以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下の実施形態は、上位概念として開示される本発明の下位概念にすぎない。すなわち、以下の実施形態は、特許請求の範囲によって確定される本願発明の技術的範囲に含まれるほんの一部の実施形態にすぎないのである。従って、本願の明細書又は図面に開示された上位概念たる発明であって、特許請求の範囲に記載された発明と技術思想が共通すれば、たとえ本願明細書又は図面に直接的に記載されていない実施形態であっても本願発明の技術的範囲に包含される。
なお、以下の実施形態に記載する下位概念の発明について、そのすべてが特許請求の範囲に記載されているとは限らない。ただし、これは特許発明の技術的範囲から意識的に除外したのではなく、特許発明と均等の関係にあるため特許請求の範囲には記載していない場合があることを理解していただきたい。
[第1の実施形態]
図1は本発明の実施形態に係るネットワーク接続環境を示す図である。100、101のMFP(Multi FunctionPeripheral)は、スキャナ、プリンタを搭載したマルチファンクション複写機である。このマルチファンクション複写機は、コピー機能、FAX送受信機能、及びコンピュータ上で作成されたデータを印刷するプリンタ機能などを備えている。
MFP100、MFP101はドメイン名xyz.co.jpというネットワークに接続され、認証サーバ102、第1のMail・POPサーバ103、PC104などの複数のコンピュータ、及び他のネットワーク機器と接続されている。
このネットワークはさらには全世界に広がるインターネット網110と接続し、さらにabc.co.jpというネットワークにも接続している。abc.co.jpというネットワークには、第2のMail・POPサーバ120、PC121、インターネットFAX122などが接続されている。
MFP100は、copy1.xyz.co.jpというHOST名と、ifax@copy1.xyz.co.jpという機器の電子メールメールアドレスが付与されている。一方、MFP101は、copy2.xyz.co.jpというHOST名とifax@copy2.xyz.co.jpという機器の電子メールアドレスが付与されている。
認証サーバ102はこのドメイン内のユーザ認証を行うための認証サーバである。認証サーバ102は、このドメイン内で有効なユーザ名、パスワードを記憶している。例えば、クライアントPC104の電源が立ち上げられると、クライアントPC104はユーザ名、パスワードの入力をユーザに要求する。クライアントPC104は、ユーザ名、パスワードが入力されると、認証サーバ102に対してユーザ名、パスワードが一致しているかどうか問い合わせる。認証サーバ102は、この問い合わせに応じ、入力されたユーザ名、パスワードがユーザデータベースに登録されているか否かを判定する。登録されていれば、PC104に対して認証完了を通知する。PC104は、認証完了通知を受信しことを確認すると、使用できる状態となる。なお、この認証処理は、MFPを使用する際にも実行される。
PC104には汎用電子メールソフトがインストールされている。ここでは、syain1@xyz.co.jpというメールアドレスが付与されているものとする。
Mail・POPサーバ103及び120は、MailサーバとPOPサーバの双方の機能を備えたサーバである。
PC104からpcmail@abc.co.jp宛に電子メールを送信する場合、PC104で作成された電子メールデータはMailサーバ103にSMTP(Simple Mail TransferProtocol)プロトコルを用いて送信される。Mailサーバ103は、この電子メールデータを宛先情報に従い、Mailサーバ120へ向けて送信する。
PC121にも汎用電子メールソフトがインストールされている。PC121上で起動された汎用電子メールソフトは、POP3(Post OfficeProtocol−Version 3)プロトコルを用いてメールが届いているかチェックする。メールが届いている場合はメールデータを受信する。
PC121のpcmail@abc.co.jpからPC104のsyain1@xyz.co.jpにメールを送信する場合は、逆のルートをたどる。すなわち、PC121で作成されたデータはMailサーバ120を経由し、Mailサーバ103に送られる。PC104は、届けられた電子メールデータを、POP3プロトコルを使用して受信する。
MFP100、MFP101にはIFAX受信機能により受信された画像、スキャナで読み取られた白黒画像又はカラー画像を他の通信機器に送信することができる。画像データの送信に関しては複数のモードが存在する。例えば、一般の電子メールアドレスを宛先として送ることを前提としたEmail送信モードと、IFAX規格に従った装置に送信することを前提としたIFAX送信モードなどある。なお、いずれのモードでも送信/受信にはSMTP、POP3が使われ、上記説明した送信/受信と同様の動作を行う。
Email送信モードでは、JPEG(Joint PhotographicExpertsGroup)ファイルフォーマットの画像データが作成され、電子メールに添付されて送信される。例えば、syain1@xyz.co.jpのクライアントPCにカラー画像付きの電子メールが送信された場合には、PC104の汎用電子メールソフトがこの電子メールを受信し、汎用画像ビューアでJPEG画像を表示することができる。なお、本発明はJPEGに限定されることはなく、他のフォーマットが用いられてもよい。
一方、IFAX送信モードでは、RFC2301に従ったTIFF形式の画像データが作成され、電子メールに添付されて送信される。IFAX規格に従ったMFP100、MFP101やインターネットFAX122で画像を受信し、出力できる。
このように、カラー画像が扱える機器同士の場合、TIFF形式の画像データを送受信することになるが、汎用画像ビューアではTIFF形式の画像データをサポートしていない場合が多い。従って、この画像を誤ってsyain1@xyz.co.jpのPC104に送った場合には、TIFF形式の画像データをサポートしていない汎用画像ビューワではこの画像を表示することが出来ない。
図2はMFP100の構成例を示すブロック図である。CPU230はROM231に格納されているプログラムとRAM232のメモリを利用してシステム全体の制御を実施する制御回路である。
操作部233は、LCD表示パネルとスタートキー、テンキーなどのハードキーを含んでいる。例えば、LCD上にソフト的にボタンを表示し、当該ボタンをユーザが指でタッチしたことを検出し、ユーザオペレーションを円滑に実行するための回路が含まれてもよい。
