JP4659410B2 - 水素燃料電池のセル電圧モニター装置及びその利用方法 - Google Patents

水素燃料電池のセル電圧モニター装置及びその利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素燃料電池のセル電圧をモニターすることで、水素燃料の性状を簡単に分析可能で、しかも実用的な安価に提供することができる水素燃料電池のセル電圧モニター装置及びその利用方法に関する。
現在、世界的に水素燃料電池自動車の普及が推進されている。この水素燃料電池自動車に使用される燃料電池は不純物の影響を受けやすい為、燃料となる水素については高純度のものが必要とされるものであり、かかる点から国際的に統一された性状規格の設定が進められている。このような状況下にあって規格が設定されたとしても実際の使用時において性状規格に適合しているかを保証する為には、可能な限り水素燃料電池自動車に充填する直前、すなわち水素ディスペンサーの個所において分析することが望ましい。
しかしながら、水素に含まれる不純物を正確に分析するには、現状では購入額が少なくとも数千万円レベルの種々の分析装置を必要とする。また、分析装置の中には正確な分析を行うために試料のサンプリングと分析に熟練を要するものがあり、コスト的・人員的な観点から水素ステーション毎に分析装置を装備し、分析者を配置することは現実的ではない。対応策として、分析作業の外注が挙げられるが、現状においては分析費用が年間数百万円(分析頻度を数ヶ月毎とした場合)となり、人員面は解決できてもコスト的にはまだ高額の域を出ない。
ところで、水素燃料性状を管理するための従来の典型的な先行技術の例としてはPEM燃料電池に対するCO濃度を監視する発明に関するものがある。(例えば、特許文献1、2参照。)。この特許文献1、2は、何れもCOセンサー及び改質燃料蒸気のCO濃度を制御するPEM燃料電池へのCO濃度を監視する方法に関するもので、小型のPEM燃料電池をプローブとして用いている敏感なCOセンサーと、燃料電池システムの作動を制御するための手段としてPEM燃料電池への改質物供給の流れにおけるCO濃度をリアルタイムで監視するための方法についての発明である。
水素燃料を消費する各種装置の中で例えば水素燃料電池自動車について見た場合、高純度が要求される水素燃料が不純物の影響で純度が下がってくると水素燃料電池自動車(燃料電池自体)の耐久性低下に直接つながるために、高純度保持が強く望まれるが、燃料電池の耐久性の低下度合いはCOだけでなく、他の含有成分である硫黄、蟻酸、ホルムアルデヒド等の濃度によっても影響を受けるものである。
上述する特許文献1、2の発明では、CO濃度を監視することによって高純度化のための諸対策を講じることができるが、CO以外の硫黄など他の成分の影響については何等対応できないために高純度保持対策面で万全とは言い難い問題を有している。
特許第3357299号公報(特に、特許請求の範囲) 特許第3357300号公報(特に、特許請求の範囲)
水素燃料における水素性状を合理的にかつ経済的に十分管理することは水素燃料電池を安定して稼動させる為に不可欠な事項である。しかしながら、分析装置は数千万円レベルであり、分析作業自体も熟練を要する等、必要なときに簡単に水素性状を分析することは現状容易ではない。また、上記のようにCO以外にも水素燃料電池の耐久性に影響を及ぼす不純物が存在する為、特許文献で示す監視方法では水素燃料性状分析として不十分である。そこで、正確で簡単かつ安価な水素性状を分析できる機器が望まれている。
