JP4663892B2

JP4663892B2 - Plate material for plastic working and bottomed cylindrical body

Info

Publication number: JP4663892B2
Application number: JP2001078313A
Authority: JP
Inventors: 正幸成田; 秋山　　浩; 武典橋本
Original assignee: Honda Motor Co Ltd; Showa Denko KK
Current assignee: Honda Motor Co Ltd; Showa Denko KK
Priority date: 2001-03-19
Filing date: 2001-03-19
Publication date: 2011-04-06
Anticipated expiration: 2021-03-19
Also published as: JP2002273580A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば金属製圧力容器（ビール等の炭酸飲料用ボトル缶、ガスボンベ等）や清涼飲料用ボトル缶として用いられる有底筒状体を形成するために好適な塑性加工用板状素材及び該素材から形成された有底筒状体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えばビール等の炭酸飲料用ボトル缶やガスボンベ等の金属製圧力容器は、専ら塑性加工の一種である深絞り加工等の絞り加工によって形成されている。その理由は、絞り加工によれば継ぎ目部のない圧力容器を形成することができるからである。
【０００３】
ところで、このような圧力容器において、その底壁部や天壁部の肉厚は、圧力容器として要求される強度を満たすべく、周壁部よりも厚肉に形成されていることが望ましい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に絞り加工用の素材は、肉厚が均一な板状のものであるから、このような素材を用いてかかる圧力容器を形成する場合には、圧力容器の底壁部や天壁部の肉厚が周壁部よりも厚肉に形成されるように絞り加工を行わなければならず、高度な絞り加工技術を要するという難点があった。
【０００５】
この発明は、上述した難点を解消するためになされたもので、その目的は、厚肉部と薄肉部とを備えた加工品を容易に形成することができ且つ優れた成形性を有する塑性加工用板状素材及び該素材から形成された有底筒状体を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る塑性加工用板状素材は、厚肉部と薄肉部とを備えるとともに、厚肉部と薄肉部とが摩擦撹拌接合により接合一体化されていることを特徴としている。
【０００７】
この素材では、該素材に対してその厚肉部及び薄肉部がそれぞれ得られる加工品の厚肉部及び薄肉部になるように塑性加工が行われる。このため、厚肉部と薄肉部とを備えた加工品を容易に形成できるようになる。また、摩擦撹拌接合は、固相接合の範疇に入り、接合に伴う熱歪み等の変形が極めて少ない、接合される部材の接合熱による機械的特性の劣化が極めて少ないという利点を有していることから、厚肉部と薄肉部とがこの摩擦撹拌接合により接合一体化されていることより、接合に伴う熱歪み等の変形が防止又は抑制された素材が得られるようになり、更に接合部やその近傍の部位の成形性が低下することなく厚肉部と薄肉部とが接合一体化されるようになる。しかも、摩擦撹拌接合によれば、接合予定部の表面に該接合予定部に沿って段部が形成されている場合であっても、該接合予定部をその表面が傾斜面になるように接合することができるから、この摩擦撹拌接合により厚肉部と薄肉部とを接合一体化することにより、素材を塑性加工する際に厚肉部と薄肉部との当接部に形成された段部において生じることのある応力集中を緩和し得るようになり、このため素材の成形性が向上する。したがって、この素材を用いて塑性加工を行うことにより、優れた品質を有する加工品が形成されるようになる。なお、この発明に係る素材は、様々な塑性加工用の素材として広く用いることができるが、特に、深絞り加工やへら絞り加工（即ちスピニング加工）等の絞り加工用の素材として好適に用いることができる。
【０００８】
また、上記塑性加工用板状素材において、前記薄肉部は前記厚肉部の周囲に形成されており、且つ、前記厚肉部が底壁部形成用部位又は天壁部形成用部材であり、前記薄肉部が周壁部形成用部位であることが、望ましい。
【０００９】
この素材では、該素材に対してその厚肉部が得られる加工品の底壁部又は天壁部に且つ薄肉部が得られる加工品の周壁部になるように塑性加工が行われる。したがって、この素材を用いて塑性加工を行うことにより、厚肉の底壁部や天壁部と薄肉の周壁部とを備えた優れた品質を有する加工品が形成されるようになり、内部に圧力流体を収容する圧力容器を形成するための素材として特に好適に用いられるようになる。
【００１０】
この発明に係る有底筒状体は、上記請求項１又は２記載の塑性加工用板状素材が塑性加工されることにより形成されていることを特徴としている。
【００１１】
この場合には、優れた品質を有する有底筒状体が得られるようになる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【００１３】
図４はこの発明に係る塑性加工用板状素材の第１実施形態を示し、図１は該素材から形成された有底筒状体を示している。
【００１４】
図１に示した有底筒状体（１）は、ビール等の炭酸飲料用ボトル缶やガスボンベ等の内部に圧力流体を収容するための圧力容器として用いられるものであって、アルミニウム又はその合金製のものであり、厚肉の円板状底壁部（２）と、該底壁部（２）の外周縁部に形成された薄肉の円筒状周壁部（３）とを備えている。この有底筒状体（１）は、素材（10）を深絞り加工することにより形成されたものである。
【００１５】
前記素材（10）は、図４（イ）及び（ロ）に示すように、全体が円板状に形成されたものであって、中央部に厚肉部（Ｋ）が形成されるとともに、該厚肉部（Ｋ）の周囲に薄肉部（Ｎ）が形成されている。前記厚肉部（Ｋ）は、図２（イ）及び（ロ）に示すように、アルミニウム又はその合金製の厚肉の円板状第１素片（11）から形成されている。前記薄肉部（Ｎ）は、円形状の第１素片用嵌合孔（12b）を中央部に有するアルミニウム又はその合金製の薄肉の円環板状第２素片（12）から形成されている。
【００１６】
この素材（10）において、第１素片（11）は、前記有底筒状体（１）の底壁部（２）を形成する部位であって、その肉厚が例えば５ｍｍでその材質が例えばＡ５０８３製のものである。一方、第２素片（12）は、前記有底筒状体（１）の周壁部（３）を形成する部位であって、その肉厚が例えば３ｍｍでその材質が例えばＡ５０８３製のものである。そして、第２素片（12）の嵌合孔（12b）内に第１素片（11）がぴったりと嵌合されるとともに、この嵌合状態で、第１素片（11）の外周縁部と第２素片（12）の嵌合孔（12b）周縁部とが摩擦撹拌接合により全周に亘って接合（Ｗは接合部）されることにより、第１素片（11）と第２素片（12）とが一体化されている。
【００１７】
この素材（10）は次のようにして製作されたものである。
【００１８】
すなわち、図２（イ）及び（ロ）に示すように、接合用ベッド（図示せず）上に載置された第２素片（12）の嵌合孔（12b）内に第１素片（11）を、第２素片（12）の下面と第１素片（11）の下面とが面一に連なる態様にして、嵌合する。この嵌合状態において、第１素片（11）の肉厚と第２素片（12）の肉厚とは相異していることから、図２（ハ）に示すように、両素片（11）（12）の上面における第２素片（12）の嵌合孔（12b）周縁部の位置に、両者の肉厚差に対応した段差を厚さ方向に生じている。同図において、（15）は両素片（11）（12）の段部を示し、（15a）はこの段部（15）のすみ部を示している。また、（14）は第１素片（11）と第２素片（12）との嵌合部を示している。（11a）はこの嵌合部（15）から上面側に厚さ方向に突出した第１素片（11）の肩部を示している。
