JP4658341B2 - Electric power steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ステアリングホイールの操舵力を軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステアリング装置が多用されてきた。この種の電動パワーステアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをステアリング系のラック軸に伝達するものであって、例えば特開平7−165089号「ステアリング装置」(以下、「従来の技術」と言う。)が知られている。
【0003】
上記従来の技術は同公報の図1、図2及び図4に示される通り、ステアリングホイール3(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)に加えた操舵トルクをステアリングシャフト4、トーションバー、出力軸5、ラック・ピニオン機構の経路でラック軸2に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動機20が発生した補助トルクをボールナット機構33を介してラック軸2に伝達し、ラック軸2によって図示せぬ操舵車輪を操舵するというものである。電動機20のロータ22は、ボールベアリング31,32を介してハウジング1に回転可能に支承され且つ収納されたものである。ボールナット機構33は、電動機20で発生した補助トルクをラック軸2に伝達するトルク伝達部材である。
【0004】
また、上記従来の技術の別実施例は同公報の図6に示される通り、ロータ22の一端をボールナット機構33のナットに一体的に取付けたというものである。この場合のハウジング1は、ボールベアリング51を介してロータ22を回転可能に支承し且つ収納するとともに、ニードルベアリング52を介してボールナット機構33のナットを回転可能に支承し且つ収納することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、燃費向上のために車両の軽量化を促進する要求が高まっている。その要求を達成するために、ステアリング装置の重量も見直されるようになってきた。ステアリング装置のハウジング1、軸受類31,32,51,52、軸類の材質は一般に鋼材であり、比較的重い。特にハウジング1は、ステアリング装置の全重量に占める重量割合が大きいので、軽量化の対象になる。ハウジング1を軽量にするには、材質をアルミニウム系やマグネシウム系等の軽量合金材に変更することが考えられる。
【0006】
ところが、鋼材と軽量合金材との線膨張係数は大きく異なる。さらにステアリング装置は、エンジンの熱や外気温の影響を受けやすい所に配置されるものである。しかも、比較的苛酷な条件で用いる電動機20からの発熱の影響も受けやすい。このように、ステアリング装置を温度変化が激しい条件で使用することになるので、ハウジング1と他の部材との熱膨張差に対する、十分な配慮が必要になる。
例えば、ハウジング1の線膨張係数が軸受31,32,51,52の線膨張係数よりも大きい場合には、両者の温度条件が同じであれば高温になるにつれて、ハウジング1の嵌合孔と軸受31,32,51,52との径方向の隙間が大きくなる。この隙間が適切でないと振動が発生することにより、騒音の要因となる。
【0007】
そこで本発明の目的は、電動パワーステアリング装置において、電動機における電動機ケースと軸受との間の径方向の熱膨張差や、ハウジングと軸受との間の径方向の熱膨張差を吸収することができる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、ステアリングホイールから操舵車輪に至るステアリング系に、操舵トルクに応じて電動機で発生した補肋トルクをトルク伝達部材を介して付加するようにした電動パワーステアリング装置であって、電動機によって回転し得るトルク伝達部材を、ハウジングに第1軸受を介して回転可能に支承且つ収納するようにし、この第1軸受が、ロックスクリューによってハウジングに取り付けられ、電動機が、アルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成された電動機ケースに、鋼材で構成された第2軸受を介してロータを回転可能に支承し且つ収納するようにした電動パワーステアリング装置において、ハウジングと第1軸受との間と、電動機ケースと第2軸受との間のうち、電動機ケースと第2軸受との間のみに熱膨張吸収材を介在させたことを特徴とする。
【0009】
電動機ケースと第2軸受との線膨張係数が異なる場合であっても、電動機ケースと第2軸受との間の径方向の熱膨張差を、熱膨張吸収材で吸収することができる。電動機ケースに対する第2軸受の嵌合部分の隙間を、常に適切なものに維持することができる。
【0010】
さらに、請求項1は、電動機ケースをアルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成するとともに、第2軸受を鋼材で構成している。
