JP4672421B2 - 電気刺激方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微弱な電流を流すことによって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激方法及び装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、平衡感覚の受容器である前庭感覚への電気刺激を利用した身体誘導装置が知られている。このような電気刺激による歩行の誘導は次のようなものである。
図4に示すように、装着者1の左耳の後ろに皮膚表面電極44a、右耳の後ろに皮膚表面電極44bを設置し、電気刺激装置200の本体90からこれらの電極間に数mA程度の弱い直流を流すと、陽極側に向かって装着者1の前庭感覚に加速度感を生じさせることができる。すなわち、装着者1の主観的な重力の方向が傾き、電流の向きと強さに応じて装着者1の重心が揺らいで左又は右へ体が泳ぐ。皮膚への刺激が無いので装着者1は自分の体が動いた後で気が付く。
このように左右方向への加速度感を生じさせることによって、立位動作の原点である鉛直方向感覚に傾きを生じさせることができ、これによって装着者1の立位姿勢は当人の意図的な応答によらずに陽極側に傾く。この傾きを歩行中に生じさせると、図5に示すように装着者1の歩行方向は陽極側に向かって曲がって行くことになる。すなわち、図5に示すように、装着者1の左耳の後ろに設置した皮膚表面電極44aを陽極、右耳の後ろに設置した皮膚表面電極44bを陰極として電流を流すと、装着者1は陽極側である左方向に向かって曲がって歩いて行き、装着者1の左耳の後ろに設置した皮膚表面電極44aを陰極、右耳の後ろに設置した皮膚表面電極44bを陽極として電流を流すと、装着者1は陽極側である右方向に向かって曲がって歩いて行く。
上記のようにして歩行誘導装置200の装着者1の歩行を誘導した事例を図6に示す。図6のグラフは、図5のz軸の方向に向けて直進しているつもりで歩いている人間の腰の位置を歩行軌跡として上方からプロットしたものである。グラフの横軸は図5のz軸方向すなわち前方への移動量、縦軸は図5のx軸方向すなわち左右方向への移動量を表す。電流量は装着者1の左耳の後ろに設置する皮膚表面電極44aを陽極、右耳の後ろに設置する皮膚表面電極44bを陰極とした場合をプラスの値、その逆の場合をマイナスの値で表し、電流量ごとに装着者1の歩行軌跡がプロットされている。各マークは0.5秒毎の位置を表し、電気刺激は横軸0の位置から開始した。
図6によると、電流量がプラス側に大きくなるほど左方向への曲がり方が大きく、電流量がマイナス側に大きくなるほど右方向への曲がり方が大きくなっており、電流量に応じて装着者1の左右の加速度感の強さを制御できることを表している。この現象を利用して、装着者1の歩行を強制的な外力無しに再現性高く誘導することができる。
上記のような電気刺激において、装着者1の皮膚痛覚が刺激され痛みを感じる場合がある。このような皮膚痛覚刺激を抑制するには高周波の交流成分を抑制すればよいとされ、一般的にはローパスフィルタによって高周波数成分を抑制した刺激信号が用いられていた。以下、図7を参照して、このような電気刺激を行う従来の電気刺激装置200の構成を説明する。
従来の電気刺激装置200は、電流指令値(アナログ電圧)を出力する電流指令値出力部10、この電圧に前処理を行って出力する前処理フィルタ部30、前処理フィルタ部30の出力電圧に従ってユーザ皮膚電極44へ電流を出力する定電流発生・制御部40から構成される。なお、図4の本体90は、これらから定電流発生・制御部40に含まれるユーザ皮膚電極44を除いた部分により構成されている。
電流指令値出力部10は、刺激目標の電流値を指示する電流指令値を前処理フィルタ部30へ出力する。
前処理フィルタ部30のローパスフィルタ31は、入力された電圧を徐々に増加させる。ゲイン調整器32は、増幅率を調整する可変抵抗器が設けられ、入力された電圧を増幅率に従って増減して出力する。
定電流発生・制御部40の電源41は、一定電流を出力する。電流検出器42は、電源41から電流調整器43へ流れる電流量を検出し、検出した電流量に比例した電圧を比較器45へ出力する。比較器45は、電流検出器42が出力する電圧と前処理フィルタ部30が出力する電圧とを比較し、ハイレベル又はローレベルの電圧を出力する。例えば、電流検出器42の出力する電圧が前処理フィルタ部30の出力する電圧より小さい場合は、ハイレベルの電圧を出力し、そうでない場合はローレベルの電圧を出力する。電流調整器43は、比較器45からハイレベルの電圧が入力されたときは電流量を増加させ、ローレベルの電圧が入力されたときは電流量を減少させる。ユーザ皮膚電極44は、左耳の後ろに設置される皮膚表面電極44a及び右耳の後ろに設置される皮膚表面電極44bから構成され、電流調整器43から出力された電流を装着者1に入力する。定電流発生・制御部40は上記のような構成により、実際に流れる電流量を測定して、前処理フィルタ部30から入力される電圧に対応する電流量を達成するように電流供給を制御する。