【００１９】
次いで、この嵌合状態で、図３（イ）及び（ロ）に示すように、第１素片（11）の外周縁部と第２素片（12）の嵌合孔（12b）周縁部とを摩擦撹拌接合により全周に亘って接合する。この摩擦撹拌接合について説明すると次の通りである。
【００２０】
（20）は摩擦撹拌接合用の接合工具であって、径大の円柱状回転子（21）と、該回転子（21）の端面（21a）の回転中心部に回転軸線に沿って突出して一体形成された径小のピン状プローブ（22）とを具備している。回転子（21）及びプローブ（22）は、両素片（11）（12）よりも硬質で且つ接合時に発生する摩擦熱に耐え得る耐熱材料から形成されている。また、プローブ（22）の外周面には、摩擦熱にて軟化した両素片（11）（12）の肉を撹拌するための撹拌用凸部（図示せず）が形成されている。
【００２１】
この接合工具（20）を用い、回転子（21）及びプローブ（22）を回転させるとともに、回転軸線を第２素片（12）側に両素片（11）（12）に対して相対的に傾斜させる。そして、この状態で、回転しているプローブ（22）を両素片（11）（12）の嵌合部（14）中に上面側から埋入し、更に、回転している回転子（21）の端面（21a）を嵌合部（14）から突出した第１素片（11）の肩部（11a）に押し付ける。この状態で、プローブ（22）を嵌合部（14）に沿って両素片（11）（12）に対して相対的に移動させて一回りさせる。
【００２２】
このプローブ（22）の移動に伴い、嵌合部（14）がプローブ埋入位置にてプローブ（22）により次々に接合されていく。
【００２３】
すなわち、プローブ（22）の回転により発生する摩擦熱と、回転子（21）の端面（21a）と第１素片（11）の肩部（11a）との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、両素片（11）（12）がプローブ埋入位置近傍にて軟化するとともに、第１素片（11）の肩部（11a）が回転子（21）の端面（21a）からの押付け力を受けてその表面が傾斜面になるように塑性変形されて当該肩部（11a）の肉が段部（15）のすみ部（15a）内に充填される。
【００２４】
このように第１素片（11）の肩部（11a）が塑性変形されながら両素片（11）（12）の肉が、プローブ（22）の回転力を受けて撹拌混合されるとともにプローブ（22）の進行圧を受けてプローブ（22）の通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化する。この現象がプローブ（22）の移動に伴ってプローブ埋入位置にて順次繰り返されていき、最終的に両素片（11）（12）の嵌合部（14）が全周に亘って接合されて両素片（11）（12）が該嵌合部（14）において一体化され、もって図４に示した素材（10）が得られる。
【００２５】
こうして得られた素材（10）において、第１素片（11）と第２素片（12）とは摩擦撹拌接合により接合一体化されているので、接合に伴う熱歪み等の変形が殆ど発生していない。
【００２６】
この素材（10）を用い、ポンチとダイを備えた公知の深絞り加工装置によって、該素材（10）に対して第１素片（11）及び第２素片（12）がそれぞれ有底筒状体（１）の底壁部（２）及び周壁部（３）になるように深絞り加工を行うことにより、図１に示した有底筒状体（１）が形成される。この有底筒状体（１）において、接合部（Ｗ）は底壁部（２）の外周縁部に形成されている。
【００２７】
而して、この深絞り加工を行う際には、素材（10）の第１素片（11）の肩部（11a）は塑性変形されることでその表面が図４（ハ）に示すように第１素片（11）の上面と第２素片（12）の上面とに跨った傾斜面に形成されているから、該素片（10）を深絞り加工する際に段部（図２（ハ）参照、15）に生じることのある応力集中が緩和されるようになる。しかも、該素材（10）は、第１素片（11）と第２素片（12）とが摩擦撹拌接合により接合一体化されたものであるから、接合熱による機械的特性の劣化が極めて小さく、接合部（Ｗ）やその近傍の部位の成形性は良好である。したがって、この素材（10）に対して深絞り加工を行った場合であっても、底壁部（２）と周壁部（３）とを連結した屈曲部や接合部（Ｗ）近傍にて生じることのある割れ等の成形不良が発生しなくなり、かかる深絞り加工を容易に遂行することができるようになり、この結果、優れた品質を有する有底筒状体（１）を形成できるようになる。このため、このように形成された有底筒状体（１）は、内部に圧力流体を収容するための圧力容器として特に好適に適用することができる。
【００２８】
図７はこの発明に係る塑性加工用板状素材の第２実施形態を示し、図５は該素材から形成された有底筒状体を示している。以下、この素材及び有底筒状体を上記第１実施形態との相異点を中心に説明する。
【００２９】
図５に示した有底筒状体（31）は、アルミニウム又はその合金製のものであって、厚肉の円板状底壁部（32）と、該底壁部（32）の外周縁部に一体形成された薄肉の円筒状周壁部（33）と、該周壁部（33）の上端周縁部に一体形成された厚肉のドーム状天壁部（34）とを備えている。天壁部（34）の頂部には、円形状の孔（34a）が形成されている。この有底筒状体（31）は、素材（40）を深絞り加工及びへら絞り加工することにより形成されたものである。
【００３０】
素材（40）は、図７（イ）及び（ロ）に示すように、全体が円板状に形成されたものであって、中央部に第１厚肉部（Ｋ1）が形成されるとともに、該第１厚肉部（Ｋ1）の周囲に薄肉部（Ｎ）が形成され、更に該薄肉部（Ｎ）の周囲に第２厚肉部（Ｋ2）が形成されている。前記第１厚肉部（Ｋ1）は、図６（イ）及び（ロ）に示すように、アルミニウム又はその合金製の厚肉の円板状第１素片（41）から形成されている。前記薄肉部（Ｎ）は、円形状の第１素片用嵌合孔（42b）を中央部に有するアルミニウム又はその合金製の薄肉の円環板状第２素片（42）から形成されている。前記第２厚肉部（Ｋ2）は、円形状の第２素材用嵌合孔（43b）を中央部に有するアルミニウム又はその合金製の厚肉の円環板状第３素片（43）から形成されている。
【００３１】
この素材（40）において、第１素片（41）は、前記有底筒状体（31）の底壁部（32）を形成する部位であって、その肉厚が例えば５ｍｍでその材質が例えばＡ５０８３製のものである。一方、第２素片（42）は、前記有底筒状体（31）の周壁部（33）を形成する部位で、その肉厚が例えば３ｍｍでその材質が例えばＡ５０８３製のものである。また、第３素片（43）は、前記有底筒状体（31）の天壁部（34）を形成する部位であって、その肉厚が例えば５ｍｍでその材質が例えばＡ５０８３製のものである。そして、第３素片（43）の嵌合孔（43b）内に第２素片（42）がぴったりと嵌合されるとともに、該第２素片（42）の嵌合孔（42b）内に第１素片（41）がぴったりと嵌合され、この嵌合状態で、第１素片（41）の外周縁部と第２素片（42）の嵌合孔（42b）周縁部とが摩擦撹拌接合により全周に亘って接合されることにより、第１素片（11）と第２素片（12）とが一体化され、更に第２素片（42）の外周縁部と第３素片（43）の嵌合孔（43b）周縁部とが摩擦撹拌接合により全周に亘って接合されることにより、第２素片（42）と第３素片（43）とが一体化されたものである。
【００３２】
この素材（40）は次のようにして製作されたものである。
【００３３】
