JP4666406B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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本発明は、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、樹脂封止部の集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法に関する。
太陽光発電装置としては、太陽電池素子を隙間無く敷き詰めて構成した太陽光発電モジュールを屋根の上などに設置した非集光固定型の平板式構造が一般的である。しかし、多くの加工工程と高い加工精度が必要なことから高価となる太陽電池素子を大量に必要とし、太陽光発電モジュール全体として非常に高価な設備となっているのが実態である。
そこで、太陽光を集光して小面積で構成した太陽電池素子へ太陽光を照射する集光型太陽光発電モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。つまり、高価な太陽電池素子(太陽電池セル)を小面積で構成することによって、より安価な太陽光発電装置を提供しようとするものである。
集光型太陽光発電装置では、その目的から太陽電池セルの受光面へ集光される太陽光のエネルギー密度が高くなり、太陽電池セルの受光面を封止する透明樹脂が光もしくは熱エネルギーにより分解、変色等の不具合を生じることが懸念される。
仮に一旦透明樹脂の分解が発生すると、透明樹脂がガス化することにより気泡が発生し、太陽電池セルの受光面に集光された太陽光の一部が気泡によって散乱もしくは反射し、太陽光が太陽電池セルの表面に正常に照射されないという現象を生じる。つまり、気泡の発生に伴って、集光型太陽光発電装置(太陽電池セル)としての光電変換効率を低下させ、発生する発電電力が減少するという恐れがある。
特許文献1に開示された集光型太陽光発電装置(太陽電池、太陽電池モジュール)では、フィラーを含有する熱伝導性封止材を用いることによって光起電力素子(太陽電池セル)の放熱性を向上させ温度上昇を防止し、光起電力素子の変換光率の低下を防止することが開示されている。
しかし、封止材にフィラーを混合することから、集光条件によっては集光された光がフィラーを介して吸収され、結果的に封止材に熱が蓄積される恐れがある。また、フィラー以外にも種々の添加剤が添加されることで封止材の光の透過率が低下し発電効率が低下するという問題が生じる。
特開2003―69068号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、集光レンズによって集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、樹脂封止部を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、透過率波長特性が紫外線波長に対して板厚が厚くなると透過率が減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で透光性被覆板を形成し、光電変換波長領域の短波長側の境界波長での透過率が可視光波長領域での透過率に比較して減少する透過率減少境界板厚を抽出する透過率減少境界板厚抽出工程と、透光性被覆板の板厚が透過率減少境界板厚以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池を試料として準備する試料準備工程と、試料に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間を測定し透光性被覆板の板厚に対する発泡時間の関係を表す発泡特性を求める加速試験工程と、集光された太陽光による樹脂封止部での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚を発泡特性から画定する発泡抑制板厚画定工程とを備えることにより、可視光波長領域での高い透過率を維持して紫外線の透過を抑制する透過率減少境界板厚と、封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚とを求めて透光性被覆板の板厚の許容範囲を容易かつ高精度に画定し、光電変換波長領域での高い透過率を維持して高い光電変換効率を確保し、樹脂封止部での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止し、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造する太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、太陽光を光電変換する太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、樹脂封止部を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、本発明に係る太陽電池の製造方法で求めた画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とした透光性被覆板を準備する透光性被覆板準備工程と、レシーバ基板に太陽電池素子を載置する太陽電池素子載置工程と、樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程と、透光性被覆板を配置する透光性被覆板配置工程とを備えることにより、透光性被覆板を画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とし、経年変化による樹脂封止部での発泡現象を抑制して高い光電変換効率を維持して、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造する太陽電池の製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、前記太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、該樹脂封止部の前記集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