JP4659122B2 - 血小板測定用試薬、血小板測定用試薬キット及び血小板測定方法 - Google Patents

血小板測定用試薬、血小板測定用試薬キット及び血小板測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、血小板測定用試薬、血小板測定用試薬キット及びそれらを用いる血小板測定方法に関する。より具体的には、本発明は、血小板を測定するための色素としてナイルブルー、特にナイルブルー硫酸水素塩を含む血小板測定用試薬に関する。
血液中の細胞、すなわち白血球、網状赤血球、赤血球などの血球を、フローサイトメトリ原理を用いて迅速に測定する方法が、従来知られている。
このような測定方法として、例えば、米国特許第6114173号公報(特許文献1)には、全血試料中の網状赤血球、赤血球及び血小板の計数及び同定の方法、並びにその方法に用いる試薬組成物が開示されている。具体的には、カチオン性色素、特にオキサジン750を含む試薬混合物で網状赤血球を染色し、フローサイトメトリを用いて散乱光信号及び光吸収信号を測定する。そして、血液試料中の赤血球と網状赤血球とを吸収信号の違いによって、赤血球及び網状赤血球からなる群と血小板とを散乱光信号の違いによって分類し、それぞれの総数を決定するというものである。
米国特許第6114173号
血小板を測定するに際しては、血液中に出現する破砕赤血球や脂質などが、そのサイズが血小板と類似しているために、測定上の夾雑物として影響を与えることが知られている。特に、輸血の必要性があるような血小板の少ない検体を測定する際には、これらの夾雑物の影響がより大きくなる。このような問題は、米国特許第6114173号公報に記載の方法によっても生じる問題であるが、夾雑物の影響を抑えて血小板を測定することについて、米国特許第6114173号には何ら記載されていない。
また、血小板を染色できる色素は、溶液中で時間の経過と共に分解されることがある。フローサイトメトリによる血小板の測定は、試料中の色素により染色された細胞に光を照射して得られる散乱光及び蛍光を検出することにより行われる。しかし、含有される血小板染色用色素の量が低下した色素溶液を用いたのでは、正確に散乱光及び蛍光を得ることができず、よって、正確な測定結果を得ることができない。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、血小板の検出を妨げ得る夾雑物を含む検体であっても、このような夾雑物の影響を抑えて血小板をより高い精度で測定することを可能にし、かつ保存安定性が高い血小板測定用試薬及び血小板測定用試薬キットを提供することを目的とし、さらに、血小板をより高い精度で測定することを可能にする血小板測定方法を提供することを目的とするものである。
よって、本発明は、血小板を染色するための色素としてカウンターイオンが硫酸水素イオンであるナイルブルーを含む血小板測定用試薬を提供する。
また、本発明は、血小板を染色するための色素としてカウンターイオンが硫酸水素イオンであるナイルブルーを含む第1の試薬と、緩衝剤を含有する第2の試薬と、を含む血小板測定用試薬キットを提供する。
さらに、本発明は、血小板を染色するための色素としてカウンターイオンが硫酸水素イオンであるナイルブルーを含む第1の試薬と、検体とを、緩衝剤を含有する第2の試薬を加えるか又は加えずに混合して測定用試料を調製するステップと、
得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出するステップと、
検出された散乱光及び蛍光に基づいて測定用試料に含まれる血小板を検出するステップと、
を含む血小板測定方法を提供する。
また、別の態様において、本発明は、血小板を染色するための色素としてカウンターイオンが無機酸イオンであるナイルブルーと、酸とを含有する血小板測定用試薬を提供する。
本発明は、さらに、血小板を染色するための色素としてのナイルブルーと、酸とを含有する第1の試薬と、緩衝剤を含有する第2の試薬とを含む血小板測定用試薬キットを提供する。
さらに、本発明は、ナイルブルーと、酸とを含有する血小板測定用試薬と、検体とを、緩衝剤を含有する第2の試薬を加えるか又は加えずに混合して測定用試料を調製するステップと、
得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出するステップと、
検出された散乱光及び蛍光に基づいて測定用試料に含まれる血小板を検出するステップと、
を含む血小板測定方法も提供する。
本明細書において、「ナイルブルー」とは、例えば以下の式(II):
Figure 0004659122
(式中、X-はアニオンである)
で表され、X-で表されるカウンターイオンとの塩を形成した状態の化合物からなる色素のことをいう。本明細書では、X-で表されるカウンターイオンを特に限定しない場合には、式(II)で示される色素を単に「ナイルブルー」と呼称し、カウンターイオンが特定のイオンを示す場合には、式(II)で示される色素を「ナイルブルー(特定のイオン名)塩」と呼称する。例えば、カウンターイオンが硫酸イオン(1/2SO4 2-)であるナイルブルーを「ナイルブルー硫酸塩」と呼称し、カウンターイオンが硫酸水素イオン(HSO4 2-)であるナイルブルーを「ナイルブルー硫酸水素塩」と呼称する。
本発明の血小板測定用試薬キットを収容し得る容器の外観を表す図である。 試料分析装置の概略構成を示す正面図である。 試料分析装置の概略構成を示すブロック図である。 検出部の構成を示す概略平面図である。 実験例9の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例10の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例11の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例12の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例13の色素試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例9の血小板測定用試薬を用いた破砕赤血球含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例9の血小板測定用試薬を用いた脂質粒子含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例10の血小板測定用試薬を用いた破砕赤血球含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例10の血小板測定用試薬を用いた脂質粒子含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例14〜24の血小板測定用試薬を用いた検体の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例25の血小板測定用試薬を用いた検体の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例45の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例46の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例47の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例48の血小板測定用試薬を用いた血小板測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例45の血小板測定用試薬を用いた破砕赤血球含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。 実験例45の血小板測定用試薬を用いた脂質粒子含有血液の測定により得られたスキャッタグラムである。