すなわち、図６（イ）及び（ロ）に示すように、接合用ベッド（図示せず）上に載置された第３素片（43）の嵌合孔（43b）内に第２素片（42）を、第３素片（43）の下面と第２素片（42）の下面とが面一に連なる態様にして、嵌合する。この嵌合状態において、第２素片（42）の肉厚と第３素片（43）の肉厚とは相異していることから、図６（ハ）に示すように、両素片（42）（43）の上面における第３素片（43）の嵌合孔（43b）周縁部の位置に、両者の肉厚差に対応した段差を厚さ方向に生じている。同図において、（47）は両素片（42）（43）の段部を示し、（47a）はこの段部（47）のすみ部を示している。また、（46）は第２素片（42）と第３素片（43）との嵌合部を示している。（43a）はこの嵌合部（46）から上面側に厚さ方向に突出した第３素片（43）の肩部を示している。更に、第２素片（42）の嵌合孔（42b）内に第１素片（41）を、第２素片（42）の下面と第１素片（41）の下面とが面一に連なる態様にして、嵌合する。この嵌合状態において、第１素片（41）の肉厚と第２素片（42）の肉厚とは相異していることから、図６（ニ）に示すように、両素片（41）（42）の上面における第２素片（42）の嵌合孔（42b）周縁部の位置に、両者の肉厚差に対応した段差を厚さ方向に生じている。同図において、（45）は両素片（41）（42）の段部を示し、（45a）はこの段部（45）のすみ部を示している。また、（44）は第１素片（41）と第２素片（42）との嵌合部を示している。（41a）はこの嵌合部（44）から上面側に厚さ方向に突出した第１素片（41）の肩部を示している。
【００３４】
次いで、この嵌合状態で、上記第１実施形態で示した摩擦撹拌接合用の接合工具（図３参照、20）を用い、第２素片（42）の外周縁部と第３素片（43）の嵌合孔（43b）周縁部とを摩擦撹拌接合により全周に亘って接合することにより、第３素片（43）と第２素片（42）とを一体化する。更に、第１素片（41）の外周縁部と第２素片（42）の嵌合孔（42b）周縁部とを同じく摩擦撹拌接合により全周に亘って接合することにより、第２素片（42）と第１素片（41）とを一体化する。この摩擦撹拌接合は、上記第１実施形態と同じ接合操作及び接合手順により行われ、重複する説明を省略する。
【００３５】
こうして得られた素材（40）において、第１素片（41）と第２素片（42）とは摩擦撹拌接合により接合一体化されているので、接合に伴う熱歪み等の変形が殆ど発生していない。更に、第２素片（42）と第３素片（43）とは同じく摩擦撹拌接合により接合一体化されているので、接合に伴う熱歪み等の変形が殆ど発生していない。
【００３６】
この素材（40）を用い、ポンチとダイを備えた公知の深絞り加工装置によって、該素材（40）に対して第１素片（41）及び第２素片（42）がそれぞれ有底筒状体（31）の底壁部（32）及び周壁部（33）になるように深絞り加工を行う。更に、公知のへら絞り加工装置によって、第３素片（32）が有底筒状体（31）の天壁部（34）になるようにへら絞り加工を行うことにより、図５に示した有底筒状体（31）が形成される。この有底筒状体（31）において、第１素片（41）と第２素片（42）とを接合した接合部（Ｗ1）は、底壁部（32）の外周縁部に形成されており、また第２素片（42）と第３素片（43）とを接合した接合部（Ｗ2）は、天壁部（34）の外周縁部に形成されている。
【００３７】
而して、深絞り加工を行う際には、素材（40）の第１素片（41）の肩部（41a）は塑性変形されることでその表面が図７（ニ）に示すように第１素片（41）の上面と第２素片（42）の上面とに跨った傾斜面に形成されているので、該素片（40）を深絞り加工する際に段部（図６（ニ）参照、45）に生じることのある応力集中が緩和されるようになる。しかも、該素材（40）は、第１素片（41）と第２素片（42）とが摩擦撹拌接合により接合一体化されたものであるから、接合部（Ｗ1）やその近傍の部位の加工性は良好である。したがって、この素材（40）に対して深絞り加工を行った場合であっても、底壁部（32）と周壁部（33）とを連結した屈曲部や接合部（Ｗ1）近傍にて生じることのある割れ等の成形不良が発生しなくなり、かかる深絞り加工を容易に遂行することができる。その上、へら絞り加工を行う際には、素材（40）の第３素片（43）の肩部（43a）は塑性変形されて、その表面が図７（ハ）に示すように第２素片（42）の上面と第３素片（43）の上面とに跨った傾斜面に形成されているので、該素片（40）をへら絞り加工する際に段部（図６（ハ）参照、47）に生じることのある応力集中が緩和されるようになる。しかも、該素材（40）は、第３素片（43）と第２素片（42）とが摩擦撹拌接合により接合一体化されたものであるから、接合部（Ｗ2）及びその近傍の部位の加工性は良好である。したがって、この素材（40）に対してへら絞り加工を行った場合であっても、周壁部（33）と天壁部（34）とを連部した屈曲部や接合部（Ｗ2）近傍にて生じることのある割れ等の成形不良が発生しなくなり、かかるへら絞り加工を容易に遂行することができる。この結果、優れた品質を有する有底筒状体（31）を形成することができる。このため、このように形成された有底筒状体（31）は、内部に圧力流体を収容するための圧力容器として特に好適に用いることができる。
【００３８】
以上、この発明の第１実施形態及び第２実施形態を示したが、この発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【００３９】
例えば、上記実施形態の有底筒状体（１）（31）はいずれも、円筒状のものであるが、この発明に係る有底筒状体は、この他に角筒状のものであっても良い。また同じく、上記実施形態の素材（10）（40）はいずれも、円板状のものであるが、この発明に係る素材は、この他に角板状のものであっても良い。
【００４０】
また、上記実施形態の素材（10）（40）は、深絞り加工やへら絞り加工等の絞り加工用のものであるが、この発明に係る素材は、他の塑性加工用のものであっても良い。
【００４１】
また、この発明に係る素材は、互いに同一の材質からなる複数個の金属製素片から構成されていても良いことはもとより、互いに異なる材質からなる複数個の金属製素片から構成されていても良い。このように、素材が互いに異なる材質からなる複数個の素片から構成されている場合であっても、摩擦撹拌接合は、異種金属材同士を良好に接合できるという利点を有しているから、接合状態の良好な素材を提供することができる。
【００４２】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例を示す。
【００４３】
＜実施例１＞
上記第１実施形態の有底筒状体（１）を深絞り加工より形成するため、肉厚が５ｍｍで材質がＡ５０８３である第１素片（11）と、肉厚が３ｍｍで材質がＡ５０８３である第２素片（12）とを準備した。そして、第１素片（11）と第２素片（12）とを摩擦撹拌接合により上記第１実施形態の接合操作及び手順に従って接合一体化することにより、深絞り加工用素材（10）を製作した。次いで、この素材（10）に対して深絞り加工を行うことにより、有底筒状体（１）を形成した。
【００４４】
＜比較例１＞
第１素片と第２素片とを、ＭＩＧ溶接によって接合一体化することにより、深絞り加工用素材を製作した。次いで、この素材に対して深絞り加工を行うことにより、有底筒状体を形成した。他の形成条件は上記実施例１と同じである。
【００４５】
＜比較例２＞
第１素片と第２素片とを、レーザビーム溶接によって接合一体化することにより、深絞り加工用素材を製作した。次いで、この素材に対して深絞り加工を行うことにより、有底筒状体を形成した。他の形成条件は上記実施例１と同じである。
【００４６】
以上の実施例１及び比較例１、２で製作された素材について、接合又は溶接による変形状態及び深絞り成形性を調べた。この結果を表１に示す。
【００４７】
【表１】