電動機ケースを軽量化することができ、この結果、電動パワーステアリング装置全体を軽量化することができる。さらに第2軸受として、一般的なころがり軸受等の安価なものを採用することができる。
【0014】
請求項2は、熱膨張吸収材を樹脂材で構成したことを特徴とする。
熱膨張吸収性能が良好な熱膨張吸収材を、加工性が良く低コストなものにできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。
電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から操舵車輪29,29に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。この電動パワーステアリング装置10は、ラック軸26の両端から操舵トルクを取り出すようにしたエンドテイクオフ型操舵装置である。
【0016】
ステアリング系20は、ステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成したピニオン31に、ラック軸26に形成したラック32を噛み合わせたものである。
運転者がステアリングホイール21を操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
【0017】
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この検出信号に基づき制御手段47で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動機50で発生し、補助トルクをトルク伝達部材としてのボールねじ70を介してラック軸26に伝達するようにしたものである。
【0018】
以上を要約すれば、電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21に加えた操舵トルクをラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動機50が発生した補助トルクを電動機50の出力軸からボールねじ70を介してラック軸26に付加し、このラック軸26によって操舵車輪29,29を操舵するようにしたものである。従って、ステアリング系20の操舵トルクに電動機50の補助トルクを付加した複合トルクによって、操舵車輪29,29を操舵することができる。
【0019】
図2は本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図であり、要部を断面して表したものである。
電動パワーステアリング装置10は、ラックアンドピニオン機構25(図1参照)、電動機50及びボールねじ70を車幅方向(図左右方向)へ延びるハウジング101に収納したものである。
ハウジング101は、概ね管状の第1ハウジング102並びに第2ハウジング103の一端面同士をボルト結合することで、1つの細長いギヤボックスに組立てたものである。第1ハウジング102は、図示せぬ車体に取付けるためのブラケット104を備える。第2ハウジング103は、電動機50における電動機ケースの役割を兼ねる。
【0020】
車幅方向に延びたラック軸26は、車幅方向へスライドするようにハウジング101を貫通した軸である。このようなラック軸26は、図右の一端側をラックアンドピニオン機構25に連結し、ほぼ長手中央位置をボールねじ70に連結し、図左の他端側(ボールねじ70よりも端寄り位置)に電動機50を配置したものである。
図中、105,105はボールジョイント、106,106はダストシール用ブーツである。
【0021】
図3は本発明に係るラック軸、電動機、ボールねじ回りの要部断面図である。
電動機50は、第2ハウジング103内に嵌合した筒状の強磁性材製ヨーク51と、ヨーク51内に配置した複数個の永久磁石製ステータ52・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、これらのステータ52・・・を整列した状態で第2ハウジング103内に取付ける外部ステータホルダ53並びに内部ステータホルダ54と、ステータ52・・・の内部(すなわち内部ステータホルダ54の内部)に配置したロータ55と、からなる。
【0022】
ロータ55は、ラック軸26に相対的に回転可能に嵌合した管状の出力軸56と、出力軸56の外周面に嵌合にて取付けたコア57と、コア57の外周面に巻いたコイル58と、コイル58に接続した整流子59と、からなる。整流子59は、コイル58の側部で出力軸56の外周部分に取付けたものであり、ラック軸26の左端側(図左側)に向く平坦な面がブラシ接触面である。
整流子59のブラシ接触面に接触するブラシ61は、ブラシホルダ62を介して第2ハウジング103内に収納されたものである。63はブラシ弾発用の圧縮ばね、64はブラシ用コードである。
【0023】
