JP4664838B2 - 映像オブジェクト追跡装置および映像オブジェクト追跡プログラム - Google Patents

映像オブジェクト追跡装置および映像オブジェクト追跡プログラム Download PDF

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本発明は、映像オブジェクト追跡装置および映像オブジェクト追跡プログラムに係り、特に、オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクトを抽出・追跡し、推定される位置座標を出力する映像オブジェクト追跡装置および映像オブジェクト追跡プログラムに関する。
従来、オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクト(以下、単に物体という)を追跡するために、物体の有する色や形状などの画像特徴量を用いる手法や、物体位置の遠近に基づく時間対応付けを行う手法などが多く用いられている。追跡にあたって、特に、物体の過去の位置や過去の速度に基づいて、物体の現在位置を予測し、この予測された位置付近に存在する物体のみを抽出すべき候補として選択することで、誤追跡の防止と処理の高速化とを図ることが要望されている。
このような物体の追跡においては、カルマンフィルタなどの状態推定手段を用いる手法が提案されている。しかしながら、例えば、カルマンフィルタによる追跡では、物体の位置などを表す状態量が単一であるため、処理の過程で、推定すべき物体(ターゲット)に類似した他の類似物体との干渉などが発生すると、それまで追跡できていた(捕捉していた)ターゲットを捕捉できなくなってしまうことがある。そして、このように一旦捕捉できなくなると、ターゲットを再び捕捉することが困難であった。また、ターゲットの候補が複数観測される場合には、そのすべての候補に関する情報を有効に活用することができず、いずれか一つの候補の情報のみしか利用できなかった。
また、状態量の任意の統計分布を効率的に記述できる粒子フィルタを用いる状態推定手段も使用され始めている。この粒子フィルタでは、物体の位置などを表す状態量(粒子とよぶ)が複数存在し、これらの粒子のうち、物体の観測結果に合致する粒子の重みを増加させ、最終的には全拉子の状態の期待値(または分散)を計算することで、状態量が推定される(例えば、特許文献1参照)。
このため、粒子フィルタでは、ターゲット以外の他の類似物体が一時的に観測された場合などターゲット候補が複数観測されても、そのすべての候補に関する情報を活用して粒子群に重み付けを行うことができる。このため、物体間の干渉がある場合などに有効な状態推定手法であるとされている。また、粒子フィルタでは、状態遷移(粒子の状態量の時間変化)が、状態量の確率密度により定義できるため、非常に複雑なダイナミクスをモデリングすることが可能である。
特開2005−44352号公報(段落0086−0090、図5)
しかしながら、粒子フィルタにおいても、ターゲットの位置を正しく推定するためには、ターゲットの追跡開始時や、一度フレームアウトしたターゲット(候補)が再度フレームインした場合などに、ターゲット候補の粒子群に対して初期値を与える必要がある。従来、このような物体の追跡においては、人手を介して手動で追跡範囲を指定するなどして初期値を設定しているので、初期値設定を効果的に行うことが要望されている。また、粒子フィルタでは、ターゲットのダイナミクスに対するモデリングの手法によっては、ターゲットの位置として推定される位置の精度が大きく変化してしまう。そのため、推定される位置の精度を向上させることのできるモデリングが要望されている。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、映像オブジェクトの位置を正しく推定することのできる映像オブジェクト追跡装置および映像オブジェクト追跡プログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の映像オブジェクト追跡装置は、オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクトを追跡する映像オブジェクト追跡装置であって、2値画像生成手段と、映像オブジェクト候補選定手段と、離散変数記憶手段と、離散変数更新判定手段と、離散変数生成手段と、観測更新手段と、状態量更新手段と、オブジェクト位置推定手段とを備えることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、2値画像生成手段によって、入力画像の各画素を背景画像および前景画像に分類した2値画像として生成する。そして、映像オブジェクト追跡装置は、映像オブジェクト候補選定手段によって、前記2値画像のうちで、前記前景画像の形状に基づく画像特徴量と、前記入力画像において前記前景画像を形成する画素に関する画素情報に基づく画像特徴量とのうちの少なくとも1つに関して予め定められた条件を満たす領域を、映像オブジェクト候補として選定する。ここで、画像特徴量は、例えば、大きさ、色、形状等である。そして、映像オブジェクト追跡装置は、離散変数記憶手段に、前記オブジェクト候補の位置に対応して生成された位置座標を含む状態量と、重みとを有した情報である離散変数を映像オブジェクト候補別に記憶する。ここで、離散変数は、例えば、粒子フィルタ(Particle Filter)における粒子(Particle)のことである。
そして、映像オブジェクト追跡装置は、離散変数更新判定手段によって、前記選定された映像オブジェクト侯補の個数に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新するか否かを判定し、前記離散変数を更新すると判定された場合に、離散変数生成手段によって、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数を所定数生成して前記離散変数記憶手段に記憶された前記所定数の離散変数を更新する。そして、映像オブジェクト追跡装置は、観測更新手段によって、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みまたは状態量の少なくとも一方を更新し、状態量更新手段によって、前記オブジェクトの予め定められた運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新する。そして、映像オブジェクト追跡装置は、オブジェクト位置推定手段によって、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量の期待値を演算することにより前記オブジェクトの位置を推定する。
また、請求項2に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記離散変数生成手段が、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に対応させて実空間における点を始点とする半直線を算出し、算出した半直線上に配されて位置が乱数で決定された1以上の点の位置座標を求め、求めた位置座標を前記状態量の成分とした離散変数を1以上生成することとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、離散変数生成手段によって、離散変数の状態量を示す点を半直線上に生成するために、例えば、乱数でz成分が決定されたxy平面に平行な平面と、半直線との交点を当該点とすることができる。その結果、離散変数の状態量を実空間上で一意に定めることが可能となる。
また、請求項3に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1または請求項2に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記状態量更新手段が、前記オブジェクトの運動を規定する物理量として、重力加速度と、前記オブジェクトと地面との反発係数と、前記オブジェクトと地面との動摩擦係数と、のいずれか1つ以上を含む運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新することとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、状態量更新手段によって、重力加速度を含む運動モデルの場合には、オブジェクトが空中にあって例えば放物運動をする場合を正しくモデリングすることができる。また、オブジェクトと地面との反発係数を含む運動モデルの場合には、オブジェクトが空中から落下して地面に衝突して撥ね返る(バウンドする)場合を正しくモデリングすることができる。さらに、オブジェクトと地面との動摩擦係数を含む運動モデルの場合には、オブジェクトが地面を転がる場合を正しくモデリングすることができる。このようなモデリングは、オブジェクトがボールの場合に好適である。
また、請求項4に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記離散変数更新判定手段が、前記映像オブジェクト侯補が所定時間選定されなかった後に唯一の映像オブジェクト候補が選定された場合に、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新すると判定し、前記離散変数生成手段に前記離散変数の生成を指示することとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、映像オブジェクト候補が唯一選定されているときに、離散変数更新判定手段によって、更新することを判定するので、精度を向上させることができる。また、映像オブジェクト候補が所定時間選定されなかった後に更新すると判定するので、この所定時間を、例えば、映像オブジェクト候補がフレームアウトしてから再びフレームインするまでの一般的な時間として設定しておけば、たとえ一旦フレームアウトしたとしても離散変数を更新(初期化)することなく、連続的に、離散変数(粒子)として映像オブジェクトを追跡することが可能である。