【００４８】
なお、同表の変形状態の欄において、○は変形が極めて小さい、△は変形がやや大きい、×は変形が極めて大きいことを示している。また、同表の成形性の欄において、○は成形性が良好である、×は成形性が悪いことを示している。
【００４９】
同表に示すように、比較例１の素材は、溶接に伴う変形が極めて大きく、しかも成形性も悪いことが分かった。また、比較例２の素材は、溶接に伴う変形がやや大きく、また成形性が悪いことが分かった。これに対して、実施例１の素材は、接合に伴う変形が極めて小さく、しかも成形性も良好であることを確認し得た。
【００５０】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明に係る塑性加工用板状素材は、厚肉部と薄肉部とを備えたものなので、厚肉部と薄肉部とを備えた塑性加工品を容易に形成することができる。更に、厚肉部と薄肉部とが摩擦撹拌接合により接合一体化されているから、接合に伴う変形が殆ど発生しておらず、しかも接合部やその近傍部位の成形性が良好であり、更には素材を塑性加工する際に厚肉部と薄肉部との当接部に形成された段部において生じることのある応力集中を緩和し得るようになるため、この素材に対して塑性加工を行うことにより、優れた品質を有する塑性加工品を容易に形成することができる。
【００５１】
また、この素材において、薄肉部は厚肉部の周囲に形成されており、且つ、厚肉部が底壁部形成用部位又は天壁部形成用部材であり、薄肉部が周壁部形成用部位である場合には、厚肉の底壁部や天壁部と薄肉の周壁部とを備えた塑性加工品を容易に形成することができる。
【００５２】
この発明に係る有底筒状体は、この発明に係る塑性加工用板状素材が塑性加工されることにより形成されたものあるから、この発明によれば、優れた品質を有する有底筒状体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の第１実施形態の有底筒状体を示す図であって、（イ）は斜視図、（ロ）は断面図である。
【図２】同有底筒状体を形成するための塑性加工用板状素材を接合前の状態で示す図であって、（イ）は同素材の平面図、（ロ）は（イ）中のII−II線断面図、（ハ）は（ロ）中のＡ部分の拡大断面図である。
【図３】同素材を接合途中の状態で示す図であって、（イ）は同素材の斜視図、（ロ）は同素材の要部拡大断面図である。
【図４】同素材を接合後の状態で示す図であって、（イ）は同素材の斜視図、（ロ）は（イ）中のIV−IV線断面図、（ハ）は（ロ）中のＢ部分の拡大断面図である。
【図５】この発明の第２実施形態の有底筒状体を示す図であって、（イ）は斜視図、（ロ）は断面図である。
【図６】同有底筒状体を形成するための塑性加工用板状素材を接合前の状態で示す図であって、（イ）は同素材の平面図、（ロ）は（イ）中のVI−VI線断面図、（ハ）は（ロ）中のＣ部分の拡大断面図、（ニ）は（ロ）中のＤ部分の拡大断面図である。
【図７】同素材を接合後の状態で示す図であって、（イ）は同素材の平面図、（ロ）は（イ）中のVII−VII線断面図、（ハ）は（ロ）中のＥ部分の拡大断面図、（ニ）は（ロ）中のＦ部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
１、31…有底筒状体
２、32…底壁部
３、33…周壁部
34…天壁部
10、40…素材
11、41…第１素片
12、42…第２素片
43…第３素片
14、44、46…嵌合部
Ｋ…厚肉部
Ｎ…薄肉部
Ｗ、Ｗ1、Ｗ2…接合部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a plate material for plastic working suitable for forming a bottomed cylindrical body used as, for example, a metal pressure vessel (bottle can for carbonated beverages such as beer, gas cylinders) or a bottle can for soft drinks, and The present invention relates to a bottomed cylindrical body formed from the material.
[0002]
[Prior art]
For example, a metal pressure vessel such as a bottle can for carbonated beverages such as beer or a gas cylinder is formed by a drawing process such as a deep drawing process which is a kind of plastic processing. This is because a pressure vessel without a seam can be formed by drawing.
[0003]
By the way, in such a pressure vessel, it is desirable that the thickness of the bottom wall portion and the top wall portion is formed thicker than the peripheral wall portion so as to satisfy the strength required for the pressure vessel.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the material for drawing is generally a plate having a uniform thickness, when forming such a pressure vessel using such a material, the bottom wall portion or the top wall portion of the pressure vessel is used. The drawing process has to be performed so that the thickness of the film is thicker than that of the peripheral wall portion, and there has been a problem that an advanced drawing process technique is required.
[0005]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and the object thereof is plastic processing that can easily form a processed product having a thick portion and a thin portion and has excellent formability. It is providing the bottomed cylindrical body formed from the plate-shaped raw material for use and this raw material.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the plate material for plastic working according to the present invention includes a thick portion and a thin portion, and the thick portion and the thin portion are joined and integrated by friction stir welding. It is a feature.
[0007]
In this material, plastic working is performed on the material so that the thick part and the thin part of the processed product from which the thick part and the thin part are obtained, respectively. For this reason, the processed product provided with the thick part and the thin part can be formed easily. In addition, friction stir welding is in the category of solid-phase bonding, and has the advantage that deformation such as thermal strain accompanying bonding is extremely small, and that mechanical properties are hardly deteriorated due to bonding heat of the members to be bonded. Therefore, since the thick part and the thin part are joined and integrated by this friction stir welding, a material in which deformation such as thermal strain accompanying joining is prevented or suppressed can be obtained, and further, the joining part. In addition, the thick part and the thin part are joined and integrated without lowering the formability of the part in the vicinity thereof. Moreover, according to the friction stir welding, even if a step portion is formed along the planned joining portion on the surface of the planned joining portion, the joining planned portion is joined so that the surface thereof is an inclined surface. Since the thick and thin parts are joined and integrated by this friction stir welding, the step formed at the contact part between the thick and thin parts when the material is plastically processed. The stress concentration that can occur in the process can be relaxed, which improves the formability of the material. Therefore, by performing plastic working using this material, a processed product having excellent quality is formed. The material according to the present invention can be widely used as a material for various plastic workings. In particular, the material according to the present invention is preferably used as a material for drawing work such as deep drawing and spatula drawing (ie, spinning). Can do.
[0008]
Further, in the plate material for plastic working, the thin portion is formed around the thick portion, and the thick portion is a bottom wall forming portion or a top wall forming member, It is desirable that the thin portion is a peripheral wall portion forming portion.
[0009]
With this material, plastic working is performed on the material so that it becomes a peripheral wall portion of a processed product from which a thin wall portion is obtained on a bottom wall portion or a top wall portion of a processed product from which a thick portion is obtained. Therefore, by performing plastic working using this material, a processed product having excellent quality having a thick bottom wall and top wall and a thin peripheral wall is formed, and is formed inside. It is particularly suitably used as a material for forming a pressure vessel that contains a pressure fluid.
[0010]
The bottomed cylindrical body according to the present invention is characterized in that it is formed by plastic processing the plate material for plastic processing according to