符号の説明
A 第1の容器
B 第2の容器
1 試料分析装置
2 測定ユニット
3 データ処理ユニット
4 制御部
5 検出部
6 試料調製部
7 インターフェース
8 制御部
9 データ分析部
10 表示部
11 操作部
12 インターフェース
51 フローセル
52 レーザ光源
53 照射レンズ系
54、57 フォトダイオード
54a ビームストッパ
54b アンプ
55 側方集光レンズ
56 ダイクロイックミラー
57 フォトダイオード
57a、58b アンプ
58 フォトマルチプライヤ
58a 光学フィルタ
<血小板測定用試薬>
本発明者らは、フローサイトメトリを用いる血小板測定方法において、ナイルブルーを血小板染色用色素として用いることにより、血小板を他の血球成分や脂質粒子などの血液中の夾雑物から明確に区別できることを見出した。
さらに、本発明者らは、ナイルブルーを用いる血小板の測定条件について鋭意研究を重ねた結果、血小板測定用試薬が、(1)ナイルブルー硫酸水素塩を含有するか、又は(2)ナイルブルーと酸とを含有する場合に、保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の式(II)中、X-のアニオン(カウンターイオン)としては、硫酸イオン(1/2SO4 2-)、塩素イオン(Cl-)、硫酸水素イオン(HSO4 2-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)などの無機酸イオンが挙げられる。
このようなナイルブルーは、市場で入手可能であり、例えば、シグマアルドリッチ社、東京化成、ナカライテスク社、和光純薬工業、キシダ化学社などから入手できる。
特に、ナイルブルー硫酸水素塩は、和光純薬工業、キシダ化学社などから入手できる。
本発明の血小板測定用試薬中に含まれるナイルブルー(例えばナイルブルー硫酸水素塩)は、血小板測定用試薬を検体と混合したときに0.05〜5.0ppm、好ましくは0.1〜0.6ppm、さらに好ましくは0.2〜0.5ppmの濃度となる濃度範囲で色素試薬中に含まれることが好ましい。例えば、検体と混合するときに血小板測定用試薬が50倍に希釈される場合であれば、血小板測定用試薬中のナイルブルーの濃度は、2.5〜250ppmが好ましい。
このような濃度範囲であれば、血小板と、他の血球成分及び夾雑物との区別がより良好になる。
本発明の血小板測定用試薬のナイルブルーと酸とを含む態様において、酸としては、有機酸及び無機酸のいずれであってもよいが、無機酸が好ましい。無機酸としては、硫酸、リン酸、過塩素酸などのオキソ酸、及び塩酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、シアン化水素酸、イソシアン化水素酸、硫化水素、アジ化水素などの水素酸が挙げられる。
本発明の血小板測定用試薬のこの態様において、酸は、そのモル濃度が、血小板測定用試薬に含まれるナイルブルーのモル濃度以下となるように血小板測定用試薬に含まれることが好ましい。具体的には、血小板測定用試薬におけるナイルブルーと酸とのモル濃度比が10:1〜1:1であることが好ましい。特に酸として塩酸を用いる場合には、ナイルブルーと塩酸とのモル濃度比が3:1〜1:1であることが好ましく、酸として硫酸を用いる場合には、ナイルブルーと硫酸とのモル濃度比が4:1〜1:1であることが好ましい。このような濃度で酸を含有させることにより、時間経過に伴う血小板測定用試薬中のナイルブルーの有効色素成分濃度の低下をより効果的に抑制でき、血小板測定用試薬の保存安定性を向上させることができる。
本発明の血小板測定用試薬のこの態様において、ナイルブルーと酸との組み合わせは、いずれのナイルブルー及び酸でも組み合わせることができる。しかし、
(A)ナイルブルー硫酸塩とオキソ酸又は水素酸;
(B)ナイルブルークロリドと硫酸;及び
(C)ナイルブルー硫酸水素塩とオキソ酸又は水素酸
の組み合わせがより好ましい。
本発明の血小板測定用試薬の別の態様において、ナイルブルーがナイルブルー硫酸水素塩である場合、上記の血小板測定用試薬は酸を含まないことも可能である。ナイルブルーとしてナイルブルー硫酸水素塩を用いる場合、酸を加えなくても、時間経過に伴う血小板測定用試薬中のナイルブルーの有効色素成分濃度の低下をより効果的に抑制でき、血小板測定用試薬の保存安定性を向上させることができる。
上記の2つの態様の本発明の血小板測定用試薬において、保存安定性を向上できる要因としては、次のような2つの仮説が考えられる。
(1)ナイルブルーは、硫酸水素塩の形の場合に安定性が高いと考えられる。
ナイルブルー硫酸塩の場合は、酸を添加することにより、酸が解離して生じるプロトン(H+)がナイルブルー硫酸塩のSO4 2-とHSO4 -を形成し、HSO4 -とナイルブルーとのバランスが1:1になって安定化できる。
ナイルブルーが上記以外の塩である場合は、硫酸を添加することにより、硫酸から生じるHSO4 -がナイルブルーを安定化できると考えられる。
よって、本発明の血小板測定用試薬は、硫酸水素イオンが存在することとなるように、ナイルブルーと必要に応じて酸とを含む血小板測定用試薬でもあり得る。
(2)ナイルブルーの構造は、ジエチルアミノ基、アミノ基及びフェノキサジン構造中の窒素の3箇所に窒素原子を有する。これらの窒素原子のうち、上記のX-で表されるカウンターアニオンと塩を形成する窒素原子以外の窒素原子が酸付加塩を形成することにより、窒素原子の安定性が向上し、色素の溶解性がより向上して、血小板測定用試薬の安定性が向上すると考えられる。
すなわち、ナイルブルー硫酸水素塩の場合は、カウンターアニオンである硫酸水素イオン(HSO4 -)が解離してプロトン(H+)と硫酸イオン(SO4 2-)を生じ得る。このプロトンが、ナイルブルーのいずれかの窒素原子と結合してプロトン性窒素原子を生じ得る。このプロトン性窒素原子が、硫酸イオンを介して分子間塩を形成することにより、色素の溶解性が向上して、安定性が向上し得ると考えられる。
また、硫酸水素塩以外のナイルブルーに酸を添加すると、酸が解離して生じるプロトン及びアニオンが、ナイルブルーの分子間塩の形成に寄与でき、色素の溶解性及び安定性を向上できると考えられる。
よって、本発明の血小板測定用試薬は、ナイルブルーが分子間塩を形成できるようにナイルブルーと必要に応じて酸とを含む血小板測定用試薬でもあり得る。
本発明の血小板測定用試薬は、水溶性有機溶媒をさらに含むことが好ましい。水溶性有機溶媒としては、上記のナイルブルーを溶解できるものであれば特に限定されず、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのプロトン性溶媒が挙げられる。
本発明の血小板測定用試薬は、上記のナイルブルー及び場合により酸を、上記の所望の濃度になるように上記の水溶性有機溶媒に溶解することにより製造できる。
<血小板測定用試薬キット>
上記の血小板測定用試薬は、色素を含む血小板測定用試薬を希釈するための緩衝剤を含有する試薬と組み合わせて、試薬キットとすることができる。
すなわち、ナイルブルー硫酸水素塩、又はナイルブルー及び酸を含む第1の試薬(以下、「色素試薬」ということがある)と、緩衝剤を含む第2の試薬(以下、「希釈試薬」ということがある)とを含む血小板測定用試薬キットも、本発明の一つである。
