JP4654635B2 - クラスターイオン照射装置及びそれを用いた磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビームを用いた磁気ヘッドの製造方法に関するものである。
半導体装置の配線微細化や磁気記録装置の記録密度向上に伴い、半導体装置や磁気ヘッドの製造方法としてガスクラスターイオンビームが注目されるようになってきた。ガスクラスターは、気体原子または分子(以後、モノマーという)が数百〜数千個の固まりになったものである。その発生方法は、特許文献1に述べられている。イオン化されたクラスターは加速電圧により加速され、ワークに照射される。クラスターがワークに衝突すると、入射エネルギーはクラスターを構成する個々の原子に分配されるので、モノマーイオンビームに比べて高密度、低エネルギーでの照射が可能となる。
上記のようにして発生させたガスクラスターイオンビームは、従来のモノマーイオンビームとは異なった特徴を持つことが非特許文献1に示されている。例えば、従来のモノマーイオンビームをワーク表面に垂直に照射すると表面荒れが発生するのに対し、ガスクラスターイオンビームをワーク表面に垂直に照射するとラテラルスパッタ効果により凹凸面の平坦化が可能である。ガスクラスターイオンビームを用いると平均表面粗さを1nm以下まで低減することが容易である。また、ガスクラスターイオンは大きな質量を持つため、同じ加速電圧を与えてもモノマーイオンに比べ低速での照射が可能である。そのため、モノマーイオンを用いるプロセスに比べて加工損傷深さを小さくすることができる。また、クラスターを構成する原子が多重衝突することに起因する非線形効果により、高いスパッタレートが得られる。
上記ガスクラスターイオンの照射効果はクラスターサイズに大きく依存することが非特許文献2に開示されている。すなわち、ガスクラスターイオンビームがワーク表面に照射されることによって生じる加工損傷層の深さはガスクラスターイオンのエネルギーだけでなくサイズにも大きく依存する。ここで、ガスクラスターイオンのサイズとは、クラスターを構成するモノマーの数である。
ガスクラスターイオンのサイズ測定方法は、四重極質量分析器(QMS)によるものと飛行時間(TOF)法によるものがあり、非特許文献1に開示されている。QMSは、4本のロッドに高周波電圧を印加すると、前記高周波電圧の条件によって該ロッド間を通り抜けられる質量のイオンが決まることを利用して質量分析を行う方法である。
一方、TOF法は、一定のエネルギーを持ったイオンは、質量によって異なる速度を持つことから、ドリフトチューブを通り抜ける時間を測定することによって質量分析を行う方法である。QMSやTOF法による他、イオンの質量分析を行う方法として、磁場中でイオンがラーマ運動を行う際に、イオンの運動量によってラーマ半径が異なることを応用した磁場偏向型質量分析器が知られている。さらに、電場偏向型イオンエネルギー分析器とQMSを組み合わせてイオンエネルギーと質量を同時に分析できる方法が特許文献2に、また磁場偏向型質量分析器とTOF法を組み合わせてイオンエネルギーと質量を同時に分析できる方法が特許文献3に開示されている。
特開平4−354865号公報 特開平11−250854号公報 特開2002−15694号公報 I.Yamada,et al.,Mater.Sci.Eng.R.34,(2001)pp.231−295 T.Aoki,et al.,Instr.and Meth.in Phys.Res.B 202 (2003)pp.278−282
ガスクラスターイオンビームの照射による効果はガスクラスターイオンのサイズ及びエネルギーに大きく依存する。ガスクラスターイオンのサイズ分布はイオン化条件等によってある程度の制御が可能であり、エネルギーはイオンの引き出し電極に一定の加速電圧を印加することによって制御する。さらにガスクラスターイオンビーム電流を一定値に保つようにすることで、エッチレート等が一定となり、プロセス設計が可能となる。
一定の加速電圧によってエネルギーを制御されたガスクラスターイオンビームの場合、安定したプロセスを得るためには、ガスクラスターイオンのサイズを把握し、それが一定になるように制御する必要がある。サイズ分析は、エネルギーのそろったガスクラスターイオンビームの質量分析を行うことで可能となる。市販されているQMSで分析できるのは、質量数が数千程度までであるため、クラスターサイズとしては数十〜数百程度までである。一方、ガスクラスターイオンビーム中に含まれるガスクラスターイオンは、数万程度まで広く分布している。そのため、QMSを用いてクラスターサイズ分布を測定することは不可能である。磁気偏向型質量分析器を用いると、原理的にはサイズ分布を測定することができるが、強磁界が必要であり、分析器が巨大になり実用的でない。上記方法に対し、TOF法は、一定のエネルギーを持つイオンが一定長のドリフトチューブ内を通過する時間を測定し、そこからイオンの質量(クラスターサイズ)を求めるものであり、クラスターサイズによらず測定することができる。