また、請求項5に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記オブジェクト位置推定手段が、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みを含む状態量の分散値または共分散行列のトレースを演算し、前記演算した結果を前記離散変数更新判定手段に出力し、前記離散変数更新判定手段が、唯一の映像オブジェクト候補が選定されており、かつ、前記演算結果が予め定められたしきい値を超えた状態が所定時間以上継続した場合に、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新すると判定し、前記離散変数生成手段に前記離散変数の生成を指示することとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、オブジェクト位置推定手段によって、離散変数(粒子)の状態量の期待値を演算できるので、その期待値をさらに用いることによって分散を演算することができる。そして、映像オブジェクト追跡装置は、この分散に基づいて、離散変数を更新すると判定するので、この分散の値を、例えば、許容される追跡誤差の上限値の自乗として設定しておけば、追跡誤差が許容値を超えた場合に離散変数を更新(初期化)してオブジェクトの再補足を図ることが可能である。なお、オブジェクト位置推定手段は、期待値がスカラーの場合に分散値を計算し、期待値が共分散行列の場合に共分散行列のトレースを算出する。
また、請求項6に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記観測更新手段が、分離手段と、投影変換手段と、係数演算手段と、重み変更手段と、多重化手段とを備えることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置において、観測更新手段は、分離手段によって、前記映像オブジェクト侯補に対して、前記離散変数記憶手段から読み出した離散変数の状態量と重みとを分離する。そして、観測更新手段は、投影変換手段によって、前記分離された状態量に含まれる位置座標を、前記カメラの位置座標を含むカメラパラメータを介して透視投影により画像座標にマッピングする。そして、観測更新手段は、係数演算手段によって、前記映像オブジェクト侯補の画像座標と、前記入力画像と、前記2値画像とのうちの1つと、前記投影変換手段によってマッピングされた画像座標との位置関係に基づいて、前記分離された重みを更新するための重み係数を算出する。そして、観測更新手段は、重み変更手段によって、前記重み係数を用いて、前記分離された重みを更新し、多重化手段によって、前記更新された重みと、前記分離された状態量とを多重化した離散変数により、前記読み出した離散変数を更新する。
また、請求項7に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項6に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記係数演算手段が、前記映像オブジェクト侯補の画像座標と、前記入力画像と、前記2値画像とをそれぞれ用いて算出される、第1の係数と、第2の係数と、第3の係数とを求め、求められた3つの係数から算出される平均値、最大値、最小値のいずれかを前記重み係数と定めることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、係数演算手段によって、観測の最終段階として選定された映像オブジェクト侯補の画像座標のほかに、観測の初期段階の入力画像や、観測の中間段階の2値画像を考慮して重み係数を求めることができる。
また、請求項8に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1ないし請求項7いずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置において、離散変数再生成手段をさらに備えることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置は、離散変数再生成手段によって、前記離散変数記憶手段から読み込んだ離散変数の重みが同一となるように前記離散変数を再編し、かつ、前記読み込んだ離散変数の状態量を有する再編後の離散変数の生成個数を、前記再編前の離散変数の重みの値に比例させるように再編することにより、前記状態量ごとに0個以上の離散変数を再生成する。なお、離散変数再生成手段は、一般的な再標本化手段で構成される。
また、請求項9に記載の映像オブジェクト追跡装置は、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置において、前記映像オブジェクト候補選定手段が、ラベリング手段と、画像特徴量値抽出手段と、画像特徴量フィルタ手段と、重心演算手段とを備えることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡装置において、映像オブジェクト候補選定手段は、ラベリング手段によって、前記2値画像の前記前景画像に含まれる隣接した画素を連結した領域である前景単連結領域を識別するためのラベルを前記前景単連結領域に付与し、画像特徴量値抽出手段によって、前記ラベルが付与された前景単連結領域の画像特徴量として、大きさ、色、形状のうちの少なくとも1つに関する値を抽出する。そして、映像オブジェクト候補選定手段は、画像特徴量フィルタ手段によって、前記抽出された画像特徴量値が、所定の上限値および下限値の間にあるか否かを判別することにより、前記ラベルが付与された前景単連結領域をフィルタリングして前記映像オブジェクト候補を選定すると共に、選定した映像オブジェクト候補のラベルおよび個数を出力する。そして、映像オブジェクト候補選定手段は、重心演算手段によって、前記映像オブジェクト候補として選定された前景単連結領域の画像座標における重心位置を演算し、前記選定された映像オブジェクト侯補の画像座標として出力する。
また、請求項10に記載の映像オブジェクト追跡プログラムは、オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクトを追跡するために、コンピュータを、2値画像生成手段、映像オブジェクト候補選定手段、離散変数更新判定手段、離散変数生成手段、観測更新手段、状態量更新手段、オブジェクト位置推定手段として機能させることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクト追跡プログラムは、2値画像生成手段によって、入力画像の各画素を背景画像および前景画像に分類した2値画像を生成し、映像オブジェクト候補選定手段によって、前記2値画像のうちで、前記前景画像の形状に基づく画像特徴量と、前記入力画像において前記前景画像を形成する画素に関する画素情報に基づく画像特徴量とのうちの少なくとも1つに関して予め定められた条件を満たす領域を、映像オブジェクト候補として選定する。そして、映像オブジェクト追跡プログラムは、離散変数更新判定手段によって、前記オブジェクト候補の位置に対応して生成された位置座標を含む状態量と、重みとを有した情報である離散変数を映像オブジェクト侯補別に記憶する離散変数記憶手段に記憶された離散変数を、前記選定された映像オブジェクト侯補の個数に基づいて、更新するか否かを判定する。
そして、映像オブジェクト追跡プログラムは、離散変数生成手段によって、前記離散変数を更新すると判定された場合に、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数を所定数生成して前記離散変数記憶手段に記憶された前記所定数の離散変数を更新する。そして、映像オブジェクト追跡プログラムは、観測更新手段によって、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みまたは状態量の少なくとも一方を更新し、状態量更新手段によって、前記オブジェクトの予め定められた運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新する。そして、映像オブジェクト追跡プログラムは、オブジェクト位置推定手段によって、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量の期待値を演算することにより前記オブジェクトの位置を推定する。
請求項1または請求項10に記載の発明によれば、入力画像から検出された映像オブジェクトの画像座標に基づいて、離散変数の生成、離散変数の重みまたは状態量の更新、および、オブジェクトのダイナミクスを反映した運動モデルによる状態遷移の各処理を行うことができる。その結果、映像オブジェクトの位置を頑健に推定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、離散変数の状態量を実空間上で一意に定めることが可能となる。すなわち、粒子フィルタの初期化を効率的に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、実空間におけるボールの複雑な運動のモデル化により、より高精度な状態遷移の処理が可態となり、ボール候補を一時的に見失った場合の尤もらしい補完が可能である。また、高精度な予測ボール軌道が得られるため、ボール以外のオブジェクトを誤認識することによる不安定化を防ぐこともできる。
