以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す正面図である。このスロットマシン100は、概説すると、複数種類の絵柄を施した複数列のリールを備える絵柄表示装置が設けられ、絵柄の組み合わせを変動可能に表示する。メダル等の遊技媒体が投入され、遊技の開始操作が行われると、内部抽選を行うと共に絵柄表示装置の変動表示を開始する。内部抽選の結果と絵柄表示装置の停止操作に基づいて絵柄の変動表示を停止させ、払い出しが必要な絵柄の組み合わせが有効ライン上に停止した場合入賞と判定し、必要数の遊技媒体を払出すものである。
スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「Rep」等)を配列したリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、回転自在に設置されている。
リール110乃至112に施された絵柄は、前面扉101に設けられたリール表示窓113から各リール110乃至112についてそれぞれ縦方向に3つ見えるようになっている。従って、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、リール表示窓113を介して、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。従って、各リール110乃至112を回転させることにより、絵柄の組合せが変動して表示されることとなる。このように絵柄の組合せを変動可能に表示する構成はこれに限られず、例えば、液晶等のディスプレイも採用可能である。
各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライトモジュールが配置されている(図示せず)。バックライトモジュールは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)のバックライトを発光可能である。なお、本実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本例ではメダルとする。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入した時は中段の水平入賞ライン114a、2枚投入した時は上段および下段の水平入賞ライン114bを加えた3つの入賞ライン、3枚投入した時は更に斜めの入賞ライン114cを加えた5ラインが、有効となる。もちろん、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、再遊技役に入賞したとき(Rep−Rep−Rep等の再遊技絵柄が揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技に入賞した場合は、再遊技役に入賞した遊技において投入したメダルが次遊技においても有効となる。
告知ランプ123は、特別な入賞役(特別遊技または特殊遊技に係る入賞役)に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。本実施形態では、特別遊技は、いわゆるビッグボーナスゲームを指し、入賞ライン上に「7−7−7」等の所定の絵柄組み合わせが揃った場合に開始される。また、特殊遊技は、いわゆるレギュラーボーナスゲームを指し、「Bar−Bar−Bar」等の所定の絵柄組み合わせが揃った場合に開始される。
払出枚数表示器124は、払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器125は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器126は、スロットマシン100に貯留されているメダルの枚数を表示する表示器である。本実施形態において、メダルの貯留とは、遊技者が投入又は獲得したメダルの枚数(クレジット枚数)を電子的に記憶することをいう。
メダル投入ランプ127は、遊技者にメダルの投入が可能であることを知らせるランプである。演出用ランプ128は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン130、131及び200は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入する投入ボタンであり、ベット(賭け数設定)ボタンとも呼ばれるものである。本実施形態では、1枚メダル投入ボタン130、2枚メダル投入ボタン131、最大メダル投入ボタン(マックスベット)ボタン200の3つのボタンを有する。これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ投入される。
最大メダル投入ボタン200は、1回の遊技で投入可能な最大数のメダルの投入を指示するボタンである。本実施形態では、1回の遊技で最大3枚のメダルを投入することが可能であり、最大メダル投入ボタン200を押下することにより、前述の入賞ライン114a乃至114cの5本全てが有効化される。投入されたメダル枚数分は、減算されて残り枚数が貯留枚数表示器126に表示される。
