JP4670523B2 - 光ケーブル - Google Patents

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本発明は、撚り方向が長手方向に周期的に反転する溝部が形成されたスペーサの溝部内に光ファイバ心線を収納した光ケーブルに関するものである。
従来、光ファイバ心線は、複数本まとめて光ケーブルとして敷設されることが行われている。そのような光ケーブルとしては、スペーサの周囲に形成された撚り方向が周期的に反転する螺旋状の溝内に、複数の光ファイバ心線を収納させたケーブルコアを備えたものが知られている。
光ファイバで高速・長距離伝送を行う際の信号劣化の要因の一つとして、偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)がある。このPMDは、光ファイバ中を伝搬する光信号の2つの直交する偏波モードの群遅延差によって引き起こされるもので、2つの直交する偏波間の信号の伝送速度の差として、psec/km1/2の単位で評価される。
このPMDの原因となる光ファイバの異方性は、光ファイバのコアの楕円化、もしくは、各種の応力による複屈折によって生じるが、具体的には、光ファイバの母材となるガラス母材の熱履歴によって生じる歪み、ガラス母材から光ファイバを線引きする際の周方向における加熱温度、冷却温度のばらつき、あるいは光ケーブルとした状態における光ファイバの軸とコアの中心とのずれやコアの断面形状が楕円等であることによって生じる。
このため、複数本の光ファイバ心線をスペーサの螺旋状の溝内に収納した光ケーブルにおいて、光ファイバ心線のPMDを低減させるために、光ファイバ心線の撚りピッチを短くすることにより、部分的に捻率(単位長さ当りの捻回量)を大きくし、元々有している光ファイバの直交する偏波モード分散の平均化を図り、PMDを低減することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−122762号公報
しかしながら、光ファイバは、その捻率を単純に増加させればPMDが低下するわけではなく、ある捻率以上になると、PMDは再び増加し始める。これは、捻回による偏光方向の旋光によって、右回り円偏光と左回り円偏光に群遅延差が生じるためである。このため、低PMDの光ケーブルを作製する為には、この現象によるPMDの増加も抑える必要がある。
本発明は、各種の要因によって光ファイバに生じるPMDが確実に抑えられた光ケーブルを提供することを目的としている。
上記課題を解決することのできる本発明に係る光ケーブルは、外周に撚り方向が周期的に反転する螺旋状の溝部が形成された略円形断面の長尺スペーサの前記溝部内に光ファイバ心線が収納されたケーブルコアを備えた光ケーブルであって、
前記光ファイバ心線は、長手方向に捻回方向を周期的に変えて捻回された状態で前記溝部内に収納され、
前記溝部の前記スペーサ表面における軌跡が(1)式により表され、
前記光ファイバ心線の捻回角度θが(2)式によって表され
(1)式の定数z =0であり、
前記軌跡の長周期と短周期のピッチが、P =P /(4n+1)の関係を満たすことを特徴とする。
y=(aφ/2)×sin[2πz/P]+(aφ/2)×sin[2π(z+z)/P] …(1)
θ=α×sin[2πz/Λ]+α×sin[2π(z+z)/Λ] …(2)
但し、y:スペーサの断面外周に沿った座標(mm)
z:スペーサの中心軸線に沿った座標(mm)
,z:定数
φ:前記軌跡の長周期反転角度(°)
:前記軌跡の長周期ピッチ(mm)
φ:前記軌跡の短周期反転角度(°)
:前記軌跡の短周期ピッチ(mm) (但しP>P
a:前記スペーサの断面の半径(mm)
θ:光ファイバ心線の捻回角度(°)
α:前記光ファイバ心線の捻回角度の長周期振幅(°)
Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の長周期反転ピッチ(mm)
α:前記光ファイバ心線の捻回角度の短周期振幅(°)
Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の短周期反転ピッチ(mm)
n:1以上の自然数
本発明に係る光ケーブルは、外周に撚り方向が周期的に反転する螺旋状の溝部が形成された略円形断面の長尺スペーサの前記溝部内に光ファイバ心線が収納されたケーブルコアを備えた光ケーブルであって、
前記光ファイバ心線は、長手方向に捻回方向を周期的に変えて捻回された状態で前記溝部内に収納され、
前記溝部の前記スペーサ表面における軌跡が(1)式により表され、
前記光ファイバ心線の捻回角度θが(2)式によって表され、
(1)式の定数z =P /2であり、
前記軌跡の長周期と短周期のピッチが、P =P /(4n−1)の関係を満たすことを特徴とする。
y=(aφ /2)×sin[2πz/P ]+(aφ /2)×sin[2π(z+z )/P ] …(1)
θ=α ×sin[2πz/Λ ]+α ×sin[2π(z+z )/Λ ] …(2)
但し、y:スペーサの断面外周に沿った座標(mm)
z:スペーサの中心軸線に沿った座標(mm)
,z :定数
φ :前記軌跡の長周期反転角度(°)
:前記軌跡の長周期ピッチ(mm)
φ :前記軌跡の短周期反転角度(°)
:前記軌跡の短周期ピッチ(mm) (但しP >P
a:前記スペーサの断面の半径(mm)
θ:光ファイバ心線の捻回角度(°)
α :前記光ファイバ心線の捻回角度の長周期振幅(°)
Λ :前記光ファイバ心線の捻回方向の長周期反転ピッチ(mm)
α :前記光ファイバ心線の捻回角度の短周期振幅(°)
Λ :前記光ファイバ心線の捻回方向の短周期反転ピッチ(mm)
n:1以上の自然数