かかる課題を解決するべく、ここに本発明は案出されるに至ったものであって、従って、請求項1に記載された発明は、高純度水素を供給する水素供給ライン(L1)に連通する水素モニターライン(L2)に接続されるモニター用水素燃料電池(4)と、上記モニター用水素燃料電池(4)による未利用水素を上記水素モニターライン(L2)に環流させる循環ライン(L3)と、不純物を含有する未利用水素をパージさせるために上記循環ライン(L3)に付設されるパージライン(L4)と、清浄空気をモニター用水素燃料電池(4)に給送するための送気ライン(L5)と、モニター用水素燃料電池(4)が前記高純度水素と前記清浄空気の供給により発電した電力を定電流で消費させる定電流負荷回路(11)と、積算発電時間(T)及びセル電圧(V)を測定するために定電流負荷回路(11)に付設される積算発電時間計測手段(12)及びセル電圧測定手段(13)と、積算発電時間(T)に対するセル電圧(V)の許容上限値(Vn)及び許容下限値(Va)を記憶する判別基準データ記憶手段(14b)と、を備えて成り、上記積算発電時間(T)に対するセル電圧(V)の許容上限値(Vn)及び許容下限値(Va)は、純水素及び水素燃料規格値下限の水素の2種を用いての前記定電流負荷回路(11)による負荷テストを行わせて得られる、発電時間とセル電圧の関係になる2種のセル電圧経時変化により規定されることを特徴とするセル電圧モニター装置である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のセル電圧モニター装置を用いて測定した任意の積算発電時間(Ti)に対するセル電圧(Vi)が許容上限値(Vn)と許容下限値(Va)の範囲内にあるか否かを判断することに基づき高純度水素の燃料性状の正常・異常を判別することを特徴とする水素燃料性状の判別方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2記載の水素燃料性状の判別方法において、上記燃料性状が正常の場合に、積算発電時間(Ti)に対するセル電圧(Vi)の変化率を算定し、その変化率が前記許容下限値(Va)における変化率を下回ることに基づき高純度水素の燃料性状の悪化を予測することを特徴とする水素燃料性状の判別方法である。
更にまた、本発明の請求項4に係る発明は、請求項3に記載の水素燃料性状の判別方法において、上記燃料性状の悪化を予測することに基づき、高純度水素中に供給する酸素濃度を調節して、モニター用水素燃料電池(4)のセル電圧の回復を図ることを特徴とする水素燃料性状の判別方法である。
更にまた、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1に記載のセル電圧モニター装置を用いて測定したモニター用水素燃料電池(4)の積算発電時間(Ti)におけるセル電圧(Vi)が許容上限値(Vn)と許容下限値(Va)の範囲内にあるか否かと、積算発電時間(Ti)におけるセル電圧(Vi)の変化率が許容下限値(Va)における変化率よりも大きいか小さいかを合わせて判断することを特徴とする水素燃料電池(4)の性能検査方法である。
請求項1に記載される装置により、請求項2および3にて記載される判別方法を用いることで、特に水素燃料電池をモニターとして使用し、判別基準データとモニター実測から得られる積算発電時間Tに対するセル電圧Vの測定値又は変化率ΔV/ΔTをリアルタイムで比較するようにしたことで、以下のような効果が期待できる。即ち、
A.常時水素燃料性状をモニターすることから規格から外れた場合に直ちに検知できて即座に対処できる。
B.モニター用水素燃料電池は、MEA(Membrane
Electrode Assembly=膜/電極接合体)を交換すれば、モニター装置全体としては長期間継続使用できる。尚、交換頻度は1年に1回程度でよい。
C.セル電圧の変化率が異常な値を示した場合、数%程度の酸素を含む水素を導入してセル電圧の変化率が復帰すればCOが原因、復帰しなければ硫黄などの他の成分が原因として、不純物物質の特定も可能である。
D.判別基準データを適宜変更することで水素性状モニターのみならず、製品として出荷前の仕様の異なる燃料電池の性能を簡単に検査できる装置としても利用できる。
E.従来の高精度分析装置と比較して非常に安価である。(製作単位によるものの百万円程度も可能である。)
F.上記効果Aにより、顧客に安心感を与えかつ信頼性を向上し得る。