ここで注意すべきことは、ガスクラスターイオンがイオン源からワークまで輸送される間での、残留ガス分子等と衝突である。ガスクラスターイオンの場合、モノマーイオンに比べて衝突断面積が大きいため、平均自由工程は短い。例えば、サイズ1000のクラスターの衝突断面積はモノマーイオンの100倍である。従って、1×10-4Torr(1.3×10-2Pa)では、サイズ1000のガスクラスターイオンの平均自由工程は、数mm程度である。一方で、ガスクラスターイオンと同時に発生するモノマーイオンを除去するために、加速電圧やビーム径にもよるが、ガスクラスターイオンの輸送空間は短くても数十cm程度は必要となる。すなわち、ガスクラスターイオンの輸送空間の圧力が1×10-4Torrでは、サイズ1000のガスクラスターイオンは残留ガス分子と数十から100回程度の衝突をした後、ワークに照射される。
ガスクラスターイオンと残留ガス分子との衝突は、ガスクラスターイオンを残留ガス分子でスパッタリングすることとほぼ等価である。従ってガスクラスターイオンが残留ガス分子に衝突すると、クラスターを構成している原子・分子の一部がはぎ取られ、そのサイズを減じる。残留ガス分子はガスクラスターイオンに比べて運動量ははるかに小さいため、ガスクラスターイオンの運動量変化は小さい。従って、衝突によってサイズが小さくなったガスクラスターイオンは、元々持っていた速さで並進運動を続ける。すなわち、サイズが減少した分だけ、ガスクラスターイオンの持つエネルギーが小さくなる。1回の衝突で失われる原子数は10個程度であっても、衝突回数によっては、大きなエネルギーロスになる。
また、ガスクラスターイオンビーム中に含まれるモノマーイオンとの衝突も問題である。ガスクラスターイオンにモノマーイオンが衝突すると、スパッタリングによってガスクラスターイオンを構成する原子が叩き出される。モノマーイオンはガスクラスターのイオン化時に同時に発生する。モノマーイオン、ガスクラスターイオンとも同じ加速電圧で加速すると、モノマーイオンは質量がはるかに小さいため、ガスクラスターイオンに対して非常に大きな相対速度を持つ。従って、ガスクラスターイオンにモノマーイオンが衝突すると、1回の衝突で叩き出される原子数は、残留ガス分子との衝突に比べて大きく、失うエネルギーも大きくなる。
また、上記モノマーイオンが電荷を持たない原子・分子やクラスターと電荷交換することによって生じた高速中性粒子と衝突する場合も、モノマーイオンとの衝突と同様に、失うエネルギーは大きい。
従って、実際のガスクラスターイオンビーム中には、ビーム発生時点で持っているクラスターサイズ分布に加えて、上記のようにエネルギーを失い、サイズも小さくなったガスクラスターイオンが含まれる。そのため、プロセス設計を行うためには、ガスクラスターイオンのサイズ分布だけではなく、エネルギー分布も同時に測定し、加工に適したガスクラスターイオンビームとなるように調整し、維持する必要がある。一般には、イオンの質量及びエネルギー分布を同時に測定するには、質量分析器とエネルギー分析器を組み合わせることで可能になる。しかしながら、開示技術で用いられている方法はQMSや磁場偏向型質量分析器を用いているため、これらの方法ではクラスターイオンのサイズ及びエネルギー分布を同時に測定することは困難である。また、従来のTOF法は、一定のエネルギーを持つイオンがドリフトチューブを通過する時間を測定して、クラスターサイズを求めるため、様々なサイズとエネルギーを持ったイオンビームには適用できない。
上記のように、衝突により発生したサイズの小さい低エネルギーガスクラスターイオンは、元のガスクラスターイオンと比べて加工能力が小さい。このようなイオンのビーム中に占める割合が、装置状態等によって変動する場合には所望の加工ができないため、歩留り低下の原因となる。従って、加工能力を持つ大クラスターのサイズ分布と量を測定し、管理することが、安定したガスクラスターイオンビーム加工プロセスを構築する上で必須である。
上記課題を解決するために、本発明では、ドリフトチューブとその流出端に備えられた電流計測手段と、その流入端に備えられて該ドリフトチューブに流入する電流をパルス化するための手段とから構成されるクラスターサイズ計測装置の電流流入側前面にリターディング電圧の印加手段を備え、低エネルギーでワーク表面に照射されるモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンを排除してTOF測定を行う方法を提供する。
具体的には、イオンビームを飛行させるためのドリフトチューブと、ドリフトチューブのイオンビーム流出端の側に配置したファラデーカップを介してイオンビーム電流を計測するための電流計測手段と、ドリフトチューブのイオンビーム流入端の側にはイオンビームにリターディング電圧を印加するための電圧印加手段と、電圧印加手段を通過したイオンビームをパルス化するためのパルス変換手段とが配置されている。
そして、前記イオンビームがこのパルス変換手段を通過できる時間はイオンがドリフトチューブを通過する時間の10分の1以下となるように設定されている。
一方、電圧印加手段はイオンビームを通過させるためのオリフィスを有する接地電極を備え、このオリフィスの径が1cm以下なるようにし、また、電圧印加手段は接地電極と接地電極に挟まれたリターディンググリッドを備えており、リターディング電圧を印加できるようにした。
そしてまた、本発明では、イオンビームを飛行させるためのドリフトチューブと、ドリフトチューブのイオンビーム流出端及び流入端の側に各々イオンビーム電流を計測するための電流計測手段及びイオンビームにリターディング電圧を印加するための電圧印加手段とを備えるようにし、該リターディング電圧に対する前記イオンビームが緩やかに減少する電圧範囲内に制御したリターディング電圧を印加して計測されるイオンビーム電流からドリフトチューブを通過するガスクラスターイオンのサイズ分布を算出する手段を備えた。
