JP4667746B2 - バックグラウンドが極めて低いガス充填アルファ・カウンター及びその操作方法 - Google Patents

バックグラウンドが極めて低いガス充填アルファ・カウンター及びその操作方法 Download PDF

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Description

本発明は核粒子を検出し、計数するシステムに一般に係るものであり、さらに具体的に言えば、ガス充填粒子カウンターにおけるバックグラウンド計数レートを小さくすることに係るものである。説明されている実施例は、アルファー粒子を検出し、計数するのに使用するマルチ・ワイヤー・カウンターと電離箱(電離チャンバー)との両方でバックグラウンド計数レートを小さくすることに係るものであるが、同じ技術を他の帯電粒子の計数に利用することができる。
バックグラウンドが低いアルファ・カウンターの必要性
バックグラウンドが低いアルファ・カウンターが重要になるときとは、非常に低い濃度の活動性を検出しなければならないときであって、例えば周囲環境サンプルの試験、電子産業の材料試験である。一つの例として、高密度パッケージング技術においてはアルファー鉛が少ないことを必要としている。その高密度パッケージング技術ではボール・グリッド・アレイを、もしくはその関連技術を使用している取り付け基板へシリコン・チップを直接ハンダ付けすることがしばしば行われる。ハンダの中の鉛はシリコン・チップに密着しているので、チップが信頼できる作動をするにはアルハー放射が低くなければならない。次世代の高密度回路では鉛は0.005α/cm2/時[ ITRS-1999]以下でなければならず、これは今の技術で測定できる10分の1以下の大きさである。
現在の技術の状況
アルファー粒子放射を測定するのに現在使用されている2つの主な技術は、ガス充填カウンターとシリコン・スペクトロメーターである。それらのバックグラウンド計数レートは同じであるが、理由は異なる。
ガス充填カウンター
ガス充填電離カウンターと比例カウンターとの相違についてはクノールに詳述されている[KNOLL−1989、5章と6章]。電離チャンバーはただの電極付きのガス充填空間であって、電極がガスに電界を加え、その中に発生した電荷を集める。ガスを通るアルファー粒子はエネルギーを失い、そして電離飛跡(トラック)をつくる。この電離飛跡はガス・イオンとガス・イオンから叩き出された電子から成っている。重いイオンが陰極に向かってドリフト(漂遊)して行く。約1000倍も速く陽極へ向かって軽い電子がドリフトしていく[KNOLL−1989、131頁ないし138頁]。通常は全電流を測定するだけであって、電離チャンバー内のイオン形成の平均レートを示すだけである。漂遊してきた電子が陽極に誘起した電流を集めることによりパルス・カウンターとして電離チャンバーは働く。そのとき、イオン飛跡毎に一つの出力パルスが生じ、それが一つ一つ数えられる[KNOLL−1989、149頁ないし151頁]。電流は全電子ドリフト時間の誘起電流であるので、飛跡によりつくられる全集積電荷はそのカウンター内の飛跡の出発場所と飛跡の全電荷との両方によって変わってくる。一般に検出器の容積は大きく、そして全飛跡電荷は小さいので、信号対雑音比はこのモードでの動作では悪い。
比例カウンターはガス・アヴァランシエ(雪崩)利得を利用して信号対雑音比を増大している[KNOLL−1989、160頁ないし165頁]。このメカニズムは大きな電界を必要とし、それは高電圧と非常に細いアノード・ワイヤーによりつくられる。ワイヤーの近くで雪崩が発生するので、誘起電荷効果は排除され、そして出力パルスの振幅は初めの飛跡電荷に比例するだけであって、カウンター内の飛跡の位置とは無関係となる。比例カウンターは単一パルス計数モードで作動するのが普通である[KNOLL−1989、180頁ないし185頁]。アノード・ワイヤーから離れて行く雪崩の形のイオンによりパルスの形は、典型的には数マイクロ秒で、決まるので、良く設計された検出器におけるすべての出力パルスは大体同じ形となる。
最新のバックグラウンドの低いアルファー・カウンターはほぼ0.05α/cm2/時の感度を達成している[ IICO-1999]。それらはマルチ・ワイヤーのガス充填比例カウンターで局限まで薄くした入口窓を持っており、その典型的な構造は図1に示す通りである。検出器1を構成している導電室3には計数ガス6を充填し、アノード・ワイヤー5が一つの壁の近くに張られており、そして反対側は極めて狭い窓4で密封している。アノードは電圧源8から大きな抵抗7を介してバイアスをかけられており、またアノードは電荷感応の前置増幅器11へ接続され、そして整形増幅器13、弁別回路15そしてカウンター16が続いている。サンプル20が入口窓4の近くに置かれており、室内へアルファー粒子を放出する。こうして窓4はサンプル領域、すなわちサンプルを配置する室内の部分を形成する。室内にサンプルを置くようにした設計では、サンプルを支持するよう室構成を決めるのであるが、そこがサンプル領域となる。
図示のアルファー粒子22は計数ガス6内の電離飛跡23をつくっている。この飛跡の電荷はアノード5に漂遊して行くが、そのワイヤーの近くで雪崩プロセスによって電荷は増幅され、アノード5で収集される[KNOLL−1989、160頁ないし165頁]。その結果生じる電流信号は前置増幅器11で集積され、そして増幅器13で整形され、パルスをつくる。弁別回路15はパルスが所定の閾値Tを越えるときトリガーされて、短い出力パルスを放出し、これはカウンター16で数えられる。
チャンバーの背壁、側壁、そしてアノード・ワイヤーから放出されたアルファー粒子25,26,27は、サンプル20から放出されたアルファー粒子と同じ前置増幅器/整形増幅器のパルスを発生してしまうので、それらも一緒に計数してしまう。そのバックグラウンドの計数レートは、アルファー放射の非常に少ない材料からカウンターの要素すべてを製作することにより相当に低減できる。この方法は費用がかかり、そしてバックグラウンドの低減が今以上に求められるとこの方法では途端に困難になる。そのため二十年も研究しても殆ど改良は見られない。低密度のガスを充填しているガス充填カウンターは周囲で発生したガンマー線から生じるバックグラウンド放射に対して比較的不感であるということ、そして大抵の宇宙線(これはエネルギーの大きいミュー粒子である)に対しても不感であるということがガス充填カウンターの利点である。ガス充填カウンターは大きくて、普通市場で入手できるものは30センチ×30センチである。
シリコンアルファースペクトロメーター
シリコンアルファースペクトロメーターは大面積のSiPINダイオード・ディテクターであり、図1のカウンターとよく似ていて、バイアスをかけ、電荷感応前置増幅器と増幅器とに接続されている。Siに自由電荷をつくるのに必要なエネルギーは計数ガスの約10分の1であり、電荷発生の統計数字ははるかによく、そして1−2%のエネルギー分解能を得ることができる。そのバックグラウンドの限界は宇宙放射線によって決まる。エネルギーの大きいミュー粒子はSiの中にかなりの電荷を生じるからである。100ミクロンの減少深度と非常に綿密な設計とでこの限界をほぼ0.05α/cm2/時[ ORTEC-1998]まで減少できる。それ故これらのディテクターが好ましいとされる場合とは、放出エネルギーを測定することによりアルファー粒子源を特定したいときである。それらのディテクターはマイクロフォニック雑音源としてのアノード・ワイヤーや狭い窓がなくがっしりとしている。
それらのディテクターは2つの大きな制限がある。第1に、それらの面積は、大面積で高品質のSiが得られないということにより、そしてそれらのエネルギー分解能を得るにはキャパシタンスが小さくなければならないという2つの理由で限定される。第2に、低放射能ワークではディテクターで測定するのにそのサンプルの全放射能(好ましくは100%)を小さいソース・スポットに抽出するようサンプルを処理しなければならない。これでは未処理の、すなわちそこに置いてあるサンプルをそれらのディテクターで測定はできないし、測定コストに大きな経費を加えることになる。
ガス充填アルファー・カウンターもしくはスペクトロメーターにおいてバックグラウンド計数レートを減少させる現在の技術は、非常にアルファー放射率の低い材料を使ってカウンターをつくる方法だけに頼っているので、これは「消極的」なものと言うしかない。これとは対照的に本発明は「積極的」な技術を使って同じデバイスを作動させてバックグラウンド計数レートを著しく減少させるのである。
本発明は、サンプル領域とアノードとを有するガス充填室、アノードに接続された前置増幅器そして電圧源を含んでいるガス充填アルファー・カウンターを使用し、チャンバー内のガスを通るアルファー粒子により電離飛跡が生じるときアノードにより飛跡内の電子が集められるように電圧源がバイアスをかけており、前置増幅器が出力パルスを生じるようになっている。この出力パルスはアルファー粒子と関連していて、電子収集プロセスの特徴もしくは特色を示している。こうして、電離飛跡と(所与のアルファー粒子と関連して生じた)パルスとの両方が、電離飛跡の元になるチャンバー内の領域に対応する関連発散区域を有していると考えることができる。ここで使用する放射区域(region of emission)と発散区域(region of emanation)との間には僅かだが違いがある。放射区域はアルファー粒子がそれの源から出てきたその場所を言い、発散区域は電離飛跡がチャンバー内で始まるその場所を言う。もしも源がチャンバー内にあると2つの区域は同じである。もしも源がアルファー粒子22の場合におけるように、チャンバーの外であるなら、2つの源は僅かに離されている。