、透過率の波長依存性を示す透過率波長特性が紫外線波長に対して板厚が厚くなると透過率が減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で前記透光性被覆板を形成し、前記透光性被覆板について前記透過率波長特性での板厚依存性を測定して前記太陽電池素子が有する光電変換波長領域の短波長側の境界波長での透過率が可視光波長領域での透過率に比較して減少する透過率減少境界板厚を抽出する透過率減少境界板厚抽出工程と、前記透光性被覆板の板厚が透過率減少境界板厚以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池を試料として準備する試料準備工程と、前記試料に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間を測定し前記透光性被覆板の板厚に対する前記発泡時間の関係を表す発泡特性を求める加速試験工程と、集光された太陽光による前記樹脂封止部での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚を前記発泡特性から画定する発泡抑制板厚画定工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、可視光波長領域での高い透過率を維持して紫外線の透過を抑制する透過率減少境界板厚と、封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚とを求めて透光性被覆板の板厚の許容範囲を容易かつ高精度に画定することが可能となるので、光電変換波長領域での高い透過率を維持して高い光電変換効率を確保し、併せて樹脂封止部での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止し、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造することができる。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法は、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、前記太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、該樹脂封止部の前記集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、本発明に係る太陽電池の製造方法で求めた画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とした透光性被覆板を準備する透光性被覆板準備工程と、前記レシーバ基板に前記太陽電池素子を載置する太陽電池素子載置工程と、前記樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程と、前記透光性被覆板を配置する透光性被覆板配置工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、透光性被覆板を画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とし、経年変化による樹脂封止部での発泡現象を抑制して高い光電変換効率を維持することが可能となるので、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造することができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法によれば、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、樹脂封止部の集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、透過率の波長依存性を示す透過率波長特性が紫外線波長に対して板厚が厚くなると透過率が減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で透光性被覆板を形成し、透光性被覆板について透過率波長特性での板厚依存性を測定して太陽電池素子が有する光電変換波長領域の短波長側の境界波長での透過率が可視光波長領域での透過率に比較して減少する透過率減少境界板厚を抽出する透過率減少境界板厚抽出工程と、透光性被覆板の板厚が透過率減少境界板厚以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池を試料として準備する試料準備工程と、試料に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間を測定し透光性被覆板の板厚に対する発泡時間の関係を表す発泡特性を求める加速試験工程と、集光された太陽光による樹脂封止部での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚を発泡特性から画定する発泡抑制板厚画定工程とを備えることを特徴とすることから、可視光波長領域での高い透過率を維持して紫外線の透過を抑制する透過率減少境界板厚と、封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚とを求めて透光性被覆板の板厚の許容範囲を容易かつ高精度に画定することが可能となるので、光電変換波長領域での高い透過率を維持して高い光電変換効率を確保し、併せて樹脂封止部での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止し、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法によれば、集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、樹脂封止部の集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、本発明に係る太陽電池の製造方法で求めた画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とした