上記の第1の試薬については、上記の血小板測定用試薬について述べたことと同じである。
第2の試薬に含まれる緩衝剤は、第2の試薬のpHを所望の範囲に保つことができるものであれば特に限定されないが、カルボン酸塩類、リン酸塩、グッドバッファー、タウリン、トリエタノールアミンなどを所望のpHに応じて用いることができる。緩衝剤は、希釈試薬のpHが6.0〜11.0の範囲となるように希釈試薬中に含まれていることが好ましく、より好ましくは7.0〜10.0、さらに好ましくは8.0〜9.5である。希釈試薬のpHを6.0以上とすることにより、希釈試薬と検体とが混合された際に赤血球が溶血しにくくなり、夾雑物である破砕赤血球を低減させることが可能となり、また、pHを11.0以下とすることにより、破砕赤血球の非特異的染色を低減させることが可能となる。
上記の第2の試薬は、よって、pH6.0〜11.0の緩衝液であることが好ましい。
上記の希釈試薬は、上記の緩衝剤の他に、浸透圧補償剤、ナイルブルーによる血小板の染色を促進するための染色促進剤などの成分をさらに含み得る。
浸透圧補償剤は、希釈試薬の浸透圧を適切な範囲に保つための化合物であればよく、例えばプロピオン酸などの有機酸のアルカリ金属塩、グルコース、マンノースなどの糖類を挙げることができる。また、NaClのようなアルカリ金属ハロゲン化物やアルカリ土類金属ハロゲン化物も用いることができる。上記の浸透圧補償剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
浸透圧補償剤は、希釈試薬の浸透圧を150〜600mOsm/kgに調整するように希釈試薬に含まれていることが好ましく、より好ましくは200〜300mOsm/kgである。このような範囲の浸透圧とすることにより、試薬キットの各試薬と検体とが混合されたときの浸透圧を生理的浸透圧に近づけることができ、赤血球の低張溶血などを防ぐことができるため、破砕赤血球の増加が抑制され、より精度よく血小板を測定することができる。なお、上記の緩衝剤を用いて希釈試薬の浸透圧を上記の範囲に調整できる場合には、浸透圧補償剤は用いなくてもよい。
上記の染色促進剤は、ナイルブルーの血小板への透過性を促進することができる化合物であればよく、界面活性剤、特にカチオン界面活性剤が好ましい。
好ましいカチオン界面活性剤は、以下の式(I):
Figure 0004659122
(式中、R11は炭素数8〜12のアルキル基であり;R12、R13及びR14は同一又は異なって、炭素数1〜6のアルキル基であり;Y-はアニオンである)
で表されるものである。
上記の式(I)において、R11としての炭素数8〜12のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例えばオクチル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ミリスチル基などが挙げられる。
R12、R13又はR14としての炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシル基が挙げられる。なかでも、メチル又はエチル基が好ましい。
Y-のアニオンとしては、臭素イオン又は塩素イオンが好ましい。
上記の式(I)の好ましいカチオン界面活性剤は、デシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(OTAB)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(LTAC)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド(MTAB)などが挙げられる。これらのカチオン界面活性剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
上記のカチオン界面活性剤は、50〜20000ppmの濃度で希釈試薬に含まれていることが好ましく、特に好ましい濃度は、カチオン界面活性剤の種類により異なるが、例えば、DTABを用いる場合の濃度は、500〜3000ppm程度、LTACを用いる場合の濃度は100〜500ppm程度が好ましい。カチオン界面活性剤がこのような濃度で希釈試薬に含まれていることにより、血小板測定用試薬キットの各試薬と検体とを混合したときに、赤血球の溶血を引き起こすことなく、好適に血小板の染色を促進することができる。
さらに、上記の希釈試薬は、上記の成分以外に、例えば、2−ピリジルチオ−1−オキシドナトリウム、β−フェネチルアルコールなどの防腐剤を含んでいてもよい。
上記の希釈試薬に含まれる緩衝剤及び該希釈試薬に含まれ得る任意の成分は、色素試薬に予め混合することもできるが、色素試薬に含まれるナイルブルーは、水やアルカリ成分によって劣化することがあるため、色素試薬と希釈試薬とを別々の試薬として含む上記の試薬キットが、保存安定性上好ましい。
本実施形態による血小板測定用試薬キットは、図1に示すように、色素試薬を収容するための第1の容器Aと、希釈試薬を収容するための第2の容器Bとに収容され得る。このように、色素試薬と希釈試薬とが別々の容器に収容されることにより、色素試薬に含まれるナイルブルーが、希釈試薬に含まれる水やアルカリ成分によって劣化することがなく、保存安定性に優れた血小板測定用試薬キットを提供することができる。
<血小板測定方法>
上記の血小板測定用試薬又は血小板測定用試薬キットは、血小板を含み得る検体と混合することにより、該血小板を染色できる。
よって、本発明は、上記の血小板測定用試薬又は血小板測定用試薬キットを用いる血小板測定方法をさらに提供する。
本発明の測定方法は、
ナイルブルー硫酸水素塩、又はナイルブルー及び酸を含有する第1の試薬と、検体とを混合して測定用試料を調製するステップと、
得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出するステップと、
検出された散乱光及び蛍光に基づいて測定用試料に含まれる血小板を検出するステップと、
を含む。
上記の測定方法において、第1の試薬と検体とを混合するステップにおいて、緩衝剤を含む第2の試薬をさらに混合するか又はしなくてよいが、好ましくは、該第2の試薬がさらに混合される。
上記の第1の試薬及び第2の試薬については、上記の血小板測定用試薬キットについて述べたことと同じである。
上記の検体は、生体、特にヒトを含む哺乳動物から採取した血液(全血、多血小板血漿(PRP)など)、及び骨髄液を含む。検体は、これらの血液又は骨髄液を緩衝液などの適当な溶液で希釈したものであってもよい。
上記の第1の試薬と検体とは、混合したときに、測定用試料中のナイルブルーの濃度が0.05〜5.0ppm、好ましくは0.1〜0.6ppm、さらに好ましくは0.2〜0.5ppmとなるように混合することが好ましい。
上記の第1の試薬は、検体と混合して得られる測定用試料中のナイルブルーの濃度を上記のものとするために、第2の試薬で希釈されていてもよい。
よって、第2の試薬を用いる場合、上記の第1の試薬及び第2の試薬と、検体とは、第1の試薬+第2の試薬:検体=100:1〜1000:1の容量比で混合することが好ましい。
また、第2の試薬を用いる場合、第1の試薬と第2の試薬との容量比は、1:10〜1:100が好ましく、より好ましくは1:20〜1:75である。
上記の混合するステップにおいて、第2の試薬を加える場合、第1の試薬、第2の試薬及び検体の混合順序は、特に限定されない。