本発明に係る光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線が前記溝部内に収納される前の状態での偏波モード分散が1.0ps/km1/2以下であって、前記光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが40゜以上であって、前記Δαと、前記捻回方向の長周期反転ピッチΛ (m)が、次式の関係を満たすことが好ましい。
Λ (m)≦1.3×(Δα−24)1/2
本発明に係る光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線が前記溝部内に収納される前の状態での偏波モード分散が0.5ps/km1/2以下であって、前記光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが50゜以上であって、前記Δαと、前記捻回方向の長周期反転ピッチΛ (m)が、次式の関係を満たすことが好ましい。
Λ (m)≦2.0×(Δα−24)1/2
本発明に係る光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線は、その捻回方向が反転する位置で前記スペーサに固定されていることが好ましい。
本発明に係る光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線は、複数本を並列させて一体化された光ファイバテープ心線の形態で前記溝部内に収納されていることが好ましい。
本発明の光ケーブルによれば、光ファイバ心線を捻回させることにより、光ファイバ心線が元々有している直交する偏波モード分散の平均化を図るとともに、光ファイバ心線の捻回方向を長手方向で周期的に変えることにより、円偏光の伝搬速度差を長手方向で相殺して捻回による偏波モード分散の低減も図ることができる。つまり、各種原因によって光ファイバ心線に生じる偏波モード分散を確実に抑えることができる。
以下、本発明に係る光ケーブルの実施形態の例について図面を参照して説明する。
(捻回によるPMDの低減効果の原理)
図1は、光ファイバ心線を捻回させた際に生じるPMDを示すグラフである。
図1に示すように、光ファイバ心線を捻回させると、この光ファイバ心線には、PMDの変化に関する2つの現象が発生する。これらの現象の内の1つは捻回によるファイバ異方性方向の回転によって、直交する偏波モードの平均化により両モード間の速度差が平均化されPMDが低下する現象A(図1に示す曲線A)であり、もう1つは捻回によって偏光方向の旋光が起き、右回り円偏光と左回り円偏光に群遅延差が生じ、PMDが負に増加する現象B(図1に示す曲線B)である。
一般に、PMDは、波長分散のように正と負の値は持たないため、分散マネージメント伝送をさせることは困難である。これは、外力やわずかな捻回によって、直交する偏波モード間で結合が起き、偏波状態がランダム化してしまうためである。
しかし、捻回歪みによる円偏波モード間の分散は、モード結合が無く、捻回方向に対し、正と負の値を持つ。そこで、現象Aの効果を充分に得るような捻率を光ファイバ心線に与えている収納状態では、捻回方向を交互に振ることによって、偏波モード分散のマネージメント伝送が可能となる。
図2(a)に、光ケーブルの長手方向における光ファイバ心線の捻回角度変化を示し、図2(b)に、その光ファイバ心線の捻回角度変化に伴う長手方向のPMDの変化を示す。現象Aの効果が十分に得られる捻回角度の振幅で、図2に示すように、光ファイバ心線の捻回角度(捻回量)を長手方向で正負に周期的に変化させることによって、すなわち、その長手方向における捻回角度の積分値がゼロになる部分(図2のL1,L2)が長手方向に周期的に存在するように捻回方向を周期的に交互に反転させることによって、図2(b)に示すように、PMDを補償しながら伝送することが可能となる。そして、現象AによるPMD低減効果が長手方向にわたって継続的に発揮される。
ここで、複数の光ファイバ心線を樹脂によって一体化したテープ心線を、図3に示すように、捻回角度の振幅α、捻回の反転ピッチΛにて捻回させる。このときのテープ心線の捻回の振幅及びピッチに対するPMDの計算結果を、等高線のグラフとして図4及び図5に示す。なお、図4の計算に用いた心線のPMD実力値(光ケーブルのスペーサの溝部内に収納される前の状態でのPMD、すなわち捻回を受けていない状態でのPMD)は、1.0ps/km1/2であり、図5の計算に用いた心線のPMD実力値は、0.5ps/km1/2である。
図4及び図5に示すように、双方向にテープ心線を捻回することによって、PMDが低下することがわかる。また、テープ心線を双方向に捻回するときの捻回角度の振幅αを大きく反転ピッチΛを小さくすることによって、すなわち捻率を大きくすることによって、よりPMDを低下させることが可能であることがわかる。
また、光ファイバ心線の元のPMD実力値は、ばらつきが存在する。また、テープ心線内でも光ファイバ心線にかかる外力にはばらつきが存在する。したがって、ケーブル化後でのPMDを保証するには、光ファイバ心線の実力値のばらつきの分布において、最大値について補償できるように設計するべきであると考えられる。
光ファイバ心線のPMD実力値の最大値が1.0ps/km1/2である場合、IEC(International Organization for Standardization)の推奨基準値PMD<0.5ps/km1/2を保証するには、図4中に示した実線Cよりも下の範囲になるようにケーブルを構成すればよい。即ち、α≧40゜であって、かつ、Λ≦1.3×(α−24)1/2を満足すればよい。但し、Λは捻回方向の反転ピッチ、αは捻回角度振幅である。
なお、PMDとは、光ケーブルを複数接続して測定した実効的なPMD値を示すものであり、通常は対象となる光ケーブルのPMD値の分布から統計的に推算される。