請求項4または請求項5に記載の発明によれば、映像オブジェクト候補が所定時間以上選定されなかった場合や、追跡誤差が許容値を上回ったと推定される場合に、離散変数(粒子)を初期化してオブジェクトの再補足を図ることが可能である。
請求項6に記載の発明によれば、映像オブジェクトの観測結果である画像座標を反映できるので、観測結果に適合した重みを有するように離散変数を更新することができる。その結果、映像オブジェクトの位置を精度よく推定することができる。
請求項7に記載の発明によれば、映像オブジェクトの観測の初期段階、中間段階および最終段階を考慮できるので、更新により、映像オブジェクトの運動の観測結果とよく整合した離散変数(粒子)を生成することができる。
請求項8に記載の発明によれば、離散変数を再標本化できるので、不要なノイズが除去されて離散変数を用いた位置情報の精度が向上する。
請求項9に記載の発明によれば、入力画像において追跡すべき映像オブジェクトが他の類似物体と紛らわしくても、尤もらしい映像オブジェクト候補を選定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
[ボール追跡装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係るボール追跡装置の構成例を示した機能ブロック図である。ボール追跡装置(映像オブジェクト追跡装置)1は、サッカーボール(オブジェクト)を図示しないカメラで撮像して生成された映像中のボール(映像オブジェクト)を追跡する装置であって、図1に示すように、入力手段2と、記憶手段3と、2値画像生成手段4と、ボール候補選定手段5と、粒子更新判定手段6と、粒子生成手段7と、重み更新手段8と、状態量更新手段9と、粒子再生成手段10と、期待値演算手段11と、出力手段12とを備えている。
<入力手段>
入力手段2は、図示しないカメラで撮像されたボールの映像(以下、単に、ボールという)を、2値画像生成手段4およびボール候補選定手段5に入力する入力インターフェースである。この入力手段2は、図示しないカメラの位置座標を含むカメラパラメータ(詳細は後記する)を、粒子生成手段7および重み更新手段8に出力する。なお、入力手段2は、操作者の操作によるコマンドやデータなどボール追跡装置1に必要な情報も入力する。
<記憶手段>
記憶手段3は、例えば、ROM(Read Only Memory)31と、RAM(Random Access Memory)32と、HDD(Hard Disk Drive)33とを備え、HDD33に後記する粒子記憶部331を有している。
<制御部>
2値画像生成手段4と、ボール候補選定手段5と、粒子更新判定手段6と、粒子生成手段7と、重み更新手段8と、状態量更新手段9と、粒子再生成手段10と、期待値演算手段11と(以下、制御部という)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が記憶手段3のROM31等に格納された所定のプログラムをRAM32に展開して実行することにより実現されるものである。各手段の詳細は後記する。
<出力手段>
出力手段12は、期待値演算手段11で算出された期待値に含まれる位置情報を、図示しない出力装置に出力する出力インターフェースである。なお、出力装置は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。
[制御部の構成の詳細]
<2値画像生成手段>
2値画像生成手段4は、入力画像の各画素を背景画像および前景画像に分類した2値画像を生成し、ボール候補選定手段5に出力するものである。以下では、2値画像をB、対応する入力画像をIと表記する。この2値画像生成手段4は、入力画像Iの画像座標(X,Y)における画素値I(X,Y)に基づいて、入力画像Iの各画素が前景と背景のいずれであるかを判定し、2値画像Bの画像座標(X,Y)における画素値B(X,Y)を出力する。この処理を全画素に亘って実行することで2値画像Bを得ることができる。
ここで、画素値I(X,Y)は、具体的には、赤(R)、緑(G)、青(B)などの色成分で構成されるカラー値(色ベクトル)を表す。なお、画素値I(X,Y)は、色ベクトルに限定されるものではなく、例えば、輝度値などであってもよい。
また、画素値B(X,Y)は、2値をとり得るものであり、例えば、前景の画素に対しては値「1」をとり、背景の画素に対しては値「0」をとるものとすることができる。
本実施形態では、2値画像生成手段4は、例えばクロマキー装置のように、色ベクトルである画素値I(X,Y)が、所定の色範囲(背景色)にあるか否かを判定するものとする。具体的には、2値画像生成手段4は、例えば、画素値I(X,Y)で示されるすべての色成分が、赤、青、緑の各色成分に対してそれぞれ予め定められた下限および上限のしきい値の間にある場合にB(X,Y)の値として「0」を出力し、それ以外の場合にはB(X,Y)の値として「1」を出力する。
例えば、背景色がサッカー場の芝生の色の場合には、その芝生の色(例えば、緑色)の範囲を下限および上限のしきい値として定めておく。これにより、2値画像生成手段4は、例えば、図2(a)に示す入力画像から、図2(b)に示す背景色の領域である背景画像(芝生)と、前景画像(人物やボール等)とに分類した2値画像を図2(c)に示すように生成することができる。
なお、2値画像生成手段4は、例えば、背景差分法を用いて2値画像Bを生成するように構成してもよい。この場合には、人物やボールなどが存在しない画像を背景画像Jとして予め用意しておく。そして、2値画像生成手段4は、入力画像の各画素の画素値I(X,Y)と、背景画像の各画素の画素値J(X,Y)との差分を算出する。そして、2値画像生成手段4は、式(1)に示すように、算出された差分が所定のしきい値Dで定められた範囲内にある湯合にはB(X,Y)=0、それ以外の場合にはB(X,Y)=1として、各値を出力する。そして、この処理を全画素について実行する。例えば、図3(b)に示す背景画像が予め用意されている場合には、2値画像生成手段4は、例えば、図3(a)に示す入力画像から、図3(b)に示す背景画像と、前景画像(人物やボール等)とに分類した2値画像を図3(c)に示すように生成することができる。
Figure 0004664838
<ボール候補選定手段>
ボール候補選定手段(映像オブジェクト候補選定手段)5は、2値画像Bのうちで、前景画像の形状に基づく画像特徴量と、入力画像Iにおいて前景画像を形成する画素に関する画素情報に基づく画像特徴量とのうちの少なくとも1つに関して予め定められた条件を満たす領域を、ボール候補として選定するものである。
図4は、ボール候補選定手段の構成の一例を示した機能ブロック図である。
ボール候補選定手段5は、ラベリング手段51と、画像特徴量値抽出手段52(52a〜52d)と、画像特徴量フィルタ手段53と、重心演算手段54とを備える。
ラベリング手段51は、2値画像Bの前景画像に含まれる隣接した画素を連結した領域である前景単連結領域を識別するためのラベルを、当該前景単連結領域に付与する処理(ラベリング処理)を行い、画像特徴量値抽出手段52に出力する。
本実施形態では、前景単連結領域は、2値画像BにおいてB(X,Y)=1なる領域(前景領域)を構成する隣接した画素を連結した領域である。
ラベリング手段51は、例えば、図5(a)に示す2値画像Bには3個の前景単連結領域が存在するので、図5(b)に示すように、3個の前景単連結領域それぞれに対して、ラベルFn(n=1,2,3)を付与する。なお、前景単連結領域が1つしか存在しない場合や、まったく存在しない場合もある。
画像特徴量値抽出手段52(52a〜52d)は、ラベルが付与された前景単連結領域の画像特徴量の値を抽出し、画像特徴量フィルタ手段に出力するものである。
画像特徴量値抽出手段52aは、画像特徴量として面積Snの値を抽出する。面積Snは、前景単連結領域Fnの大きさに関するものであり、例えば、前景単連結領域内に含まれる総画素数(ピクセル数)である。
画像特徴量値抽出手段52bは、画像特徴量として平均色Cnの値を抽出する。平均色Cnは、入力画像Iにおいて前景単連結領域Fnの領域内に存在する各画素の画素値(色情報)に関するものであり、例えば、前景単連結領域Fnのすべての画素位置(∀(X,Y)∈Fn)に対応した、入力画像Iの対応領域におけるすべての画素の画素値I(X,Y)の平均値である。なお、平均色Cnは、R,G,Bそれぞれについて抽出される。
画像特徴量値抽出手段52cは、画像特徴量として縦横比Anの値を抽出する。
縦横比Anは、前景単連結領域Fnの形状に関するものであり、例えば、前景単連結領域Fnの高さを幅で除した値である。
画像特徴量値抽出手段52dは、画像特徴量として円形度Rnの値を抽出する。円形度Rnは、前景単連結領域Fnの形状に関するものであり、例えば、前景単連結領域Fnの境界に存在する画素の総数により定められた周囲長を用いて、例えば、式(2)により定義することができる。
Figure 0004664838
なお、画像特徴量値抽出手段52が抽出する画像特徴量の種類や個数は、一例であってこれらに限定されるものではない。
本実施形態では、画像特徴量値抽出手段52は、例えば、図5(b)に示した3個の前景単連結領域F1〜F3から、図5(c)に示すデータ(画像特徴量値)を抽出する。図5(c)に示す記憶構造は、項目として、前景単連結領域501と、面積502と、平均色503と、縦横比504と、円形度505とを含んでなり、前景単連結領域Fnごとに、4種類の画像特徴量値が格納されている。
画像特徴量フィルタ手段53は、抽出された画像特徴量値が、所定の上限値および下限値の間にあるか否かを判別することにより、ラベルが付与された前景単連結領域Fnをフィルタリングしてボール候補を選定するものである。この画像特徴量フィルタ手段53は、選定したボール候補のラベルを重心演算手段54に出力すると共に、選定したボール候補の個数(候補数L)を粒子更新判定手段6に出力する。
