であるかどうかを判定するステップS180の手順と、この判定においてDec_PTSが適正できなかったと判定された場合、当該nonIDR−AUに対応したIDR−AUに備えられた基準値IDR_ptsを算出するステップS50〜ステップS100の手順とを有する。
仮に何らかの原因で、IDR−AUのIDR_ptsが正常に取得されていない(=エラー発生)場合、これに基づいてステップS170により決定されたnonIDR−AUのDec_PTSは不適正なものとなる。この不適正であることがステップS180において判定されると、ステップS50〜S100で、当該nonIDR−AUに対応したIDR−AUの基準値IDR_ptsが算出される。このようにしてIDR−AUの基準値IDR_ptsを正しく算出しなおすことにより、改めてnonIDR−AUのDec_PTSを正しく決定することができる。
この結果、このようにして正しくPTSを求めたnonIDR−AU以降は、各フレームデータAUについて通常の処理に戻り、正常な映像を再生することができる。すなわち、あるIDR−AUにおいてPTS取得のエラーが発生した場合に、次のIDR−AUにおいて再生時刻情報PTSが取得されるまで正常な映像を再生できない従来手法に比べ、より迅速に、正常な映像再生に復帰することができる。
本発明の一実施形態のワンセグ受信機の全体機能構成を表す機能ブロック図である。 MPEG2−TSシステムにおけるデータ構造を表す説明図である。 画像データ処理の原理を説明するための説明図である。 PTS作成部で実行されるPTS計算処理手順を表すフローチャートである。
符号の説明
1 ワンセグ受信機(デジタル画像データ処理装置)
60 PTS作成部

Claims (8)

  1. 符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットであって、
    これら複数のデータパケットが、
    再生時刻情報を含むヘッダ、このヘッダの前記再生時刻情報と実質同一の再生時刻情報を基準値として備える基準フレームデータ、前記基準値に対する前記再生時刻情報のオフセット値を備える非基準フレームデータを有する基準パケットと、
    前記ヘッダ及び前記非基準フレームデータを有する非基準パケットと
    を含む、ストリームを処理するデジタル画像データ処理装置であって、
    前記非基準フレームデータに備えられた前記基準値への前記オフセット値を用いて、当該非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定する決定手段と、
    この決定手段で決定した前記固有の再生時刻情報が適正であるかどうかを判定する判定手段と、
    この判定手段で前記固有の再生時刻情報が適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータに対応した、前記基準フレームデータに備えられた前記基準値を算出する演算手段と
    を有することを特徴とするデジタル画像データ処理装置。
  2. 請求項1記載のデジタル画像データ処理装置において、
    前記決定手段は、
    前記演算手段で算出した前記基準値に基づき、前記非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定することを特徴とするデジタル画像データ処理装置。
  3. 請求項1記載のデジタル画像データ処理装置において、
    前記判定手段は、
    前記固有の再生時刻情報が決定された前記非基準フレームデータに対応する前記基準フレームデータより前記基準値を取得できたかどうか判定し、
    前記演算手段は、
    前記判定手段で前記基準値が取得できなかったと判定された場合、当該基準パケット以降の複数の前記データパケットどうしの境界を検出する検出手段と、
    この検出手段で検出した前記境界の直後の前記データパケットの前記ヘッダに備えられる前記再生時刻情報と、当該直後のデータパケットに備えられた前記非基準フレームデータの前記オフセット値とを取得する取得手段と、
    この取得手段で取得した前記オフセット値と、前記ヘッダの前記再生時刻情報とを用いて、前記基準パケットの前記基準フレームデータより取得できなかった前記基準値を算出する算出手段と
    を有することを特徴とするデジタル画像データ処理装置。
  4. 請求項1記載のデジタル画像データ処理装置において、
    前記データパケットは、
    前記再生時刻情報としてのPTSを備えたPESヘッダを、前記ヘッダとして有するPESパケットであることを特徴とするデジタル画像データ処理装置。
  5. 符号化データを可変長にてパケット化した複数のデータパケットであって、
    これら複数のデータパケットが、
    再生時刻情報を含むヘッダ、このヘッダの前記再生時刻情報と実質同一の再生時刻情報を基準値として備える基準フレームデータ、前記基準値に対する前記再生時刻情報のオフセット値を備える非基準フレームデータを有する基準パケットと、
    前記ヘッダ及び前記非基準フレームデータを有する非基準パケットと
    を含む、ストリームを処理するデジタル画像データ処理方法であって、
    前記非基準フレームデータに備えられた前記基準値への前記オフセット値を用いて、当該非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定する決定手順と、
    この決定した前記固有の再生時刻情報が適正であるかどうかを判定する判定手順と、
    この判定において前記固有の再生時刻情報が適正でなかったと判定された場合、当該非基準フレームデータに対応した、前記基準フレームデータに備えられた前記基準値を算出する演算手順と
    を有することを特徴とするデジタル画像データ処理方法。
  6. 請求項5記載のデジタル画像データ処理方法において、
    前記演算手順で算出した前記基準値に基づき、前記非基準フレームデータ固有の再生時刻情報を決定することを特徴とするデジタル画像データ処理方法。
  7. 請求項5記載のデジタル画像データ処理方法において、
    前記判定手順は、
    前記固有の再生時刻情報が決定された前記非基準フレームデータに対応する前記基準フレームデータより前記基準値を取得できたかどうかを判定する手順であり、
    前記演算手順は、
    前記判定手順で前記基準値が取得できなかったと判定された場合、当該基準パケット以降の複数の前記データパケットどうしの境界を検出し、
    この検出した前記境界の直後の前記データパケットの前記ヘッダに備えられる前記再生時刻情報と、当該直後のデータパケットに備えられた前記非基準フレームデータの前記オフセット値とを取得し、
    この取得した前記オフセット値と、前記ヘッダの前記再生時刻情報とを用いて、前記基準パケットの前記基準フレームデータより取得できなかった前記基準値を算出する
    ことを特徴とするデジタル画像データ処理方法。
  8. 請求項5記載のデジタル画像データ処理方法において、
    前記データパケットとして、
    前記再生時刻情報としてのPTSを備えたPESヘッダを前記ヘッダとして有するPESパケットを用いることを特徴とするデジタル画像データ処理方法。
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