また、より低いPMDとして、IECの推奨基準値PMD<0.2ps/km1/2を保証するには、PMD実力値の最大値が0.5ps/km1/2である光ファイバ心線を用いて、図5中に示した実線Dよりも下の範囲になるようにケーブルを構成すればよい。即ち、α≧50゜であって、かつ、Λ≦2.0×(α−24)1/2を満足すればよい。
(実施形態)
次に、本発明に係る光ケーブルの実施形態の例について、図を参照しながら具体的に説明する。
図6は本実施形態の光ケーブルの構造を示す光ケーブルの断面図であり、図7は光ケーブルのスペーサのみを示す側面図である。
図6に示すように、この光ケーブル20は、ケーブルコア21を有している。このケーブルコア21は、鋼線等からなるテンションメンバ23が中心に設けられたスペーサ22を有している。このスペーサ22は、図7に示すように、その外周面に、螺旋状に形成された複数の溝部24を備えており、これら溝部24は、その螺旋の撚り方向が長手方向で周期的に反転されている。すなわち、スペーサ22は、溝部24の撚り方向が長手方向に沿って所定のピッチで反転され、長手方向で左撚りの溝部24と右撚りの溝部24が交互に形成されている所謂SZスペーサの構造となっている。このスペーサ22の溝部24には、複数の光ファイバテープ心線29を積層してまとめたテープスタック32が収納されている。光ファイバテープ心線29は、複数本(例えば4本)光ファイバ心線を並列させて樹脂によってテープ状に一体化したものである。
スペーサ22は、その外周に、押さえ巻き27が巻き付けられ、その外周が外被28によって覆われている。
次に、上記構造の光ケーブル20における光ファイバ心線の収納の形態について、上記のように4本の光ファイバ心線を一体化した光ファイバテープ心線29を積層したテープスタック32を収納する場合を一例として説明する。
前述したように、光ケーブル20のケーブルコア21を構成するスペーサ22は、その溝部24が螺旋状に形成され、この螺旋の向きが周期的に反転されている。
そして、撚り方向を長手方向に沿って一定のピッチで反転させた溝部24には、4心の光ファイバテープ心線29を5本(5枚)積層させたテープスタック32が収納されており、このテープスタック32は、長手方向に捻回方向が周期的に変えられて捻回されている。
光ファイバテープ心線29の光ファイバ心線は、PMD実力値の最大値を1.0ps/km1/2とし、図4中に示した実線Cよりも下の範囲となるように、捻回角度の振幅α≧40゜であって、かつ、捻回方向の反転ピッチΛ≦1.3×(α−24)1/2を満足している。
また、光ファイバ心線のPMD実力値の最大値を0.5ps/km1/2とし、図5中に示した実線Dよりも下の範囲となるように、捻回角度の振幅α≧50゜であって、かつ、捻回方向の反転ピッチΛ≦2.0×(α−24)1/2を満足しているとさらに好ましい。
また、この光ファイバテープ心線29は、その捻回方向が反転する位置でスペーサ22に固定されている。
ここで、図8は、光ファイバテープ心線29の捻回角度及びスペーサ22の溝部24の撚りを示したものである。図8に示すものでは、光ファイバテープ心線29のスペーサ22への固定ピッチを溝部24の螺旋の反転ピッチと略等しくし、光ファイバテープ心線29の反転位置で、接着剤等の固定樹脂30によって光ファイバテープ心線29をスペーサ22に固定している。
そして、このように光ファイバテープ心線29の捻回方向が反転する位置を固定することにより、テープスタック32の捻回が確実に維持される。
なお、この光ファイバテープ心線29のスペーサ22への固定の仕方としては、溝部24内に接着剤等の樹脂30を充填して固定する方法以外にも、外被28を溝部24内へ入り込ませ溝部24内の空隙部分を小さくして固定する方法、あるいは溝部24の形状を光ファイバテープ心線29の捻回した姿勢に合わせて形成し、さらに長手方向で光ファイバテープ心線29の捻回と同期させるように形成して光ファイバテープ心線29の姿勢を維持する方法などがある。
(第1参考形態)
次に、上記の光ケーブル20の一例として、スペーサ22の溝部24の螺旋のSZピッチ(左撚り軌跡と右撚り軌跡を繋いだサイン曲線の1周期に相当)Pが600mm(すなわち反転ピッチは300mm)、溝部24の反転角度(角度の振幅)が140°であり、テープスタック32の反転ピッチ(反転周期)Λが300mm、捻回角度の振幅αが230°(溝部24の反転角度140°よりも90°大きな振幅)である光ケーブル20について説明する。
図9は、スペーサ22の溝部24内におけるテープスタック32の捻回の変化を示す断面模式図であり、図10は、スペーサ22の溝部24の角度とテープスタック32の捻回角度の長手方向における変化を示すグラフである。なお、図10中の実線はスペーサ22の溝部24の角度変化を示し、鎖線はテープスタック32の捻回角度変化を示している。
図9におけるa)〜d)の領域(図10中長さ0〜150mmの領域)では、スペーサ22の溝部24が右撚りであるのに対して、テープスタック32も右捻回とされている。ただし、テープスタック32の捻回角度の振幅(α=230°)が溝部24の反転角度140°の振幅よりも大きいため、テープスタック32は、溝部24の撚り角度に対して相対的に多く捻回されている。そして、溝部24の反転部d)(図10中長さ150mmの箇所)では、テープスタック32は、溝部24に対して90°大きく捻回することにより底面を溝部24の側壁に向けた状態で収納される。このように、溝部24の反転部d)では、テープスタック32が溝部24の側壁に沿って曲げられるため、底面(または上面)を側壁に向ける収納方式が安定し、所望の捻回状態で保持される。