透光性被覆板を準備する透光性被覆板準備工程と、レシーバ基板に太陽電池素子を載置する太陽電池素子載置工程と、樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程と、透光性被覆板を配置する透光性被覆板配置工程とを備えることを特徴とすることから、透光性被覆板を画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とし、経年変化による樹脂封止部での発泡現象を抑制して高い光電変換効率を維持することが可能となるので、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池を生産性良く製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1ないし図3に基づいて、本実施の形態に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの概略構成を示す断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池10は、集光レンズ42によって集光された太陽光Ls(集光レンズ42によって、太陽電池素子11の表面に向けて集光された太陽光Lsf。以下、特に太陽光Lsfを区別する必要がない場合は、単に太陽光Lsとする。)を光電変換する太陽電池素子11と、太陽電池素子11が載置されたレシーバ基板20と、太陽電池素子11を樹脂封止する樹脂封止部33と、樹脂封止部33の集光レンズ42側の面を被覆する透光性被覆板32とを備える。
樹脂封止部33のレシーバ基板20に対する高さHfは、1mm±0.2mm程度とした。高さHfの下限は、樹脂封止部33を形成する際の封止樹脂への気泡の巻き込みを防止することが可能であること、太陽電池素子11の表面電極へのワイヤ(接続部材)の接続余裕を持たせること、樹脂封止部33の封止作用の信頼性を確保できることなど、実装上の制限を考慮して決定することが可能である。
例えば、太陽電池素子11のチップ厚さ(0.3mm程度)に対して0.1mm以上離れた位置とすることでこれらの条件を満たすことができる。また、高さHfの上限は、樹脂封止部33での太陽エネルギーによる蓄熱の影響を防止することが可能な厚さによって画定することが可能である。
太陽電池素子11は、例えば、Si、GaAs、InGaP、AlInGaAs、AlGaAs、InGaAs、InGaAsN、Ge、CuInGaSe、CdTeのいずれか一つもしくはこれらを組合せた半導体材料で形成されている。したがって、IV族半導体、III−V族化合物半導体、IIーVI族化合物半導体などの無機材料を適用して太陽電池素子を高倍率集光用として構成することが可能となる。
また、太陽電池素子11の構造は、単一接合型セル、モノリシック多接合型セル、波長感度領域の異なる種々の太陽電池セルを接続したメカニカルスタック型など種々の形態の構造を適用することが可能である。
なお、太陽電池素子11の外形サイズは、使用する太陽電池材料の削減、加工の安さ、工程の容易性、簡略化などの観点から、数mm程度から20mm程度までとすることが望ましい。本実施の形態では、太陽電池素子11の外形サイズは、8mm角とした。
また、太陽電池素子11は、光電変換波長領域Apとして350nm(短波長側の境界波長λb)から1100nmまでの波長範囲を含むことが好ましい。この構成により、太陽光のエネルギーを有効に光電変換する太陽電池10とすることが可能となる。
レシーバ基板20は、例えばアルミニウム板、銅板などの金属、または、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックなどの材料で構成されたベース基台に適宜の絶縁層を介して所望の配線(太陽電池素子11の電極(不図示)に接続され、外部への取り出しを行う接続パターン。また、太陽電池10相互間を直列、あるいは並列に接続するための接続パターン。不図示)が形成してある。本実施の形態では、レシーバ基板20は、60mm角、厚さ2mmのアルミニウム板とした。
太陽電池素子11が発生した電流はレシーバ基板20に形成された配線により太陽電池10の外部へ適宜取り出す構成としてある。レシーバ基板20に形成された配線は、信頼性の高い絶縁性を確保する必要があることから、例えば、銅箔で形成された接続パターンを有機材料などの絶縁膜で被覆して絶縁する構成としてある。
透光性被覆板32は、例えば耐熱性のガラス板で構成してあり、耐熱性および耐湿性を確保して耐候性を向上させている。本実施の形態では、透光性被覆板32は、耐熱性が高く、熱膨張率の低いホウケイ酸ガラスで形成してある。
また、樹脂封止部33は、太陽電池素子11と透光性被覆板32との間に充填された絶縁樹脂(封止樹脂)で構成してあり、例えば透明なシリコーン樹脂(できるだけ高い透明性を有することが好ましい。)を適用して透光性被覆板32を透過した太陽光Lsを太陽電池素子11に照射させるように形成してある。シリコーン樹脂とすることによって、樹脂封止部33(太陽電池10)の信頼性(耐候性)を確実に向上させることが可能である。
なお、樹脂封止部33は、シリコーン樹脂(シリコーン系樹脂)の他に、高い透光性(透過率)、高い耐湿性を有するエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂のいずれか一つで形成することが可能である。この構成により、高い透光性(透過率)、高い耐湿性を確保した状態で太陽電池素子11を確実に保護することが可能となることから、光電変換効率および信頼性を確保することができる。
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池に適用する透光性被覆板の透過率の波長依存性を示す透過率波長特性で紫外線波長に対する板厚の影響を示す透過率波長特性グラフである。
横軸を波長λ(nm)、縦軸を透過率τ(%)とし、波長λ=250nm〜410nmの範囲での透過率τを示している。また、板厚Tp=2mm、4mm、7.5mm、10mmをパラメータとしている。
図2Bは、図2Aに示した透光性被覆板の透過率の波長依存性を光電変換波長領域を含む波長領域に対して示す透過率波長特性グラフである。