本発明使用の主目的である水素燃料性状モニターに関する好ましい実施の形態について添付図面を参照しながら以下に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る水素燃料電池のセル電圧モニター装置のシステム構成図である。また図3は、水素ステーションにおける上記モニター装置の設置例図である。
請求項1の発明に係る実施形態の場合について図2のセル電圧モニター装置を参照して具体的に説明する。セル電圧モニター装置は、管理する高純度の水素を逆止弁15に通した後に加湿器3で加湿してモニター用水素燃料電池(以下、燃料電池セルと称す)4に送入する水素モニターラインL2と、空気を空気ブロア1で送入し、フィルタ2で除塵し、加湿器3で加湿して燃料電池セル4に送入する送気ラインL5と、弁16に通した後に前記逆止弁15と、加湿器3の間の水素モニターラインL2に酸素を供給するための酸素補給管17と、交換可能な標準MEA(膜/電極接合体)5を組み込んだ前記燃料電池セル4と、管理する水素と空気を用いて燃料電池セル4で発電し、発電した電力を定電流で消費する定電流負荷器11と、積算発電時間を測定するアワーメータ12及びセル電圧を測定する電圧計13と、その積算発電時間とセル電圧を入力し後述する水素燃料性状の判別基準データと比較して、管理する水素が正常か異常かを判別してそれを出力する記憶演算器14と、水素燃料性状表示部18と、燃料電池セル4から出る未利用の空気をラジエータ6で冷却しドレンタンク7で水分を分離して空気を排出する排気ラインと、燃料電池4からの未利用水素をラジエータ6で冷却しドレンタンク7で水を分離して、水素循環ブロア8で未利用水素を循環する循環ラインL3と、循環水素を定期的に弁9でパージするパージラインL4と、ドレンタンク7からの水を水ポンプ10で燃料電池セル4の冷却部に送入して燃料電池セル4の発熱を制御し、暖められた水を加湿器3の加湿に利用する水ラインL6の各要素部材で構成される。
上記セル電圧モニター装置は、未利用水素を循環する循環ラインL3とパージラインL4を備える。導入・普及が予想される水素燃料電池自動車の場合においては、水素の利用率を向上させるために未利用水素を循環する。これは水素の利用率を向上させる一方、循環することにより水素燃料中の不純物が濃縮し、自動車の燃料電池に悪影響を及ぼす。そのため、水素燃料電池自動車は水素燃料中の不純物がある程度濃縮された時点で、その循環水素をパージする機構を設けることになる。従って本発明に係るセル電圧モニター装置は、当該モニター装置に未利用水素を循環する循環ラインL3とパージラインL4を設け、パージ頻度を調整できる機能を付加することにより、水素燃料電池自動車の燃料電池と同等の不純物が濃縮する条件を前記セル電圧モニター装置の燃料電池セル4に付与し、水素燃料性状の管理を適切に行うことができるようにするものである。
本発明に係る上記セル電圧モニター装置の設置位置は、図3に例示されるように水素を利用する装置(この場合、水素燃料電池自動車)の直近であるディスペンサー出口の水素供給ラインL1に連接した水素モニターラインL2を選定して、水素利用側とモニター側とをできるだけ同じ条件にすることが望ましい。
本発明に係る上記セル電圧モニター装置において、図4を参照して、記憶演算器14について説明する。この記憶演算器14は、実測値を記憶するメモリー14a及び判別基準データを記憶する記憶手段14bと、実測値と判別基準データを比較判断するプログラムを記憶する記憶手段14dと、実測値と判断基準データをメモリー14dのプログラムに基づき演算する演算手段14cとを備えている。メモリー14aは、アワーメータ12で測定した積算発電時間Tと電圧計13で測定したセル電圧Vとを記憶する例えばRAM1からなる。メモリー14bは、水素燃料性状の正常・異常の状態を判別する要素としての判別基準データを記憶する例えばRAM2からなる。演算手段14cは、両メモリー14a,14bのデータを、例えばROMからなるメモリー14dに記憶される比較判断プログラムに基づき、演算・対比して判断を行う例えばCPUからなるから成っていて、この演算結果に基づいて判断結果を表示部に表示させると同時に、警報を発信させ、制御対象の弁を開閉作動させるようになっている。