テープスタック32は、溝部24の反転部d)で捻回方向が反転し、d)〜j)の間(図10中長さ150〜450mmの領域)では、溝部24は、左撚りとなり、テープスタック32も左捻回となる。ここで、中間部g)(図10中長さ300mmの箇所)では、反転部d)に対して230°戻されたテープスタック32の底面が、反転部d)に対して140°戻された溝部24の底部に向けられて安定して収納され、さらに、再度、溝部24の撚り方向及びテープスタック32の捻回方向が反転する反転部j)(図10中長さ450mmの箇所)では、テープスタック32は、230°左捻回されて、左撚りに140°撚られた溝部24に対して90°大きく捻回することにより、その底面が溝部24の側壁に向けられ、安定して収納される。
テープスタック32は、溝部24の反転部j)で捻回方向が反転し、j)〜d)の間(図11中長さ450〜600mmの領域)では、溝部24は、右撚りとなり、テープスタック32も右捻回となる。そして、中間部a)(図11中長さ600mmの箇所)では、テープスタック32の底面が溝部24の底部に向けられて安定して収納される。
また、このように捻回されたテープスタック32内の光ファイバ心線は、a)及びg)の位置で光ファイバ心線の長手方向における捻回角度の積分値がゼロになっており、a)〜g)〜a)の捻回を行う毎に右回り円偏光と左回り円偏光の群遅延差が補償される。
そして、上記のような光ケーブル20では、テープスタック32の捻回方向とスペーサ22の溝部24の撚り方向とを合わせ、かつ、テープスタック32の捻回方向の反転位置と、スペーサ22の溝部24の撚り方向の反転位置とを合わせたので、溝部24に対するテープスタック32の相対的な捻回率(溝部24とテープスタック32の角度差)を比較的小さくすることができる。これにより、テープスタック32が溝部24から受ける応力が小さくなり、光ファイバ心線の伝送損失が小さく抑えられる。
なお、テープスタック32の撚り方向及び捻回の反転位置は、必ずしも溝部24に一致させなくても、十分な低PMD効果を得ることができる。
また、テープスタック32の捻回方向の反転部d),j)で固定樹脂30を注入してテープスタック32をスペーサ22に固定することにより、溝部24内におけるテープスタック32の確実な捻回状態を維持することができる。ただし、スペーサ22の溝部24のピッチ及び反転角度と、テープスタック32の捻回方向及び捻回角度との関係によっては固定樹脂30による固定がなくても安定してテープスタック32の捻回状態が維持される場合もある。これは、スペーサ22の溝部24の撚り方向及び反転位置とテープスタック32の捻回方向及び反転位置が一致し、さらに、スペーサ22の溝部24の反転角度が120°〜150°程度で、テープスタック32の捻回角度の振幅αが5°〜40°程度の場合である。
(第2参考形態)
次に、上記の光ケーブル20の一例として、スペーサ22の溝部24の螺旋のSZピッチPが600mm、溝部24の反転角度が140°であり、テープスタック32の反転ピッチΛが300mm、捻回角度の振幅αが410°(溝部24の反転角度140°よりも270°大きな振幅)である光ケーブル20について説明する。
図11は、スペーサ22の溝部24内におけるテープスタック32の捻回の変化を示す断面模式図であり、図12は、スペーサ22の溝部24の角度とテープスタック32の角度の長手方向における変化を示すグラフである。なお、図12中実線はスペーサ22の溝部24の角度変化を示し、鎖線はテープスタック32の角度変化を示している。
図11におけるa)〜d)の領域(図12中長さ0〜150mmの領域)では、スペーサ22の溝部24が右撚りであるのに対して、テープスタック32も右捻回とされている。ただし、テープスタック32の捻回角度の振幅(α=410°)が溝部24の反転角度140°よりも大きいため、テープスタック32は、溝部24に対して相対的に多く捻回されている。そして、溝部24の反転部d)(図12中長さ150mmの箇所)では、テープスタック32は、溝部24に対して270°大きく捻回することにより底面を溝部24の側壁に向けた状態で収納される。このように、溝部24の反転部d)では、テープスタック32が溝部24の側壁に沿って曲げられるため、底面(または上面)を側壁に向ける収納方式が安定し、所望の捻回状態で保持される。
テープスタック32は、溝部24の反転部d)で捻回方向が反転し、d)〜j)の間(図12中長さ150〜450mmの領域)では、溝部24は、左撚りとなり、テープスタック32も左捻回となる。ここで、中間部g)(図12中長さ300mmの箇所)では、反転部d)に対して410°戻されたテープスタック32の底面が反転部d)に対して140°戻された溝部24の底部に向けられて安定して収納され、さらに、再度、溝部24の撚り方向及びテープスタック32の捻回方向が反転する反転部j)(図12中長さ450mmの箇所)では、テープスタック32は、410°左捻回されて、左撚りに140°撚られた溝部24に対して270°大きく捻回することにより、その底面が溝部24の側壁に向けられ、安定して収納される。
テープスタック32は、溝部24の反転部j)で捻回方向が反転し、j)〜d)の間(図12中長さ450〜600mmの領域)では、溝部24は、右撚りとなり、テープスタック32も右捻回となる。そして、中間部a)(図13中長さ600mmの箇所)では、テープスタック32の底面が溝部24の底部に向けられて安定して収納される。
そして、本形態の光ケーブル20の場合も、テープスタック32内の光ファイバ心線は、a)及びg)の位置で光ファイバ心線の長手方向における捻回角度の積分値がゼロになっており、a)〜g)〜a)の捻回を行う毎に右回り円偏光と左回り円偏光の群遅延差が補償される。
また、テープスタック32の捻回方向とスペーサ22の溝部24の撚り方向とを合わせ、かつ、テープスタック32の捻回の反転位置と、スペーサ22の溝部24の撚りの反転位置とを合わせたので、溝部24に対するテープスタック32の捻回率(溝部24とテープスタック32の角度差)を極力小さくすることができる。これにより、テープスタック32が溝部24から受ける応力が小さくなり、光ファイバ心線26の伝送損失が小さく抑えられる。