claim

1 or 2.
[0011]
In this case, a bottomed cylindrical body having excellent quality can be obtained.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0013]
FIG. 4 shows a first embodiment of a plate material for plastic working according to the present invention, and FIG. 1 shows a bottomed cylindrical body formed from the material.
[0014]
A bottomed cylindrical body (1) shown in FIG. 1 is used as a pressure vessel for storing a pressure fluid in a bottle can for a carbonated beverage such as beer or a gas cylinder, and is aluminum or an alloy thereof. It is a product, and comprises a thick disc-shaped bottom wall (2) and a thin cylindrical peripheral wall (3) formed on the outer peripheral edge of the bottom wall (2). The bottomed cylindrical body (1) is formed by deep drawing the material (10).
[0015]
As shown in FIGS. 4 (a) and 4 (b), the material (10) is formed in a disc shape as a whole, and a thick portion (K) is formed at the center, A thin part (N) is formed around the thick part (K). As shown in FIGS. 2 (a) and 2 (b), the thick portion (K) is formed of a thick disc-shaped first element (11) made of aluminum or an alloy thereof. The thin-walled portion (N) is formed of a thin annular plate-shaped second piece (12) made of aluminum or an alloy thereof having a circular first piece fitting hole (12b) in the center. Yes.
[0016]
In this material (10), the first piece (11) is a part forming the bottom wall portion (2) of the bottomed cylindrical body (1), and the thickness thereof is, for example, 5 mm. For example, it is made of A5083. On the other hand, the second piece (12) is a part forming the peripheral wall portion (3) of the bottomed cylindrical body (1), and has a thickness of, for example, 3 mm and a material made of, for example, A5083. is there. Then, the first piece (11) is fitted into the fitting hole (12b) of the second piece (12), and the outer peripheral edge of the first piece (11) in this fitted state. The first piece (11) and the second piece (12) are joined to the peripheral edge of the fitting hole (12b) of the second piece (12) by friction stir welding (W is a joined portion). The two pieces (12) are integrated.
[0017]
This material (10) was produced as follows.
[0018]
That is, as shown in FIGS. 2 (a) and 2 (b), the first piece is placed in the fitting hole (12b) of the second piece (12) placed on the bonding bed (not shown). (11) is fitted in such a manner that the lower surface of the second piece (12) and the lower surface of the first piece (11) are flush with each other. In this fitted state, the thickness of the first element piece (11) is different from the thickness of the second element piece (12), so as shown in FIG. (11) At the position of the peripheral edge of the fitting hole (12b) of the second piece (12) on the upper surface of (12), a step corresponding to the thickness difference between the two pieces is generated in the thickness direction. In the figure, (15) shows the step part of both element pieces (11) and (12), and (15a) shows the corner part of this step part (15). Moreover, (14) has shown the fitting part of a 1st element piece (11) and a 2nd element piece (12). (11a) shows a shoulder portion of the first piece (11) protruding in the thickness direction from the fitting portion (15) to the upper surface side.
[0019]
Next, in this fitted state, as shown in FIGS. 3A and 3B, the outer peripheral edge of the first piece (11) and the peripheral edge of the fitting hole (12b) of the second piece (12) Are joined over the entire circumference by friction stir welding. This friction stir welding will be described as follows.
[0020]
(20) is a welding tool for friction stir welding, and protrudes along the rotation axis at the center of rotation of the cylindrical rotor (21) having a large diameter and the end surface (21a) of the rotor (21). And a pin-shaped probe (22) with a small diameter formed integrally. The rotor (21) and the probe (22) are made of a heat-resistant material that is harder than both the pieces (11) and (12) and can withstand frictional heat generated during joining. Further, on the outer peripheral surface of the probe (22), an agitation convex portion (not shown) for agitating the meat of both the pieces (11) and (12) softened by frictional heat is formed.
[0021]
Using this joining tool (20), the rotor (21) and the probe (22) are rotated, and the rotation axis is relative to the two pieces (11) and (12) on the second piece (12) side. Tilt to. Then, in this state, the rotating probe (22) is embedded from the upper surface side into the fitting portion (14) of both the element pieces (11) and (12), and further the rotating rotor (21 ) Is pressed against the shoulder (11a) of the first piece (11) protruding from the fitting portion (14). In this state, the probe (22) is moved along the fitting portion (14) relative to both the element pieces (11) and (12) to make one turn.
[0022]
As the probe (22) moves, the fitting portion (14) is successively joined by the probe (22) at the probe embedding position.
[0023]
That is, the frictional heat generated by the rotation of the probe (22) and the frictional heat generated by sliding between the end face (21a) of the rotor (21) and the shoulder (11a) of the first piece (11) As a result, both the element pieces (11) and (12) are softened in the vicinity of the probe embedding position, and the shoulder part (11a) of the first element piece (11) is pressed from the end face (21a) of the rotor (21). Upon receiving the force, it is plastically deformed so that its surface becomes an inclined surface, and the meat of the shoulder (11a) is filled into the corner (15a) of the step (15).
[0024]
In this way, while the shoulder (11a) of the first piece (11) is plastically deformed, the flesh of both pieces (11) and (12) is stirred and mixed by receiving the rotational force of the probe (22) and the probe. After receiving the traveling pressure of (22) and plastically flowing so as to fill the passage groove of the probe (22), it rapidly loses frictional heat and solidifies by cooling. This phenomenon is sequentially repeated at the probe embedding position with the movement of the probe (22), and finally the fitting part (14) of both element pieces (11) (12) is joined over the entire circumference. Then, both the element pieces (11) and (12) are integrated in the fitting portion (14), and thus the material (10) shown in FIG. 4 is obtained.
[0025]
In the material (10) thus obtained, the first piece (11) and the second piece (12) are joined and integrated by friction stir welding, so that deformation such as thermal strain accompanying joining occurs almost. Not done.
[0026]
Using this material (10), the first element piece (11) and the second element piece (12) are each a bottomed cylinder with respect to the material (10) by a known deep drawing apparatus equipped with a punch and a die. The bottomed cylindrical body (1) shown in FIG. 1 is formed by performing deep drawing so as to become the bottom wall portion (2) and the peripheral wall portion (3) of the shape body (1). In this bottomed cylindrical body (1), the joint (W) is formed on the outer peripheral edge of the bottom wall (2).
