JP4657805B2 - 熱式流量センサの温度特性調整方法 - Google Patents

熱式流量センサの温度特性調整方法 Download PDF

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Description

この発明は、流体中に置かれた発熱体から流体に伝達される熱量を電気的に検出することによりその流体の流量を検出する熱式流量センサの温度特性調整方法に関するものである。
従来の熱式流量センサでは、流体の温度を検出し、この流体温度信号により流体流量信号を補正していた(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来の熱式流量センサでは、流体流量のセンサ部分である発熱抵抗体の温度と流体の温度を検出し、両者の差が常に所定値となるようにフィードバック量を補正していた(例えば、特許文献2参照)。
特許第3073089号公報(第2頁、図2) 特許第2948040号公報(第2頁、図3)
熱式流量センサにおいては、発熱抵抗体や流体温度検出抵抗体等、回路構成要素にばらつきが存在するため、温度特性の調整が必要である。従来の温度特性調整方法としては、大きく分けて、センサの駆動ブリッジ回路での調整を行わず、駆動ブリッジ回路の後段に回路を設けて、この後段の回路で調整する方法と、発熱抵抗体と流体との温度差とこの温度差の流体温度依存性を精度良く調整する方法との2つの方法が挙げられる。
上記特許文献1ではセンサの駆動ブリッジ回路を構成する流体温度補償抵抗体の抵抗値から流体温度を計算し、この信号を用いてセンサ出力をデジタル回路により補正している。抵抗体の抵抗値から流体温度を計算するためには、基準温度(例えば0℃)の時の抵抗値と抵抗温度係数が必要であるが、抵抗体には製造ばらつきが発生するため、正確な流体温度を計算するためには、全てのセンサの流体温度補償抵抗体の抵抗温度特性を予め測定し、記憶しておく必要がある。
上記特許文献2では、発熱抵抗体と流体との温度差とこの温度差の流体温度依存性を精度良く調整している。この方法によれば、センサの駆動回路部分で調整がなされるので、後段での調整回路は不要となる。この方法についてさらに詳細に説明する。
発熱抵抗体が発生するジュール熱Wは、発熱抵抗体の抵抗値をRh、加熱電流をIhとすると下記式(1)で表される。
Figure 0004657805
発熱抵抗体が流体に奪われる熱量Pは、熱放散係数をH、発熱抵抗体と流体との温度差をΔThとすると、下記式(2)で表される。
Figure 0004657805
熱放散係数Hは、流量Qを用いて下記式(3)のように表される。
Figure 0004657805
定常状態においては、W=Pが成り立つので、加熱電流Ihと流量Qとの間には下記式(4)の関係式が成り立ち、加熱電流Ihを測定することにより流量Qを検出することができる。
Figure 0004657805
上記式(4)中のΔTh/Rhは回路調整によりその絶対値と温度係数を調整できる。Hの絶対値及び温度係数はセンサ構造により決定される。よって、Hの温度係数を打ち消すようにΔTh/Rhの温度係数を回路により設定してやればセンサ出力の温度特性を小さくできる。流体の温度をTa、Taが基準温度(例えばTa=0)の時の発熱体の抵抗値をRh0、ΔThをΔTh0、発熱体の抵抗温度係数をα、ΔThの温度係数をβとすると、ΔTh/Rhは下記式(5)のように表される。
Figure 0004657805
上記式(5)から判るように、ΔTh/Rhの流体温度に対する温度係数はα、β、Ta、ΔTh0により決まる。このうち、αは材料固有の値であるから任意にばらつくし、Taは流体温度であるからサンプルごとの調整は不可能である。よって、βとΔTh0の2つパラメータを精度良く調整することになる。実際には、全てのサンプルのΔThを共通の所定値に調整し、βはαに応じた値に調整する。このような調整方法により、ΔTh/Rhの温度係数のばらつきを小さくすることができ、サンプル間の温度特性のばらつきも小さくすることができる。しかし、このような方法でもやはり発熱抵抗体の抵抗温度係数の測定が予め必要となる。また、構造のばらつきにより熱放散係数Hの温度係数もばらつくため、ΔTh/Rhの温度係数のばらつきを低減しただけでは温度特性の調整は不十分であるという問題がある。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、回路のばらつき及び構造のばらつきに起因する温度特性のばらつきを、予め発熱抵抗体等の抵抗温度特性を測定することなく、また、別途流体の温度も測定することなく、簡単な方法で調整できる熱式流量センサの温度特性の調整方法を得ることを目的としている。