そのようなガス充填アルファー・カウンターを作動させる方法では、少なくとも幾つかのパルスに対して、パルスの発散区域によって異なるパルスの一つもしくはそれ以上の特徴を測定し、そしてその一つもしくはそれ以上の特徴の測定に基づいて、そのパルスの発散区域を決定する。その一つもしくはそれ以上の特徴を測定し、そしてパルスの発散区域についての情報を決定する主特徴分析器をカウンター回路は含んでいると考えることができる。
サンプルから放出された「サンプル」アルファー粒子とカウンター内の他の表面から放出された「バック・グラウンド」アルファー粒子とを区別し、それらのパルスをそれに従って区別することが可能となる。「バック・グラウンド」として区別されたパルスは拒絶され、それによってバック・グラウンド計数レートを効果的に減少させることができる。
パルス分析を行うときに利用できる特徴とは、パルスの振幅、幅(収集時間に密接に関連している)、傾斜、振幅で割った傾斜、そして到達時間であり、個々にもしくは組合せて使う。
これらの技術は好ましい実施例として、既存のチャンバーに適用できる。本発明に従ってアルファー・カウンターを以下のように構成する。カウンター内の異なる領域から発散したアルファー粒子がつくった電離飛跡を集めて生じた前置増幅器のパルスの特徴どうしの相違を際立たせ、それからこれらの相違を認識し、異なる発散区域を識別するようにアルファー・カウンターを構成する。このようにして、カウンターの構成部分から放出されたアルファー粒子を識別し、拒絶することさえして、大きいカウンターにおいてさえ非常な低バックグラウンド計数レートを実現し、そしてその状態でサンプルからのアルファー粒子を計数する。
これらのパルス形状の相違をつくりだし、際立たせるのに2つの主な方法がある。第1は、電子速度と収集時間が異なる別々の領域に異なる収集電界をつくることである。第2は、カウンターのデイメンジョン(大きさ等)を調整して、異なる領域からの電荷が異なる収集時間を持つようにし、そして又、異なる量の誘起電荷を出力に発生させるのである。好ましい実施のやり方として、出力パルスをデジタル化して、デジタル処理技術を使って所要の弁別回路をつくる。しかしながら、アナログ信号処理技術も同様に使用できる。
このコンセプトの2つの実施例を説明して関連原理を示す。第1の実施例はマルチ・ワイヤーのガス充填カウンターであって、サンプル壁もしくは入口窓へよりもその反対の背壁へはるかに近づけてアノードワイヤーのグリッドを配置し、利得なしで(すなわち、電離チャンバー・モードで)作動させて、電離飛跡を収集するときにそれが誘起電荷の流れを感知するようにさせる。この幾何学的な非対称性によりアノードと背壁との間の領域の電界がアノードとサンプルとの間の電界よりもはるかに大きくなる。背壁領域における大きな電子速度は、サンプル領域から発散する電離飛跡により誘起された信号よりも最初の傾斜もしくは立上り時間が遥かに大きい誘起電荷信号を生じる。大きな電子速度と短い収集距離とにより背壁イオン飛跡の全収集時間はサンプル電離飛跡の全収集時間よりも遥かに短くこの差がこれら2つの活動源を区別する第2の識別子となる。
第2の実施例の電離チャンバーのディメンジョンは、サンプル電離飛跡を収集するドリフト長が背壁アノードから放出される電離飛跡を収集するドリフト長よりも遥かに長くなっている。このことによりサンプル飛跡収集時間はアノード飛跡収集時間よりも遥かに長くなって、それらを区別できるようになる。それらのドリフト長が長いので、サンプル飛跡が大きな全誘起電荷を発生することにもなって、全誘起電荷で割った信号の傾斜、特に最初の信号傾斜はこの場合の第2の識別子として利用できるようになる。
これらの実施例は、サンプルが発生した電離飛跡と反対の背壁が発生した電離飛跡との間に信頼できる識別を生じさせている。ガードコレクタを追加してどちらの実施例でも反対の背壁から放出された電離飛跡を一層効果的に拒絶する方法を以下に示す。これらのガードコレクタをアノード・プレーンの周辺に、それに平行に配置して、両方をそれに近く、そして側壁へも近く配置する。それらはアノード電位に近い電位にバイアスされており、そしてアノードの前置増幅器と同じ第2増幅器へ接続されている。側壁から発する電離飛跡がこれらのガードコレクタに電荷を置き、それに取り付けた前置増幅器から出力パルスを発生させる。そうなると第2の特徴分析器はこれらのパルスの特徴を分析でき、それらを側壁から発生したものとして特定する。この目的にとっての最も簡単な特徴とは到達時間である。アノードと反一致(anti-coincidence)で作動させられると、これらのガードコレクタは側壁を源とするアルファー放出を確実に拒絶し、サンプルを源とするアルファー粒子だけを最終的に計数させるようにする。さらにガードコレクタのパルスのエネルギーを分析すると、サンプルの縁に近いところで発生したアルファー粒子を特定できる能力を高めることができる。
ルサイトと銅テープのような普通の材料でつくったアルファー粒子カウンターへこれらの積極的な方法を適用すると、消極的なバックグラウンド低減技術を利用した最新技術のカウンターで得られる大きさの二桁もしくはそれ以上も低いバックグラウンドを達成できる。さらなるバックグラウンド計数レート低減はこれらの積極的粒子源認識技術を既存の設計におけるような非常にアルファー放射の少ないカウンター構成材料の消極的利用と組合せることによって達成できる。
本発明の本質と利点とは以下の添付図を参照しての説明から一層理解されよう。
1.概論
本発明は、カウンター内の異なる表面から放出されたアルファー粒子により発生された電離飛跡を収集して求められる前置増幅器のパルスの特徴もしくは特性の差を利用し、そのパルスの特性分析によりこれらの相違を認識し、そしてカウンターそれ自体の表面から放出した「バックグラウンド」粒子とサンプルから放出したアルファー粒子とを区別している。
用語の意味として、「発散区域」は電離飛跡がそこから発するチャンバー内の領域を指している。アルファー粒子を発するサンプルがチャンバーの外側にあると、発散区域はアルファー粒子がチャンバーに入ってくる処,例えば図1の窓4である。サンプルがチャンバー内にあるときは発散区域はサンプルそれ自体である。いずれの場合もチャンバー内の電離飛跡は、サンプル領域に対応する発散区域、すなわちサンプルの位置またはその近くのチャンバーの領域を有するものと考えられる。逆に、アルファー粒子が他のチャンバー表面から放出されるとそれの発散区域はそのアルファー粒子が出てきた領域に因んだ名称となる。
厳密に言えばアルファー粒子の電離飛跡だけがサンプル領域からもしくは別のチャンバー表面から発散するけれども、便宜上発散区域を、(アノードもしくはガード電極上の飛跡電荷の収集から生じる)前置増幅器パルスと結びつけることにする。こうして、発散区域を持つものとして本文でパルスを参照するとき、アルファー粒子の電離飛跡がチャンバー内で発生したその元の領域で簡潔に言う。
この分析を幾つかの既存のチャンバーで利用できるのであるが、その場合粒子発散区域が変わると前置増幅器のパルスの特徴が変わってくる程度が誇張されるようにガス充填カウンターを構成し作動させるのが好ましい。そうすれば、パルス特徴分析はそれらの相違を認識させ、そしてサンプルから放出したアルファー粒子とカウンター表面それ自体から放出した「バックグラウンド」粒子とを区別させやすくなる。この方法を説明する2つの実施例、マルチワイヤーカウンターと並列プレート設計のものとにつき説明する。
ガード電極を利用する第2の技術は、チャンバーの側壁からの計数を識別,排除することによりバックグラウンド計数レートを減少させる。この方法は両方の好ましい実施例で説明する。第3の方法は、電界の均一性を高め、アノードの容量を小さくし、そしてアルファー粒子の放出の少ない材料を使用することにより並列プレート設計のものの性能を高めており、この実施例についても説明する
以下の説明の構成は次のとおりである。第2章はガード・ワイヤーを含むマルチ・ワイヤーのガス充填カウンターを説明し、第3章はガード電極を含む並列プレート設計を説明し、そして第4章はディテクターの作動上の問題を説明する。
2.マルチ・ワイヤーのガス充填ディテクターの実施例
2.1.ディテクターの説明