スキャナ234は、光電変換により原稿の画像データを電気データに変換する回路である。原稿給送装置(不図示)から原稿がプラテンガラス上へ搬送されると、ランプを点灯し、スキャナユニットの移動を開始させて、原稿を露光走査する。原稿からの反射光は、ミラー、及びレンズによってCCDイメージセンサへ導かれ、そこで電気信号に変換され、A/D変換回路によってデジタルデータに変換される。原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス上の原稿は排紙される。
プリンタ部235は電気的画像データを記録紙に印刷する回路である。電気的画像データに応じたレーザ光がレーザ発光部から出力される。このレーザ光は感光ドラムに照射される。感光ドラム上にはレーザ光に応じた潜像が形成される。
感光ドラムの潜像の部分には現像器によって現像剤が付着される。レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙カセットから記録紙を給紙して転写部に搬送し、感光ドラムに付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤が転写された記録紙は、定着部に搬送され、定着部の熱と圧力により現像剤が記像紙に定着される。定着部を通過した記録紙は排出ローラによって排出される。ソータは排出された記録紙をそれぞれのビンに収納して記録紙の仕分けを行う。
画像処理回路236は、大容量の画像メモリ、画像回転回路、解像度変倍回路、MH(Modified Huffman)、MR(ModifiedREAD)、MMR(Modified Modified READ)、JBIG(Joint Bi−level Image ExpertsGroup)及びJPEGなどの符号/復号化回路などで構成され、シェーディング、トリミング又はマスキングなどの各種画像処理も実行する。
ハードディスク237は、SCSI、USBなどのI/Fで接続されている大容量記録装置である。なお、ハードディスク237に代えてMOなどの他の記録装置を搭載してもよい。
ネットワークI/F238は、ネットワークデータリンク処理を実行する回路である。例えば、10BASE−T、100BASE−Tを代表とするイーサネット(登録商標)やトークンリングなどのネットワーク回線と接続するための処理を実行する。
フォーマッタ部239は、IEEE1284準拠のパラレルインタフェース、USBなどのPC I/F回路を備え、これらのPCI/F回路あるいはネットワークI/F238で受信したパソコンからのPDL(Page DescriptionLanguage)データに基づいて画像データを作成するレンダリング回路である。この画像データは、画像処理回路236で画像処理が行われ、プリンタ235から印刷出力される。
ファクス部240は、電話回線と接続するためのNCU(Network ControlUnit)やMODEM(MOdulator/DEModulator)などの回路で構成されるファクスI/F回路である。例えば、スキャナ234により読み取られた画像データを画像処理回路236で画像処理を行い、電話回線を経由して他のFAX機器に送信する。あるいは他のFAXから送信されたデータを受信して画像処理回路236により画像処理を行ってプリンタ235で印刷する。
スキャナ234、プリンタ235、画像処理回路236、フォーマッタ部239及びファクス部240は、CPU230からのCPUバスとは別の高速ビデオバスで接続され、画像データを高速に転送できるように構成されている。
スキャナ234により読み取られた画像データを、画像処理回路236で画像処理を行い、プリンタ235で印刷することで、上述のコピー機能が実現される。
MFP100にはスキャナ234により読み取られた画像データを、画像処理回路236で画像処理を行い、ネットワークI/Fからネットワーク上に送信するSend機能や、画像処理回路236でRFC2301に従った画像データを作成し、電子メールプロトコルでデータを送受信するIFAX機能が搭載されている。
図3はMFP100が所有するネットワークプログラムの階層構造を示す図である。図からわかるように、IP(InternetProtocol)300、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User DatagramProtocol)301、アプリケーション階層のプログラム302の3階層から構成されている。
IP300はインターネットのプロトコル階層である。具体的には、IP300は、ルータなどの中継ノードと連携しながらメッセージを発信ホストから宛先ホストヘと転送するサービスを提供する。IP300は、データを送信する発信元のアドレス、データを受信する宛先のアドレスを管理し、さらにアドレス情報に従って送信元ホストから宛先ホストまでのネットワーク経路を選択して転送するルーティング処理を担当している。
TCP/UDP301は、トランスポート階層に相当する。具体的には、発信側のアプリケーションプロセスから受信側のアプリケーションプロセスへとメッセージを送り届けるサービスを提供している。TCPはコネクション型サービスを提供するプロトコルであり、通信の高度な信頼性を保証している。UDPはコネクションレス型のサービスを提供するプロトコルであり、信頼性の保証を行わない。
アプリケーション階層のプロトコル302は、複数のプロトコルが規定されている。例えば、このプロトコルには、ファイル転送サービスであるFTP(File TransferProtocol)、ネットワーク管理プロトコルであるSNMP、プリンタ印刷用のサーバプロトコルであるLPD、WWW(World WideWeb)サーバのプロトコルであるHTTPd、電子メール送受信プロトコルであるSMTP(Simple Mail TransferProtocol)、メールダウンロードプロトコルであるPOP3(Post Office Protocol−Version 3)などが存在する。
またRFC1510で規定されているKerberos認証プログラムも搭載されている。
図4は、認証サーバ102に登録されているユーザ情報とその内容を参照・編集するプログラムの編集画面を示している。また、認証サーバ102には、ユーザ情報を管理するユーザデータベースを備えている。ユーザ情報としては、例えば、ユーザ名430、パスワード431及び電子メールアドレスが含まれている。
ユーザ名430は、認証サーバ102が受け持つxyz.co.jpというドメイン・プリンシパル内に接続されたコンピュータを操作可能なユーザのユーザ名が格納されている。図3に示す例では、syain1〜syain5のユーザが登録されている。パスワード431は、各ユーザ名に対応するパスワードが登録されている。なお、容易に見えないように*****でマスク表示されている。電子メールアドレス432は、登録されているユーザが使用できる電子メールアドレスが登録されている。第1のユーザであるsyain1の電子メールアドレスはsyain1@xyz.co.jpである。また、syain2〜5についても、同様にユーザ名と対応付けて電子メールアドレスが登録されている。