横軸を波長λ(nm)、縦軸を透過率τ(%)とし、波長λ=200nm〜2000nmの範囲での透過率τを示している。また、板厚Tp=2mm、4mm、7.5mm、10mmをパラメータとしている。
図2Aの透過率波長特性グラフで示すとおり、透光性被覆板32は、紫外線の波長領域(200nm〜380nm)で、板厚Tpに応じて透過率τが変動する特性を有する光学材料で形成されている。
例えば、紫外線の波長λ=310nmに対して、板厚Tp=2mmでは、透過率τ=約85%、板厚Tp=4mmでは、透過率τ=約79%、板厚Tp=7.5mmでは、透過率τ=約70%、板厚Tp=10mmでは、透過率τ=約56%となっている。
つまり、透光性被覆板32は、紫外線波長に対して、板厚Tpが厚くなると透過率τが減少する紫外線透過率抑制特性を有する。したがって、板厚Tpを厚くすることによって、樹脂封止部33へ透過する紫外線の量を抑制することが可能となり、封止樹脂の劣化(発泡)を抑制することができる(発泡特性については、図3を参照。)。
また、図2Bの透過率波長特性グラフで示すとおり、透光性被覆板32は、板厚Tpの厚さによらず幅広い範囲で安定した高い透過率τ(91〜92%)を有する透過率波長特性Ctwを有する。つまり、可視光波長領域As(波長λ=380nm〜760nm)では、透過率τ=91〜92%を確保し、可視光波長領域Asを超えて波長λ=1350nmまでの範囲で高い透過率τを維持している。さらに、波長λ=1900nm程度まで同程度の高く安定した透過率τを確保している。
したがって、透光性被覆板32は、単一接合型の太陽電池素子(例えば、光電変換波長領域Ap=350nm〜1100nm)だけでなく、多接合型構造の太陽電池素子(例えば、光電変換領域Ap=300nm〜630nm/630nm〜900nm/900nm〜1700nm)に対しても適用することが可能である。
太陽電池素子11は、上述したとおり、太陽光を光電変換して発電する光電変換波長領域Apとして、例えば波長λ=350nm(短波長側の境界波長λb)〜1100nmを含んでいる。光電変換波長領域Apの内で可視光波長領域Asおよび可視光波長領域Asを超える長波長側領域に対して、透光性被覆板32の透過率τは、板厚Tpの厚さの影響を受けずに高く安定した90%超(約91〜92%)の値を有している。したがって、可視光波長領域Asに対する光電変換効率は十分確保することが可能である。
他方、光電変換波長領域Apの短波長側の境界波長λb=350nmでは、板厚Tpが10mmのときは、透過率τが90%に低下している。つまり、板厚Tpが厚くなることによって光電変換波長領域Apが含む境界波長λbから可視光波長領域Asの下限である波長λ=380nmまでの領域で透過率τが低下する場合が生じる。
したがって、透光性被覆板32の板厚Tpを決定する場合に、境界波長λb=350nmから可視光波長領域Asの下限である波長λ=380nmの間での透過率τの低下を防止し、光電変換効率の低下を防止する板厚Tpとする必要が生じる。
境界波長λb=350nmから可視光波長領域Asの下限である波長λ=380nmまでの間で光電変換効率を高く維持するためには、境界波長λb=350nmでの透過率τをできるだけ高く維持することが好ましい。波長λ=350nmで、板厚Tpの厚さに対する透過率τの変動を精査した結果、板厚Tp=10mmでの透過率τは、可視光波長領域Asでの透過率τ(約91〜92%)に比較して減少(板厚Tp=10mmでの透過率τ=90%)していることが判明した。また、板厚Tpが10mmより薄い場合は、可視光波長領域Asの透過率τと同様の透過率τ=91〜92%程度を確保している(図2A)ことが判明した。
つまり、透光性被覆板32の板厚Tpは、太陽電池素子11が有する光電変換波長領域Apの短波長側の境界波長λb(波長λ=350nm)での透過率τが可視光波長領域Asでの透過率τ(91〜92%)に対して減少する(減少を始める)透過率減少境界板厚Tpt(板厚Tp=10mm)の厚さ以下とすることが好ましい。換言すれば、透光性被覆板32の板厚Tpを透過率減少境界板厚Tptの厚さ以下に設定することによって、可視光波長領域Asでの高い透過率τを光電変換波長領域Apの短波長側でも維持した状態で紫外線の透過を抑制することが可能となる。
本実施の形態では、透光性被覆板32の板厚Tpを、光電変換波長領域Apの短波長側の境界波長λb=350nmでの透過率τが可視光波長領域Asでの透過率τ(91〜92%)に比較して検出可能な程度にわずかに減少する透過率減少境界板厚Tptの厚さ(10mm)以下とすることによって、光電変換波長領域Apでの高い透過率τを維持して高い光電変換効率を維持することができる。
また、紫外線透過率抑制特性を有する透光性被覆板32で樹脂封止部33を被覆することから、樹脂封止部33での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止して信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10とすることができる。
上述したとおり、透光性被覆板32は、透過率τの波長依存性を示す透過率波長特性Ctwが紫外線波長(200nm〜380nm)に対して板厚Tpが厚くなると透過率τが減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で形成され、透光性被覆板32の板厚Tpは、太陽電池素子11が有する光電変換波長領域Ap(例えば、350nm〜1100nm。)の短波長側の境界波長λb(350nm)での透過率τが可視光波長領域Asでの透過率τに比較して減少する透過率減少境界板厚Tptの厚さ以下である。
したがって、透光性被覆板32の板厚Tpを透過率減少境界板厚Tptの厚さ以下に設定して可視光波長領域Asでの高い透過率τ(91〜92%)を光電変換波長領域Apの短波長側でも維持した状態(90%以上)で紫外線の透過を抑制することが可能となるので、光電変換波長領域Apでの高い透過率τを維持して高い光電変換効率を確保し、併せて樹脂封止部33での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止し、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10とすることができる。
