以下、本発明の実施の形態に係る測定装置の設定方法、分析システム、データ処理装置、及びアプリケーションプログラムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る分析システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態1に係る分析システム1は、血球分析装置2a,2bと、血球分析装置2a,2b用のデータ処理装置3と、血液凝固測定装置4a,4bと、血液凝固測定装置4a,4b用のデータ処理装置5と、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全てに用いられるデータ処理装置6と、患者データ管理用のデータベースサーバ7とを主要な構成要素として構成されている。血球分析装置2a,2b、データ処理装置3、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置5、データ処理装置6、及びデータベースサーバ7は、例えば、病院または病理検査施設等の医療機関の施設内に設けられている。また、例えば、血球分析装置2a,2b、データ処理装置3、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置5、及びデータ処理装置6は、病理検査施設に設けられており、データベースサーバ7は、病院に設けられている等、分析システム1を構成する装置が複数の施設に別個に設けられていてもよい。また、血球分析装置2a,2b、データ処理装置3、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置5、データ処理装置6、及びデータベースサーバ7は、互いにデータ通信が可能であるように、電話回線を使用した専用回線、LAN、またはインターネット等である通信ネットワークNWによって接続されている。
図2は、血球分析装置2a及びデータ処理装置3の外観構成を示す斜視図である。血球分析装置2a,2bは、血液検査に使用される装置であり、血液検体中に含まれる成分について所定の測定を行うことが可能であるように構成されている。図2では、一方の血球分析装置2aのみを図示しているが、本実施の形態1に係る分析システム1では、同一構成の2つの血球分析装置2a,2bがデータ処理装置3にデータの送受信が可能であるように接続されている。図3は、血球分析装置2a(2b)の構成を示すブロック図である。血球分析装置2a(2b)は、光学式検出部21と、RBC検出部22と、HGB検出部23と、IMI検出部24と、制御部25と、通信部28とを主要な構成要素として構成されている。制御部25は、CPU,ROM,RAM等から構成されており、血球分析装置2aの各種構成要素の動作制御を行うようになっている。通信部28は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、データ処理装置3,5,6との間でデータの送受信を行うことが可能である。
光学式検出部21は、白血球、有核赤血球、網赤血球を半導体レーザによるフローサイトメトリー法により測定することが可能である。図4は、光学式検出部21の構成を示す模式図である。血球分析装置2aは、図示しない試料供給部を有しており、当該試料供給部によって血液試料が吸引定量され、規定倍率で希釈、染色される。光学式検出部21には、シースフローセル21aが設けられており、前記試料供給部からシースフローセル21aに試料が供給されるようになっている。また、光学式検出部21には、図示しないシース液チャンバが設けられており、このシース液チャンバに貯められたシース液が、シースフローセル21aへと供給されるように構成されている。シースフローセル21aでは、シース液に取り囲まれるように試料が流れるようになっている。シースフローセル21aにはオリフィス21bが設けられており、このオリフィス21bによって試料の流れが細く絞り込まれ、試料に含まれる白血球、赤血球等の粒子が一つずつオリフィス21bを通過することとなる。
光学式検出部21には、半導体レーザ光源が、シースフローセル21aのオリフィス21bへ向けてレーザ光を出射するように配置されている。半導体レーザ光源とシースフローセル21aとの間には、複数のレンズからなる照射レンズ系21cが配されている。この照射レンズ系21cによって、半導体レーザ光源から出射された平行ビームがビームスポットに集束されるようになっている。また、半導体レーザ光源からのレーザ光の光軸上には、シースフローセル21aを挟んで照射レンズ系21cに対向するように、ビームストッパ21dが設けられた前方散乱光集光レンズ21eが配されており、半導体レーザ光源からの直接光はビームストッパ21dによって遮光される。
シースフローセル21aに試料が流れると、レーザ光により散乱光及び蛍光の光信号が発生する。このうち前方の信号光を前方散乱光集光レンズ21eで集めて後段の受光系に送るようになっている。受光系には、ピンホール21fが設けられており、さらに光軸下流側にはフォトダイオード21gが設けられている。前方散乱光集光レンズ21eから送られた信号光は、ピンホール21fによって迷光(測定以外の光)が除去された後、フォトダイオード21gで光電変換され、これによって生じた電気信号(前方散乱光信号)がアンプ21hによって増幅され、制御部25に出力される。かかる前方散乱光信号は、血球の大きさを反映しており、制御部25がこの前方散乱光信号を信号処理することによって、血球の大きさ等を得るようになっている。
また、シースフローセル21aの側方であって、照射レンズ系21c及び前方散乱光集光レンズ21eを結ぶ光軸に対して直行する方向には、側方集光レンズ21iが配されており、シースフローセル21a内を通過する血球に半導体レーザを照射したときに発生する側方光がこの側方集光レンズ21iで集められるようになっている。側方集光レンズ21iの下流側にはダイクロイックミラー21jが設けられており、側方集光レンズ21iから送られた信号光は、ダイクロイックミラー21jで散乱光成分と蛍光成分とに分けられる。ダイクロイックミラー21jの側方(側方集光レンズ21iとダイクロイックミラー21jを結ぶ光軸方向に交差する方向)には、側方散乱光受光用の光電子増倍管21kが設けられており、ダイクロイックミラー21jの前記光軸下流側には、光学フィルタ21m、ピンホール21n、及び光電子増倍管21oが設けられている。そして、ダイクロイックミラー21jで分けられた側方散乱光成分は、光電子増倍管21kで光電変換され、これによって生じた電気信号(側方散乱光信号)がアンプ21pによって増幅され、制御部25に出力される。この側方散乱光信号は、血球の内部情報(核の大きさ等)を反映しており、制御部25がこの側方散乱光信号を信号処理することによって、血球の核の大きさ等を得るようになっている。また、ダイクロイックミラー21jから発せられた側方蛍光成分は光学フィルタ21mによって波長選択された後、光電子増倍管21oで光電変換され、これによって生じた電気信号(側方蛍光信号)がアンプ21qによって増幅され、制御部25に出力される。この側方蛍光信号は、血球の染色度合いに関する情報を反映しており、この側方蛍光信号を信号処理することによって、血球の染色性等を得るようになっている。
RBC検出部22は、赤血球数及び血小板数を、シースフローDC検出法により測定することが可能である。図5は、RBC検出部22の構成を示す模式図である。RBC検出部22は、図5に示すようなシースフローセル22aを有している。このシースフローセル22aには、上方へ向けて開口した試料ノズル22bが設けられており、試料供給部からこの試料ノズル22bに試料が供給されるようになっている。また、シースフローセル22aは、上方へ向かうにしたがって細くなっているテーパ状のチャンバ22cを有しており、このチャンバ22cの内部中央に前述した試料ノズル22bが配されている。また、チャンバ22cの上端には、アパーチャ22dが設けられており、このアパーチャ22dは、試料ノズル22bと中心位置が合わせられている。試料供給部から供給された試料は、試料ノズル22bの先端から上方へ向けて送出され、それと同時にチャンバ22cにはフロントシース液が供給され、フロントシース液がアパーチャ22dへ向けて上方へと流れる。ここで、フロントシース液に取り囲まれるように試料が流れ、テーパ状のチャンバ22cによって試料の流れが細く絞り込まれて、試料中の血球が一つずつアパーチャ22dを通過することとなる。アパーチャ22dには電極が設けられており、この電極間に直流電流が供給されるようになっている。そして、試料がアパーチャ22dを通流するときのアパーチャ22dにおける直流抵抗の変化を検出し、この電気信号を制御部25へ出力するようになっている。前記直流抵抗は、アパーチャ22dを血球が通過するときに増大するため、この電気信号はアパーチャ22dの血球の通過情報を反映しており、この電気信号を信号処理することによって、赤血球及び血小板を計数するようになっている。
また、アパーチャ22dの上方には、上下に延びた回収管22eが設けられている。また、この回収管22eは、アパーチャ22dを介してチャンバ22cと連なるチャンバ22fの内部に配されている。回収管22eの下端部は、チャンバ22fの内壁から離隔している。チャンバ22fは、バックシース液が供給されるようになっており、このバックシース液は、チャンバ22fの回収管22eの外側領域を下方へ向けて通流する。回収管22eの外側を流れるバックシース液は、チャンバ22fの下端部に到達した後、回収管22eの下端部とチャンバ22fの内壁との間を通り、回収管22eの内部へと流入する。このため、アパーチャ22dを通過した血球の舞い戻りが防止され、これにより血球の誤検出が防止される。
HGB検出部23は、血色素量(HGB)を、SLSヘモグロビン法によって測定することが可能である。図6は、HGB検出部23の構成を示す斜視図である。HGB検出部23は、希釈試料を収容するセル23aと、セル23aへ向けて発光する発光ダイオード23bと、セル23aを透過した透過光を受光する受光素子23cとを有している。試料供給部では、定量された血液が希釈液及び所定の溶血剤によって所定希釈率で希釈され、希釈試料が作成される。この溶血剤は、血液中のヘモグロビンをSLS−ヘモグロビンへと転化する性質を有している。かかる希釈試料は、試料供給部からセル23aへと供給され、セル23aに収容される。この状態で、発光ダイオード23bを発光させ、セル23aを挟んで発光ダイオード23bに対向配置された受光素子23cにて透過光が受光される。発光ダイオード23bは、SLS−ヘモグロビンによる吸光率が高い波長の光を発するようになっており、また、セル23aは透光性の高いプラスチック材料で構成されているので、受光素子23cでは、発光ダイオード23bの発光が略希釈試料によってのみ吸光された透過光が受光されることとなる。受光素子23cは、受光量(吸光度)に応じた電気信号を制御部25へと出力するようになっており、制御部25では、この吸光度と予め測定された希釈液のみの吸光度とを比較し、ヘモグロビン値を算出するようになっている。
IMI検出部24は、検体中の幼若球の出現度合いをRF/DC検出法により測定することが可能である。図7は、IMI検出部24の構成を示す模式図である。IMI検出部24は、検出器チャンバ24aと、吸引チャンバ24bと、電極24c,24dに接続された直流電流供給回路24eと、電極24c,24dに接続された高周波電流供給回路24fとを有している。検出器チャンバ24aには、試料供給部によって吸引定量され、また所定倍率で希釈された血液試料が供給されるようになっている。また、検出器チャンバ24aと、吸引チャンバ24bとは隣接しており、両チャンバ24a,24bはアパーチャ24gを介して連通している。吸引チャンバ24bは、図示しないポンプに連通されており、このポンプによって希釈試料が吸引されるようになっている。吸引された希釈試料は、検出器チャンバ24aからアパーチャ24gを通って吸引チャンバ24bに流入する。また、電極24cは、検出器チャンバ24a内に設けられており、電極24dは、吸引チャンバ24b内に設けられている。直流電流供給回路24eは、抵抗24hと直流電源24iとが直列接続された回路であり、電極24c,24d間に直流電流を供給するようになっている。したがって、希釈試料が前記ポンプで吸引されているときには、この希釈試料に含まれる血球がアパーチャ24gを通過し、このときに電極24c,24d間の直流抵抗が変化することとなる。直流電流供給回路24eからは、この直流抵抗の変化を示す電気信号が制御部25に出力される。この直流抵抗の変化はアパーチャ24gを通過した血球の大きさ情報を反映しており、制御部25は、この電気信号を信号処理することによって、血球の大きさを得ることができるようになっている。
また、高周波電流供給回路24fは、コンデンサ24jと高周波電源24kとが直列接続された回路であり、電極24c,24d間に高周波電流を供給するようになっている。したがって、希釈試料が前記ポンプで吸引されているときには、この希釈試料に含まれる血球がアパーチャ24gを通過し、このときに電極24c,24d間の高周波抵抗が変化することとなる。高周波電流供給回路24fからは、この高周波抵抗の変化を示す電気信号が制御部25に出力される。この高周波抵抗の変化はアパーチャ24gを通過した血球の内部密度情報を反映しており、制御部25は、この電気信号を信号処理することによって、血球の内部密度を得ることができるようになっている。
次に、データ処理装置3の構成について説明する。図8は、本発明の実施の形態1に係る血球分析装置2a,2b用のデータ処理装置3の構成を示すブロック図である。データ処理装置3は、本体31と、画像表示部32と、入力部33とから主として構成されたコンピュータ3aによって構成されている。本体31は、CPU31aと、ROM31bと、RAM31cと、ハードディスク31dと、読出装置31eと、入出力インタフェース31fと、通信インタフェース31gと、画像出力インタフェース31hとから主として構成されており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、および画像出力インタフェース31hは、バス31iによって接続されている。
CPU31aは、ROM31bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM31cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム34aを当該CPU31aが実行することにより、コンピュータ3aがデータ処理装置3として機能する。
ROM31bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU31aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
RAM31cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM31cは、ROM31bおよびハードディスク31dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31aの作業領域として利用される。
ハードディスク31dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述するアプリケーションプログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34から本発明に係るアプリケーションプログラム34aを読み出し、当該アプリケーションプログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
なお、前記アプリケーションプログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記アプリケーションプログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態1に係るアプリケーションプログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
図9は、本発明の実施の形態1に係る血球分析装置2a,2b用のアプリケーションプログラム34aの構成を示す模式図である。アプリケーションプログラム34aは、プレゼンテーション層34bと、ビジネスロジック層34cと、データアクセス層34dとを有する3階層アーキテクチャとなっている。プレゼンテーション層34bは、アプリケーションプログラム34aにおけるユーザインタフェース部及び通信部に相当する階層であり、かかるプレゼンテーション層34bには、当該アプリケーションプログラム34aのウィンドウにおける基本的なパーツの表示を実行するための基本表示モジュール35a、血球分析装置2a,2bによる測定結果を画像表示部32に表示するための測定結果表示モジュール35b、検体が異常であること、又は異常の疑いがあることを示すIPメッセージを表示するためのIPメッセージ表示モジュール35c、精度管理画面を表示するための精度管理図チャート表示モジュール35d、及び血球分析装置2a,2bと通信するための通信モジュール35e等が属している。
また、ビジネスロジック層34cは、アプリケーションプログラム34aにおけるデータの処理、加工部に相当する階層であり、かかるビジネスロジック層34cには、データの単位換算を行う単位換算モジュール、精度管理用グラフを表示するためのデータを作成する精度管理グラフ表示用データ作成モジュール等を含む各機種共通の共通ロジックモジュール35f、及び血球分析装置固有のデータ処理を実行するための血球分析ロジックモジュール35g等が属している。
また、データアクセス層34dは、アプリケーションプログラム34aにおけるデータアクセス部に相当する階層であり、かかるデータアクセス層34dには、後述するデータベースDB21,DB22にアクセスするためのデータベースアクセスモジュール35hが属している。これらのプログラムモジュール35a〜35hは、アプリケーションプログラムのコンポーネントであり、実行形式ファイル又はダイナミックリンクライブラリに含まれている。また、ここでは、アプリケーションプログラム34aを構成するプログラムモジュールとして、上記のプログラムモジュール35a〜35hのみを記載しているが、これは説明を簡略化するために代表的なプログラムモジュールのみを示したものであって、実際にはこれら以外のプログラムモジュールも存在する。
ここで、基本表示モジュール35a、精度管理図チャート表示モジュール35d、共通ロジックモジュール35f、及びデータベースアクセスモジュール35hは、血液凝固測定装置用のアプリケーションプログラムと共用のプログラムモジュール(以下、共通モジュールという)であり、これに対して、測定結果表示モジュール35b、IPメッセージ表示モジュール35c、通信モジュール35e、及び血球分析ロジックモジュール35gは、血球分析装置用のアプリケーションプログラム特有のプログラムモジュール(以下、機種依存モジュールという)である。図10は、ハードディスク31dにおける共通モジュールおよび機種依存モジュールの格納状態を示す模式図である。図10に示すように、基本表示モジュール35a、精度管理図チャート表示モジュール35d、共通ロジックモジュール35f、及びデータベースアクセスモジュール35hは、一つのダイナミックリンクライブラリ35iに格納されている。また、測定結果表示モジュール35b、IPメッセージ表示モジュール35c、通信モジュール35e、及び血球分析ロジックモジュール35gは、もう一つのダイナミックリンクライブラリ35jに格納されている。即ち、共通モジュールと機種依存モジュールとは別々のダイナミックリンクライブラリ35i,35jに格納され、これらのダイナミックリンクライブラリ35i,35jがハードディスク31dに保存されている。このように共通モジュールと機種依存モジュールとが別々のファイル(ダイナミックリンクライブラリ)に格納されているので、共通モジュールについてはコンパイル、リンクの処理を行わずにバイナリデータであるダイナミックリンクライブラリの形式のまま他のアプリケーションプログラムに利用することができ、利便性、開発効率が向上する。なお、共通モジュールは、本実施の形態で説明したように一つのダイナミックリンクライブラリ35iに格納されていてもよいが、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよい。同様に、機種依存モジュールは、本実施の形態で説明したように一つのダイナミックリンクライブラリ35jに格納されていてもよいが、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよい。
また、上述したようにアプリケーションプログラム34aは、プレゼンテーション層34b、ビジネスロジック層34c、およびデータアクセス層34dによって3階層に構成されており、プレゼンテーション層34bは、各測定装置によって異なるプログラムモジュールが多く属し、ビジネスロジック層34cは、測定原理が同一であって種類の異なる測定装置(例えば、血球分析装置の上位機種および下位機種)では共用するが、測定原理の異なる測定装置(例えば、血球分析装置および血液凝固測定装置)では共用することができないプログラムモジュールが多く属し、また、データアクセス層34dは、測定原理の異同を問わず、多種類の測定装置間で共用するプログラムモジュールが多く属するようになっている。このように、かかる階層はアプリケーションプログラムの部品の共用化のレベルに応じて分かれており、プログラムモジュールが共用化レベルで切り分けられているため、多機種間で効率的にプログラムモジュールを共用することができ、多機種のアプリケーションプログラムの開発をより一層効率化することが可能となる。