上記の混合するステップは、25〜50℃程度、より好ましくは35〜45℃程度の温度で行うことが好ましい。また、混合は、10秒〜5分程度、より好ましくは10秒〜2分程度、さらに好ましくは10秒〜60秒程度の時間行うことが好ましい。
本発明の測定方法においては、次いで、上記のようにして得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出する。
光を照射するための装置としては、フローサイトメータが好ましい。フローサイトメータを用いる場合、該測定用試料は、フローサイトメータのフローセルに導入され、フローセル内を流れる測定用試料中の細胞に光が照射されることとなる。
用いるフローサイトメータの光源は特に限定されず、ナイルブルーの励起に好適な波長(例えば600〜680nm付近)の光源を用いることができる。光源としては、例えば、赤半導体レーザ、He−Neレーザなどが挙げられる。特に半導体レーザは気体レーザに比べて非常に安価であり、好適である。
上記のようなフローサイトメータにおいて光を照射することにより細胞から発せられる散乱光は、前方散乱光(受光角度0〜20°付近)又は側方散乱光(受光角度90°付近)のいずれでもよい。また、前方散乱光としては、前方低角散乱光(受光角度1〜5°付近)又は前方高角散乱光(受光角度6〜20°付近)のいずれでもよい。
上記のようなフローサイトメータにおいて光を照射することにより細胞から発せられる蛍光については、ナイルブルーに適当な受光波長(630〜680nm程度)を選択することができる。
上記のようにして得られた散乱光及び蛍光に基づいて、スキャッタグラムを作成することにより、血小板と、その他の血球成分及び脂肪粒子などの夾雑物とを区別して、血小板を検出することができる。このようにして検出された血小板を計数することもできる。血小板の検出及び/又は計数には、適切な解析用ソフトウェアを用いることが好ましい。
以下に、図面を参照して、フローサイトメータを備えた試料分析装置を用いる血小板の測定について説明する。
図2は、試料分析装置の概略構成を示す正面図である。この試料分析装置1は、例えば血液検査に使用される装置であり、図2に示すように、測定ユニット2と、データ処理ユニット3とによって主として構成されていて、測定ユニット2によって血液検体中に含まれる成分について所定の測定を行い、この測定データをデータ処理ユニット3で受信して分析処理を行うようになっている。
図3は、試料分析装置1の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、測定ユニット2は、各部の動作を制御するための制御部4と、試料中の被検粒子を検出するためのフローサイトメータを備えた検出部5と、測定用試料を調製し、調製された測定用試料を検出部5に供給するための試料調製部6と、データ処理ユニット3とデータの送受信を行うためのインターフェース7とを備えている。データ処理ユニット3は、各部の動作を制御するための制御部8と、測定ユニット2から受信した検出データを分析するためのデータ分析部9と、データ分析部9による分析結果をスキャッタグラムとして表示する表示部10と、オペレータからの操作を受け付ける操作部11と、測定ユニット2とデータの送受信を行うためのインターフェース12とを備えている。
次に、フローサイトメータを備えた検出部5の構成について、図4を参照して説明する。図4は、検出部の構成を示す概略平面図である。検出部5には、半導体レーザ光源52が、フローセル51へ向けてレーザ光を出射するように配置されている。半導体レーザ光源52とフローセル51との間には、複数のレンズからなる照射レンズ系53が配されている。半導体レーザ光源52から直線的に延びた光軸上には、フローセル51を挟んで照射レンズ系53に対向するように、ビームストッパ54aが設けられており、半導体レーザ光源52からの直接光はビームストッパ54aによって遮光される。また、ビームストッパ54aの更に光軸下流側には、フォトダイオード54が配されている。
フローセル51に測定用試料が流れると、レーザ光により散乱光及び蛍光の光信号が発生する。このうち前方の信号光が前記フォトダイオード54へ向けて照射される。半導体レーザ光源52から直線的に延びた光軸に沿って進行する光のうち、半導体レーザ光源52の直接光はビームストッパ54aによって遮断され、フォトダイオード54には概ね前記光軸方向に沿って進行する散乱光(以下、前方散乱光という)のみが入射する。フローセル51から発せられた前方散乱光は、フォトダイオード54で光電変換され、これによって生じた電気信号(以下、前方散乱光信号という)がアンプ54bによって増幅される。そして、前方散乱光信号は、制御部4に出力されたのち、インターフェース7を介してデータ処理ユニット3に出力されて、データ処理ユニット3のデータ分析部9において信号処理される。
かかる前方散乱光信号は、被検粒子の大きさを反映しており、データ分析部9がこの前方散乱光信号を信号処理することによって、被検粒子の大きさ等を得るようになっている。
また、半導体レーザ光源52からフォトダイオード54へ直線的に延びる光軸に対して直交する方向には、側方集光レンズ55が配されており、フローセル51内を通過する被検粒子に半導体レーザを照射したときに発生する側方光(前記光軸に対して交差する方向へ出射される光)がこの側方集光レンズ55で集められるようになっている。側方集光レンズ55の側方光の進行方向について下流側にはダイクロイックミラー56が設けられており、側方集光レンズ55から送られた信号光は、ダイクロイックミラー56で散乱光成分と蛍光成分とに分けられる。ダイクロイックミラー56の側方(側方集光レンズ55とダイクロイックミラー56とを結ぶ光軸方向に交差する方向)には、側方散乱光受光用のフォトダイオード57が設けられており、ダイクロイックミラー56の前記光軸下流側には、光学フィルタ58a及びフォトマルチプライヤ58が設けられている。そして、ダイクロイックミラー56で分けられた側方散乱光成分は、フォトダイオード57で光電変換され、これによって生じた電気信号(以下、側方散乱光信号という)がアンプ57aによって増幅される。側方散乱光信号は、制御部4に出力されたのち、インターフェース7を介してデータ処理ユニット3に出力され、データ処理ユニット3のデータ分析部9において信号処理される。
この側方散乱光信号は、被検粒子の内部情報(例えば白血球の核の大きさ等)を反映しており、データ分析部9がこの側方散乱光信号を信号処理することによって、白血球の核の大きさ等を得るようになっている。
また、ダイクロイックミラー56から発せられた側方蛍光成分は光学フィルタ58aによって波長選択された後、フォトマルチプライヤ58で光電変換され、これによって生じた電気信号(側方蛍光信号)がアンプ58bによって増幅される。側方蛍光信号は、制御部4に出力されたのち、インターフェースを介してデータ処理ユニット3に出力され、データ処理ユニット3のデータ分析部9において信号処理される。
この側方蛍光信号は、被検粒子の染色度合いに関する情報を反映しており、データ分析部9がこの側方蛍光信号を信号処理することによって、被検粒子の染色性等を得るようになっている。
データ処理ユニット3のデータ分析部9は、上記のようにして得られた前方散乱光信号、側方散乱光信号及び蛍光信号を分析して被検粒子を検出し、さらに検出された被検粒子の計数を行うことができる。さらにデータ分析部9は、前方散乱光信号、側方散乱光信号及び蛍光信号の分析結果に基づいてスキャッタグラムを作成する。作成されたスキャッタグラムは表示部10に表示される。
このような試料分析装置を用いて、血小板を測定することができる。