なお、板厚Tpを透過率減少境界板厚Tpt以下の厚さに制限することから、透光性被覆板32のコストを低減し、太陽電池10のコストを低減することが可能となる。また、透光性被覆板32は、平板であることから、容易かつ高精度に設計し、生産することが可能であり、生産性を向上させてコストを抑制することができる。
上述したとおり、太陽電池10では、光電変換波長領域Ap(可視光波長領域As)での透過率τは、90%超であり、透過率減少境界板厚Tptでの透過率τは、90%であることが好ましい。この構成により、光電変換波長領域Apで90%以上という高い透過率τを確保して高い光電変換効率を維持した状態で、紫外線の透過を抑制することが可能となり、容易かつ確実に信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10とすることができる。
また、透光性被覆板32を構成する光学材料は、上述したとおり、ホウケイ酸ガラスであり、透過率減少境界板厚Tptは、10mmであることが好ましい。つまり、透光性被覆板32の板厚Tpを10mm以下に薄くして光電変換波長領域Apでの透過率τ90%を確保することから、紫外線の透過を抑制した状態で光電変換効率の低下を防止することが可能となるので、信頼性および生産性を確保することができる。
図3は、本発明の実施の形態1に係る太陽電池に適用する透光性被覆板の板厚と発泡時間との関係を加速試験によって求めた発泡特性のグラフである。
横軸を板厚Tp(mm)、縦軸を発泡時間Tvg(sec)とし、透光性被覆板32の板厚Tpによる発泡時間Tvgの変動を発泡特性CLとして示している。本実施の形態に係る太陽電池10では、板厚Tpを、2mm、4mm、7.5mm、10mm(透過率波長特性Ctwから求めた透過率減少境界板厚Tpt)とし、それぞれでの発泡時間Tvgを測定した。
なお、図2A、図2Bで説明したとおり、本実施の形態では、透過率減少境界板厚Tptを板厚Tpの上限値とした。
発泡特性に対する加速試験の結果、板厚Tp=2mmでは、発泡時間Tvg=390〜990secとなり、板厚Tp=4mmでは、発泡時間Tvg=2040〜2640secとなり、板厚Tp=7.5mmでは、発泡時間Tvg=5760secとなり、板厚Tp=10mm(透過率減少境界板厚Tpt)では、発泡時間Tvg=8000secとなった。
これらの試験結果をグラフにしたところ、透光性被覆板32の板厚Tpと発泡時間Tvgとの関係がほぼ直線で近似できる特性となることを新たに知見することができた。なお、発泡時間Tvgの測定方法については、実施の形態2で詳細を説明する。
発泡特性CLから、発泡が生じない仕様期間(例えば信頼性保証期間)として、例えば発泡時間Tvg=2000secに対応する期間が要求された場合、板厚Tpは、少なくとも4mm(封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとして画定された画定発泡抑制板厚Tpc)より厚くする必要がある。なお、発泡時間Tvgと仕様期間(信頼性保証期間)との関係は別途求めておくことが可能である。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池10では、透光性被覆板32の板厚Tpは、集光された太陽光による樹脂封止部33での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとして画定された画定発泡抑制板厚Tpcより厚いことが好ましい。
この構成により、透光性被覆板32の板厚Tpを封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとして画定された画定発泡抑制板厚Tpcより厚くすることから、集光された太陽光の照射による封止樹脂への影響を抑制することが可能となるので、太陽光による影響を低減して樹脂封止部33での気泡の発生を抑制し、気泡の発生による光電変換効率の低下を防止した信頼性の高い太陽電池10とすることができる。
また、上述したとおり、画定発泡抑制板厚Tpcは、透光性被覆板32の板厚Tpと発泡時間Tvgとの関係を表す発泡特性CLに基づいて画定されている。したがって、透光性被覆板32の板厚Tpに対する発泡時間Tvgを表す発泡特性CLを適用して画定発泡抑制板厚Tpcを容易かつ高精度に画定することが可能となることから、透光性被覆板32の板厚Tpを厚くして封止樹脂に照射される太陽光を抑制し、要求される長期間内での発泡現象を確実に防止することが可能となるので、信頼性を向上させることができる。
透光性被覆板32を構成する光学材料は、上述したとおり、ホウケイ酸ガラスであり、画定発泡抑制板厚Tpcは、4mmであることが好ましい。つまり、透光性被覆板32の板厚Tpを4mmより厚くして透過する紫外線を抑制することが可能となるので、封止樹脂に照射される紫外線を抑制して発泡を生じない期間として要求される長期間での発泡現象を確実に防止し、信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る太陽電池10は、そのまま本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール40の構成要素として適用することが可能である。
つまり、本実施の形態に係る集光型太陽光発電モジュール40は、太陽光Ls(集光型太陽光発電モジュール40に対して垂直方向で入射する太陽光Lsv。以下、太陽光Lsvを特に区別する必要がない場合は、単に太陽光Lsとする。)を集光する集光レンズ42と、集光レンズ42によって集光された太陽光Ls(太陽光Lsf)を光電変換する太陽電池10とを備える。
したがって、高い光電変換効率を確保し、長期間の稼動(集光されて高密度の紫外線を有する太陽光Lsfの照射)に起因する樹脂封止部33での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止した信頼性および光電変換効率の高い集光型太陽光発電モジュール40とすることができる。
集光レンズ42は、追尾機構(不図示)の作用により太陽軌道(太陽)に正対する構成としてある。したがって、太陽光Lsは、集光レンズ42の入射面に対して垂直方向(光学系の光軸Laxと平行な方向)の太陽光Lsvとして入射する。また、集光レンズ42は、太陽光Lsvを屈折させた太陽光Lsfを太陽電池素子11に集光する構成としてある。