本実施形態では、画像特徴量フィルタ手段53は、各画像特徴量に対して予め定められたそれぞれのしきい値(フィルタしきい値)と、各条件をすべて満たしたか否かを演算する論理演算(IF〜THENルール)とに基づいて、すべての条件をクリアする前景単連結領域Fnをボール候補として選定する。例えば、図6(a)に示すフィルタしきい値の記憶構造は、項目として、面積601と、平均色(R)602と、平均色(G)603と、平均色(B)604と、縦横比605と、円形度606とを含んでなる。各フィルタしきい値は、ボールらしいオブジェクトを抽出できるような数値範囲を有している。なお、円形度Rnの上限が1を越えているのは、離散化したことにより生じる誤差を除去するために敢えて設定したためである。
画像特徴量フィルタ手段53は、前景単連結領域Fnをフィルタリングした結果、例えば、図6(b)に示すデータを生成する。図6(b)に示す記憶構造は、図5(c)に示した画像特徴量値の記憶構造に加えて、項目として、フィルタリング結果607をさらに備えているものである。そして、画像特徴量フィルタ手段53は、図6(b)に示す各画像特徴量502〜505の値に対して図6(a)に示すフィルタしきい値を条件として適用した場合には、図6(b)に「○」で示すように、前景単連結領域F2,F3をボール候補として選定することとなる。
なお、画像特徴量フィルタ手段53の前記したフィルタリング方法は一例であってこれに限定されるものではない。例えば、画像特徴量をそれぞれ示す複数のベクトルによって張られるベクトル空間を想定し、前景単連結領域Fnの各画像特徴量値が、このベクトル空間における所定領域の内側にあるのか外側にあるのかに応じて、当該前景単連結領域Fnがボール候補としてふさわしいか否かを判定するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、縦横比Aおよび面積Sという2つの画像特徴量をそれぞれ示すベクトルの張る空間(この例では、2次元の平面)内に、ボール候補領域701を予め設定しておく。これにより、画像特徴量フィルタ手段53は、前景単連結領域Fnの縦横比(図7ではAで表記する)および面積(図ではSで表記する)の値がボール候補領域701の内部にある場合に、その前景単連結領域Fnをボール候補として選定することとなる。
重心演算手段54は、画像特徴量フィルタ手段53でボール候補として選定された前景単連結領域の画像座標における重心位置を演算し、選定されたボール侯補の画像座標として、粒子生成手段7および重み更新手段8にそれぞれ出力するものである。この重心演算手段54で演算された1以上のボール候補の画像座標を[CX,CYTで表す。なお、特にl(エル)番目のボール候補を区別したり、l個のボール候補を強調したりするときには、その画像座標を[Cl,X,Cl,YTと表記することもある。
粒子記憶部(離散変数記憶手段)331は、カメラで撮像するときの実空間におけるボール候補の位置を含む状態量と、重みとを有した情報である離散変数を「粒子」として複数個(例えば、数千〜数万)記憶するものである。ここで、「粒子」は、いわゆる粒子フィルタ(パーティクルフィルタ)における粒子であって、複数の粒子の重みおよび空間分布により、状態量の確率密度分布を離散的に表現しているものである。
図8は、粒子記憶部の記憶構造の一例を示す図である。図8に示す記憶構造は、項目として、インデックス801と、状態量802と、重み803とを含んでなり、総計P個の粒子が格納されている。なお、典型的なPの値は、例えば、数千〜数万である。以下では、図8に示すように、p(1≦p≦P)番目の粒子の状態量をxpと表記し、当該粒子の重み(重み付け情報)をwpと表記することとする。
状態量xpは、例えば、式(3)に示すように、実空間における3次元位置(qx,qy,qz)のほかに、3次元速度および3次元加速度を含む9次元ベクトルで表現することができる。なお、式(3)の右辺の行列(列ベクトル)において、1〜3行目は3次元位置、4〜6行目は3次元速度、7〜9行目は3次元加速度をそれぞれ示している。
Figure 0004664838
<粒子更新判定手段>
粒子更新判定手段(離散変数更新判定手段)6は、ボール候補選定手段5で選定されたボール侯補の候補数Lに基づいて、粒子記憶部331に記憶された粒子を更新するか否かを判定するものである。この粒子更新判定手段6は、候補数Lに基づいて粒子記憶部331に記憶された粒子を更新する(以下、粒子を初期化すると言う)と判定した場合には、その旨を示すトリガを粒子生成手段7に出力する。
粒子更新判定手段6は、例えば、次の2つの条件を満たしたときに、粒子生成手段7に対してトリガを発生する。
(第1条件)候補数Lの現在の値が「1」である。
(第2条件)前回に粒子を初期化して以来、候補数Lの値が「0」である状態が所定時間数T’を超えて継続している。なお、所定時間数T’は例えばフレーム数である。
前記した第1条件および第2条件を図9を参照して説明する。図9は、図1に示した粒子更新判定手段に入力される時刻別のボール候補の候補数の一例を示す図である。ここでは、第2条件のT’の値を「4」(4フレーム)に設定するものとする。図9に示す例では、処理開始からのフレーム数を「時刻t」で示している。
図9に示すように、時刻tが「4」のときに候補数Lは「1」である。つまり、t=4のときに、初めてボール候補が唯一選定され、粒子更新判定手段6は、第1回目の初期化を行うタイミングであると判定し、トリガを出力する。そして、時刻tが「8」のときに候補数Lが「0」である。つまり、t=8のときに、ボール候補を見失う。その後、t=10のときに、ボール候補が唯一選定されるが、この場合には、候補数Lの値が「0」である状態は「2フレーム」しか続いていないので前記した第2条件は満たされていない。その後、t=17から、t=23の間では「7」フレームの間、ボール候補を再び見失う。その直後、時刻tが「24」のときに、再びボール候補が選定される。しかしながら、候補数Lが「2」なので前記した第1条件が満たされていない。その直後、時刻tが「25」のときに候補数Lが「1」となる。このときには、第1回目の初期化以来、ボール候補を見失った時間が7フレーム(>4)であり、かつ、現在の候補数Lが「1」なので、粒子更新判定手段6は、第2回目の初期化を行うタイミングであると判定し、トリガを出力することとなる。
なお、本実施形態では、粒子更新判定手段6が、前記した2値画像生成手段4およびボール候補選定手段5に対してそれぞれの動作を行うタイミングを指示すると共に、候補数Lに基づいて、後記する粒子生成手段7と、重み更新手段8と、状態量更新手段9と、粒子再生成手段10と、期待値演算手段11とに対してそれぞれの動作を行うように指示することとする。また、操作者からの終了指示が入力されるか、予め定められた条件が成立した場合(以上、終了条件が成立した場合)、粒子更新判定手段6は、前記した各手段の動作を終了させる。
<粒子生成手段>
粒子生成手段(離散変数生成手段)7は、粒子更新判定手段6で初期化を行う(粒子記憶部331に記憶された粒子を更新する)と判定された場合に、ボール候補選定手段5から取得したボール侯補の画像座標[CX,CYTに基づいて、粒子を所定数生成して粒子記憶部331に記憶された前記所定数の粒子を更新するものである。
この粒子生成手段7は、粒子更新判定手段6からトリガを受けると、P0(P0≦P)個の粒子を生成する。このとき、粒子生成手段7は、粒子記憶部331からP0個の粒子を選択し、生成した同数の粒子と置き換える。ここで、Pは、前記した図8で示した粒子記憶部331に記憶されている粒子の総数である。また、粒子記憶部331には、P個の粒子を予め格納しておくものとする。なお、粒子記憶部331に粒子を予め格納していない場合に、P0の初期値(初めて粒子を生成するときの個数)を「P」として、「P」個の粒子を生成した以降に、P0の値を「P」より少ない値に変更して、それ以降、変更後のP0の個数の粒子を生成するようにしてもよい。
粒子生成手段7は、粒子記憶部331からP0(<P)個の粒子を選択する場合には、例えば、P0個の乱数を発生させて定める。なお、粒子記憶部331において、予め定められた場所に格納された粒子を選択するようにしてもよい。例えば、前記した図8に示した粒子記憶部331の記憶構造において、インデックス801が、「1」から「P0」までの位置に格納された粒子を選択するようにしてもよい。
また、粒子生成手段7は、ボール候補選定手段5から取得した1つの画像座標[CX,CYT(またはl(エル)個の画像座標[Cl,X,Cl,YT)と、入力手段2から取得するカメラパラメータとに基づいて、P0個の粒子を生成する。
また、粒子生成手段7は、P0個の粒子を画像平面に投影したときの像の座標が、画像座標[CX,CYTと一致するように、P0個の粒子の状態量を決定する。ここで、「粒子を画像平面に投影する」とは、粒子の状態量に含まれる実空間における位置情報(例えば、(qx,qy,qz))を画像平面に投影することを意味する。
図10は、粒子位置の説明図であり、実空間において、水平面内にx軸およびy軸をとり、高さ方向にz軸をとったデカルト座標系を示している。
図10に示すように、撮像系の投影中心1001から、画像座標[CX,CYT1003を通る半直線1004を生成し、状態量が半直線1004上に存在するような粒子を生成する場合に、その粒子の状態量の位置(以下、粒子位置という)を一意に定めるために、例えば、z=hで示される平面1005を仮定し、平面1005と半直線1004との交点を粒子位置1006と定義することにする。このように定義すると、式(4)に示すように、画像座標を[CX,CYT、カメラの撮像素子の画素ピッチをλX×λY、焦点距離をf、カメラ設置位置をT、カメラ姿勢の回転行列をRとしたときに、粒子位置sを決定することが可能である。ただし、粒子位置sのz成分がh(平面1005のz座標)となるように、係数kを定める。また、カメラ設置位置Tと、カメラ姿勢の回転行列Rの具体例は後記する。