このようにすることによって、加工能力を持たない低エネルギーでワークに照射されるモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンを除いたクラスターのサイズ分布を求めることができる。
更に、任意の異なるリターディング電圧を印加して計測されるイオンビーム電流の差分を、リターディング電圧を印加しない状態から前記イオンビームの加速電圧以下の電圧範囲内で掃引して得ることにより、ドリフトチューブを通過するガスクラスターイオンのサイズ及びエネルギー分布を算出する手段を具備した。
また、上記した最適に制御されたクラスターイオンビームを磁気ヘッドの製造方法に適用した。即ち、本発明は、スライダの一面に浮上面を備えた磁気ヘッドの製造方法であって、任意のリターディング電圧を印加したイオンビームをドリフトチューブ内に飛行させて得られたイオンビーム電流値を用いてクラスターサイズ分布を計測し、所望のクラスターサイズ分布となるようにイオンビーム照射条件を調整した後、ガスクラスターイオンビームを浮上面に照射してその浮上面表面の加工を行うようにした。
一方、ガスクラスターイオン生成手段と、ガスクラスターイオン輸送手段と、ガスクラスターイオン照射手段を備えたガスクラスターイオンビームの照射装置であって、前記ガスクラスターイオンビーム照射装置を用いてエネルギーE(eV)且つ平均サイズNのガスクラスターイオンを照射するとき、該ガスクラスターイオン輸送手段の気圧(Pa)及びガスクラスターイオン輸送長(m)の積を30/N2/3/E1/2以下に制御することによっても、同じ効果を得ることができる。すなわち、上記の制御を行うことにより、モノマーイオンや残留ガス分子との衝突を抑制することができるため、加工能力を持たない低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいクラスターイオンを含まないガスクラスターイオンビームを照射できる装置を得ることができる。
さらに上記のように制御されたガスクラスターイオンビームを磁気ヘッドの製造方法に適用した。すなわち、本発明は、エネルギーE(eV)且つ平均サイズNのガスクラスターイオンを照射することによって平坦化加工を行う、スライダの一面に浮上面を備えた磁気ヘッドの製造方法であって、該ガスクラスターイオン輸送手段の気圧(Pa)及びガスクラスターイオン輸送長(m)の積を30/N2/3/E1/2以下に制御して得られたガスクラスターイオンビームを浮上面に照射してその浮上面表面の加工を行うようにした。
浮上面表面に照射されるガスクラスターイオンビームはそのエネルギー分布やサイズ分布が制御されたものであるから、従来のように表面加工に不適切なエネルギーやサイズを有するガスクラスターイオン成分の含有量が変動することを防止できるので、極めて良好な平坦度を有する表面加工がなされるという、極めて大きな効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1に本発明の第1の実施の形態を示す。本発明の測定装置は、リターディング電圧を印加するためのリターディンググリッド1、接地電極3a、3b、イオンビームをパルス化するための偏向電極4a、4b、ドリフトチューブ6、電流計測手段からなる。接地電極3a、3bにはビームを通過させるためにオリフィスを設けてある。オリフィスはリターディンググリッドからの滲み出した電界を抑制させるためのものであるので、その径は1cm以下とすることが望ましい。
図1においては、電流計測手段としてファラデーカップ7と電流の時間平均値を測定するための直流電流計8及び電流の時間変化を計測するためのオシロスコープ9が例示されているが、他の電流計測手段を排除するものではない。
図示されていない生成チャンバーで発生した中性クラスターは、イオン化チャンバーで電離した後、一定エネルギーeVaに加速される。加速された後、接地電極3aまでのビーム輸送空間は通常、無電界状態に保たれる。ビーム輸送空間でガスクラスターイオンがモノマーイオンや雰囲気ガス分子と衝突して分裂してできたモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンは、元々のガスクラスターイオンと同じ速度を持って運動するので、これらのイオンのエネルギーは元のエネルギーに比べて小さくなる。
そのため、リターディンググリッド1にリターディング電圧Vretが印加されると、左方より入射するガスクラスターイオンビームに含まれる、低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいクラスターイオンはリターディンググリッド1を通過することができない。偏向電極4aには図2に示すようなパルス電圧が印加されており、リターディンググリッド1を通過したイオンビームは、偏向電極4aが高電圧の時は軌道10aのように偏向されてファラデーカップ7に到達できないが、偏向電極4aの電圧が0Vの時は軌道10bに沿って長さLのドリフトチューブ6を通過してファラデーカップ7に到達できる。偏向電極4aに印加する電圧は、本発明の測定装置をガスクラスターイオンビーム照射装置に取り付けることを考慮して、絶縁が比較的容易な10kV以下が望ましい。
