JP4660445B2 - 紙葉類処理装置、および紙葉類処理方法 - Google Patents

紙葉類処理装置、および紙葉類処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、複数枚重ねた紙葉類を搬送路上に取り出して1枚ずつ分離・搬送する紙葉類取り出し装置、および紙葉類取り出し方法に関する。
従来、紙葉類取り出し装置として、紙葉類にゴムローラの摩擦力を作用させて取り出し・分離を行う紙葉類取り出し装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置では、紙葉類の搬送方向に回転する送りローラに分離ローラを接触せしめて、この分離ローラに搬送方向と逆方向の分離トルクを付与し、複数枚重なった状態で取り出された紙葉類(このような状態を重送と言う)を分離するようにしている。
つまり、例えば、1枚の紙葉類が正常に取り出されて送りローラと分離ローラの間のニップを通過するときには分離ローラは搬送方向に連れ回り、2枚の紙葉類が重送状態で取り出されてニップを通過するときには分離ローラは搬送方向と逆方向に回転する。
このため、例えば、比較的薄くて柔らかい紙葉類が2つに折り畳まれた状態でニップを通過するとき、または薄いビニール製の封筒に入った封書などがニップを通過するとき、分離ローラ側の紙葉類または封書の部位が分離力によって逆方向に戻されて送りローラ側の部位が送りローラの搬送力によって正方向に送られることになり、相反する方向の2つの力によって当該紙葉類または封書が破損してしまう場合があった。
また、従来、別の取り出し装置として、取り出し位置に供給された紙葉類に負圧を作用させて取り出しベルトに吸着させ、この取り出しベルトを走行させることによって紙葉類を面方向に取り出し、その取り出し方向下流側で且つ紙葉類の搬送経路の反対側から負圧を作用させて、当該紙葉類に連れ出された2枚目以降の紙葉類を分離ローラに吸着せしめ、2枚目以降の紙葉類に対して分離ローラを介して逆方向の分離トルクを付与する装置が知られている。
しかし、この装置でも、比較的薄くて柔らかい紙葉類が取り出された場合、取り出しベルトの吸着位置の下流側に離間した位置で当該紙葉類に分離トルクを付与するため、取り出しベルトの吸着位置と分離トルクを付与する位置との間で紙葉類がZ形状に折り曲げられてしまう不具合を生じる場合があった。
特開2003−341860号公報
この発明の目的は、安定した取り出し・分離動作が可能な紙葉類取り出し装置、および紙葉類取り出し方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の紙葉類取り出し装置は、紙葉類に接触して回転することでその紙葉類を面方向に取り出す取り出し部と、この取り出し部で取り出された紙葉類を挟持して回転することでさらに搬送する搬送部と、上記取り出し部と上記搬送部の間の搬送路を挟んで上記取り出し部と反対側に設けられ、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部に受け渡されたことを条件に、当該紙葉類に連れ出された2枚目以降の紙葉類に対して逆方向の分離トルクを付与する分離部と、を有する。
上記発明によると、取り出された紙葉類が搬送部で挟持拘束されて受け渡されたことを条件に、分離部にて当該紙葉類に連れ出された紙葉類に対して分離トルクを付与するようにしたため、当該紙葉類が搬送部に受け渡される前の不安定な状態で当該紙葉類に分離トルクが作用することがなく、紙葉類を折り曲げてしまう不具合を防止でき、取り出し・分離動作を安定して実施できる。
また、本発明の紙葉類取り出し装置は、複数枚の紙葉類を重ねて投入する投入部と、この投入部を介して投入された紙葉類をその重ね方向に移動して移動方向先端の紙葉類を取り出し位置へ供給する供給部と、この供給部で上記取り出し位置に供給された紙葉類に接触して上記重ね方向と略直交する第1の方向に回転することで当該紙葉類を上記第1の方向に取り出す取り出し部と、この取り出し部より上記第1の方向下流側で上記取り出し部によって取り出された紙葉類を受け入れて挟持拘束して上記第1の方向にさらに搬送する搬送部と、上記取り出し部によって上記第1の方向に取り出された紙葉類に対し、上記取り出し部が接触した側と反対側から上記第1の方向と逆の第2の方向に沿った分離トルクを付与し、当該紙葉類に連れ出される2枚目以降の紙葉類を分離する分離部と、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを検知する検知部と、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを上記検知部が検知したことを条件に、上記分離トルクを付与するように上記分離部を制御する制御部と、を有する。
さらに、本発明の紙葉類取り出し方法は、重なった状態の紙葉類を1枚ずつ搬送路上に取り出す取り出し工程と、上記搬送路上に取り出された紙葉類を挟持してさらに搬送する搬送工程と、上記取り出し工程で取り出された紙葉類が上記搬送工程へ受け渡された後、当該紙葉類に連れ出された2枚目以降の紙葉類に対して逆方向の分離トルクを付与して分離する分離工程と、を有する。
この発明の紙葉類取り出し装置は、上記のような構成および作用を有しているので、複数枚の重なった紙葉類を搬送路上に1枚ずつ取り出す際に、取り出し・分離動作を安定して実施できる。
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の第1の実施形態に係る紙葉類取り出し装置(以下、単に取り出し装置と称する)を上方から見た平面図を示してある。この取り出し装置は、例えば複数通の郵便物をまとめて投入して1通ずつ搬送路上に取り出し、後段の処理部(図示せず)へ分離して搬送するよう機能する。