ボールねじ70は、ラック軸26に形成したねじ部(ねじ溝)71と、多数のボール72・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、ねじ部71にボール72・・・を介して取付けた外筒部分のナット73と、からなるボールナット機構である。このボールねじ70は、電動機50の補助トルクを、ナット73からボール72・・・を介してねじ部71へ伝達するものであって、ナット73のねじ溝の端部に到達したボール72・・・が図示せぬチューブ内を通って循環する、いわゆる内部循環形式又は外部循環形式の一般的な構成である。
【0024】
ところで、電動機50の出力軸56は、ボールねじ70のナット73にトルクリミッタ90を介して連結することで、一定以上のトルクが伝わらぬようにしたものである。具体的に説明すると、出力軸56における出力端56aの外周面に一定幅の溝を全周にわたって形成し、この溝にリング状のトルクリミッタ90を嵌め込むことで、電動機50の出力軸56とナット73の内周面との間にトルクリミッタ90を介在させた。トルクリミッタ90は、摩擦力によって出力軸56とナット73の内周面とを連結するとともに、一定以上のトルクが作用した場合にスリップしてトルク伝達を遮断する部材であり、一般にトレランス・リング(tolerance ring)とも言われている。電動機50に過大なトルクが作用することはない。
なお、出力軸56は、トルクリミッタ90を介することなく直接にナット73に連結してもよい。また、出力軸56にナット73を一体に形成したものであってもよい。
【0025】
電動機50が発生した補助トルクは、出力軸56→トルクリミッタ90→ボールねじ70のナット73→ボール72・・・→ねじ部71の経路でラック軸26に伝わる。この結果、補助トルクをスラスト(ラック軸26への軸力)に変換してラック軸26に付加することができる。
【0026】
この図は、第1ハウジング102の一端のフランジ102aに、第2ハウジング103の一端のフランジ103aを、ボルト136にて結合したことを示す。
電動パワーステアリング装置10は、電動機50によって回転し得るトルク伝達部材としてのボールねじ70を、第1軸受131を介して第1ハウジング102(ハウジング101)に回転可能に支承し且つ収納するようにしたものである。
【0027】
具体的には、第1ハウジング102は、第2ハウジング103内に嵌合するためのボールねじ収納部102bを一体に形成し、このボールねじ収納部102b内に第1軸受131を介してナット73を支持したものである。第1軸受131は、第1ハウジング102に対する軸方向移動がロックスクリュー134によって規制されるとともに、ナット73の中心又はその近傍位置を回転可能に支持した、ころがり軸受である。
【0028】
ナット73は、第1軸受131に嵌合する支承部74と支承部74の一端に連なり支承部74よりも大径の大径部75とからなる。支承部74に嵌合した第1軸受131を、大径部75とロックスクリュー135とによって挟み込むことで、第1ハウジング102に対するナット73の軸方向移動を規制することができる。この結果、ナット73は回転可能であり且つ軸方向移動不能である。
【0029】
上述のように、出力軸56の出力端56aをナット73の内周面に嵌合し且つ連結したので、第1ハウジング102は、ナット73及び第1軸受131を介して出力軸56の出力端56a側を回転可能に支持することができる。
図中、137,138はスペーサ、139はOリングである。
【0030】
さらに電動パワーステアリング装置10は、電動機ケースとしての第2ハウジング103に第2軸受132及びブッシュ133を介してロータ55を回転可能に支承し且つ収納するようにしたものである。具体的には、ころがり軸受からなる第2軸受132で出力軸56の反出力端側を回転可能に支持したものである。
【0031】
ブッシュ133は、第2ハウジング103の内周面(軸受嵌合孔)と、第2軸受132における外輪の外周面と、の間に介在した熱膨張吸収材である。ブッシュ133を介在した理由について以下に説明する。
【0032】
本発明は、電動機ケースとしての第2ハウジング103をアルミニウム材又はアルミニウム合金材(例えばアルミニウム合金鋳造品)で構成するとともに、第2軸受132を第2ハウジング103とは異なる材料、すなわち鋼材で構成したことを特徴とする。第2ハウジング103をアルミニウム材又はアルミニウム合金材にしたので、電動パワーステアリング装置10全体を軽量化できる。さらには、第2軸受132を第2ハウジング103とは異なる材料で構成することによって、一般的なころがり軸受等の安価なものを採用することができる。
【0033】
その一方、互いに材料が異なる第2ハウジング103と第2軸受132の線膨張係数は、互いに異なる。これに対して本発明は、第2ハウジング103と第2軸受132との間にブッシュ133を介在させた。
ブッシュ133は、第2ハウジング103と第2軸受132との間の径方向の熱膨張差を吸収する熱膨張吸収材の役割を果たすものであり、一定幅の筒状部材である。ブッシュ133の材質は、グラス30%入りPBT(ポリ・ブチレン・テレフタラート)等の樹脂材である。
【0034】
図4は本発明に係るブッシュ(熱膨張吸収材)の特性図であり、グラス30%入りPBTからなるブッシュ133を用いた実施例の、熱膨張吸収特性の測定値を示したものである。なお、D,d,t,を次のように定義する。