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口である。遊技者は、このメダル投入口134からメダルを投入するか、メダル投入ボタン130、131及び200を押下することにより、メダルを投入することができる。スタートボタン300は、遊技の開始を指示するボタンであり、このボタンを押下すると、リール110〜112が回転を開始する。
ここで、スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200の詳細について図5及び図6を参照して説明する。図5は、スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200の拡大斜視図、図6は、スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200の構造を示す断面図及びセンサ出力を示した図である。図6において、実線は非操作時の態様、破線は操作時の態様を示している。
スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200は、共に押しボタン型のスイッチであり、スタートボタン300から最大メダル投入ボタン200が突出する2重構造で構成されている。
スタートボタン300のボタン部分300aは、その表面(上面)中央部に開口した穴部300bを有するリング状のボタンとなっている。最大メダル投入ボタン200のボタン部分200aは、その表面(上面)がスタート部分300のボタン部分300aの表面から突出するように穴部300bに設けられている。
穴部300bは、段差がついた穴であり、途中に肩部300dを備える。最大メダル投入ボタン300aのボタン部分200aは、きのこ状のボタンとなっており、所定量押下すると肩部300cに衝突してスタートボタン300も押下されることとなる。
スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200の操作方向は、共に、図6の上下方向で同一であり、いずれのボタンも図6の矢印の方向に押下することができる。また、図から明らかなように、スタートボタン300と最大メダル投入ボタン200は、その操作方向である上下方向に配置されている。スタートボタン300及び最大メダル投入ボタン200は、常時、図示しないばね、ゴム等の弾性部材により図6の上方へ向けて付勢されており、非操作時は実線で示す位置にある。
ボタン部分200aの下端には、上下方向に伸びた部材200bと左右方向に伸びた部材200cとからなるL字型の部材が取り付けられている。また、ボタン部分200aの下方には、左側にコ型に切り欠かれたスリット部(破線がその右端を示している。)を有するフォトセンサ251が設けられている。このフォトセンサ251は、後述するメダル投入ボタンセンサ250の一部を構成しており、最大メダル投入ボタン200の押下により、部材200cが降下してスリット部を通過することを検出し、最大メダル投入ボタン200に対する操作を検出する。
ボタン部分300aの下端には、上下方向に伸びた部材300cが取り付けられている。また、ボタン部分300aの下方には、上側にコ型に切り欠かれたスリット部(破線がその下端を示している。)を有するフォトセンサであるスタートボタンセンサ350が設けられている。スタートボタンセンサ350は、スタートボタン300の押下により、部材300cが降下してスリット部を通過することを検出し、スタートボタン300に対する操作を検出する。
ここで、フォトセンサ251の出力は、図6の右側のセンサ出力図に示すように、最大メダル投入ボタン200に対する操作量(押し下げ量)により変化する。すなわち、最大メダル投入ボタン200の押し下げ量が図6の”a”区間の間は、部材200cがフォトセンサ251のスリット部を通過中となり、センサ出力はオンとなる。
一方、更に押し下げて、最大メダル投入ボタン200の押し下げ量が図6の”a”区間を超えると、部材200cがフォトセンサ251のスリット部を完全に通過し、センサ出力はオフとなる。このまま押下すると、最大メダル投入ボタン300aのボタン部分200aが、スタートボタン300の肩部300dに衝突し、スタートボタン300も押下されることとなる。図6の”b”区間では、部材300cがスタートボタンセンサ350のスリット部を通過中となり、スタートボタンセンサ350のセンサ出力がオンとなる。
このような構成により、本実施形態では、最大メダル投入ボタン200の押し下げにより、スタートボタン300も押し下げられるので、これら2つのボタンに対する操作が一連で行え、遊技者の煩雑感や疲労感を解消することができる。
尤も、図6から明らかなように、最大メダル投入ボタン200とスタートボタン300とは、それぞれ独立してオン・オフが可能であり、いずれか一つのみを操作することも可能である。従って、遊技者は、最大メダル投入ボタン200を浅く押し下げた後、スタートボタン300を押し下げることによっても、これら2つのボタンに対する操作を一連で行うことができる。これらのボタンは、操作方向が同一で、しかもその操作方向に沿って重ねて配置されているので、遊技者は手を振り上げて振り下ろすという、いわば1アクションでこれらのボタンを操作でき、遊技の操作を簡単にすると共に遊技者の煩雑感や疲労感を解消することができる。