図2はマルチ・ワイヤーカウンター30としての本発明の実施例を示しており、それを構成するマニフォルド33は距離Sだけ離している複数のワイヤーのアノード40を含んでおり、そしてプレート35で密封しており、このプレート35の上に図1と同じサンプル20が載っている。この設計は図1のカウンターと次の点で相違している。第1に、アノードワイヤーの直径は5−10倍大きく(例えば、0.40ミリ)していて、作動電圧をかけるとカウンターは比例カウンターモードでなく電離チャンバー・モードで作動する。このことにより、チャンバー内でドリフトする電離飛跡がアノードに誘起する電荷は電離飛跡の元の場所とドリフト・パスとを感知する。第2に、もしRmaxが予期される最もエネルギーのあるアルファー粒子の範囲であると、サンプル20からアノード40までの距離RはRmaxよりもかなり長く(典型的には25−30%)、そして背壁44への距離BはRの一部(典型的に1/3ないし1/4)の長さである。普通のディテクターでもこのような寸法になっているものもあるが、チャンバー内の異なる位置から生じる粒子に対して異なる電荷収集時間を生じさせる意図を持って設計されているものではない。チャンバーは流れモードで作動させる。接続部47と49がここでは窒素である作動ガスを出入りさせている。この実施例ではサンプルはカウンター内にある。
図2のカウンターのバイアスとエレクトロニクスは図1のディテクターで使用したのと同じであり、同じ番号を付してある。図1の前置増幅器13、弁別回路15、そしてカウンター16はデジタルプロセッサーとカウンター50で置換えても良い。
2.2.電離チャンバー作動モード
カウンターは電離チャンバーモードで作動させる。電子がサンプル20からアノード40への路Rを進むのに数十マイクロ秒かかるように電圧V8を選定する。アノードワイヤー40の直径はそれの付近で電子増幅が生じないような大きさに選定する。
長さBとRとの差はカウンターの動作にとって重要である。電圧Vによりバイアスされて距離sを通過する電子通過時間tesは並列プレートの近似計算でs2/Vとなる。例えば、R/Bが3であるとteRはチャンバーの背壁44からアノードへの路Bを進む通過時間teBの9倍となる。teRを二三十マイクロ秒に選ぶとteBは二三マイクロ秒となって、ハッキリ差が出る。
よく知られていることであるが、ワイヤーチャンバー内の電界は一様ではなく、アノードワイヤーの領域では歪んでいる。この設計ではSはRの10%程度となって比較的小さく、電界はRの大部分で一様となっており、アノードからSに比較できる距離内でだけ不均一となって、teRとteBとの間の差を保っている。
2.3.信号の説明
サンプル源信号
サンプル20から放出されたアルファー粒子22がつくる電離飛跡23はアノード40から距離R’で終わる。RがRmaxよりも大きいのでR’は常にゼロより大きい。電荷が均一電界の中でドリフトするとき、それはアノードに線形に増加する電荷を誘起する。一旦収集されるとそれ以上電荷を誘起するのを止める。しかしながら、アノード・ワイヤー近くで信号の形の予測を正確にできなくなる。図2の飛跡51に示すように最終結果が上昇信号曲率となるか下降信号曲率となるかは、飛跡の長さ、サンプルの角度、アノード-ワイヤーの間隔そして印加電圧によって決まる。
BとRの値がそれぞれ1.5センチと3.5センチであるマルチ・ワイヤーカウンターからの2つのサンプル源アルファー飛跡を図3に示す。図2の規格に比してこの比は理想よりも少ないけれども、目的にとっては未だ充分である。小さい241Amアルファー源をチャンバー内のサンプル領域の中心に配置し、そして飛跡捕獲能力のあるデジタル信号プロセッサーXIADGF−4Cを使用して飛跡を記録した。前章で説明したように2つの飛跡は異なる形状をしている。しかしながら、それらの全電荷収集時間は同じであって、約8.0マイクロ秒である。それらの最初の傾斜は相互に比較できる程度であり約25電荷単位/マイクロ秒である。
背壁源信号
背壁44から出るアルファー粒子がアノード40から距離R〜で終わる電離飛跡25をつくる。ここで、R〜は全飛跡長と背壁からの放出角度によって正または負である。これらの信号について最初の電荷収集は遥かに迅速である。背壁領域の電界EBが遥かに高く、そしてアノード・ワイヤーの付近の電荷もこの領域の高電界により急速に集められるからである。源側空間内にかなり溜まっている電荷だけがゆっくりと最初に集められ、そして、構造によってこの電荷量は制限される。背壁信号のための最大収集時間は源側空間内に極大的に入りこんだ飛跡から決まり、そして構造によってこれらの時間はteRのほぼ半分よりも常に小さい。
図4はディテクターの背壁表面にアルファー源を置くことにより得られる2つの背壁飛跡を示している。2つの収集時間は異なるが、両方とも(それぞれ2.5マイクロ秒と3.3マイクロ秒)サンプル壁収集時間よりも2倍以上速い。最初の傾斜はサンプル壁の場合におけるよりも4倍も大きく、約100電荷単位/マイクロ秒である。
アノード源信号
アノードワイヤー40から出るアルファー飛跡27が背壁飛跡とよく似ている理由はそれらがアノードワイヤー近くの高電界領域内で発するからである。これらの飛跡の半分は背壁空間に入り込み、それらの迅速な電荷収集特性にさらに寄与することとなる。サンプル空間に入りこむものも、アノードプレーンに対する角度に応じてそれほど迅速でないが収集される。それに対してほぼ直交しているものだけがそれらの全電荷収集時間は長いが、それでもRがRmaxを越えているのでteRよりもかなり短い。アノード・ワイヤー源でのイベントはそれらの大きな最初の傾斜と短い全収集時間により真のサンプル源イベントから区別される。
2.4.信号弁別
好ましい実施例では発散区域に従って信号パルス間の弁別は電荷収集時間と最初の傾斜値とで充分に行え、信号波形を細かく記述する必要はない。特に、サンプル壁から発生するアルファーがつくるすべての信号が2つの特性を共有している。先ず、それらの全電荷収集時間は不変であり、そしてteRにより与えられる。少なくともかなりの飛跡電荷はサンプル表面のすぐ近くでつくられるからである。図2の設計では背壁側の収集からの典型的な値teBの約9分の1であり、そして比較的稀なアノード源イベントからの最も緩慢な収集より少なくとも25%小さい。こうして、電荷収集時間(パルスの立上り時間)は発散点を識別する第1の有効なテストである。第2に、それらの最初の傾斜S0(電荷収集開始前)はRを延びる電界ERに比例しており、この電界はBを延びる電界EBの3分の1よりも弱く、そしてアノードワイヤーに近い電界よりも遥かに弱い。そのため最初の傾斜は発散点を弁別する第2の良いテストとなる。
この傾斜試験は全飛跡電荷QTでS0を割ることによって改善できる。S0/QTの比は発散点のERのみに依存し、S0も飛跡電荷に依存し、そしてエネルギーの異なるアルファー粒子が存在するとS0は変化するからである。チャンバー内のアルファー粒子エネルギーの範囲が大きくなって最小背壁S0(最小背壁飛跡電荷×EB)が最大サンプル壁S0(最大サンプル電荷×ER)にオーバーラップするとき発散点を弁別する試験としてS0/QTの比はS0よりも優れることになり、そして簡単なS0試験は総ての場合において発散点を明確に決定する。
背壁の発散点とサンプル壁の発散点とを区別できることは計数チャンバーの対称性を破るアノードの配置に主としてよるものであることを我々は認識している。2つ(背壁とサンプル)の面がSだけ離れている。B<R/3とR>1.25Rmaxの不等式を設定することにより2つの面からの出力パルスは識別特性を得るようになる。もしアノードが対称位置B=Rにあると2つの側からのパルスは同じになって区別できなくなる。または、BとRとの役割を反対にすると(すなわち、R<B/3そしてB>1.25Rmax)、またパルスは識別できるようになる。サンプル壁飛跡は速い収集時間を持ち、背壁飛跡は遅く一定の収集時間を持つからである。こうして、その破られた対称性が発散点を識別することを可能とするのであるから、特に正確な構成を説明することはない。他の非平坦な形状にしても同じ原理が働くようアノードの配置を決める。
2.5.発散点の弁別
その決定のためのデジタル回路
図5は、アルファー粒子の発散点を決定するためのパルス形状分析器を働かすデジタル処理回路50のブロック図である。この回路はアナログ信号調整回路60を含み、それはADC62に給電し、ADC62の出力はファスト・コンビネーショナル論理回路64に接続され、この論理回路64はフイールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)の形で構成されている。このFPGAはクロック65からの入力を受け、そしてそれの出力データー・バス66はDSP67へ接続されている。I/Oライン68はDSP67を外部インターフエースへ接続して処理されたデーターを表示するか、もしくはそれらを外部コンピューターへ送って、要求に応じさらに処理し、表示し、及び又は記憶させる。回路の構成はワーブルトンとゾーの米国特許(WARBURTON―1999)に記載のものと類似であり、そしてそれの作動についてはデジタル・スペクトロスコピーの当業者であれば熟知している。