(第実施形態)
次に、上記の光ケーブル20の別の一例として、複合SZ型スペーサ22aにテープスタック32を収納した形態について説明する。
この複合SZ型スペーサとは、溝部24を短周期及び長周期のサイン曲線からなるSZ軌跡を合わせた関数に従った軌跡で形成したもので、溝部24は、短周期のSZ軌跡を描き、さらに、その溝部24の短周期のSZ軌跡が長周期のSZ軌跡に沿って変動されている。
すなわち、本実施形態の光ケーブルでは、溝部24のスペーサ表面における軌跡が(1)式により表され、光ファイバ心線の捻回角度θが(2)式によって表される。
y=(aφ/2)×sin[2πz/P]+(aφ/2)×sin[2π(z+z)/P] …(1)
θ=α×sin[2πz/Λ]+α×sin[2π(z+z)/Λ] …(2)
但し、y:スペーサの断面外周に沿った座標
z:スペーサの中心軸線に沿った座標
,z:定数
φ:前記軌跡の長周期反転角度
:前記軌跡の長周期ピッチ
φ:前記軌跡の短周期反転角度
:前記軌跡の短周期ピッチ (但しP>P
a:前記スペーサの断面の半径
θ:光ファイバ心線の捻回角度
α:前記光ファイバ心線の捻回角度の長周期振幅
Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の長周期反転ピッチ
α:前記光ファイバ心線の捻回角度の短周期振幅
Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の短周期反転ピッチ
上記第1,第2参考形態では、通常のSZスペーサに光ファイバテープ心線を交互捻回させて収納したが、その場合、テープ心線は捻回剛性が大きいために溝部の撚り角度より大きな角度で交互捻回した状態を保つことが難しくなる。そのため、固定樹脂を使用することで捻回状態を保持していた。これに対して、本実施形態の光ケーブルでは、溝部の長周期ピッチP0に合わせて光ファイバ心線を捻回すれば良いため、心線の単位長さあたりの捻回量を減らすことができ、固定樹脂を使用せずとも捻回状態を保持しやすい。
ここでは、一参考例として、長周期のSZピッチP0を2000mm、長周期の反転角度φ0を90°とし、短周期のSZピッチP1を500mm、短周期の反転角度φ1を140°とする。そして、このスペーサ22aに対して、溝部24に収納させるテープスタック32を、その反転周期Λを2000mm、捻回の振幅α0を90°(溝部24の長周期の反転角度φ0と同一)とした光ケーブルについて説明する。
図13は、スペーサ22aの溝部24内におけるテープスタック32の捻回の変化を示す断面模式図であり、図14は、スペーサ22aの溝部24の角度とテープスタック32の長手方向における角度変化を示すグラフである。なお、図14中のEは長周期の軌跡、Fは短周期の軌跡、Gは溝部24の軌跡、Hはテープスタックの捻回角度変化を示している。
図13及び図14におけるa)〜e)の領域(図14中長さ0〜500mmの領域)では、右撚りである溝部24の長周期(反転角度φ=90°)の軌跡に合わせて、テープスタック32も右捻回(捻回角度振幅α=90°)とされている。ここで、テープスタック32は、短周期の反転部の中央部分である移行部a),c),e)では、底面を溝部24の底部に接するように収納されている。これにより、テープスタック32は、溝部24の軌跡の曲率ベクトルがスペーサ22の中心軸へ向かっている移行部a),c),e)で、捻回角度が溝部24の角度に一致して安定した状態で保持される。
また、短周期の移行部a),c),e)間における反転部b),d)を含む部分では、溝部24は反転部b),d)に向かって大きな反転角度(φ=140°)で変動するが、この間では、テープスタック32は、ほとんど捻回させずに収納され、捻回角度は略直線的にされている。これにより、テープスタック32に生じる歪エネルギーが極力小さくされ、所望の収納状態で安定した状態に収納される。
図13及び図14におけるe)〜i)の領域(図14中長さ500〜1000mmの領域)では、左撚りである溝部24の長周期(反転角度φ=90°)の軌跡に合わせて、テープスタック32も左捻回(捻回角度振幅α=90°)とされている。ここで、テープスタック32は、反転部の中央部分である移行部e),g),i)では、底面を溝部24の底部に接するように収納されている。これにより、テープスタック32は、溝部24の軌跡の曲率ベクトルがスペーサ22の中心へ向かっている移行部e),g),i)で、捻回角度が溝部24の角度に一致して安定した状態で保持される。
また、短周期の移行部e),g),i)間における反転部f),h)を含む部分では、溝部24は反転部f),h)に向かって大きな反転角度(φ=140°)で変動するが、この間では、テープスタック32は、ほとんど捻回させずに収納され、捻回角度は略直線的にされている。これにより、テープスタック32に生じる歪エネルギーが極力小さくされ、所望の収納状態で安定した状態に収納される。
同様に、図13及び図14におけるi)〜m)の領域(図14中長さ1000〜1500mmの領域)では、左撚りである溝部24の長周期(反転角度φ=90°)の軌跡に合わせて、テープスタック32も左捻回(捻回角度α=90°)とされている。また、m)〜a)の領域(図14中長さ1500〜2000mmの領域)では、右撚りである溝部24の長周期(反転角度φ=90°)の軌跡に合わせて、テープスタック32も右捻回(捻回角度振幅α=90°)とされている。ここで、テープスタック32は、反転部の中央部分である移行部i),k),m)では、底面を溝部24の底部に接するように収納されている。これにより、テープスタック32は、溝部24の軌跡の曲率ベクトルがスペーサ22の中心へ向かっている移行部i),k),m),o),a)で、捻回角度が溝部24の角度に一致して安定した状態で保持される。