電気刺激装置が図7に示すように構成される以前は、電流指令値出力部10が出力する電流指令値に合わせた定電流を定電流発生・制御部40において発生・制御し、ユーザ皮膚電極44を通じて装着者1に刺激を与える構成であった。これに対し、上記のように構成することにより、装着者1に入力される電流量は徐々に増加して電流指令値が示す電流量に到達するので、皮膚痛覚刺激が抑制される。
特開2004−254790号公報
しかし、上記の技術によれば、周波数制限フィルタの一般的な特性上、刺激提示の要請が生じてから実際に刺激が効果を奏する値まで電流量が増大するには、大きな時間の遅れが生じていた。図8の実線は、上述した従来の電気刺激装置200により装着者1に入力される電流値を示す。また、一点鎖線は、電流指令値出力部10(図7)が出力する電流指令値を直接、定電流発生・制御部40に入力した場合の電流波形である。電流指令値出力部10(図7)が刺激入力開始時刻tに刺激目標の電流値をIとする電流指令値を出力すると、前処理フィルタ部30のローパスフィルタ31(図7)により電流刺激達成時刻tまでの間に徐々に電圧が上昇して一定値に到達する。この電圧はゲイン調整器32の増幅率に従って増減して出力され、この電圧に対応する電流量が定電流発生・制御部40のユーザ皮膚電極44(図7)から装着者1に入力される。上記のような電流により装着者1の皮膚痛覚は刺激されないが、刺激が効果を奏するまでにtからtまでの時間を要し、刺激提示のタイミングが大きく遅れることになる。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、前庭刺激や筋刺激のような直流もしくは低周波数の交流による電気刺激に際して、想定する電気刺激の効果を損なうことなく、想定外の刺激を皮膚痛覚に対して生じさせないようにしつつ、刺激が効果を奏するまでの時間の遅れを最小にする電気刺激方法及び装置を提供することである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、左耳と右耳の後ろにそれぞれ設置される皮膚表面電極を備え、前記皮膚表面電極を介した電気刺激によって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激装置が行う電気刺激方法において、電流指令値であるアナログ電圧を出力する電流指令値出力ステップと、予め定めた電圧値を出力する定数値出力ステップと、出力する電圧が、ローパスフィルタを用いて所定の時間内に前記電流指令値に到達するように制御されたときの単位時間あたりの電流変化量の最大値に対応する値となるように、前記定数値出力ステップにおいて出力された電圧を増減する増幅率を設定し、前記定数値出力ステップにおいて出力された電圧を当該増幅率で増減して得られた電圧を単位時間あたりの電流指令値を指示する値として出力する第1のゲイン調整ステップと、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値になるまで、前記第1のゲイン調整ステップにおいて出力された電圧を積分して出力し、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値に到達するとその値を維持する積分ステップと、積分ステップにおける出力電圧を所定の増幅率に従って増減することにより、定常目標電流量を指示する値として出力する第2のゲイン調整ステップと、実際に流れる電流量を測定して、前記単位時間あたりの電流指令値を指示する値と前記定常目標電流量を指示する値とを達成するように、前記皮膚表面電極に入力する電流供給量を制御する定電流発生・制御ステップと、を有することを特徴とする電気刺激方法である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の電気刺激方法において、前記単位時間あたりの電流変化量は、電流を定常目標電流量まで上昇させるときの単位時間あたりの電流変化量であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、皮膚表面電極を介した電気刺激によって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激装置において、左耳と右耳の後ろにそれぞれ設