まず、試料調製部6において、検体と血小板測定用試薬、あるいは検体と血小板測定用試薬キットに含まれる各試薬とが混合されて、測定用試料が調製される。ここで使用される血小板測定用試薬又は血小板測定用試薬キットとして上記の血小板測定用試薬、又は血小板測定用試薬キットを使用することができる。上記の血小板測定用試薬又は血小板測定用試薬キットの色素試薬には、ナイルブルーが含まれており、このナイルブルーが、検体に含まれる血小板を染色する。
試料調製部6は、測定用試料中のナイルブルーの濃度が0.05〜5.0ppm(0.00014〜0.014mmol/L)、好ましくは0.1〜0.6ppm、さらに好ましくは0.2〜0.5ppmとなるように、検体と上記血小板測定用試薬又は上記血小板測定用試薬キットに含まれる各試薬とを混合して、測定用試料を調製することが好ましい。測定用試料を調製する際の反応温度及び反応時間は、血小板測定用試薬の説明において記載した反応温度及び反応時間が好ましい。
次に、試料調製部6において調製された測定用試料は、試料調製部6から検出部5に供給される。検出部5において、測定用試料はフローサイトメータのフローセル51に導入され、半導体レーザ光源52によって測定用試料中の被検粒子にレーザ光が照射される。レーザ光を照射して得られた被検粒子の前方散乱光信号、側方散乱光信号及び蛍光信号は、データ処理ユニット3のデータ分析部9において信号処理される。
データ分析部9は、測定用試料中の血小板を、検体に含まれる破砕赤血球や脂肪粒子のような他の成分から、前方散乱光信号及び蛍光信号に基づいて明確に区別して検出することができる。データ分析部9は、このようにして検出された血小板を計数することもできる。このように前方散乱光信号及び蛍光信号に基づいて血小板を検出及び計数するために、データ分析部9の信号処理に適切な解析用ソフトウェアを使用することが好ましい。
なお、ここでは前方散乱光信号と蛍光信号とに基づいて血小板を検出する構成を示したが、このような構成に限らず、例えば側方散乱光信号と蛍光信号とに基づいて血小板を検出する構成であってもよい。
本発明を、以下の実施例に従ってより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実験例1〜8 ナイルブルー硫酸水素塩を含む血小板測定用試薬の保存安定性
ここでは、色素試薬の保存安定性を検証するため、表1に記載のナイルブルーを、表1に記載の濃度になるよう含有させた血小板測定用試薬(色素試薬)を調製し、色素試薬中のナイルブルーの有効色素成分濃度を反映するパラメータである吸光度を測定して、色素試薬中のナイルブルーの保存安定性を評価した。
血小板測定用試薬
色素 以下に記載の濃度
エチレングリコール 5mL
Figure 0004659122
得られた色素試薬をエタノールで10倍に希釈し、分光光度計を用いて色素の吸光スペクトルが最大となる630nmにおける各色素試薬の吸光度を測定した。なお、吸光度の測定はエタノールを対照として行った。さらに、この希釈した試薬を45℃で保存し、希釈後2ヶ月目、4ヶ月目及び7ヶ月目における吸光度を測定し、その変化率を求めた。吸光度測定の結果を表2−1に、吸光度変化率を表2−2に示す。
なお、「吸光度変化率」とは、当該実験例から得られた複数の吸光度の測定値のうち、最も測定値の高いものを基準値として、吸光度の変化の割合をパーセンテージで表したものである。
Figure 0004659122
Figure 0004659122
表2−2に示されるとおり、色素としてナイルブルー硫酸水素塩を用いた実験例1の色素試薬の吸光度低下は、2ヶ月目において2.5%、4ヶ月目において5.0%、7ヶ月目において6.9%であった。同じく色素としてナイルブルー硫酸水素塩を用いた実験例2の色素試薬の吸光度低下は、2ヶ月目において3.5%、4ヶ月目において6.9%、7ヶ月目において16.9%であった。
一方、カウンターイオンが硫酸水素イオンでないナイルブルーを用いた実験例3〜8の色素試薬は、2ヶ月目において10%以上、4ヶ月目において20%以上、7ヶ月目において30%以上も吸光度が低下していた。
これら実験例3〜8との対比によっても明らかなように、カウンターイオンが硫酸水素イオンであるナイルブルーを用いた実験例1及び2の色素試薬は、カウンターイオンが硫酸水素イオンでないナイルブルーを用いた色素試薬に比べ、時間経過に伴う吸光度の低下が小さく、保存安定性に優れていることがわかる。
実験例9〜13 ナイルブルー硫酸水素塩を含有する血小板測定用試薬の血小板染色性
ここでは、ナイルブルー硫酸水素塩を含有する血小板測定用試薬による血小板の染色性を検証するために、以下の実験を行った。
まず、次の組成からなる色素試薬と、希釈試薬とからなる試薬キットを製造した。
(1)色素試薬
血小板を染色するための色素 以下に記載の濃度
エチレングリコール 1L
(2)希釈試薬
トリシン(緩衝剤) 1.8g
ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(LTAC) 0.15g
精製水 1L
(pH9.0、浸透圧200mOsm/kg・H2Oに調整)
上記血小板を測定するための色素として、表3に示した色素を、それぞれ表3に示した濃度で用いた。なお、括弧内には、試薬と検体とが混合されたときの最終の濃度を示した。
これらの色素の化学式は、表3に示すとおりである。
上記の希釈試薬1mLをチューブに分注して40℃の水槽で加温し、さらにこの希釈試薬に、得られた色素試薬20μL及び検体として健康なヒトの全血5μLを添加し、40℃で25秒間反応させて測定用試料を調製した。この測定用試料を、633nm波長の光を発する光源を有するフローサイトメータの検出部に導入し、測定用試料中の細胞に励起光を照射し、該細胞から発せられる散乱光信号及び蛍光信号を検出して、得られた信号を解析して測定用試料中の血小板を測定した。これら測定用試料の調製、並びにフローサイトメータによる血小板測定には、血液分析装置XE−2100(シスメックス社製)を用いた。なお、上記血液分析装置は、光源の出力を通常の3Wから9Wに変更した改造機を用いた。
Figure 0004659122
実験例9〜13により得られたスキャッタグラムを、それぞれ図5〜図9に示す。なお、各図(a)は縦軸に前方散乱光強度、横軸に蛍光強度をとったスキャッタグラムであり、各図(b)は、各図(a)に示されるスキャッタグラムの縦軸をlogに変換したものである。各図(b)において、血小板が出現する領域を実線で示した。各実験例の測定結果は表3に示したとおりである。
図5〜図9からも明らかなように、血小板を染色するための色素としてナイルブルー硫酸水素塩を用いた実験例9及び10は、ナイルブルーでない他の色素を用いた実験例11〜13に比べ、血小板がよく染色されるので、蛍光強度が強い範囲で血小板が検出できることがわかる。
よって、血小板を染色するための色素としてナイルブルー硫酸水素塩を用いることにより、他の血球成分とより良好に区別して血小板を測定できる。
次に、血液中に脂質粒子などの夾雑物が存在する場合であっても、ナイルブルー硫酸水素塩を用いた実験例9及び10の色素試薬を用いることにより、血小板を特異的に染色できるか否かを検証した。
実験例9及び10の色素試薬を使用して、破砕赤血球含有血液及び脂質粒子含有血液の血小板測定を行った。なお、実験方法は、健康なヒトの全血に代えて、破砕赤血球含有血液及び脂質粒子含有血液を使用した点を除いては上記と同様であるため、詳細な説明は省略する。