この発明に係る熱式流量センサの温度特性調整方法は、流体中に配置された発熱抵抗体と、流体中に配置された上記流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体と、固定抵抗と、1つ以上の可変抵抗からなる調整抵抗とで構成したブリッジ回路、並びに上記ブリッジ回路の検出出力を上記ブリッジ回路に帰還するオペアンプを備えた熱式流量センサにおける上記ブリッジ回路の検出出力の流体温度による誤差を補正する熱式流量センサの温度特性調整方法において、
上記熱式流量センサと同一の構成のブリッジ回路及びオペアンプを備えたマスターサンプルを用い、
上記マスターサンプルは、上記流体の温度が基準温度の時のブリッジ回路の検出出力をVB1、上記流体の温度が上記基準温度より高温または低温の時のブリッジ回路の検出出力をVH1とするとき、あらかじめ決められた所定流量においてVB1とVH1の比率(VH1/VB1)が1となるように調整されており、
このときの上記マスターサンプルの温度特性に上記熱式流量センサの温度特性を合わせるための温度特性調整方法であって、
上記熱式流量センサにおいて、
上記流体の温度が上記基準温度の時の設定流量における上記ブリッジ回路の検出出力VB2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式を求め、
上記流体の温度を上記基準温度より高温または低温として上記設定流量において上記調整抵抗の抵抗値Rを変化させて上記高温または低温時の上記ブリッジ回路の検出出力VH2を計測し、
上記計測した検出出力VH2/VB2が上記マスターサンプルの上記設定流量におけるVH1/VB1と等しくなるように上記調整抵抗の抵抗値Rを調整することにより、
上記ブリッジ回路の検出出力の誤差を補正するものである。
本発明に係る熱式流量センサの温度特性調整方法によれば、予め発熱抵抗体等の抵抗温度特性を測定する必要が無く、簡単な調整工程で温度特性の最適調整が可能となる。
また、ブリッジ回路の検出出力の誤差を補正するための調整をブリッジ回路内の調整抵抗で行うので、後段の調整回路が簡略化できる。
また、流体検出エレメント部と後段の調整回路部と温度差が生じても補正誤差を生じない。
さらに、回路のばらつきと構造のばらつきとに起因する温度特性のばらつきを一度に調整することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る熱式流量センサの実施の形態1を示す平面図、図2は、図1のA−A断面図である。シリコン基板5上に絶縁膜6により第1のダイヤフラム3と第2のダイヤフラム4が形成されている。絶縁膜6上には例えば白金などの抵抗値が温度によって変化する材料により発熱抵抗体1と流体温度検出抵抗体2が形成されている。発熱抵抗体1と流体温度検出抵抗体2は絶縁膜7により表面を保護されている。
図3は、本発明の実施の形態1おけるセンサ駆動回路を示す回路図である。発熱抵抗体1と流体温度検出抵抗体2と調整抵抗8,9と固定抵抗10によりブリッジ回路が構成されている。ブリッジ回路の中間点11,12の電圧V11、V12がオペアンプ13に入力され、その出力14がブリッジ回路にフィードバックされている。中間点12の電圧V12が流量センサの出力15となる。
次に、このセンサ駆動回路の動作について説明する。発熱抵抗体1が流体により冷却されると、その抵抗値が下がるため電圧V12が上昇する。電圧V12が上昇するとオペアンプ13の非反転入力端子の電圧が上がり、オペアンプ13の出力14の電圧V14が上昇する。V14はブリッジ回路の最上端に入力されているため、発熱抵抗体1に流れる加熱電流Ihが増加し、発熱抵抗体1の温度が上昇して抵抗値が大きくなり電圧V12が降下する。加熱電流Ihの増加はV12がV11と等しくなった時点で停止される。この加熱電流Ihの増加は流体流量が大きいほど大きくなるので、この加熱電流Ihの値を固定抵抗10両端電圧として測定すれば、予め求めた加熱電流Ihの増加分と流体流量との関係から流体流量を知ることができる。
流体流量一定の定常状態においては、加熱電流Ihは下記式(6)で表される。
Figure 0004657805
よって、流量センサの出力Voutは下記式(7)で表される。R10は固定抵抗10の抵抗値を表す。
Figure 0004657805
ここで、Voutの温度特性について説明する。固定抵抗10には温度特性を持たない抵抗値を使用するため、Voutの温度依存性はIhの温度依存性に左右される。Ihの温度依存性はセンサの構造に起因する熱放散係数Hの温度依存性と、回路に起因するΔTh/Rhの温度依存性によって決定される。
