JP4653055B2 - 歯科治療用粉体噴射装置用ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、歯科分野における粉体噴射装置のノズルに関するものであり、歯牙の齲蝕部位の除去治療に使用する粉体噴出装置のノズルに関する。
研削用粉体と加圧気体の混合物を噴出する混合物噴出孔と液体を噴出する液体噴出孔を備えた粉体噴射装置のノズルは、前記混合物と前記液体を同時に噴射し、歯牙の齲蝕部位の除去治療に使用される。
粉体噴射装置のノズルは、通常、混合物噴出孔に連接する混合物管路をノズル管の内部に収容し、混合物管路とノズル管との間に液体管路を形成し、液体管路先端の液体噴出孔を混合物噴出孔の周りに同心状に形成しており、混合物噴出孔の先端形状は、円柱管が一般的である。
特開昭60−207660では、圧縮空気と研磨剤の混合流を供給する内管と、加圧水を供給する外管を供えた、歯清浄装置用のハンドピースのノズルヘッドが紹介されている。
前記ノズルヘッドは、歯面に付着した汚れを清掃する装置に使用するものであり、圧縮空気と研磨剤の混合流が歯の表面に対して均一に噴射することを重視していた。
特許第3541162号では、粉末と空気の混合物をノズルまで移送するための混合物移送路と、水をノズルまで移送するための移送路とを備え、前記混合物を前記水とともに歯牙に吹き付けることにより歯科治療を行う歯科用ハンドピースのノズルであって、該ノズルは、前記混合物と前記水とのためにそれぞれ通路と噴出孔とを各別に備え、前記混合物の通路には絞り込まれた縮径部が形成され、この縮径部から内径が扁平に拡大して混合物の噴出孔が形成された歯科用治療剤を噴射するためのノズルが紹介されている。
前述の特許は、ノズル先端の形状を扁平にすることにより、歯の隙間などに集中的に粉末と水の混合物を噴射することを可能にした歯間の清掃を目的にしたものであり、歯科治療の齲蝕部位の除去という分野においては、粉末が線状に噴出されるため不向きであった。
歯科治療における粉体と気体の混合物を噴射する装置用のハンドピースのノズルに関する特許は、多数出願されているが、本発明のような、歯の齲蝕部位の不可視領域に粉体を吹き付けることを目的とした発明は存在していない。
特開昭60−207660号 特許第3541162号
歯牙の齲蝕部位の除去治療において、歯牙の齲蝕形状によっては、歯牙表面の齲蝕面積より内部齲蝕の方が大きい場合がある、
従来のノズルは、ノズル先端形状が円柱形状であり、粉体と液体の混合物はノズル先端の円柱軸方向に噴射されるため、歯牙の表層の健全なエナメル質裏側の不可視領域にある齲蝕を取り残す問題があった。
また、粉体にエナメル質より硬い素材であるアルミナなどを使用することにより、不可視領域の齲蝕の上部にある歯牙のエナメル質を含めて齲蝕部位を取り除くことが容易となるが、健全な歯牙を切削しなくてはならないという問題や、研削材料であるアルミナがノズル先端部を削るという問題があった。
したがって、本発明の課題は、混合物の噴射方向を拡散することにより、従来の混合物を直線的に噴射するノズルでは切削が困難であった、歯牙における不可視領域の齲蝕に対して、除去を容易にする粉体噴射装置用ノズルを提供することである。
本発明は歯科治療で使用するための研削用粉体と加圧気体の混合物を供給する内管と、前記内管を覆うように液体を供給する外管を備え、前記混合物と液体を歯牙に吹き付けることにより歯牙の研削を行う粉体噴射装置のハンドピースのノズルにおいて、内管の先端部に内径を絞った細管部を有し、細管部から混合物噴出孔にかけて内管を広げた混合物拡散部を有することを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置用ノズルである。
本発明の歯科治療用粉体噴射用ノズルは、歯科治療で使用するための研削用粉体と加圧気体の混合物を供給する内管と、液体を供給する外管を備え、前記混合物と前記液体を歯牙に吹き付けることにより歯牙の研削を行う粉体噴射装置のハンドピース用のノズルヘッドにおいて、
ノズルは、該内管の先端部に内径を絞った細管部を有し、細管部から混合物噴出孔にかけて内管を広げた円錐形状の混合物拡散部を有し、前記内管を覆うように外管を設け、内管の外側と外管の内側からなる空間に液体を通すための通路を有することにより、従来の混合物を直線的に噴射するノズルでは切削が困難であった歯牙における不可視領域の齲蝕に対する除去が容易になる。
さらに詳細に説明すると、図4に記すように、齲蝕部位41には可視領域齲蝕42と不可視領域齲蝕43がある。
従来の噴出孔が円柱形状のノズルでは、図5に記すように、ノズル先端からの研削用粉体の噴出方向51はノズル先端の円柱軸方向に平行となるため、可視領域齲蝕の削除のみが容易であり、不可視領域齲蝕の除去はノズルを傾けて噴射しなければならなかった。さらに深い不可視領域齲蝕では、ノズルを傾けても除去が困難であった。