[0027]
Thus, when this deep drawing is performed, the shoulder (11a) of the first piece (11) of the material (10) is plastically deformed so that the surface thereof is shown in FIG. Are formed on an inclined surface straddling the upper surface of the first element piece (11) and the upper surface of the second element piece (12). The stress concentration that can occur in 2) is reduced. In addition, since the first piece (11) and the second piece (12) are joined and integrated by friction stir welding, the material (10) is extremely deteriorated in mechanical properties due to joining heat. It is small and the moldability of the joint (W) and the vicinity thereof is good. Therefore, even when deep drawing is performed on this material (10), it occurs in the vicinity of a bent portion or a joint portion (W) connecting the bottom wall portion (2) and the peripheral wall portion (3). In this way, it becomes possible to easily perform such deep drawing, and as a result, it is possible to form a bottomed cylindrical body (1) having excellent quality. Become. For this reason, the bottomed cylindrical body (1) formed in this manner can be particularly suitably applied as a pressure vessel for accommodating a pressure fluid therein.
[0028]
FIG. 7 shows a second embodiment of a plate material for plastic working according to the present invention, and FIG. 5 shows a bottomed cylindrical body formed from the material. Hereinafter, the material and the bottomed cylindrical body will be described focusing on the differences from the first embodiment.
[0029]
The bottomed cylindrical body (31) shown in FIG. 5 is made of aluminum or an alloy thereof, and has a thick disc-shaped bottom wall (32) and an outer peripheral edge of the bottom wall (32). A thin-walled cylindrical peripheral wall portion (33) formed integrally with the peripheral portion, and a thick-walled dome-shaped top wall portion (34) formed integrally with the peripheral edge of the upper end of the peripheral wall portion (33). A circular hole (34a) is formed at the top of the top wall (34). The bottomed cylindrical body (31) is formed by deep drawing and spatula drawing of the material (40).
[0030]
As shown in FIGS. 7 (a) and 7 (b), the material (40) is formed in a disc shape as a whole, and the first thick part (K1) is formed at the center. A thin part (N) is formed around the first thick part (K1), and a second thick part (K2) is formed around the thin part (N). As shown in FIGS. 6 (a) and 6 (b), the first thick part (K1) is formed of a thick disc-shaped first element (41) made of aluminum or an alloy thereof. The thin part (N) is formed from a thin annular plate-like second element (42) made of aluminum or an alloy thereof having a circular first element fitting hole (42b) in the center. Yes. The second thick portion (K2) is formed from a thick annular plate-shaped third piece (43) made of aluminum or an alloy thereof having a circular second material fitting hole (43b) in the center. Is formed.
[0031]
In the material (40), the first piece (41) is a part forming the bottom wall portion (32) of the bottomed cylindrical body (31), and the thickness thereof is, for example, 5 mm and the material is For example, it is made of A5083. On the other hand, the second piece (42) is a portion forming the peripheral wall portion (33) of the bottomed cylindrical body (31), and has a wall thickness of, for example, 3 mm and a material of, for example, A5083. The third piece (43) is a portion forming the top wall (34) of the bottomed cylindrical body (31), and has a thickness of, for example, 5 mm and a material of, for example, A5083 It is. Then, the second element piece (42) is fitted into the fitting hole (43b) of the third element piece (43), and the second element piece (42) is fitted in the fitting hole (42b). The first piece (41) is closely fitted to the outer peripheral edge of the first piece (41) and the fitting hole (42b) of the second piece (42). Are joined over the entire circumference by friction stir welding, so that the first piece (11) and the second piece (12) are integrated, and the outer peripheral edge of the second piece (42) By joining the peripheral edge of the fitting hole (43b) of the third element piece (43) over the entire circumference by friction stir welding, the second element piece (42) and the third element piece (43) are connected. It is integrated.
[0032]
This material (40) was produced as follows.
[0033]
That is, as shown in FIGS. 6 (a) and 6 (b), the second piece is placed in the fitting hole (43b) of the third piece (43) placed on the bonding bed (not shown). (42) is fitted so that the lower surface of the third element piece (43) and the lower surface of the second element piece (42) are flush with each other. In this fitted state, the thickness of the second element piece (42) is different from the thickness of the third element piece (43), so as shown in FIG. (42) At the position of the peripheral edge of the fitting hole (43b) of the third piece (43) on the upper surface of (43), a step corresponding to the difference in thickness between them is generated in the thickness direction. In the same figure, (47) shows the step part of both element pieces (42) and (43), and (47a) shows the corner part of this step part (47). Moreover, (46) has shown the fitting part of a 2nd element piece (42) and a 3rd element piece (43). (43a) shows the shoulder portion of the third piece (43) protruding in the thickness direction from the fitting portion (46) to the upper surface side. Further, the first piece (41) is placed in the fitting hole (42b) of the second piece (42), and the lower surface of the second piece (42) and the lower surface of the first piece (41) are flush with each other. In such a manner, the fitting is performed. In this fitted state, the thickness of the first element piece (41) is different from the thickness of the second element piece (42). Therefore, as shown in FIG. (41) At the position of the peripheral edge of the fitting hole (42b) of the second piece (42) on the upper surface of (42), a step corresponding to the thickness difference between the two is produced in the thickness direction. In the same figure, (45) shows the step part of both element pieces (41) and (42), and (45a) shows the corner part of this step part (45). Moreover, (44) has shown the fitting part of a 1st element piece (41) and a 2nd element piece (42). (41a) shows a shoulder portion of the first piece (41) protruding in the thickness direction from the fitting portion (44) to the upper surface side.
[0034]