D;第2ハウジング103の軸受嵌合孔の内径(mm)
d;第2軸受132の外径(mm)
t;ブッシュ133の厚み(mm)
但し、各数値は各温度条件において測定した実測値であり、温度20℃における寸法を基準値とする。
【0035】
この図によれば、温度−40〜100℃における「Δ1−Δ2」の値が、−0.0002〜0.0002の範囲内に収っていることが判る。従って、第2ハウジング103と第2軸受132との間の径方向の熱膨張差をブッシュ133で十分に吸収できたことが判る。
【0036】
図5は本発明に係る電動パワーステアリング装置の変形例図であり、上記図3に対応した要部断面図である。
変形例の電動パワーステアリング装置10は、(1)第2ハウジング103と第2軸受132との間に熱膨張吸収材としてのブッシュ133を介在させるとともに、(2)第1ハウジング102と第1軸受131との間にも熱膨張吸収材としてのブッシュ141を介在させたことを特徴とする。ブッシュ141の材質はブッシュ133と同一である。第1ハウジング102と第1軸受131との間の径方向の熱膨張差を吸収することができる。
【0037】
この変形例においては、第1・第2ハウジング102,103をアルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成するとともに、第1・第2軸受131,132を第1・第2ハウジング102,103とは異なる材料、すなわち鋼材で構成したことを特徴とする。第1・第2ハウジング102,103をアルミニウム材又はアルミニウム合金材にしたので、電動パワーステアリング装置10全体をより軽量化できる。さらには、第1・第2軸受131,132を第1・第2ハウジング102,103とは異なる材料で構成することによって、一般的なころがり軸受等の安価なものを採用することができる。
その他の構成・作用については、上記図1〜図4に示すものと同じなので同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
なお、上記本発明の実施の形態において、トルク伝達部材は、電動機50によって回転することで、電動機20で発生した補助トルクをステアリング系20に付加するものであればよく、ボールねじ70に限定するものではない。トルク伝達部材を、例えばウォームギヤ機構におけるウォームやホイールとするなど、各種ギヤとすることができる。
また、第1ハウジング102だけをアルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成するとともに、第1軸受131だけを第1ハウジング102とは異なる材料で構成し、第1ハウジング102と第1軸受131との間に熱膨張吸収材としてのブッシュ141を介在させることで、第1ハウジング102と第1軸受131との間の径方向の熱膨張差を吸収するようにしてもよい。
さらにまた、請求項1の電動機ケースや請求項3のハウジングについては、アルミニウム系の材質に限定するものではなく、例えばマグネシウム系等の他の軽量合金材であってもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、ロータを収納する電動機ケースとロータを支承する第2軸受との間に熱膨張吸収材を介在させたので、電動機ケースと第2軸受との線膨張係数が異なる場合であっても、電動機ケースと第2軸受との間の径方向の熱膨張差を吸収することができる。従って、電動機ケースに対する第2軸受の嵌合部分の隙間を、常に適切なものに維持することができる。
【0040】
さらに、請求項1は、電動機ケースをアルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成することによって軽量化することができ、この結果、電動パワーステアリング装置全体を軽量化することができる。また、第2軸受を鋼材で構成することによって、一般的なころがり軸受等の安価なものを採用することができる。
【0043】
請求項2は、熱膨張吸収材を樹脂材で構成したので、熱膨張吸収性能が良好な熱膨張吸収材を、加工性が良く低コストなものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図
【図3】本発明に係るラック軸、電動機、ボールねじ回りの要部断面図
【図4】本発明に係るブッシュ(熱膨張吸収材)の特性図
【図5】本発明に係る電動パワーステアリング装置の変形例図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、20…ステアリング系、21…ステアリングホイール、29…操舵車輪、50…電動機、55…ロータ、70…トルク伝達部材(ボールねじ)、101…ハウジング、102…第1ハウジング、103…電動機ケース(第2ハウジング)、131,132…軸受(第1・第2軸受)、133,141…熱膨張吸収材(ブッシュ)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement in an electric power steering apparatus.