本発明の歯科治療用粉体噴射装置用ノズルは、図6に記すように、ノズル先端からの研削用粉体の噴射方向61がノズル先端の軸方向に対し角度を持ち該軸の同心状に拡散するため、ノズルを傾けることなく不可視領域齲蝕の除去が容易となった。さらに深い不可視領域齲蝕に対しても、ノズルを傾けることにより除去できる。
ノズルの先端部の内管の絞った細管部は、研削用粉体と加圧気体の混合物の通路であり、混合物の噴出速度は該通路の最小径と加圧気体の圧力および流量により決まる。
加圧気体の圧力および流量に過度の負担をかけないためには、ノズルの先端部の内管の絞った細管部の内径は、好ましくはφ0.3〜1.3mmである。さらに好ましくはφ0.5〜0.9mmである。
研削用粉体と加圧気体の混合物の詰まりをなくすため、細管部の長さは、好ましくは10mm以下である。さらに好ましくは3mm以下である。
ノズルの外径を細くすることでは操作性が向上するため、ノズル先端部の混合物噴出孔の内径は、好ましくはφ0.5〜1.5mmである。さらに好ましくはφ0.5〜1.0mmである。
ノズル先端の混合物拡散部の円錐形状の拡散角度は、好ましくは3〜50度であり、さらに好ましくは5〜30度である。
以下、本発明の実施形態を図例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の歯科治療用粉体噴射装置用ノズルの断面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿った断面図であり、図3は図1のノズルの端面図である。
このノズル1は、炭酸水素ナトリウムなどの研削用粉体と空気の混合物と液体を歯牙に吹き付けることにより歯牙の研削を行う粉体噴射装置のハンドピース用のノズルであり、ノズル1は内管3と外管2とから二重管に構成され、液体管路4と混合物管路5を有している。液体管路4は外管2の内側と内管3の外側から構成され、混合物管路5は内管3の内側である。
前述ノズル1の先端は、混合物の噴射方向を拡散するための先端部材9と該先端部材をノズル1に固定するための固定部材10から構成されている。
先端部材9は中空構造で、先端に混合物噴出孔11と内管接続部6を有し、内管接続部6は、内管3からの混合物の漏れを防ぐためのシールリング8を有し、ノズル1の内管3に接続される。
先端部材9は中空構造の一部に管を細めた部位である細管部13を持ち、内管接続部6から細管部13にかけて内径を細め、細管部13から先端の混合物噴出孔11に向けて内径が太くなり、混合物噴出孔11は円錐形状となる。
固定部材10は外管接続部7を有し、該固定部材を外管2に接続することにより、内管3に接続した先端部材9を押さえ込み、該先端部材が抜け落ちることを防ぐ。
図2は図1におけるA−A線に沿った断面図であり、先端部材9の外面に図1と図2に示したように液体管路用溝14を設け、この液体管路用溝と固定部材10の内面とからなる空間が液体の通路となる。
次にノズル1の作用について説明する。
研削用粉体と加圧気体は混合物管路5を通り先端部材9の細管部13に至り、該細管部から円錐状に形成された先端部材9の内側面に沿って流れ、混合物噴出孔11から先端部材9の軸方向に対して拡散されて放出される。また、液体は液体管路4を通って流れ、先端部材9に設けられた液体管路用溝14を通り液体噴出孔12に至り、該液体噴出孔から放出された液体は混合物噴出孔11から放出された混合物の気流により霧状になる。
混合物噴出孔11から噴出した混合物と液体噴出孔12から噴出した液体はノズル先端軸方向より同心円状に角度を持って拡散放出され、歯牙のう蝕部位の不可視領域に良好に吹き付けられ、う蝕部位の取り残しがない歯科治療が行われる。
本発明は、歯牙の齲蝕部位の削除治療に使用する歯科用粉体噴射装置のハンドピースに用いる。
歯科治療用粉体噴射装置ノズルの断面図 図1におけるA−A線に沿った断面図 図1のノズルの端面図 歯牙における齲蝕例を示す断面図 従来のノズル噴射方向と削除可能領域を示す断面図 ノズル噴射方向と削除可能領域を示す断面図
符号の説明
1 ノズル
2 外管
3 内管
4 液体管路
5 混合物管路
6 内管接続部
7 外管接続部
8 シールリング
9 先端部材
10 固定部材
11 混合物噴出孔
12 液体噴出孔
13 細管部
14 液体用管路
41 齲蝕部位
42 可視領域齲蝕
43 不可視領域齲蝕
51 噴射方向
61 噴射方向

Claims (1)

  1. 歯科治療で使用するための研削用粉体と加圧気体の混合物を供給する内管と、前記内管を覆うように液体を供給する外管を備え、前記混合物と液体を歯牙に吹き付けることにより歯牙の研削を行う粉体噴射装置のハンドピースのノズルにおいて、
    内管の先端部付近に内径を絞った細管部を有し、細管部から混合物噴出孔にかけて内管を広げた混合物拡散部を有することを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置用ノズル。
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