編集画面に含まれる追加キー440は、新規にユーザ登録する時に使用するキーであり、削除キー441は登録ユーザを削除するためのキーである。プロパティキー442を押すと、登録されている内容が表示され、表示された登録内容を修正することができる。
図5は、ユーザがMFP100やMFP101を使用するときの認証処理に関するフローチャートである。すなわち、MFP100やMFP101は認証処理に成功した正規のユーザだけが使用できるようになっている。
ステップS500において、MFP100、MFP101の主電源が投入されると、CPU230は、メモリ、I/Oポートの初期化などのイニシャライズ動作を実行する。このとき、システムユーザの設定において「ユーザ認証」を「する」に設定されていると、CPU230は、操作部233のLCDにログイン画面を表示する。なお、ログイン画面にはユーザ名を入力するための欄が設けられている。なお、ユーザ認証が完了するまでは、ユーザのオペレーションが介在するコピーなどの処理は、CPU230が禁止しているものとする。
ステップS501において、操作部233からユーザ名が入力されると、CPU230は、パスワードの入力画面を操作部233に表示し、入力待ちとなる。
ステップS502において、操作部233からパスワードが入力されると、CPU230は、認証処理を開始する。
ステップS503において、CPU230は、入力されたユーザ名、パスワードとともに認証要求を認証サーバ102に送信する。認証サーバ102は、認証要求を受信すると認証の対象となっているユーザ名、パスワードがユーザデータベースに登録されているものと同一であるかを判定し、認証結果を返信する。
ステップS504において、CPU230は、認証サーバ102から受信した認証結果が認証OKであるかを判定する。ユーザ認証した結果、認証OKである場合は、ステップS505に進む。認証NGであれば、ステップS501に戻る。
ステップS505において、CPU230は、ログインしたユーザの電子メールアドレスなどのユーザ情報を認証サーバ102から取得する。なお、このユーザ情報は、認証結果に含まれていてもよいし、認証OKを確認した後に、ユーザ情報を送信するよう認証サーバ102に要求してもよい。
ステップS506において、CPU230は、取得したユーザ情報をRAM232に記憶し、ログイン処理を終了する。ユーザ認証が正常終了するとコピー、SENDなどユーザオペレーションが介在する処理が実施できるようになる。
上述の説明では、ユーザ名とパスワードとを用いたユーザ認証方法を説明した。しかしながら本発明は認証方法に限定されるものではなく、例えば、指紋や眼球などによる生体認証方法を用いてもよいし、非接触又は接触型のコントロールカードを利用したユーザ認証方法を用いてもよいことは明らかであろう。
図6は、認証サーバ102への認証処理(S503)をより詳細に示した図である。認証サーバ102への認証処理は、ネットワークアプリケーション階層プログラム302のKerberosを用いて実行することができる。
S600において、クライアントであるMFP100から、KEB_AS_REQ(Kerberos認証サービスリクエスト)が認証サーバ102に送信される。ステップS601において、認証サーバ102は、KEB_AS_REP(Kerberos認証サービス返信)をMFP101に送信する。このKEB_AS_REPは、暗号化されたログオンセッションキー、クライアント認証データが含まれている。
ステップS602において、MFP101は、受信したデータに基づいて、資格情報をリクエストするためのKEB_TRG_REQ(Kerberosチケット認可サービスリクエスト)を作成し、認証サーバ102に送信する。ステップS603において、認証サーバ102は、KEB_TRG_REP(Kerberosチケット認可サービス返信)する。これには、暗号化されたクライアント認証データ含まれている。
ステップS604において、MFP101は、受信したデータに基づき、サービス利用許可を求めるためのKEB_AP_REQ(Kerberosアプリケーションリクエスト)を作成し、認証サーバ102に送信する。ステップS605において、認証サーバ102は、KEB_AP_REP(Kerberosアプリケーション返信)を返信する。MFP101は、返信されたデータが正常で、かつ、返信データ内の時刻データが同一である場合は認証OKと決定する。
なお、3つのリクエストを同一の認証サーバで行った例を用いて説明したが、ネットワークの構成などにより複数の認証サーバを使用してもよい。また、認証方式もDH(Diffie−Hellman)認証など他の認証方式を採用してもよい。
図7は、画像データを電子メールで送信する際に表示される送信設定画面の例を示した図である。読み取りサイズの設定欄700は、スキャナ234により読み込まれる原稿サイズを指定するための欄である。この欄に触れることで、設定変更画面が現れ、例えば、A3、A4、A5、B4、B5、11*17、LTR、STMTなどの用紙サイズとその向きを指定することができる。自動を選択することもできる。自動と設定されている場合は、スキャナ234に搭載されている原稿検知センサーが検知した原稿サイズに従って、原稿が読み込まれる。
解像度の欄701は、スキャナ234が画像を読み込む際の読取解像度を指定するための欄である。この欄に触れることで、設定変更画面が現れ、例えば、200*100、200*200、200*400、300*300、400*400、600*600dpiなどの値を指定することができる。現在はデフォルト値の200*200が設定されている。
詳細設定ボタン702が押されると、スキャン時の濃度設定、原稿タイプ指定、両面読み込み、ページ連写指定、画質調整など、スキャン処理のについて詳細動作を指定することができる。
宛先の欄703は、電子メールの宛先を指定することための欄であり、詳細は後述する。Subjectの欄704、電子メールに付ける件名を入力するための欄である。本文の欄705は、メール本文を入力するための欄である。これらの設定欄がタッチされると、ソフトキーボードが表示され、文字列を入力することができる。
図8は、宛先情報を管理するためのアドレス帳の例とともに宛先設定画面を示した図である。このアドレス帳には、電子メールアドレス802と、画像データの添付された電子メールを送信する際の送信モード801と、電子メールを送信するか否かを選択するための選択欄800とが含まれている。