上記判断基準データは、セル電圧モニター装置で実際に使用されるモニター用水素燃料電池と同一仕様の燃料電池に純水素及び規格値下限水素を流すことで採取される積算発電時間Tとセル電圧Vの値とをメモリー14bに記憶することで取得できる。ここで図2を参照して、判断基準データの取得方法について具体的に説明する。始めにモニター用水素燃料電池4と同一仕様の水素燃料電池に対して、純水素及び水素燃料規格値下限の水素の2種を用いての前記定電流負荷回路11による負荷テストを行わせて得られる、積算発電時間Tiとセル電圧Viが計測され、メモリー14aからCPU14cを経由してメモリー14bに積算発電時間Tiとセル電圧Viが記憶される。記憶された積算発電時間Tiとセル電圧Viのデータは、純水素である場合のセル電圧で表される許容上限値Vnと、水素燃料規格値下限の水素である場合のセル電圧で表される許容下限値Vaをそれぞれ水素燃料性状判別基準データとして設定される。この時同時に積算発電時間Tに対応する設定時点における変化率ΔV/ΔTがメモリー14dのプログラムに基づきCPU14cで演算されメモリー14bに許容変化率として設定される。尚、このセル電圧経時変化を積算発電時間Tに対するセル電圧Vとしてプロットすると、図1のように傾きの小さい純水素の場合のセル電圧経時変化線と傾きの大きい水素燃料規格値下限水素の場合のセル電圧経時変化線のように模式的に表現でき、2つのセル電圧変化線に挟まれた網掛け部分は積算発電時間Tに対する正常なセル電圧Vの範囲を示している。
上記のようにして採取されたモニター用水素燃料電池の判別基準データは、同一仕様のセル電圧モニター装置間であれば共有することができる。従って、仕様が異なる複数のモニター用水素燃料電池の判別基準データを予め採取しておけば、モニター用水素燃料電池が変更になった場合であっても、判別基準データを変更するだけで容易に異なる仕様のセル電圧モニターに対応することができる。
尚、判別基準データの採取にあたっては、上記のように単純に水素を透過させて積算発電時間に対するセル電圧を測定する場合と、判別基準データの測定時間の短縮を図る為、水素内の不純物量や透過水素量を所定量変化させた加速試験を行う場合がある。
請求項2の発明に係る実施形態の場合における記憶演算器14の作動態様について図6を参照して具体的に説明する。本装置を判別モードに切替えて、積算発電時間Tiに対するセル電圧値Viは14a(ステップS1)から,積算発電時間Tiに対応する判別基準データ基準値Vn,Vaは14bから読み出して、積算発電時間Tiに対する測定電圧値Viが正常か異常かの判断を演算手段14cで行わせ(ステップS3)、図5に拡大示されるようにVa<Vi<Vnであれば適正範囲にある、即ち、水素燃料性状が正常値と判定して次ステップに移行させ、Vi<Vaであれば異常範囲にある、即ち、水素燃料性状が異常値であると判定して異常発生の表示を行わせる(ステップS4)。この時、図3に示す水素ステーションから水素燃料電池自動車への水素供給は中止する。
次に、請求項3の発明に係る実施形態についてΔVi/ΔTiの算出説明図である図5及び図6を参照して具体的に説明する。上記燃料性状が正常な場合(Va<Vi<Vn)において、積算発電時間Tiに対するセル電圧Viをメモリー14aから、積算発電時間Tiに対応する設定時点における許容変化率ΔVa/ΔTaを14bから読み出し、演算手段14cでモニター実測から変化率ΔVi/ΔTiの演算(ステップS6)を行い、許容変化率ΔVa/ΔTaと比較して該変化率ΔVi/ΔTiの正常・異常の判断を行わせる(ステップS7)。この場合における変化率ΔVi/ΔTiの演算は、図5に拡大示されるように設定した単位短時間に対するセル電圧の変化から求められる。尚、上記では許容変化率ΔVa/ΔTaをメモリー14bから読み出しているが、メモリー容量を抑える意味で、水素性状基準データのVa及びTaから演算手段14cにて逐次演算を行ってもよい。