図1に示すように、取り出し装置は、複数枚の紙葉類Pを重ねた状態で立位で載置する略水平な載置台3(投入部)を有する。載置台3には、2本のフロアベルト1、2が互いに平行且つ紙葉類Pの重ね方向(図中矢印F方向)に延びて配置されている。長い方の第1のフロアベルト1は、後述する紙葉類Pの取り出し方向(図中矢印T方向)下流側に配置され、短い方の第2のフロアベルト2は、取り出し方向T上流側に配置さている。各フロアベルト1、2は、ここでは図示しないフロアモータによってそれぞれ独立に駆動される。
第1のフロアベルト1は、載置台3のほぼ全長にわたって載置面から露出して張設され、露出した部位が紙葉類Pの下端に接触して紙葉類Pを矢印F方向に送るよう機能する。一方、第2のフロアベルト2は、紙葉類Pの重ね方向一端近くでのみ載置面から露出している。つまり、第1のフロアベルト1は、載置台3上に載置された全ての紙葉類Pの下端辺に作用して矢印F方向に供給するが、第2のフロアベルト2は、紙葉類Pの重ね方向一端(図中左端)近くにある数枚の紙葉類Pにだけ供給力を作用する。
載置台3上には、この他に、バックアッププレート4が移動可能に設けられている。バックアッププレート4は、第1のフロアベルト1と簡易的に接合され第1のフロアベルト1とともに紙葉類Pを背面(図中右側端)から押さえつけながら重ね方向に移動する。バックアップアッププレート4は、重ね方向に延設されたレール5に対してスライド自在に取り付けられている。なお、第1、第2のフロアベルト1、2、およびバックアッププレート4は、本発明の供給部として機能し、集積した複数枚の紙葉類Pのうちその移動方向先端の紙葉類を取り出し位置へ供給する。
また、載置台3の図中左端、すなわち紙葉類Pの取り出し位置には、取り出しベルト6(取り出し部)、負圧式吸着機構7、および流量式吸引機構8が設けられている。取り出しベルト6は、複数のローラ9の周りに張られており、取り出しモータ10を回転することによって図中矢印R方向に駆動される。無端状の取り出しベルト6の内側にある負圧式吸着機構7は、チャンバ11、ガイド12、ここでは図示しない真空ポンプ、配管等を有する。
取り出しベルト6には複数の穴が開けられており、チャンバ11の内部を負圧にすることで一部に穴の開いたガイド12を介してそれらの穴から空気を吸引し、取り出し位置に供給された紙葉類Pが負圧式吸着機構7による負圧によって取り出しベルト6に吸着されるようになっている。そして、紙葉類Pが吸着された取り出しベルト6を取り出しモータ10で駆動することにより、紙葉類Pを取り出し方向下流側(図中矢印T方向)へと搬送する。すなわち、紙葉類Pの取り出し速度は、取り出しベルト6の走行速度と概ね一致する。
流量式吸引機構8は、チャンバ13、ガイド14、ここでは図示しないブロア、配管等を有する。流量式吸引機構8は、紙葉類Pの取り出し方向Tに沿って負圧式吸着機構7の上流側に配置され、ガイド14には複数の穴が開けられている。つまり、チャンバ13内の空気を吸引することによりガイド14を介して取り出し位置近傍の紙葉類Pに負圧を作用させて当該紙葉類Pを取り出し位置へ引き寄せることができる。なお、流量式吸引機構8が取り出し位置の紙葉類Pに対向する側には取り出しベルト6が掛けられていないため、この流量式吸引機構8には、引き寄せた紙葉類Pを搬送する機能は無い。
取り出し位置から矢印T方向に取り出される紙葉類Pの搬送経路に沿って分離機構15(分離部)が設けられている。分離機構15は、取り出し位置から矢印T方向に延びた搬送路を挟むように、負圧式吸着機構7の反対側で且つ下流側に僅かにずれた位置に設けられており、穴開きローラ16、チャンバ17、タイミングベルト18、分離モータ19、ガイド20、ここでは図示しない真空ポンプ、配管等を有する。
この分離機構15は、チャンバ17の内部を負圧にすることにより、搬送路を介して搬送される紙葉類Pに対して負圧式吸着機構7と反対側から負圧を作用させ、穴開きローラ16の周面に紙葉類Pを吸着する。穴開きローラ16の周面は、金属などの剛体によって構成され、吸着ローラとして機能する。
また、分離機構15は、分離モータ19の駆動により、穴開きローラ16を正逆両方向に所望する回転速度で回転させることができる。つまり、この分離機構15は、穴開きローラ16に吸着せしめた紙葉類Pを搬送方向に送ることも、逆方向に戻して分離動作を行うことも可能である。また、分離機構15は、紙葉類Pを矢印T方向(正方向)に送る速度、および逆方向に戻す速度を任意に変更できる。
分離機構15の矢印T方向下流側には、ベルト搬送機構21(搬送部)が配設されている。ベルト搬送機構21は、複数のローラ22、およびこれら複数のローラ22に巻回されて張設された2本の搬送ベルト23を有し、分離機構15を通過して矢印T方向に送られた紙葉類Pを2本の搬送ベルト23の間に受け入れて挟持拘束し、さらに下流側へと搬送するよう機能する。
また、載置台3の重ね方向一端の上述した取り出し位置からベルト搬送機構21を通る搬送路上には、第1および第2の検出手段24、25が配設されている。第1の検出手段24は、分離機構15近傍で且つ穴開きローラ16より紙葉類Pの搬送方向に沿って僅かに下流側に設けられており、紙葉類Pの先端および後端通過を検知する。第2の検出手段25は、この発明の検知部として機能し、ベルト搬送機構21の2本の搬送ベルト23が接触した挟持点(以下、この点をニップと称する)近傍に設けられ、同様に、紙葉類Pの先端および後端通過を検知する。なお、第1の検出手段24、および第2の検出手段25には、透過型光電センサを使用しており、後述する制御部に対して紙葉類Pの通過情報を送信する。