また、ハードディスク31dには、データベースDB21,DB22がインストールされている。データベースDB21は、検体番号及び血球分析装置2a,2bの測定結果データを互いに対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。血球分析装置2a,2bの測定によって得られた測定結果データは、アプリケーションプログラム34aによってこのデータベースDB21に格納されるようになっている。また、アプリケーションプログラム34aは、データベースDB21にアクセスして、過去の測定結果データを読み出し、画像表示部32に表示させることが可能である。
データベースDB22は、アプリケーションプログラム34a及び血球分析装置2a,2bの設定値を格納するためのデータベースである。かかるデータベースDB22は、各種の設定データを互いに対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。アプリケーションプログラム34aは、複数のユーザによって使用されるマルチユーザ型のソフトウェアであり、ユーザ毎にアプリケーションプログラム34aの機能の使用権限を設定することができたり、ユーザ毎に異なる表示形式を設定することができるようになっている。したがって、このようなユーザ毎の設定値等が、データベースDB22に保存され、アプリケーションプログラム34aは、起動時にデータベースDB22の設定データを読み出し、これによりユーザ毎の設定に合わせた動作を実現している。
アプリケーションプログラム34aは、起動時にデータベースDB22から設定データを読み出し、これらの設定データによってデータツリーTを構成する。図11及び図12は、データツリーTの一例を示す概念図である。データベースDB22は、アプリケーションプログラム34a及び血球分析装置2a,2bの設定データが格納されており、アプリケーションプログラム34aからは、設定データの読み出し、及び設定データの更新のためにアクセスされる。例えば、「項目“HGB”の表示単位は“g/dL”である。」という設定内容は、設定条件を示す第1データ“項目=HGB”と、設定項目と設定値とが互いに関連づけられた第2データ“表示単位=g/dL”とを含むデータセット(設定データ)で与えられる。また、「ユーザ名“Admin”はデータ変更権限を有する。」という設定内容は、設定条件を示す第1データ“ユーザ名=Admin”と、設定項目と設定値とが互いに関連づけられた第2データ“データ変更権限=有”とを含むデータセットで与えられ、「ユーザ名“User1”はデータ変更権限を有さない。」という設定内容は、第1データ“ユーザ名=User1”と、第2データ“データ変更権限=無”とを含むデータセットで与えられる。夫々のデータセットは、このように複数のデータ(第1データ、第2データ)を含んでおり、同一のデータセットに含まれるデータ郡は、互いに関連付けられてデータベースDB22に格納される。
ここで、アプリケーションプログラム34aによってデータベースDB22を使用する場合の動作について説明する。図13は、アプリケーションプログラム34aによる設定動作の流れを示すフローチャートである。ユーザがデータ処理装置3の画像表示部32の画面に表示されたアイコンをマウスでダブルクリックする等、アプリケーションプログラム34aの動作開始の指示をデータ処理装置3に入力した場合には、CPU31aは、この動作開始指示を受け付けて、アプリケーションプログラム34aを起動する(ステップS101)。次にCPU31aは、データベースDB22から設定データ(データセット)を読み出し(ステップS102)、かかる設定データを加工する(ステップS103)。上述したように、各設定データは、設定条件を示す第1データと、設定項目と設定値とが互いに関連づけられた第2データとを含んでいる。このステップS103の処理では、かかるデータセットを、「設定項目」、「設定条件」、及び「設定値」に分解する加工を行う。つまり、“項目=HGB”、“表示単位=g/dL”のデータセットは、「設定項目」としてのデータ“表示単位”と、「設定条件」としてのデータ“項目=HGB”と、「設定値」としてのデータ“g/dL”とに加工される。同様に、“ユーザ名=Admin”、“データ変更権限=有”のデータセットは、「設定項目」としてのデータ“データ変更権限”と、「設定条件」としてのデータ“ユーザ名=Admin”と、「設定値」としてのデータ“有”とに加工され、“ユーザ名=User1”、“データ変更権限=無”のデータセットは、「設定項目」としてのデータ“データ変更権限”と、「設定条件」としてのデータ“ユーザ名=User1”と、「設定値」としてのデータ“無”とに加工される。加工後のデータは、CPU31aによってRAM31cに構成されたハッシュテーブルにセットされ(ステップS104)、これによって図11に示すようなデータツリーT1,T2が構成される。アプリケーションプログラム34aのデータベースアクセスモジュール35hは、かかるデータツリーT1,T2にアクセスして、例えば、“表示単位”、“項目=HGB”、“g/dL”の順に探索して、「設定項目」が“表示単位”であり、「設定条件」が“項目=HGB”である設定値データ“g/dL”を取得することができる。こうして、アプリケーションプログラム34aの設定動作が完了する。
ここで、図11に示した例から、「ユーザ毎に各項目の表示単位を変更可能」とするようにアプリケーションプログラム34aの仕様を変更する場合について説明する。例えば、上記例から「ユーザ名“Admin”における表示項目“HGB”の表示単位は“g/dL”である。」という設定内容に夫々変更された場合、与えられるデータセットは、設定条件を示す第1データである“ユーザ名=Admin”及び“項目=HGB”と、設定項目と設定値とが互いに関連づけられた第2データである“表示単位=g/dL”とを含んでおり、「ユーザ名“User1”における表示項目“HGB”の表示単位は“g/L”である。」という設定内容に夫々変更された場合、与えられるデータセットは、第1データである“ユーザ名=User1”及び“項目=HGB”と、第2データである“表示単位=g/L”とを含んでいる。そして、アプリケーションプログラム34aが起動した場合には、“ユーザ名=Admin”、“項目=HGB”、“表示単位=g/dL”のデータセットは、「設定項目」としてのデータ“表示単位”と、「設定条件」としてのデータ“ユーザ名=Admin”及び“項目=HGB”と、「設定値」としてのデータ“g/dL”とに加工される。同様に、“ユーザ名=User1”、“項目=HGB”、“表示単位=g/L”のデータセットは、「設定項目」としてのデータ“表示単位”と、「設定条件」としてのデータ“ユーザ名=User1”及び“項目=HGB”と、「設定値」としてのデータ“g/L”とに加工される。加工後のデータは、ハッシュテーブルにセットされ、これによって図12に示すようなデータツリーT11,T2が構成されることとなる。このように、ルートノードを「設定項目」とし、中間ノードを「設定条件」とし、リーフノードを「設定値」としたツリーに設定データを展開することとしたので、「設定項目」毎に独立したデータツリーが構成されることとなる。例えば、「設定項目」が“表示単位”のデータツリーT11と、「設定項目」が“データ変更権限”のデータツリーT2は別々に構成されることとなる。したがって、上述したようにアプリケーションプログラム34aの“表示単位”の設定仕様が変更された場合には、「設定項目」が“表示単位”のデータツリーT1はデータツリーT11へと変更されるが、その変更は“データ変更権限”のデータツリーT2には影響を及ぼさない(図12参照)。したがって、アプリケーションプログラム34aのバージョンアップ等により、一部の設定仕様を変更する場合には、アプリケーションプログラム34aのうち、変更されるデータツリーに関する部分のみを変更すればよく、開発工数を抑制することができる。また、かかる変更後のデータツリーT11は、データベースの構造自体は変更されないので、データベースアクセスモジュール35hを何ら変更しなくても、アプリケーションプログラム34aからアクセスすることが可能である。したがって、このように、設定値の仕様を変更した場合にも、アプリケーションプログラム34aの変更を最小限に抑えることができ、利便性、開発効率が向上する。
入出力インタフェース31fは、例えばUSB,IEEE1394,RS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,IEEE1284等のパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース31fには、キーボードおよびマウスからなる入力部33が接続されており、ユーザが当該入力部33を使用することにより、コンピュータ3aにデータを入力することが可能である。
通信インタフェース31gは、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、データ処理装置3は、当該通信インタフェース31gにより、所定の通信プロトコルを使用して通信ネットワークNWに接続された血球分析装置2a,2b、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置5,6、及びデータベースサーバ7の夫々との間でデータの送受信が可能である。
画像出力インタフェース31hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部32に接続されており、CPU31aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部32に出力するようになっている。画像表示部32は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
次に、血液凝固測定装置4a,4bの構成について説明する。図14は、血液凝固測定装置4a(4b)の構成を示すブロック図である。血液凝固測定装置4a(4b)は、測定部41と、制御部42と、通信部45とを主要な構成要素として構成されている。制御部42は、CPU,ROM,RAM等から構成されており、血液凝固測定装置4aの各種構成要素の動作制御を行うようになっている。通信部45は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、データ処理装置3,5,6との間でデータの送受信を行うことが可能である。
測定部41は、発光ダイオード41aと、ハロゲンランプ41bと、光学フィルタ41cと、光ファイバ41dと、フォトダイオード41e,41fとを有しており(図15及び図16参照)、また図示しないヒータを有している。かかる測定部41は、生物活性法を利用して血液の凝固時間を測定することが可能であり、また、合成基質法を利用して、血漿に特定の試薬及び発色性合成基質を添加したときの吸光度変化量を測定することが可能であり、また、免疫比濁法を利用して、血漿又は血清に安定化試薬及び抗体感作試薬を添加したときの吸光度変化量を測定することが可能であるように構成されている。
図15は、生物活性法による測定原理を説明するための模式図である。図15に示すように、測定部41では、発光ダイオード41aが試料を収容するキュベット41gへ向けて発光するように配置されている。また、キュベット41gの側方には、受光面がキュベット41gへと向けられてフォトダイオード41eが配置されており、このフォトダイオード41eの受光光軸方向は、発光ダイオード41aの発光光軸に対して水平方向に約90度をなしている。発光ダイオード41aは、約660nmの波長の光を発するようになっている。定量された血漿がキュベット41gに収容され、一定時間ヒータによって加温された後、凝固試薬が添加される。この後、発光ダイオード41aから試料へ向けて光が照射され、試料による散乱光がフォトダイオード41eで受光される。この受光量は、試料の濁度を表しており、試薬を添加した直後の試料は散乱光が弱く(濁度が低く)、受光量の変化はほとんどないが、反応が進むにつれて試料中にフィブリン塊が形成され始め、それに伴って試料が白濁して散乱光が急速に増加する。凝固反応が終了すると散乱光の増加はなくなり、一定の受光レベルになる。フォトダイオード41eは、受光量に応じた電気信号を出力するようになっており、この電気信号が制御部42に与えられるようになっている。制御部42では、この受光量データから試料の凝固時間を算出するようになっており、また、この凝固時間から特定の血液成分の濃度又は活性パーセントを演算することができるようになっている。
図16は、合成基質法及び免疫比濁法による測定原理を説明するための模式図である。図16に示すように、測定部41では、ハロゲンランプ41bがキュベット41gへ向けて発光するように配置されている。ハロゲンランプ41bとキュベット41gとの間には、光学フィルタ41cと光ファイバ41dとが配されており、ハロゲンランプ41bから照射された光が光学フィルタ41cによって800nm、575nm、405nmの3つの波長に分光され、分光された光が光ファイバ41dを通じて試料に照射されるようになっている。キュベット41gに対向するようにフォトダイオード41fが配置されており、試料を透過した光はこのフォトダイオード41fに到達し、フォトダイオード41fが受光を電気信号へ変換して制御部42へ出力するようになっている。制御部42は、この受光量データから吸光度変化量を算出し、また、前記吸光度変化量、及び吸光度変化量と特定の血液成分の濃度又は活性パーセントとの関係を示す検量線に基づいて、特定の血液成分の濃度又は活性パーセントを演算することができるようになっている。ATIII(アンチトロンビンIII)、α2PI(α2−アンチプラスミン)等を合成基質法により測定する場合には、血漿を一定時間ヒータにより加温した後に、発色性合成基質を添加し、405nmの光を照射して、このときの吸光度変化を測定する。また、FDP(フィブリン分解産物)、D−Dダイマー等を免疫比濁法により測定する場合には、試料(血漿又は血清)を一定時間ヒータにより加温した後に、安定化試薬、抗体感作試薬を添加し、575nm又は800nmの光を照射して、このときの吸光度変化を測定する。
次に、データ処理装置5の構成について説明する。図17は、本発明の実施の形態1に係る血液凝固測定装置4a,4b用のデータ処理装置5の構成を示すブロック図である。図17に示すように、データ処理装置5は、本体51と、画像表示部52と、入力部53とから主として構成されたコンピュータ5aによって構成されている。本体51は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hの構成は、上述したCPU31a、ROM31b、RAM31c、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hの構成と同様であるので、その説明を省略する。
読出装置51eによってデータの読み出しが可能な可搬型記録媒体54には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム54aが格納されており、コンピュータ5aが当該可搬型記録媒体54から本発明に係るアプリケーションプログラム54aを読み出し、当該アプリケーションプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。なお、前述したアプリケーションプログラム34aと同様に、アプリケーションプログラム54aは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ5aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。
ハードディスク51dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステム、及びアプリケーションプログラム54aがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態1に係るアプリケーションプログラム54aは前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
図18は、本発明の実施の形態1に係る血液凝固測定装置4a,4b用のアプリケーションプログラム54aの構成を示す模式図である。アプリケーションプログラム54aは、アプリケーションプログラム34aと同様に、プレゼンテーション層54bと、ビジネスロジック層54cと、データアクセス層54dとを有する3階層アーキテクチャとなっている。プレゼンテーション層54bは、アプリケーションプログラム54aにおけるユーザインタフェース部及び通信部に相当する階層であり、かかるプレゼンテーション層54bには、当該アプリケーションプログラム54aのウィンドウにおける基本的なパーツの表示を実行するための基本表示モジュール35a、血液凝固測定装置4a,4bによる測定結果を画像表示部52に表示するための測定結果表示モジュール55b、測定結果の演算に用いられる検量線を表示するための検量線表示モジュール55c、精度管理画面を表示するための精度管理図チャート表示モジュール35d、及び血液凝固測定装置4a,4bと通信するための通信モジュール55e等が属している。
また、ビジネスロジック層54cは、アプリケーションプログラム54aにおけるデータの処理、加工部に相当する階層であり、かかるビジネスロジック層54cには、データの単位換算を行う単位換算モジュール、精度管理用グラフを表示するためのデータを作成する精度管理グラフ表示用データ作成モジュール等を含む各機種共通の共通ロジックモジュール35f、及び血液凝固測定装置固有のデータ処理を実行するための血液凝固測定ロジックモジュール55g等が属している。
また、データアクセス層54dは、アプリケーションプログラム54aにおけるデータアクセス部に相当する階層であり、かかるデータアクセス層54dには、後述するデータベースDB41,DB42にアクセスするためのデータベースアクセスモジュール35hが属している。これらのプログラムモジュール35a,35d,35f,35h,55b,55c,55e,55gは、アプリケーションプログラムのコンポーネントであり、実行形式ファイル又はダイナミックリンクライブラリに含まれている。また、ここでは、アプリケーションプログラム54aを構成するプログラムモジュールとして、上記のプログラムモジュール35a,35d,35f,35h,55b,55c,55e,55gのみを記載しているが、これは説明を簡略化するために代表的なプログラムモジュールのみを示したものであって、実際にはこれら以外のプログラムモジュールも存在する。
上述したように、基本表示モジュール35a、精度管理図チャート表示モジュール35d、共通ロジックモジュール35f、及びデータベースアクセスモジュール35hは、血球分析装置用のアプリケーションプログラムと共用の共通モジュールであり、これに対して、測定結果表示モジュール55b、検量線表示モジュール55c、通信モジュール55e、及び血液凝固測定ロジックモジュール55gは、血液凝固測定装置用のアプリケーションプログラム特有の機種依存モジュールである。
また、上述したアプリケーションプログラム34aと同様に、アプリケーションプログラム54aの共通モジュールと機種依存モジュールとは別々のダイナミックリンクライブラリに格納されている。また、アプリケーションプログラム54aの共通モジュールは、1つのダイナミックリンクライブラリ35iに格納されており、機種依存モジュールは、他の1つのダイナミックリンクライブラリに格納されている(図示せず)。また、共通モジュールのダイナミックリンクライブラリは、血球分析装置用のアプリケーションプログラム34aのダイナミックリンクライブラリ35iと同一のものである。これにより、ダイナミックリンクライブラリ35iは、新たに開発する必要はなく、アプリケーションプログラム34aのダイナミックリンクライブラリ35iのコピーをハードディスク51d内の所定の格納場所(ディレクトリ)に格納するだけで、アプリケーションプログラム54aに流用することができる。なお、共通モジュールは、一つのダイナミックリンクライブラリに格納されていてもよいし、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよく、また機種依存モジュールは、一つのダイナミックリンクライブラリに格納されていてもよいし、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよい。
また、ハードディスク51dには、データベースDB41,DB42がインストールされている。データベースDB41は、検体番号及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果データを互いに対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。このデータベースDB41は、データベースDB21と同様のスキーマで構成されており、血液凝固測定装置4a,4bの測定によって得られた測定結果データは、アプリケーションプログラム54aによってこのデータベースDB41に格納されるようになっている。また、アプリケーションプログラム54aは、データベースDB41にアクセスして、過去の測定結果データを読み出し、画像表示部52に表示させることが可能である。