置される前記皮膚表面電極と、電流指令値であるアナログ電圧を出力する電流指令値出力部と、予め定めた電圧値を出力する定数値出力部と、出力する電圧が、ローパスフィルタを用いて所定の時間内に前記電流指令値に到達するように制御されたときの単位時間あたりの電流変化量の最大値に対応する値となるように、前記定数値出力部から出力された電圧を増減する増幅率を設定し、前記定数値出力部から出力された電圧を当該増幅率で増減して得られた電圧を単位時間あたりの電流指令値を指示する値として出力する第1のゲイン調整器と、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値になるまで、前記第1のゲイン調整器から出力された電圧を積分して出力し、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値に到達するとその値を維持する積分器と、積分器の出力電圧を所定の増幅率に従って増減することにより、定常目標電流量を指示する値として出力する第2のゲイン調整器と、実際に流れる電流量を測定して、前記単位時間あたりの電流指令値を指示する値と前記定常目標電流量を指示する値とを達成するように、前記皮膚表面電極に入力する電流供給量を制御する定電流発生・制御部と、を具備することを特徴とする電気刺激装置である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電気刺激装置において、前記単位時間あたりの電流変化量は、電流を定常目標電流量まで上昇させるときの単位時間あたりの電流変化量であることを特徴とする。
本発明によれば、定常目標電流量だけでなく、単位時間あたりの電流変化量も考慮して電流量を制御することにより、皮膚痛覚刺激を抑制しつつ、刺激が効果を奏するまでの時間の遅れを最小にすることができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1はこの実施形態における電気刺激装置100の構成を示すブロック図である。電気刺激装置100は、従来の電気刺激装置200における前処理フィルタ部30に代えて電流変化量制御部20を設けた点が異なる。この電流変化量制御部20は、従来のようなローパスフィルタ31(図7)による処理では刺激提示のタイミングが大きく遅れる問題を、周波数を基準とした処理ではなく、単位時間あたりの電流変化量を一定以下に抑える処理によって、皮膚痛覚刺激を生じさせることなく刺激が効果を奏するまでの時間の遅れを小さくするものである。なお、図1に示す電流変化量制御部20の構成は一例であり、この構成に限定されない。
電流変化量制御部20の定数値出力部21は、一定電圧を出力する。ゲイン調整器22は、増幅率を調整する可変抵抗器が設けられ、入力された電圧を増幅率に従って増減して出力する。この電圧は積分器24において積分され電流量を指示する値として用いられるので、ゲイン調整器22から出力され積分器24に入力される電圧は単位時間あたりの電流変化量を指示する値となる。すなわち、ゲイン調整器22の増幅率を調整することにより電流変化量を制御することができる。図8のグラフにおいて刺激入力開始時刻tにおける立ち上がり波形の電流変化量が皮膚痛覚を刺激しない最も単位時間あたりの電流量の変化の大きい部分であるので、ゲイン調整器22が出力する電圧がこの電流変化量に対応する値となるように、ゲイン調整器22の増幅率を設定する。
比較器26は、電流指令値出力部10が出力する電圧と積分器24が出力する電圧とを比較し、ハイレベル又はローレベルの電圧を出力する。例えば、積分器24の出力する電圧が電流指令値出力部10の出力する電圧より小さい場合は、比較器26はハイレベルの電圧を出力し、そうでない場合はローレベルの電圧を出力する。スイッチ23は、比較器26からハイレベルの電圧が入力されたときはスイッチ23を閉じてゲイン調整器22の出力電圧を積分器24へ入力させ、ローレベルの電圧が入力されたときはスイッチ23を開いてゲイン調整器22の出力電圧を積分器24へ入力させない。積分器24は、ゲイン調整器22が出力する電圧を積分して出力する。すなわち、積分器24の出力電圧は時間に比例して上昇し、電流指令値に等しい値まで上昇すると、以後、その値を維持する。
ゲイン調整器25は、増幅率を調整する可変抵抗器が設けられ、入力された電圧を増幅率に従って増減して出力する。電流指令値に等しい値に維持された積分器24の出力電圧がゲイン調整器25の増幅率に従って増減された電圧は定常目標電流量を指示する値として定電流発生・制御部40に入力される。すなわち、ゲイン調整器25の増幅率を調整することにより定常目標電流量を制御することができる。