図2において、電圧が0Vとなる時間幅は測定対象とするサイズのイオンがドリフトチューブを通過する時間の10分の1以下に設定する。この時間が長いとクラスターサイズ分布の小さい側を正確に測定できなくなる。パルス電圧の周期は全てのクラスターイオンがドリフトチューブを通過する時間よりも長く設定する。
また、ドリフトチューブに流入するビーム電流をパルス化するために、偏向電極を用いずに回転する円板の一部にスリットを設けたチョッパを用いてもよい。その際のスリット幅やチョッパの回転周期は、上記のパルス電圧が0Vになる時間幅とパルス電圧の周期と同様の考え方から設定する。
次に、リターディング電圧の決定方法について以下に示す。リターディング電圧に対して、偏向電極4aを接地電位に保ちファラデーカップ7で受けたビーム電流を直流電流計8で計測した結果を図3に示す。図3の横軸は規格化された加速電圧、縦軸はリターディング電圧を印加しなかったときのビーム電流値で規格化したビーム電流である。
ガスクラスターイオンは一定エネルギーeVaに加速されているにも関わらず、リターディング電圧を印加すると急激にビーム電流は減少する。ここで減少する成分は、前述のように、ガスクラスターイオンビームの輸送中にモノマーイオンや雰囲気ガス分子との衝突の結果生じた低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンである。さらにリターディング電圧を増やしていくとビーム電流の減少は緩やかになり、最後にVa付近で急激に減少する。(図3において、Va=1)
ここで、リターディンググリッド1に印加する電圧V2は、リターディング電圧に対してビーム電流が緩やかに減少する領域にくるように設定する。このように設定することで低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいクラスターイオンを含まない、加工能力を持つ実効的なクラスターイオンビーム成分を測定することができる。
偏向電極4aに印加するパルス電圧が接地電位のときに偏向電極4a、4b間を通過したイオンがファラデーカップ7に到達して得られる電流をオシロスコープ9で測定した結果を図4に示す。101はリターディング電圧を印加しなかった場合にオシロスコープ9で計測される電流波形、102はリターディング電圧をV2とした場合の電流波形である。電流値は波形101の最大値で規格化されている。
さらにこの結果を上述のt=L(2eVa/m)の関係式に当てはめて横軸を質量mに変換して質量(クラスターサイズ)分布としたのが図5である。201はリターディング電圧を印加しなかった場合のクラスターサイズ分布、202はリターディング電圧をV2とした場合のクラスターサイズ分布である。電流値は波形201の最大値で規格化されている。波形201と202の差が加工能力を持たない、低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンの寄与分である。この測定例ではサイズ分布の最大値には変化が見られなかった。本方法によれば、加工能力を持ったガスクラスターイオンのサイズ分布を得ることができる。
図1を用いて本発明の第2の実施の形態を示す。図示されていない生成チャンバーで発生した中性クラスターは、イオン化チャンバーで電離した後、一定エネルギーeVaに加速される。加速された後、接地電極3aまでのビーム輸送空間は通常、無電界状態に保たれる。ビーム輸送空間でクラスターイオンがモノマーイオンや雰囲気ガス分子と衝突して分裂してできたモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンは、元々のガスクラスターイオンと同じ速度を持って運動するので、これらのイオンのエネルギーは元のエネルギーに比べて小さくなる。
そのため、リターディンググリッド1にリターディング電圧Vretが印加されると、左方より入射するガスクラスターイオンビームに含まれるモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンはリターディンググリッド1を通過することができない。
偏向電極4aにはパルス電圧が印加されており、リターディンググリッド1を通過したイオンビームは、偏向電極4aが高電圧の時は軌道10aのように偏向されてファラデーカップ7に到達できないが、偏向電極4aの電圧が0Vの時は軌道10bに沿って長さLのドリフトチューブ6を通過してファラデーカップ7に到達できる。
リターディング電圧をV3としたときにファラデーカップ7に到達した電流IV3(t)とリターディング電圧をV4(V4>V3)としたときにファラデーカップ7に到達した電流IV4(t)をオシロスコープ9で測定し、両者の差分IV3(t)―IV4(t)を求めたものが図6である。この図は、eV3以上eV4以下のエネルギーを持つガスクラスターイオンが、サイズ(質量)に応じて異なる速度を持つために時間差を持って到着する様子を示している。従って、図6の横軸をt=L(2eV/m)の変換式を用いてクラスターサイズ(質量)に変換することで、eV3以上eV4以下のエネルギーを持つガスクラスターイオンのサイズ分布を求めることができる。
偏向電極4aが接地電位となる時間は有限であることに起因する誤差が生じるため、V3とV4の差による速度差に起因する誤差が前記誤差に比べて十分小さければ、V=(V3+V4)/2としてもよいし、単にV=V3またはV4としてもよい。