データベースDB42は、アプリケーションプログラム54aの設定データを格納するためのリレーショナルデータベースである。このデータベースDB42に格納された設定データは、アプリケーションプログラム54aの動作時にCPU51aによって読み出され、データベースDB22の場合と同様に「設定項目」、「設定条件」、及び「設定値」のデータに加工される。そして、加工された各データによって設定用のデータツリーが構成され、このデータツリーによって表現された設定内容がアプリケーションプログラム54aの動作時に反映される。かかるデータツリーの構造は、アプリケーションプログラム34aによって使用されるデータツリーt1,t2,t11の構造と同様であるので、その説明を省略する。
次に、データ処理装置6の構成について説明する。図19は、本発明の実施の形態1に係る血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果参照用のデータ処理装置6の構成を示すブロック図である。図19に示すように、データ処理装置6は、本体61と、画像表示部62と、入力部63とから主として構成されたコンピュータ6aによって構成されている。本体61は、CPU61aと、ROM61bと、RAM61cと、ハードディスク61dと、読出装置61eと、入出力インタフェース61fと、通信インタフェース61gと、画像出力インタフェース61hとから主として構成されており、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、および画像出力インタフェース61hは、バス61iによって接続されている。CPU61a、ROM61b、RAM61c、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、及び画像出力インタフェース61hの構成は、上述したCPU31a、ROM31b、RAM31c、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hの構成と同様であるので、その説明を省略する。
読出装置61eによってデータの読み出しが可能な可搬型記録媒体64には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム64aが格納されており、コンピュータ6aが当該可搬型記録媒体64から本発明に係るアプリケーションプログラム64aを読み出し、当該アプリケーションプログラム64aをハードディスク61dにインストールすることが可能である。なお、前述したアプリケーションプログラム34aと同様に、アプリケーションプログラム64aは、可搬型記録媒体64によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ6aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。
ハードディスク61dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステム、及びアプリケーションプログラム64aがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態1に係るアプリケーションプログラム64aは前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
図20は、本発明の実施の形態1に係る血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果参照用のアプリケーションプログラム64aの構成を示す模式図である。アプリケーションプログラム64aは、アプリケーションプログラム34aと同様に、プレゼンテーション層64bと、ビジネスロジック層64cと、データアクセス層64dとを有する3階層アーキテクチャとなっている。プレゼンテーション層64bは、アプリケーションプログラム64aにおけるユーザインタフェース部及び通信部に相当する階層であり、かかるプレゼンテーション層64bには、当該アプリケーションプログラム64aのウィンドウにおける基本的なパーツの表示を実行するための基本表示モジュール35a、血球分析装置2a,2bによる測定結果を画像表示部62に表示するための測定結果表示モジュール35b、血液凝固測定装置4a,4bによる測定結果を画像表示部62に表示するための測定結果表示モジュール55b、血球分析装置2a,2bの検体が異常であること、又は異常の疑いがあることを示すIPメッセージを表示するためのIPメッセージ表示モジュール35c、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果の演算に用いられる検量線を表示するための検量線表示モジュール55c、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの精度管理画面を表示するための精度管理図チャート表示モジュール35d、血球分析装置2a,2bと通信するための通信モジュール35e、及び血液凝固測定装置4a,4bと通信するための通信モジュール55e等が属している。
また、ビジネスロジック層64cは、アプリケーションプログラム64aにおけるデータの処理、加工部に相当する階層であり、かかるビジネスロジック層64cには、データの単位換算を行う単位換算モジュール、精度管理用グラフを表示するためのデータを作成する精度管理グラフ表示用データ作成モジュール等を含む各機種共通の共通ロジックモジュール35f、血球分析装置固有のデータ処理を実行するための血球分析ロジックモジュール35g、及び血液凝固測定装置固有のデータ処理を実行するための血液凝固測定ロジックモジュール55g等が属している。
また、データアクセス層64dは、アプリケーションプログラム64aにおけるデータアクセス部に相当する階層であり、かかるデータアクセス層64dには、データベースDB21,DB22,DB41,DB42にアクセスするためのデータベースアクセスモジュール35hが属している。これらのプログラムモジュール35a,35b,35c,35d,35e,35f,35g,35h,55b,55c,55e,55gは、アプリケーションプログラムのコンポーネントであり、実行形式ファイル又はダイナミックリンクライブラリに含まれている。また、ここでは、アプリケーションプログラム64aを構成するプログラムモジュールとして、上記のプログラムモジュール35a,35b,35c,35d,35e,35f,35g,35h,55b,55c,55e,55gのみを記載しているが、これは説明を簡略化するために代表的なプログラムモジュールのみを示したものであって、実際にはこれら以外のプログラムモジュールも存在する。
基本表示モジュール35a、精度管理図チャート表示モジュール35d、共通ロジックモジュール35f、及びデータベースアクセスモジュール35hは、血球分析装置用のアプリケーションプログラム34a及び血液凝固測定装置用のアプリケーションプログラム54aと共用の共通モジュールであり、測定結果表示モジュール35b、IPメッセージ表示モジュール35c、通信モジュール35e、及び血球分析ロジックモジュール35gは、血球分析装置用のアプリケーションプログラム34aと共通のプログラムモジュールである。また、測定結果表示モジュール55b、検量線表示モジュール55c、通信モジュール55e、血液凝固測定ロジックモジュール55gは、血液凝固測定装置用のアプリケーションプログラム54aと共通のプログラムモジュールである。
また、上述したアプリケーションプログラム34a,54aと同様に、共通モジュールは、一つのダイナミックリンクライブラリに格納されていてもよいし、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよく、また機種依存モジュールは、一つのダイナミックリンクライブラリに格納されていてもよいし、複数のダイナミックリンクライブラリに分割して格納されていてもよいが、共通モジュールと機種依存モジュールとは別々のダイナミックリンクライブラリに格納されていることが好ましい。
また、ハードディスク61dには、データベースDB21,DB22,DB41,DB42がインストールされている。ハードディスク61dにインストールされているデータベースDB21,DB22は、上述したデータ処理装置3に設けられたデータベースDB21,DB22と同一の内容のデータベースであり、ハードディスク61dにインストールされているデータベースDB41,DB42は、上述したデータ処理装置5に設けられたデータベースDB41,DB42と同一の内容のデータベースである。これらのデータベースDB21,DB22,DB41,DB42は、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの機能によってデータ処理装置3,5に設けられたデータベースDB21,DB22,DB41,DB42とリアルタイムで同期が取られるようになっている。これにより、故障等によってデータ処理装置3に障害が発生した場合にも、データ処理装置6を用いて血球分析装置2a,2bのデータ処理を行うことが可能であり、またデータ処理装置5に障害が発生した場合にも、同様にデータ処理装置6を用いて血液凝固測定装置4a,4bのデータ処理を行うことが可能である。
データベースサーバ7は、コンピュータによって構成されており、ハードディスク等によって構成された記憶装置には、過去に実施した検査に関する情報のデータベースが設けられている。このデータベースはリレーショナルデータベースであり、検査日、検体番号、患者ID、血球分析装置による測定結果、血液凝固測定装置による測定結果、患者名、生年月日、性別、年齢、血液型、病棟、担当医、検体コメント、患者コメント等のデータが互いに関連付けて格納されている。データ処理装置3,5,6は、このデータベースサーバ7にアクセスし、検体番号等に対応付けて測定結果のデータをデータベースから取得し、又はデータベースに登録することが可能である。
次に、本実施の形態1に係る分析システム1の動作について説明する。分析システム1では、ユーザがデータ処理装置3を使用して、血球分析装置2a,2bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2bでの測定結果を表示することが可能である。また、ユーザがデータ処理装置5を使用して、血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することが可能である。更に、ユーザがデータ処理装置6を使用して、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することも可能である。各データ処理装置3,5,6は、どのようなユーザが使用することも可能であるが、例えば、データ処理装置3は、血球分析装置2a,2bを使用するオペレータ、血液検体の血球分析検査を行う検査技師、検査を実施し、又は検査結果を確認、もしくは使用する検査医等が使用することができ、データ処理装置5は、血液凝固測定装置4a,4bを使用するオペレータ、血液検体の血液凝固検査を行う検査技師、検査を実施し、又は検査結果を確認、もしくは使用する検査医等が使用することができ、またデータ処理装置6は、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全てデータを参照することが可能な管理者(技師長等)が使用することができるように、ユーザ権限を設定してもよい。また、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bのサポート技術者には、全てのデータ処理装置3,5,6の使用及び設定を行うことができるようなユーザ権限が設定される。
まず、血球分析装置2a,2bのオペレータであるユーザが、データ処理装置3を使用して血球分析装置2a,2bを動作させ、検体を測定する場合の分析システム1の動作について説明する。図21〜図23は、データ処理装置3を使用して血球分析装置2a,2bを動作させ、検体を測定する場合のアプリケーションプログラム34aの処理手順を示すフローチャートである。まず、オペレータは、アプリケーションプログラム34aを起動する。コンピュータ3aのCPU31aは、画像表示部32にログオンウィンドウを表示させる(ステップS1)。このログオンウィンドウには、ログオンID及びパスワードを夫々入力するための入力エリアが設けられており、ユーザはこの入力エリアにカーソルを移動させ、ログオンID及びパスワードを入力する(図示せず)。CPU31aは、このようなログオンID及びパスワードの入力を受け付けた場合には(ステップS2においてYes)、ハードディスク31dに格納されたアプリケーションプログラム34aのユーザ認証用のデータベース(図示せず)を参照して、ログオンID及びパスワードが登録されたアカウントのものであるか否か、アカウントが有効であるか否か、及び有効期限が満了しているか否かを判別することにより、ユーザ認証を行う(ステップS3)。ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS3においてNo)、CPU31aは、ステップS1へと処理を戻す。ステップS3において、ユーザ認証が成功した場合には(ステップS3においてYes)、CPU31aは、画像表示部32に初期ウィンドウ81を表示させる(ステップS4)。このステップS4の初期ウィンドウ81の表示処理は、主として基本表示モジュール35aの機能である。
図24は、初期ウィンドウ81の構成を示す模式図である。図24に示すように、初期ウィンドウ81は、ウィンドウ最上部に設けられたタイトル表示領域81aと、タイトル表示領域81aの下方に設けられたメニューバー81bと、メニューバー81bの下方に設けられたツールバー81cと、ツールバー81cの下方に設けられたウィンドウ表示領域81dとを有している。タイトル表示領域81aには、装置名称、表示ウィンドウ名称、記憶検体数等が表示される。メニューバー81bには、「ファイル」、「編集」、「表示」、「データ操作」、「実行」、「出力」、「設定」、「ウィンドウ」、「ヘルプ」の各メニューが表示される。夫々のメニューにはサブメニューが設けられており、メニュー上にマウスポインタを位置させ、マウスの左ボタンをクリック(以下、左クリックという)することにより、当該メニューに対応するサブメニューがプルダウン表示されるようになっている。メニューには、ユーザのアクセス権限等によって使用不可能なものもあり、このようなメニューは淡色(灰色)表示されるようになっている。なお、使用可能なメニューは黒色表示される。
また、ツールバー81cには、複数のボタンが横に並べられて表示される。これらのボタンは、メニューからプルダウン表示されるサブメニューの中から、比較的使用頻度が高いものに対応付けられており、ツールバー81cのボタンを左クリックすることにより、サブメニューをすばやく実行することができるようになっている。
ウィンドウ表示領域81dには、各種の処理及び操作を行うためのウィンドウが表示される。図24に示すように、初期ウィンドウ81では、ウィンドウ表示領域81dにメニューウィンドウ81eが表示される。このメニューウィンドウ81eには、複数のボタンが表示される。これらのボタンは、使用頻度が比較的高いサブメニューに対応しており、ボタンを左クリックすることにより、対応するサブメニューを実行し、目的とするウィンドウを開くことが可能である。このボタンは、ユーザによって自由に追加、削除されることが可能となっている。また、ウィンドウ表示領域81dに表示されるウィンドウの上端には、タブが設けられている。このタブには、ウィンドウの名称が表示される。ウィンドウ表示領域81dに複数のウィンドウが存在する場合には、このタブを選択することでアクティブなウィンドウ(最前面に表示されるウィンドウ)を変更することができる。このように、複数のウィンドウをウィンドウ表示領域81dに表示させることによって、複数の処理又は操作を並行して実行することが可能である。
データ処理装置3は、この状態でユーザからの指示入力を待機する。ここでユーザがメニューウィンドウ81eのボタンを左クリックしたり、ツールバー81cのボタンを左クリックしたり、又は血球分析装置2aの動作を開始させることによって、夫々に対応する処理を実行することができる。このように、ここでの処理はイベントドリブン型の処理であり、この状態からは、ユーザの指示に応じて実行する処理が異なることとなるが、ここでは説明を簡単にするために、メニューウィンドウ81e内の測定登録ボタン81fが左クリックされた場合の動作についてのみ述べる。CPU31aは、測定登録ボタン81fが左クリックされた場合には(ステップS5においてYes)、測定登録ウィンドウ82を表示する(ステップS6)。
図25は、測定登録ウィンドウ82の構成を示す模式図である。図25に示すように、測定登録ウィンドウ82は、ウィンドウ上部に設けられた測定項目グループ選択ボックス82aと、後述する測定選択項目テーブル82bを表示する測定選択項目テーブル表示領域82cと、後述する測定項目リスト82dを表示する測定項目リスト表示領域82eと、検体に関する情報を入力するための検体情報入力領域82fと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域82gと、測定選択項目を選択するための複数のボタン82h,82i,82j,82k,82m,82nが表示されるボタン表示領域82oとを有している。
測定項目グループ選択ボックス82aは、右端に表示された三角矢印ボタンを左クリックすることによって、測定項目グループのプルダウンメニューが表示されるようになっており、このプルダウンメニューからユーザが所望の測定項目グループを選択することが可能であるようになっている。測定項目グループは、データ処理装置がデータ処理対象とする測定装置毎に予め設定されており、ここでは血球分析に関する測定項目グループとして「MCC」というグループが設定されている場合について説明する。ユーザは、測定項目グループ選択ボックス82aのプルダウンメニューを表示し、その中から「MCC」を選択する。または、データ処理装置3の対象とする測定装置が血球分析装置2a,2bであることから、測定項目グループとして「MCC」がデフォルト設定されていてもよい。この場合には、ユーザが操作を行わなくても「MCC」が選択される。図21〜図23に示すフローチャートでは、説明を簡単にするために、測定項目グループのデフォルト設定で「MCC」が設定されていることとしている。
測定項目グループにMCCが選択されたときには、CPU31aは、測定選択項目テーブル82b及び測定項目リスト82dを作成して夫々測定選択項目テーブル表示領域82c及び測定項目リスト表示領域82eに表示する(ステップS7)。図25に示すように、測定選択項目テーブル82bは、検体番号フィールド82p、ラックフィールド82q、チューブフィールド82r、患者IDフィールド82s、コメントフィールド82t、CBCフィールド82u、DIFFフィールド82v、RETフィールド82w、及びNRBCフィールド82xを有している。検体番号フィールド82pには、ユーザによって入力された検体番号が表示される。ラックフィールド82q及びチューブフィールド82rには、ユーザによって入力されたラック番号及びチューブ番号が表示される。患者IDフィールド82sには、同一レコードの検体番号に対応する患者の患者IDが表示される。コメントフィールド82tには、この検体についてのコメントが入力された場合にこれが表示される。CBCフィールド82uには、対象の検体に対して、測定選択項目としてCBCが選択された場合に、丸印、黒丸印、及び黒三角印のいずれかの記号が表示される。ここで、丸印の記号は、この測定選択項目(CBC)が未測定であることを示し、黒丸印の記号は、この測定選択項目について測定済みであることを示し、黒三角印の記号は、この測定選択項目について測定中であることを示している。CBCとは、白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)、血色素量(HGB)、ヘマトクリット値(HCT)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)、血小板数(PLT)、赤血球分布幅(RDW−SD)、赤血球分布幅(RDW−CV)、血小板分布幅(PDW)、平均血小板容積(MPV)、大型血小板比率(P−LCR)、及び血小板クリット値(PCT)の測定項目のグループである。DIFFフィールド82vには、対象の検体に対して、測定選択項目としてDIFFが選択された場合に、上記記号が表示される。DIFFとは、好中球数比率(NEUT%)、リンパ球数比率(LYMPH%)、単球数比率(MONO%)、好酸球数比率(EO%)、好塩基球数比率(BASO%)、好中球数(NEUT#)、リンパ球数(LYMPH#)、単球数(MONO#)、好酸球数(EO#)、及び好塩基球数(BASO#)の測定項目のグループである。RETフィールド82wには、対象の検体に対して、測定選択項目としてRETが選択された場合に、上記記号が表示される。RETとは、網赤血球比率(RET%)、網赤血球数(RET#)、高蛍光網赤血球比率(HFR)、中蛍光網赤血球比率(MFR)、低蛍光網赤血球比率(LFR)、及び網赤血球成熟指数(IRF)の測定項目のグループである。NRBCフィールド82xには、対象の検体に対して、測定選択項目としてNRBCが選択された場合に、上記記号が表示される。NRBCとは、有核赤血球数比率(NRBC%)及び有核赤血球数(NRBC#)の測定項目のグループである。図25の例を用いて説明すると、検体番号「801−05」の検体は、CBC、DIFF、及びNRBCが測定選択項目として選択されており、このうちCBC及びNRBCは測定済みであり、DIFFは測定中であることとなる。