しかして、載置台3に立位状態でセットされた複数枚の紙葉類Pは、第1のフロアベルト1、第2のフロアベルト2、およびバックアッププレート4を駆動することにより、取り出し位置に向けて矢印F方向に供給される。供給方向先端の紙葉類Pは、流量式吸引機構8の吸引効果によって取り出しベルト6に素早く引き寄せられて、負圧式吸着機構7によって取り出しベルト6に吸着され、取り出しモータ10を駆動することでその面方向に取り出される。
この取り出された紙葉類Pに2枚目以降の紙葉類Pが連れ出された場合、分離機構15による後述する吸着・分離動作によって2枚目以降の紙葉類Pが搬送方向と逆方向へ戻されて、1枚目の紙葉類Pと分離される。このようにして1枚ずつに分離された紙葉類Pは、ベルト搬送機構21によって引き抜かれてさらに下流側へと搬送される。
図2には、上述した取り出し装置の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
取り出し装置の動作を制御する制御部100には、上述した第1および第2の検出手段24、25が接続されている。また、制御部100には、上述した第1のフロアベルト1およびバックアッププレート4を駆動する第1のフロアモータ101、および第2のフロアベルト2を駆動する第2のフロアモータ102が接続されている。
また、制御部100には、取り出しベルト6を矢印R方向(図1)に一定速度で走行させるための取り出しモータ10、およびベルト搬送機構21の2本の搬送ベルト23のうち少なくとも一方を矢印T方向(図1)に一定速度で走行させるベルトモータ103が接続されている。また、制御部100には、分離機構15の穴開きローラ16を正逆両方に且つ可変速で回転させるための分離モータ19が接続されている。
さらに、制御部100には、負圧式吸着機構7の真空ポンプ104、および流量式吸引機構8のブロア105が接続されている。また、制御部100には、分離機構15のチャンバ17を真空引きするための真空ポンプ106が接続されている。
以下、上述した構造の取り出し装置による動作について、主に、後述する分離ローラ26(すなわち、穴開きローラ16)の動作について、図3乃至図5を参照して説明する。図3には分離ローラ26の動作を説明するための動作説明図を示してあり、図4には、分離ローラ26の動作を説明するためのフローチャートを示してあり、図5には、分離ローラ26の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートを示してある。なお、以下の説明では、分離機構15の回転部である穴開きローラ16(紙葉類Pを吸着する周面を有するローラ)を分離ローラ26と称する。
まず、取り出し装置のイニシャライズ動作として、真空ポンプ104を動作させて負圧式吸着機構7を介して負圧を発生させ、ブロア105を動作させて流量式吸引機構8を介して空気流を発生させる。また、イニシャライズ動作として、ベルトモータ103を駆動してベルト搬送機構21の搬送ベルト23を一定速度で走行させる。2本のフロアベルト1、2は、取り出し位置から紙葉類Pが取り出されるタイミングに合わせて駆動し、移動方向先端の紙葉類Pを常に取り出し位置へ供給するよう動作する。
さらに、図4にステップS1として示すように、真空ポンプ106によって分離機構15のチャンバ17を真空引きし、分離ローラ26の周面に負圧を発生させる。そして、分離モータ19を駆動して分離ローラ26に正方向(矢印T方向)のトルクを付与し(ステップS2)、分離ローラ26を紙葉類Pの送り方向に一定速度で回転させる。
この状態で、取り出しモータ10を駆動して取り出しベルト6を一定速度で走行させ、紙葉類Pの取り出しを開始する。このとき、分離ローラ26は、搬送路を通過する紙葉類Pに負圧を作用させて吸着せしめた状態で当該紙葉類Pを正方向に送るよう機能する。また、このとき、搬送路を挟んで分離ローラ26の対向側にある取り出しベルト6が搬送方向(同じ方向)に一定速度で走行しているため、この状態では、搬送路上に取り出された紙葉類Pの両側から搬送力が付与されることになる。
このため、例えば、図3に状態aとして示すように、取り出し位置に供給された紙葉類Pと次の(2枚目の)紙葉類Pが重なった状態で取り出されると、取り出しベルト6に吸着された1枚目の紙葉類Pが取り出しベルト6から与えられる搬送力によって搬送されるとともに、2枚目の紙葉類Pが分離ローラ26側に吸着されて分離ローラ26から与えられる搬送力によって搬送されることになる。このとき、2枚の紙葉類Pが相反する方向に引き剥がされて分離される。なお、載置台3から取り出される紙葉類Pは、取り出しの初め、重ね方向端部の紙葉類P(すなわち、1枚目の紙葉類)にだけ取り出しベルト6から搬送力が与えられるため、通常、重送を生じても、図3の状態aに示すように刺身状にずれた状態で取り出されることが殆どである。
この後、図3に状態bとして示すように、取り出された紙葉類Pの搬送方向先端が第2の検出手段25で検出されると(ステップS3;YES)、その先端がベルト搬送機構21で挟持拘束された状態となり、1枚目の紙葉類Pがベルト搬送機構21に受け渡される。この状態で、取り出しベルト6による当該紙葉類Pに対する拘束力よりベルト搬送機構21による拘束力の方がはるかに大きいため、および、ベルト搬送機構21による搬送速度が取り出しベルト6による搬送速度より大きいため、1枚目の紙葉類Pはベルト搬送機構21の搬送力によって引き抜かれて下流側へ搬送されることになる。