Next, in this fitted state, the outer peripheral edge portion of the second element piece (42) and the third element piece (20) are used using the welding tool for friction stir welding shown in the first embodiment (see FIG. 3, 20). The third element piece (43) and the second element piece (42) are integrated by joining the fitting hole (43b) peripheral portion of 43) over the entire circumference by friction stir welding. Further, by joining the outer peripheral edge of the first element piece (41) and the peripheral edge of the fitting hole (42b) of the second element piece (42) by the same friction stir welding, the second element is joined. The piece (42) and the first element piece (41) are integrated. This friction stir welding is performed by the same joining operation and joining procedure as in the first embodiment, and a duplicate description is omitted.
[0035]
In the material (40) thus obtained, the first element piece (41) and the second element piece (42) are joined and integrated by friction stir welding, so that deformation such as thermal strain accompanying the joining occurs almost. Not done. Furthermore, since the second piece (42) and the third piece (43) are joined and integrated by friction stir welding, almost no deformation such as thermal strain is caused by the joining.
[0036]
Using this material (40), the first element piece (41) and the second element piece (42) are each a bottomed cylinder with respect to the material (40) by a known deep drawing apparatus equipped with a punch and a die. Deep drawing is performed so that the bottom wall portion (32) and the peripheral wall portion (33) of the body (31) are formed. Further, by performing a spatula drawing process so that the third piece (32) becomes the top wall part (34) of the bottomed cylindrical body (31) by a known spatula drawing apparatus, it is shown in FIG. A bottomed cylindrical body (31) is formed. In this bottomed cylindrical body (31), the joint (W1) obtained by joining the first piece (41) and the second piece (42) is formed on the outer peripheral edge of the bottom wall (32). In addition, a joint portion (W2) obtained by joining the second piece (42) and the third piece (43) is formed on the outer peripheral edge of the top wall portion (34).
[0037]
Thus, when deep drawing is performed, the shoulder (41a) of the first piece (41) of the material (40) is plastically deformed so that its surface is as shown in FIG. Since it is formed in the inclined surface straddling the upper surface of the 1st element piece (41) and the upper surface of the 2nd element piece (42), when carrying out deep drawing processing of this element piece (40) (FIG. 6). (D) See, stress concentration that may occur in 45) is relaxed. In addition, since the first piece (41) and the second piece (42) are joined and integrated by friction stir welding, the material (40) is the joined portion (W1) and its vicinity. The workability of is good. Therefore, even when deep drawing is performed on this material (40), it occurs in the vicinity of the bent portion or the joint portion (W1) connecting the bottom wall portion (32) and the peripheral wall portion (33). In some cases, such a deep drawing process can be easily carried out. In addition, when the spatula drawing is performed, the shoulder (43a) of the third piece (43) of the material (40) is plastically deformed, and the surface thereof is second as shown in FIG. Since it is formed on an inclined surface straddling the upper surface of the element piece (42) and the upper surface of the third element piece (43), a stepped portion (FIG. ), Stress concentration that may occur in 47) is relaxed. Moreover, since the material (40) is obtained by joining and integrating the third piece (43) and the second piece (42) by friction stir welding, the joined portion (W2) and the vicinity thereof. The workability of is good. Therefore, even when the spatula processing is performed on this material (40), in the vicinity of the bent portion and the joint (W2) where the peripheral wall portion (33) and the top wall portion (34) are connected. Forming defects such as cracks that may occur do not occur, and such spatula drawing can be easily performed. As a result, a bottomed cylindrical body (31) having excellent quality can be formed. For this reason, the bottomed cylindrical body (31) formed in this way can be particularly suitably used as a pressure vessel for accommodating a pressure fluid therein.
[0038]
As mentioned above, although 1st Embodiment and 2nd Embodiment of this invention were shown, this invention is not limited to these embodiment, A setting change is variously possible.
[0039]
For example, the bottomed cylindrical bodies (1) and (31) of the above embodiment are all cylindrical, but the bottomed cylindrical body according to the present invention is also a rectangular cylinder. May be. Similarly, the materials (10) and (40) of the above embodiment are disk-shaped, but the material according to the present invention may be of a square plate shape.
[0040]
The materials (10) and (40) of the above embodiment are for drawing such as deep drawing and spatula drawing, but the material according to the present invention is for other plastic working. Also good.
[0041]
In addition, the material according to the present invention may be composed of a plurality of metal pieces made of the same material, as well as a plurality of metal pieces made of different materials. Also good. Thus, even when the material is composed of a plurality of pieces made of different materials, the friction stir welding has the advantage that different metal materials can be joined well, A material having a good bonding state can be provided.
[0042]
【Example】
Next, specific examples of the present invention will be described.
[0043]
<Example 1>
In order to form the bottomed cylindrical body (1) of the first embodiment by deep drawing, a first piece (11) having a thickness of 5 mm and a material of A5083, and a thickness of 3 mm and a material of A5083 A second piece (12) was prepared. Then, the deep drawing material (10) is obtained by joining and integrating the first piece (11) and the second piece (12) by friction stir welding according to the joining operation and procedure of the first embodiment. Produced. Next, the bottomed cylindrical body (1) was formed by performing deep drawing on the material (10).
[0044]
<Comparative Example 1>
A deep drawing material was manufactured by joining and integrating the first piece and the second piece by MIG welding. Next, deep drawing was performed on this material to form a bottomed cylindrical body. Other formation conditions are the same as those in Example 1.
[0045]
<Comparative Example 2>
A deep drawing material was manufactured by joining and integrating the first piece and the second piece by laser beam welding. Next, deep drawing was performed on this material to form a bottomed cylindrical body. Other formation conditions are the same as those in Example 1.
[0046]
About the raw material manufactured by the above Example 1 and Comparative Examples 1 and 2, the deformation state and deep drawing formability by joining or welding were investigated. The results are shown in Table 1.
[0047]
[Table 1]