次に、リターディング電圧をV5(V5>V4)としたときの電流IV5(t)をオシロスコープ19で測定し、IV4(t)―IV5(t)を求め、得られた波形の横軸をクラスターサイズに変換する。以下、同様にしてVret=0VからVaまでを測定する。
その結果を纏めて図7に三次元表示した。この図からも明らかのように、印加したリターディング電圧によって変化するクラスターイオンのエネルギー分布とそのサイズ分布との関係を直感的に把握することが出来る。本測定を行い、イオンビームの発生条件を調整することにより、一定のクラスターサイズ及びエネルギー分布で照射することが可能となる。
図8に本発明の第3の実施の形態を示す。本発明はガスクラスターイオンビームを磁気ヘッド32に照射することによって磁気ヘッドのイオンビーム照射領域の平坦化加工を施すための装置であって、リターディング電圧を印加するためのリターディンググリッド21、リターディンググリッドから滲み出した電界の影響を抑制するための接地電極23a、23b、イオンビームをパルス化するための偏向電極24a、24b、ドリフトチューブ26、電流計測手段からなるクラスターサイズ計測系を備えている。磁気ヘッド32は基板ホルダー31に取り付けられている。
図8においては、電流計測手段としてファラデーカップ27と電流の時間平均値を測定するための直流電流計28及び電流の時間変化を計測するためのオシロスコープ29が例示されているが、他の電流計測手段を排除するものではない。
図示されていない生成チャンバーで発生した中性クラスターは、イオン化チャンバーで電離した後、一定エネルギーeVaに加速される。加速された後、接地電極23aまでのビーム輸送空間は通常、無電界状態に保たれる。
ビーム輸送空間でガスクラスターイオンがモノマーイオンや雰囲気ガス分子と衝突して分裂してできたモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンは、元々のガスクラスターイオンと同じ速度を持って運動するので、これらのイオンのエネルギーは元のエネルギーに比べて小さくなる。そのため、リターディンググリッド21にリターディング電圧Vretが印加されると、左方より入射するガスクラスターイオンビームに含まれる、低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいクラスターイオンはリターディンググリッド21を通過することができない。
偏向電極24aにはパルス電圧が印加されており、リターディンググリッド21を通過したイオンビームは、偏向電極24aが高電圧の時は軌道30aのように偏向されてファラデーカップ27に到達できないが、偏向電極24aの電圧が0Vの時は軌道30bに沿って長さLのドリフトチューブ26を通過してファラデーカップ27に到達できる。
図8に示すように、クラスターサイズ計測系は基板ホルダー31の直後に接地電極23aがくるように配置するか、または接地電極23aからファラデーカップ27までの任意の位置の紙面に垂直な断面と基板ホルダーが同一平面になるように配置する。クラスターサイズ計測系と基板ホルダー31は、ビーム照射中またはクラスターサイズ計測中に互いに干渉する場合には、必要に応じてビームライン上から待避できるようになっている。
図8のクラスターサイズ計測系を備えたガスクラスターイオンビーム加工装置を磁気ヘッド浮上面の平坦化に適用する際は、以下(a)、(b)の計測を適宜用いて運用される。
(a)まず、リターディング電圧に対して、偏向電極24aを接地電位に保ちファラデーカップ27で受けたビーム電流を直流電流計28で計測する。その結果、ガスクラスターイオンは一定エネルギーeVaに加速されているにも関わらず、リターディング電圧を印加すると急激にビーム電流は減少する。ここで減少する成分は、前述のように、ガスクラスターイオンビームの輸送中にモノマーイオンや雰囲気ガス分子との衝突の結果生じた低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンである。
さらにリターディング電圧を増やしていくとビーム電流の減少は緩やかになり、最後にVa付近で急激に減少する。ここで得られたリターディング電圧−ビーム電流特性から、リターディンググリッド21に印加する電圧をリターディング電圧に対してビーム電流が緩やかに減少する領域にくるように設定する。
本設定によって低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンを含まない、加工能力を持つ実効的なクラスターイオンビーム成分を測定することができる。リターディング電圧を上記のように設定して、偏向電極24aにパルス電圧を印加して、偏向電極24aが接地電位の時に偏向電極24a、24b間を通過し、ファラデーカップで受けた電流の時間変化をオシロスコープで観測する。
さらにこの結果を上述のt=L(2eVa/m)の関係式に当てはめて横軸を質量mに変換して質量(クラスターサイズ)分布を得る。本方法によれば、加工能力を持ったガスクラスターイオンの定量的なサイズ分布を得ることができる。
(b)リターディング電圧をV6としたときにファラデーカップ17に到達した電流IV6(t)とリターディング電圧をV7(V7>V6)としたときにファラデーカップ27に到達した電流IV7(t)をオシロスコープ29で測定し、両者の差分IV6(t)―IV7(t)を求める。さらにt=L(2eV/m)の変換式を用いてクラスターサイズ(質量)に変換することで、eV6以上eV7以下のエネルギーを持つガスクラスターイオンのサイズ分布を求めることができる。