そして、このタイミング(状態b)で、分離ローラ26に逆転方向(紙葉類Pを搬送方向上流側に戻す方向)のトルクを付与し始める(ステップS4)。すると、分離ローラ26によって殆どの搬送力を与えられていた2枚目の紙葉類Pは、この分離トルクによって逆方向へ戻される。上述したように2枚の紙葉類Pは互いに引き剥がされているため、分離トルクが与えられた2枚目の紙葉類Pは、理想的には、図3に状態cとして示すように、その先端が分離ローラ26の対向位置まで戻される。
なお、この逆転方向の分離トルクによって発生する分離力は、下流のベルト搬送機構21の挟持によって発生する搬送力よりも弱い力に設定されているため、例えば、1枚の紙葉類Pが搬送路上に正常に取り出された場合(図示せず)には、当該紙葉類Pの先端がベルト搬送機構21に挟持された後、分離ローラ26による分離力が当該紙葉類Pの搬送を妨げることはない。つまり、「ベルト搬送機構21による搬送力」>「分離ローラ26による分離力」>「紙葉類間の摩擦力(抵抗力)」が成り立っている。
具体的には、搬送路上に取り出された1枚の紙葉類Pが比較的薄い紙葉類である場合には、当該紙葉類Pは、取り出しベルト6に吸着されてベルト搬送機構21に受け渡される際、取り出しベルト6と分離ローラ26との間の搬送間隔に対して隙間がある状態で搬送されるため、分離トルクが与えられた分離ローラ26は、逆方向に空回りする。一方、搬送路上に取り出された紙葉類Pの厚さが上述した搬送間隔と同等かそれ以上である場合には、分離トルクを付与された分離ローラ26は、紙葉類Pに連れ回ることになる。
ステップS4で分離トルクを付与した後、図3に状態dとして示すように、先行する1枚目の紙葉類Pの搬送方向後端通過が第1の検出手段24によって検出されて1枚目の紙葉類Pと2枚目の紙葉類Pとの間にギャップが形成されたことが検出されると(ステップS5;YES)、2枚の紙葉類Pが完全に分離されたことが判断され、再び分離ローラ26に対して正方向のトルクが付与される(ステップS2)。これにより、図3に状態eとして示すように、2枚目の紙葉類Pに対して分離ローラ26から正方向の搬送力が付与されることになる。
以上、ステップS2〜ステップS5の動作が載置台3上に紙葉類Pが無くなるまで(ステップS6;YES)繰り返され、投入された複数枚の紙葉類Pが1枚ずつに分離されて搬送される。
図5(a)には、第1および第2の検出手段24、25で紙葉類Pの通過タイミングを検出するタイミングチャートを示してあり、図5(b)には、図5(a)と関連付けて、分離ローラ26の回転速度変化のタイミングチャートを示してある。これらタイミングチャートを見ると、上述した動作説明のように、第2の検出手段25で1枚目の紙葉類Pの先端通過を検出したタイミングで(図3の状態b)分離ローラ26に分離トルクを付与し、第1の検出手段24で1枚目の紙葉類Pの後端通過を検出したタイミングで(状態d)分離ローラ26に正方向のトルクを付与しているのが分かる。
なお、状態aおよび状態e(正転方向)のとき、分離ローラ26の接線速度Vr[m/s]は、搬送下流側にあるベルト搬送機構21による搬送速度V[m/s]以下となっている。言い換えると、正転方向の速度は制限されるのだが、そのトルク(分離ローラ26を回転させるための力)は分離モータ19の使用範囲内で制限されない。
また、状態bおよび状態c(逆転方向)のとき、分離ローラ26の発生する分離力Frは、搬送下流側にあるベルト搬送機構21の挟持による搬送力Fbより少なくとも小さく設定されている。言い換えると、逆転方向の分離トルクは制限されるのだが、そのときの回転速度は分離モータ19の使用範囲内で制限されない。
よって、状態aおよび状態eにおいては、分離ローラ26の接線速度Vrはほぼ一定の値をとる。一方、状態bおよび状態cにおいては、その分離トルクが制限されるため、分離ローラ26の回転方向が逆転(接線速度Vr<0)に達しないこともありうる。
なお、理想的には、分離動作により2枚目以降の紙葉類Pの先端は分離ローラ26近傍まで戻されるため、その近傍に第1の検出手段24があることが望ましい。しかし、場合によっては、第1の検出手段24よりさらに下流側で1枚目の紙葉類Pと2枚目の紙葉類Pとの間にギャップが形成される可能性もあるため、図4のステップS5では、第1または第2の検出手段で後端を検出することにした。また、第2の検出手段25より上流側に紙葉類Pを検出するための検出手段を複数個設けても良い。
以上のように、本実施の形態によると、複数枚の紙葉類Pが刺身状にずれた状態で重なったまま搬送路上に取り出された場合、先行する紙葉類Pの先端をベルト搬送機構21で挟持拘束したことを条件に、2枚目以降の紙葉類Pに対して分離ローラ26を介して逆方向の分離トルクを付与するようにしたため、重送紙葉類を確実且つ安定して分離できる。また、本実施の形態のように分離ローラ26を駆動制御することで、例えば、比較的腰の弱い薄い紙葉類Pや2つ折りの紙葉類Pが搬送路上に取り出された場合であっても、負圧式吸着機構7と分離機構15との間で当該紙葉類PをZ状に折り曲げてしまう不具合を防止でき、安定した分離搬送動作が可能となる。
また、本実施の形態によると、本来分離機能しか持たない分離ローラ26に搬送機能も持たせることができ、対向側の取出しベルト6の搬送力を補助することもできる。これにより、例えば、比較的重く厚い紙葉類Pを搬送する際に有利となる。
さらに、本実施の形態のように、紙葉類Pを挟む位置に配置された取り出しベルト6および分離ローラ26から負圧を作用させて吸着する機構を採用することで、重送紙葉類P同士を引き剥がす方向(紙葉類Pの表面に対して垂直の方向)に吸着力が働くため、重なった状態のまま取り出された紙葉類P間の摩擦力(抵抗力)を小さくすることができ、分離効果を高めることができる。