次に、図1に戻って、ストップボタン136乃至138は、押下することによって対応するリール110乃至112の回転を停止させるボタンである。各ストップボタン136乃至138の内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートボタン300が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、各ストップボタン136乃至138が押下されるごとに消灯する。
精算ボタン133は、スロットマシン100に貯留されているメダルを精算して排出する精算機能と、遊技者がメダル投入口134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダル、または、入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える貯留切換機能とを選択するボタンである。
キー孔160は、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシンの前面扉101を開けることができるようになる。メダル排出口140は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、メダル受皿141に溜まるようになっている。上部ランプ150は、遊技全体を盛り上げるための装飾用ランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。
次に、図2を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。図2は、制御部3000の構成を示すブロック図である。制御部3000は、スロットマシン100の制御を司り、スロットマシン100内部に設けられた基板に搭載される。なお、制御部3000の負荷を軽減するために、ランプ制御や音声制御、或いは、液晶表示装置の制御やアクチュエータ等を使用した役物の制御等といった一部の制御を行う副制御部を設けるようにしてもよい。
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス330を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス330を介して、RAM319の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
ROM(リード・オンリー・メモリ)318は、各種制御を行うためのプログラムや、リール110乃至112の停止制御を行うための制御データ等を記憶している。また、内部抽選で使用する抽選テーブルもROM318に格納されている。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)319は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、貯留されるメダルの枚数といった可変データ等を記憶する。
MainCPU310には、リール110乃至112の回転と停止を行うモーター(図示せず)を制御するモーター制御部320、及び、メダル払出装置400を制御するホッパー制御部321が、入出力インターフェース322及びバス330を介してMainCPU310に接続されている。メダル払出装置400には、払い出されるメダルを検知するセンサ(図示せず)が設けられており、その検知信号は、入出力インターフェース322及びバス330を介してMainCPU310に入力される。
また、MainCPU310には、入力インターフェース317及びバス330を介して、メダル投入口134より投入されたメダルを検知するメダルセンサ312、スタートボタン300の操作を検知するスタートボタンセンサ350、ストップボタン136乃至138のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ314、メダル投入ボタン130、131及び200のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ250、及び、余剰のメダルを蓄積する補助タンク260内に所定量を超えるメダルが蓄積されたことを検知するオーバーフローセンサ316、が接続されている。
ランプ制御部323は、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、リール110乃至112に設けられたバックランプ等をはじめ各種表示器の点灯、消灯、点滅等を制御する。MainCPU310は、バス330及び出力インターフェース324を介してランプ制御部323にランプ制御信号を伝達する。
スロットマシン100の効果音は、MainCPU310から効果音データがバス330及び出力インターフェース325を介して楽音信号形成部326に入力され、アンプ327で増幅されて、スピーカー328から出力される。