FPGA64内にADC信号が3つの路から入ってきて、ファスト三角整形回路70、中間ピーキング・タイム三角整形回路72そして長いピーキング・タイム台形「エネルギー」フイルター74へ進む。第1の整形回路70は前置増幅器の出力のパルス信号を検出する。400ナノ秒のピーキング・タイムが図3と図4に示す信号に対して適当であった。中間三角整形器、平均微分器が信号の最初の傾斜を測定する。1マイクロ秒後の傾斜測定が図3と図4に示す2種類の信号をよく区別することができたので、この整形器のピーキング・時間を1マイクロ秒に設定し、パルスの検出後1マイクロ秒後それの出力を捉えた。遅い「エネルギー」フイルター74のギャップ時間tgは測定しようとする最も遅い立上り時間の信号と同じ長さに設定し、この場合8マイクロ秒だった。それのピーキング時間tPは重要ではない。ガス・ディテクターにおけるエネルギー分解能は電子ノイズではなく電荷誘起変動によって制限されるからである。実験では4マイクロ秒を使ったが、1−8マイクロ秒でもよい。「エネルギー」と言う用語は括弧つきにしてあるが、これは実際にはパルスの振幅を測定するだけであって、これも電荷収集時間に強く左右される。しかしながら、慣習的にこれをエネルギー測定として参照することもしばしばあり、そして振幅を測るという了解の上でパルスの「エネルギー」と言うこともある。
ファスト整形器70が接続されている弁別回路76の2つの出力は、パルス出力77とレベル出力78である。パルス出力77は、ファスト整形器の出力が閾値を初めて越えるとき1クロック・サイクルの間高い値となる。レベル出力78は同時に高い値となるが、ファスト整形器の出力が閾値を越えている限り高い値に止まっている。レベル出力78がタイマー80のゲートを開きクロック65からのパルスを数えて閾値を越えた時間T82を計測する。これが全電荷収集時間の測定である。パルス出力77は遅延回路89により1マイクロ秒送らされ、それから傾斜出力レジスター88のゲートを開いて、信号パルスの最初の傾斜の測定として中間三角整形器72の出力を捉える。パルス出力77も遅延回路90により時間tp+tgだけだけ遅らされて、エネルギー出力レジスター92をトリガーして信号パルスの振幅の測度として台形エネルギーフイルター74の出力を捉える。この遅延パルス94を使ってDSP67を中断させ、パルスが検出されたこと、データー・バス66を介してタイマー80と出力レジスター88,92から捉えた時間、傾斜そしてエネルギー値を読むことができることとを信号で伝える。測定された電荷収集時間と最初の傾斜(もしくはエネルギーで割った最初の傾斜)へカット(不等テスト)を適用することによりDSP67は測定を完了し、サンプルもしくは背壁から出てきたものとしてパルスを特定し、それから所望されるのであれば、どちらか,もしくは両方のタイプのパルスのエネルギースペクトルをつくる。
提案した実施例はデジタル処理回路50を使ってアルファー飛跡の異なる源点を識別しているけれども古典的なアナログ処理によっても同じように実施できる。フイルター70,72,74の総てをアナログ整形フイルターで置換えてもよく、弁別回路76は普通のアナログ要素であり、トラック・ホールド回路が出力レジスター88,92に置き換わる。時間―振幅変換器がタイマー80に代わり、そしてアナログ・パルス遅延器を使って遅延回路89,90の両方と置き換える。傾斜/エネルギーの比はアナログ・マルチプライヤー回路で置換え、そして閾値比較はアナログ比較器で行う。これらのアナログデバイスはすべて核スペクトロスコピー機器販売業者から容易に購入できる。しかしこれらはデジタルでは廉価で、コンパクトに、そして電力消費も少なく実施できるので、デジタルで実施するのが一般に好ましい。他の仕方でのデジタル実施も可能であり、場合によってはその方が優れた結果を出すこととなろう。例えば、エネルギー・フイルターは、パルス・バイ・パルスのベースでパルスの立上り時間にそれのギャップがマッチするのであれば、この方が正確な結果を出す。
処理された源テスト・データ
上に述べた方法をテストするためAm−241アルファー源をディテクター内数カ所に配置し、そして飛跡捕獲能力のあるXIADGF−4Cデジタル信号プロセッサーを使って飛跡を捕捉した。それから、2.5.1で記述したのと同じアルゴリズムを使って飛跡オフーラインを分析した。典型的なソース壁位置と典型的な背壁位置とからのそれぞれ1000パルスにつき図6は結果を示している。図6Aはパルス立上り時間対最終パルス振幅をプロットしたものである。図6Aが示すように、2つの異なる位置からのパルスは、約50を越える振幅を持つパルスについて2つの別個の領域にはっきりと分かれている。論理テスト「(IF(50よりも振幅の大きいパルス)AND(IF(4.5よりも立上り時間の大きいパルス))」が背壁イベントを98−99%の精度で区別し、これらのイベントからバックグラウンドを2桁台で小さくする。
図6Bは最初のパルス傾斜を示しており、それはパルスの最初のマイクロ秒にわたって測定され、図6Aにおけるのと同じ組の信号につきパルス振幅に対しプロットされている。2つのソースからのデーターは図6Aにおけるよりも一層はっきりと2つの領域に分かれているが、それらを分けるにはより一層複雑な論理テストが必要となる。パルス傾斜がパルス振幅にはっきり比例しているからである。それ故、図6Cにおいては、最終パルス振幅で割った最初のパルス傾斜対最終パルス振幅をプロットしている。このプロットは2つの異なる電離飛跡ソースを明確に区別している。論理テスト「(IF(80よりも振幅の大きいパルス)AND(IF(傾斜/0.19よりも小さい振幅))」が背壁イベント(1000サンプル・イベントにおける2つの背壁イベント)を99.8%の精度で区別し、これらのイベントからバックグラウンドの大きさを3桁台で小さくし、他方サンプル壁イベント(80以下の大きさの23イベント)に対し約98%の有効性を維持している。
しかしながら、これらのテストは側壁位置から発散した電離飛跡を区別するにはあまり有効ではない。ディテクターの側壁上のソースからの1000イベントを、図6Cのプロットに重ねて図6Dが示している。電離飛跡に依存するこれらのイベントは、ソース壁もしくはサンプル壁イベントと間違えられることがある。それ故、側壁パルスを区別する別の手段が有益なものとなる。
2.6.ガード・ワイヤーの追加
側壁ソース信号
図2のディテクターでは側壁の面積は背壁の面積と比較し得る大きさである。ディメンジョンBプラスRは典型的には約10センチである。1000平方センチ(35センチ×35センチ)のディテクターの背壁面積は1225平方センチであって、側壁面積1400平方センチと比較できる大きさである。図2は、サンプルの方に向いた、側壁から発散するアルファー粒子の飛跡26を示す。このような飛跡はサンプルから出る飛跡からの信号と同じ信号を発生する。サンプルを実際に打つ飛跡が同じ飛跡をつくる。同様に、背壁の方に向いた飛跡が背壁信号と同じような、もしくは全く同一の信号をつくる。側壁飛跡は極端に可変であり、そして図6Cへ適用したテストを使って容易に分離されない。
ガードワイヤーを持ったチャンバーの設計
図7は図2の繰り返しであるが、アノード周辺を包囲するガードワイヤー100を加えることで変わってきている。このガードワイヤーはアノード40と同じ面内あるか、もしくは図に示すようにそれから少し離している。ガードワイヤー100は電圧源8から抵抗107を介してアノード40へと同じようにバイアス電圧をかけられており、そして前置増幅器111へコンデンサー110を介して接続されている。前置増幅器の信号は第2のデジタル・プロセッサー150へ加えられる。このデジタル・プロセッサー150はデジタル・プロセッサー50の部品を外したバージョンであって、(図5を参照して)クロック65、整形フイルター72、傾斜出力レジスター88、DSP67そして制御ライン68,94がなくなっている。代わりに、ガードワイヤープロセッサー150がアノードプロセッサー50からそれのクロック信号を取って、それらは同期して作動し、そしてそれのデーター・バスはアノードプロセッサーのデーター・バス66の延長となって、アノードプロセッサーのDSP67がガードワイヤー・プロセッサー150内のタイマー・エネルギー出力レジスターにより捕捉された値を記録することができる。
側壁発散点信号
側壁信号を見るため図2のディテクタを変更して、(図7のように)ガードワイヤーを加え、側壁にAm−241アルファー源を置き、XIADXP−4Cモジュールを使ってアノードとガードワイヤー信号の両方を捕捉した。図8はそのような一対の飛跡を示す。アノード飛跡は5マイクロ秒で立上り、それはサンプルパルスとして立上り時間テストを通るかもしれないし,通らないかもしれない。しかしながら、有意のガードワイヤー信号を容易に利用でき側壁放出パルスとしてこれを特定し、拒絶できる。電荷がガードワイヤーに最初収集され、それからアノードに収集され、そして他方の電極に電荷を誘起するので2つの曲線にブレークが生じる。
サンプル発散点信号
ソースをサンプル領域の縁近くに配置して図7のディテクターで信号を測定した。このソース位置からのある飛跡はアノードの中心に向かって後戻りし、ある飛跡は真直ぐに下降し、そしてある飛跡はガードワイヤーを通り過ぎる。この後のものはガードワイヤーに電荷を誘起し、そして拒絶される。このソース計数の損失は側壁計数のために払わねばならないペナルテイである。それらの飛跡は区別できないからである。一層巧妙なテストなら、その他の2つの場合を計数でき、そして拒絶しない。図9はガードワイヤーに正味の電荷が収集されない、このソース位置からの飛跡を示す。アノード飛跡はサンプル信号として収集時間と最初の傾斜テストの両方をパスする。しかしながら、ガードワイヤー信号に対する簡単な識別テストはそれを拒絶してしまう。正味の電荷が収集されていないということに注目して、ガードワイヤー信号プロセッサー150からのエネルギーフイルターの値を捉えることもでき、そして側壁拒否テストの論理を「(IF(0よりも大きいガードワイヤー収集時間)AND(IF(0よりも大きい最終ガードワイヤー収集電荷))」と定める。このテストはサンプル・ソース計数能力を最大とし、図6Dにおける側壁イベントを拒絶し、そして図6Cに示す弁別比へ戻る。