なお、上述した実施の形態の説明では、載置台3から取り出される紙葉類Pが図3に状態aとして示すように刺身状にずらされることを前提としたが、ずれが僅かしか無い場合、或いは図6に状態a’として示すように2枚の紙葉類Pの先端が略重なった状態で取り出された場合、上述したように分離ローラ26を制御すると、この2枚の紙葉類Pを分離することができなくなる。つまり、この場合、重なった2枚の紙葉類の先端が同時にベルト搬送機構21のニップに突入することになり、2枚ともベルト搬送機構21によって引き抜かれて重送のまま搬送されてしまう。しかし、上述した理由から、このようなケースは極めて稀であり、取り出し時に全くずれない程度の重送紙葉類であれば後段の処理でリジェクトするのが妥当だが、ここでは、このような稀なケースをも考慮した別の制御方法について図6とともに図7に示すフローチャートを参照して説明する。
つまり、このような場合を想定して、まず、制御部100は、分離ローラ26周面に負圧を生じせしめた状態で(ステップS1)分離ローラ26を取り出しベルト6と略同じ速度(Vr)で正転させ(ステップS2)、第1の検出手段24の出力を監視する(ステップS3)。そして、第1の検出手段24が暗となった時点で(ステップS3;YES)、制御部100は、分離ローラ26の回転速度を半分の速度(Vr/2)に減速する(ステップS4)。ここでは、分離ローラ26の回転速度を1回だけ減速するが、段階的に減速するようにしても良い。
これにより、分離ローラ26の搬送力に依存する2枚目の紙葉類Pの搬送速度が減速され、取り出しベルト6に吸着されて搬送されている1枚目の紙葉類Pとの間に速度差が形成される。このため、たとえ図6に示すように先端が重なった状態で取り出された重送紙葉類であっても、当該紙葉類の先端が第2の検出手段25に到達するまでの間に、当該紙葉類を刺身状にずらすことができる。
この後、上述した実施の形態と同様に、制御部100は、第2の検出手段25の出力を監視し(ステップS5)、第2の検出手段25が暗となった時点で(ステップS5;YES)分離ローラ26に逆方向の分離トルクを付与する(ステップS6)。これにより、2枚目以降の紙葉類が逆方向に戻されて1枚目の紙葉類Pとの間にギャップが形成される。なお、このとき両者の間に形成されるギャップは、第1の検出手段24と第2の検出手段25の間で形成されることとなる。
よって、さらにこの後、制御部100は、第1および第2の検出手段24、25の出力を監視し(ステップS7、S8)、第2の検出手段25を介してギャップを検出したことを条件に(ステップS7;YES)、分離ローラ26を半分の速度(Vr/2)で正転させる(ステップS4)。このとき、分離ローラ26の正転速度を通常の搬送速度の半分にすることで、先行する1枚目の紙葉類Pとの間のギャップをさらに広げることができる。
一方、ステップS7、S8で第1および第2の検出手段24、25の出力を監視しているとき、第1の検出手段24を介してギャップを検出したことをトリガーとし(ステップS8;YES)、載置台3上に次に取り出す紙葉類Pが有ることを条件に(ステップS9;NO)、ステップS2の処理に戻って分離ローラ26を速度Vrで回転させる。一方、ステップS9で次に取り出す紙葉類Pが無いことを判断した場合(ステップS9;YES)、制御部100は、取り出しベルト6を停止させて処理を終了する。
以上のように、先端が重なった紙葉類Pが取り出された場合であっても、当該紙葉類Pを刺身状にずらすための工程(ステップS4)を追加することで対応でき、重送紙葉類を確実且つ安定して分離できる。
次に、この発明の第2の実施の形態に係る紙葉類取り出し装置(以下、単に取り出し装置と称する)について、図8乃至図10を参照して説明する。図8には、取り出し装置の要部の構成を平面図にして示してあり、図9には、この取り出し装置の動作を説明するための動作説明図を示してあり、図10には、この取り出し装置の動作を説明するためのフローチャートを示してある。
図8に示すように、本実施の形態の取り出し装置は、上述した第1の実施の形態の取り出し装置と同様、載置台103に露出した2本のフロアベルト101、102を有し、第1のフロアベルト101に接続されたバックアッププレート104を有する。載置台103のフロアベルト101、102上に複数枚の紙葉類Pを立位でセットし、フロアベルト101、102、およびバックアッププレート104を図中矢印F方向に移動させることで移動方向先端(図中左端)の紙葉類Pが取り出し位置に配置される。
紙葉類Pの取り出し位置に対向する位置には、繰り出しローラ106が設けられている。繰り出しローラ106は、図示しないワンウェイクラッチを介して回転軸に取り付けられている。このため、繰り出しローラ106は、紙葉類Pの搬送方向(図中矢印T方向)に自由に回転でき、紙葉類Pが引抜かれるときに抵抗を減らすように工夫されている。
繰り出しローラ106には、第1のタイミングベルト107、第2のタイミングベルト108、および第3のタイミングベルト109を介して繰り出しモータ110が接続されている。繰り出しモータ110によって駆動する繰り出しローラ106は、回転することにより紙葉類Pを搬送方向下流側に繰り出す。
また、繰り出しローラ106は、第1の繰り出しアーム111、第2の繰り出しアーム112、および第3の繰り出しアーム113により紙葉類Pに対して所定の押圧力で押し付けられている。第1乃至第3の繰り出しアーム111、112、および113は、平行リンク機構を構成しており、繰り出しローラ106の揺動方向を紙葉類Pの集積方向にほぼ規制する。
第1の繰り出しアーム111には、これを駆動する繰り出しアームモータ114が接続されている。繰り出しアームモータ114にはトルク制御のサーボモータを使用しており、一定トルクを出力することで繰り出しローラ106の紙葉類Pに対する押圧力をほぼ一定に保っている。