電流変化量制御部20は上記のような構成により、定常目標電流量と単位時間あたりの電流変化量を制御する。また、定電流発生・制御部40は従来と同様に構成され、実際に流れる電流量を測定して、電流変化量制御部20から入力される定常目標電流量と電流変化量を達成するように電流供給を制御する。
上述した電気刺激装置100による電流波形を図2のグラフにおいて破線で示す。図2のグラフは、図8のグラフに破線が追加されたものであり、この破線は電気刺激装置100により装着者1に入力される電流値を示す。電流変化量制御部20は電流指令値出力部10が電流指令値として出力する電圧をランプ型時間応答追従特性の電圧に変換し、電流指令値に等しい電圧まで上昇させて、以後、その値を維持する。この電圧はゲイン調整器25の増幅率に従って増減して出力され、この電圧に対応する電流が定電流発生・制御部40のユーザ皮膚電極44から装着者1に入力される。
なお、電流指令値出力部10からIより小さい刺激目標の電流値を指示する電流指令値が出力された場合は装着者1には上記より弱い刺激が与えられ、Iにより奏する効果より小さい効果を奏する。すなわち、電気刺激装置100によって前述のような歩行の誘導を行った場合は、小さく歩行を誘導することができる。
従来の電気刺激装置200のローパスフィルタ31による処理において、皮膚痛覚を刺激しない最も単位時間あたりの電流量の変化の大きい部分は、刺激入力開始時刻tにおける立ち上がり波形である。これよりも急激な電流量の変化、すなわち刺激電流の時間波形をグラフに表したときに図2の斜線部分に含まれる場合には、皮膚痛覚を刺激することとなる。したがって、電流値の時間変化量を一定以下にする必要がある。この実施形態においては、ゲイン調整器22を適切に設定することにより、常にこの皮膚痛覚を刺激しない限界値となる最大の変化量で電流を制御することが可能となり、皮膚痛覚を刺激せずに最短時間であるtからtまでの時間で刺激目標の電流値Iに到達することができる。
次に、電気刺激装置のもう1つの構成例について説明する。図3の電気刺激装置110は、電流指令値出力部10が出力する電流指令値を直接、定電流発生・制御部40に入力する構成とは異なり、破線内の構成が追加されている。これにより、装着者1ごとに適切な定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を電気刺激装置110の外部から設定し、与えたくない皮膚痛覚刺激を低減することができる。
電気刺激装置110は、前述の電流指令値出力部10、電流変化量制御部20、定電流発生・制御部40を含む。ユーザ刺激調整ツマミ27は、電流変化量制御部20においてゲイン調整器22(図1)に設けられた電流変化量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変えるためのツマミと、ゲイン調整器25(図1)に設けられた電流量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変えるためのツマミから構成される。また、図1において定電流発生・制御部40に含まれるユーザ皮膚電極44は、図3においては定電流発生・制御部40には含まずこの外部に設けられている。
電気刺激装置110は、さらに、破線内に調整信号発生器50と稼動・調整切り替えスイッチ60が追加されている。調整信号発生器50は、正又は負の最大の電流指令値を出力する。稼動・調整切り替えスイッチ60はトグルスイッチであり、その共通接点cが接点aに接続されると電流指令値出力部10の出力電圧が電流変化量制御部20に入力され、共通接点cが接点bに接続されると調整信号発生器50の出力電圧が電流変化量制御部20に入力される。
電気刺激装置110の動作は次の通りである。装着者1は、ユーザ皮膚電極44を構成する皮膚表面電極44a及び44bをそれぞれ左耳及び右耳の後ろに設置し、稼動・調整切り替えスイッチ60の共通接点cを接点bに接続する。すると、電流指令値出力部10が出力する正と負の最大の電流指令値に等しい値が調整信号発生器50から電流変化量制御部20に出力される。そして電流変化量制御部20が出力する電圧に対応する電流量が定電流発生・制御部40からユーザ皮膚電極44を通じて装着者1に入力される。なお、調整信号発生器50が出力する最大の電流指令値の正と負の切り替えは、装着者1が手動で切り替える構成としてもよいし、装着者1に入力される電流値が図2のグラフに示す破線のように増加して一定値となるまでの時間間隔、すなわち、tからtまでの時間よりも長い時間間隔をもうけて、自動で正と負の間を繰り返し切り替える構成としてもよい。