2.7.設計概要
マルチワイヤー・ガスカウンターとしての好ましい実施例は図7の設計となる。アノードとガードワイヤーとの両方の組があって、それぞれの組はそれ自身の前置増幅器と信号プロセッサーとを持っている。良いサンプル信号に対するテストは、「それの電荷収集時間が第1の閾値を越えなければならないANDそれの最初の(傾斜/振幅)が第2の閾値以下でなければならないANDガードワイヤー拒否信号はない」である。ここで有効な拒否信号は、「拒否収集時間が第3の閾値を越えるAND拒否エネルギーが第4の閾値を越える」を満足している。予想されるアルファー粒子エネルギーと前置増幅器回路の観察されたノイズ特性とに対しこれらの信号の振幅に基づいて性能を最適なものとするよう第4の閾値は設定されている。
2.8.比例カウンター作動モード
マルチワイヤー・カウンターはしばしば比例利得で作動させる。これは大きな信号をつくるからであるが、これらの信号は電荷が実際にアノード(もしくはガード)ワイヤーに到達するのでつくられるだけである。図7のドリフト電界が非対称性であるディテクターにおいて、背壁からよりもサンプルから出る電離飛跡の電荷収集時間は一般に遅いので、本発明の方法は背壁イベント拒絶を増加するのに適用できる。しかしながら、収集時間は飛跡の向きにより変わるので、好ましい実施例におけるよりも拒絶は少ない。ガードワイヤーを利用する側壁イベントの拒絶は充分である。
3.並列プレート電離チャンバーの実施例
前章ではマルチワイヤー・ガスディテクターとしてバックグラウンド減少の好ましい本発明の実施例を説明した。この実施例は非常によく機能する。しかしながら、ワイヤー振動からのマイクロフォニック・ノイズは問題である。ガス利得なしで作動させるからである。これらは適当な設計技術によって押さえ込まれているが、これが複雑さを増し、そしてアルファー汚染の追加を誘い込まないという保証を難しくしている。
3.1.ディテクターの説明
並列プレート電離チャンバーとしての第2の本発明の好ましい実施例は3つの利点をもたらす。第1は、プレート設計が適当であると、マイクロフォニックスはなくなる。第2は、支持媒体にプレートを埋めこむことにより組立て直さなければならないようにではなく、汚染されたらきれいにするだけで済むディテクターを設計すればよくなる。第3に、大面積のディテクターについて言えば、同じ面積のワイヤーアレイよりも並列プレートのキャパシタンスは小さく、そのことは信号対雑音比を高め、前置増幅器の設計を簡単にし、そしてディテクターの感度を高める。
図10は、並列電離チャンバーとしての本発明の第1の実施例であって、図7の設計に酷似しており、ガード・ストリップ200がガード・ワイヤー100と、アノード収集プレート205がアノード・ワイヤー40と置き換わっているだけである。そのほかは同じであって同じ参照番号を付してそのことをハッキリさせている。
3.2.信号の説明
このディテクター内でつくられる信号は図5のディテクターでつくられるのと大体同じであり、同じ手段を使ってサンプルとチャンバーの背壁とから出る電離飛跡を区別し、そしてチャンバーの側壁から出る電離飛跡を拒絶している。更に、チャンバーの中で何処でも電界はほぼ一様であるので、電荷収集信号は分析できるよう示され、達成できる拒絶限界を最適化できる。
分析法
図10で第1電離飛跡長ρSは角度βでサンプルから出ており、第2電離飛跡長ρaは角度αでアノードから出ており、それらの最大点はそれぞれアノード・プレーンから距離dsとdaにある。Rはアノードーサンプル間の距離である。図11aと図11bとは前置増幅器の出力信号Va(t)とVs(t)に対する分析法を示している。ここでNは全飛跡における電子の数であり、そしてk = e Ve/RCfであり、電子速度Ve=μeE=μeV/R,μeはディテクターガス内の電子運動能であり、Bは電界であり、そしてVは印加電圧である。電子はeであり、そしてCfは前置増幅器の帰還キャパシターである。
電荷収集時間弁別
以前のように、すべてのサンプル信号は同じ幅、tR=R/ve を有する。アノードのアルファー飛跡からの最長信号はtaMAX=ρMAX/Ve=RρMAX/μeV,ここでρMAXは最大予想アノードアルファー飛跡長である。taMAXとtRとの差は、
Δt=(R-ρMAX)R/μeV (1)
である。
RとVとを調整してちょうど良いtRと簡単に区別される距離Δtにする。例えば、R=3×ρMAXとするとtRとtaMAXとは3対1の比になる。典型的な3.5センチρMAXに対してVを調節してtaMAXを3.5マイクロ秒とし、tRを10.5マイクロ秒とする。これらは離し易い時間であり、一緒にさせてもよい大きさである。
スケールをつけた最初の傾斜弁別
図11Aと図11Bの数式から同じ電子の数の2つの飛跡が同じ最初の傾斜を有する:Ss(0)=Sa(0)である。したがって、傾斜だけの値はそれらの間で区別できない。しかしながら、もし最大出力電圧VMAXで割ったら、もしくはエネルギー・フイルターで測定した「エネルギー」で割ったら以下のようになる。
SS(0)/VSMAX = 2/(tR+ta) (2a)
Sa(0)/VaMAX = 2/ta (2b)
[Sa(0)/VaMAX]/[SS(0)/VSMAX] = (R+dS)/da = M (2c)
長さρの飛跡については最小のマージンMは最小アノードのスケールをつけた傾斜(da = ρ)と最大サンプルのスケールをつけた傾斜(R+da)=2R−ρとの間で生じ、これは、前章からの設計限界R=3ρMAXに対し、MMIN=5を与え、2組の値が常によく離されている。かくして、マルチ・ワイヤーディテクターの場合とちょうど同じように、サンプルとアノード飛跡との間を区別する2つの異なるテストをする。
好ましい実施例では最初の傾斜値に焦点を当てていたが、後のパルスの傾斜は情報を運んでおり、弁別テストにも使用できる。内部の電界の異なる他の実施例ではパルスの後の方の点での傾斜もしくはスケールをつけた傾斜がテストに一層適している。
3.3.性能改善への追加
図10に示す並列プレート電離チャンバーは次の3つの改善を加えた好ましい並列プレートの実施例である。
電界の一様性の増進
図10のディテクターの形状配置はそれの内部に真に一様な電界をつくらせるものではない。横の寸法に比してプレートが離れすぎているからであり、電界が異なると電荷収集時間が異なってきて、拒絶誤差を小さくする。
ガード電極の幅Wを増加すると電界の一様性が増すが、それはチャンバーのアクチヴな体積を大きく増加するという犠牲を払ってのことである。それ故、好ましい実施例では(図12)並列プレートチャンバー30を包囲する電界整形電極210を加えている。この電極は簡単に製作でき、例えば、印刷回路板214に一連のストリップ212を形成し、それぞれのストリップは抵抗分割チェーンの節目215に取り付けられ、そのチェーンはそれのアノード端で隔離抵抗217とキャパシター218とを介して電圧源V8へ接続されており、そしてそれのサンプル端は導線219を介して接地されている。分割チェーン215の個々の抵抗が同じ大きさとなっていて、それにより整形電極210の表面の電圧はそれのアノード端からそれのサンプル端の接地点へVから滑らかに下がって行き、それによって、チャンバー・マニフォルド33が絶縁材料からできてさえいれば、チャンバー内の短距離の電界を整形電極の表面に平行にする。
好ましい実施例の性能
図13はサンプル壁20からの信号とアノード背壁205からの信号の典型を示している。同じアルファー粒子エネルギーに対してそれらの信号は非常に異なっている。サンプル壁飛跡の大きさは背壁の飛跡の3倍であり、立上り時間は10マイクロ秒に比して28マイクロ秒とほぼ3倍である。これらの差が2つの発散源を簡単に別けさせる。図14は10,000Am−241サンプル壁の飛跡と追加の10,000アノード背壁飛跡の分散プロットを示している。18におけるその示された立上り時間カットは24の背壁飛跡と約75サンプル飛跡をそのラインの間違った側に配置している。24の背壁は99.76%の拒絶比に対応する。75の失われたカウントは99.25%の計数能に対応する。立上り時間と振幅情報との両方を使った更に複雑なデーターカットは遥かによくするが(例えば、立上り時間30とパルス振幅1500との間のカットは99.95%の拒絶比を生じる)、簡単なカットで本発明の基本原理を説明する。
アノードのシールド及びキャパシタンス低減
アノード領域が大きいと、周囲の干渉を拾い上げる優れたアンテナとなる。これを最小限にするには全カウンターを覆い233と基板235とを備える接地包囲体内で作動させなければならない。この包囲体はアノード205から距離R2〜Rを保って加わるアノードのキャパシタンスと、結果として生じる前置増幅器の入力ノイズとを最小とする。