なお、集光型太陽光発電モジュール40に適用する太陽電池素子11としては、高効率性、実用性が特に求められることから、InGaP/GaAs/Geで構成した3接合型太陽電池素子、AlGaAs/Siで構成した太陽電池素子、モノリシック多接合型太陽電池素子を使用することが望ましい。
集光レンズ42による集光を効果的に行うために、太陽光Lsを光電変換する太陽電池素子11の表面は、集光レンズ42の入射面、透光性被覆板32の入射面、出射面と平行に配置してある。
集光レンズ42としては、両凸レンズ、平凸レンズ、フレネルレンズなどが挙げられる。重量・コスト・使用環境での扱い易さなどの観点から、太陽光Ls(太陽光Lsv)を受光する入射面が平坦で、太陽光Ls(太陽光Lsb)を太陽電池素子11に照射する出射面が略三角断面を有するフレネルレンズの形状としてあることが望ましい。
集光レンズ42の材質としては、太陽電池素子11の感度波長光での透過率が高く、耐候性を有するものが良い。例えば、通常の太陽電池モジュール(太陽光発電システム)などに一般的に使用される白板強化ガラス、耐候性グレードのアクリル、ポリカーボネートなどを適用することが可能である。なお、集光レンズ42の材料は、これらに限定されるものではなく、これら材料を複層構成としたものでも良い。また、これら材料に、集光レンズ42自体やその他の部材の紫外線劣化を防ぐ目的で、適当な紫外線吸収剤を添加することも可能である。
<実施の形態2>
図4および図5に基づいて、本実施の形態に係る太陽電池の製造方法について説明する。
実施の形態1に係る太陽電池10の製造方法(特には、透過率減少境界板厚Tptを抽出する方法、および画定発泡抑制板厚Tpcを画定する方法。)を実施の形態2として説明する。実施の形態1で説明した太陽電池10の符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
したがって、実施の形態1で説明したとおり、太陽電池10は、集光レンズ42により集光された太陽光Lsを光電変換する太陽電池素子11と、太陽電池素子11が載置されたレシーバ基板20と、太陽電池素子11を樹脂封止する樹脂封止部33と、樹脂封止部33の集光レンズ42側の面を被覆する透光性被覆板32とを備える。
図4は、本発明の実施の形態2に係る太陽電池の製造方法に関し、透過率減少境界板厚および画定発泡抑制板厚を求めるときの処理フローを示すフローチャートである。
図5は、図4に示した処理フローで示した画定発泡抑制板厚を求める加速試験の概略構成を示す模式図である。
本実施の形態に係る太陽電池10の製造方法は、ステップS1ないしステップS6の処理フローを備え、特に、透光性被覆板32の光学材料について透過率減少境界板厚Tptを抽出する透過率減少境界板厚抽出工程(ステップS3)と、樹脂封止部33での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚Tpcを発泡特性CLから画定する発泡抑制板厚画定工程(ステップS6)とを備える。
ステップS1:
透過率τの波長依存性を示す透過率波長特性Ctw(図2A、図2B参照。)が紫外線波長(200nm〜380nm)に対して板厚Tpが厚くなると透過率τが減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料を準備し、異なる複数の板厚Tpの透光性被覆板32を形成する。板厚Tpは、実施の形態1で説明した2mm、4mm、7.5mm、10mmとした。
なお、光学材料は、実施の形態1で説明したとおり、ホウケイ酸ガラスである。
ステップS2:
ステップS1で形成した透光性被覆板32について板厚Tpをパラメータとして透過率波長特性Ctwの板厚依存性を測定する。測定した透過率波長特性Ctwは、図2A、図2Bに示したとおりである。
なお、測定方法としては、分光透過率測定法(日本分光(株)製ARMN−735による測定)を採用した。
ステップS3:
太陽電池素子11が有する光電変換波長領域Ap(波長λ=350nm〜1100nm)の短波長側の境界波長λb(350nm)での透過率τが可視光波長領域As(波長λ=380nm〜760nm)での透過率τに比較して減少する透過率減少境界板厚Tptを抽出する(透過率減少境界板厚抽出工程)。なお、透過率減少境界板厚抽出工程は、ステップS1、ステップS2を含む工程としても良い。
具体的には、図2Aで示したとおり、境界波長λb=350nmでの透過率τが板厚Tpによって変動する状態を確認する。本実施の形態では、図2Aで示したとおり、板厚Tp=10mmのとき、透過率τが可視光波長領域Asでの透過率τ(91%〜92%)に対して透過率τ=90%を示しており、可視光波長領域Asでの透過率τに比較して減少している。したがって、透過率減少境界板厚Tptは、10mmとして求めることができる。
なお、本実施の形態では、可視光波長領域Asでの透過率τが91%〜92%と90%超となっていることから、透過率τ=90%に対応させて透過率減少境界板厚Tptを特定した。理由は、透過率τ=90%を確保すれば、透過率τの低下に起因する光電変換効率の低下を確実に抑制することが可能となるからである。
したがって、可視光波長領域Asでの透過率τが例えば95%程度であれば、例えば透過率τ=93%に対応させて透過率減少境界板厚Tptを抽出することが可能である。つまり、透過率波長特性Ctwの境界波長λbでの変化(低下)を明確に把握できる程度(1%〜2%)の低下現象を生じる板厚Tpを透過率減少境界板厚Tptとして設定すれば良い。
ステップS4:
透光性被覆板32の板厚Tpが透過率減少境界板厚Tpt以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池10を試料として準備する(試料準備工程)。試料は、実施の形態1で示したとおり、板厚Tp=2mm、4mm、7.5mm、10mm(透過率減少境界板厚Tpt)の4種類とした。
ステップS5:
ステップS4で準備した試料(太陽電池10)に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間Tvgを測定し透光性被覆板32の板厚Tpに対する発泡時間Tvgの関係を表す発泡特性CLを求める(加速試験工程)。なお、発泡現象が生じたことは、発生電流の変化(減少)によって検出することが可能である。