このとき装着者1が皮膚痛覚刺激を感じた場合は、ユーザ刺激調整ツマミ27を操作して、許容できる適切な皮膚痛覚刺激となるように、ゲイン調整器22(図1)に設けられた電流変化量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値、及び、ゲイン調整器25(図1)に設けられた電流量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変化させる。これにより、電流変化量制御部20は、電流指令値出力部10から出力された電流指令値を、装着者1ごとに適切な定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量に対応したランプ応答に変換し、定電流発生・制御部40に出力する。装着者1はこのように適切な値に定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を調整した後、稼動・調整切り替えスイッチ60の共通接点cを接点aに接続すると、電流指令値出力部10から出力された電流指令値が電流変化量制御部20に入力される。このようなリファレンス作業により前庭電気刺激等において最適に皮膚痛覚刺激を軽減し、電気刺激が効果を奏するまでの応答の遅れを防止することができる。
上記では、定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を装着者1が手動で設定したが、個人差、環境差にあわせて自動設定してもよい。これは、実際に刺激を与える前にユーザ皮膚電極44の通電抵抗を短時間で測定し、この測定結果に基づいて好ましい定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を推定して自動設定するものである。
上記のように自動設定を行うための構成及びその動作の一例は次の通りであるが、これに限定されない。ここでは、前述の電気刺激装置100の電流変化量制御部20(図1)について次のように構成を追加する。電流変化量制御部20は、通電抵抗測定部、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)をさらに備える。また、ゲイン調整器22及びゲイン調整器25はCPUに接続され、増幅率をCPUから指示された値に設定する。通電抵抗測定部はユーザ皮膚電極44と接続し、CPUから通電抵抗の測定指示が入力されるとユーザ皮膚電極44の通電抵抗を測定し、その測定値をCPUに出力する。
CPUはROMに記憶された制御プログラムに従い、上記のような通電抵抗測定部の制御、及び、ゲイン調整器22、ゲイン調整器25の増幅率の制御を行う。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶する。ROMはCPUの制御プログラム、及び、通電抵抗の値に対して好ましい定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を設定するために用いられるテーブルを予め記憶しておく。
上記のテーブルの項目は、通電抵抗の値、ゲイン調整器25に設定する増幅率、ゲイン調整器22に設定する増幅率からなる。まず、基準となる通電抵抗の値及びこれに対応する好ましい単位時間あたりの電流変化量を定める。また、通電抵抗の値を複数用意する。そして、通電抵抗の値ごとに、基準となる通電抵抗の値に対する比率αを算出し、αのm乗倍の値、及び、αのn乗分の1の値を算出し、それぞれの値をゲイン調整器25に設定する増幅率、ゲイン調整器22に設定する増幅率として、通電抵抗の値に対応づけてテーブルを作成する。ここで、m、nは正の数で1より小さい値とする。また、定数値出力部21が出力する電圧は、上記の基準となる通電抵抗の値に対応する好ましい単位時間あたりの電流変化量に対応する電圧としておく。
上述した電流変化量制御部20のCPUは次のように動作する。まず、通電抵抗測定部に通電抵抗の測定指示を出力し、その測定値を取得してRAMに記憶する。次に、ROMに予め記憶されたテーブルにおいてRAMに記憶した測定値に等しい通電抵抗の値、等しいものが存在しない場合は最も近い通電抵抗の値を特定し、これに対応するαのm乗倍の値、及び、αのn乗分の1の値を取得する。これらの値をそれぞれゲイン調整器25の増幅率、及び、ゲイン調整器22の増幅率として設定する。すると、電流指令値をαのm乗倍した値に対応する電流量が定常目標電流量となり、定数値出力部21が出力する値をαのn乗分の1倍した値に対応する電流量が単位時間あたりの電流変化量となる。
本発明は、微弱な電流を流すことによって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激方法及び装置に用いられる。