このような測定選択項目テーブル82bに表示されたレコードのうち、ユーザによって1つの検体番号に関する行が選択されたときには、この行が他の行とは異なる色でハイライト表示される。そして、CPU31aは、この選択された検体番号について測定項目の設定状態を測定項目リスト82dに表示する。図25に示すように、測定項目リスト82dには、血球分析における測定項目がリスト表示され、夫々の測定項目について測定対象として設定されている場合には丸印が表示されるようになっている。図25の例で説明すると、検体番号「801−04」の行が選択されており、この検体については測定選択項目としてCBCとNRBCとが設定されているので、測定項目リスト82dでは、WBC,RBC,HGB,HCT,MCV,MCH,MCHC,PLT,RDW−SD,RDW−CV,PDW,MPV,P−LCR,PCT,NRBC%,NRBC#に対して丸印が表示されることとなる。
また、検体情報入力領域82fには、入力された検体情報が表示され、患者情報表示領域82gには、この検体情報に対応する患者情報が表示される。検体情報入力領域82fには、検体番号、ラック、チューブ、及びコメントを入力するための入力ボックスが設けられており、ユーザはこれらの入力ボックスにカーソルを移動させた状態でこれらの検体情報(検体番号、ラック、チューブ、及びコメント)を入力することが可能である。これらの入力ボックスに入力された結果は測定選択項目テーブル82bに反映され、データベースDB21に該当データが登録される。また、患者情報表示領域82gには、患者ID、名字、名前、性別、生年月日、病棟、担当医、及び患者コメントを表示するための表示ボックスが設けられており、これらの表示ボックスに該当する患者の情報が表示される。ここで、検体情報がユーザによって入力されたとき場合には(ステップS8でYes)、CPU31aがデータベースサーバ7にこの検体番号を送信し、この検体番号に対応する患者情報をデータベースサーバ7に問い合わせる。データベースサーバ7は、かかる検体番号を検索キーとして患者情報を検索し、前記検体番号に対応する患者情報をデータ処理装置3へと送信する。このようにして、CPU31aは患者情報を取得する(ステップS9)。図25の例を用いて説明すると、検体番号の入力ボックスに「801−04」が、コメントの入力ボックスに「コメント」が夫々入力されている。このとき、データ処理装置3は、検体番号「801−04」を示すデータをデータベースサーバ7へと送信し、対応する患者情報を要求する。データベースサーバ7は、検体番号「801−04」を検索キーとして対応する患者情報を検索し、この結果、この検体に対応する患者情報を獲得する。データベースサーバ7は、かかる患者情報をデータ処理装置3へと送信し、データ処理装置3は、受信した患者情報である患者の患者ID「ABC12345」、名字「シスメックス」、名前「タロウ」、性別「Male」、生年月日「1943/01/15」、病棟「01」、担当医「0839」を患者情報表示領域82gの夫々対応する表示ボックスに表示させる。
また、測定項目リスト表示領域82eの右方には、ボタン82h,82i,82j,82k,82m,82nが縦に並べられて設けられている。ボタン82hは、CBCを登録するためのボタンであり、ユーザがこのボタン82hを左クリックすることにより、その時点で検体情報入力領域82fの入力ボックスに入力されている検体番号に対して、測定選択項目としてCBCが登録される。同様に、ボタン82i,82j,82k,82m,82nは、夫々CBC+DIFF,CBC+DIFF+RET,CBC+DIFF+RET+NRBC,RET,NRBCを測定選択項目として登録するためのボタンである。検体情報が入力され、患者情報が表示された状態で、更にユーザがボタン82iを左クリックした場合(ステップS10でYes)、CPU31aは、測定選択項目テーブル82bに新たな行を追加し、入力ボックスに入力された検体番号をこの行の検体番号フィールドに表示し、CBCフィールド及びDIFFフィールドに丸印を表示する(ステップS11)。また、ステップS11の処理では、測定項目リスト82dにおいて、WBC,RBC,HGB,HCT,MCV,MCH,MCHC,PLT,RDW−SD,RDW−CV,PDW,MPV,P−LCR,PCT,NEUT%,LYMPH%,MONO%,EO%,BASO%,NEUT#,LYMPH#,MONO#,EO#,BASO#に対して丸印が表示されることとなる。また、CPU31aは、データベースDB21にアクセスして、これらの検体情報、患者情報、および測定項目を登録する(ステップS12)。このようにして、新たな検体についての測定登録を行うことが可能である。
検体の測定を開始する場合、オペレータは、検体が収容された採血管をラックにセットし、このラックを血球分析装置2a(2b)の前部に設けられた搬送部にセットする。採血管には、この検体の検体番号を示すバーコードラベルが貼付されている。搬送部によって、血球分析装置2a(2b)の試料供給部(図示せず)の下方の検体供給位置に採血管がラックごと搬送され、その途中で血球分析装置2aに設けられたバーコードリーダによって前記バーコードが読み取られる。血球分析装置2aの制御部25は、このようにバーコードから読み取られた検体番号を示す検体番号データをデータ処理装置3へと送信する。CPU31aは、血球分析装置2aから検体番号データを受信した場合には(ステップS13でYes)、この検体番号について前述したような測定登録のデータが存在するか否かを判別する(ステップS14)。この処理は、データベースDB21を参照して該当する検体番号のレコードが存在するか否かを判別することによって行われる。ステップS14の処理で、この検体番号について測定登録データが存在する場合には(ステップS14でYes)、CPU31aは、データベースDB21からこの検体番号に対応する測定項目を読み出し(ステップS15)、後述するステップS18へと処理を移す。
一方、ステップS14において、この検体番号について測定登録データが存在しない場合には(ステップS14でNo)、CPU31aは、検体番号データをデータベースサーバ7へと送信し、この検体の測定項目を問い合わせる(ステップS16)。このときのデータの流れを図26を用いて説明する。図26は、測定装置へのオーダ発行までのデータの流れを示す模式図である。血球分析装置2aからの検体番号データの受信は、通信モジュール35eによって実行される。通信モジュール35eによって受信された検体番号データは、キュー83aに入れられる。キュー83aから取り出された検体番号データは、ビジネスロジック層34cのプログラムモジュール(例えば共通ロジックモジュール35f)に与えられ、このプログラムモジュールから通信モジュール35eへと送られる。そして、通信モジュール35eは、受け取った検体番号データをデータベースサーバ7へと送信し、これによって測定項目の問い合わせが行われる。
データベースサーバ7は、検体番号データを検索キーとして、この検体に対応する測定項目を検索する。検索の結果得られた測定項目は、測定項目データとして要求元のデータ処理装置3へと送信される。CPU31aは、測定項目データを受信した場合には(ステップS17でYes)、この測定項目データをRAM31cに設けられたオーダ発行用測定項目管理バッファ83bに格納する(ステップS18)。このときのデータの流れを図26を用いて説明する。データベースサーバ7からの測定項目データの受信は、通信モジュール35eによって実行される。通信モジュール35eによって受信された測定項目データは、キュー83aに入れられる。キュー83aから取り出された測定項目データは、ビジネスロジック層34cのプログラムモジュール(例えば、共通ロジックモジュール35f)に与えられる。このプログラムモジュールは、取り出した測定項目データを、検体番号データと対応付けてオーダ発行用測定項目管理バッファ83bに格納する。
その後、例えば血球分析装置2aの検体供給位置に測定対象の検体が収容された採血管が到達したことを、図示しないセンサによって制御部25が検出したときに、制御部25は測定項目の送信を要求する送信要求データをデータ処理装置3へと送信する。この送信要求データには、測定対象の検体の検体番号データが含まれている。CPU31aは、この送信要求データを受信した場合に(ステップS19でYes)、この送信要求データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファ83bから取得し(ステップS20)、この測定項目データを血球分析装置2aへと送信する(ステップS21)。このときのデータの流れを図26を用いて説明する。血球分析装置2aからの送信要求データの受信は、通信モジュール35eによって実行される。通信モジュール35eによって受信された送信要求データは、キュー83aに入れられる。キュー83aから取り出された送信要求データは、ビジネスロジック層34cのプログラムモジュール(例えば、共通ロジックモジュール35f)に与えられる。このプログラムモジュールは、取り出した送信要求データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファ83bから読み出し、この測定項目データを通信モジュール35eに与える。そして、通信モジュール35eは、受け取った測定項目データを血球分析装置2aに送信する。
その後、血球分析装置2aの制御部25は、試料供給部に採血管から検体を吸引させる。この吸引が完了した後に、制御部25は、吸引の完了を通知するための吸引完了通知データをデータ処理装置3へ送信する。この吸引完了通知データには、吸引した検体の検体番号データが含まれている。CPU31aは、この吸引完了通知データを受信した場合に(ステップS22でYes)、この吸引完了通知データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファ83bから取得し(ステップS23)、検体番号に対応付けてデータベースDB21に登録する(ステップS24)。このときのデータの流れを図26を用いて説明する。血球分析装置2aからの吸引完了通知データの受信は、通信モジュール35eによって実行される。通信モジュール35eによって受信された吸引完了通知データは、キュー83aに入れられる。キュー83aから取り出された吸引完了通知データは、ビジネスロジック層34cのプログラムモジュール(例えば、共通ロジックモジュール35f)に与えられる。このプログラムモジュールは、取り出した吸引完了通知データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファ83bから読み出し、この測定項目データと検体番号データとをデータベースアクセスモジュール35hに与える。そして、データベースアクセスモジュール35hは、検体番号と測定項目とを対応付けてデータベースDB21に登録する。
次に、血球分析装置2aは、採血管から吸引した検体を光学式検出部21、RBC検出部22、HGB検出部23、及びIMI検出部24の何れかに供給し、データ処理装置3から与えられた測定項目について測定を開始する。測定終了後は、制御部25が測定値データをデータ処理装置3へと送信する。この測定値データには、検体番号データが含まれている。CPU31aは、この測定値データを受信した場合に(ステップS25でYes)、データベースDB21に検体番号に対応付けて測定値を登録する(ステップS26)。ここで、ユーザが測定結果の表示を指示する入力を行った場合には(ステップS27でYes)、CPU31aは、データベースDB21から測定値データを読み出し(ステップS28)、測定結果表示ウィンドウを表示する(ステップS29)。本実施の形態1においては、測定結果表示ウィンドウの表示は、ユーザがメニューウィンドウ81e内のサンプルエクスプローラボタン81hを左クリックした場合に実行される。
図27は、測定結果表示ウィンドウ84の構成を示す模式図である。図27に示すように、測定結果表示ウィンドウ84は、後述する検体情報テーブル84aを表示する検体情報テーブル表示領域84bと、後述する数値データテーブル84cを表示する数値データテーブル表示領域84dと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域84eとを有している。患者情報表示領域84eは、上述した測定登録ウィンドウ82の患者情報表示領域82gと同様であるので、その説明を省略する。
上述したように、サンプルエクスプローラボタン81hが左クリックされた場合には、CPU31aは、過去に測定が行われた検体に関する検体情報及び当該検体に関する測定値データをデータベースDB21から取得し、これらの情報から検体情報テーブル84a及び数値データテーブル84cを作成して夫々検体情報テーブル表示領域84b及び数値データテーブル表示領域84dに表示し、また患者情報を患者情報表示領域84eに表示する(ステップS30)。図27に示すように、検体情報テーブル84aには、検体番号フィールド84f、測定装置IDフィールド84h、測定時刻フィールド84i、及び測定値フィールド84j,84k,84m,84n,84o,84p,84q,84rを有している。検体番号フィールド84fには、過去に測定された検体の検体番号が表示される。測定装置IDフィールド84hには、検体を測定した測定装置の測定装置IDが表示される。測定時刻フィールド84iには、検体を測定した時刻が表示される。測定値フィールド84j,84k,84m,84n,84o,84p,84q,84rには、検体の各測定値が表示される。このような検体情報テーブル表示領域84bの下部には、測定項目切替タブ84s〜84uが設けられている。ここでは、CBCタブ84s、DIFFタブ84t、及びRETタブ84uが設けられている場合について説明する。CBCタブ84sが選択されているときには、測定値フィールド84j,84k,84m,84n,84o,84p,84q,84rに、WBC,RBC,HGB,HCT,MCV,MCH,MCHC,PLTの各測定値が表示されるようになっている。DIFFタブ84tがクリックされた場合には、検体情報テーブル84aが切り替わり、測定値フィールドにDIFFの測定項目についての測定値が表示される。またRETタブ84uが選択されたときには、測定値フィールドにRETの測定項目についての測定値が表示される。なお、検体番号フィールド84f、測定装置IDフィールド84h、測定時刻フィールド84iはどのタブが選択されている場合でも表示される。また、この他にも、NRBCタブを設けて、このタブが選択されているときには、NRBCの測定項目についての測定値が表示されるようにしてもよい。
このような検体情報テーブル84aに表示されたレコードのうち、ユーザによって1つの検体番号に関する行が選択されたときには、この行が他の行とは異なる色でハイライト表示される。そして、CPU31aは、この選択された検体番号についての測定値を数値データテーブル84cに表示する。図27に示すように、数値データテーブル84cは、血球分析における測定項目フィールド84v、数値データフィールド84w、及び単位フィールド84xを有している。測定項目フィールド84vには、測定項目の名称が表示される。数値データフィールド84wには、その行の測定項目に対応する検体の測定値が表示される。単位フィールド84xには、その行の測定値の単位が表示される。このような測定結果表示ウィンドウ84が表示されることによって、ユーザは血球分析装置2aによる測定結果を確認することができる。
データ処理装置3が血球分析装置2aから測定値データを受信してから、測定結果表示ウィンドウを表示するまでのデータの流れを図を用いて説明する。図28は、データ処理装置3が測定装置から測定値データを受信してから、測定結果を表示するまでのデータの流れを示す模式図である。血球分析装置2aからの測定値データの受信は、通信モジュール35eによって実行される。通信モジュール35eによって受信された測定値データはキュー83aに入れられる。キュー83aから取り出された測定値データは、ビジネスロジック層34cのプログラムモジュール(例えば共通ロジックモジュール35f)に与えられ、このプログラムモジュールからデータベースアクセスモジュール35hへと送られる。そして、データベースアクセスモジュール35hは、受け取った測定値データを対応する検体番号に関連付けてデータベースサーバDB21に登録する。また、ビジネスロジックモジュールは、ビジネスロジック層34cに属するキーリストマネージャクラス85aへデータベースDB21の内容を書き換えたことを通知する。キーリストマネージャクラス85aは、登録されたレコードの主キーをデータベースアクセスモジュール35hに問合せる。また、キーリストマネージャクラス85aは、アクティブキーリスト管理バッファ85bを参照し、変更対象のキーリストバッファを特定する。RAM31cには、前述したアクティブキーリスト管理バッファ85b及び複数のキーリストバッファ85c〜85eが設けられている。アクティブキーリスト管理バッファ85bは、処理対象のキーリストバッファを特定する情報を格納するバッファであり、キーリストバッファ85c〜85eは、データベースDB21から取得した主キーを格納するバッファである。キーリストマネージャクラス85aは、データベースアクセスモジュール35hから取得した主キーを、アクティブキーリスト管理バッファ85bで特定したキーリストバッファに格納し、次のキーリストバッファをアクティブとするようにアクティブキーリスト管理バッファ85bを更新する。次に、測定結果表示ウィンドウを表示するイベントが発生したときに、ビジネスロジック層34cに属するアイテムクラス85fが、アクティブキーリスト管理バッファ85bを参照して表示すべき測定値に対応するキーリストバッファを特定し、このキーリストバッファを参照して主キーを取得する。アイテムクラス85fは、ビジネスロジック層34cに属するデータマネージャクラス85gにこの主キーを与えて測定値を問い合わせる。データマネージャクラス85gは、測定値データを管理するクラスであり、データベースアクセスモジュール35hを通じてデータベースDB21から測定値データを取得する。こうしてアイテムクラス85fは、主キーに対応する測定値データを取得し、これをビジネスロジック層34cに属する単位換算モジュールに渡す。単位換算モジュールは、測定値データの単位換算を行い、変換後の測定値データを測定結果表示モジュール35b等に与える。そして、測定結果表示ウィンドウの表示が行われる。
また、ユーザが測定結果の詳細情報の表示を指示する入力を行った場合には(ステップS31でYes)、CPU31aは、データベースDB21から測定値データを読み出し(ステップS32)、測定結果詳細情報表示ウィンドウを表示する(ステップS33)。本実施の形態1においては、ユーザが測定結果表示ウィンドウ84内の検体情報テーブル84aをダブルクリックした場合に測定結果詳細情報表示ウィンドウが開き、この測定結果詳細情報表示ウィンドウには、ダブルクリックされたデータについての詳細情報が表示される。また、測定結果詳細情報表示ウィンドウは、ユーザがメニューウィンドウ81e内のデータブラウザボタン81iを左クリックした場合等にも表示される。
図29は、測定結果詳細情報表示ウィンドウ86の構成を示す模式図である。図29に示すように、測定結果詳細情報表示ウィンドウ86は、測定結果に異常が認められるか否かを表示する異常表示領域86aと、検体情報を表示する検体情報表示領域86bと、測定結果の各種詳細情報を表示する詳細情報表示領域86cとを有している。異常表示領域86aは、測定結果詳細情報表示ウィンドウ86の左上部に設けられ、血球測定値あるいは血球像に異常が認められた場合には「Positive」と表示され、これがダブルクリックされることによって異常の分類を表示するようになっている。また、この異常表示領域86aには、異常および測定エラーのない場合に「Negative」と表示されるようになっている。また、検体情報表示領域86bには、検体番号、患者ID、患者名、性別、生年月日、病棟、担当医、測定年月日、測定時刻、及びコメントを表示するための表示ボックスが設けられており、これらの表示ボックスに該当する検体の情報が表示される。
詳細情報表示領域86cには、各種測定結果に関する詳細情報を表示するためのウィンドウが表示される。図29では、詳細情報表示領域86cに血球分析メインウィンドウ86dを表示した場合を示している。血球分析メインウィンドウ86dは、各測定項目の数値データを表示するための数値データ表示領域86eと、5分類された白血球の個数及び比率を表示するための白血球5分類表示領域86fと、各種の測定項目について、検体が異常であること、又は以上の疑いがあることを示すIPメッセージを表示するフラグ表示領域86gとを有している。
数値データ表示領域86eには、各測定項目についての数値データとその単位とを表示する数値データテーブル86hが表示される。この数値データテーブル86hは、測定項目、数値データ、及び単位のフィールドを有しており、測定項目毎に数値データが表形式で表示されるようになっている。また、数値データテーブル86hには、各測定項目毎に測定数値の正常範囲からのずれをグラフィカル表示するSDバーが表示されるようになっており、これによりユーザが測定数値の正常範囲に対するずれの程度を容易に確認することができるようになっている。