Figure 0004664838
平面1005のz座標の値であるhは、例えば、乱数により決定することができる。例えば、式(5)に示すように、z座標の値hは、所定の正規分布Nにしたがう乱数rを用いて決定することができる。
h=max{0,r}
r〜N(0,r0 2) …式(5)
ここで、N(0,r0 2)は、期待値0、標準偏差r0の正規分布を示し、maxは引数のうち大きい方の値を選択する関数を示す。
つまり、式(5)に示すように、乱数rが正の場合には、h=rとし、乱数rが0以下の場合にはh=0とする。この方法によれば、粒子は50%の確率で地面1007上(z=0)に存在し、残り50%の確率の場合のうちで、正規分布N(0,r0 2)のグラフ上で正側半分の確率に対応した確率密度(グラフ上の高さ)の位置に存在するような粒子を生成することができる。
なお、前記した式(4)で定義された粒子位置sは、前記した式(3)において粒子の状態量xを示す右辺の行列(列ベクトル)において、1〜3行目に配された3次元位置のことである。また、前記した式(3)における状態量xの3次元速度および3次元加速度は、前記した式(4)に示した粒子位置sを、時間について、それぞれ1階微分および2階微分したものである。したがって、前記した式(3)は、式(6)のように書き換えることができる。なお、式(6)において、・(ドット)は時間微分を示す記号である。
Figure 0004664838
そして、これら速度成分および加速度成分は、例えば、乱数により定めることができる。乱数により定める場合、例えば多変量正規分布に従う乱数を用いることができる。
図11は、粒子生成手段の生成する粒子の状態量の説明図である。この例では、図11に示すように、1つのオブジェクト候補に対して5個の粒子1101が生成されている。粒子1101の状態量xは、黒丸つきの矢印で図示されている。このうち、黒丸は粒子位置1102を表し、矢印の向きと大きさが、状態量の速度成分1103を表している(加速度成分は図示せず)。
粒子の重みwは、例えば、式(7)に示すように、粒子記憶部331に記憶されている粒子の重みwpの総和を粒子総数Pで除した値が設定される。なお、これは一例であって、粒子の重みには、適当な定数を設定してもよい。
Figure 0004664838
<重み更新手段>
重み更新手段(観測更新手段)8は、ボール候補選定手段5から取得したボール侯補の画像座標[CX,CYTに基づいて、粒子記憶部331に記憶された粒子に含まれる重みwを更新するものである。なお、この重み更新手段8の説明では、簡単のため、添字pを省略する。
図12は、図1に示した重み更新手段の構成例を示した機能ブロック図である。
重み更新手段8は、分離手段81と、投影変換手段82と、係数演算手段83と、重み変更手段84と、多重化手段85とを備える。
分離手段81は、ボール侯補に対して、粒子記憶部331から読み出した粒子に含まれる状態量xと重みwとを分離し、分離された状態量xを投影変換手段82へ出力すると共に、分離された重みwを重み変更手段84へ出力するものである。なお、分離手段81は、粒子記憶部331に記憶された粒子を順次一つずつ読み出す。
投影変換手段82は、分離された状態量xに含まれる3次元位置(位置座標)を、カメラの位置座標を含むカメラパラメータを介して透視投影により画像座標にマッピングするものである。ここで、カメラパラメータは、例えば、カメラの設置位置(3次元座標)Tと、カメラの姿勢(3次元座標)と、レンズの焦点距離f(または画角)とを含んでいる。なお、このほか、撮像素子の画素間隔(画素ピッチ)、光軸と撮像素子の中心とのずれ量、第一光学主点位置、歪み係数などをさらに含むようにしてもよい。
また、透視投影は、入力画像Iを撮像したカメラを含む光学系の座標から画像座標へ変換(投影、結像)するものである。例えば、実座標[qx,qy,qzTから画像平面固定座標[ξ,η,ζ]Tへの変換は、回転変換行列をR、カメラ設置位置をTとおくと、式(8)で示される。なお、カメラ設置位置Tは、カメラの原点とワールド座標の原点との差を示す並進ベクトルで表現される。
Figure 0004664838
例えば、焦点距離fのカメラレンズを用い、画素間隔がλX×λYの撮像素子で入力画像Iを撮像した場合には、投影変換手段82は、投影像の画像座標[X,Y]Tを式(9)で算出する。ただし、ξ,η,ζは、前記した式(8)から計算される。
Figure 0004664838
係数演算手段83は、ボール候補選定手段5から取得したl(エル)個のボール侯補の各画像座標[Cl,X,Cl,YTと、投影変換手段82によってマッピングされた画像座標[X,Y]Tとの位置関係に基づいて、分離された重みwを更新するための重み係数dを算出するものである。
重み係数dは、例えば、画像座標[X,Y]Tから各画像座標[Cl,X,Cl,YTへ至る距離の中で最短のもの(最短距離)を用いて決定することができる。例えば、式(10)に示すように、最短距離に応じた正規分布関数に基づいて重み係数dを決定することができる。なお、式(10)において、σは、予め定められた標準偏差である。
Figure 0004664838
本実施形態では、係数演算手段83は、式(10)に基づいて重み係数dを算出するものとする。ただし、式(10)は、重み係数dの一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、重み係数dは、画像座標[X,Y]Tから各画像座標[Cl,X,Cl,YTへ至るベクトル(差分ベクトル)を用いて決定することができる。この場合の重み係数をd1と表記する。例えば、式(11)に示すように、差分ベクトルを正規分布関数に代入した結果の総和に基づいて重み係数d1を決定することができる。なお、式(11)において、はじめのΣは和の記号であり、Σ-1は、予め定められた共分散行列の逆行列である。
Figure 0004664838
重み変更手段84は、係数演算手段83で算出された重み係数dを用いて、分離手段81で分離された重みwを更新するものである。具体的には、重み変更手段84は、式(12)に示すように、重みwと重み係数dとの積を求め、求めた結果を新たな重みwnewとして出力する。
new=w×d …式(12)
多重化手段85は、更新された重みwnewと、分離手段81で分離された状態量xとを多重化した粒子により、粒子記憶部331から読み出した粒子を更新するものである。
<状態量更新手段>
状態量更新手段9は、ボールの予め定められた運動モデルに基づいて、粒子記憶部331に記憶された粒子の状態量xを更新するものである。
具体的には、状態量更新手段9は、時刻tにおいて粒子記憶部331に記憶されている粒子の状態量x(t)を、所定の確率密度分布Φ(χ(t+τ)|χ(t))にしたがって遷移させ、時刻(t+τ)における新たな状態量x(t+τ)に変化させる。このように、粒子の状態量x(t)が、状態量x(t+τ)に変化することを「状態遷移」という。状態量更新手段9は、粒子記憶部331に記憶されている全粒子(P個)を状態遷移させる処理(状態遷移処理)を実行する。そのため、状態量xの添字pは省略して表記した。また、状態量更新手段9は、各粒子の重みwについては変化させないものとする。ここで、確率密度分布Φに含まれるχ(t+τ)およびχ(t)は、状態量x(t+τ)および状態量x(t)に対する確率変数を示す。
以下では、説明を簡単にするために、状態量更新手段9が1個の粒子に対して状態遷移処理を実行する場合を説明する。例えば、線形のダイナミクスによる遷移に、プロセス雑音(ノイズ)が加味されるような状態遷移の場合、状態量更新手段9は、式(13)に示すように状態遷移処理を実行する。
Figure 0004664838
ここで、A(t)は、線形のダイナミクスを示す状態遷移行列であり、時間に依存する一般形で表記されている。また、v(t)は、状態遷移の際に付加されるプロセス雑音であり、予め定められた任意の確率密度分布Φに従うような乱数を発生させることにより実現できる。例えば、多変量正規分布に従う乱数を生成することで、ガウス雑音を付加することができる。
例えば、ボールの運動として等加速度運動を仮定した場合には、状態遷移行列A(t)は、式(14)に示すように、時間に依存しない定数(A)で表すことができる。
Figure 0004664838
また、式(13)で示した線形の状態遷移を一般化した非線形のダイナミクスによる状態遷移の場合、状態量更新手段9は、式(15)に示すように状態遷移処理を実行する。
Figure 0004664838
このときの状態遷移処理は、現在(時刻t)の状態x(t)、時刻tおよび時間間隔τとに依存して、時刻(t+τ)における新たな状態x(t+τ)を生成するものである。なお、φは任意の関数であり、その内部に雑音成分を含めてもよい。また、例えば、τは、演算周期(画像取得の周期)に応じて定めることが好ましく、固定値および可変値のいずれでも構わない。具体的には、τは、例えば10ミリ秒〜1秒程度である。
図13は、図1に示した状態量更新手段で利用される運動モデルの説明図であり、(a)は落下時、(b)は転がり時、(c)は空中での運動の一例をそれぞれ示している。