周囲バックグラウンドの抑制
最後に、バックグラウンドの計数を最小にする良い方法はできるだけ少なく始めることである。それ故、並列プレートチャンバーの内側をアルファー放射の少ない材料を使って構成した。好ましい実施例はチャンバー内に2つの材料しか必要としない。チャンバーの壁の材料それ自体とアノード/ガード導電材料である。チャンバーの材料としてはプラスチックが適しており、当然低Z材料であって、アルファーの放出汚染の傾向のないものである。アノード電極は様々な材料から選択でき、例えばあるステンレススチール[KNOLL−1989、724頁ないし725頁]もしくはウルトラ・ロー・アルファー・エミッティングN[BROWNE―1999]でもよい。最後に、アノード205,ガード電極200もしくはサンプル取り付け面35は半導体グレードSiからつくれるが、この材料は超純度であり、それでいてこの目的に充分な導電性を有している。
3.4.製作ノート
測定チャンバーはそれが測定する材料によって汚染される。先行技術のシステムではこれはある点までは我慢しなければならず、その後はディテクターチャンバーはつくりなおさなければならない。しかし本発明の並列プレート設計ではそれの内面が滑らかにつくってあり、そして汚染物質を捕捉するようなひびや裂け目がないようにつくられているので汚染されても簡単に清掃できる。例えば、アノードとガードストリップ電極はチャンバーの支持表面のプラスチックにそのプラスチックを半溶融状態に加熱して埋めこむか、チャンバー壁材料に非常に薄い層の形に蒸着させるかして取り付けている。こうして、作動中にチャンバーが汚染されるとただ洗うだけで清掃できる。このことは重大な利益である。広範囲のサンプル材料にディテクターは使用できるからであって、もしもサンプル材料が制限されるとディテクターは無意味となるからである。
4.他の性能問題
好ましい実施例のどれでも作動させるときは以下の問題を考慮する必要がある。
作動ガス及び初期パージング
ドリフトしている電子を捕捉しないよう作動ガスの電子親和力は小さくなければならぬ[KNOLL−1989、168頁―169頁]。このことで酸素と水蒸気とを排除する。従来の比例チャンバーガスの何れも使用できるけれども、電荷増倍がないのでクエンチング・ビヘービヤーは必要ではない。N2がLN2ボイル・オフガスとして便利であることがわかった。廉価に入手でき水蒸気汚染がないからである。それの低いZが周囲のガンマー線、宇宙線内のミュー粒子、そしてβ−粒子放出体に対する感度を低下させ、さらに低バックグラウンド計数レートに寄与している。数分の間に体積の大きいチャンバーを排気して大気からの酸素O2を取り除き、それから測定中その流れを低下させるのが典型である。
大気ラドン
周囲環境はRaを約2.4pCi/リットルもしくは320d/リットル・時含んでいるのが典型である[KNOLL−1989,725頁]。このことが、14リットルのチャンバー容積で約1.2アルファー粒子/秒(4200/時)の初期計数レートつくりだす。チャンバーを排気して酸素O2を取り除くとラドンとそれの産物の大部分をチャンバーから排出するという二次的効果がある。
チャンバーの内外いずれかのサンプル配置
狭い窓が先行技術のマルチワイヤー・カウンターの作動を困難にしている。空気中のアルファー粒子の範囲が非常に限られているのでサンプルを窓の近くに置かなければならないが、窓を破損するとディテクターをつくり直さなければならなくなる。本発明の好ましい実施例では固体サンプルをチャンバー内に直接配置して、環境内のアルファー吸収損失と狭い窓に関わる問題との両方を回避している。チャンバー排気時間は二三分で、非常に放射能の低いサンプルに必要な計数時間に比しても問題にはならないのが普通である。
粒子もしくは液体サンプルの場合でサンプルが実際にチャンバーを汚染するような場合には金属化した窓材料の薄いフォイルでサンプルを覆うことによりディテクター内に置いておける。もしくは、先行技術の狭い窓設計を、もしもそのことが利益となるのであれば、元に戻すことができる。説明した方法はサンプルがチャンバー内にあるかないかということには影響されない。
5.参照文献
BROWNE-1999:“Low-background3He Proportional Counters for Use in the Sudbury Neutrino Observatory”, M/C. Browne 等、IEEE Transaction on Nuclear Science, Vol.46, No.4, pp.873-876 (1999年8月)
IICO-1999:“Model 1950 Alpha Counter”,Product Literature ( IICO /Spedtrum Sciences, Saratoga, CA,1999年)
ITRS-1999“International Technology Roadmap for Semiconductors,1999 Edition”,(SEMATECH,Austin,TX,1999)p.235
KNOLL-1989: “Radiation Detection and Measurement, 2nd Ed.”Glenn F. Knoll(J. Wiley, New York,1989),pp.131-159(Chapter 5);pp.160-198,(Chapter-6),pp.724-725.
ORTEC-1998: “Introduction to Charged-Particle Detectors”EG&G Ortec 97/98 Catalog “Modular Pulse-Processing Electronics and Semiconductor Radiation Detectors”(EG&G Ortec, Oak Ridge,TN,1998),pp.1.8-1.16
WARBURTON-1999:U.S.Patent No.5,873,054, 1999年2月16日W.K. Warburton並びにZ.Zhouへ特許付与, “Method and apparatus for combinational logic signal processor in a digitally based high speed x-ray spectrometer”
6.結論
実施例についての上の説明においてアルファー・カウンターにおけるバックグラウンドの様々な抑制技術を示しており、この技術によって、パルスの特性をカウンターが分析することによりそれらのパルスを発生するアルファー粒子の源がサンプルであるか、もしくはカウンター内のどこか他の表面なのかを正確に割り出してバックグラウンド・カウントを拒絶することができる。用途によってこれらの特性のうちのどれだけを分析することになるかはディテクターの設計と何のバックグラウンド拒絶が必要とされていたかの両方によって異なってくる。例えば、粒子エネルギーを測定する方法として普通パルス振幅が決定されているように、これらの特性のうちのあるものは以前に分析されていたことがあるかもしれない。もしそうであってもここで教示されている進歩性の一つは、分析結果を利用して各アルファー粒子の発散点を求め、そして「信号」として、もしくは「バックグラウンド」として分類することにある。
上の実施例の説明は例示であり、説明した詳細な形態に本発明を限定しようとするものではなく、上に教示したことから多くの変更が可能であることは明らかである。実施例は本発明の原理を最も良く説明し、当業者がその用途に応じて本発明を様様な形で実施できるように説明したものである。
ディテクター内の異なる場所から生じたアルファー電離飛跡がつくりだしたパルス特性間の差異を誇張する方法を含め、本発明のいくつもの実施例を完全に上に説明したが、これと均等の、もしくは代替的な構成を利用することは可能である。
第1の例として、本発明の方法を多くの既存のアルファー・カウンターに適用できる。それらの内部形態は対称でないのが典型であり、そして比例モードで作動させても異なる内部場所から生じた粒子間に認識可能の差異をつくりだせる。その結果は特別に設計されたディテクターから得た結果とは比較できないかもしれないが、それでも純粋に受身の作動に比べれば顕著な改善が認められる。
第2の例として、複数のパルスの特性を測定したが、場合によっては只一つの測定でバックグラウンドを拒絶できる。ごく限定された範囲のアルファー粒子があるとき、そしてサンプルからアノードへのドリフト距離が背壁からアノードへのドリフト距離よりも遥かに大きいときはパルス振幅(最も簡単な「形」特性)だけで2つの場合を区別できる。
第3の例として、説明したカウンターはすべて矩形である。円筒形や他の任意形状のものも利用できる。
第4の例として、説明した実施例はデジタル処理論理を採用しているが、説明されているすべての機能はアナログ処理技術を使って実施できる。
第5の例として、排気した窓なしのフロー・カウンターとして最初に本発明のカウンターを作動させているけれども、本発明はこうしなければならないというものではない。そうするのが都合がよいのであれば、密封した窓付きのカウンターとして作動させてもよい。