白血球5分類表示領域86fには、白血球の個数に関する測定項目についての数値データとその単位とを表示する白血球個数データテーブル86iと、白血球の個数の比率に関する測定項目についての数値データとその単位を表示する白血球比率データテーブル86jとが表示される。白血球個数データテーブル86iは、測定項目、数値データ、及び単位のフィールドを有しており、白血球の個数に関する測定項目、即ちNEUT#、LYMPH#、MONO#、EO#、及びBASO#について数値データが表形式で表示されるようになっている。また、白血球個数データテーブル86iには、各測定項目毎に測定数値の正常範囲からのずれをグラフィカル表示するSDバーが表示されるようになっている。白血球比率データテーブル86jは、測定項目、数値データ、及び単位のフィールドを有しており、白血球の個数比率に関する測定項目、即ちNEUT%、LYMPH%、MONO%、EO%、及びBASO%について数値データが表形式で表示されるようになっている。
フラグ表示領域86gには、WBCに関するIPメッセージを表示する第1IPメッセージ表示ボックス86kと、RBC及びRETに関するIPメッセージを表示する第2IPメッセージ表示ボックス86mと、PLTに関するIPメッセージを表示する第3IPメッセージ表示ボックス86nとが表示される。IPメッセージには、検体が明らかに異常であることを示すアブノーマルIPメッセージと、検体に異常の疑いがあることを示すサスペクトIPメッセージとがあり、第1IPメッセージ表示ボックス86k、第2IPメッセージ表示ボックス86m、及び第3IPメッセージ表示ボックス86nには、対応する測定項目についてのIPメッセージがリスト表示されるようになっている。
上述したように、検体情報テーブル84aの中のデータがダブルクリックされた場合、又はデータブラウザボタン81iが左クリックされた場合等には、CPU31aは、過去に測定が行われた検体に関する検体情報及び当該検体に関する測定値データをデータベースDB21から取得し、これらの情報から数値データテーブル86h、白血球個数データテーブル86i、及び白血球比率データテーブル86jを作成して夫々数値データ表示領域86e及び白血球5分類表示領域86fに表示し、また検体情報を検体情報表示領域86bに、IPメッセージをフラグ表示領域86gに夫々表示する(ステップS34)。そして、ユーザから終了の指示入力を受け付けた場合には、CPU31aは、処理を終了する。なお、上述ような詳細情報表示領域86cには、血球分析メインウィンドウ86dの他、測定結果をグラフ表示するグラフウィンドウ、白血球に関する詳細情報を表示するWBCウィンドウ、赤血球に関する詳細情報を表示するRBCウィンドウ等を開くことができるようになっている。これらのウィンドウの表示は、詳細情報表示領域86cの上部に設けられたタブで切り替えることができる。例えば、「メイン(MCC)」と表記されたタブが左クリックされた場合には、血球分析メインウィンドウ86dが表示され、「グラフ(MCC)」と表記されたタブが左クリックされた場合には、グラフウィンドウが表示されることとなる。
次に、血液凝固測定装置4a,4bのオペレータであるユーザが、データ処理装置5を使用して血液凝固測定装置4a,4bを動作させ、検体を測定する場合の分析システム1の動作について説明する。まず、オペレータは、アプリケーションプログラム54aを起動する。この場合も、アプリケーションプログラム34aの場合と同様に、コンピュータ5aのCPU51aは、画像表示部52にログオンウィンドウを表示させ、ここでログオンID及びパスワードの入力を受け付けた場合には、ユーザ認証を行う。そして、ユーザ認証が成功した場合には、画像表示部52に初期ウィンドウが表示される。この初期ウィンドウの表示処理は、主として基本表示モジュール35aの機能である。
この初期ウィンドウの構成は、図24に示す血球分析装置2a,2b用のアプリケーションプログラム34aにおける初期ウィンドウ81の構成と同様となっている。これは、アプリケーションプログラム34aと共用している基本表示モジュール35a等によって初期ウィンドウが表示されるためである。また、血球分析装置2a,2b、及び血液凝固測定装置4a,4bは夫々測定装置であるため、これらの測定結果の表示等に使用するアプリケーションプログラム34a,54aの処理内容には共通点が多い。したがって、アプリケーションプログラムの構成の一部を無理なく共通化することができ、アプリケーションプログラム34a,54aの開発工数を低減することができる。また、このようにユーザインタフェースを統一することによって、アプリケーションプログラム毎にユーザインタフェースが異なることによるユーザの負担、例えば各アプリケーションプログラム毎に操作を覚える手間等を軽減することができ、一つのアプリケーションプログラム34aの操作さえ覚えておけば、他のアプリケーションプログラム54aをある程度操作することができ、また操作を容易に覚えることができるので利便性が向上する。
この初期ウィンドウにおいて、ユーザがメニューウィンドウの測定登録ボタンを左クリックした場合には、CPU51aは、測定登録ウィンドウ182を表示する。図30は、測定登録ウィンドウ182の構成を示す模式図である。図30に示すように、測定登録ウィンドウ182は、ウィンドウ上部に設けられた測定項目グループ選択ボックス182aと、ラック番号を選択するためのラック番号選択ボックス182jと、測定項目テーブル182bを表示する測定項目テーブル表示領域182cと、測定項目リスト182dを表示する測定項目リスト表示領域182eと、検体に関する情報を入力するための検体情報入力領域182fと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域182gと、測定項目を選択するための複数のボタン182h,182iが表示されるボタン表示領域182oとを有している。このように、測定登録ウィンドウ182の構成は、アプリケーションプログラム34aの測定登録ウィンドウ82の構成と同様となっている。なお、測定項目グループ選択ボックス182a、検体情報入力領域182f、及び患者情報表示領域182gの構成は、測定登録ウィンドウ82の測定項目グループ選択ボックス82a、検体情報入力領域82f、及び患者情報表示領域82gの構成と夫々同様であるので、説明を省略する。
ここでは、測定項目グループとして、血液凝固測定に関する測定項目グループ「CA_凝固法」というグループが設定されている場合について説明する。このCA_凝固法は、生物活性法により測定される測定項目、即ち、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノーゲン量(Fbg)等の測定項目のグループである。ユーザは、測定項目グループ選択ボックス182aのプルダウンメニューを表示し、その中から「CA_凝固法」を選択する。また、この「CA_凝固法」がデフォルト設定されている場合には、ユーザは入力操作を省略することができる。このように「CA_凝固法」が選択された場合には、CPU51aは測定項目テーブル182b及び測定項目リスト182dを作成し、夫々測定項目テーブル表示領域182c及び測定項目リスト表示領域182eに表示する。
図30に示すように、測定項目テーブル182bは、チューブフィールド182p、検体番号フィールド182q、測定指定フィールド182s、PTフィールド182t、APTTフィールド182u、Fbgフィールド182v、患者IDフィールド182w、及び検体コメントフィールド182xを有している。 チューブフィールド182pには、チューブ番号が表示される。検体番号フィールド182qには、検体情報入力領域182fに入力された検体番号が表示される。PTフィールド182tには、対象の検体に対して、測定項目としてPTが登録されている場合に、丸印、黒丸印、及び黒三角印のいずれかの記号が表示される。これらの記号の意味は、上述したアプリケーションプログラム34aにおける記号の意味と同様であるので、その説明を省略する。APTTフィールド182uには、対象の検体に対して、測定項目としてAPTTが登録されている場合に、上記記号が表示される。また、Fbgフィールド182vには、対象の検体に対して、測定項目としてFbgが登録されている場合に、上記記号が表示される。図30の例を用いて説明すると、ラック番号「3」、チューブ番号「2」、検体番号「123」の検体は、PT、及びFbgが測定項目として登録されており、その両方が未測定であることとなる。
このような測定項目テーブル182bに表示されたレコードのうち、ユーザによって1つの検体番号に関する行が選択されたときには、この行が他の行とは異なる色でハイライト表示される。そして、CPU51aは、この選択された検体番号について測定項目の設定状態を測定項目リスト182dに表示する。図30に示すように、測定項目リスト182dには、生物活性法における測定項目がリスト表示され、夫々の測定項目について測定対象として設定されている場合には丸印が表示されるようになっている。図30の例で説明すると、検体番号「123」の行が選択されており、この検体については測定項目としてPTとFbgとが登録されているので、測定項目リスト182dでは、PT,Fbgに対して丸印が表示されることとなる。
また、測定項目リスト表示領域182eの右方には、ボタン182h,182iが縦に並べられて設けられている。ボタン182hは、PT+APTT+Fbgを登録するためのボタンであり、ユーザがこのボタン182hを左クリックすることにより、その時点で検体情報入力領域182fの入力ボックスに入力されている検体番号に対して、測定項目としてPT,APTT,Fbgが登録される。同様に、ボタン182iは、PT+APTTを測定項目として登録するためのボタンである。
ここで、検体情報がユーザによって入力されたとき場合には、CPU51aがデータベースサーバ7にこの検体番号を送信し、この検体番号に対応する患者情報をデータベースサーバ7に問い合わせる。データベースサーバ7は、かかる検体番号を検索キーとして患者情報を検索し、前記検体番号に対応する患者情報をデータ処理装置5へと送信する。このようにして、CPU51aは患者情報を取得する。図30の例を用いて説明すると、検体番号の入力ボックスに「123」が、ラックの入力ボックスに「3」が夫々入力されている。このとき、データ処理装置3は、検体番号「123」を示すデータをデータベースサーバ7へと送信し、対応する患者情報を要求する。データベースサーバ7は、検体番号「123」を検索キーとして対応する患者情報を検索し、この結果、この検体に対応する患者情報を獲得する。データベースサーバ7は、かかる患者情報をデータ処理装置3へと送信し、データ処理装置3は、受信した患者情報である患者の患者ID「ABC12345」、名字「シスメックス」、名前「タロウ」、性別「Male」、生年月日「1943/01/15」、病棟「01」、担当医「0839」を患者情報表示領域182gの夫々対応する表示ボックスに表示させる。
また、ユーザは、上述のようにラック番号の入力ボックスにラック番号を入力する以外に、ラック番号選択ボックス182jでラック番号を指定することが可能である。このときユーザは、ラック番号選択ボックス182jのプルダウンメニューを表示し、その中から所望のラック番号を選択する。
また、検体番号の入力後、更にユーザがボタン182iを左クリックした場合には、そこで入力されているラック番号及びチューブ番号に対応する行の検体番号フィールドに、入力ボックスに入力された検体番号が表示され、またこの行のPTフィールド及びAPTTフィールドに丸印が表示される。また、この場合には、測定項目リスト182dにおいて、PT,APTTに対して丸印が表示されることとなる。また、CPU51aは、データベースDB41にアクセスして、これらの情報を登録する。このようにして、新たな検体についての測定登録を行うことが可能である。
検体の測定を開始する場合、オペレータは、検体が収容された採血管(チューブ)をラックにセットし、このラックを血液凝固測定装置4a(4b)の前部に設けられた搬送部にセットする。ラックには、このラックを特定するラック番号を示すバーコードラベルが貼付されており、またチューブには、このチューブを特定するチューブ番号を示すバーコードラベル及びこのチューブに収容された検体の検体番号を示すバーコードラベルが貼付されている。搬送部によって、血液凝固測定装置4a(4b)の試料供給部(図示せず)の下方の検体供給位置に採血管がラックごと搬送され、その途中で血液凝固測定装置4aに設けられたバーコードリーダによってバーコードが読み取られる。血液凝固測定装置4aの制御部42は、このようにバーコードから読み取られたラック番号、チューブ番号、及び検体番号を示すデータをデータ処理装置5へと送信する。CPU51aは、血液凝固測定装置4aからデータを受信した場合には、このラック番号、チューブ番号、及び検体番号に対応する測定登録のデータが存在するか否かを判別する。この処理は、データベースDB41を参照して該当するラック番号、チューブ番号、及び検体番号のレコードが存在するか否かを判別することによって行われる。このラック番号、チューブ番号、及び検体番号について測定登録データが存在する場合には、CPU51aは、データベースDB41からこれに対応する測定項目を読み出す。
かかるラック番号、チューブ番号、及び検体番号に対応する測定登録データが存在しない場合には、CPU51aは、検体番号データをデータベースサーバ7へと送信し、この検体の測定項目を問い合わせる。データベースサーバ7は、検体番号データを検索キーとして、この検体に対応する測定項目を検索する。検索の結果得られた測定項目は、測定項目データとして要求元のデータ処理装置5へと送信される。CPU51aは、測定項目データを受信した場合には、この測定項目データをRAM51cに設けられたオーダ発行用測定項目管理バッファに格納する。
その後、例えば血液凝固測定装置4aの検体供給位置に測定対象の検体が収容された採血管が到達したことを、図示しないセンサによって制御部42が検出したときに、制御部42は測定項目の送信を要求する送信要求データをデータ処理装置5へと送信する。この送信要求データには、測定対象の検体の検体番号データが含まれている。CPU51aは、この送信要求データを受信した場合に、この送信要求データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、この測定項目データを血液凝固測定装置4aへと送信する。以上の場合のデータの流れは、図26を用いて説明したデータ処理装置3でのデータの流れと同様であるので、その説明を省略する。
その後、血液凝固測定装置4aの制御部42は、試料供給部に採血管から検体を吸引させる。この吸引が完了した後に、制御部42は、吸引の完了を通知するための吸引完了通知データをデータ処理装置5へ送信する。この吸引完了通知データには、吸引した検体の検体番号データが含まれている。CPU51aは、この吸引完了通知データを受信した場合に、この吸引完了通知データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、検体番号に対応付けてデータベースDB41に登録する。
次に、血液凝固測定装置4aは、採血管から吸引した検体を測定部41に供給し、データ処理装置5から与えられた測定項目について測定を開始する。測定終了後は、制御部42が測定値データをデータ処理装置5へと送信する。この測定値データには、検体番号データが含まれている。CPU51aは、この測定値データを受信した場合に、データベースDB41に検体番号に対応付けて測定値を登録する。ここで、ユーザが測定結果の表示を指示する入力を行った場合には、CPU51aは、データベースDB41から測定値データを読み出し、測定結果表示ウィンドウを表示する。本実施の形態1においては、この測定結果表示ウィンドウの表示は、データ処理装置3の場合と同様に、ユーザがメニューウィンドウ内のサンプルエクスプローラボタンを左クリックした場合に実行される。
図31は、測定結果表示ウィンドウ184の構成を示す模式図である。図31に示すように、測定結果表示ウィンドウ184は、検体情報テーブル184aを表示する検体情報テーブル表示領域184bと、後述する数値データテーブル184cを表示する数値データテーブル表示領域184dと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域184eとを有している。患者情報表示領域184eは、図27で示した測定結果表示ウィンドウ84の患者情報表示領域84eと同様であるので、その説明を省略する。
上述したように、サンプルエクスプローラボタンが左クリックされた場合には、CPU51aは、過去に測定が行われた検体に関する検体情報及び当該検体に関する測定値データをデータベースDB41から取得し、これらの情報から検体情報テーブル184a及び数値データテーブル184cを作成して夫々検体情報テーブル表示領域184b及び数値データテーブル表示領域184dに表示し、また患者情報を患者情報表示領域184eに表示する。図31に示すように、検体情報テーブル184aには、検体番号フィールド184f、測定装置IDフィールド184h、測定時刻フィールド184i、及び測定値フィールド184j,184k,184m,184n,184o,184p,184q,184rが設けられている。検体番号フィールド184fには、過去に測定された検体の検体番号が表示される。測定装置IDフィールド184hには、検体を測定した測定装置の測定装置IDが表示される。測定時刻フィールド184iには、検体を測定した時刻が表示される。測定値フィールド184j,184k,184m,184n,184o,184p,184q,184rには、検体の各測定値が表示される。このような検体情報テーブル表示領域184bの下部には、測定項目切替タブ184sが設けられている。ここでは、CAタブ184sのみが設けられている場合について説明する。即ち、本実施の形態1では、CAタブ184sが常時選択されており、血液凝固測定の測定項目に関する検体情報テーブル184a以外は表示させることができない。かかる検体情報テーブル184aの測定値フィールド184j,184k,184m,184n,184o,184p,184q,184rには、PT_%(プロトロンビン活性パーセント)、PT_R(プロトロンビン比)、PT_INR(プロトロンビンINR(国際標準比))、APTT、Fbg、Fbg_C(フィブリノーゲン濃度)、AT3_dOD(アンチトロンビンIII透過光変化率)、AT3_%(アンチトロンビンIII活性パーセント)、APL_dOD(アンチプラスミン透過光変化率)等の各測定値が表示されるようになっている。なお、検体番号フィールド184f、測定装置IDフィールド184h、測定時刻フィールド184iはどのタブが選択されている場合でも表示される。
このような検体情報テーブル184aに表示されたレコードのうち、ユーザによって1つの検体番号に関する行が選択されたときには、この行が他の行とは異なる色でハイライト表示される。そして、CPU51aは、この選択された検体番号についての測定値を数値データテーブル184cに表示する。図31に示すように、数値データテーブル184cは、血液凝固測定における測定項目フィールド184v、数値データフィールド184w、及び単位フィールド184xを有している。測定項目フィールド184vには、測定項目の名称が表示される。数値データフィールド184wには、その行の測定項目に対応する検体の測定値が表示される。単位フィールド184xには、その行の測定値の単位が表示される。このような測定結果表示ウィンドウ184が表示されることによって、ユーザは血液凝固測定装置4aによる測定結果を確認することができる。また、データ処理装置5が血液凝固測定装置4aから測定値データを受信してから、測定結果表示ウィンドウを表示するまでのデータの流れは、図28を用いて説明したデータ処理装置3でのデータの流れと同様であるので、その説明を省略する。
このように、測定結果表示ウィンドウ184は、上述したアプリケーションプログラム34aにおける測定結果表示ウィンドウ84と同様の構成となっている。これは、上述した初期ウィンドウの場合と同様に、アプリケーションプログラム34aと共用している基本表示モジュール35a等によって測定結果表示ウィンドウ184が表示されるためである。また、このようにユーザインタフェースを統一させることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。また、共通のユーザインタフェースに関しては、共通モジュールにより実現することができるので、アプリケーションプログラム34a,54aの設計、開発の効率を向上させることが期待できる。
また、ユーザが測定結果の詳細情報の表示を指示する入力を行った場合には、CPU51aは、データベースDB41から測定値データを読み出し、測定結果詳細情報表示ウィンドウを表示する。本実施の形態1においては、上述したアプリケーションプログラム34aにおける測定結果詳細情報表示ウィンドウの表示と同様に、ユーザが測定結果表示ウィンドウ184内の検体情報テーブル184aをダブルクリックした場合に測定結果詳細情報表示ウィンドウが開き、この測定結果詳細情報表示ウィンドウには、ダブルクリックされたデータについての詳細情報が表示される。また、測定結果詳細情報表示ウィンドウは、ユーザがメニューウィンドウ内のデータブラウザボタンを左クリックした場合等にも表示される。