例えば、図13(a)に示すボールの落下時に対応した運動モデルでは、時刻tでボールが地面に向かって落下し始め、地面に到達した後、仮に、仮想的ボール位置1301で示す位置にまで到達したものとする。実際には、ボールは地面でバウンドして時刻(t+τ)に、バウンド後のボール位置1302に達する。地面からボール位置1302までの距離と、地面から仮想的ボール位置1301までの距離とは等しいものとする。地面の位置を原点にして空中を「正」とすれば、仮想的ボール位置1301は「負」の領域となる。この「負」の領域の仮想的ボール位置1301を「正」の領域に反転させる処理を行うことで、ボールが地面でバウンドする(反発運動)ことを考慮することができる。そして、この反転させる処理を行う関数をbとしたときに、ボールの落下時の運動モデルは、式(16)〜式(20)に示すように、粒子の落下時の運動モデルとして構築することができる。
Figure 0004664838
式(16)における関数bは、式(19)および式(20)に示すように、粒子の状態量xのうち、粒子位置sのz成分(高さ)が「負」になった場合に、その粒子位置sのz成分の符号を反転すると共に、速度のz成分の値を−β倍するものである。なお、式(19)中のBは、9次元の状態量xに対応して式(20)で定義された9×9行列である。また、βの値は、ボールと想定している地面との反発係数を考慮して定められる。
また、式(17)に示すように、プロセス雑音v(t)の速度成分に対しては、式(18)に示した白色雑音vx,vy,vzが付加され、プロセス雑音v(t)の加速度のz成分には重力加速度gが加えられている。なお、式(17)のgの符号(−)は下向きの方向を示している、また、式(18)のσvx,σvy,σvzは予め定められた標準偏差を示している。
また、例えば、図13(b)に示すボールの転がり時に対応した運動モデルでは、時刻tでボールが地面を転がっており、時刻(t+τ)まで地面の摩擦によって減速する。
また、例えば、図13(c)に示すように、ボールが空中にあって放物運動をしている運動モデルでは、時刻tでボールが上昇し、時刻(t+τ)で下降している。
そして、ボールが、地面に近い高さにあるか否かによって異なる抵抗を与える処理を行う関数をfとしたときに、ボールの転がり時および浮遊中の運動モデルは、式(21)〜式(28)に示すように、粒子の転がり時および浮遊中の運動モデルとして構築することができる。
Figure 0004664838
式(21)および式(24)〜式(28)は、粒子の状態量xのうち、粒子位置sのz成分がε未満の場合には、粒子は水平面(地面)内にあり、動摩擦係数μの抵抗と、係数f1の抵抗とを受けることを示している。一方、粒子位置sのz成分がε以上の場合には、粒子は空中にあり、係数f2の抵抗を受けることを示している。
ここで、式(24)のεは、十分に小さい正の値であり、式(24)中のh1(x)およびh2(x)は、それぞれ式(25)および式(26)で示され、式(25)および式(26)中のu(x)は式(27)および式(28)で定義されるものである。
また、式(28)で示したUは、「行」が水平面(x,y)に対応した2行で、「列」が状態量xの9次元に対応した2×9行列である。
なお、式(21)中の関数bは、前記した式(16)に示したものであり、式(22)および式(23)は、前記した式(17)および式(18)と同じものである。
<粒子再生成手段>
粒子再生成手段(離散変数再生成手段)10は、粒子記憶部331から読み込んだ粒子の重みwが同一となるように粒子を再編し、かつ、読み込んだ粒子の状態量xを有する再編後の粒子の生成個数を、再編前の粒子の重みwの値に対して確率としてみたときに比例するように再編(再標本化)することにより、状態量wごとに0個以上の粒子を再生成するものである。この再編された粒子によって、粒子記憶部331の内容が上書き更新される。
粒子再生成手段10による再編(再標本化)処理の手順の一例について図14を参照して説明する。図14は、図1に示した粒子再生成手段による粒子再編の説明図である。
再編前のp番目の粒子の状態量をxp、重みをwpとし、再編後のq番目の粒子の状態量をxq (new)、重みをwq (new)とおく。ただし、p=1,2,…,P、q=1,2,…,Qとする。なお、典型的には、Q=Pとする。
図14に示すグラフでは、再編前のp番目の粒子の重みwpをpに関して累積したものをWpで表して縦軸にとり、pを横軸にとる。粒子再生成手段10は、原点を始点として点(p,Wp)を順次線分で結んで軌跡1401を作成する。そして、粒子再生成手段10は、再編後のq番目の粒子を取得するために、一様乱数ωq(0<ωq≦Wp)を発生する。
粒子再生成手段10は、直線Wp=ωqと、軌跡1401との交点Ωqを求める。換言すると、式(29)を満たす
Figure 0004664838
を求める。
Figure 0004664838
は、交点Ωqのp座標の小数点以下を切り上げた結果(整数値)を意味する。
Figure 0004664838
このとき、再編後のq番目の粒子に関して、その状態量を式(30)で表すと共に、その重みを式(31)で表すものとする。
Figure 0004664838
Figure 0004664838
ここで、式(30)は、再編後のq番目の粒子の状態量が、再編前の
Figure 0004664838
番目の粒子の状態量と等しいことを意味している。また、式(31)は、再編後のq番目の粒子の重みは、一様乱数ωqの発生回数Qの逆数と等しいことを意味している。
粒子再生成手段10は、一様乱数ωq(0<ωq≦Wp)をQ回発生させて前記した再編処理をそれぞれ実行することで、最終的に再編後の粒子をQ個取得し、この再編後のQ個の粒子で、粒子記憶部331に記憶された再編前のP個の粒子を置き換える。
<期待値演算手段>
期待値演算手段(オブジェクト位置推定手段)11は、粒子記憶部331に記憶されたすべての粒子の状態量xの期待値を演算することにより、ボールの位置を推定するものである。この期待値演算手段11は、式(32)に示すように、P個の粒子の状態量xpに対してそれぞれ重みwpにより重み付けを行った加重平均を計算することで粒子の状態量xの期待値
Figure 0004664838
を求める。
Figure 0004664838
また、期待値演算手段11は、式(33)に示すように、求めた期待値から位置情報
Figure 0004664838
を抜き出して出力する。
なお、状態量の期待値
Figure 0004664838
をそのまま出力してもよいし、必要に応じて速度情報や加速度情報を出力するようにしてもよい。
また、期待値演算手段11は、式(32)で求めた期待値を用いて、式(34)に示すように、状態量の重み付きの分散Vの演算および出力を行うようにしてもよい。なお、分散がスカラーの場合には、式(34)に示すVは分散値であり、分散が共分散行列の場合には、式(34)に示すVは共分散行列となる。ここで演算されたVを粒子更新判定手段6に出力するようにしてもよい。この場合には、粒子更新判定手段6は、前記した2つの条件のうち、第2条件を以下のように変更してもよい。すなわち、例えば、分散値Vがスカラーの場合には、前記した第2条件を第2a条件に変更し、分散値Vが共分散行列の場合には、第2b条件に変更する。
(第2a条件)分散値Vが所定のしきい値V1を超えた状態が所定時間数T’以上継続していたこと。
(第2b条件)共分散行列Vのトレースが所定のしきい値V1を超えた状態が所定時間数T’以上継続していたこと。
なお、ボール追跡装置1は、一般的なコンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることで実現することができる。このプログラム(ボール追跡プログラム)は、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
[ボール追跡装置の動作]
図15を参照(適宜図1参照)して、図1に示したボール追跡装置の動作について説明する。図15は、図1に示したボール追跡装置の動作の一例を示すフローチャートである。ボール追跡装置1は、まず、粒子更新判定手段6によって、カウンタとしての変数Eに初期値「0」をセットする(E←0:ステップS1)。そして、ボール追跡装置1は、2値画像生成手段4によって、入力画像Iから2値画像Bを生成し(ステップS2)、ボール候補選定手段5によって、ボール候補を抽出する(ステップS3)。
続いて、ボール追跡装置1は、粒子更新判定手段6によって、選定されたボール候補の候補数Lが「0」であるか否か(L=0?)を判別する(ステップS4)。ここで、候補数Lが「0」である場合(ステップS4:Yes)、ボール追跡装置1は、粒子更新判定手段6によって、変数Eをインクリメントする、すなわち、変数Eの値に「1」を加える(E←E+1:ステップS5)。一方、候補数Lが「0」ではない場合(ステップS4:No)、または、ステップS5に続いて、ボール追跡装置1は、粒子更新判定手段6によって、現在の変数Eが所定時間数T’以上(E≧T’)であり、かつ、選定されたボール候補の候補数Lが「1」であるか否か(L=1?)を判別する(ステップS6)。
ステップS6において、E≧T’であり、かつ、L=1である場合(ステップS6:Yes)、粒子更新判定手段6は、トリガを粒子生成手段7に出力すると共に、変数Eに初期値「0」をセットする(E←0)。これにより、粒子生成手段7は、所定の状態量xpと重みwpとを有した粒子を生成し、粒子記憶部331に格納する(以上、ステップS7)。一方、E≧T’とL=1とのうち、いずれかを満たさない場合(ステップS6:No)、または、ステップS7に続いて、粒子更新判定手段6は、候補数Lが「1」以上であるか否か(L≧1?)を判別する(ステップS8)。