第6の例として、説明した実施例はリアルタイム処理を採用しているけれども、飛跡はデジタル化してオフ・ライン・コンピューターを使って同様に処理できる。
第7の例として説明した実施例は3つの整形フイルターを使用しているけれども、他の数のフイルターを使用してもよい。例えば、もし、ノイズ性能を改善しようとしたら、ファスト整形フイルター70のピーキング・タイムは傾斜測定フイルター72の値近くに増加させる必要がある。その場合は単一のデジタル・フイルターが両方の機能を果たすことができるのは明らかである。
それ故、上の説明は本発明の技術的な思想の範囲を定めるものではなく、本発明の技術的な思想の範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
先行技術のマルチワイヤー・ガス充填比例カウンターとそれの電子処理連鎖系を示す。 前置増幅器とデジタル信号プロセッサーと、カウンターとへガス充填比例マルチワイヤー電離チャンバーを取り付けた本発明の実施例を示す。 図2のディテクターのサンプル壁から放出された2つの電離飛跡の収集中にアノードに誘起された電荷信号の前置増幅器の出力飛跡を示す。 図2のディテクターの背壁から放出された2つの電離飛跡について図3と同じことを示す。 デジタル信号プロセッサー50のブロック図を示す。 図2のディテクター内の2つの位置に(サンプル壁と背壁とに)配置したソースから測定された一連の信号に対する10−90%のパルスの立上り時間対振幅の分散プロットを示す。 図6Aと同じ組の信号についての最初のパルス傾斜対パルス振幅の分散プロットを示す。 図6Aと同じ組の信号についてのパルス振幅で割った最初のパルス傾斜対パルス振幅の分散プロットを示す。 ディテクターの側壁のソースからの信号を加え、図6Cを繰り返して示す。 図2に示すガス充填のマルチワイヤー・ガス電離チャンバーへガード電極を加えた本発明の好ましい実施例を示す。 図7のディテクターの側壁から放出された電離飛跡の収集中にガードとアノード電極に誘起された電荷信号の前置増幅器の出力飛跡を示す。 サンプル壁から放出された電離飛跡の図8を繰り返し示しており、その飛跡は側壁に近づいているが、ガード電極に電荷を置かない。 ガード電極がアノードを包囲しているガス充填平行プレートの電離チャンバーとして本発明を実施した例を示す。 サンプルとアノード・プレーンとから放出されたアルファー飛跡に対する距離を示し、そしてそれらが収集されるときつくられる誘起電荷信号に対する分析を示している。 サンプルとアノード・プレーンとから放出されたアルファー飛跡に対する距離を示し、そしてそれらが収集されるときつくられる誘起電荷信号に対する分析を示している。 ガード電極、電界整形電極を備え、そしてアノード容量の小さいガス充填、並列プレート電離チャンバーとしての本発明の好ましい実施例を示す。 図12のディテクターのサンプル壁から放出された一つの電離飛跡とディテクターの背壁から放出された一つの電離飛跡の収集中アノードに誘起された電荷信号の典型的な前置増幅器の出力飛跡を示す。 サンプル壁から放出された一連の10,000電離飛跡と図12のディテクターのアノード背壁から放出された10,000電離飛跡に対するパルス振幅対パルス立ち上がり時間の分散プロットを示す。
符号の説明
1 検出器
3 導電室
4 入口窓
5 アノード
6 計数ガス
7 抵抗
8 電圧源
10 キャパシター
11 前置増幅器
13 整形増幅器
15 弁別回路
16 カウンター
20 サンプル
22 アルファー粒子
23 電離飛跡
25 アルファー粒子
26 アルファー粒子
27 アルファー粒子
30 マルチ・ワイヤーカウンター
33 マニフォルド
35 プレート
40 アノード
44 背壁
47 入口(接続部)
49 出口 (接続部)
50 デジタル処理回路(デジタルとカウンター)
60 信号調整
65 クロック
66 データー・バス
68 制御ライン
67 DSP
70 ファスト整形フイルター
72 中間三角整形器(1μs整形フイルター)
74 台形エネルギーフイルター(エネルギー整形フイルター)
76 弁別回路
77 パルス出力
78 レベル出力
80 タイマー
88 出力レジスター(傾斜出力レジスター)
89 遅延回路
92 出力レジスター(エネルギー出力レジスター)
94 制御ライン
100 ガードワイヤー
107 抵抗
110 コンデンサー
111 前置増幅器
150 デジタルプロセッサー
205 アノード
210 電界整形電極
212 ストリップ
214 印刷回路板
215 抵抗分割チェーンの節目
217 隔離抵抗
218 キャパシター
219 導線
233 覆い
235 基板

Claims (37)

  1. サンプル領域を有するガス充填チャンバー、アノード、このアノードに接続された前置増幅器、そして電圧源を含むガス充電カウンターの操作方法であって、チャンバー内のガスを通るアルファー粒子が電離飛跡を生じるとき、その飛跡内の電子がアノードにより収集されて、アルファー粒子と関連し且つ収集プロセスの特徴を示すアノード出力信号パルスを前記の前置増幅器がつくるように、前記の電圧源がバイアスを加え、それにより、所与のアルファー粒子と関連する所与のパルスが、電離飛跡を生じる前記の所与のアルファー粒子の発生源であるチャンバー内の領域に対応する関連発散区域を有するものと見做される、ガス充電カウンターの操作方法において、
    前記アノード出力信号パルスの一つもしくはそれ以上のパルスについて、
    パルスの発散区域に依存して変わるアノード出力信号パルスの一つもしくはそれ以上の特徴、すなわちアノードパルス特徴を測定し、
    一つもしくはそれ以上のアノードパルス特徴の測定に基づいてパルスの発散区域を特定する
    ことを特徴とするガス充填カウンターの操作方法。
  2. パルス関連アルファー粒子がサンプル領域から発散していないことが決定されたらそのパルスをバックグラウンドとして拒絶する請求項1に記載の方法。
  3. 前記の測定段階と特定段階との少なくとも一つがアナログ処理回路で実施される請求項1に記載の方法。
  4. 前記の前置増幅器の出力信号がアナログ・デジタル変換器により調整され、デジタル化され、そして前記の測定段階と特定段階の少なくとも一つがデジタル処理回路で実施される請求項1に記載の方法。
  5. サンプル領域がチャンバー内の特定の領域であり、
    アルファー粒子を測定しようとしているサンプル材料を前記のサンプル領域に置き、そして、
    サンプル材料がカウンター内で移転できるならば、その移転を防ぐだけの厚みはあるが、アルファー粒子がつき抜けてカウンター内の空間に入りこめるようにするだけの薄さがある材料でサンプル材料を覆う請求項1に記載の方法。
  6. チャンバーの外から来るアルファー粒子が窓材料を透過して容易にチャンバー内に入りこめるようにするだけの幅のある窓材料に近接しているチャンバー内の領域が前記のサンプル領域である請求項1に記載の方法。
  7. パルスの発散区域によって変わってくる一つもしくはそれ以上のアノードパルス特徴の差異を誇張するようにカウンターを構成、もしくは操作して、次の状態の一つもしくはそれ以上を実現させる請求項1に記載の方法であって、それらの状態とは、
    カウンターを電離モードで作動させる、
    異なる区域から発散するアルファー粒子による電離電荷が差異の大きな収集電界に依存する、
    異なる区域から発散するアルファー粒子による電離電荷が差異の大きな電荷収集時間を示す、
    アノードを構成する一つもしくはそれ以上の電極要素をチャンバー内に非対称的に配置する、
    異なるアルファー粒子発散区域からの電離飛跡が異なる収集時間をとる、そして
    異なるアルファー粒子発散区域からの電離飛跡が収集されるとき異なる量の誘起電荷を生じる
    ことである請求項1に記載の方法。
  8. チャンバーは側壁を有し、さらにアルファー粒子の発散区域についての情報を得るのに、
    側壁近くにガード電極を設ける、
    このガード電極へ別の前置増幅器を結合する、
    側壁の一つから発散したアルファー粒子が電離飛跡を発生するとき、飛跡内の電子の一部がガード電極により収集され、そして前記の別の前置増幅器がガード出力信号パルスをつくるようにガード電極をバイアスし、そして
    アノードパルス特徴が測定された前記アノード出力信号パルスの1つもしくはそれ以上のパルスについて、
    ガード出力信号パルスの発生区域によって変わる前記の別の前置増幅器からのガード出力信号パルスの一つもしくはそれ以上の特徴、すなわちガードパルス特徴を測定し、
    一つもしくはそれ以上のガードパルス特徴の測定に基づいて、その関連の電離飛跡が側壁の一つから発散したかどうかを決定し、そして
    その関連の電離飛跡が側壁の一つから発散したものであると認識されたアルファー粒子をバックグラウンドとして拒絶する
    請求項1に記載の方法。
  9. 一つもしくはそれ以上のガードパルス特徴が、
    アノード出力信号パルスの到着時間に対するガード出力信号パルスの到着時間と、電離飛跡内の電子の収集が完了した後のガード出力信号の振幅を含んでいる請求項8に記載の方法。