加速試験の結果は実施の形態1(図3)に示したとおりである。
加速試験は、例えばキセノンランプを発光させ集光して擬似の太陽光Lsfを生成し、太陽光LsfをソーラーシミュレータSSから太陽電池10へ照射することによって実施した。太陽光Lsfの集光倍率は、およそ1300倍とした。なお、集光倍率の大きさは太陽電池10の発生電流から換算した値である。また、温度を60℃に設定したペルチェ素子PLTDに放熱グリスを介して太陽電池10を載置し、太陽電池10の動作条件の安定性を確保した。
ステップS6:
集光された太陽光Lsによる樹脂封止部33での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚Tpcを発泡特性CLから画定する(発泡抑制板厚画定工程)。
実施の形態1(図3)で示したとおり、発泡特性CLから、発泡が生じない仕様期間(例えば信頼性保証期間)として、例えば発泡時間Tvg=2000secに対応する期間が要求された場合、板厚Tpは、少なくとも4mm(封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとして画定された画定発泡抑制板厚Tpc)より厚くする必要がある。
つまり、本実施の形態では、板厚Tp=4mmが画定発泡抑制板厚Tpcとして画定される。
本実施の形態では、透過率減少境界板厚抽出工程、試料準備工程、加速試験工程、発泡抑制板厚画定工程を備えることから、許容可能な板厚Tpの範囲を容易かつ高精度に求めることが可能となるので、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10を容易に製造することができる。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池10の製造方法は、透過率τの波長依存性を示す透過率波長特性Ctwが紫外線波長に対して板厚Tpが厚くなると透過率τが減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で透光性被覆板32を形成し、透光性被覆板32について透過率波長特性Ctwでの板厚依存性を測定して太陽電池素子11が有する光電変換波長領域Apの短波長側の境界波長λbでの透過率τが可視光波長領域Asでの透過率τに比較して減少する透過率減少境界板厚Tptを抽出する透過率減少境界板厚抽出工程と、透光性被覆板32の板厚Tpが透過率減少境界板厚Tpt以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池10を試料として準備する試料準備工程と、試料(太陽電池10)に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間Tvgを測定し透光性被覆板32の板厚Tpに対する発泡時間Tvgの関係を表す発泡特性CLを求める加速試験工程と、集光された太陽光による樹脂封止部33での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚Tpcを発泡特性CLから画定する発泡抑制板厚画定工程とを備える。
したがって、可視光波長領域Asでの高い透過率τを維持して紫外線の透過を抑制する透過率減少境界板厚Tptと、封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚Tpcとを求めて透光性被覆板32の板厚の許容範囲を容易かつ高精度に画定することが可能となるので、光電変換波長領域Apでの高い透過率τを維持して高い光電変換効率を確保し、併せて樹脂封止部33での気泡の発生を抑制して気泡の発生による光電変換効率の低下を防止し、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10を生産性良く製造することができる。
<実施の形態3>
図6に基づいて、本実施の形態に係る太陽電池の製造方法について説明する。
実施の形態2では、透過率減少境界板厚Tptを抽出する方法、画定発泡抑制板厚Tpcを画定する方法について説明したが、本実施の形態では、透過率減少境界板厚Tptおよび画定発泡抑制板厚Tpcに基づいて板厚Tpを設定し、実施の形態1、実施の形態2に係る太陽電池10を製造する方法を実施の形態3として説明する。実施の形態1で説明した太陽電池10の符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る太陽電池の製造方法に関し、実施の形態2で求めた板厚とした透光性被覆板を適用して太陽電池を製造する処理フローを示すフローチャートである。
本実施の形態に係る太陽電池10の製造方法は、ステップS11ないしステップS14の処理フローを備え、特に、実施の形態2で求めた画定発泡抑制板厚Tpcから透過率減少境界板厚Tptまでの範囲内の板厚Tpを有する透光性被覆板32を準備する透光性被覆板準備工程(ステップS11)を備える。
ステップS11:
先ず、実施の形態2(太陽電池10の製造方法)で求めた画定発泡抑制板厚Tpcから透過率減少境界板厚Tptまでの範囲内の板厚Tpとした透光性被覆板32を準備する(透光性被覆板準備工程)。
例えば、画定発泡抑制板厚Tpc=4mm、透過率減少境界板厚Tpt=10mmの範囲内の板厚Tp=7.5mmとして設定することが可能である。板厚Tp=7.5mmとすることによって、発泡時間Tvg=5760sec(図3参照)を確保し、光電変換波長領域Apの境界波長λb=350nmでの透過率τ(約91%。図2A参照)を可視光波長領域Asでの透過率τ(91〜92%。図2A参照)と同等に維持することから、光電変換波長領域Apでの光電変換効率を高く維持した状態で、発泡を防止した信頼性の高い太陽電池10を容易かつ高精度に製造することができる。
ステップS12:
レシーバ基板20に太陽電池素子11をダイボンドによって接着し、載置する(太陽電池素子載置工程)。太陽電池素子11の電極(不図示)をレシーバ基板20に形成されている配線(不図示)にワイヤボンド(不図示)により接続する。
ステップS13:
樹脂封止部33を形成する(樹脂封止部形成工程)。また、樹脂封止部33の表面に透光性被覆板32を配置する(透光性被覆板配置工程)。