また、同様に、短周期の移行部i),k),m),o),a)間における反転部j),l),n),p)を含む部分では、溝部24は反転部j),l),n),p)に向かって大きな反転角度(φ=140°)で変動するが、この間では、テープスタック32は、ほとんど捻回させずに収納され、捻回角度は略直線的にされている。これにより、テープスタック32に生じる歪エネルギーが極力小さくされ、所望の収納状態で安定した状態に収納される。
そして、上記のような光ケーブルでは、歪エネルギー的に安定した状態でテープスタック32を収納することができる。また、移行部で安定してテープスタック32を収納させることができ、これにより、固定樹脂30を用いなくても周期的に左右方向に反転捻回させて収納した状態を実現することができ、光ケーブル20の製造設備の簡略化、低コスト化を図ることができ、低コストで光ケーブルを製造することができる。
なお、上記第実施形態では、移行部間でテープスタック32の捻回角度を略直線的に変化させた(すなわち、上記式(2)におけるαが極めて小さい)が、図15に示すように、溝部24の短周期の撚りに追従させて、例えば、上記式(2)におけるα=0〜20°程度の振幅をもって変動させても良く、この場合にも、十分な低PMD効果を得ることができる。
次に、複合SZ型の溝部24の軌跡について、図16及び図17を参照して好ましい形態を説明する。
複合SZ型スペーサの場合、溝部24の軌跡は短周期のサイン曲線と長周期のサイン曲線の和となるため、長周期の角度が最大となる反転部と短周期の角度が最大となる反転部が同位相で重なるようにすると、長周期の反転部における溝部24の撚り角度を最大化することができる。すなわち、上記式(2)で記述される光ファイバ心線の捻回角度θも最大化する。
すなわち、上記式(1),(2)において、定数z=0であり、溝部の軌跡の長周期と短周期のピッチが、P=P/(4n+1)の関係(nは1以上の自然数)を満たしていると、長周期の反転部と短周期の反転部が同位相で重なることとなり、そこでは光ファイバ心線の捻回角度αを最大限に大きくすることができる。
その一例を図16に示すと、長さ500mmと1500mmの位置で長周期の反転部と短周期の反転部が同位相で重なっており、これらを合成した溝部の軌跡は500mmと1500mmの位置で撚り角度が最大となっている。
また、上記式(1),(2)において、定数z=P/2であり、溝部の軌跡の長周期と短周期のピッチが、P=P/(4n−1)の関係を満たしている場合にも、長周期の反転部と短周期の反転部が同位相で重なることとなり、そこでは光ファイバ心線の捻回角度αを最大限に大きくすることができる。さらにこの場合には、長周期の移行部と短周期の移行部が逆位相で重なるため、その位置における溝部の角度変化が極めて小さくなって光ファイバ心線の最小曲率半径を大きくすることができ、伝送損失の増加や信頼性の低下を防ぐことができる。
その一例を図17に示すと、長さ500mmと1500mmの位置で長周期の反転部と短周期の反転部が同位相で重なっており、これらを合成した溝部の軌跡は500mmと1500mmの位置で撚り角度が最大となっている。また、長さ1000mmの位置で長周期の移行部と短周期の移行部が逆位相で重なっており、その前後の溝部の撚り角度の振幅が小さくなっていることがわかる。そのため、長さ1000mmの位置では溝部の軌跡が他の箇所より直線的になり、光ファイバ心線の最小曲率半径が最も大きくなる。
また、本実施形態の複合SZ型の光ケーブルにおいて、光ファイバ心線は、PMD実力値の最大値を1.0ps/km1/2とし、図4中に示した実線Cよりも下の範囲となるように、光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが40゜以上であって、かつ、捻回方向の長周期反転ピッチΛ≦1.3×(Δα−24)1/2を満足している。これにより、IECの推奨基準値PMD<0.5ps/km1/2を保証することができる。
また、光ファイバ心線のPMD実力値の最大値を0.5ps/km1/2とし、図5中に示した実線Dよりも下の範囲となるように、光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが50゜以上であって、かつ、捻回方向の長周期反転ピッチΛ≦2.0×(Δα−24)1/2を満足しているとさらに好ましい。これにより、IECの推奨基準値PMD<0.2ps/km1/2を保証することができる。
以上説明したように、上記第1参考形態、第2参考形態、第3実施形態に係る光ケーブルによれば、長手方向に捻回方向を周期的に変えて光ファイバ心線を捻回させることにより、光ファイバ心線が元々有している直交する偏波モード分散の平均化を図るとともに、円偏光の伝搬速度差を長手方向で相殺して捻回による偏波モード分散の低減も図ることができる。
つまり、各種原因によって光ファイバ心線26に生じる偏波モード分散を確実に抑えることができる。
なお、上記例では説明の便宜上、4心の光ファイバ心線を一体化した光ファイバテープ心線29を積層させたテープスタック32を備えた光ケーブル20を例に挙げたが、光ファイバ心線の収納形態としては、この例に限らない。
図18に示す光ケーブル20aは、溝部24内に、単心の光ファイバ心線26を複数本(例えば8本)収納し、これら複数本の光ファイバ心線26を左右方向へ周期的に交互捻回させたものである。なお、この単心の光ファイバ心線26を溝部24へ収納する場合、これら単心の光ファイバ心線26同士を撚り合わせても良い。
また、図19に示す光ケーブル20bは、2心の光ファイバ心線26を一体化した複数(例えば4本)の光ファイバテープ心線25を溝部24内に収納し、これら光ファイバテープ心線25を左右方向へ周期的に交互捻回させたものである。