図32は、測定結果詳細情報表示ウィンドウ186の構成を示す模式図である。図32に示すように、測定結果詳細情報表示ウィンドウ186は、測定結果に異常が認められるか否かを表示する異常表示領域186aと、検体情報を表示する検体情報表示領域186bと、測定結果の各種詳細情報を表示する詳細情報表示領域186cとを有している。図29に示した測定結果詳細情報表示ウィンドウ86と同様に、異常表示領域186aは、測定結果詳細情報表示ウィンドウ186の左上部に設けられ、測定結果に異常が認められた場合には「Positive」と表示され、これがダブルクリックされることによって異常の分類を表示するようになっている。また、この異常表示領域186aは、異常および測定エラーのない場合に「Negative」と表示されるようになっている。また、検体情報表示領域186bは、図29で示した測定結果詳細情報表示ウィンドウ86の検体情報表示領域86bと同様であるので、その説明を省略する。
詳細情報表示領域186cには、各種測定結果に関する詳細情報を表示するためのウィンドウが表示される。図32では、詳細情報表示領域186cに血液凝固測定メインウィンドウ186dを表示した場合を示している。血液凝固測定メインウィンドウ186dは、各測定項目の数値データを表示するための数値データ表示領域186eと、各測定項目の凝固曲線をグラフ表示するためのグラフ表示領域186fとを有している。
数値データ表示領域186eには、各測定項目についての数値データとその単位とを表示する数値データテーブル186hが表示される。この数値データテーブル186hは、図29に示した測定結果詳細情報表示ウィンドウ86における数値データテーブル86hと同様に、測定項目、数値データ、及び単位のフィールドを有しており、測定項目毎に数値データが表形式で表示されるようになっている。また、数値データテーブル186hには、各測定項目毎に測定数値の正常範囲からのずれをグラフィカル表示するSDバーが表示されるようになっており、これによりユーザが測定数値の正常範囲に対するずれの程度を容易に確認することができるようになっている。
グラフ表示領域186fには、測定項目毎に、凝固曲線のグラフと測定値データと演算項目の数値データとが表示される。図32では、PT,APTT,Fgb,AT3,APL,Plgの6つの測定項目を測定対象としている場合を示している。このグラフ表示領域186fには、各測定項目についての表示領域186i,186j,186k,186m,186n,186oがマトリックス状に並べられており、夫々の表示領域186i,186j、186k,186m,186n,186oに凝固曲線グラフ、測定値データ、及び演算項目の数値データが表示される。凝固曲線グラフは、縦軸が散乱光強度、横軸が時間のグラフである。この凝固曲線グラフの下には、各項目の凝固時間又はdOD(透過光変化率)が表示される。また凝固時間(dOD)の下には、演算項目の数値データが表示される。図32では、PT,APTT,Fbgの各測定項目には測定データが存在するため、これらの測定項目についての表示領域186i,186j,186kには凝固曲線グラフ等が表示されているが、AT3,APL,Plgの各測定項目に測定データがないため、これらの測定項目についての表示領域186m,186n,186oは空白となっている。
なお、上述ような詳細情報表示領域186cには、血液凝固測定メインウィンドウ186dの他、各測定項目についての詳細な情報を表示する測定項目詳細ウィンドウ等を開くことができるようになっている。これらのウィンドウの表示は、詳細情報表示領域186cの上部に設けられたタブで切り替えることができる。例えば、「メイン(CA)」と表記されたタブが左クリックされた場合には、血液凝固測定メインウィンドウ186dが表示され、「詳細」と表記されたタブが左クリックされた場合には、測定項目詳細ウィンドウが表示されることとなる。
このように、データ処理装置5の測定結果詳細情報表示ウィンドウ186は、データ処理装置3の測定結果詳細情報表示ウィンドウ86に対して詳細情報表示領域186cの表示内容が異なっているが、その他のウィンドウ構成(例えば、異常表示領域186a、検体情報表示領域186b、及び詳細情報表示領域186cの配置)は同様となっている。上述したように、詳細情報表示領域186cに表示する内容は、血液凝固測定特有のものであり、この詳細情報表示領域186cの表示内容まで測定結果詳細情報表示ウィンドウ86と共通化することはできない。これに対して、詳細情報表示領域186c以外の部分、即ち異常表示領域186a及び検体情報表示領域186bに表示する内容は、概ね血球分析の場合と一致している。このように測定結果詳細情報表示ウィンドウ86及び186は、表示する情報の共通点が多く、そのため測定結果詳細情報表示ウィンドウ186のウィンドウ構成は、測定結果詳細情報表示ウィンドウ86と多くの部分を共通化されている。また、詳細情報表示領域186cに表示させる内容についても、数値データテーブル186h等、詳細情報表示領域86cの表示内容と一致する部分の構成が共通化されている。このようにデータ処理装置3,5のユーザインタフェースを統一することによって、ユーザに共通の操作性を提供することができ、ユーザが各データ処理装置毎に学習しなければならない操作手順を可及的に少なくすることができ、ユーザの利便性が向上する。また、共通のユーザインタフェースに関しては、共通モジュールにより実現することができるので、アプリケーションプログラム34a,54aの設計、開発の効率を向上させることが期待できる。
次に、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全てデータを参照することが可能な管理者(技師長等)であるユーザが、データ処理装置6を使用して血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果を確認する場合の分析システム1の動作について説明する。まず、ユーザは、アプリケーションプログラム64aを起動する。この場合も、アプリケーションプログラム34aの場合と同様に、コンピュータ6aのCPU61aは、画像表示部62にログオンウィンドウを表示させ、ここでログオンID及びパスワードの入力を受け付けた場合には、ユーザ認証を行う。そして、ユーザ認証が成功した場合には、画像表示部62に初期ウィンドウが表示される。この初期ウィンドウの表示処理は、主として基本表示モジュール35aの機能である。
この初期ウィンドウの構成は、図24に示す血球分析装置2a,2b用のアプリケーションプログラム34aにおける初期ウィンドウ81、及び血液凝固測定装置4a,4b用のアプリケーションプログラム54aにおける初期ウィンドウの構成と同様となっている。これは、アプリケーションプログラム34a,54aと共用している基本表示モジュール35a等によって初期ウィンドウが表示されるためである。また、上述したようにアプリケーションプログラムの構成の一部を共通化することで、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの開発工数を低減することができる。また、ユーザインタフェースを統一することによって、アプリケーションプログラム毎にユーザインタフェースが異なることによるユーザの負担を軽減することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
この初期ウィンドウにおいて、ユーザがメニューウィンドウの測定登録ボタンを左クリックした場合には、CPU61aは、測定登録ウィンドウ282を表示する(図25参照)。測定登録ウィンドウ282は、ウィンドウ上部に設けられた測定項目グループ選択ボックス282aと、測定項目テーブル282bを表示する測定項目テーブル表示領域282cと、測定項目リスト282dを表示する測定項目リスト表示領域282eと、検体に関する情報を入力するための検体情報入力領域282fと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域282gと、測定項目を選択するための複数のボタン282h,282i,282j,282k,282m,282nが表示されるボタン表示領域282oとを有している。このように、測定登録ウィンドウ282の構成は、アプリケーションプログラム34aの測定登録ウィンドウ82の構成と同様となっている。よって、ここでは測定登録ウィンドウ282の構成についての説明を省略する。
かかるデータ処理装置6は、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全ての動作設定を行うことができるようになっている。したがって、データ処理装置6においては、上述した「MCC」と「CA_凝固法」の測定項目グループが設定されている。ユーザは、測定項目グループ選択ボックス282aから所望の測定項目グループを選択することができる。ここでユーザが「MCC」を選択した場合には、CPU61aがハードディスク61dのデータベースDB21にアクセスし、図25に示すようなデータ処理装置3の測定登録ウィンドウ82と同様の測定登録ウィンドウ282を表示する。また、ユーザが「CA_凝固法」を選択した場合には、CPU61aがハードディスク61dのデータベースDB41にアクセスし、図30に示した測定登録ウィンドウ182と同様の測定登録ウィンドウを表示する。なお、測定登録ウィンドウ282の使用方法、及びCPU61aの処理については、上述したデータ処理装置3,5の場合における測定登録ウィンドウ82,182の使用方法、及びCPU31a,51aの処理と夫々同様であるので、その説明を省略する。
検体の血球分析を開始する場合、ユーザは、検体が収容された採血管をラックにセットし、このラックを血球分析装置2a(2b)の前部に設けられた搬送部にセットする。搬送部によって採血管がラックごと搬送され、その途中でバーコードリーダによってバーコード(検体番号)が読み取られ、検体番号データがデータ処理装置6へと送信される。CPU61aは、上述したデータ処理装置3における処理と同様に、データベースDB21又はデータベースサーバ7からこの検体番号に対応する測定項目を取得し、この測定項目データをRAM61cに設けられたオーダ発行用測定項目管理バッファに格納する。その後、データ処理装置6は、血球分析装置2aから測定項目の送信を要求する送信要求データを受信した場合に、この送信要求データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データを前記オーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、この測定項目データを血球分析装置2aへと送信する。
その後、血球分析装置2aにおいて採血管からの検体の吸引が完了したときに、吸引の完了を通知するための吸引完了通知データが血球分析装置2aからをデータ処理装置6へ送信される。データ処理装置6は、この吸引完了通知データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、検体番号に対応付けてデータベースDB21に登録する。
次に、血球分析装置2aは、採血管から吸引した検体を光学式検出部21、RBC検出部22、HGB検出部23、及びIMI検出部24の何れかに供給し、データ処理装置6から与えられた測定項目について測定を開始する。測定終了後は、血球分析装置2aから測定値データがデータ処理装置6へと送信される。CPU61aは、この測定値データを受信した場合に、データベースDB21に検体番号に対応付けて測定値を登録する。
これに対して、検体の血液凝固測定を開始する場合、ユーザは、検体が収容された採血管をラックにセットし、このラックを血液凝固測定装置4a(4b)の前部に設けられた搬送部にセットする。搬送部によって採血管がラックごと搬送され、その途中でバーコードリーダによってバーコードが読み取られ、検体番号データがデータ処理装置6へと送信される。CPU61aは、データベースDB41又はデータベースサーバ7からこの検体番号に対応する測定項目を取得し、この測定項目データをRAM61cに設けられたオーダ発行用測定項目管理バッファに格納する。その後、データ処理装置6は、血液凝固測定装置4aから測定項目の送信を要求する送信要求データを受信した場合に、この送信要求データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データを前記オーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、この測定項目データを血液凝固測定装置4aへと送信する。以上の場合のデータの流れは、図26を用いて説明したデータ処理装置3でのデータの流れと同様であるので、その説明を省略する。
その後、血液凝固測定装置4aにおいて採血管からの検体の吸引が完了したときに、吸引の完了を通知するための吸引完了通知データが血液凝固測定装置4aからをデータ処理装置6へ送信される。データ処理装置6は、この吸引完了通知データに含まれる検体番号データに対応する測定項目データをオーダ発行用測定項目管理バッファから取得し、検体番号に対応付けてデータベースDB41に登録する。
次に、血液凝固測定装置4aは、採血管から吸引した検体を測定部41に供給し、データ処理装置6から与えられた測定項目について測定を開始する。測定終了後は、血液凝固測定装置4aから測定値データがデータ処理装置6へと送信される。CPU61aは、この測定値データを受信した場合に、データベースDB41に検体番号に対応付けて測定値を登録する。なお、以上説明したデータ処理装置6を用いて検体の血球分析及び血液凝固測定を行う場合におけるデータの流れは、図26を用いて説明したデータ処理装置3でのデータの流れと同様であるので、その説明を省略する。
このように、データ処理装置6を用いることにより、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの両方に対して測定項目を提供することができ、また、データ処理装置6で血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの両方の測定データを受信し、データ処理装置6に設けられたデータベースDB21,DB41に測定値を登録することができる。したがって、データ処理装置3,5のいずれか一方が故障等により使用することができない場合にも、データ処理装置6を用いることにより血球分析装置2a,2b又は血液凝固測定装置4a,4bによる検体の測定を行うことができる。
ここで、ユーザが測定結果の表示を指示する入力を行った場合には、CPU61aは、データベースDB21,DB41から測定値データを読み出し、測定結果表示ウィンドウを表示する。本実施の形態1においては、測定結果表示ウィンドウの表示は、ユーザがメニューウィンドウ内のサンプルエクスプローラボタンを左クリックした場合に実行される。
図33は、測定結果表示ウィンドウ284の構成を示す模式図である。図33に示すように、測定結果表示ウィンドウ284は、検体情報テーブル284aを表示する検体情報テーブル表示領域284bと、数値データテーブル284cを表示する数値データテーブル表示領域284dと、患者に関する情報を表示するための患者情報表示領域284eとを有している。患者情報表示領域284eは、図27で示した測定結果表示ウィンドウ84の患者情報表示領域84eと同様であるので、その説明を省略する。
上述したようにサンプルエクスプローラボタンが左クリックされた場合には、CPU31aは、過去に測定が行われた検体に関する検体情報及び当該検体に関する測定値データをデータベースDB21,DB41から取得し、これらの情報から検体情報テーブル284a及び数値データテーブル284cを作成して夫々検体情報テーブル表示領域284b及び数値データテーブル表示領域284dに表示し、また患者情報を患者情報表示領域284eに表示する。図33に示すように、検体情報テーブル284aには、検体番号フィールド284f、測定装置IDフィールド284h、測定時刻フィールド284i、及び測定値フィールド284j,284k,284m,284n,284o,284p,284q,284rが設けられている。かかる検体情報テーブル284aのフィールド284f〜284rは、データ処理装置3における測定結果表示ウィンドウ84に含まれる検体情報テーブル84aのフィールド84f〜84rと同様であるので、その説明を省略する。このような検体情報テーブル表示領域284bの下部には、測定項目切替タブ284s,284t,284u,284yが設けられている。ここでは、CBCタブ284s、DIFFタブ284t、RETタブ284u、及びCAタブ284yが設けられている場合について説明する。CBCタブ284sが選択されているときには、測定値フィールド284j,284k,284m,284n,284o,284p,284q,284rに、WBC,RBC,HGB,HCT,MCV,MCH,MCHC,PLTの各測定値が表示されるようになっている。DIFFタブ284tがクリックされた場合には、検体情報テーブル284aが切り替わり、測定値フィールドにDIFFの測定項目についての測定値が表示される。またRETタブ284uが選択されたときには、測定値フィールドにRETの測定項目についての測定値が表示され、CAタブ284yが選択されたときには、測定値フィールドに血液凝固測定の測定項目についての測定値が表示される。このように、データ処理装置6の測定結果表示ウィンドウ284においては、血球分析装置2a,2bの測定項目についての測定値を表示するためのCBCタブ284s,DIFFタブ284t,RETタブ284uと、血液凝固測定装置4a,4bの測定項目についての測定値を表示するためのCAタブ284yが設けられており、これらを切り替えることにより、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの両方の測定結果を表示させることができるようになっている。なお、検体番号フィールド84f、測定装置IDフィールド84h、測定時刻フィールド84iはどのタブが選択されている場合でも表示される。また、この他にも、NRBCタブを設けて、このタブが選択されているときには、NRBCの測定項目についての測定値が表示されるようにしてもよい。
このような検体情報テーブル284aには、データベースDB21から読み出した測定結果(即ち、血球分析装置2a,2bの測定結果)とデータベースDB41から読み出した測定結果(即ち、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果)とが混在して表示される。ここで、血球分析装置2a,2bの測定項目についての測定値を表示するためのタブ(例えば、CBCタブ284s)が選択されている場合には、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果についてのデータにおいては血球分析装置の測定項目の測定値が存在しないため、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果の行の各測定項目のマスが空白で表示されることとなる。
このような検体情報テーブル284aに表示されたレコードのうち、ユーザによって1つの検体番号に関する行が選択されたときには、この行が他の行とは異なる色でハイライト表示される。そして、CPU61aは、この選択された検体番号についての測定値を数値データテーブル284cに表示する。図33に示すように、数値データテーブル284cには、測定項目フィールド284v、数値データフィールド284w、及び単位フィールド284xが設けられている。検体情報テーブル284aにおいて血球分析装置2a,2bの測定結果の行が選択されている場合には、数値データテーブル284cの測定項目フィールド284vには、血球分析装置2a,2bの測定項目の名称が表示される。数値データフィールド284wには、その行の測定項目に対応する検体の測定値が表示される。単位フィールド284xには、その行の測定値の単位が表示される。また、検体情報テーブル284aにおいて血液凝固測定装置4a,4bの測定結果の行が選択された場合には、数値データテーブル284cの表示が切り替わり、測定項目フィールド284vには血液凝固測定装置4a,4bの測定項目の名称が表示され、数値データフィールド284wには、その行の測定項目に対応する検体の測定値が表示され、単位フィールド284xには、その行の測定値の単位が表示されることとなる。このような測定結果表示ウィンドウ284が表示されることによって、ユーザは血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bによる測定結果を確認することができる。また、データ処理装置6が血球分析装置2a又は血液凝固測定装置4から測定値データを受信してから、測定結果表示ウィンドウを表示するまでのデータの流れは、図28を用いて説明したデータ処理装置3でのデータの流れと同様であるので、その説明を省略する。
このように、測定結果表示ウィンドウ184は、上述したアプリケーションプログラム34a,54aにおける測定結果表示ウィンドウ84,184と同様の構成となっている。これは、上述した初期ウィンドウの場合と同様に、アプリケーションプログラム34a,54aと共用している基本表示モジュール35a等によって測定結果表示ウィンドウ284が表示されるためである。また、このようにユーザインタフェースを統一させることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。また、共通のユーザインタフェースに関しては、共通モジュールにより実現することができるので、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの設計、開発の効率を向上させることが期待できる。