なお、アドレス帳はハードディスク237に記憶されている、アドレス帳編集画面を呼び出すことにより編集できる。編集画面では、電子メールアドレスと送信モードとを対応付けて入力できる。なお、アドレス帳は、各MFPごとに記憶されていてもよいし、いずれかのサーバに記憶しておくことで複数のMFPが共有してもよい。
図8の宛先設定画面において、いずれかの電子メールアドレスを宛先として指定するには、当該電子メールアドレスに対応する選択欄をタッチすればよい。CPU230は、操作部233からの検知信号に基づいて、タッチされた欄を、選択されたことを表す情報に変更する。また、選択された電子メールアドレスを、電子メールのTo:フィールドに記載する。なお、送信が完了した場合には、選択欄はすべてクリアされる。
送信モード801としては、宛先が一般の電子メールアドレスであることを前提として送信するためのEmail送信モードと、IFAX機能に対応している同種の装置に送信することを前提としたIFAX送信モードのいずれかを指定することができる。なお、Email送信モードは、MFP100やMFP101とは異なり、IFAX機能に対応していない異種の装置に送信するためのモードと観念してもよい。
図8の宛先設定画面によれば、pcmail@abc.co.jpと、syain1@xyz.co.jpとは、Email送信モードに設定されている。一方、ifax@abc.co.jpは、IFAX送信モードが指定されている。
図9は、画像データを電子メールに添付して送信する際の処理例を示したフローチャートである。
ステップS900において、CPU230は、操作部233において送信開始ボタンが操作されたことを検知する。
ステップS901において、CPU230は、ハードディスク237に記憶されているアドレス帳を参照し、送信先として選択され電子メールアドレスの送信モードを読み出し、読み出された送信モードがIFAX送信モードであるかを判定する。IFAXであれば、ステップS902へ進み、そうでなければステップS905へ進む。
ステップS902において、CPU230は、機器に割り当てられている電子メールアドレスをROM231から読み出し、電子メールのFromフィールド(差出人フィールド)に設定する。
ステップS903において、CPU230は、予め認証サーバ102から取得しRAM232に記憶しておいたユーザの電子メールアドレスを読み出して、読み出された電子メールアドレスをSenderフィールド(送信者フィールド)に設定する。例えば、syain1でログインしている場合は、syain1に対応する電子メールアドレスであるsyain1@xyz.co.jpがSenderフィールドに設定されることになる。このようにしてFrom、Senderフィールドの設定が完了する。
ステップS904において、オプションの画像ヘッダの付与が指定されているときには、画像ヘッダの付与処理を実行する。この画像ヘッダ付与処理は、画像の上部などの目立たない場所に、送信者を特定するための情報などを埋め込む処理である。
ステップS905において、Email送信モードが指定されていた場合に、CPU230は、RAM232に記憶しておいたユーザの電子メールアドレスを読み出して、Fromフィールドに設定する。なお、Senderフィールドは未設定でもよいし、Fromフィールドと同一のアドレスを設定してもよい。
ステップS906において、CPU230は、MIME情報を付与して、メール本文と添付ファイルとを分け、BASE64を用いて添付ファイルを符号化し、電子メールデータを作成する。なお、バイナリーデータの添付方法はこれに限られることはなく、uuencodeやBinHexなどの他のデータ変換方法を使用してもよい。
ステップS907において、SMTPプロトコルを使用してMailサーバ103に作成された電子メールデータを送信する。
ステップS908において、CPU230は、ログイン時に指定されたユーザ名、送信宛先情報、送信日付、送信時間、送信枚数及びその結果をログファイルに書き込む。なお、ログファイルを作成することで、誰が送信したのかを容易に把握することができる。このログファイルは、送信結果を知らせるための送信結果レポートとして出力されてもよいし、送信件数が閾値を超えたときに送信管理レポートとして出力されてもよい。あるいは、操作部233からの操作に応じて随時表示できるようにしてもよい。
ステップS909において、ログファイルへの書き込みが終了すると送信動作を終了する。
図10は、IFAXモードで送信する際に実行される画像ヘッダ付与処理(S904)を説明するための図である。
この画像ヘッダは、例えば、送信日付1000、送信時間1001、送信ユーザ名1002、送信者電子メールアドレス1003、送信宛先の電子メールアドレス1004、ページ番号1005などの情報から構成することができる。
送信ユーザ名1002には、ログインしたユーザの名称(例:syain1)と同一である。よって、この画像ヘッダを参照することで、画像の受信者は、画像の送信責任者を把握することができる。
送信者電子メールアドレス1003は、電子メールのFromフィールドに記載された電子メールアドレスと同一であり、機器の電子メールアドレスが設定される。これにより、この画像ヘッダを参照することにより画像の受信者は、送信機の電子メールアドレスを容易に把握できる。そして、原稿をスキャンして、この送信機の電子メールアドレスを宛先として設定してスキャン画像を送信すれば、従来のFAXにおける操作体系を概ね維持しつつ、スキャン画像を返信できることになる。
宛先の電子メールアドレス1004は、アドレス帳から選択された電子メールアドレスとなる。
CPU230は、内蔵時計から送信日付1000と送信時間1001に関する情報を取得し、RAM232に記憶されている送信者のユーザ名1002を読み出し、ROM231に記憶されている機器の電子メールアドレス1003を読み出し、アドレス帳から宛先として選択されている電子メールアドレス1004を読み出す。CPU230は、これらの情報を画像ヘッダとして画像データに合成するだけでなく、ステップS908においてログファイルに書き込む。なお、情報の読み出し順序はどのような順序であってもよい。
以上説明した実施形態に基づいて本発明の種々の観点を説明する。本発明の第1の観点によれば、画像データを取得し電子メールに添付して通信する画像通信装置(例:MFP101など)であって、前記電子メールに添付するための画像データを取得する取得手段(例:CPU230、スキャナ234、フォーマッタ部239、ファクス部240又はネットワークI/F238など)と、前記画像通信装置と異種形態の装置(例:汎用の電子メールソフトをインストールしているPC121など)に対して前記電子メールを送信する際には、前記電子メールを送信するユーザを特定可能な第1の電子メールアドレスを送信元アドレス(例:Senderフィールド)として設定し、前記画像通信装置と同種形態の装置(例:IFAX機能を備えたインターネットFAX122など)に対して前記電子メールを送信する際には、前記第1の電子メールアドレスと、前記画像通信装置に関連する第2の電子メールアドレス(例:機器に割り当てられた電子メールアドレス)とを送信元アドレス(例:SenderフィールドとFromフィールド)として設定する電子メールアドレス設定手段(例:CPU230)と、前記取得された画像データが添付された電子メールを前記設定された送信元アドレスを用いて送信する送信手段(例:CPU230、SMTPプロトコルなど)とを含む画像通信装置が提供される。