[0002]
[Prior art]
In recent years, electric power steering devices have been frequently used in order to reduce the steering force of the steering wheel to give a comfortable steering feeling. This type of electric power steering device generates an auxiliary torque corresponding to the steering torque with an electric motor, and transmits this auxiliary torque to the rack shaft of the steering system. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 7-165089 “Steering Device” (Hereinafter referred to as “conventional technology”) is known.
[0003]
As shown in FIGS. 1, 2, and 4 of the above publication, the conventional technology described above applies steering torque applied to the steering wheel 3 (the numbers are those cited in the publication; the same applies hereinafter) to the steering shaft 4. The torsion bar, the output shaft 5, and the rack and pinion mechanism are transmitted to the rack shaft 2, and the auxiliary torque generated by the
[0004]
Further, another embodiment of the above prior art is that one end of the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, there has been an increasing demand for promoting weight reduction of vehicles to improve fuel efficiency. In order to achieve this requirement, the weight of the steering device has also been reviewed. The material of the housing 1 of the steering device, the
[0006]
However, the linear expansion coefficients of steel and lightweight alloy materials are greatly different. Further, the steering device is arranged in a place that is easily affected by the heat of the engine and the outside air temperature. And it is easy to receive the influence of the heat_generation | fever from the
For example, when the linear expansion coefficient of the housing 1 is larger than the linear expansion coefficients of the
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is to absorb a radial thermal expansion difference between a motor case and a bearing in a motor and a radial thermal expansion difference between a housing and a bearing in an electric power steering apparatus. To provide technology.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to a first aspect of the present invention, there is provided an electric power steering system in which a supplementary torque generated by an electric motor according to a steering torque is added to a steering system from a steering wheel to a steering wheel via a torque transmission member. A torque transmitting member that can be rotated by an electric motor is rotatably supported and accommodated in a housing via a first bearing, the first bearing is attached to the housing by a lock screw, and the electric motor is the motor case is made of aluminum material or aluminum alloy material, in the electric power steering apparatus for rotatably supported by and housed rotor via a second bearing made of a steel material, the housing and the first bearing and during, among between the motor case and the second bearing, the motor case and the second bearing Characterized in that interposed thermal expansion absorbing material only.
[0009]
Even if the linear expansion coefficients of the motor case and the second bearing are different, the difference in thermal expansion between the radial direction between the motor case and the second bearing can be absorbed by the thermal expansion absorbing material. The gap of the fitting portion of the second bearing with respect to the motor case can always be kept appropriate.
[0010]
Further, according to the first aspect , the electric motor case is made of an aluminum material or an aluminum alloy material, and the second bearing is made of a steel material .
The electric motor case can be reduced in weight, and as a result, the entire electric power steering apparatus can be reduced in weight. Furthermore, a cheap thing, such as a general rolling bearing, is employable as a 2nd bearing.
[0014]
According to a second aspect of the present invention, the thermal expansion absorber is made of a resin material.
A thermal expansion absorbent material having good thermal expansion absorption performance can be made with good workability and low cost.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings. The drawings are viewed in the direction of the reference numerals.
FIG. 1 is a schematic diagram of an electric power steering apparatus according to the present invention.
The electric
[0016]
The
The rack and
When the driver steers the
[0017]
The
[0018]
In summary, the electric
[0019]
FIG. 2 is an overall configuration diagram of the electric power steering apparatus according to the present invention, and shows a cross-section of the main part.
The electric
The
[0020]
The
In the figure, 105 and 105 are ball joints, and 106 and 106 are dust seal boots.
[0021]
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part around the rack shaft, the electric motor, and the ball screw according to the present invention.
The
[0022]
The
The
[0023]
The ball screw 70 includes a screw portion (thread groove) 71 formed on the
[0024]
By the way, the
The
[0025]
The auxiliary torque generated by the
[0026]
This figure shows that the
In the electric
[0027]
Specifically, the
[0028]
The
[0029]
As described above, since the output end 56 a of the
In the figure, 137 and 138 are spacers, and 139 is an O-ring.