樹脂封止部33は、適宜の枠体(不図示)を周囲に配置することによって容易かつ高精度に形成することが可能である。樹脂封止部33に適用される封止樹脂は、透明なシリコーン樹脂とする。封止樹脂を例えば枠体に充填した後、例えば、80℃で2時間、150℃ で25時間の2段階硬化を施して、樹脂封止部33を硬化する。
透光性被覆板32の配置は、樹脂封止部33の硬化前に行い、透光性被覆板32と樹脂封止部33との接着と、樹脂封止部33の硬化とを併せて行うことが好ましい。なお、透光性被覆板32の配置は、樹脂封止部33の硬化後に樹脂封止部33を形成した封止樹脂と同一構成の接着剤(シリコーン樹脂接着剤)によって貼り付けることも可能である。
上述したとおり、樹脂封止部形成工程および透光性被覆板配置工程は、適宜組み合わせることが可能であり、樹脂封止部33を形成する前に樹脂封止部33の外周位置に適宜の枠体(不図示)を配置して、透光性被覆板32を枠体に接着して載置し、枠体および透光性被覆板32、レシーバ基板20で構成される空間に封止樹脂を充填する形態とすることも可能である。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池10の製造方法では、実施の形態2(太陽電池10の製造方法)で求めた画定発泡抑制板厚Tpcから透過率減少境界板厚Tptまでの範囲内の厚さの板厚Tpとした透光性被覆板32を準備する透光性被覆板準備工程と、レシーバ基板20に太陽電池素子11を載置する太陽電池素子載置工程と、樹脂封止部33を形成する樹脂封止部形成工程と、透光性被覆板32を配置する透光性被覆板配置工程とを備える。
したがって、透光性被覆板32を画定発泡抑制板厚Tpcから透過率減少境界板厚Tptまでの範囲内の板厚Tpとし、経年変化による樹脂封止部33での発泡現象を抑制して高い光電変換効率を維持することが可能となるので、信頼性および光電変換効率の高い太陽電池10を生産性良く製造することができる。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池および集光型太陽光発電モジュールの概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽電池に適用する透光性被覆板の透過率の波長依存性を示す透過率波長特性で紫外線波長に対する板厚の影響を示す透過率波長特性グラフである。 図2Aに示した透光性被覆板の透過率の波長依存性を光電変換波長領域を含む波長領域に対して示す透過率波長特性グラフである。 本発明の実施の形態1に係る太陽電池に適用する透光性被覆板の板厚と発泡時間との関係を加速試験によって求めた発泡特性のグラフである。 本発明の実施の形態2に係る太陽電池の製造方法に関し、透過率減少境界板厚および画定発泡抑制板厚を求めるときの処理フローを示すフローチャートである。 図4に示した処理フローで示した画定発泡抑制板厚を求める加速試験の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係る太陽電池の製造方法に関し、実施の形態2で求めた板厚とした透光性被覆板を適用して太陽電池を製造する処理フローを示すフローチャートである。
符号の説明
10 太陽電池
11 太陽電池素子
20 レシーバ基板
32 透光性被覆板
33 樹脂封止部
40 集光型太陽光発電モジュール
42 集光レンズ
Ap 光電変換波長領域
As 可視光波長領域
CL 発泡特性
Ctw 透過率波長特性
Hf 高さ
Ls、Lsf、Lsv 太陽光
PLTD ペルチェ素子
SS ソーラーシミュレータ
Tp 板厚
Tpc 画定発泡抑制板厚
Tpt 透過率減少境界板厚
Tvg 発泡時間
λ 波長
λb 境界波長
τ 透過率

Claims (2)

  1. 集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、前記太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、該樹脂封止部の前記集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、
    透過率の波長依存性を示す透過率波長特性が紫外線波長に対して板厚が厚くなると透過率が減少する紫外線透過率抑制特性を有する光学材料で前記透光性被覆板を形成し、前記透光性被覆板について前記透過率波長特性での板厚依存性を測定して前記太陽電池素子が有する光電変換波長領域の短波長側の境界波長での透過率が可視光波長領域での透過率に比較して減少する透過率減少境界板厚を抽出する透過率減少境界板厚抽出工程と、
    前記透光性被覆板の板厚が透過率減少境界板厚以下の厚さでそれぞれ異なる複数の太陽電池を試料として準備する試料準備工程と、
    前記試料に加速試験を施すことによって気泡が生じる発泡時間を測定し前記透光性被覆板の板厚に対する前記発泡時間の関係を表す発泡特性を求める加速試験工程と、
    集光された太陽光による前記樹脂封止部での封止樹脂からの発泡を抑制する厚さとしての画定発泡抑制板厚を前記発泡特性から画定する発泡抑制板厚画定工程とを備えること
    を特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 集光レンズにより集光された太陽光を光電変換する太陽電池素子と、該太陽電池素子が載置されたレシーバ基板と、前記太陽電池素子を樹脂封止する樹脂封止部と、該樹脂封止部の前記集光レンズ側の面を被覆する透光性被覆板とを備える太陽電池の製造方法であって、
    請求項1に記載の太陽電池の製造方法で求めた画定発泡抑制板厚から透過率減少境界板厚までの範囲内の板厚とした透光性被覆板を準備する透光性被覆板準備工程と、
    前記レシーバ基板に前記太陽電池素子を載置する太陽電池素子載置工程と、
    前記樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程と、
    前記透光性被覆板を配置する透光性被覆板配置工程とを備えること
    を特徴とする太陽電池の製造方法。
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