本実施形態のスロットマシン100は、これを集中管理するホールコンピュータに接続されており、メダル投入信号、メダル払出信号、特別遊技中信号、エラー信号等といった管理信号は、MainCPU310からバス330及び出力インターフェース360を介して、スロットマシン100に設けられた外部集中端子板201からホールコンピュータへ出力することができる。
次に、図3を参照してスロットマシン100により実行される処理について説明する。図3は、スロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ST100では、メダル投入ボタン200に対する操作の有無及びスタートボタン300に対する操作の有無をチェックし、所定の処理を行う遊技開始処理を実行する。遊技開始処理の詳細は後述する。遊技開始処理において、メダルが投入されると、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、スタートボタン300に対する操作に対応して、投入されたメダル枚数を確定し、ST122で入賞ライン数を確定する。
ST123の処理では、乱数発生器311から乱数を取得する。ST124の処理では、取得した乱数値と、ROM318に格納されている抽選テーブルを用いて入賞役の抽選(内部抽選)を行い、内部当選の当否を判定する。抽選テーブルは、乱数値の範囲をいくつかの領域に分割し、各領域に所定の入賞役及びハズレが設定されたものである。乱数値全体の範囲に対する各領域の範囲の大きさが、各入賞役の内部当選の確率になる。
内部当選の確率は複数設定することができる。この場合、各設定毎に抽選テーブルが用意され、ST124では、現在設定されている設定値に対応する抽選テーブルを選択して内部抽選を実施する。設定は、遊技場の管理者が任意に変更できるようになっており、一般には1乃至6までの6段階で設定を変更することができる。
ST125の処理では、全リール110乃至112の回転を開始させる。ST126の処理では、ストップボタン136乃至138の受け付けを開始する。ストップボタン136乃至138のいずれかが押された場合、ST127乃至ST129の処理でどのストップボタンが押されたかを認識し、ST130で対応するリールを停止させる。全てのリール110乃至112が停止した事をST131で確認する。
ST132の処理では、入賞判定処理を行う。ここでは、停止したリール110乃至112により表示される絵柄の組み合わせが、ST124の抽選処理において内部当選した入賞役に対応する組み合わせであった場合に入賞と判定される。
例えば、停止したリール110乃至112により表示される絵柄の組み合わせが、入賞ライン114上で「ベル−ベル−ベル」と揃えばベル入賞となる。また、「7−7−7」が揃っていたならばビッグボーナス入賞と判定し、次ゲームからビッグボーナスゲームを開始できるよう準備することとなる。
いずれかの入賞役に入賞し、メダルの払い出しが生じた場合は、その払い出し枚数がRAM319の所定の記憶領域にセットされる。ST133では、セットされた払い出し枚数に従って、メダル払出装置400からメダルを払い出す処理を行う。以上により、1回の遊技の処理が終了する。
次に、上述したST100の遊技開始処理について説明する。図4は遊技開始処理のフローチャートである。遊技開始処理では、投入されたメダルの受付けと、スタートボタン300に対する操作の受付けに関する処理を行う。本実施形態では、最大メダル投入ボタン200とスタートボタン300とが同時に操作される場合があるため、この点を考慮して以下の処理を行う。
ST101では、メダル投入ボタンセンサ250、メダルセンサ312及びスタートボタンセンサ350の信号出力状態に応じてメダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)及びスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)をセットする。メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)及びスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)は、制御部3000のRAM319の記憶領域に設けられている。なお、これらのフラグのセット処理は、所定の時間間隔で行われる割り込み処理を用いて行ってもよい。
メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)は、メダル未検出時は、0にセットされる。そして、1枚メダル投入ボタン130、2枚メダル投入ボタン131、最大メダル投入ボタン200の3つのボタンの操作によるメダルの投入、或いは、メダル投入口134へのメダルの投入のいずれかが検出された場合に、1にセットされる。スタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)は、スタートボタン300がオフの時には0にセットされ、オンの時に1にセットされる。
ST102乃至ST104において、メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)及びスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)の状態に応じて以後の処理を変更する。