熱放散係数Hの温度係数αは、主に流体への熱伝達の温度係数αと支持部への熱伝導の温度係数αによって決まる。流体への熱伝達に関する熱放散係数をHν、支持部への熱伝導に関する熱放散係数をHとすると、下記式(8)が成り立ち、
Figure 0004657805
全熱放散係数Hの温度係数αは下記式(9)で表される。
Figure 0004657805
αとαはそれぞれ流体、支持部を構成する材料の物性値で決まり、ほぼ一定である。構造のばらつきが生じた場合には、上記式(9)中のHν/H、H/Hにばらつきが生じてαもばらつくこととなる。例えば、ダイヤフラムの厚さが厚くなると支持部への熱伝導が増加するため、H/Hが大きくなり、Hν/Hが小さくなってαが変化する。
ΔTh/Rhの温度係数は回路定数によって決まる。このことを以下に説明する。図3の回路が平衡状態にあるとき、発熱抵抗体1の抵抗値Rhは下記式(10)で表される。
Figure 0004657805
ここで、Raは流体温度検出抵抗体2の抵抗値、R8とR9はそれぞれ調整抵抗8と調整抵抗9の抵抗値である。
また、RhとRaの温度依存性を下記式(11)及び式(12)のように表す。
ただし、Rh0、Ra0はそれぞれ温度0℃の時のRhとRaであり、Thは発熱抵抗体1の温度、Taは流体温度検出抵抗体2の温度であり、ΔThはThとTaの差である。また、発熱抵抗体1と流体温度検出抵抗体2は同一材料で形成されるため、抵抗温度係数は等しくαとした。
Figure 0004657805
Figure 0004657805
上記式(11)及び式(12)を用いてΔTh/Rhを書き直すと、下記式(13)となる。
Figure 0004657805
また、ΔThは下記式(14)となる。
Figure 0004657805
Ta=0の時のΔThをΔTh0とすると、上記式(14)よりΔTh0は下記式(15)で表される。
Figure 0004657805
上記式(15)を用いると、上記式(13)は下記式(16)のように表される。
Figure 0004657805
ここで、R/Ra0=Aとおくと、ΔTh/Rhは下記式(17)となり、ΔTh/Rhの流体温度Taに関する温度係数γは下記式(18)となる。
Figure 0004657805
Figure 0004657805
上記式(18)からΔTh/Rhの温度係数γはΔTh0とAに依存し、回路定数によって決まることが判る。
以上の説明から、本発明に係る熱式流量センサの温度特性の調整は、上記式(9)で表される熱放散係数Hの温度係数αを上記式(18)で表されるΔTh/Rhの温度係数γでキャンセルするように行えば良いことが判る。αにばらつきが無く一定であるならば、ΔTh0とAを精度良く調整すれば常に最適な温度特性が得られることになるが、実際にはαにはばらつきがあり精度が落ちる。また、ΔTh0を調整するにはRh0とαを予め測定しておかなければならず、そのための手間がかかる。そこで、本発明の実施の形態1では、以下に説明するように構成している。
図4は、本発明に係る熱式流量の調整方法に用いるマスターサンプルの温度特性を示す図であり、マスターサンプルは図3に示した調整すべき熱式流量センサと同一の構成を備える。図4に示したように、流量と流量換算誤差との関係は、高温側16と低温側17でほぼ対称形になる。高温特性と低温特性が対称形の場合、両者の流量換算誤差が0%で交わる流量Qpが存在する。この流量Qpにおいては、基準温度での出力VBと高温での出力VHと低温での出力VLが全て等しくなる。よって、調整すべき熱式流量センサは、基準温と高温(或いは低温)の流量Qpにおける出力電圧が等しくなるように回路定数を調整すれば図4に示すようなマスターサンプルの温度特性と同一の温度特性が得られることになる。
調整すべき熱式流量センサの回路定数の調整には、図3の回路図における調整抵抗8,9を用いる。図5は、本発明の実施の形態1による熱式流量センサの温度特性調整方法を示す図である。図5において、直線18が基準の温度でのR9とVoutの関係であり、直線19が高温でのR9とVoutの関係である。R9の狭い範囲内では、R9とVoutの関係は線形とみなせる。R9を大きくするとVoutは小さくなるが、その傾きの絶対値は高温ほど大きくなる。直線18と直線19の交わる点のR9が最適値R9optとなる。
図6は、本発明に係る熱式流量センサの調整方法の実施の形態1を示すフローチャートである。図6に基づき回路定数の調整手順を説明する。
S1 流体の流量をQpに設定する。
S2 流体温度を基準温度に設定し安定させる。