変化率ΔVi/ΔTiと許容変化率ΔVa/ΔTaを演算手段14cで対比させ、|ΔVi/ΔTi|≦|ΔVa/ΔTa|であれば水素燃料性状は正常と判定して次ステップのモニター継続に移行させ(ステップS20)、|ΔVi/ΔTi|>|ΔVa/ΔTa|であれば燃料性状が悪化すると予測して、水素燃料性状異常発生を表示させる(ステップS8)。この時、図3に示す水素供給ステーションから水素燃料電池自動車への水素供給は中止する。次段階のセル電圧復旧ルーチンへの移行(ステップS9)は、水素燃料性状の悪化がどの不純物によるものかを究明するために用いられる。
請求項4の発明に係る実施形態について図5及び図6並びにセル電圧復旧制御の手順を示すフロー図である図7を参照して具体的に説明する。変化率が|ΔVi/ΔTi|>|ΔVa/ΔTa|であって水素燃料性状の悪化を予測すると次段階のセル電圧復旧ルーチンに移行させ(ステップS9)、セル電圧復旧ルーチンの開始時刻Tsを計測後に(ステップS21)、酸素を供給する(ステップS22)。即ち、高純度水素中の酸素濃度が所定濃度になるように、水素モニターラインL2を通じて酸素をモニター用水素燃料電池4に送入させてセル電圧の回復を図らせるようにするのである。
演算手段14cにおけるセル電圧復旧作動の手順は図7のステップS11〜ステップS17、ステップS23〜ステップS26に示される通りであって、酸素の供給に基づいて|ΔVi/ΔTi|≦|ΔVa/ΔTa|となり正常に復したと判断された際には、酸素供給を停止する(ステップS23)。また、|ΔVi/ΔTi|>|ΔVa/ΔTa|の異常状態の継続時間Tm−Tsが所定時間Tpに達しない間は酸素供給を続け、継続時間が所定時間Tpに達してもなお異常値が継続する場合は「MEA交換表示」を行いモニターを終了する。
本発明によれば水素燃料中の不純物種を特定できる。その判断の一例を挙げると、COが規格値下限以上であっても、酸素を付加することでセル電圧は積算時間Tiに対応するセル電圧Vi付近まで回復する。しかしながら、硫黄化合物が規格値下限以上であれば、酸素を付加しても、セル電圧は回復することはない。従って、実際の水素供給設備にモニターを設置し、水素性状の異常を検知した場合に、上記所定濃度の酸素を付加してセル電圧の経時変化を採取すれば、規格値下限以上である不純物がCOであるのか硫黄であるのかを判別できる。例えば図3において、水素燃料性状の異常がCOであると判別した場合は水素精製装置を、水素燃料性状の異常が硫黄であると判別した場合は改質器に組込まれている脱硫装置を点検、修理もしくは薬剤交換等の措置を講じれば良く、異常発生箇所の特定が可能となる。
本発明は上記で説明したような水素燃料性状モニターに留まらず、水素燃料電池の性能検査の装置及び検査方法として使用できる。すなわち、請求項5の発明に係る実施形態について図5を参照して具体的に説明すると、性能検査対象となる燃料電池を請求項1に示すセル電圧モニター装置に接続し、水素モニターする場合と同様にして性能検査用規格水素燃料を一定時間流通させ、積算発電時間T0とセル電圧V0を測定する。そして、セル電圧V0が図5において許容上限値線(Vn)と許容下限値線(Va)の間に挟まれた網掛部内にあれば正常、そうでなければ異常と判断する。正常であれば継続して水素燃料を流通させ、図6に示すようにT1における変化率ΔV1/ΔT1が一定時間経過後の積算発電時間T2において|ΔV2/ΔT2|<|ΔVa/ΔTa|であれば検査した燃料電池を合格とし、積算発電時間T2における変化率が|ΔV3/ΔT2|>|ΔVa/ΔTa|であれば検査した燃料電池を不良と判断する。この方法によれば、簡単かつ比較的短時間で燃料電池を検査することが可能である。また、仕様が異なる燃料電池の判別基準データを予め複数準備しておけば、判別基準データを変更するだけで仕様の異なる燃料電池の検査を容易に行うことができる。