繰り出しローラ106の搬送方向下流側には、送りローラ115が設けられている。送りローラ115は図示しないワンウェイクラッチを介して回転軸に取り付けられており、タイミングベルト116を介して送りモータ117が接続されている。送りモータ117によって回転する送りローラ115は、回転することにより紙葉類Pを矢印T方向に搬送する。
紙葉類Pの搬送経路を挟んで送りローラ115に対向する位置には、分離ローラ118設けられている。本実施の形態では、分離ローラ118は、周面がゴムなどの弾性体によって構成された摩擦ローラとなっている。分離ローラ118は、分離アーム119により送りローラ115に対して所定の押圧力にて押し付けられている。分離ローラ118には、第1のタイミングベルト120、第2のタイミングベルト121を介して分離モータ122が接続されている。分離モータ122には、サーボモータを使用しており、正逆両方向に回転可能となっている。
送りローラ115の搬送方向下流側には、引き抜きローラ123が設けられている。引き抜きローラ123には、タイミングベルト124を介して引き抜きモータ125が接続されている。引き抜きローラ123には、搬送経路を挟んで、回転自在の引き抜きピンチローラ126が所定の押圧力にて押し付けられている。
引き抜きローラ123の搬送方向下流側には、複数のローラ127に巻回されて張設された2本の搬送ベルト128を有するベルト搬送機構が設けられている。このベルト搬送機構は、送りローラ115および引き抜きローラ123を介して搬送されてきた紙葉類Pをニップに受け入れて挟持拘束し、引き抜きながらさらに下流側へと搬送する。
その他、紙葉類Pの搬送経路に沿ってガイド129、およびガイド130が設けられており、紙葉類Pの搬送経路を両者の間でほぼ規制する。また、繰り出しローラ106の搬送方向上流側には、支えローラ131が設けられている。支えローラ131は、支えアーム132によって取り出し位置の紙葉類Pに対して所定の押圧力で押し付けられ、取り出し位置に供給された紙葉類Pの倒れを防止するよう機能する。
また、紙葉類Pの搬送路上には、紙葉類Pの搬送方向先端および後端通過を検知するための第1および第2の検出手段133、134が設けられている。第1の検出手段133は、送りローラ115と分離ローラ118のニップ近傍で且つ搬送方向下流側に僅かに離間した位置に設けられており、紙葉類Pの先端および後端通過を検知する。第2の検出手段134は、引き抜きローラ123と引き抜きピンチローラ126間のニップ近傍に設けられ、同様に紙葉類Pの先端および後端通過を検知する。第1の検出手段133および第2の検出手段134には、透過型光電センサを使用しており、ここでは図示しない制御部に対して紙葉類Pの通過情報を送信している。
しかして、載置台103に立位状態でセットされた紙葉類Pは、第1のフロアベルト101、第2のフロアベルト102、およびバックアッププレート104によって繰り出しローラ106に向けて矢印F方向へ供給され、重ね方向先端の紙葉類Pが取り出し位置に配置される。取り出し位置に供給された紙葉類Pは、搬送方向に回転する繰り出しローラ106に接触して、その回転により搬送路上へ繰り出される。
搬送路上に取り出された紙葉類Pは、送りローラ115によってさらに下流へと搬送され、引き抜きローラ123によって引き抜かれる。このとき、重送を生じている紙葉類Pは、分離ローラ118を介して付与される逆方向の分離トルクによって分離される。分離された紙葉類Pは、さらに下流側の引き抜きローラ123へと搬送され、その下流の搬送ベルト128により、図示しない下流側の処理部へとさらに搬送される。
以下、上記構造の取り出し装置による動作について、特に、分離ローラ118の動作について図9および図10を参照しつつ説明する。
まず、装置のイニシャライズ動作として、2本のフロアベルト101、102を走行させて供給方向先端の紙葉類Pを取り出し位置へ供給する。そして、繰り出しローラ106を接線速度V1で正転させ、送りローラ115を接線速度V2で正転させ、引き抜きローラ123を接線速度V3で正転させ、搬送ベルト128を接線速度V4で走行させる。本実施形態において、これら接線速度V1、V2、V3、V4は、V1≦V2≦V3=V4を満たす関係に設定されている。このように設定することで、紙葉類Pを引き伸ばしながら搬送し、しわが生じることを防止できる。また、速度差により紙葉類間のギャップを形成できる。
この状態で、紙葉類Pの繰り出しを開始する。このとき、分離ローラ118は、送りローラ115と同じ接線速度(V2)で正転させておく(図10、ステップS1)。つまり、取り出し位置の紙葉類Pは、通常、繰り出しローラ106の回転によって速度V1で繰り出され、同じ方向(正方向)に同じ接線速度(V2)で回転する送りローラ115および分離ローラ118間のニップで引き抜かれ、さらに高速(V3)で回転する引き抜きローラ123とピンチローラ126間のニップで引き抜かれ、搬送ベルト128へ受け渡されて後段の処理部(図示せず)へ搬送される。
例えば、図9に状態aとして示すように、2枚の重なった紙葉類Pが搬送路上に取り出された場合を想定すると、取り出し装置の制御部は、当該紙葉類Pの先端を第1の検出手段133で検出したことをトリガーとして(ステップS2;YES)、分離ローラ118の正転速度を減速させ(ステップS3)、送りローラ115によって搬送される1枚目の紙葉類Pと分離ローラ118によって搬送される2枚目の紙葉類Pとの間に速度差を形成する。これにより、2枚の重なった紙葉類Pは、1枚目が先行するように刺身状に僅かにずらされる。