  10. 拒絶すべきアルファー粒子に対しては、ガード出力信号パルスはアノード出力信号パルスと一致して到着しなければならないし、そしてガード電極に収集される全電荷量は閾値を越えていなければならないとした請求項9に記載の方法。
  11. アノードは一つの平面内にあるワイヤーから成り、チャンバーは2つの平行な壁により部分的に境界をなし、一つの壁はサンプル領域と最も接近しており、アノードワイヤーの面は両方の壁に平行であるが、一方の壁へ他方の壁へよりも接近しており、そしてガード電極はアノードワイヤーの周辺を包囲し、そして同じ面内にある一つもしくはそれ以上の別のワイヤーから成る請求項8に記載の方法。
  12. アノード領域とサンプル領域とはどちらも平面であって、相互に平行であり、チャンバー内の最もエネルギーの大きいアルファー粒子の範囲よりも大きい距離だけ相互から離されている請求項8に記載の方法。
  13. 追加の電界整形電極構造体はアノードとサンプルとの間の空間の電界の均一性を増すため使用される請求項12に記載の方法。
  14. アノードとガード電極とが支持絶縁構造体に埋めこまれていて、そのようにした構造体はひびや空所がなく、計数作動中に集積することのある汚染材料を清掃により簡単に除去できる請求項12に記載の方法。
  15. アノードパルス特徴が、パルス幅、パルス振幅、パルス傾斜そして振幅で割ったパルス勾配の少なくとも一つを含む請求項1に記載の方法。
  16. 弁別回路の入力が既定の閾値を越えると出力が高くなる弁別回路によってゲートされるタイマーがパルス幅を測定し、典型的なパルスの立上り時間に比して時定数が速い整形フイルターを通った前置増幅回路の信号が弁別回路の入力となる請求項15に記載の方法。
  17. 平均化差動フイルターが傾斜を測定し、このフイルターの出力はパルスが最初に検出されてすぐ捕捉される請求項15に記載の方法。
  18. 台形フイルターを使ってパルス振幅を測定し、このフイルターのギャップは予期される最長のパルスの0−100%の立上り時間を超えるよう設定され、そしてそれの出力はパルスが最初に検出された後所定の時間にすぐ捕捉される請求項15に記載の方法。
  19. パルス最大値の検出直後に平均化フイルターの値を捕捉し、そしてその値からパルスの最初の検出直前に捕捉した平均化フイルターの出力値を差し引くことによりパルス振幅を測定する請求項15に記載の方法。
  20. アルファー粒子放出の少ない材料からアルファーカウンターを構成することによりバックグラウンド計数レートをさらに低減する請求項1に記載の方法。
  21. サンプル領域を有するガス充填チャンバー、
    アノード、
    このアノードに接続された前置増幅器、
    電圧源そして
    一次パルス特徴分析器を備え、
    前期のチャンバー内のガスを通るアルファー粒子が電離飛跡を生じるとき、その飛跡内の電子がアノードにより収集されて、アルファー粒子と関連し且つ収集プロセスの特徴を示すアノード出力信号パルスを前記の前置増幅器がつくるように、前記の電圧源がバイアスを加え、
    所与のパルスの一つもしくはそれ以上の特徴、すなわちアノードパルス特徴がそのパルスの関連したアルファー粒子の発散区域に依存して差異が大きくなるように前記のチャンバーと前記のアノードとを構成し、
    前記の一次パルス特徴分析器は、一つもしくはそれ以上のアノードパルス特徴を測定し、
    一つもしくはそれ以上のアノードパルス特徴の測定に基づいて、そのパルスに関連したアルファー粒子が発散した区域についての情報を求める
    ことを特徴とするアルファー粒子カウンター。
  22. 前記の一次パルス特徴分析器は、パルスに関連したアルファー粒子がサンプル領域から発散しないことを決定したらそのパルスを拒絶し、それによりカウンターのバックグラウンド計数レートを低減する請求項21に記載のカウンター。
  23. 前記のアノードパルス特徴における差異をつくり、もしくは誇張する次の構成上もしくは動作上の特色の一つもしくはそれ以上を実現させている請求項21に記載のカウンターであって、それらの特色とは、
    電離モードで作動させる、
    異なる区域から発散するアルファー粒子による電離電荷が差異の大きな収集電界に依存する、
    異なる区域から発散するアルファー粒子による電離電荷が差異の大きな電荷収集時間を示す、
    アノードを構成する一つもしくはそれ以上の電極要素をチャンバー内に非対称的に配置する、
    異なるアルファー粒子発散区域からの電離飛跡が大きく異なる電荷収集時間を持つ、そして
    異なるアルファー粒子発散区域からの電離飛跡が収集されるときアノードに差異の大きな量の誘起電荷を生じる
    ことである請求項21に記載のカウンター。
  24. カウンターは側壁を有し、さらに
    側壁近くのガード電極、
    このガード電極へ接続した別の前置増幅器、
    前記のガード電極が電離飛跡から電子を収集するよう、そして前記の別の前置増幅器がガード出力信号パルスを発生するようにバイアスする別の電圧源、そして
    二次パルス特徴分析器
    を備え、この二次パルス特徴分析器は前記のガード出力信号パルスの一つもしくはそれ以上の特徴、すなわちガードパルス特徴を測定し、
    一つもしくはそれ以上のガードパルス特徴の測定に基づいて、そのパルスに関連のアルファー粒子が出てきた区域についての別の情報を求め、そして
    そのパルスに関連のアルファー粒子が前記の側壁の一つから出たことを確定するとバックグラウンドとして拒絶して、カウンターのバックグラウンドの計数レートを減少させる請求項21に記載のカウンター。
  25. ガード出力信号パルスがアノード出力信号パルスと一致して到着し、そしてガード電極に収集される全電荷量が閾値を越えていることを決定したら前記の二次パルス特徴分析器はそのアルファー粒子を拒絶する請求項24に記載のカウンター。
  26. 前記のアノードは一つの平面内にあるワイヤーから成り、前記のチャンバーは2つの平行な壁により部分的に境界をなし、一つの壁は前記のサンプル領域と最も接近しており、アノードワイヤーの面は両方の壁に平行であるが、一方の壁へ他方の壁へよりも接近して非対称に配置されており、そして前記のガード電極はアノードワイヤーの周辺を包囲し、そして同じ面内にある一つもしくはそれ以上の別のワイヤーから成る請求項24に記載のカウンター。
  27. 前記のアノード領域とサンプル領域とはどちらも平面であって、相互に平行であり、チャンバー内の最もエネルギーの大きいアルファー粒子の範囲よりも大きい距離だけ相互から離されており、そして前記のガード電極が前記のアノードの周辺を包囲し、そしてアノードと同じ面内にある請求項24に記載のカウンター。
  28. 前記のアノードと前記のサンプル領域との間の空間の電界の均一性を増す追加の電界整形電極構造体をさらに備える請求項26に記載のカウンター。
  29. パルス幅、パルス振幅、パルス傾斜そして振幅で割ったパルス勾配の一つもしくはそれ以上を決定する手段を前記の一次パルス特徴分析器が含む請求項21に記載のカウンター。
  30. 前記の一次パルス特徴分析器はパルス幅を決定するのに、典型的なパルス立上り時間よりも短い時定数の整形フイルター、この整形フイルターからの入力が既定の閾値を越えるとき出力が高くなる弁別回路、そしてこの弁別回路の出力によりゲートされるタイマーを使用する請求項29に記載のカウンター。
  31. 前記の一次パルス特徴分析器は傾斜を決定するのに、平均化差動フイルターと、パルスが最初検出されてから直ぐ前記のフイルターの出力を捕捉する手段とを使用する請求項29に記載のカウンター。
  32. 前記の一次パルス特徴分析器はパルス振幅を決定するのに、期待される最長のパルスの0−100%立上り時間を超えるようギャップを設定した台形フイルターと、パルスが最初検出されてから規定時間に前記のフイルターの出力を捕捉する手段とを使用する請求項29に記載のカウンター。
  33. 前記の前置増幅器の出力信号をデジタル化するアナログ・デジタル変換回路と、前記の一次パルス特徴分析器のすべてもしくは部分を実施するデジタル信号処理回路とをさらに備えている請求項21に記載のカウンター。
  34. 前記のデジタル信号処理回路は、前記のアナログ・デジタル変換回路のクロック・スピードでパルス特徴分析を実施する一組の組合せロジックと、パルス・イベント・レートでパルス特徴分析を実施するデジタル計算デバイスとを少なくとも備えている請求項33に記載のカウンター。
  35. 前記のチャンバーに使用されるガスが窒素である請求項21に記載のカウンター。
  36. ラドンやそれの崩壊生成物を取り除くため計数の開始前に窒素でカウンターを排気する請求項21のカウンター。
  37. それのアルファー放出レートについて測定しようとしているサンプル材料を前記のチャンバーの内側の特定領域に配置し、そしてもしそのサンプル材料がカウンター内で移転してカウンター内を汚染するのであれば、その移転を防止するだけの厚みはあるが、アルファー粒子にカウンター内の空間に入りこませるだけの薄さの材料でサンプル材料を包む請求項21に記載のカウンター。
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