S3 調整すべき熱式流量センサにおける流体温度検出抵抗体2の両端電圧V2と調整抵抗8の両端電圧V8との比が、マスターサンプルにおける流体温度検出抵抗体2の両端電圧V2と調整抵抗8の両端電圧V8との比(A)と一致するように、調整抵抗8の抵抗値R8を調整する。
S4 R9を調整範囲の最大値R9maxに設定する。
S5 Voutを測定し、VBminに記憶する。
S6 R9を調整範囲の最小値R9minに設定する。
S7 Voutを測定し、VBmaxに記憶する。
S8 下記式(19)により傾きrBを計算する。
Figure 0004657805
S9 流体温度を高温に設定し安定させる。
S10 Voutを測定し、VHに記憶する。
S11 下記式(20)によりVBを計算する。
Figure 0004657805
S12 VHとVBの比率が1かどうかを判断する。
VH/VB=1なら調整を終了する。
VH/VB≠1ならR9を調整し、S10にもどる。このとき、VH/VB>1であればR9を大きくし、VH/VB<1であればR9を小さくする。
S8で計算した傾きrBは、図5中の直線18の傾きであり、その値は負となる。また、S11で計算したVBは調整抵抗9の抵抗値が任意の値R9の時の基準の温度におけるVoutに相当する。
S12でR9を調整すると、高温の時のVout(=VH)だけでなく、基準の温度におけるVout(=VB)も変化するが、手順S9で流体温度を高温に設定しているため、VBを直接測定することはできないので、図5中の直線18の傾きrBとR9を用いて計算で求めている。この例では、基準の温度での出力VBと高温での出力VHが等しくなるようにR9を調整したが、図4に示すように、温度特性は高温の時と低温の時でほぼ対称形をなすので、基準の温度での出力VBと低温での出力VLが等しくなるようにR9を調整してもほぼ同等の結果が得られることは言うまでもない。
図7は、本発明に係る熱式流量センサの実施の形態1における他の例を示す平面図であり、図8及び図9は、図7に示した流量センサのセンサ駆動回路である。図7に示したように、発熱抵抗体1が形成されたダイヤフラム3上に、発熱抵抗体1の温度を測定する温度センサ21を形成し、図8及び図9に示したように、いわゆる傍熱型の定温度差駆動回路を用いている熱式流量センサにも同様に本実施の形態1の熱式流量センサの温度特性調整方法を適用することができる。
本実施の形態1の熱式流量センサの温度特性調整方法によれば、発熱抵抗体1や流体温度検出抵抗体2の抵抗温度特性を予め測定しておく必要が無く、簡単な調整工程で温度特性の最適調整が可能となる。
また、センサ出力をモニタしながら調整するので、熱放散係数Hのばらつきと、ΔTh/Rhのばらつきを一括して調整できるようになる。
また、流量検出エレメント部と後段の調整回路部とに温度差が生じても補正誤差を生じない。
さらに、センサの駆動ブリッジ回路内の調整抵抗により調整を行うので、後段の調整回路が簡略化される。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2における回路定数の調整手順を示すフローチャートである。図10に示したように、流体温度検出抵抗体2の両端電圧V2と調整抵抗8の両端電圧V8の比が、マスターサンプルの流体温度検出抵抗体2の両端電圧V2と調整抵抗8の両端電圧V8の比(A)と一致するように、調整抵抗8の抵抗値R8を調整する調整工程(図6のS3)を省いて、図10に示したように、R9のみで調整することもできる。この場合、Aを調整せず、このAのばらつきも含めてΔTh0のみで調整することとなる。図10に基づき回路定数の調整手順を説明する。
S1 流体の流量をQpに設定する。
S2 流体温度を基準温度に設定し安定させる。
S3 R9を調整範囲の最大値R9maxに設定する。
S4 Voutを測定し、VBminに記憶する。
S5 R9を調整範囲の最小値R9minに設定する。
S6 Voutを測定し、VBmaxに記憶する。
S7 上記式(19)により傾きrBを計算する。
S8 流体温度を高温に設定し安定させる。
S9 Voutを測定し、VHに記憶する。
S10 上記式(20)によりVBを計算する。
S11 VHとVBの比率が1かどうかを判断する。
VH/VB=1なら調整を終了する。
VH/VB≠1ならR9を調整し、S9にもどる。このとき、VH/VB>1であればR9を大きくし、VH/VB<1であればR9を小さくする。
本実施の形態2によれば、調整抵抗8が不要となり、調整抵抗9のみによる調整で、調整工程が更に簡単になる。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3における回路定数の他の調整手順を示すフローチャートであり、図12は、本実施の形態3における調整方法を示す図である。