実験例9の色素を用いて破砕赤血球含有血液、脂質粒子含有血液を測定して得られたスキャッタグラムをそれぞれ図10、図11に示す。実験例10の色素を用いて破砕赤血球含有血液、脂質粒子含有血液を測定して得られたスキャッタグラムをそれぞれ図12、図13に示す。なお、各図(a)は縦軸に前方散乱光強度、横軸に蛍光強度をとったスキャッタグラムであり、各図(b)は、各図(a)に示されるスキャッタグラムの縦軸をlogに変換したものであり、各図(c)は、各図(b)の血小板出現領域の周辺を拡大したものである。各図(c)において、血小板が出現する領域を実線で示した。
図10〜13の結果から、実験例9及び10の色素試薬は、血液中の破砕赤血球や脂質粒子などの夾雑物と明確に区別して、血小板を特異的に染色できていることがわかる。よって、血小板を染色するための色素としてナイルブルー硫酸水素塩血小板を用いることにより、血液中に破砕赤血球や脂質粒子などの夾雑物が存在する場合であっても、他の血球成分とより良好に区別して血小板を測定できる。
実験例1及び2より、ナイルブルー硫酸水素塩を用いた色素試薬は、時間の経過に伴う吸光度の低下が小さく、保存安定性に優れていることがいえる。また、実験例9及び10より、血小板を染色するための色素としてのナイルブルー硫酸水素塩は、血液中の血小板を特異的に染色することができ、破砕赤血球や脂質粒子などの夾雑物が存在する血液であっても、正確な血小板測定を可能とする色素であることがいえる。
実験例14〜24 種々の濃度のナイルブルー硫酸水素塩を含む血小板測定用試薬の血小板染色性
ナイルブルー硫酸水素塩(メルク社製)の色素試薬を、以下の表4に記載する濃度でエチレングリコール中に調製した。
得られた色素試薬を、実験例9〜13に記載したような希釈試薬と組み合わせて用いて、健常なヒトの全血、破砕赤血球含有血液及び脂質粒子含有血液を検体として用いて、実験例9〜13と同様にして血小板を測定した。
Figure 0004659122
得られたスキャッタグラムを、図14に示す。
図14の結果から、試験した全ての濃度範囲において、ナイルブルー硫酸水素塩を用いて良好に血小板の測定を行うことができたことがわかる。
なかでも、破砕赤血球含有血液を検体として用いた場合に、実験例17〜22の血小板測定用試薬(ナイルブルー硫酸水素塩の最終濃度:0.24〜0.44mg/L)を用いて測定すると、血小板と他の血球成分及び夾雑物との分離がより明確であることがわかる。
実験例25 ナイルブルー硫酸水素塩を含む血小板測定用試薬の保存安定性
ナイルブルー硫酸水素塩(メルク社製)の色素試薬を、14.4ppm濃度となるようにエチレングリコール中に調製した。この色素試薬を45℃の温度条件下で16週間保存し、保存後の色素試薬を使用して検体を測定した。
検体は、健常人から採取された血液、低値血小板血液、人工脂質含有血液、及び破砕赤血球含有血液を用い、実験例9〜13に記載したようにして血小板を測定した。
得られたスキャッタグラムを、図15に示す。
図15のスキャッタグラムから明らかなように、いずれの検体においても、夾雑物と明確に区別して血小板を染色できていることがわかる。
この結果から、血小板を染色するための色素としてナイルブルー硫酸水素塩を用いることにより、色素にとって不利な条件下で長期間保存した場合であっても、夾雑物の影響を抑えて血小板を精度よく測定できることが示された。
上記の条件下における保存による色素濃度の変化を検討するため、次の実験を行った。
色素試薬の調製直後、及び保存後16週目における色素試薬をエタノールで10倍に希釈し、628nmにおける吸光度を測定した以外は、実験例1〜8と同様にして吸光度を測定した。さらに、測定された吸光度の低下率に基づいて、保存後16週目における色素試薬中の色素の濃度を求めた。これらの結果を以下の表5に示す。
Figure 0004659122
表5に示したとおり、保存後16週目における色素原液の色素濃度は13.1ppmと換算された。よって、上記の条件下で保存した後であっても、血小板を測定するための好ましい色素濃度を維持できることがわかる。
実験例26〜29 ナイルブルーと酸とを含有する血小板測定用試薬の保存安定性
ここでは、ナイルブルーを溶解した溶液(ナイルブルー溶液)に塩酸、又は水酸化ナトリウムを含有させた場合のナイルブルー溶液の保存安定性を調べる実験を行った。ナイルブルー溶液の保存安定性は、溶液中のナイルブルーの有効色素成分濃度を反映するパラメータである吸光度を測定することによって評価した。
なお、以下の説明において「吸光度変化率」とは、当該実験例から得られた複数の吸光度の測定値のうち、最も測定値の高いものを基準値として、吸光度の変化の割合をパーセンテージで示したものである。「初期吸光度」とは、当該実験例に係る色素試薬の調製直後の吸光度の測定値である。
本実験例においては、カウンターイオンが硫酸イオンであるナイルブルー(ナイルブルーA、シグマ社製)を使用した。このナイルブルーを、0.02mmol/Lの濃度となるようエチレングリコールに溶解させ、ナイルブルー溶液を調製した(比較例1)。
さらに、このナイルブルー溶液5mLに、以下に記載の物質を、以下に記載の濃度となるよう含有させ、実験例26〜29とした。
実験例
26 塩酸 2mmol/L
27 塩酸 0.02mmol/L
28 水酸化ナトリウム 2mmol/L
29 水酸化ナトリウム 0.02mmol/L
各溶液をエタノールで5倍に希釈し、分光光度計を用いて色素の吸光スペクトルが最大となる630nmにおける各溶液の吸光度を測定した。さらに、この希釈溶液を60℃の温度負荷の条件下で保存し、希釈後2週目及び4週目における吸光度を測定し、その吸光度変化率を求めた。なお、吸光度の測定はエタノールを対照とした。吸光度測定の結果を表6−1に、吸光度変化率を表6−2に示す。
Figure 0004659122
Figure 0004659122
表6−1に示されるとおり、塩酸又は水酸化ナトリウムを添加していない比較例1の初期吸光度は0.5158であった。また、比較例1の吸光度変化率は、表6−2に示されるとおり調製後2週間で−2.4%、調製後4週間で−16.5%であった。
塩酸を含有している実験例26及び27の初期吸光度についてみると、表6−1にも示されているように、実験例26の初期吸光度は0.5388、実験例27の初期吸光度は0.5319であり、比較例1の初期吸光度との間に大きな差は認められなかった。
吸光度変化率についてみると、表6−2に示されるとおり、2mmol/L濃度の塩酸を含有している実験例26の吸光度変化率は、2週目において−85.2%、4週目において−99.0%であり、比較例1に比べて、時間の経過に伴う吸光度の低下が顕著になっている。つまり、ナイルブルー溶液の保存安定性が低下していることがわかる。
一方、0.02mmol/L濃度の塩酸を含有している実験例27の吸光度変化率は、2週目において−0.6%、4週目において−10.9%であり、比較例1に比べて、時間の経過に伴う吸光度の低下が緩やかになっていることがわかる。つまり、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上していることがわかる。
水酸化ナトリウムを添加した実験例28及び29の初期吸光度についてみると、表6−1に示されるように、実験例28の初期吸光度は0.0065、実験例29の初期吸光度は0.4948であり、いずれも比較例1に比べて初期吸光度が低下している。
さらに吸光度変化率についてみると、表6−2に示されるように、実験例28及び29の吸光度変化率は、いずれも調製後4週目において−20%以下であり、比較例1に比べて、時間の経過に伴う吸光度の低下が顕著になっていることがわかる。つまりナイルブルー溶液の保存安定性が低下していることがわかる。