このように、IFAX機能を備えた複数の画像通信装置間で、画像データを添付して電子メールを送受信する際には、送信者であるユーザの電子メールアドレスをSender(送信者)フィールドに記載してから電子メールを送信するため、受信者は送信者が誰であるかを特定しやすくなる。
また、本発明の第2の観点によれば、画像データを取得し電子メールに添付して通信する画像通信装置であって、前記画像通信装置と異種形態の装置に対して前記電子メールを送信する第1のモード(例:Email送信モード)と、前記画像通信装置と同種形態の装置に対して前記電子メールを送信する第2のモード(例:IFAX送信モード)と、前記電子メールに画像データを添付して送信する際に、前記第1のモード又は第2のモードのいずれで送信するかを選択する選択手段(例:CPU230、S901)と、前記第2のモードが選択された場合には、前記電子メールを送信するユーザを特定可能な第1の電子メールアドレスと、前記画像通信装置に関連する第2の電子メールアドレスとを送信元アドレスとして設定する電子メールアドレス設定手段(例:CPU230、S902及びS903など)と、前記取得された画像データが添付された電子メールを、前記設定された送信元アドレスを用いて送信する送信手段(例:CPU230、S907など)とを含む画像通信装置が提供される。
このように、MFP101などの画像通信装置が、Email送信モードとIFAX送信モードなどの複数の送信モードを有しており、しかもIFAX送信モードが選択された場合には、送信者であるユーザの電子メールアドレスをSender(送信者)フィールドに記載してから電子メールを送信するため、受信者は送信者が誰であるかを特定しやすくなる。
本発明の第3の観点によれば、前記電子メールアドレス設定手段は、前記選択手段により前記第1のモード(例:Email送信モード)が選択された場合には、前記電子メールを送信するユーザを特定可能な第1の電子メールアドレスを送信元アドレス(例:Senderフィールド)として設定するようにしてもよい。
すなわち、IFAX機能を備えたMFP101などから、一般の電子メールアドレスに対して画像データが送信されたときにも、送信者であるユーザの電子メールアドレスをSender(送信者)フィールドに記載してから電子メールを送信するため、受信者は送信者が誰であるかを特定しやすくなる。なお、機器の電子メールアドレスも送信元アドレスに記載しておいてもよい。このようにすれば、一般の電子メールアドレスを通じて画像データを受信したユーザは、機器の電子メールアドレスに基づいてIFAX機能を備えた機器から画像データが送信されたことを認識できよう。
本発明の第4の観点によれば、画像データを取得し電子メールに添付して通信する画像通信装置であって、前記画像通信装置の操作を許可されたユーザについての認証情報及び該ユーザを特定可能な電子メールアドレスを管理する認証サーバと連携して前記ユーザを認証する認証手段(例:CPU230、S501〜S504など)と、前記認証手段により認証されたユーザに対応する電子メールアドレスを前記認証サーバから取得し(例:S505)、該取得された電子メールアドレスを前記電子メールの差出人フィールド又は送信者フィールドに設定する電子メールアドレス設定手段(例:CPU230、S902又はS905)と、前記取得された画像データが添付された電子メールを、前記設定された送信元アドレスを用いて送信する送信手段(例:CPU230、S907など)とを含む画像通信装置が提供される。
このように、認証されたユーザだけが画像データを送信でき、しかも、認証されたユーザの電子メールアドレスがSenderフィールドに自動で記入されるため、上述の効果に加え、他人へのなりすましなども抑制でき、セキュリティも向上しよう。
なお、上述の第1乃至第3の観点に係る発明においても、前記ユーザが前記画像通信装置を利用する際に認証情報の入力を要求する要求手段(例:CPU230、S501及びS502など)と、前記入力された認証情報に対応する電子メールアドレスを認証サーバから受信する受信手段(例:CPU230、S505)とをさらに備え、前記電子メール設定手段は、前記認証サーバから受信した電子メールアドレスを送信元アドレスとして設定するようにしてもよい。
上記いずれかの画像通信装置は、前記ユーザを特定可能な情報と、前記画像通信装置を特定可能な情報のうち少なくとも一方を前記画像データに対して付加する付加手段(例:CPU230、S904)をさらに備え、前記送信手段は、前記ユーザを特定可能な情報と、前記画像通信装置を特定可能な情報のうち少なくとも一方が付加された画像データを前記電子メールに添付して送信するようにしてもよい。
このように、画像データ自体にもユーザの名称や機器の電子メールアドレスが付加されていれば、古典的なFAX機器と同様の使い勝手を実現できる。さらに、送信者を特定できるため、セキュリティも向上しよう。
[第2の実施形態]
また、上述の画像通信装置において、前記第2のモードが選択された場合に、送信者の電子メールアドレスを送信元アドレスに設定する構成に代えて、前記電子メールを送信するユーザを特定可能な情報(例:ユーザ名1002やユーザの電子メールアドレスなど)と、前記画像通信装置を特定可能な情報(例:機器の電子メールアドレス1003など)とのうち少なくとも一方を前記画像データに付加する付加手段(例:CPU230、S904)を備えてもよい。
この場合は、上述のステップS904が省略されることになるが、画像ヘッダには送信責任者を特定可能な情報が付加されているため、上述の目的を達成することができる。
[第3の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る電子メールに画像データを添付して送信する際の処理例を示したフローチャートである。ここでは、図5に示したユーザ認証フローにおいて、syain2というユーザ名にて認証が成功し、さらに、図7に示した送信設定が実施されているものとして説明する。
S1100において、CPU230は、操作部233に存在するスタートキー(図示せず)の押し下げを検知すると、送信処理を起動し、スキャナ234にセットされている送信原稿を読み取る。