この後、図9に状態bとして示すように、刺身状にずらされた1枚目の紙葉類Pの先端が第2の検出手段134で検出されると(ステップS4;YES)、制御部は、今度は、分離ローラ118を介して2枚目の紙葉類Pに逆方向の分離トルクを付与する(ステップS5)。これにより、1枚目の紙葉類Pが引き抜きローラ123によって引き抜かれるとともに、2枚目の紙葉類Pが分離ローラ118によって逆方向に戻されて、2枚の紙葉類Pが反対方向に引き離される。このとき、2枚目の紙葉類Pは、理想的には、図9に状態cとして示すように、その先端が送りローラ115と分路ローラ118のニップの位置まで戻される。
なお、この逆転方向の分離トルクによって発生する分離力は、下流の引き抜きローラ123と引き抜きピンチローラ126との挟持で発生する搬送力よりも弱い力に設定されているため、例えば、搬送される紙葉類Pが1枚のとき(重送ではないとき)は当該紙葉類Pの先端が引き抜きローラ123と引き抜きピンチローラ126との間のニップで挟持搬送され、分離トルクが当該紙葉類Pの搬送を妨げることはない。
この後、図9に状態dとして示すように、1枚目の紙葉類Pの後端通過が第1の検出手段133で検出されると(ステップS6;YES)、制御部は、再び分離ローラ118を正転させ(ステップS7)、図9に状態eとして示すように、2枚目の紙葉類Pを正方向に搬送する。そして、この時点で載置台103上に次に取り出す紙葉類Pがあることを判断した場合(ステップS8;YES)、制御部は、ステップS2の処理に戻って処理を続け、次に取り出す紙葉類Pが無いことを判断した場合(ステップS8;NO)、装置を停止して(ステップS9)処理動作を終了する。
以上のように、本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様に、載置台103から取り出した紙葉類Pの先端が引き抜きローラ123で挟持拘束されたことを条件に分離ローラ118を介して分離トルクを付与するようにしたため、比較的腰の弱い薄い紙葉類Pや2つ折りの紙葉類が取り出された場合であっても、逆転する分離ローラ118によって紙葉類Pが繰り出しローラ106との間でZ状に折り曲げられてしまう不具合を防止でき、安定した分離搬送動作が可能となる。また、本来分離機能しか持たない分離ローラ118に搬送機能も加えることで、対向側の送りローラ115の搬送力を補助することも可能となり、重い媒体を処理する場合に有利となる。
また、従来のように分離ローラ118に常に逆方向の分離トルクを付与した場合、紙葉類Pが搬送されていない状態および1枚の紙葉類Pが搬送されている状態で、分離ローラ118が送りローラ115に連れ回ることが必要なため、ゴムローラ間の摩擦係数を比較的高くする必要があった。これに対し、本実施の形態のように、引き抜きローラ123で先行する紙葉類Pの先端を挟持拘束した状態で分離トルクを付与するように分離ローラ118を回転制御することで、上述した条件下で分離ローラ118が分離トルクを付与しながら送りローラ115に連れ回る必要がなくなり、「ゴムローラ−紙葉類の摩擦係数」>「紙葉類間の摩擦係数」という関係を満たすだけでよくなる。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
例えば、上述した第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第2の検出手段134よりも搬送方向上流側に紙葉類Pの通過を検出するための検出手段を複数個設けても良い。
また、上述した第1の実施形態では、搬送路を挟んで取り出しベルト6に対向する位置に分離ローラ26を設けたが、ベルト搬送機構21の一方(図1で左側)の搬送ベルト23を分離ローラ26に対向する位置まで延ばした構成にしてもよい。
この発明の第1の実施の形態に係る紙葉類取り出し装置の要部の構成を示す平面図。 図1の取り出し装置の動作を制御する制御系のブロック図。 図1の取り出し装置の動作を説明するための動作説明図。 図1の取り出し装置の動作を説明するためのフローチャート。 紙葉類の検出タイミングおよび分離ローラの回転速度切り換えタイミングについて説明するためのタイミングチャート。 図1の取り出し装置で先端が重なったまま取り出された重送紙葉類を示す動作説明図。 図6の重送紙葉類を処理する方法について説明するためのフローチャート。 この発明の第2の実施の形態に係る紙葉類取り出し装置の要部の構成を示す平面図。 図8の取り出し装置による動作を説明するための動作説明図。 図8の取り出し装置の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
6…取り出しベルト、7…負圧式吸着機構、15…分離機構、21…ベルト搬送機構、24、133…第1の検出手段、25、134…第2の検出手段、26、118…分離ローラ、100…制御部、106…繰り出しローラ、115…送りローラ、128…搬送ベルト、P…紙葉類。

Claims (17)

  1. 紙葉類に接触して回転することでその紙葉類を面方向に取り出す取り出し部と、
    この取り出し部で取り出された紙葉類を挟持して回転することでさらに搬送する搬送部と、
    上記取り出し部と上記搬送部の間の搬送路を挟んで上記取り出し部と反対側に設けられ、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部に受け渡されたことを条件に、当該紙葉類に連れ出された2枚目以降の紙葉類に対して逆方向の分離トルクを付与する分離部と、
    を有することを特徴とする紙葉類取り出し装置。