偏向電極24aが接地電位となる時間は有限であることに起因する誤差が生じるため、V6とV7の差によって生じる速度差に起因する誤差が前記誤差に比べて十分小さければ、V=(V6+V7)/2としてもよいし、単にV=V6またはV7としてもよい。次に、リターディング電圧をV8(V8>V7)としたときの電流IV8(t)をオシロスコープ29で測定し、IV7(t)―IV8(t)を求め、得られた波形の横軸をクラスターサイズに変換する。
以下、同様にしてVret=0VからVaまでを測定する。本方法によれば、照射しているガスクラスターイオンのエネルギーとサイズ分布を求めることができる。
本装置で磁気ヘッドにクラスターイオンビームを照射する前に前記(a)の測定を行い、加工能力を持ったクラスターサイズ分布を観測し、得られた分布が装置の標準状態の分布とずれていないか確認する。ずれがあった場合には適切な範囲にずれが収まるようにガスクラスターイオンビーム発生・輸送条件を調整する。ずれを調整後、適当なリターディング電圧を印加した時に直流電流計28で得られるビーム電流を照射時間決定に用いる。
その後、ワーク32にガスクラスターイオンビームを照射する。その際、ワークがクラスターサイズ測定系に干渉する場合にはクラスターサイズ測定系を待避させる。ガスクラスターイオンビームの照射中に、必要があれば照射を一時中断し、ガスクラスターサイズの測定を行い、クラスター発生・輸送条件を調整し、加工能力を持ったガスクラスターイオンビーム電流が変動した場合には照射時間を調整する。
加工能力を持ったガスクラスターイオン量を測定し、分布を一定に保って照射することにより、スパッタ率を安定させることができ、さらに加工損傷等も一定範囲内に抑制することができる。
上記は(a)の測定を行った例を示したが、(b)の測定を行ってもよい。また、(b)の測定は(a)の測定に比べ測定時間が長いので、例えば装置納入時のクラスターサイズを保証や、日々の装置点検に利用することができる。これらの測定を行い、クラスター発生・輸送条件を調整することで、クラスターサイズを安定させ、高歩留りでの生産が可能となる。
以上は、磁気ヘッド浮上面の平坦化加工について述べたが、これに限定されることなく、例えば磁気ディスクの平坦化加工に用いる場合にも同様の効果がある。また、ガスクラスターイオンビーム照射装置を半導体のイオン打ち込みに利用する場合は、クラスターのサイズを安定させることはイオンの打ち込み深さを安定させることにつながる。また、磁気ヘッドや半導体製造工程でエッチングを行う場合にはスパッタ率を安定させることにつながり、歩留り向上の効果がある。
図9に本発明の第4の実施の形態を示す。本発明のガスクラスターイオンビーム照射装置は、図示していないガスクラスター生成チャンバーで発生した中性クラスターを導入するためのガスクラスター流入口47、該中性クラスターをイオン化するためのイオン源38、ガスクラスターイオンを前記イオン源より引き出して加速するための加速電極系39、40と接地電極41、ガスクラスターイオンと同時に発生するモノマーイオンをビーム中から除去するためにビームと垂直方向の磁界を発生させる磁石42及び除去したモノマーイオンビームがワークに照射されることを防止するためのオリフィス45から構成されるイオン化及びイオン輸送チャンバー43と該イオン化及びイオン輸送チャンバーを排気するための図示されていない排気手段からなる。前記イオン化及びイオン輸送チャンバーを通じて、照射チャンバー46に設けられたワークホルダー36に固定されたワーク35にガスクラスターイオンビームが照射される。
図9に示す装置では、フィラメント37に電流を流し、前記フィラメントから発生する熱電子を数十から数百eVに加速してガスクラスター流入口47から流入した中性クラスターに衝突させて電離させる。さらに、イオン源38は加速電極39と等電位となるようにして、前記加速電極39に正の高電圧、加速電極40に負の高電圧を印加することでイオン源38から正イオンを引き出すことができる。尚、イオン化の方法、及びイオンの引き出し方法は、上記以外の方法であっても構わない。また、引き出すイオンの極性も正に限定するものではない。前記照射チャンバーの圧力は、前記イオン化及びイオン輸送チャンバー以下に保たれ、オリフィス45からワーク35までの距離は極力短いことが望ましい。
本発明の上記ガスクラスターイオンビーム照射装置においては、接地電極41からワーク35までの距離を意味するイオン輸送長44(L:単位m)と、図示されていない排気手段によって保たれるイオン化及びイオン輸送チャンバーの圧力(P:単位Pa)の積が、照射するガスクラスターイオンの運動エネルギーE(eV)とサイズNとの間に、P×L≦30/N2/3/E1/2Pa・mとなるように制御されている。例えば、2000がサイズ分布の中心であるArガスクラスターイオンを20keVで照射する場合には、P×L≦1.3×10-3Pa・mである。このように制御することで、加工能力を持たない低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンを含まないガスクラスターイオンビーム照射装置を得ることができる。