S1101において、CPU230は、送信宛先としてIFAX宛先が設定されているかどうかを判定する。送信宛先がIFAX宛先であれば、ステップS1102に進む。一方、送信宛先がIFAX宛先ではない場合は、ステップS1104に進む。
ステップS1102において、CPU230は、電子メールのFromフィールドに、IFAX機器(MFP100)に割り当てられている電子メールアドレスを設定する。例えば、IFAX機器の電子メールアドレスとして、ifax@copy1.xyz.co.jpという電子メールアドレスが設定されている場合は、IFAX宛先に送信する場合のFromフィールドには、ifax@copy1.xyz.co.jpが設定される。
ステップS1103において、CPU230は、スキャナ234で読み取った画像に画像ヘッダ(図10)を付与する。
ステップS1104において、CPU230は、送信対象の電子メールのFromフィールドに、認証されたユーザの電子メールアドレス432を設定する。例えば、ユーザ名syain2がログインしている場合は、Email宛先に送信する場合のFromフィールドには、syain2@xyz.co.jpが設定される。
ステップS1105において、CPU230は、電子メールのメールヘッダに電子メールの送信者を示すX−Senderという拡張フィールドを追加し、その値として、ログインしているユーザの電子メールアドレス(図4に例示した電子メールアドレス432)を設定する。図4から明らかなように、syain2がログインしている場合は、X−Senderフィールドにはsyain2@xyz.co.jpが設定される。
ステップS1106において、CPU230は、電子メールのSubjectに“From ”という文字列と、ログインしているユーザのユーザ名430を設定する。例えば、syain2がログインしている場合は、Subjectに“Fromsyain2”という文字列が設定される。
ステップS1107において、CPU230は、電子メールの本文の先頭行に“Message From ”という文字列と、ユーザ名430を追加する。例えば、syain2がログインしている場合は、メール本文の先頭行には“Message Fromsyain2”という文字列が挿入されることになる。
ステップS1108において、CPU230は、電子メールに添付される送信ファイル名として、“From−”という文字列と、ユーザ名430とを適宜組み合わせて設定する。例えば、syain2がログインしている場合は、送信ファイル名として、“From−syain2.tif”という文字列が設定される。
ステップS1109において、CPU230は、上述の各設定を反映させた送信対象の電子メールデータを作成する。
ステップS1110において、CPU230は、作成した電子メールデータを、SMTPプロトコルに従って送信する。
ステップS1111において、CPU230は、上述した電子メールの各種設定などの送信管理情報をログファイルに書き込む。送信完了情報としては、例えば、ユーザ名430「syain2」、送信結果、送信開始時刻、送信時間、送信ページ数、Subject情報、送信ファイル名、送信データサイズ、送信宛先の電子メールアドレス、IFAX/Emailの送信区別の情報などがある。ログファイルは、RAM232などの記憶装置に記憶される。
また、CPU230は、操作部233から通信管理レポートの出力を指示されると、ログファイルを読み出し、プリンタ部235から印刷出力したり、操作部233に表示したりする。
また、CPU230は、ログファイルに登録されているデータをHTTPdプログラムの稼動しているWEBサーバにおいて公開するために、HTML形式のデータを作成し、WEBサーバにわたしてもよい。このようにすれば、PC104などのクライアントPCにインストールされているWEBブラウザによって、当該通信管理レポートを表示することができる。なお、HTTPdプログラムは、CPU230が実行してもよいし、外部のサーバ上で実行されていてもよい。
このようにして本実施形態は、誰が、いつ、誰宛に電子メールを送信したかを判定する際に役立つであろう。
図12は、本実施形態に係る電子メールデータの一例を示す図である。この例では、Email送信宛先として、syain1の電子メールアドレスであるsyain1@xyz.co.jpが指定されている。
図中の行番号1200から1207は、メールヘッダ部分であり、1208の空行で区切られている。1200は、電子メールの送信Dateフィールドであり、電子メール送信時の曜日、日付、時間が設定されている。1201は、電子メールの送信者情報を示すFromフィールドであり、S1104にて設定される。上述の例では、syain2がログインしているので、syain2<syain2@xyz.co.jp>というデータが設定されている。1202は、メールの表題であるSubjectフィールドであり、S1106にて設定される。上述の例ではsyain2がログインしているので、Fromsyain2というデータがセットされている。1203は、電子メールの送信宛先を表すToフィールドであり、たとえば、図8に示したアドレス帳からsyain1を選択すると、このToフィールドが作成される。1204は、Message−Idであり、電子メール固有のIDである。例えば、送信時刻と送信した機器の電子メールアドレスを設定することで、同一IDのメールは世の中に存在しないようになる。1205は、S1105で設定されたX−Senderフィールドであり、ログインしたユーザの電子メールアドレスが設定される。上述の例では、syain2がログインしているので、syain2@xyz.co.jpというデータがセットされる。1206には、MIMEのバージョン情報が設定される。
1207には、メールのデータが複数のブロックに別けられていることが示され、その区切り文字列が” AHMOALBJDADADADCDADAAAAOBHBK”であることが示されている。1209から1217までは、電子メールの1つのブロックである。1206で指定された区切り文字の先頭に“−−”が追加されているので、電子メールの1つのブロックと判断できる。1210により区切られた部分がテキストであることが示され、文字コードとしてJISコードが使われていることが示されている。1212は、S1107で追加されたメール本文の先頭行である。syain2がログインしている場合は、Message From syain2という行が追加されている。
1213から1215までは、図7の本文欄705に入力された8ビットコード(例:SJISコード)の文字列を7Bitコード(例:JISコード)に文字コード変換して生成された本文データが挿入されている。