また、ユーザは、データ処理装置6を使用することによって、血球分析装置2a,2bの測定結果及び分析結果と、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果及び分析結果とを選択的に切り替えて画面に表示させ、種類の異なる測定結果を確認した上で、分析結果のバリデートを行う。なお、分析結果のバリデートは、ユーザが入力部33を操作して、バリデートする対象の分析結果を選択した状態で図示しないバリデートメニューを選択することにより実行される。また、分析結果のバリデートは、データ処理装置6だけでなく、データ処理装置3,5によっても実行することが可能である。このように、データ処理装置6では、タブによって測定項目グループを選択するだけで、その測定項目グループの測定結果及び分析結果を確認することができるため、容易に種類の異なる測定結果を参照することが可能であり、バリデート対象の分析結果と同じ測定装置による測定結果だけでなく、異なる種類の測定装置による測定結果をも分析結果のバリデートの判断材料として利用することができ、この結果バリデートの妥当性を向上させることができる。
また、正常な測定結果及び分析結果が既知のコントロール物質を対象として血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bにて測定を実行させ、データ処理装置6でこのときの測定結果及び分析結果を表示させ、正常な測定結果及び分析結果と比較することにより、一つのデータ処理装置6を使用して種類の異なる測定装置2a(2b),4a(4b)の精度管理を容易に行うことができる。これにより、従来、専用のデータ処理装置では1種類の測定装置の精度管理しか行えなかったため、複数種類の測定装置の精度管理を行うためには、ユーザが各データ処理装置間を移動して夫々の測定装置の精度管理を行わなければならなかったが、かかる煩雑な手間を削減することができ、ユーザの利便性を大幅に向上させることができる。
また、検体番号に対応して血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果及び分析結果を選択的に切り替えて表示することとしたため、ユーザは同一検体の様々な測定結果及び分析結果を容易に確認することができ、非常に便利である。また、バリデートされた分析結果はデータベースサーバ7に送信され、蓄積されることとなるが、ユーザはデータベースサーバ7にアクセスして分析結果を確認しなくても、データ処理装置6を使用して、測定結果も含めたより詳細な分析結果情報を得ることができる。このことは、データベースサーバ7に対するアクセス量の削減をもたらし、これによってデータベースサーバ7の負荷分散が実現でき、分析システム1全体のパフォーマンスが向上する。
また、ユーザが測定結果の詳細情報の表示を指示する入力を行った場合には、CPU61aは、データベースDB21,DB41から測定値データを読み出し、測定結果詳細情報表示ウィンドウを表示する。本実施の形態1においては、上述したアプリケーションプログラム34a,54aにおける測定結果詳細情報表示ウィンドウの表示と同様に、ユーザが測定結果表示ウィンドウ284内の検体情報テーブル284aをダブルクリックした場合に測定結果詳細情報表示ウィンドウが開き、この測定結果詳細情報表示ウィンドウには、ダブルクリックされたデータについての詳細情報が表示される。また、測定結果詳細情報表示ウィンドウは、ユーザがメニューウィンドウ内のデータブラウザボタンを左クリックした場合等にも表示される。
図34は、測定結果詳細情報表示ウィンドウ286の構成を示す模式図である。図34に示すように、測定結果詳細情報表示ウィンドウ286は、測定結果に異常が認められるか否かを表示する異常表示領域286aと、検体情報を表示する検体情報表示領域286bと、測定結果の各種詳細情報を表示する詳細情報表示領域286cとを有している。図29及び図32に示した測定結果詳細情報表示ウィンドウ86,186と同様に、異常表示領域286aは、測定結果詳細情報表示ウィンドウ286の左上部に設けられ、測定結果に異常が認められた場合には「Positive」と表示され、これがダブルクリックされることによって異常の分類を表示するようになっている。また、この異常表示領域286aは、異常および測定エラーのない場合に「Negative」と表示されるようになっている。また、検体情報表示領域286bは、図29及び図32で示した測定結果詳細情報表示ウィンドウ86,186の検体情報表示領域86b,186bと同様であるので、その説明を省略する。
詳細情報表示領域286cには、各種測定結果に関する詳細情報を表示するためのウィンドウが表示される。図34では、詳細情報表示領域286cに血液凝固測定メインウィンドウ286dを表示した場合を示している。血液凝固測定メインウィンドウ286dは、各測定項目の数値データを表示するための数値データ表示領域286eと、各測定項目の凝固曲線をグラフ表示するためのグラフ表示領域286fとを有している。かかる血液凝固測定メインウィンドウ286dは、データ処理装置5の測定結果詳細情報表示ウィンドウ186の詳細情報表示領域186cに表示される血液凝固測定メインウィンドウ186dと同様であるので、その説明を省略する。
また、上述ような詳細情報表示領域286cには、血液凝固測定メインウィンドウ286dの他、血球分析の測定結果についての詳細情報を表示する血球分析メインウィンドウ、測定結果をグラフ表示するグラフウィンドウ、白血球に関する詳細情報を表示するWBCウィンドウ、赤血球に関する詳細情報を表示するRBCウィンドウ、血液凝固測定の各測定項目についての詳細な情報を表示する測定項目詳細ウィンドウ等を開くことができるようになっている。これらのウィンドウの表示は、詳細情報表示領域186cの上部に設けられたタブで切り替えることができる。例えば、「メイン(MCC)」と表記されたタブが左クリックされた場合には、血球分析メインウィンドウが表示され、「メイン(CA)」と表記されたタブが左クリックされた場合には、血液凝固測定メインウィンドウ286dが表示され、「グラフ」と表記されたタブが左クリックされた場合には、グラフウィンドウが表示され、「詳細」と表記されたタブが左クリックされた場合には、測定項目詳細ウィンドウが表示されることとなる。
このように、データ処理装置6の測定結果詳細情報表示ウィンドウ286は、データ処理装置3の測定結果詳細情報表示ウィンドウ86の詳細情報表示領域86cに表示されるウィンドウ(例えば、血球分析メインウィンドウ、グラフウィンドウ)を表示することが可能であると共に、データ処理装置5の測定結果詳細情報表示ウィンドウ186の詳細情報表示領域186cに表示されるウィンドウ(例えば、血液凝固測定メインウィンドウ、測定項目詳細ウィンドウ)を表示することも可能であり、その点がデータ処理装置3,5の測定結果詳細情報表示ウィンドウ86,186と異なっているが、その他のウィンドウ構成(例えば、異常表示領域286a、検体情報表示領域286b、及び詳細情報表示領域286cの配置)は測定結果詳細情報表示ウィンドウ86,186と同様となっている。上述したように、詳細情報表示領域286cに表示されるウィンドウは、夫々測定結果詳細情報表示ウィンドウ86,186の詳細情報表示領域86c,186cに表示されるウィンドウと共通のものである。したがって、これらのウィンドウの表示に関係するプログラムモジュールは、アプリケーションプログラム34a,54aのプログラムモジュールと共用することが可能である。更に、詳細情報表示領域186c以外の部分、即ち異常表示領域186a及び検体情報表示領域186bに表示する内容は、概ね血球分析の場合と一致している。したがって、これらの部分の表示に関係するプログラムモジュールも、アプリケーションプログラム34a,54aと共用することが可能である。このようにアプリケーションプログラム34a,54a,64aの間でプログラムモジュールを共用することによって、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの設計、開発の効率を向上させることが期待できる。また、上述のようにデータ処理装置3,5,6のユーザインタフェースを統一することによって、ユーザに共通の操作性を提供することができ、ユーザが各データ処理装置毎に学習しなければならない操作手順を可及的に少なくすることができ、ユーザの利便性が向上する。
次に、本発明の実施の形態1に係る分析システム1のフォールトトレランスに関する動作について説明する。図35は、本発明の実施の形態1に係る分析システムのフォールトトレランスに関する動作の流れを説明するフローチャートである。血球分析装置2aによる測定を開始する場合、上述したように、オペレータは、検体が収容された採血管をラックにセットし、このラックを血球分析装置2aの前部に設けられた搬送部にセットする。搬送部によって、採血管がラックごと搬送される途中で血球分析装置2aに設けられたバーコードリーダによってバーコードから検体番号が読み取られる。血球分析装置2aの制御部25は、検体番号データをデータ処理装置3へと送信する(ステップS41)。CPU31aは、血球分析装置2aから検体番号データを受信した場合には(ステップS42でYes)、血球分析装置2aの送信要求に応じて測定項目データを血球分析装置2aへ送信する(ステップS43)。制御部25は、測定項目データを受信した場合には(ステップS44でYes)、試料供給部に採血管から検体を吸引させ、測定を開始する(ステップS45)。制御部25は、測定によって測定値データを生成し、この測定値データを測定オーダの発行元であるデータ処理部3へと送信し(ステップS46)、処理を終了する。
CPU31aは、測定値データを受信した場合には(ステップS47でYes)、受信した測定値データをデータベースDB21に格納し、データベースの更新を実行する(ステップS48)。次に、CPU31aは、データベースDB21の更新前と更新後との差分データ、即ち、当該更新によってデータベースDB21に生じた差分を表すデータを生成し(ステップS49)、この差分データをデータ処理装置6へと送信する(ステップS50)。データ処理装置6のCPU61aは、差分データを受信した場合には(ステップS51でYes)、当該差分データを用いてハードディスク61dに格納されているデータベースDB21を更新する(ステップS52)。このように、差分データはデータベースDB21の更新前と更新後との差を表すデータであるため、当該差分データを用いてデータ処理装置3の更新後のデータベースDB21にデータ処理装置6のデータベースDB21を整合させることができる。かかる処理は、データ処理装置3のデータベースDB21の更新の直後に行われるため、実質的にリアルタイムにデータベースDB21のミラーリングが行われる。
CPU31aは、測定値データに基づいて血球の計数、白血球の分類等の分析処理を実行する(ステップS53)。そして、生成した処理結果データをデータベースDB21に格納し、データベースDB21を更新する(ステップS54)。次に、CPU31aは、データベースDB21の更新前と更新後との差分データを生成し(ステップS55)、この差分データをデータ処理装置6へと送信して(ステップS56)、処理を終了する。データ処理装置6のCPU61aは、差分データを受信した場合には(ステップS57でYes)、当該差分データを用いてハードディスク61dに格納されているデータベースDB21を更新し(ステップS58)、処理を終了する。
なお、図35に示したフローチャートは、血球分析装置2aが測定を行った場合のデータベースDB21を二重化する処理の流れを説明したが、実際には、データベースDB21の更新が血球分析装置2aによる測定の実行によるものであるか否かを問わず、データ処理装置3のデータベースDB21が更新された場合には、CPU31aに割り込みが発生し、差分データの生成が行われ、この差分データがデータ処理装置6へと送信されて、データベースDB21の二重化が行われる。
このようにすることにより、データ処理装置3のデータベースDB21に更新が必要となるタイミングで、その更新に必要なデータがデータ処理装置6にも与えられるため、データ処理装置3,6のデータベースDB21の内容を一致させることができる。このように、データベースDB21が二重化されるので、例えばデータ処理装置3が故障して動作しなくなった場合にあっても、データ処理装置6には最新の状態、または最新に近い状態のデータベースDB21がバックアップされており、このデータベースDB21を使用してシステムを停止せずにデータの処理を継続することが可能である。
なお、データベースDB22についても同様に、例えばデータ処理装置3の設定値が変更されるなど、データベースDB22の更新が必要となるタイミングで、その更新に必要なデータをデータ処理装置6に送信し、このデータによってデータ処理装置6のデータベースDB22を更新することもできることはいうまでもない。また、ここでは説明を簡略化するために省略したが、データベースDB41,DB42についても同様である。
また、このような構成に限らず、例えば、データ処理装置3,5とデータ処理装置6とが、所定の時間間隔毎にデータベースDB21,DB22,DB41,DB42のミラーリングを行い、データ処理装置3のデータベースDB21,DB22とデータ処理装置6のデータベースDB21,DB22との内容を一致させ、データ処理装置5のデータベースDB41,DB42とデータ処理装置6のデータベースDB41,DB42との内容を一致させてもよいし、血球分析装置2a,2b(血液凝固測定装置4a,4b)が測定を実行したときに、測定値データをデータ処理装置3(5)とデータ処理装置6とに同時に送信し、この測定値データによりデータ処理装置3(5),6が同時に夫々のデータベースDB21(DB41)を更新することによりデータベースDB21(DB41)のミラーリングを行う構成としてもよい。また、この場合には、データ処理装置3(5)が分析処理を行って分析結果データを生成した場合には、この分析結果データをデータ処理装置6へと送信し、データ処理装置6が当該分析結果データを用いてデータベースDB21(DB41)のデータの更新を行ってもよい。
また、本実施の形態1においては、データ処理装置3,5がデータベースを更新する都度、データベースDB21,DB22,DB41,DB42の更新前と更新後との差分データを生成し、この差分データをデータ処理装置6へと送信して、データ処理装置6がデータベースDB21,DB22,DB41,DB42を最新の状態に更新する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、データ処理装置3,5は、所定の時間間隔毎に、データベースDB21,DB22,DB41,DB42の更新前と更新後との差分データを生成し、この差分データをデータ処理装置6へと送信して、データ処理装置6がデータベースDB21,DB22,DB41,DB42を最新の状態に更新する構成としてもよい。
また、本実施の形態1においては、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの動作時にデータベースDB22,DB42から設定データが読み出され、かかる設定データが加工された上でデータツリーに展開される構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、設定用のデータベース自体をツリー構造のデータベースとし、アプリケーションプログラム34a,54a,64aの動作時に、前記データベースから設定データを読み出し、そのままのデータツリーをメモリ上に展開する構成としてもよいし、ハードディスク31d,41d,61dに格納されたデータベースに直接アクセスする構成としてもよい。また、ツリー構造に限らず、「設定項目」、「設定条件」、及び「設定値」を「設定項目」毎に関係付けたデータ構造であれば、テーブル形式やリスト形式等、如何なるデータ構造であってもよい。
(実施の形態2)
図36は、本発明の実施の形態2に係る分析システムの構成を示す模式図である。図36に示すように、本実施の形態2に係る分析システム101は、血球分析装置2a,2bと、血球分析装置2a,2b用のデータ処理装置103と、血液凝固測定装置4a,4bと、血液凝固測定装置4a,4b用のデータ処理装置105と、患者データ管理用のデータベースサーバ7とを主要な構成要素として構成されている。血球分析装置2a,2b、データ処理装置103、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置105、及びデータベースサーバ7は、例えば、病院または病理検査施設等の医療機関の施設内に設けられている。また、例えば、血球分析装置2a,2b、データ処理装置103、血液凝固測定装置4a,4b、及びデータ処理装置105は、病理検査施設に設けられており、データベースサーバ7は、病院に設けられている等、分析システム101を構成する装置が複数の施設に別個に設けられていてもよい。また、血球分析装置2a,2b、データ処理装置103、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置105、及びデータベースサーバ7は、互いにデータ通信が可能であるように、電話回線を使用した専用回線、LAN、またはインターネット等である通信ネットワークNWによって接続されている。データ処理装置103は、血球分析装置2a,2bの近傍に配置されており、主として血球分析装置2a,2bに関するデータ処理に用いられる。これに対してデータ処理装置105は、血液凝固測定装置4a,4bの近傍に配置されており、主として血液凝固測定装置4a,4bに関するデータ処理に用いられる。なお、血球分析装置2a,2b、血液凝固測定装置4a,4b、及びデータベースサーバ7については、実施の形態1に係る分析システム1における構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、データ処理装置103の構成について説明する。図37は、本発明の実施の形態2に係るデータ処理装置103の構成を示すブロック図である。データ処理装置103は、本体131と、画像表示部32と、入力部33とから主として構成されたコンピュータ103aによって構成されている。本体131は、CPU31aと、ROM31bと、RAM31cと、ハードディスク131dと、読出装置31eと、入出力インタフェース31fと、通信インタフェース31gと、画像出力インタフェース31hとから主として構成されており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク131d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、および画像出力インタフェース31hは、バス31iによって接続されている。
データ処理装置103のハードディスク131dには、データベースDB121,DB122がインストールされている。データベースDB121は、血球分析装置2a,2bの測定結果データ及び血液凝固測定装置4a,4bの測定結果データを検体番号に対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置の測定によって得られた測定結果データは、CPU31aによって実行されるアプリケーションプログラム134aによってこのデータベースDB121に格納されるようになっている。また、アプリケーションプログラム134aは、データベースDB121にアクセスして、過去の測定結果データを読み出し、画像表示部32に表示させることが可能である。
データベースDB122は、アプリケーションプログラム134a,154aの設定値を格納するためのツリー構造データベースである。かかるデータベースDB122の構成は、実施の形態1で説明したデータベースDB22の構成と同様であるので、その説明を省略する。
可搬型記録媒体134には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム134aが格納されており、コンピュータ103aが読出装置31eによって当該可搬型記録媒体134から本発明に係るアプリケーションプログラム134aを読み出し、当該アプリケーションプログラム134aをハードディスク131dにインストールすることが可能である。
アプリケーションプログラム134aは、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bに対する動作設定、測定項目の提供、測定結果の受信、測定結果のデータベースDB121への登録、測定結果の表示等の機能を提供するコンピュータプログラムであり、CPU31aで実行されることによってコンピュータ103aを上記機能を具備するデータ処理装置103として機能させることが可能である。かかるアプリケーションプログラム134aは、データベースDB121に対して測定結果のデータの登録、削除、変更、及び取得を行うことができる他は、実施の形態1で説明したアプリケーションプログラム64aの構成と同様であるので、その説明を省略する。