これらの実験結果から、ナイルブルー溶液に塩酸を所定の濃度で添加することにより、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上することが示唆された。
実験例30〜36 血小板測定用試薬の保存安定性に対するナイルブルーと塩酸のモル濃度比の影響
上記実験例26〜29から、塩酸を所定の濃度で添加することにより、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上することがわかった。
ここで、ナイルブルー溶液の保存安定性、すなわちナイルブルーの有効色素成分濃度の低下は、溶液中のナイルブルーの有効色素成分の分解によるものと考えられるため、溶液に添加される塩酸の濃度は、ナイルブルーの分子数との関係で検討されるべきである。
そこで、本実験例においては、ナイルブルー溶液中の塩酸とナイルブルーとの比(モル濃度比)を種々変更し、ナイルブルーと塩酸との比(モル濃度比)とナイルブルー溶液の保存安定性との関係を調べた。
なお、ナイルブルー溶液の保存安定性は、実験例26〜29と同様に、ナイルブルー溶液の吸光度を評価することにより行った。
上記実験例26〜29と同様に、ナイルブルーA(シグマ社製)を、0.02mmol/Lの濃度となるようエチレングリコールに溶解させ、ナイルブルー溶液を調製した(比較例2)。
さらに、このナイルブルー溶液5mLに、塩酸を以下に記載の濃度となるよう含有させ、実験例30〜36とした。なお、カッコ内は溶液中のナイルブルーと塩酸のモル濃度比を示している。
実験例
30 塩酸 0.002mmol/L (10:1)
31 塩酸 0.006mmol/L (3:1)
32 塩酸 0.02mmol/L (1:1)
33 塩酸 0.06mmol/L (1:3)
34 塩酸 0.2mmol/L (1:10)
35 塩酸 0.6mmol/L (1:30)
36 塩酸 2mmol/L (1:100)
得られた色素溶液をエタノールで20倍に希釈し、分光光度計を用いて色素の吸光スペクトルが最大となる630nmにおける各色素溶液の吸光度を測定した。さらに、この色素溶液を45℃の温度負荷の条件下で保存し、調製後4週目、9週目及び18週目における吸光度を測定し、その吸光度変化率を求めた。なお、吸光度の測定はエタノールを対照とした。
吸光度測定の結果を表7−1に、吸光度変化率を表7−2に示す。
Figure 0004659122
Figure 0004659122
表7−1に示されるように、塩酸を加えていない比較例2の初期吸光度は0.1342であった。また比較例2の吸光度変化率は、表7−2に示されるように、調製後4週目において−10.0%、調製後9週目において−12.5%、調製後18週目において−26.5%であった。
実験例30〜36の初期吸光度についてみると、表7−1に示されるように、実験例30〜36のいずれも比較例2との間に大きな差は認められなかった。
次に、吸光度変化率についてみると、ナイルブルーと塩酸とのモル濃度比が10:1である実験例30の吸光度変化率は、調製後4週目において−9.0%、調製後9週目において−10.5%、調製後18週目において−23.2%であった。
ナイルブルーと塩酸とのモル濃度比が3:1である実験例31の吸光度変化率は、調製後4週目において−6.9%、調製後9週目において−9.3%、調製後18週目において−20.9%であった。
ナイルブルーと塩酸とのモル濃度比が1:1である実験例32の吸光度変化率は、調製後4週目において−5.6%、調製後9週目において−5.2%、調製後18週目において−16.8%であった。
比較例2との対比によっても明らかなように、塩酸のモル濃度がナイルブルーのモル濃度以下である実験例30〜32の吸光度の低下は、調製後4週目、9週目、18週目のいずれの時点においても、塩酸を含有していない比較例2に比べて緩やかになっている。つまりナイルブルー溶液の保存安定性が向上している。
特に、ナイルブルーと塩酸とのモル濃度比が1:1である実験例32は、他の実験例に比べて、良好な保存安定性が得られた。
実験例37〜44 ナイルブルーと硫酸とを含有する血小板測定用試薬の保存安定性
次に、塩酸に代えてナイルブルー溶液に硫酸を含有させ、ナイルブルー溶液の保存安定性を検討した。
上記実験例26〜36と同様に、ナイルブルーA(シグマ社製)を、0.02mmol/Lの濃度となるようエチレングリコールに溶解させ、ナイルブルー溶液を調製した(比較例3)。
このナイルブルー溶液5mLに、硫酸を以下に記載の濃度で含有させ、実験例37〜40とした。なお、カッコ内は溶液中のナイルブルーと硫酸のモル濃度比を示している。
実験例
37 硫酸 0.005mmol/L (4:1)
38 硫酸 0.01mmol/L (2:1)
39 硫酸 0.02mmol/L (1:1)
40 硫酸 0.05mmol/L (1:2.5)
実験例37〜40において使用したナイルブルーA(シグマ社製)に代えて、カウンターイオンが硫酸イオンであるナイルブルーA(ナカライテスク社製)を用いてナイルブルー溶液を調製した(比較例4)。
このナイルブルー溶液5mLに、硫酸を以下に記載の濃度で含有させ、実験例41〜44とした。なお、カッコ内は溶液中のナイルブルーと硫酸のモル濃度比を示している。
実験例
41 硫酸 0.005mmol/L (4:1)
42 硫酸 0.01mmol/L (2:1)
43 硫酸 0.02mmol/L (1:1)
44 硫酸 0.05mmol/L (1:2.5)
実験例37〜44の溶液の調製直後の吸光度を測定した。さらに、各溶液を45℃の温度負荷の条件下で保存し、調製後1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目、4ヶ月目における吸光度を測定し、その吸光度変化率を求めた。
実験例37〜40によって得られた吸光度測定の結果を表8−1に、吸光度変化率を表8−2に示す。
実験例41〜44によって得られた吸光度測定の結果を表9−1に、吸光度変化率を表9−2に示す。
Figure 0004659122
Figure 0004659122
Figure 0004659122
Figure 0004659122
表8−2からも明らかなように、ナイルブルーのモル濃度以下の濃度で硫酸を含有する実験例37〜39は、硫酸を含有しない比較例3に比べて、いずれの時点においても吸光度の低下が緩やかになっている。すなわち、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上している。
また、表9−2からも明らかなように、ナイルブルーのモル濃度以下の濃度で硫酸を含有する実験例41〜43は、硫酸を含有しない比較例4に比べて、いずれの時点においても吸光度の低下が緩やかになっている。すなわち、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上している。
特に、ナイルブルーと硫酸とのモル濃度比が2:1〜1:1である実験例39及び実験例42においては、4ヶ月を経過した時点における吸光度変化率は、それぞれ0.0%と−4.2%であり、極めて良好な保存安定性が得られた。
以上のことから、ナイルブルー溶液中に、ナイルブルーのモル濃度以下の濃度で酸を含有させることにより、ナイルブルー溶液の保存安定性が向上することが実証された。
なお、実験例37〜40と実験例41〜44とでは、ナイルブルー溶液に含まれる硫酸の至適濃度に差異が見られたが、これは市販のナイルブルー試薬に含まれるナイルブルーの純度の違いによるものと考えられ、誤差の範囲内のものと考えられる。