この実施の形態3における回路定数の調整工程は、無風状態(流体流量=0)にて行う。この場合、図12に示したように、基準の温度での出力VBを示す直線18と高温での出力VHを示す直線19の値の比(A2)が、マスターサンプルの無風状態におけるA2の値になるようにR9をR9optの値に調整すればよい。図11に示したように、図6のフローに比べ、流体流量を調整する工程が不要となり、単に周囲温度を高温に設定すればよい。
本実施の形態3によれば、さらに簡単な調整工程で温度特性の調整が可能となるとともに、無風状態で調整を行うため、高温流体を流す装置が必要なくなり、恒温槽内やホットプレート上での調整が可能となり、調整に必要な設備も簡単になる。
実施の形態4.
図13は、本発明の実施の形態4おけるセンサ駆動回路を示す回路図である。本実施の形態4では、調整抵抗8,9をデジタル的に調整する。図13に示したように、調整抵抗8,9を調整用ASIC20内のDA変換器(DAC)で構成すれば、調整をデジタル的に行うことができる。元々ゲインとオフセットを調整するためのASICは必要であるので、その中にDA変換器を2つ追加すればよく、これによるコストアップはほとんど無い。
本実施の形態4によれば、温度特性の調整をデジタル的に行うことができるので、コンピュータを用いて調整工程の自動化が簡単にできるようになり、調整工程をさらに簡略化できる。
実施の形態5.
図14は、本発明の実施の形態5における温度特性調整方法を示す図であり、図15は、本発明に係る流量センサの実施の形態5における回路定数の調整手順を示すフローチャートである。
本実施の形態5では、高温の時におけるR9の最大値R9maxと最小値R9minにおける出力VHminとVHmaxを計測し、基準温の時におけるVBminとVBmax及びR9max、R9min、VHmin、VHmaxを用いて図14における線18と線19の交点のR9を計算により求め、このR9を始点として調整を行う。このときの調整手順は、図15のフローチャートに従って実施する。
図15に示したように、S9まで図6と同様の工程を経てS9で流体温度を高温に設定した後、S10〜S13のように、R9maxとR9minにおける出力VHminとVHmaxを測定し、S14において図14における線19の傾きrBを求める。次にS15において、下記式(21)により、図14の線18と線19交点のR9の値であるR9optを計算により求める。
Figure 0004657805
この後、R9の値をR9optとして微調整を開始し、VB=VHとなったところで調整終了となる。
図16は、本発明の実施の形態5における温度特性調整方法を示す別の図である。本実施の形態5における調整方法は、図16に示したように、無風時の調整にも適用できる。この場合、R9optを求める式は次式のようになる。
Figure 0004657805
温度特性を精度良く調整するためにはR9の調整単位を非常に細かくする必要があるので、ある程度最適値を予測して、その近辺で調整を行う方が調整に要する時間を短縮できる。
本実施の形態5によれば、ある程度最適値を予測して、その近辺で微調整を実施するので、調整抵抗の調整単位を細かくしても、調整時間を短縮でき、短い時間で高精度な調整ができる。
本発明に係る熱式流量センサの温度特性調整方法は、自動車の内燃機関等に供給する空気の流量を計測する熱式流量センサに有効に利用できる。
本発明に係る熱式流量センサの実施の形態1を示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の実施の形態1おけるセンサ駆動回路を示す回路図である。 本発明に係る熱式流量センサの調整方法に用いるマスターサンプルの温度特性を示す図である。 本発明の実施の形態1による熱式流量センサの温度特性調整方法を示す図である。 本発明に係る熱式流量センサの温度特性調整方法の実施の形態1を示すフローチャートである。 本発明に係る熱式流量センサの実施の形態1における他の例を示す平面図である。 図7に示した流量センサのセンサ駆動回路である。 図7に示した流量センサのセンサ駆動回路である。 本発明の実施の形態2における回路定数の調整手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における回路定数の他の調整手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における温度特性調整方法を示す図である。 本発明の実施の形態4おけるセンサ駆動回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態5における温度特性調整方法を示す図である。 本発明の実施の形態5における温度特性調整方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5における温度特性調整方法を示す別の図である。