ステップS8において、L≧1の場合(ステップS8:Yes)、ボール追跡装置1は、重み更新手段8によって、ボール侯補の画像座標[CX,CYTに基づいて、粒子記憶部331に記憶された粒子に含まれる重みwpを更新する(ステップS9)。これにより、観測結果(画像座標)に適合した重みを有する粒子に更新できる。一方、L<1の場合(ステップS8:No)、または、ステップS9に続いて、ボール追跡装置1は、期待値演算手段11によって、粒子記憶部331に記憶されたすべての粒子の状態量xの期待値を演算する(ステップS10)。その結果、演算により算出された期待値の位置情報は、出力手段12に出力される。さらに、ボール追跡装置1は、粒子再生成手段10によって、粒子記憶部331に現在記憶されている粒子を再編(再標本化)することにより粒子を再生成する(ステップS11)。これにより、不要なノイズが除去されて粒子の位置の精度が向上する。なお、前記したステップS10とステップS11との実行順序は入れ替えてもよい。
続いて、ボール追跡装置1は、状態量更新手段9によって、ボールの運動モデルに基づいて状態量を更新する(ステップS12)。これにより、ボール候補としてふさわしい状態量を有する粒子に更新できる。そして、ボール追跡装置1は、粒子更新判定手段6によって、終了条件が成立したか否かを判別する(ステップS13)。終了条件が成立した場合(ステップS13:Yes)、ボール追跡装置1は処理を終了する。一方、終了条件が成立していない場合(ステップS13:No)、ボール追跡装置1はステップS1に戻る。
第1実施形態によれば、ボール追跡装置は、ボールの候補の画像座標[CX,CYTに基づいて、粒子の生成、重み更新、およびボールの運動をモデリングした状態遷移を考慮した粒子フィルタによって、ボールが複雑な運動をしたり、ボールと紛らわしいノイズが存在したりする場合にも、実空間におけるボールの位置を頑健に推定することができる。
(第2実施形態)
図16は、本発明の第2実施形態に係るボール追跡装置の構成例を示した機能ブロック図である。図16に示したボール追跡装置1Aは、重み更新手段8Aの機能が異なる点を除いて、図1に示したボール追跡装置1と同一の構成である。したがって、図1の構成と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図1のボール追跡装置1と同一な動作の説明は省略する。
ボール追跡装置1Aは、図16に示すように、重み更新手段8Aに対して、ボール候補選定手段5から出力されるボール候補の画像座標[CX,CYTのほかに、入力画像Iや2値画像Bが入力可能に構成されている。
図17は、図16に示した重み更新手段の構成例を示した機能ブロック図である。
重み更新手段8Aは、図17に示すように、係数演算手段83Aに対して、ボール候補の画像座標[CX,CYTのほかに、入力画像Iや2値画像Bが入力可能に構成されている。
<入力画像の活用>
例えば、係数演算手段83Aが、画像座標[CX,CYTと、入力画像Iと、2値画像Bとのうち入力画像Iのみを活用する場合には、係数演算手段83Aは、投影変換手段82で算出された画像座標[X,Y]Tの位置を参照して、入力画像Iにおけるその位置(X,Y)の画素値I(X,Y)に基づいて、重み係数dの値を定めることができる。例えば、カラー値である画素値I(X,Y)が、特定の色範囲にある場合には、重み係数dを「d11」とし、この特定の色範囲の外にある場合には、重み係数dを「d00」としてもよい。なお、特定の色範囲にある(ボールらしい)か否かの判定は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に対するしきい値処理により実行できる。また、d11およびd00は予め定められた定数とする。好適にはd11>d00とすることにより、画素値I(X,Y)がボールらしいと判定された場合に重み係数dを大きくすることができる。
なお、入力画像Iから得られた重み係数dを、あらためて係数dIと表記することとする。そして、画像座標[CX,CYTから得られた重み係数、すなわち、前記した式(10)または式(11)で示される重み係数d(またはd1)を、あらためて係数dCと表記することとする。
<2値画像の活用>
また、例えば、係数演算手段83Aが、画像座標[CX,CYTと、入力画像Iと、2値画像Bとのうち2値画像Bのみを活用する場合には、係数演算手段83Aは、投影変換手段82で算出された画像座標[X,Y]Tの位置を参照して、2値画像Bにおけるその位置(X,Y)の画素値B(X,Y)に基づいて、重み係数dの値を定めることができる。例えば、画素値B(X,Y)が「1」である場合には、重み係数dを「d11」とし、それ以外の場合には、重み係数dを「d00」とすることができる。なお、2値画像Bから得られた重み係数dを、あらためて係数dBと表記することとする。
<複数種類の画像の活用>
第2実施形態では、係数演算手段83Aは、少なくとも入力画像Iと2値画像Bとのうち一方の画像を活用して、最終的な重み係数dを定める。例えば、画像座標[CX,CYTと、入力画像Iと、2値画像Bとの3種類の画像をすべて活用する場合には、式(35)に示すように、3種類の係数dCと、係数dIと、係数dBとの平均値を、最終的に重み係数dとして定めるようにしてもよい。また、式(36)に示すように、係数dCと、係数dIと、係数dBとのうちの最大値を、最終的に重み係数dとして定めてもよい。さらに、式(37)に示すように、これらの最小値を最終的な重み係数dとして定めてもよい。その他、係数dIと係数dBとのいずれか一方のみを最終的な重み係数dとして定めてもよい。
Figure 0004664838
d=max{dC,dI,dB} …式(36)
d=min{dC,dI,dB} …式(37)
第2実施形態によれば、ボール追跡装置は、粒子の重み更新において、観測の最終段階として選定されたボール候補の画像座標[CX,CYTのほかに、観測の初期段階の入力画像Iや、観測の中間段階の2値画像Bを考慮した構成なので、ボールの運動の観測結果とよく整合した粒子を生成することができる。その結果、出力されるボールの位置の精度が向上する。
以上、各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、ボール追跡装置1(1A)は、観測結果を反映して粒子の重みを更新する重み更新手段8(8A)を備える構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、重み更新手段8(8A)の代わりに、観測結果を反映して粒子の状態量を更新する観測状態量更新手段を備える構成としてもよいし、この観測状態量更新手段と重み更新手段8(8A)との両方を備えるようにしてもよい。
また、粒子記憶部331に記憶された粒子間の重みに偏りが生じたか否かを判別する偏り判別手段をさらに備えるように構成してもよい。偏りが生じたか否かの判定は、所定のしきい値と比較する方法や、記憶された各重みの偏差や分散を算出して判定する方法を用いることができる。この場合には、粒子再生成手段10において粒子の再生成をする前に、この偏り判定手段で、予め定められた値以上の偏りが生じているか否かを判別し、重みに大きな偏りが生じたときにのみ粒子の再生成を実行するようにしてもよい。これによれば、図15に示したフローチャートのステップS11の処理を適宜省略することができる。その結果、ボール追跡装置を構成する各手段の処理負荷を低減できる。
また、各実施形態では、ボール追跡装置1(1A)は、サッカーボールを追跡するものとして説明したが、これは一例であって、ゴルフ、テニス、ラグビー、バレーボール、バスケットボールなど各種スポーツで使用されるボールを追跡するようにしてもよい。
さらに、各実施形態では、映像オブジェクトとしてボールを追跡するものとして説明したが、これは一例であって、例えば、スポーツ選手のユニフォームを介してプレイヤ(人物)を追跡するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係るボール追跡装置の構成例を示した機能ブロック図である。 図1に示した2値画像生成手段の説明図であり、(a)は入力画像、(b)は背景色、(c)は2値画像の一例をそれぞれ示している。 2値画像の別の生成方法の説明図であり、(a)は入力画像、(b)は背景画像、(c)は2値画像の一例をそれぞれ示している。 ボール候補選定手段の構成の一例を示した機能ブロック図である。 図4に示したラベリング手段および画像特量値抽出手段の説明図であり、(a)は2値画像、(b)はラベリング結果、(c)は画像特徴量値の一例をそれぞれ示している。 図4に示した画像特徴量フィルタ手段の説明図であり、(a)はフィルタしきい値、(b)は画像特徴量値の一例をそれぞれ示している。 画像特徴量値の別のフィルタ方法における特徴量ベクトル空間を示す図である。 図1に示した粒子記憶手段の記憶構造の一例を示す図である。 図1に示した粒子更新判定手段に入力される時刻別のボール候補の候補数の一例を示す図である。 粒子位置の説明図である。 図1に示した粒子生成手段の生成する粒子の説明図である。 図1に示した重み更新手段の構成例を示した機能ブロック図である。 図1に示した状態量更新手段で利用される運動モデルの説明図であり、(a)は落下時、(b)は転がり時、(c)は空中での運動の一例をそれぞれ示している。 図1に示した粒子再生成手段による粒子再編の説明図である。 図1に示したボール追跡装置の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るボール追跡装置の構成例を示した機能ブロック図である。 図16に示した第1状態量更新手段の構成例を示した機能ブロック図である。 図17に示した係数演算手段の動作の説明図である。
符号の説明
1(1A) ボール追跡装置(オブジェクト追跡装置)
2 入力手段
3 記憶手段
331 粒子記憶部(離散変数記憶手段)
4 2値画像生成手段
5 ボール候補選定手段(ボールオブジェクト候補選定手段)
51 ラベリング手段
52(52a〜52d) 画像特徴量値抽出手段
53 画像特徴量フィルタ手段
54 重心演算手段
6 粒子更新判定手段(離散変数更新判定手段)
7 粒子生成手段(離散変数生成手段)