P×Lが30/N2/3/E1/2Pa・mを越えると、ガスクラスターイオンは輸送中に残留ガス分子と20回以上の衝突をする。残留ガス分子との衝突は、ガスクラスターイオンを残留ガス分子でスパッタリングすることと等価であり、この衝突によってガスクラスターイオンを構成している原子が失われる。例えば、ガスクラスターイオン形成時のサイズ分布の中心が2000であるArガスクラスターイオンビームを20keVで照射するとき、1回の衝突毎に10個のAr原子が失われるとすると、P×Lが1.3×10-3Pa・mを越えていると、ワーク表面ではクラスターサイズは1割以上小さくなっており、同時にエネルギーも1割以上低下してしまう。そのため、スパッタ率が低下するため、同じイオンドーズ量であっても、加工量が低下してしまい、所望の加工を行うことができない。
さらに本発明は、上記ガスクラスターイオンビーム照射装置を用いて磁気ヘッド浮上面の平坦化方法を提供する。すなわち、ガスクラスターイオンビーム照射装置において、接地電極41からワーク35までの距離を意味するイオン輸送長44(L:単位m)と、図示されていない排気手段によって保たれるイオン化及びイオン輸送チャンバーの圧力(P:単位Pa)の積が、照射するガスクラスターイオンの運動エネルギーE(eV)とサイズNとの間に、P×L≦30/N2/3/E1/2Pa・mとなるように制御された状態で、ワーク35(磁気ヘッド浮上面)にガスクラスターイオンビームを照射して、平坦化を行う。照射前に図示されていないビーム電流計測手段を用いてビーム電流を測定し、所望の表面粗さを得るのに充分なイオンドーズ量及び照射時間を算出し、照射を行う。PとLの積を上記範囲内に制御することで、加工能力を持たない低エネルギーのモノマーイオンやサイズの小さいガスクラスターイオンを含まないガスクラスターイオンビームを得ることができる。
上記では、磁気ヘッド浮上面への照射前に測定したイオンビーム電流からビーム照射時間を算出している場合について述べたが、ワークホルダー36にもビーム電流計測手段を設けて、そこから得られるイオンドーズ積算値から照射時間を算出しても良い。このようにすることによって、上記ガスクラスターイオン中にビーム電流値の変動があっても、加工量が所望値をはずれることを防止ができる。本方法により、スパッタ率を一定に保ち、加工損傷等を一定範囲内に抑制することができ、極めて平坦で加工損傷の少ない磁気ヘッド浮上面を安定して得ることができる。
以上は、磁気ヘッド浮上面の平坦化加工について述べたが、これに限定されることなく、例えば磁気ディスクの平坦加工に用いる場合にも同様の効果がある。また、ガスクラスターイオンビーム照射装置を半導体のイオン打ち込みに利用する場合は、クラスターのサイズを安定させることはイオンの打ち込み深さを安定させることにつながる。また、磁気ヘッドや半導体製造工程のエッチング加工に用いる場合は、スパッタ率を安定させることにつながり、歩留り向上の効果がある。
尚、P×L≦1.3×10-3Pa・mという条件を達成するために、PまたはLを小さくする方法として、(a)イオン化及びイオン輸送チャンバーの排気手段の排気速度を高める方法、(b)ガスクラスター流入口からの流入量を、図示されていない流入量調整手段によって絞る方法等、Pを小さく保つ方法と、(c)強磁界を発生する磁石を用いてモノマーイオンの偏向角を大きくすることにより、磁石−オリフィス間の距離を小さくする方法、(d)オリフィス径を小さくすることにより、磁石−オリフィス間の距離を小さくする方法等、Lを小さく保つ方法が考えられる。さらに、図10に示すように、(e)接地電極41を取り付けたチャンバー隔壁411によってイオン化チャンバー48とイオン輸送チャンバー49に隔て、前記イオン輸送チャンバーを差動排気することよりPを小さくする方法も考えられる。チャンバー隔壁411を接地電極として用いることも可能である。また、ワークに照射されるガスクラスターイオンビームに含まれるモノマーイオンが、加工結果に悪影響を及ぼさない場合には、図11に示すように、(f)磁石とオリフィスを省略して、イオン化手段、イオン輸送手段、照射手段を一つのチャンバー50にすることにより、イオン輸送長L(44)を小さくすることができる。
ガスクラスターイオンビーム照射装置のワークホルダー36に、磁気ヘッド浮上面をガスクラスターイオンビームにさらすように固定する。イオン輸送長44(L:単位m)と、図示されていない排気手段によって保たれるイオン化及びイオン輸送チャンバーの圧力(P:単位Pa)の積が、照射するガスクラスターイオンの運動エネルギーE(eV)とサイズNとの間に、P×L≦30/N2/3/E1/2Pa・mの関係を満たすように各種条件を制御する。例えば、サイズ2000のArガスクラスターイオンを20keVで照射する場合には、P×L≦1.3×10-3Pa・mである。その後、図示されていないビーム電流計測手段によってビーム電流を測定する。測定されたビーム電流値から所望の照射量となるように照射時間を算出し、ガスクラスターイオンビームを照射する。このとき、ワークホルダーに電流計測手段を設けると、リアルタイムでビーム電流値をモニターすることができ、照射
本発明は、磁気ヘッド浮上面の平坦化加工方法、及び前記加工に用いるガスクラスターイオンビーム照射装置に関するものであるが、他の磁気ヘッド製造工程や半導体製造工程等における平坦化やイオンビームエッチングにも適用可能である。