  2. 上記分離部は、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部に受け渡されるまで正方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類取り出し装置。
  3. 上記分離部は、待機状態で上記取り出し部と略同じ速度で回転しており、取り出された紙葉類が上記搬送部に受け渡されるまでの間に段階的に減速することを特徴とする請求項2に記載の紙葉類取り出し装置。
  4. 上記分離部は、上記搬送部に受け渡された紙葉類と後続の紙葉類との間のギャップを検出したことを条件に、再び正方向に回転することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の紙葉類取り出し装置。
  5. 上記分離部によって付与される上記分離トルクは、上記搬送部による搬送力より弱い力に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類取り出し装置。
  6. 上記分離部が正方向に回転する回転速度は、上記搬送部における搬送速度を超えない速度に設定されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の紙葉類取り出し装置。
  7. 複数枚の紙葉類を重ねて投入する投入部と、
    この投入部を介して投入された紙葉類をその重ね方向に移動して移動方向先端の紙葉類を取り出し位置へ供給する供給部と、
    この供給部で上記取り出し位置に供給された紙葉類に接触して上記重ね方向と略直交する第1の方向に回転することで当該紙葉類を上記第1の方向に取り出す取り出し部と、
    この取り出し部より上記第1の方向下流側で上記取り出し部によって取り出された紙葉類を受け入れて挟持拘束して上記第1の方向にさらに搬送する搬送部と、
    上記取り出し部によって上記第1の方向に取り出された紙葉類に対し、上記取り出し部が接触した側と反対側から上記第1の方向と逆の第2の方向に沿った分離トルクを付与し、当該紙葉類に連れ出される2枚目以降の紙葉類を分離する分離部と、
    上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを検知する検知部と、
    上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを上記検知部が検知したことを条件に、上記分離トルクを付与するように上記分離部を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする紙葉類取り出し装置。
  8. 上記制御部は、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを上記検知部が検知するまで上記分離部を上記第1の方向に回転することを特徴とする請求項7に記載の紙葉類取り出し装置。
  9. 上記制御部は、上記取り出し部で紙葉類が取り出される前の待機状態で上記分離部を上記取り出し部と略同じ速度で上記第1の方向に回転し、上記取り出し部で取り出された紙葉類が上記搬送部で挟持拘束されたことを上記検知部が検知するまでの間、上記分離部の回転速度を段階的に減速することを特徴とする請求項8に記載の紙葉類取り出し装置。
  10. 上記第1の方向に沿って上記分離部の下流側で上記搬送部に受け渡されて搬送された紙葉類の上記第1の方向に沿った後端通過を検知し、当該紙葉類と後続の紙葉類との間のギャップを検出するギャップ検出部をさらに有し、
    上記制御部は、上記分離部を介して上記分離トルクを付与している状態で、上記ギャップ検出部がギャップを検出した場合、上記分離部を再び上記第1の方向に回転させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の紙葉類取り出し装置。
  11. 上記分離部によって付与される上記分離トルクは、上記搬送部による搬送力より弱い力に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の紙葉類取り出し装置。
  12. 上記分離部が上記第1の方向に回転する回転速度は、上記搬送部における搬送速度を超えない速度に設定されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の紙葉類取り出し装置。
  13. 上記分離部は、その周面が金属などの剛体によって構成され、当該周面に負圧を生じせしめて紙葉類を吸着した状態で回転する吸着ローラを含むことを特徴とする請求項7に記載の紙葉類取り出し装置。
  14. 上記分離部は、その周面がゴムなどの弾性体によって構成され、当該周面を紙葉類に摺接せしめて回転する摩擦ローラを含むことを特徴とする請求項7に記載の紙葉類取り出し装置。
  15. 上記分離部は、上記第1の方向に沿って複数の上記摩擦ローラを含むことを特徴とする請求項14に記載の紙葉類取り出し装置。
  16. 重なった状態の紙葉類を1枚ずつ搬送路上に取り出す取り出し工程と、
    上記搬送路上に取り出された紙葉類を挟持してさらに搬送する搬送工程と、
    上記取り出し工程で取り出された紙葉類が上記搬送工程へ受け渡された後、当該紙葉類に連れ出された2枚目以降の紙葉類に対して逆方向の分離トルクを付与して分離する分離工程と、
    を有することを特徴とする紙葉類取り出し方法。
  17. 上記分離工程で上記2枚目以降の紙葉類に付与される分離トルクは、上記搬送工程における紙葉類の搬送力より弱い力に設定されていることを特徴とする請求項16に記載の紙葉類取り出し方法。
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