8(8A) 重み更新手段(観測更新手段)
81 分離手段
82 投影変換手段
83(83A) 係数演算手段
84 重み変更手段
85 多重化手段
9 状態量更新手段
10 粒子再生成手段(離散変数再生成手段)
11 期待値演算手段(オブジェクト位置推定手段)
12 出力手段
701 ボール候補領域
1001 投影中心
1002 画像平面
1003 画像座標
1004 半直線
1005 平面
1006 粒子位置
1007 地面
1101 粒子
1102 粒子位置
1103 状態量の速度成分
1301 仮想的ボール位置
1302 バウンド後のボール位置
1401 軌跡
1402 交点

Claims (10)

  1. オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクトを追跡する映像オブジェクト追跡装置であって、
    入力画像の各画素を背景画像および前景画像に分類した2値画像として生成する2値画像生成手段と、
    前記2値画像のうちで、前記前景画像の形状に基づく画像特徴量と、前記入力画像において前記前景画像を形成する画素に関する画素情報に基づく画像特徴量とのうちの少なくとも1つに関して予め定められた条件を満たす領域を、映像オブジェクト候補として選定する映像オブジェクト候補選定手段と、
    前記オブジェクト候補の位置に対応して生成された位置座標を含む状態量と、重みとを有した情報である離散変数を映像オブジェクト侯補別に記憶する離散変数記憶手段と、
    前記選定された映像オブジェクト侯補の個数に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新するか否かを判定する離散変数更新判定手段と、
    前記離散変数を更新すると判定された場合に、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数を所定数生成して前記離散変数記憶手段に記憶された前記所定数の離散変数を更新する離散変数生成手段と、
    前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みまたは状態量の少なくとも一方を更新する観測更新手段と、
    前記オブジェクトの予め定められた運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新する状態量更新手段と、
    前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量の期待値を演算することにより前記オブジェクトの位置を推定するオブジェクト位置推定手段とを備えることを特徴とする映像オブジェクト追跡装置。
  2. 前記離散変数生成手段は、
    前記映像オブジェクト侯補の画像座標に対応させて実空間における点を始点とする半直線を算出し、算出した半直線上に配されて位置が乱数で決定された1以上の点の位置座標を求め、求めた位置座標を前記状態量の成分とした離散変数を1以上生成することを特徴とする請求項1に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  3. 前記状態量更新手段は、
    前記オブジェクトの運動を規定する物理量として、重力加速度と、前記オブジェクトと地面との反発係数と、前記オブジェクトと地面との動摩擦係数と、のいずれか1つ以上を含む運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  4. 前記離散変数更新判定手段は、
    前記映像オブジェクト侯補が所定時間選定されなかった後に唯一の映像オブジェクト候補が選定された場合に、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新すると判定し、前記離散変数生成手段に前記離散変数の生成を指示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  5. 前記オブジェクト位置推定手段は、
    前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みを含む状態量の分散値または共分散行列のトレースを演算し、前記演算した結果を前記離散変数更新判定手段に出力し、
    前記離散変数更新判定手段は、
    唯一の映像オブジェクト候補が選定されており、かつ、前記演算結果が予め定められたしきい値を超えた状態が所定時間以上継続した場合に、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数を更新すると判定し、前記離散変数生成手段に前記離散変数の生成を指示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  6. 前記観測更新手段は、
    前記映像オブジェクト侯補に対して、前記離散変数記憶手段から読み出した離散変数の状態量と重みとを分離する分離手段と、
    前記分離された状態量に含まれる位置座標を、前記カメラの位置座標を含むカメラパラメータを介して透視投影により画像座標にマッピングする投影変換手段と、
    前記映像オブジェクト侯補の画像座標と、前記入力画像と、前記2値画像とのうちの1つと、前記投影変換手段によってマッピングされた画像座標との位置関係に基づいて、前記分離された重みを更新するための重み係数を算出する係数演算手段と、
    前記重み係数を用いて、前記分離された重みを更新する重み変更手段と、
    前記更新された重みと、前記分離された状態量とを多重化した離散変数により、前記読み出した離散変数を更新する多重化手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  7. 前記係数演算手段は、
    前記映像オブジェクト侯補の画像座標と、前記入力画像と、前記2値画像とをそれぞれ用いて算出される、第1の係数と、第2の係数と、第3の係数とを求め、求められた3つの係数から算出される平均値、最大値、最小値のいずれかを前記重み係数と定めることを特徴とする請求項6に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  8. 前記離散変数記憶手段から読み込んだ離散変数の重みが同一となるように前記離散変数を再編し、かつ、前記読み込んだ離散変数の状態量を有する再編後の離散変数の生成個数を、前記再編前の離散変数の重みの値に比例させるように再編することにより、前記状態量ごとに0個以上の離散変数を再生成する離散変数再生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  9. 前記映像オブジェクト候補選定手段は、
    前記2値画像の前記前景画像に含まれる隣接した画素を連結した領域である前景単連結領域を識別するためのラベルを前記前景単連結領域に付与するラベリング手段と、
    前記ラベルが付与された前景単連結領域の画像特徴量として、大きさ、色、形状のうちの少なくとも1つに関する値を抽出する画像特徴量値抽出手段と、
    前記抽出された画像特徴量値が、所定の上限値および下限値の間にあるか否かを判別することにより、前記ラベルが付与された前景単連結領域をフィルタリングして前記映像オブジェクト候補を選定すると共に、選定した映像オブジェクト候補のラベルおよび個数を出力する画像特徴量フィルタ手段と、
    前記映像オブジェクト候補として選定された前景単連結領域の画像座標における重心位置を演算し、前記選定された映像オブジェクト侯補の画像座標として出力する重心演算手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の映像オブジェクト追跡装置。
  10. オブジェクトをカメラで撮像して生成された映像中の映像オブジェクトを追跡するために、コンピュータを、
    入力画像の各画素を背景画像および前景画像に分類した2値画像を生成する2値画像生成手段、
    前記2値画像のうちで、前記前景画像の形状に基づく画像特徴量と、前記入力画像において前記前景画像を形成する画素に関する画素情報に基づく画像特徴量とのうちの少なくとも1つに関して予め定められた条件を満たす領域を、映像オブジェクト候補として選定する映像オブジェクト候補選定手段、
    前記オブジェクト候補の位置に対応して生成された位置座標を含む状態量と、重みとを有した情報である離散変数を映像オブジェクト侯補別に記憶する離散変数記憶手段に記憶された離散変数を、前記選定された映像オブジェクト侯補の個数に基づいて、更新するか否かを判定する離散変数更新判定手段、
    前記離散変数を更新すると判定された場合に、前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数を所定数生成して前記離散変数記憶手段に記憶された前記所定数の離散変数を更新する離散変数生成手段、
    前記映像オブジェクト侯補の画像座標に基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の重みまたは状態量の少なくとも一方を更新する観測更新手段、
    前記オブジェクトの予め定められた運動モデルに基づいて、前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量を更新する状態量更新手段、
    前記離散変数記憶手段に記憶された離散変数の状態量の期待値を演算することにより前記オブジェクトの位置を推定するオブジェクト位置推定手段、
    として機能させることを特徴とする映像オブジェクト追跡プログラム。
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