なお、データ処理装置103は、ハードディスク131dにアプリケーションプログラム134a、及びデータベースDB121,DB122がインストールされている他は、実施の形態1で説明したデータ処理装置3の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、データ処理装置105の構成について説明する。図38は、本発明の実施の形態2に係るデータ処理装置105の構成を示すブロック図である。データ処理装置105は、本体151と、画像表示部52と、入力部53とから主として構成されたコンピュータ105aによって構成されている。本体151は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク151dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク151d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
データ処理装置105のハードディスク151dには、データベースDB121,DB122がインストールされている。ハードディスク151dにインストールされているデータベースDB121,DB122は、上述したデータ処理装置103に設けられたデータベースDB121,DB122と夫々同一の内容のデータベースである。これらのデータベースDB121,DB122は、アプリケーションプログラム134a,154aの機能によってデータ処理装置103に設けられたデータベースDB121,DB122とリアルタイムで同期が取られるようになっている。これにより、故障等によってデータ処理装置103に障害が発生した場合にも、データ処理装置105を用いて血球分析装置2a,2bの測定結果のデータ処理等を行うことが可能であり、またデータ処理装置105に障害が発生した場合にも、同様にデータ処理装置103を用いて血液凝固測定装置4a,4bの測定結果のデータ処理等を行うことが可能である。
可搬型記録媒体154には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム154aが格納されており、コンピュータ105aが読出装置51eによって当該可搬型記録媒体154から本発明に係るアプリケーションプログラム154aを読み出し、当該アプリケーションプログラム154aをハードディスク151dにインストールすることが可能である。
アプリケーションプログラム154aは、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bに対する動作設定、測定項目の提供、測定結果の受信、測定結果のデータベースDB122への登録、測定結果の表示等の機能を提供するコンピュータプログラムであり、CPU51aで実行されることによってコンピュータ105aを上記機能を具備するデータ処理装置105として機能させることが可能である。かかるアプリケーションプログラム154aは、ハードディスク151dに設けられたデータベースDB122に対して測定結果のデータの登録、削除、変更、及び取得を行うことができる他は、実施の形態1で説明したアプリケーションプログラム64aの構成と同様であるので、その説明を省略する。
なお、データ処理装置105は、ハードディスク151dにアプリケーションプログラム154a、及びデータベースDB121,DB122がインストールされている他は、実施の形態1で説明したデータ処理装置5の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
このような本実施の形態2に係る分析システム101では、ユーザがデータ処理装置103を使用して、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することが可能である。また、ユーザがデータ処理装置105を使用して、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することが可能である。各データ処理装置103,105は、ユーザ毎に使用することができる機能を制限することが可能である。例えば、血球分析装置2a,2bを使用するオペレータに対しては、血球分析装置2a,2bの動作指示及び測定結果の表示の機能の使用のみを許可し、その他の機能の使用を禁止するようにデータ処理装置103,105のユーザ権限を設定することができる。また、血液凝固測定装置4a,4bを使用するオペレータに対しては、血液凝固測定装置4a,4bの動作指示及び測定結果の表示の機能の使用のみを許可し、その他の機能の使用を禁止するようにデータ処理装置103,105のユーザ権限を設定することができる。また、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全てデータを参照することが可能な管理者(技師長等)に対しては、全ての機能を使用する権限を与えるようにデータ処理装置103,105のユーザ権限を設定することができる。
次に、本発明の実施の形態2に係る分析システム101のフォールトトレラントに関する動作について説明する。血球分析装置2a,2b、血液凝固装置4a,4b、及びデータ処理装置103(105)は、データベースDB121,DB122の更新が必要なタイミングに、その更新に必要となるデータを他方のデータ処理装置105(103)へと送信する。データを受信したデータ処理装置105(103)は、このデータにより、データベースDB121,DB122を更新し、これによってデータベースの二重化が達成される。また、この実施の形態2においても、データ処理装置103とデータ処理装置105とが所定の時間間隔毎にデータベースDB121,DB122のミラーリングを行い、データ処理装置103のデータベースDB121,DB122とデータ処理装置105のデータベースDB121,DB122との内容を一致させる構成であってもよい。このようにデータベースDB121,DB122を二重化する(バックアップを取る)ことにより、データ処理装置103,105のいずれか一方に障害が発生した場合でも、システムを停止せずに継続処理を行うことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態2に係る分析システム101のデータ処理装置103,105のその他の動作については、実施の形態1で説明したデータ処理装置6の動作と同様であるので、その説明を省略する。
(実施の形態3)
図39は、本発明の実施の形態3に係る分析システムの構成を示す模式図である。図39に示すように、本実施の形態3に係る分析システム201は、血球分析装置2a,2bと、血球分析装置2a,2b用のデータ処理装置203と、血液凝固測定装置4a,4bと、血液凝固測定装置4a,4b用のデータ処理装置205と、患者データ管理用のデータベースサーバ7とを主要な構成要素として構成されている。血球分析装置2a,2b、データ処理装置203、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置205、及びデータベースサーバ7は、例えば、病院または病理検査施設等の医療機関の施設内に設けられている。また、例えば、血球分析装置2a,2b、データ処理装置203、血液凝固測定装置4a,4b、及びデータ処理装置205は、病理検査施設に設けられており、データベースサーバ7は、病院に設けられている等、分析システム201を構成する装置が複数の施設に別個に設けられていてもよい。また、血球分析装置2a,2b、データ処理装置203、血液凝固測定装置4a,4b、データ処理装置205、及びデータベースサーバ7は、互いにデータ通信が可能であるように、電話回線を使用した専用回線、LAN、またはインターネット等である通信ネットワークNWによって接続されている。データ処理装置203は、血球分析装置2a,2bの近傍に配置されており、主として血球分析装置2a,2bに関するデータ処理に用いられる。これに対してデータ処理装置205は、血液凝固測定装置4a,4bの近傍に配置されており、主として血液凝固測定装置4a,4bに関するデータ処理に用いられる。なお、血球分析装置2a,2b、血液凝固測定装置4a,4b、及びデータベースサーバ7については、実施の形態1に係る分析システム1における構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、データ処理装置203の構成について説明する。図40は、本発明の実施の形態3に係るデータ処理装置203の構成を示すブロック図である。データ処理装置203は、本体231と、画像表示部32と、入力部33とから主として構成されたコンピュータ203aによって構成されている。本体231は、CPU31aと、ROM31bと、RAM31cと、ハードディスク231dと、読出装置31eと、入出力インタフェース31fと、通信インタフェース31gと、画像出力インタフェース31hとから主として構成されており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク231d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、および画像出力インタフェース31hは、バス31iによって接続されている。
データ処理装置203のハードディスク231dには、データベースDB221,DB222,DB241,DB242がインストールされている。データベースDB221は、血球分析装置2a,2bの測定結果データを検体番号に対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。血球分析装置2a,2bの測定によって得られた測定結果データは、CPU31aによって実行されるアプリケーションプログラム234aによってこのデータベースDB221に格納されるようになっている。また、アプリケーションプログラム234aは、データベースDB221にアクセスして、過去の測定結果データを読み出し、画像表示部32に表示させることが可能である。かかるデータベースDB221の構成は、実施の形態1で説明したデータベースDB21の構成と同様であるので、その説明を省略する。
データベースDB222は、アプリケーションプログラム234aの設定値を格納するためのツリー構造データベースである。かかるデータベースDB222の構成は、実施の形態1で説明したデータベースDB22の構成と同様であるので、その説明を省略する。
ハードディスク231dにインストールされているデータベースDB241,DB242は、後述するデータ処理装置205に設けられたデータベースDB241,DB242と夫々同一の内容のデータベースである。これらのデータベースDB241,DB242は、アプリケーションプログラム234a,254aの機能によってデータ処理装置205に設けられたデータベースDB241,DB242とリアルタイムで同期が取られるようになっている。これにより、故障等によってデータ処理装置205に障害が発生した場合にも、データ処理装置203を用いて血液凝固測定装置4a,4bの測定結果のデータ処理等を行うことが可能である。
可搬型記録媒体234には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム234aが格納されており、コンピュータ203aが読出装置31eによって当該可搬型記録媒体234から本発明に係るアプリケーションプログラム234aを読み出し、当該アプリケーションプログラム234aをハードディスク231dにインストールすることが可能である。
アプリケーションプログラム234aは、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bに対する動作設定、測定項目の提供、測定結果の受信、測定結果のデータベースDB221,DB241への登録、測定結果の表示等の機能を提供するコンピュータプログラムであり、CPU31aで実行されることによってコンピュータ203aを上記機能を具備するデータ処理装置203として機能させることが可能である。かかるアプリケーションプログラム234aは、データベースDB221,DB241に対して測定結果のデータの登録、削除、変更、及び取得を行うことができる他は、実施の形態1で説明したアプリケーションプログラム64aの構成と同様であるので、その説明を省略する。
なお、データ処理装置203は、ハードディスク231dにアプリケーションプログラム234a、及びデータベースDB121,DB122,DB241,DB242がインストールされている他は、実施の形態1で説明したデータ処理装置3の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、データ処理装置205の構成について説明する。図41は、本発明の実施の形態3に係るデータ処理装置205の構成を示すブロック図である。データ処理装置205は、本体251と、画像表示部52と、入力部53とから主として構成されたコンピュータ205aによって構成されている。本体251は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク251dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク251d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
データ処理装置205のハードディスク251dには、データベースDB221,DB222,DB241,DB242がインストールされている。データベースDB241は、血液凝固測定装置4a,4bの測定結果データを検体番号に対応付けて格納するためのリレーショナルデータベースである。血液凝固測定装置4a,4bの測定によって得られた測定結果データは、CPU31aによって実行されるアプリケーションプログラム254aによってこのデータベースDB241に格納されるようになっている。また、アプリケーションプログラム254aは、データベースDB241にアクセスして、過去の測定結果データを読み出し、画像表示部52に表示させることが可能である。かかるデータベースDB241の構成は、実施の形態1で説明したデータベースDB41の構成と同様であるので、その説明を省略する。
データベースDB242は、アプリケーションプログラム254aの設定値を格納するためのツリー構造データベースである。かかるデータベースDB242の構成は、実施の形態1で説明したデータベースDB42の構成と同様であるので、その説明を省略する。
ハードディスク251dにインストールされているデータベースDB221,DB222は、上述したデータ処理装置203に設けられたデータベースDB221,DB222と夫々同一の内容のデータベースである。これらのデータベースDB221,DB222は、アプリケーションプログラム234a,254aの機能によってデータ処理装置203に設けられたデータベースDB221,DB222とリアルタイムで同期が取られるようになっている。これにより、故障等によってデータ処理装置203に障害が発生した場合にも、データ処理装置205を用いて血球分析装置2a,2bの測定結果のデータ処理等を行うことが可能である。
可搬型記録媒体254には、コンピュータを本発明に係る測定装置用データ処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム254aが格納されており、コンピュータ205aが読出装置51eによって当該可搬型記録媒体254から本発明に係るアプリケーションプログラム254aを読み出し、当該アプリケーションプログラム254aをハードディスク251dにインストールすることが可能である。
アプリケーションプログラム254aは、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bに対する動作設定、測定項目の提供、測定結果の受信、測定結果のデータベースDB221,DB241への登録、測定結果の表示等の機能を提供するコンピュータプログラムであり、CPU51aで実行されることによってコンピュータ205aを上記機能を具備するデータ処理装置205として機能させることが可能である。かかるアプリケーションプログラム254aは、データベースDB221,DB241に対して測定結果のデータの登録、削除、変更、及び取得を行うことができる他は、実施の形態1で説明したアプリケーションプログラム64aの構成と同様であるので、その説明を省略する。
なお、データ処理装置205は、ハードディスク251dにアプリケーションプログラム254a、及びデータベースDB121,DB122,DB241,DB242がインストールされている他は、実施の形態1で説明したデータ処理装置5の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
このような本実施の形態3に係る分析システム201では、ユーザがデータ処理装置203を使用して、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することが可能である。また、ユーザがデータ処理装置205を使用して、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定及び動作開始指示を行うことができ、また血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bでの測定結果を表示することが可能である。各データ処理装置203,205は、ユーザ毎に使用することができる機能を制限することが可能である。例えば、血球分析装置2a,2bを使用するオペレータに対しては、血球分析装置2a,2bの動作指示及び測定結果の表示の機能の使用のみを許可し、その他の機能の使用を禁止するようにデータ処理装置203,205のユーザ権限を設定することができる。また、血液凝固測定装置4a,4bを使用するオペレータに対しては、血液凝固測定装置4a,4bの動作指示及び測定結果の表示の機能の使用のみを許可し、その他の機能の使用を禁止するようにデータ処理装置203,205のユーザ権限を設定することができる。また、血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの全てデータを参照することが可能な管理者(技師長等)に対しては、全ての機能を使用する権限を与えるようにデータ処理装置203,205のユーザ権限を設定することができる。
次に、本発明の実施の形態3に係る分析システム201のフォールトトレラントに関する動作について説明する。血球分析装置2a,2b、血液凝固装置4a,4b、及びデータ処理装置203(205)は、データベースDB221,DB222,DB241,DB242の更新が必要なタイミングに、その更新に必要となるデータを他方のデータ処理装置205(203)へと送信する。データを受信したデータ処理装置205(203)は、このデータにより、データベースDB221,DB222,DB241,DB242を更新し、これによってデータベースの二重化が達成される。また、この実施の形態3においても、データ処理装置203とデータ処理装置205とが所定の時間間隔毎にデータベースDB221,DB222,DB241,DB242のミラーリングを行い、データ処理装置203のデータベースDB221,DB222,DB241,DB242とデータ処理装置205のデータベースDB221,DB222,DB241,DB242との内容を一致させる構成であってもよい。このようにデータベースDB221,DB222,DB241,DB242を二重化する(バックアップを取る)ことにより、データ処理装置203,205のいずれか一方に障害が発生した場合でも、システムを停止せずに継続処理を行うことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態3に係る分析システム201のデータ処理装置203,205のその他の動作については、実施の形態1で説明したデータ処理装置6の動作と同様であるので、その説明を省略する。
また、実施の形態1〜3においては、測定値データ及び分析結果データを格納するためのデータベースDB21,DB41,DB121,DB221,DB241並びに設定値データを格納するためのデータベースDB22,DB42,DB122,DB222,DB242を二重化して信頼性を確保する構成についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、データ処理装置3,5,6,103,105,203,205が夫々ログ保存用のデータベースに自身の動作状態に関するログを保存しておき、他のデータ処理装置との間でログ保存用のデータベースを二重化してもよい。この場合には、例えば1つのデータ処理装置が異常により動作不能となった場合にも、他のデータ処理装置が動作不能のデータ処理装置の動作ログに基づいて迅速に復旧作業を行い、分析システムの動作を停止させることなく、又は停止させたとしても停止時間を僅かなものとして、システムの信頼性を確保することができる。
また、実施の形態1〜3においては、分析システム1が測定装置として血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bを有し、データ処理装置3,5,6,103,105,203,205によって血球分析装置2a,2b及び血液凝固測定装置4a,4bの動作設定、動作指示、測定結果の管理、及び測定結果の表示を行う構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、尿中有形成分分析装置、尿定性分析装置、便分析装置、粒子分析装置等、他の測定装置を有し、データ処理装置によってかかる測定装置の動作設定、動作指示、測定結果の管理、及び測定結果の表示等を行う構成としてもよい。