水素燃料電池における水素性状を媒介変数としたセル電圧経時変化線図。 本発明の実施の形態に係る水素燃料性状管理用モニターのシステム図。 水素ステーションにおける水素燃料性状管理用モニターの設置例図。 図2における記憶演算器14のブロック構成図。 同じくΔV/ΔTの算出説明図。 本発明の一実施の形態に係る水素燃料性状判断の手順を示すフロー図。 本発明の他の実施の形態に係るセル電圧復旧制御の手順を示すフロー図。
符号の説明
1…空気ブロア、2…フィルタ、3…加湿器、4…モニター用水素燃料電池、5…MEA(膜/電極接合体)、6…ラジエータ、7…ドレンタンク、8…水素循環ブロア、9…弁、10…水ポンプ、11…定電流負荷回路、12…アワーメータ、13…電圧計、14…記憶演算器、15…逆止弁、16…弁、17…酸素補給管、18…水素燃料性状表示部、19…排気ライン、L1…水素供給ライン、L2…水素モニターライン、L3…循環ライン、L4…パージライン、L5…送気ライン、L6…水ライン。

Claims (5)

  1. 高純度水素を供給する水素供給ライン(L1)に連通する水素モニターライン(L2)に接続されるモニター用水素燃料電池(4)と、上記モニター用水素燃料電池(4)による未利用水素を上記水素モニターライン(L2)に環流させる循環ライン(L3)と、不純物を含有する未利用水素をパージさせるために上記循環ライン(L3)に付設されるパージライン(L4)と、清浄空気をモニター用水素燃料電池(4)に給送するための送気ライン(L5)と、モニター用水素燃料電池(4)が前記高純度水素と前記清浄空気の供給により発電した電力を定電流で消費させる定電流負荷回路(11)と、積算発電時間(T)及びセル電圧(V)を測定するために定電流負荷回路(11)に付設される積算発電時間計測手段(12)及びセル電圧測定手段(13)と、積算発電時間(T)に対するセル電圧(V)の許容上限値(Vn)及び許容下限値(Va)を記憶する判別基準データ記憶手段(14b)と、を備えて成り、上記積算発電時間(T)に対するセル電圧(V)の許容上限値(Vn)及び許容下限値(Va)は、純水素及び水素燃料規格値下限の水素の2種を用いての前記定電流負荷回路(11)による負荷テストを行わせて得られる、発電時間とセル電圧の関係になる2種のセル電圧経時変化により規定されることを特徴とするセル電圧モニター装置。
  2. 請求項1に記載のセル電圧モニター装置を用いて測定した任意の積算発電時間(Ti)に対するセル電圧(Vi)が許容上限値(Vn)と許容下限値(Va)の範囲内にあるか否かを判断することに基づき高純度水素の燃料性状の正常・異常を判別することを特徴とする水素燃料性状の判別方法。
  3. 請求項2記載の水素燃料性状の判別方法において、上記燃料性状が正常の場合に、積算発電時間(T)に対するセル電圧(V)の変化率を算定し、その変化率が前記許容下限値(Va)における変化率を下回ることに基づき高純度水素の燃料性状の悪化を予測することを特徴とする水素燃料性状の判別方法。
  4. 請求項3に記載の水素燃料性状の判別方法において、上記燃料性状の悪化を予測することに基づき、高純度水素中に供給する酸素濃度を調節して、モニター用水素燃料電池(4)のセル電圧の回復を図ることを特徴とする水素燃料性状の判別方法。
  5. 請求項1に記載のセル電圧モニター装置を用いて測定したモニター用水素燃料電池(4)の積算発電時間(Ti)におけるセル電圧(Vi)が許容上限値(Vn)と許容下限値(Va)の範囲内にあるか否かと、積算発電時間(Ti)におけるセル電圧(Vi)の変化率が許容下限値(Va)における変化率よりも大きいか小さいかを合わせて判断することを特徴とする水素燃料電池(4)の性能検査方法。
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