クラスターイオンビームのサイズ及びエネルギーの分布を測定する装置の概略図 偏向電極に印加するパルス電圧の時間変化 リターディング電圧−ビーム電流特性 偏向電極にパルス電圧を印加したときにドリフトチューブを通過して電流計測手段によって得られたビーム電流波形 図4で得られたビーム電流波形から求められた、加工能力を持ったクラスターサイズ分布 偏向電極にパルス電圧を印加したときにドリフトチューブを通過して電流計測手段によって得られたビーム電流波形 ガスクラスターイオンビームのサイズ及びエネルギー分布 ガスクラスターイオンビームのサイズ及びエネルギー分布測定装置を備えた照射装置の概略図 ガスクラスターイオンビームのクラスターサイズ及びエネルギー分布を加工に好適な状態に保つことができる照射装置の概略図 イオン輸送チャンバーを差動排気することにより、ガスクラスターイオンビームのクラスターサイズ及びエネルギー分布を加工に好適な状態に保つことができる照射装置の概略図 ガスクラスターイオンビームに含まれるモノマーイオンが加工に悪影響を与えない程度まで少ない場合に、ガスクラスターイオンビームのクラスターサイズ及びエネルギー分布を加工に好適な状態に保つことができる照射装置の概略図
符号の説明
1、11、21…リターディンググリッド、2、22、32…リターディング電源、3、13、23…接地電極、4、14、24…偏向電極、5、15、25…パルス電源、6、16、26…ドリフトチューブ、7、17、27…ファラデーカップ、8、18、28…直流電流計、9、19、29…オシロスコープ、10、20、30、33…ガスクラスターイオンビーム軌道、31、36…ワークホルダー、32、35…ワーク、34…モノマーイオンビーム軌道、37…フィラメント、38…イオン源、39、40…加速電極、41…接地電極、42…磁石、43…イオン化及びイオン輸送チャンバー、44…イオン輸送長、45…オリフィス、46…照射チャンバー、47…ガスクラスター流入口、48…イオン化チャンバー、49…イオン輸送チャンバー、50…チャンバー、411…チャンバー隔壁

Claims (8)

  1. ガスクラスターイオンを発生させるイオン源と、
    発生し加速された前記ガスクラスターイオンにリターディング電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧印加手段を通過したガスクラスターイオンをパルス化するパルス変換手段と
    前記パルス変換されたガスクラスターイオンを飛行させるドリフトチューブと、
    該ドリフトチューブの前記ガスクラスターイオンの流出端の側に配置したファラデーカップを介して前記ガスクラスターイオンによるイオンビーム電流を計測する電流計測手段と、
    前記電流計測手段の計測結果に応じて、前記ガスクラスターイオンの発生・輸送条件を調整し、
    前記イオン源と前記電圧印加手段との間で、前記加速されたガスクラスターイオンをワークに照射することを特徴とするガスクラスターイオン照射装置。
  2. イオンビームが前記パルス変換手段を通過できる時間はイオンが前記ドリフトチューブを通過する時間の10分の1以下なることを特徴とする請求項1に記載のガスクラスターイオン照射装置。
  3. 前記電圧印加手段はイオンビームを通過させるためのオリフィスを有する接地電極を備え、前記オリフィスの径が1cm以下なることを特徴とする請求項1に記載のガスクラスターイオン照射装置。
  4. 任意の異なるリターディング電圧を印加して計測される前記イオンビーム電流の差分を、前記リターディング電圧を印加しない状態から前記イオンビームの加速電圧以下の電圧範囲内で掃引して得ることにより前記ドリフトチューブを通過するガスクラスターイオンのサイズ及びエネルギー分布を算出する手段を具備してなることを特徴とする請求項1に記載のガスクラスターイオン照射装置。
  5. エネルギーE(eV)且つ平均サイズNのガスクラスターイオンを照射するとき、該ガスクラスターイオン輸送手段の気圧(Pa)及びガスクラスターイオン輸送長(m)の積が、30/N2/3/E1/2以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスクラスターイオン照射装置。
  6. スライダの一面に浮上面を備えた磁気ヘッドの製造方法であって、
    請求項1乃至のいずれかに記載のガスクラスターイオン照射装置によって発生させたガスクラスターイオンビームを前記浮上面に照射して該浮上面表面の加工を行うことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記浮上面に照射されるガスクラスターイオンビームは、任意の異なるリターディング電圧を印加して計測されるイオンビーム電流の差分を、前記リターディング電圧を印加しない状態から前記イオンビームの加速電圧以下の電圧範囲内で掃引して得られたガスクラスターイオンのエネルギーを有してなることを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  8. ガスクラスター発生手段で発生させたガスクラスターをイオン化手段でイオン化した平均サイズNのガスクラスターイオンに運動エネルギーE(eV)を与えて、イオン輸送手段内の気圧(Pa)とイオン輸送長(m)の積が30/N2/3/E1/2以下に制御されたイオン輸送手段を用いて輸送し、イオン照射手段を用いて前記浮上面に照射して該浮上表面の加工を行うことを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの製造方法。
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