さらに、図20に示す光ケーブル20cは、複数本(例えば8本)の光ファイバ心線26を束ねて多心ユニット33として溝部24内に収納し、この多心ユニット33を左右方向へ周期的に交互捻回させたものである。
そして、これらの光ケーブル20a,20b,20cに示した何れの収納形態の場合も、それぞれの光ファイバ心線が周期的に反転されて捻回されているので、円偏光の伝搬速度差を長手方向で相殺して捻回によるPMDを良好に低減させることができる。
SZスペーサ(または複合SZスペーサ)の溝部内に、各種異なる収納形態で光ファイバ心線を収納した各種光ケーブルのPMDの測定を行った。
参考例1)
(光ケーブルのタイプ)
図6に示すように、SZスペーサ22の溝部24内に、4心の光ファイバテープ心線29を積層したテープスタック32を収納した上記第1参考形態の光ケーブルを用いた。SZスペーサ22は、図7に示したものである。
(収納構造及び測定結果)
上記の光ケーブルにおいて、第1参考形態に対応するものとして、捻回反転ピッチΛ、捻回角度振幅αの異なる構造1から8の光ケーブルを用意し、比較例1,2として光ファイバ心線を捻回させない従来タイプ(すなわち撚り返しなし)の光ケーブルを用意した。
構造1から8、比較例1,2のそれぞれの光ケーブルにおける具体的な収納形態及び偏波モード分散の測定結果を表1に示す。
なお、SZスペーサ22の溝部24のSZピッチPは全て600mmとし、溝部24の反転角度(角度の振幅)を140°とした。
Figure 0004670523
表1からわかるように、光ファイバテープ心線25を積層したテープスタック32の捻回方向を周期的に反転させた第1参考形態を適応させた構造1から8の光ケーブルでは、何れも、偏波モード分散の平均PMDが抑えられ、溝部の撚りに係らずテープスタックが捻回されていない比較例よりも小さくなることがわかった。
また、構造1から3の光ケーブルでは、Λ≦1.3×(α−24)1/2を満足し、PMDがIECの推奨基準値0.5ps/km1/2以下を満たしており、構造5から7の光ケーブルでは、Λ≦2.0×(α−24)1/2を満足し、PMDがIECの別の推奨基準値0.2ps/km1/2以下を満たしている。
(実施例
(光ケーブルのタイプ)
図6に示す断面構造のケーブルであり、SZスペーサ22の代わりに複合SZスペーサを使用した上記第実施形態の光ケーブルを用いた。複合SZスペーサの溝部の軌跡は図14に示した通りである。
(収納構造及び測定結果)
上記の光ケーブルにおいて、本発明に対応するものとして、長周期反転ピッチΛ、短周期反転ピッチΛ、長周期捻回角度振幅α、短周期捻回角度振幅α、の異なる構造1から6の光ケーブルを用意し、比較例1,2として光ファイバ心線を捻回させない従来タイプ(すなわち撚り返しなし)の光ケーブルを用意した。
構造1から6、比較例1,2のそれぞれの光ケーブルにおける具体的な収納形態及び偏波モード分散の測定結果を表2に示す。
なお、複合SZスペーサは、長周期のSZピッチPを2000mm、長周期の反転角度φを90°とし、短周期のSZピッチPを500mm、短周期の反転角度φを140°とした。
Figure 0004670523
表2からわかるように、光ファイバテープ心線25を積層したテープスタック32の捻回方向を周期的に反転させた本発明を適応させた構造1から6の光ケーブルでは、何れも、偏波モード分散の平均PMDが抑えられ、溝部の撚りに係らずテープスタックが捻回されていない比較例よりも小さくなることがわかった。
また、構造1及び2の光ケーブルでは、Λ≦1.3×(Δα−24)1/2を満足し、PMDがIECの推奨基準値0.5ps/km1/2以下を満たしており、構造4及び5の光ケーブルでは、Λ≦2.0×(α−24)1/2を満足し、PMDがIECの別の推奨基準値0.2ps/km1/2以下を満たしている。
また、構造2の光ケーブルは、構造1に対して心線を短周期でも捻回している構造で、PMDが構造1より小さくなっている。同様に、構造5の光ケーブルは、構造4に対して心線を短周期でも捻回している構造で、PMDが構造4より小さくなっている。
光ファイバ心線を捻回させた際に生じるPMDを示すグラフである。 (a)は光ケーブル長手方向における光ファイバ心線の角度を示すグラフであり、(b)は光ファイバ心線の角度に伴うPMDの長手方向変化を示すグラフである。 テープ心線の捻回状態を示すグラフである。 捻回を受けたテープ心線における捻回の振幅、ピッチに対するPMDの計算結果を等高線として示す図である。 捻回を受けたテープ心線における捻回の振幅、ピッチに対するPMDの計算結果を等高線として示す図である。 本発明に係る光ケーブルの構造を示す光ケーブルの断面図である。 光ケーブルのスペーサを示す側面図である。 光ファイバテープ心線の捻回角度及びスペーサの溝部の撚りを示す図である。 第1参考形態におけるスペーサの溝部内における光ファイバテープ心線の捻回の変化を示す断面模式図である。 第1参考形態におけるスペーサの溝部の角度と光ファイバテープ心線の角度の長手方向における変化を示すグラフである。 第2参考形態におけるスペーサの溝部内における光ファイバテープ心線の捻回の変化を示す断面模式図である。 第2参考形態におけるスペーサの溝部の角度と光ファイバテープ心線の角度の長手方向における変化を示すグラフである。 実施形態におけるスペーサの溝部内における光ファイバテープ心線の捻回の変化を示す断面図である。 実施形態におけるスペーサの溝部の軌跡と光ファイバテープ心線の角度の変化を示すグラフである。 実施形態の別の例におけるスペーサの溝部の軌跡と光ファイバテープ心線の角度の変化を示すグラフである。 複合スペーサの溝部の軌跡の好ましい例を示すグラフである。 複合スペーサの溝部の軌跡の好ましい例を示すグラフである。 本発明に係る光ケーブルの他の構造を説明する光ケーブルの断面図である。 本発明に係る光ケーブルの他の構造を説明する光ケーブルの断面図である。 本発明に係る光ケーブルの他の構造を説明する光ケーブルの断面図である。