実験例45〜48 ナイルブルーと酸とを含有する血小板測定用試薬の血小板染色性
ここでは、ナイルブルーを含有する血小板測定用試薬による血小板の染色性を検証するために、以下の実験を行った。
まず、次の組成からなる血小板測定用試薬と、希釈溶液とを製造した。
(1)血小板測定用試薬
血小板を染色するための色素 以下に記載の濃度
エチレングリコール 1L
(2)希釈溶液
トリシン(緩衝剤) 1.8g
ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(LTAC) 0.15g
精製水 1L
(pH9.0、浸透圧200mOsm/kg・H2Oに調整)
上記血小板を測定するための色素として、表10に示した色素を、それぞれ表に示した濃度で用いた。なお、括弧内には、血小板測定用試薬と希釈溶液と検体とが混合されたときの最終の濃度を示した。これらの色素の化学式は、表10に示すとおりである。
血小板の測定は、実験例9〜13について記載したようにして行った。
Figure 0004659122
実験例45により得られたスキャッタグラムを図16に、実験例46により得られたスキャッタグラムを図17に、実験例47により得られたスキャッタグラムを図18に、実験例48により得られたスキャッタグラムを図19に示す。なお、各図において、図(a)は縦軸に前方散乱光強度、横軸に蛍光強度をとったスキャッタグラムであり、図(b)は、図(a)に示されるスキャッタグラムの縦軸をlogに変換したものである。各図において、図(b)の血小板が出現する領域を実線で示した。
各実験例の測定結果は表10に示したとおりである。
図16に示すように、色素としてナイルブルーを用いた実験例45においては、血小板の集団がスキャッタグラム上の蛍光強度の高い位置に出現しており、ナイルブルーによって血小板が良好に染色されていることがわかる。一方、ナイルブルー以外の他の色素を用いた実験例46〜48は、血小板の集団がスキャッタグラム上の蛍光強度の低い位置に集中しており、血小板の染色性が十分でないことがわかる。
このことから、血小板を測定するための色素としてナイルブルーを用いることにより、他の色素を用いた場合に比べて、血小板を良好に染色できることが示唆された。そして、ナイルブルーを用いて血小板を染色することにより、前方散乱光強度と蛍光強度とによって血小板を正確に検出できることが示唆された。
次に、血液中に脂質粒子などの夾雑物が存在する場合であっても、ナイルブルー及び酸を含有する実験例45の血小板測定用試薬を用いることにより、血小板を夾雑物と区別して検出できるか否かを、実施例9〜13に記載したものと同様の実験により検証した。
実験例45の血小板測定用試薬を用いて破砕赤血球含有血液、脂質粒子含有血液を測定して得られたスキャッタグラムをそれぞれ図20、図21に示す。なお、各図において、図(a)は縦軸に前方散乱光強度、横軸に蛍光強度をとったスキャッタグラムであり、図(b)は、図(a)に示されるスキャッタグラムの縦軸をlogに変換したものであり、図(c)は、図(b)の血小板出現領域の周辺を拡大したものである。図(c)において、血小板が出現する領域を実線で示した。
図20及び図21に示すように、検体に含まれる血小板の集団は、破砕赤血球や脂質粒子などの検体中の他の成分と明確に区別されてスキャッタグラム上に出現していることがわかる。この結果から、本発明による血小板測定用試薬を用いることにより、血液中に破砕赤血球や脂質粒子などの夾雑物が存在しても血小板を明確に区別して検出でき、正確に血小板を測定できることが実証された。
本出願は、2008年2月18日、3月26日及び9月26日にそれぞれ出願された日本国特許出願特願2008−36013、2008−79785及び2008−247484号に関し、これらの特許請求の範囲、明細書、図面及び要約書の全ては本明細書中に参照として組み込まれる。

Claims (15)

  1. 血小板を染色するための色素として下記式(III):
    Figure 0004659122
    で示される化合物を含む血小板測定用試薬。
  2. 血小板を染色するための色素として下記式(III):
    Figure 0004659122
    で示される化合物を含む第1の試薬と、
    緩衝剤を含有する第2の試薬と
    を含む血小板測定用試薬キット。
  3. 前記第2の試薬が、pH6.0〜11.0の緩衝液である請求項2に記載の血小板測定用試薬キット。
  4. 前記第2の試薬が、150〜600mOsm/kgの浸透圧を有する請求項2又は3に記載の血小板測定用試薬キット。
  5. 前記第2の試薬が、前記色素による血小板の染色を促進するための染色促進剤をさらに含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の血小板測定用試薬キット。
  6. 前記染色促進剤が、カチオン界面活性剤である請求項5に記載の血小板測定用試薬キット。
  7. 血小板を染色するための色素として下記式(III):
    Figure 0004659122
    で示される化合物を含む第1の試薬と、検体とを、緩衝剤を含有する第2の試薬を加えるか又は加えずに混合して測定用試料を調製するステップと、
    得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出するステップと、
    検出された散乱光及び蛍光に基づいて測定用試料に含まれる血小板を検出するステップと、
    を含む血小板測定方法。
  8. 検出された血小板を計数するステップをさらに含む請求項7に記載の血小板測定方法。
  9. 血小板を染色するための色素として下記式(II):
    Figure 0004659122
    (式中、X-は、HSO4 -、1/2SO4 2-、Cl-、及びClO4 -からなる群より選択されるアニオンである)
    で示される化合物と、酸とを含有する血小板測定用試薬。
  10. 前記酸が、無機酸である請求項9に記載の血小板測定用試薬。
  11. 前記色素と前記酸とのモル濃度比が、10:1〜1:1である請求項9又は10に記載の血小板測定用試薬。
  12. 血小板を染色するための色素として下記式(II):
    Figure 0004659122
    (式中、X-は、HSO4 -、1/2SO4 2-、Cl-、及びClO4 -からなる群より選択されるアニオンである)
    で示される化合物と、酸とを含有する第1の試薬と、
    緩衝剤を含有する第2の試薬と
    を含む血小板測定用試薬キット。
  13. 前記第1の試薬における前記色素と前記酸とのモル濃度比が、10:1〜1:1である請求項12に記載の血小板測定用試薬キット。
  14. 下記式(II):
    Figure 0004659122
    (式中、X-は、HSO4 -、1/2SO4 2-、Cl-、及びClO4 -からなる群より選択されるアニオンである)
    で示される化合物と、酸とを含有する第1の試薬と、検体とを、緩衝剤を含有する第2の試薬を加えるか又は加えずに混合して測定用試料を調製するステップと、
    得られた測定用試料中の細胞に光を照射して、該細胞から発せられる散乱光及び蛍光を検出するステップと、
    検出された散乱光及び蛍光に基づいて測定用試料に含まれる血小板を検出するステップと、
    を含む血小板測定方法。
  15. 検出された血小板を計数するステップをさらに含む請求項14に記載の血小板測定方法。
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