1217から1231までは、電子メールのもう1つのブロックである。1217には、1206で指定された区切り文字の先頭に“−−”が追加されているので、もう一つのブロックの開始であることがわかる。また、1231には区切り文字の最後に“−−”が追加されているので、最後のメールパートであることがわかる。
1218は、当該ブロックが、TIFF画像ファイルで構成されていることを示している。syain2がログインしている場合は、上述のステップS1108において決定されたファイル名であるFrom−syain2.tifが設定される。
1219は、TIFF画像ファイルがBASE64デコードによって7Bitの文字コードに変換されていることを示している。1220は、From−syain2.tifというファイル名を有するファイルが、添付ファイル形式でメールに追加されていることを示している。
1222から1229までは、TIFF画像ファイルをBASE64エンコードしたデータである。BASE64エンコードでは、3Byteの8Bitデータを4Byteの6Bitデータに変換するため、変換後のデータサイズは4/3倍となる。
図13は、本実施形態に係るSMTP送信シーケンスの一例を示す図である。なお、以下のシーケンスの実行主体は、MFP100、メールサーバ103およびPC104などのCPUである。当該CPUが、ROM、RAMやハードディスクドライブに記憶されているプログラムに従って通信回路等を制御し、以下のシーケンスに沿った処理を実行することは言うまでもない。また、データの作成、受信、および送信など処理においては、RAMなどの記憶装置が作業領域として利用されることはいうまでもない。
電子メールクライアントであるMFP100がメールサーバ103に接続(1300)をすると、メールサーバ103はSMTPセッションの初期化処理を実行する。初期化処理が終了すると、メールサーバ103は、”220”の応答コードから始まる接続応答メッセージ(1301)を返信する。
MFP100がEHLOコマンド(1302)を送信すると、メールサーバ103は、MFP100からコマンドを受け取ったことを、”250”の応答コード(1303)により通知する。この際に、メールサーバ103が所有しているSMTP拡張コマンドを含めて返信してもよい。
1304は、メールサーバ103がDSN(Delivery StatusNotifications)サービスをサポートしていることを示すコマンドである。1305は、メールサーバがSMTPAUTHをサポートし、認証アルゴリズムとしてCRAM−MD5に対応していることを示すコマンドである。
1306は、SMTPプロトコル上のMAILコマンドであり、このコマンドでMFP100の電子メールアドレス(ifax@copy1.xyz.co.jp)を指定する。
SMTPを用いて電子メールがバケツリレー式に配信される際に、その途中で電子メールの配信がエラーとなった場合は、このアドレスに対してエラーメールが通知される。エラーメールの送信は、IETF(Internet Engineering TaskForce)が策定したRFC821を利用して実行することができる。例えば、電子メールデータのFromフィールドにIFAX宛先が設定された場合は、機器(例:MFP100)のメールアドレス(ifax@copy1.xyz.co.jp)をMAILコマンドのアドレスにセットして送信する。一方、Email宛先に電子メールデータを送信する場合は、ユーザ認証の際に得られた電子メールアドレスをFromフィールドに設定したが、MAILコマンドのアドレスには、常に、機器(例:MFP100)のメールアドレス(ifax@copy1.xyz.co.jp)を設定する。このためSMTP配信途中でエラーが発生した場合、常にエラーメールが当該機器に送られるように動作することになるため、当該機器は、エラーメールを受信し、印刷または表示できるようになる。
また、送信側の機器(例:MFP100)でエラーメールを受信することにより、当該エラーメールに基づいて、当該機器で管理されているログファイルを参照することにより、どの送信ジョブがエラーとなったのかを判断しやすくなる。
メールサーバ103は、このMAILコマンド(1306)を正常に受信すると、250から始まる応答コード(1307)を返信する。
次に、MFP100は、電子メールの受信者のメールアドレスを指定するRCPTTOコマンド(1308)を送信する。このコマンドには電子メールデータのTOフィールドに記述されているアドレス(syain1@xyz.co.jp)が設定される。メールサーバ103は、このコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた処理が終了すると、”250”から始まる応答コード(1309)を返信する。
MFP100は、送信宛先の指定が終わると、電子メールデータを送信することを知らせるDATAコマンド(1310)をメールサーバ103に送信する。メールサーバ103は、電子メールデータの受信準備が整うと、”354”から始まる応答コード(1311)を返信する。
メールサーバ103から送信許可コマンド(1311)を受信すると、MFP100は、図12で説明した電子メールデータ(1312〜1314)を送信する。MFP100は、全てのデータを送信した後で、データの終了を示す文字“.”(1315)を送信する。メールサーバ103は、メールデータを正常に受信できた場合に、”250”から始まる応答コード(1316)を返信する。
MFP100は、メールデータを送信した後、quitコマンド(1317)を送信する。メールサーバ103は、”221”から始まる応答コード(1318)を返信すると、一連のSMTP送信処理が終了する。
図14は、本実施形態に係るSMTP受信シーケンスの一例を示す図である。より具体的には、SMTPによって送信された電子メールデータがPOPサーバとしてのメールサーバ103に配信され、PC104にインストールされている電子メールアプリケーションがPOP3プロトコルに従ってこの電子メールデータを受信するシーケンスを示している。
POPクライアントであるPC104がPOPサーバ103に接続(1400)すると、POPサーバ103は、POP3セッションの初期化処理を実行する。初期化処理が終了すると、POPサーバ103は、”+OK”の応答コードから始まる接続応答メッセージ(1401)を返信する。この接続応答によりPOPサーバ103は、AUTHORIZATION状態となる。
PC104は、POPサーバ103にログインすべく、USERコマンド(1402)を用いてログインユーザ名(syain1)を送信すると、POPサーバ103は、”+OK”の返答コード(1403)を返信する。