ST102では、メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)が1であってスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)が0であった場合、すなわち、メダルの投入のみを検出した場合、ST107でメダルの投入枚数に応じたメダル投入処理を行う。このメダル投入処理では、投入されたメダルを受け付けてその枚数をチェックし、投入済みのメダルとして取り扱う。
ST103では、メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)が1であってスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)も1であった場合、すなわち、メダルの投入が検出され、同時に、スタートボタン300がオンであることを検出した場合、ST105で既に投入済みのメダルがあるか否かを判定し、投入済みのメダルがある場合は、投入済みのメダル枚数を確定し、処理が終了する。この場合、遊技を開始すべく図3のST122へ処理を移行する。一方、投入済みのメダルがない場合は、ST107へ移行し、メダルの投入枚数に応じたメダル投入処理を行う。この場合、スタートボタン300がオン中であっても、遊技開始にはならず、一旦ST101へ戻ることとなる。
ST104では、メダル投入ボタンセンサ出力状態フラグ(M)が0であってスタートボタンセンサ出力状態フラグ(S)が1であった場合、すなわち、スタートボタン300のオンのみを検出した場合、ST106で既にメダルが投入済みか否かを判定し、メダルが投入済みの場合は、処理を終了する。その後、図3のST122へ進み、遊技が開始される。一方、メダルが投入済みでない場合は、ST101へ移行し、ST107のメダル投入処理が行われるまでループすることになる。
このように、最大メダル投入ボタン200とスタートボタン300に対する操作を同時に検出した場合であっても、メダルの投入状態を判定してメダル投入と遊技開始とを選択的に実行できるため、遊技者は遊技をスムーズに進行させることが可能となる。
なお、従来のスロットマシンにおいても、最大メダル投入ボタンとスタートボタンとが同時に操作されることが考えられるが、上述した遊技開始処理はそのような従来のスロットマシンにも適用可能である。すなわち、この遊技開始処理は、図5及び図6を参照して説明した最大メダル投入ボタン200とスタートボタン300の構造を有するスロットマシンに限らず、従来のボタン構造のスロットマシンにも適用できる。
この場合、最大メダル投入ボタンとスタートボタンとの同時操作が許容されるので、遊技の操作を簡単にすることができる。
<第2実施形態>
次に、図5及び6を参照して説明したスタートボタン300及び最大メダル投入ボタン200の他の形態について説明する。図7は、該他の形態に係るスタートレバー1300と最大メダル投入ボタン1200の拡大斜視図、図8は、スタートレバー1300と最大メダル投入ボタン1200の構造を示す断面図及びセンサ出力を示した図である。図8において、実線は非操作時の態様、破線は操作時の態様を示している。
スタートレバー1300は、レバー型のスイッチであり、前面扉101の凹部101aからスロットマシン100の正面方向に略水平に突出したレバー部分1300aを有する。レバー部分1300aは、先端の球状部分とこれに連結された棒状部分とからなり、最大メダル投入ボタン1200のボタン部分1200aの下方に設けられ、これらが上下方向に重なって配置されている。ボタン部分1200aは、前面扉101の棚部分に埋没可能となっており、上面がコ型の平坦面になっている。
レバー部分1300aは、前面扉101に設けられた環状の部材101bを中心に範囲”b”(破線位置)だけ回動するように構成されている。レバー部分1300aの右端下方には、上側にコ型に切り欠かれたスリット部(破線がその下端を示している。)を有するフォトセンサであるスタートレバーセンサ1350が設けられている。非操作時において、レバー部分1300aの図8の右端の部分は、スタートレバーセンサ1350のスリット部に介在しており、スタートレバーセンサ1350は、オフとなる。一方、図8の矢印の方向に操作することによりレバー部分1300aが回動して図8の右端の部分が上昇しスリット部に介在しなくなると、スタートレバーセンサ1350はオンとなり、範囲”b”においてスタートレバーセンサ1350の出力は図8の右側に示すようになる。これによりスタートレバー1300に対する操作が検出できる。なお、レバー部分1300aは、常時、図示しないばね、ゴム等の弾性部材により図10の上方へ向けて付勢されており、非操作時は実線で示す位置にある。
ボタン部分1200aは、支軸1200bを中心に範囲”a”(破線位置)だけ回動するように構成されている。ボタン部分1200aの下方には、押しボタン型のスイッチ1251が設けられており、これがメダル投入ボタンセンサとして機能する。ボタン部分1200aを図8の矢印の方向に押圧すると、凸部1200cがスイッチ1251上部のボタン部分を押下することにより、スイッチ1251がオンとなり、範囲”a”において、スイッチ1251の出力は図10の右側に示すようになる。これにより最大メダル投入ボタン1200に対する操作が検出できる。