本発明の実施形態による電気刺激装置100の構成を示すブロック図である。 電気刺激装置100による電流波形を示すグラフである。 電気刺激装置110の構成を示すブロック図である。 従来の電気刺激装置200の装着例を示す図である。 電気刺激装置200による電流の極性と歩行方向の関係を示す図である。 電気刺激装置200を用いた歩行誘導における歩行軌跡を示すグラフである。 電気刺激装置200の構成を示すブロック図である。 電気刺激装置200による電流波形を示すグラフである。
符号の説明
1…装着者
10…電流指令値出力部
20…電流変化量制御部
21…定数値出力部
22、25…ゲイン調整器
23…スイッチ
24…積分器
26…比較器
27…ユーザ刺激調整ツマミ
30…前処理フィルタ部
31…ローパスフィルタ
32…ゲイン調整器
40…定電流発生・制御部
41…電源
42…電流検出器
43…電流調整器
44…ユーザ皮膚電極
44a、44b…皮膚表面電極
45…比較器
50…調整信号発生器
60…稼動・調整切り替えスイッチ
90…本体
100、110、200…電気刺激装置
a、b…接点
c…共通接点

Claims (4)

  1. 左耳と右耳の後ろにそれぞれ設置される皮膚表面電極を備え、前記皮膚表面電極を介した電気刺激によって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激装置が行う電気刺激方法において、
    電流指令値であるアナログ電圧を出力する電流指令値出力ステップと、
    予め定めた電圧値を出力する定数値出力ステップと、
    出力する電圧が、ローパスフィルタを用いて所定の時間内に前記電流指令値に到達するように制御されたときの単位時間あたりの電流変化量の最大値に対応する値となるように、前記定数値出力ステップにおいて出力された電圧を増減する増幅率を設定し、前記定数値出力ステップにおいて出力された電圧を当該増幅率で増減して得られた電圧を単位時間あたりの電流指令値を指示する値として出力する第1のゲイン調整ステップと、
    出力する電圧が前記電流指令値に等しい値になるまで、前記第1のゲイン調整ステップにおいて出力された電圧を積分して出力し、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値に到達するとその値を維持する積分ステップと、
    積分ステップにおける出力電圧を所定の増幅率に従って増減することにより、定常目標電流量を指示する値として出力する第2のゲイン調整ステップと、
    実際に流れる電流量を測定して、前記単位時間あたりの電流指令値を指示する値と前記定常目標電流量を指示する値とを達成するように、前記皮膚表面電極に入力する電流供給量を制御する定電流発生・制御ステップと、
    を有することを特徴とする電気刺激方法。
  2. 前記単位時間あたりの電流変化量は、電流を定常目標電流量まで上昇させるときの単位時間あたりの電流変化量であることを特徴とする請求項1に記載の電気刺激方法。
  3. 皮膚表面電極を介した電気刺激によって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激装置において、
    左耳と右耳の後ろにそれぞれ設置される前記皮膚表面電極と、
    電流指令値であるアナログ電圧を出力する電流指令値出力部と、
    予め定めた電圧値を出力する定数値出力部と、
    出力する電圧が、ローパスフィルタを用いて所定の時間内に前記電流指令値に到達するように制御されたときの単位時間あたりの電流変化量の最大値に対応する値となるように、前記定数値出力部から出力された電圧を増減する増幅率を設定し、前記定数値出力部から出力された電圧を当該増幅率で増減して得られた電圧を単位時間あたりの電流指令値を指示する値として出力する第1のゲイン調整器と、
    出力する電圧が前記電流指令値に等しい値になるまで、前記第1のゲイン調整器から出力された電圧を積分して出力し、出力する電圧が前記電流指令値に等しい値に到達するとその値を維持する積分器と、
    積分器の出力電圧を所定の増幅率に従って増減することにより、定常目標電流量を指示する値として出力する第2のゲイン調整器と、
    実際に流れる電流量を測定して、前記単位時間あたりの電流指令値を指示する値と前記定常目標電流量を指示する値とを達成するように、前記皮膚表面電極に入力する電流供給量を制御する定電流発生・制御部と、
    を具備することを特徴とする電気刺激装置。
  4. 前記単位時間あたりの電流変化量は、電流を定常目標電流量まで上昇させるときの単位時間あたりの電流変化量であることを特徴とする請求項に記載の電気刺激装置。
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