続いてPC104は、syain1のパスワード(syain1pass)をPASSコマンド(1404)を用いて送信すると、POPサーバ103は、登録されているsyain1のパスワードと、受信したパスワード(syain1pass)とを比較する。双方が一致する場合、POPサーバ103は、”+OK”の応答コードから始まる接続応答メッセージ(1405)を返信する。この返信によりPOPサーバ103は、AUTHORIZATION状態からTRANSACTION状態に移行するため、取り扱うことができるPOP3コマンドが変化することになる。
PC104は、STATコマンド(1406)を用いて、syain1のメールボックスの状態をPOPサーバ103に問い合わせる。このコマンドを受信したPOPサーバ103は、syain1のメールボックスを調べ、メールボックス内のメール数とメールスプールサイズを調べ、”+OK”のコマンドに続いてsyain1のメールボックス内のメール数(1)とトータルメールスプールサイズ(154959)とからなるメッセージ(1407)を返信する。
PC104は、メッセージ(1407)により、メールボックス内に1つのメールが存在することを認識し、このメールに対してユニークに割り当てられた番号を取得するため、UIDLコマンド(1408)とメールボックス番号である1を通知する。
このコマンドを受信したPOPサーバ103は、”+OK”の応答メッセージ(1409)を返信するとともに、1番目のメールのユニークIDを調べ、メール番号の1の後にユニークIDを付加してなるメッセージ(1410)を返信し、続いて、リストの終了を示す“.”(ドット)データ(1411)を返信する。このユニークIDは、メール毎にユニークであることが保証されているので、同じ番号が割り振られたメールは存在しない。
PC104は、取得したユニークIDに基づいて、この1番目のメールが既に受信済みであるかを調べる。受信済みではない場合、RETRコマンド(1412)を用い、1番目のメールを指定して、メールボックス内の1番目のメールデータを送信するようPOPサーバ103に依頼する。
POPサーバ103は、”+OK”から始まるメッセージ(1413)を返信し、続いて、メールボックス内の1番目のメールデータ(1414から1416)を送信する。全てのメールデータの送信が終了すると、メールデータの終了を示す“.”(ドット)からなる応答コード(1417)を返信する。
PC104は、メールデータを取得した後で、DELEコマンド(1418)を用いて、syain1のメールボックスに存在する1番目のメールを削除するようにPOPサーバ103に命令する。POPサーバ103は、1番目のメールに削除フラグを立て、+OKから始まるメッセージ(1419)を返信する。
PC104は、全ての処理が終了したのでPOPサーバ103に対してQUITコマンド(1420)を送信する。POPサーバ103は、削除フラグが立っている1番目のメールを削除し、”+OK”から始まるメッセージ(1421)を返信することで、全てのPOP3受信処理が終了する。
図15は、本実施形態に係るメールデータ(図14の1414から1416)の一例を示す図である。図12において説明済みの個所には同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。図12に示した電子メールデータは、MFP100から送信された後、途中のメールサーバ103を経由する際に、1500、1501および1502のデータが追加される。1500および1501は、Receivedヘッダである。これらは、メールサーバ103がメールデータを受信した際に、当該メールサーバ103に設定されているHOST名などの経路情報と、受信した曜日、日付および時刻などのタイムスタンプデータなどからなる。
また、送信宛先は、メールサーバ103内のsyain1というメールボックスであるから、メールサーバ103は、SMTPによる最終目的地となる。そこで、メールサーバ103は、Return−Pathヘッダのデータ(1502)を電子メールデータに追加する。また、Return−Pathヘッダの追加については、IETFが策定したRFC2821において義務付けられている。
1502のReturn−Pathヘッダのデータには、図13を用いて説明したSMTPプロトコルのMAILコマンド(1306)に付随して受信された電子メールアドレスがそのまま代入される。この電子メールアドレスは、元々は、メール差出情報の一種であるFROMフィールドに記述されていたものである。
POP3などのSMTPプロトコル以外でこのメールデータを受信した際に、PC104がエラーを(例えば、受信側の装置で扱えない画像データであった等)検出すると、Return−Pathヘッダに記述されているメールアドレス(上述の例では送信側機器のアドレス)に対して、エラーが発生したことを通知する。受信側の装置で扱えない画像データか否かは、例えば、PC104のCPUは、取り扱い可能な画像データの拡張子(.tifや.jpgなど)についてリストやテーブルなどを作成して記憶装置に記憶しておく。そして、当該CPUは、受信した画像データの拡張子が当該リスト等に含まれているかどうかを検索し、検索により見つかれば取り扱い可能と判定でき、見つからなければ取り扱い不可能と判定できよう。
このようにエラーが発生した場合は、送信機であるMFP100のメールアドレス(ifax@copy1.xyz.co.jp)にエラーが通知されることになり、MFP100は、当該エラーメールを受信して、プリンタ部235から印刷したり、あるいは操作部233から表示したりすることができる。
また、MFP100は、送信/受信についてログファイルを作成しているので、受信したエラーメールに基づいて、このログファイルを参照することにより、どの送信ジョブがエラーとなったのかを、プリンタ部235から印刷したり、あるいは操作部233から表示したりすることができる。
[他の実施形態]
以上、様々な実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。例えば、プリンタ、スキャナ、PC及びインターネットワークファクシミリを実現するためのプログラムによって上述のMFPを実現してもよい。また、上述の実施形態では、ネットワーク上に認証サーバ102を設置し、複数のPC、MFPから認証する例を説明したが、もちろんMFPの内部に認証サーバの機能を搭載しても同様の効果が得られることはいうまでもない。このように複数の機器を単一の機器に統合して提供してもよいのである。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態では図5、図9および図11に示すフローチャートや、図12および図13示したシーケンスに対応するプログラム)を、システム若しくは装置に対して直接又は遠隔から供給し、そのシステム若しくは装置に含まれるコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。