符号の説明
20,20a,20b,20c 光ケーブル
21,21a,21b,21c ケーブルコア
22 スペーサ
24 溝部
25,29 光ファイバテープ心線
26 光ファイバ心線
32 テープスタック

Claims (6)

  1. 外周に撚り方向が周期的に反転する螺旋状の溝部が形成された略円形断面の長尺スペーサの前記溝部内に光ファイバ心線が収納されたケーブルコアを備えた光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線は、長手方向に捻回方向を周期的に変えて捻回された状態で前記溝部内に収納され、
    前記溝部の前記スペーサ表面における軌跡が(1)式により表され、
    前記光ファイバ心線の捻回角度θが(2)式によって表され
    (1)式の定数z =0であり、
    前記軌跡の長周期と短周期のピッチが、P =P /(4n+1)の関係を満たすことを特徴とする光ケーブル。
    y=(aφ/2)×sin[2πz/P]+(aφ/2)×sin[2π(z+z)/P] …(1)
    θ=α×sin[2πz/Λ]+α×sin[2π(z+z)/Λ] …(2)
    但し、y:スペーサの断面外周に沿った座標(mm)
    z:スペーサの中心軸線に沿った座標(mm)
    ,z:定数
    φ:前記軌跡の長周期反転角度(°)
    :前記軌跡の長周期ピッチ(mm)
    φ:前記軌跡の短周期反転角度(°)
    :前記軌跡の短周期ピッチ(mm) (但しP>P
    a:前記スペーサの断面の半径(mm)
    θ:光ファイバ心線の捻回角度(°)
    α:前記光ファイバ心線の捻回角度の長周期振幅(°)
    Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の長周期反転ピッチ(mm)
    α:前記光ファイバ心線の捻回角度の短周期振幅(°)
    Λ:前記光ファイバ心線の捻回方向の短周期反転ピッチ(mm)
    n:1以上の自然数
  2. 外周に撚り方向が周期的に反転する螺旋状の溝部が形成された略円形断面の長尺スペーサの前記溝部内に光ファイバ心線が収納されたケーブルコアを備えた光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線は、長手方向に捻回方向を周期的に変えて捻回された状態で前記溝部内に収納され、
    前記溝部の前記スペーサ表面における軌跡が(1)式により表され、
    前記光ファイバ心線の捻回角度θが(2)式によって表され、
    (1)式の定数z =P /2であり、
    前記軌跡の長周期と短周期のピッチが、P =P /(4n−1)の関係を満たすことを特徴とする光ケーブル。
    y=(aφ /2)×sin[2πz/P ]+(aφ /2)×sin[2π(z+z )/P ] …(1)
    θ=α ×sin[2πz/Λ ]+α ×sin[2π(z+z )/Λ ] …(2)
    但し、y:スペーサの断面外周に沿った座標(mm)
    z:スペーサの中心軸線に沿った座標(mm)
    ,z :定数
    φ :前記軌跡の長周期反転角度(°)
    :前記軌跡の長周期ピッチ(mm)
    φ :前記軌跡の短周期反転角度(°)
    :前記軌跡の短周期ピッチ(mm) (但しP >P
    a:前記スペーサの断面の半径(mm)
    θ:光ファイバ心線の捻回角度(°)
    α :前記光ファイバ心線の捻回角度の長周期振幅(°)
    Λ :前記光ファイバ心線の捻回方向の長周期反転ピッチ(mm)
    α :前記光ファイバ心線の捻回角度の短周期振幅(°)
    Λ :前記光ファイバ心線の捻回方向の短周期反転ピッチ(mm)
    n:1以上の自然数
  3. 請求項1または2に記載の光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線が前記溝部内に収納される前の状態での偏波モード分散が1.0ps/km 1/2 以下であって、
    前記光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが40゜以上であって、
    前記Δαと、前記捻回方向の長周期反転ピッチΛ (m)が、次式の関係を満たすことを特徴とする光ケーブル。
    Λ ≦1.3×(Δα−24) 1/2
  4. 請求項1または2に記載の光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線が前記溝部内に収納される前の状態での偏波モード分散が0.5ps/km1/2以下であって、
    前記光ファイバ心線の捻回角度θの絶対値の最大値Δαが50゜以上であって、
    前記Δαと、前記捻回方向の長周期反転ピッチΛ(m)が、次式の関係を満たすことを特徴とする光ケーブル。
    Λ2.0×(Δα−24)1/2
  5. 請求項1からの何れか一項に記載の光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線は、その捻回方向が反転する位置で前記スペーサに固定されていることを特徴とする光ケーブル。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線は、複数本を並列させて一体化された光ファイバテープ心線の形態で前記溝部内に収納されていることを特徴とする光ケーブル。
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