[0030]
Further, the electric
[0031]
The
[0032]
In the present invention, the
[0033]
On the other hand, the linear expansion coefficients of the
The
[0034]
FIG. 4 is a characteristic diagram of a bush (thermal expansion absorber) according to the present invention, and shows measured values of thermal expansion absorption characteristics of an example using a
D: Inner diameter (mm) of the bearing fitting hole of the
d: outer diameter of the second bearing 132 (mm)
t: thickness of the bush 133 (mm)
However, each numerical value is an actual measurement value measured under each temperature condition, and a dimension at a temperature of 20 ° C. is used as a reference value.
[0035]
According to this figure, it can be seen that the value of “Δ1−Δ2” at the temperature of −40 to 100 ° C. falls within the range of −0.0002 to 0.0002. Therefore, it can be seen that the
[0036]
FIG. 5 is a modification of the electric power steering apparatus according to the present invention, and is a cross-sectional view of the main part corresponding to FIG.
The electric
[0037]
In this modification, the first and
Since other configurations and operations are the same as those shown in FIGS. 1 to 4, the same reference numerals are given and description thereof is omitted.
[0038]
In the above-described embodiment of the present invention, the torque transmission member may be any member as long as the auxiliary torque generated by the
In addition, only the
Furthermore, the electric motor case of claim 1 and the housing of claim 3 are not limited to aluminum-based materials, but may be other lightweight alloy materials such as magnesium-based materials.
[0039]
【The invention's effect】
The present invention exhibits the following effects by the above configuration.
Since the thermal expansion absorbing material is interposed between the electric motor case housing the rotor and the second bearing supporting the rotor, the linear expansion coefficient of the electric motor case and the second bearing is different. Also, it is possible to absorb the radial thermal expansion difference between the motor case and the second bearing. Therefore, the gap of the fitting portion of the second bearing with respect to the electric motor case can always be kept appropriate.
[0040]
Further, according to the first aspect of the present invention, it is possible to reduce the weight by configuring the motor case with an aluminum material or an aluminum alloy material. As a result, the entire electric power steering device can be reduced in weight. Further, by configuring the second bearing with a steel material , an inexpensive one such as a general rolling bearing can be employed.
[0043]
According to the second aspect of the present invention, since the thermal expansion absorber is made of a resin material, the thermal expansion absorber having good thermal expansion absorption performance can be made with good workability and low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram of an electric power steering apparatus according to the present invention. FIG. 2 is an overall configuration diagram of an electric power steering apparatus according to the present invention. Sectional view [Fig. 4] Characteristic diagram of bush (thermal expansion absorbing material) according to the present invention [Fig. 5] Variation diagram of electric power steering apparatus according to the present invention [Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記電動機によって回転し得る前記トルク伝達部材を、ハウジングに第1軸受を介して回転可能に支承且つ収納するようにし、
この第1軸受が、ロックスクリューによって前記ハウジングに取り付けられ、
前記電動機が、アルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成された電動機ケースに、鋼材で構成された第2軸受を介してロータを回転可能に支承し且つ収納するようにした電動パワーステアリング装置において、
前記ハウジングと前記第1軸受との間と、前記電動機ケースと前記第2軸受との間のうち、前記電動機ケースと前記第2軸受との間のみに熱膨張吸収材を介在させたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。An electric power steering device that adds a compensation torque generated by an electric motor according to a steering torque to a steering system from a steering wheel to a steering wheel via a torque transmission member ,
The torque transmitting member that can be rotated by the electric motor is rotatably supported and housed in a housing via a first bearing,
The first bearing is attached to the housing by a lock screw;
In the electric power steering apparatus in which the electric motor is configured to rotatably support and house the rotor via the second bearing made of steel in the electric motor case made of aluminum material or aluminum alloy material ,
And between said housing first bearing, of between said motor casing second bearing, characterized in that only the interposed thermal expansion absorbing member between said motor case second bearing Electric power steering device.
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