最大メダル投入ボタン1200のボタン部分1200aは、コ型に切り欠かれた切り欠き部分を有する。この切り欠き部分は、ボタン部分1200aのうち、スタートレバー1300のレバー部分1300aと重なる部分であり、最大メダル投入ボタン1200がスタートレバー1300に対する操作の妨げにならないように構成されている。
なお、最大メダル投入ボタン1200は、常時、図示しないばね、ゴム等の弾性部材により図8の上方へ向けて付勢されており、非操作時は実線で示す位置にある。
このような構成により、本実施形態では、遊技者は、遊技を行う際に最大メダル投入ボタン1200を押下してメダル投入を行い、そのまま一連の動作でスタートレバー1300を押下して遊技を開始させることができる。これらは、操作方向が略同一(上下方向)で、しかもその操作方向である上下方向に沿って重ねて配置されているので、遊技者は手を振り上げて振り下ろすという、いわば1アクションでこれらのレバーを操作でき、遊技の操作を簡単にすると共に遊技者の煩雑感や疲労感を解消することができる。
<第3実施形態>
次に、図5及び6を参照して説明したスタートボタン300及び最大メダル投入ボタン200の更に他の形態について説明する。図9は、該他の形態に係るスタートレバー2300と最大メダル投入レバー2200の拡大斜視図、図10は、スタートレバー2300と最大メダル投入レバー2200の構造を示す断面図及びセンサ出力を示した図である。図10において、実線は非操作時の態様、破線は操作時の態様を示している。
スタートレバー2300と最大メダル投入レバー2200は、共にレバー型のスイッチであり、スタートレバー2300のレバー部分2300aは、最大メダル投入レバー2200のレバー部分2200aの下方に設けられ、これらのレバー部分が上下方向に重なって配置されている。
また、レバー部分2300a及び2200aは、共に、上面が平坦な板状に形成されており、前面扉101からスロットマシン100の正面方向に略水平に突出している。
レバー部分2200aは、支軸2200bを中心に範囲”a”(破線位置)だけ回動するように構成されている。レバー部分2200aの下方には、押しボタン型のスイッチ2251が設けられており、これがメダル投入ボタンセンサとして機能する。レバー部分2200aを図10の矢印の方向に押圧すると、凸部2200cがスイッチ2251上部のボタン部分を押下することにより、スイッチ2251がオンとなり、範囲”a”において、スイッチ2251の出力は図10の右側に示すようになる。これにより最大メダル投入レバー2200に対する操作が検出できる。なお、レバー部分2200aは、常時、図示しないばね、ゴム等の弾性部材により図10の上方へ向けて付勢されており、非操作時は実線で示す位置にある。
レバー部分2300aは、支軸2300bを中心に範囲”b”(破線位置)だけ回動するように構成されている。レバー部分2300aの下方には、押しボタン型のスイッチ2350が設けられており、これがスタートレバーセンサとして機能する。レバー部分2300aを図10の矢印の方向に押圧すると、凸部2300cがスイッチ2350上部のボタン部分を押下することにより、スイッチ2350がオンとなり、範囲”b”において、スイッチ2350の出力は図10の右側に示すようになる。これによりスタートレバー2300に対する操作が検出できる。なお、レバー部分2300aは、常時、図示しないばね、ゴム等の弾性部材により図10の上方へ向けて付勢されており、非操作時は実線で示す位置にある。
スタートレバー2300のレバー部分2300aには、切り欠き部2300dが設けられている。この切り欠き部2300dは、最大メダル投入レバー2200のレバー部分2200aの真下の領域に設けられており、最大メダル投入レバー2200の操作時に、これがスタートレバー2300と干渉することを防止するようにしている。
このような構成により、本実施形態では、遊技者は、遊技を行う際に最大メダル投入レバー2200を押下してメダル投入を行い、そのまま一連の動作でスタートレバー2300を押下して遊技を開始させることができる。これらのレバーは、操作方向が略同一(上下方向)で、しかもその操作方向である上下方向に沿って重ねて配置されているので、遊技者は手を振り上げて振り下ろすという、いわば1アクションでこれらのレバーを操作でき、遊技の操作を簡単にすると共に遊技者の煩雑感や疲労感を解消することができる。
なお、本実施形態では、切り欠き部2300dを設けたことにより、最大メダル投入レバー2200とスタートレバー2300との干渉を防止しているが、切り欠き部2300dを設けないことにより、最大メダル投入レバー2200のみを押下すれば、これがスタートレバー2300と干渉して、スタートレバー2300もオンになるようにしてもよい。
<他の実施形態>
上述した実施形態では、スタートボタン(レバー)及び最大メダル投入ボタン(レバー)を対象として、遊技の操作を簡単にするスイッチ構造について種々説明したが、スロットマシンの他のボタン(レバー)の構成にも採用することができる。尤も、スタートボタンと最大メダル投入ボタンとは、連続して操作されるケースが多いので最も有効である。