[0048]
In the column of deformation state in the table, ◯ indicates that the deformation is extremely small, Δ indicates that the deformation is slightly large, and x indicates that the deformation is very large. In the column of moldability in the table, ◯ indicates that the moldability is good, and x indicates that the moldability is poor.
[0049]
As shown in the table, it was found that the material of Comparative Example 1 was greatly deformed due to welding and had poor formability. Moreover, it turned out that the raw material of the comparative example 2 has a little large deformation | transformation accompanying welding, and a moldability is bad. On the other hand, it was confirmed that the material of Example 1 was extremely small in deformation accompanying joining and had good moldability.
[0050]
【The invention's effect】
Depending on the above, since the plate material for plastic working according to the present invention has a thick part and a thin part, it is possible to easily form a plastic work product having a thick part and a thin part. it can. Furthermore, since the thick part and the thin part are joined and integrated by friction stir welding, there is almost no deformation accompanying joining, and the formability of the joined part and its vicinity is good. Since the stress concentration that may occur at the step formed at the contact part between the thick part and the thin part can be relaxed when plastic processing the material, plastic processing is performed on this material. Thus, a plastic processed product having excellent quality can be easily formed.
[0051]
Further, in this material, the thin portion is formed around the thick portion, the thick portion is a bottom wall forming portion or a top wall forming member, and the thin portion is a peripheral wall forming portion. In this case, it is possible to easily form a plastic processed product having a thick bottom wall or top wall and a thin peripheral wall.
[0052]
The bottomed cylindrical body according to the present invention is formed by plastic processing the plate material for plastic working according to the present invention. Therefore, according to the present invention, the bottomed cylindrical body has excellent quality. The body can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a bottomed cylindrical body according to a first embodiment of the present invention, in which (A) is a perspective view and (B) is a cross-sectional view.
FIG. 2 is a view showing a plastic working plate-like material for forming the bottomed cylindrical body in a state before joining, in which (a) is a plan view of the material, and (b) is (b). II-II line sectional drawing in the inside, (C) is an enlarged sectional view of the portion A in (B).
FIGS. 3A and 3B are views showing the same material in the middle of joining, in which FIG. 3A is a perspective view of the material, and FIG. 3B is an enlarged cross-sectional view of the main part of the material.
FIG. 4 is a view showing the same material in a state after joining, in which (A) is a perspective view of the material, (B) is a sectional view taken along line IV-IV in (A), and (C) is (B). It is an expanded sectional view of B portion in the inside.
FIGS. 5A and 5B are diagrams showing a bottomed cylindrical body according to a second embodiment of the present invention, where FIG. 5A is a perspective view and FIG. 5B is a cross-sectional view.
FIGS. 6A and 6B are views showing a plastic working plate-like material for forming the bottomed cylindrical body in a state before joining, wherein FIG. 6A is a plan view of the material, and FIG. A sectional view taken along line VI-VI, (c) is an enlarged sectional view of a portion C in (b), and (d) is an enlarged sectional view of a portion D in (b).
FIGS. 7A and 7B are views showing the same material after joining, in which FIG. 7A is a plan view of the material, FIG. 7B is a cross-sectional view taken along the line VII-VII in FIG. (B) is an enlarged cross-sectional view of the F portion in (b).
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF

SYMBOLS

1, 31 ... Bottomed

cylindrical body

2, 32 ...

Bottom wall part

3, 33 ... Perimeter wall part
34… The top wall
10, 40 ... material
11, 41 ... 1st element
12, 42 ... 2nd element
43 ... Third piece
14, 44, 46 ... fitting part K ... thick part N ... thin part W, W1, W2 ... joint part

Claims

The thick part (K) and the thin part (N) are provided, and the thick part (K) and the thin part (N) are joined and integrated by friction stir welding .
The thin part (N) is formed around the thick part (K), and the thick part (K) is a bottom wall forming part or a top wall forming part, A plate-shaped material for plastic working, wherein the portion (N) is a part for forming a peripheral wall portion .

A bottomed cylindrical body characterized by being formed by plastic processing the plate-shaped material for plastic working (10, 40) according to claim 1 .

A plate material for plastic working (10, which comprises a thick part (K) and a thin part (N), and the thick part (K) and the thin part (N) are joined and integrated by friction stir welding). 40) is a bottomed cylindrical body characterized by being formed by plastic working.