符号の説明
1 発熱抵抗体、2 流体温度検出抵抗体、3 第1のダイヤフラム、
4 第2のダイヤフラム、5 シリコン基板、6,7絶縁膜、8,9 調整抵抗、
10 固定抵抗、11,12 ブリッジ回路の中間点、13 オペアンプ、
14 オペアンプ出力、15 流量センサ出力、16 高温時の流量換算誤差、
17 低温時の流量換算誤差、18 基準温時のR9とVoutの関係、
19 高温時のR9とVoutの関係、20 調整用ASIC、21 温度センサ、
22 出力抵抗。

Claims (5)

  1. 流体中に配置された発熱抵抗体と、流体中に配置された上記流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体と、固定抵抗と、1つ以上の可変抵抗からなる調整抵抗とで構成したブリッジ回路、並びに上記ブリッジ回路の検出出力を上記ブリッジ回路に帰還するオペアンプを備えた熱式流量センサにおける上記ブリッジ回路の検出出力の流体温度による誤差を補正する熱式流量センサの温度特性調整方法において、
    上記熱式流量センサと同一の構成のブリッジ回路及びオペアンプを備えたマスターサンプルを用い、
    上記マスターサンプルは、上記流体の温度が基準温度の時のブリッジ回路の検出出力をVB1、上記流体の温度が上記基準温度より高温または低温の時のブリッジ回路の検出出力をVH1とするとき、あらかじめ決められた所定流量においてVB1とVH1の比率(VH1/VB1)が1となるように調整されており、
    このときの上記マスターサンプルの温度特性に上記熱式流量センサの温度特性を合わせるための温度特性調整方法であって、
    上記熱式流量センサにおいて、
    上記流体の温度が上記基準温度の時の設定流量における上記ブリッジ回路の検出出力VB2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式を求め、
    上記流体の温度を上記基準温度より高温または低温として上記設定流量において上記調整抵抗の抵抗値Rを変化させて上記高温または低温時の上記ブリッジ回路の検出出力VH2を計測し、
    上記計測した検出出力VH2/VB2が上記マスターサンプルの上記設定流量におけるVH1/VB1と等しくなるように上記調整抵抗の抵抗値Rを調整することにより、
    上記ブリッジ回路の検出出力の流体温度による誤差を補正することを特徴とする熱式流量センサの温度特性調整方法。
  2. 上記設定流量を、上記所定流量とすることを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサの温度特性調整方法。
  3. 上記設定流量を、流量=0とすることを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサの温度特性調整方法。
  4. 上記調整抵抗を、デジタル的に抵抗を調整できる素子で構成することを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサの温度特性調整方法。
  5. 上記熱式流量センサにおいて、
    上記流体の温度を上記基準温度とした時の上記ブリッジ回路の検出出力VB2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式を求め、
    上記流体の温度を上記基準温度より高温または低温とした時の上記ブリッジ回路の検出出力VH2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式を求め、
    上記ブリッジ回路の検出出力VB2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式と上記ブリッジ回路の検出出力VH2と上記調整抵抗の抵抗値Rとの関係式との交点の抵抗値Rを求め、上記調整抵抗の調整における初期値として上記交点の抵抗値Rを用いることを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサの温度特性調整方法。
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