JP4652039B2 - 充填バルブ - Google Patents
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Description
通常、炭酸ガスを含む飲料(以下ガス入り液と呼ぶ)の場合には、容器を密閉状態にしてカウンターガスの圧力下で充填し、ガスを含まない飲料(以下ノンガス液と呼ぶ)の場合には容器を開放して大気圧下で行われる。
図8はノンガス液の充填に用いる従来の充填バルブの概略を示す側断面図である。図8において、充填バルブ1は中心部に縦長の孔を有するバルブ本体2と、この縦孔の中に遊嵌された縦長の弁棒3を上下動可能に収納しており、バルブ本体2の縦孔の内周面と弁棒3の外周面との間に上下に走る筒状の液通路4が形成されている。
バルブ本体2の上部は液供給口7及びダイアフラム9を備え、下部には若干径が大きくなった弁室の下部に下向きに狭まる凹錐面状の弁座2aを備え、その下側にノズル(液吐出口)5及び必要に応じてフィルタ6を保持している。
11は充填バルブ1を充填装置の回転円板に取付けるブラケット、12は容器13を把持して上下動する容器ホルダである。
充填バルブ1はエアシリンダ10によって弁棒3が下側に押され、液弁8が図8の2点鎖線の如く閉じた状態となっている。
図示省略の搬送装置によって充填バルブ1の真下の所定の位置に容器13が送られると、容器ホルダ12が容器13の首部を把持してノズル5の下の適宜の距離を隔てた所定の高さまで持上げる。次いでエアシリンダ10によって弁棒3が引上げられて液弁8が開き(図8の実線参照)、液供給口7から供給される液は自重によって実線で示す矢印の方向に流れ、ノズル5から自由落下して容器13の中に充填される。ノズル5を離れた液は速度を速めて縮流となって容器の底へ落下して溜まって行き、容器13内の空気を順次押出し、押出された空気は破線で示す矢印の方向に流れ、入ってくる液の外側と容器口の内周面の間を通って外部に出て行く。所定の量の液が充填されると、エアシリンダ10によって弁棒3を下降させ液弁8を閉じて充填を終了し、次いで容器ホルダ12が下降して容器13は次の工程に送られて栓をされる。
図9は従来のガス入り液の充填バルブの下部を示す側断面図である。
図9において、21は充填バルブで、充填バルブ21は、従来のノンガス液用の充填バルブ1と類似の構成であり、22はバルブ本体、23は弁棒、24は液通路、25はノズルである。充填バルブ1と異なるのはガス通路と容器13の密閉手段を備えている点である。
バルブ本体22は、下部に排ガス通路31、シール部材32を備えており、排ガス通路31の下側は液通路24の下端部に開口し、上側は2つに分岐し、一方はガッシング弁及びガッシングチャンバーを通り、他方はスニフト弁及びスニフトチャンバーを通り排気配管を経て外気に開放されている。シール部材32はベルリング33によってバルブ本体22の下面に固定されている。弁棒23は下部に弁体23aを備えていて、この弁体23aの下面のシール部23bとバルブ本体22の下端部に設けられた弁座22aとで液通路24を開閉する液弁28を形成する。弁棒23の下端にはスプレッダ34を備えており、弁棒23の中心部にはスプレッダ34を含めカウンタガス通路35が設けられている。カウンタガス通路35の上部は図示省略の開閉弁を経て貯液タンクの気層に繋がっている。スプレッダ34の下部はシール部材32の下側に突出しており下端は錐面状に下向きに広がっている。
充填バルブ21の真下に容器13が搬送されると図示省略の容器ホルダがこれを把持して持上げ、容器口の上端面を充填バルブ21の下面に設けたシール部材32に当接させて、容器13の内部を外気と遮断した密閉状態とする。スプレッダ34は容器13内に挿入された状態になる。図示せぬ開閉弁によってカウンターガス通路35を開くと同時に図示せぬガッシング弁によって排ガス通路31を開き、カウンターガス通路35を通して図示省略の貯液タンクの気層から圧力の高いカウンタガスを導き、容器13内の空気を排ガス通路31及び図示せぬガッシングチャンバを通して外気に排出して容器13内の空気をカウンターガスと置換し、次いで排ガス通路31を閉じて容器13内の圧力をカウンターガス圧と平衡させる。
図中実線の矢印、及び破線の矢印は、それぞれ液、及び空気の流れる方向を示している。
本発明は、これらの2つの問題を解決する充填バルブを提供することを目的としている。
液体充填装置の回転円板の外周部に設けられる充填バルブのバルブ本体の中心に設けた縦長の孔に、縦長で下部に弁体を備えた弁棒を上下動自在に装着し、前記バルブ本体の縦長の孔の内面と前記弁棒の外周面とで液通路を形成し、前記弁体の上部に設けた上側に狭まる凸錘面状のシール部と、前記バルブ本体の縦長の孔に設けた上側に狭まる凹錘面状の弁座によって、前記弁棒が上昇したときに閉じ、下降したときに開く液弁を形成した充填バルブにおいて、前記液通路の下端に設けた液吐出口のノズルの円形断面の中心線を途中から垂直線に対して角度βだけ前記回転円板の半径方向の外向きに傾斜させ、先端周縁を水平な面上に置いた楕円形とするとともに尖らせた形状とし、傾斜させた前記ノズルの先端を、液体が充填される容器の中央部から反らして前記容器の内側壁に向けて配置する充填バルブ。
請求項1,2に係る発明では、液体充填装置の回転円板の外周部に設けられる充填バルブから液を充填中、液の流れの方向はノズル部で鉛直方向から角度βだけ回転円板の半径方向の外向きに傾斜した方向に曲げられ、ノズルを離れた液は放物線を描いて落下し、容器の中央部から離れた位置で容器の底に衝突するか、又は底に近い容器の内側壁に鋭角で衝突した後内壁を伝わって落下して底に達するか、さらに又容器の首部の内壁に衝突して、容器の曲面を伝わって巾を広げながら底に達するか、の経路をとり、何れも泡の発生を押さえることが出来る。
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4によって説明する。
図1は本発明をノンガス液用充填装置に適用した充填バルブ41の縦断面図、図2は図1の充填ノズル部の拡大図、図3はガス入り液用充填装置に適用した充填バルブ51の縦断面図、図4は図3の充填ノズル部の拡大図である。以下、図8との差異について説明する
バルブ本体52は複数の部材で構成されており、弁室の上部はシール材によって弁座52aを形成しており、下部の液通路54の開口部はノズル59を形成している。52b及び52cはノズル59の外側に形成された互いに対向する巾の狭い半円筒状のガス通路で、両者の下端はバルブ本体52の下端面に開口し、ガス通路52bの上側はカウンタガス通路61となってカウンタガス切換弁62を経て図示省略の貯液タンクの気層部に繋がっている。ガス通路52cの上側は排気通路63となり、排気通路63は2つに分岐して、一方はガッシングガス切換弁64及びガッシングガスチャンバ65を経て外気に繋がり、他方はスニフトガス切換弁66及びスニフトガスチャンバ67を経て外気に繋がっている。11はバルブ本体52を保持するブラケットで、排気通路63はこの中を通っている。
又、バルブ本体52の下端面には、ガス通路52b及び52cの外側に容器13の上端と当接して容器13の内外を密封するためのシール部材68が設けられている。
弁棒53の下端部は径を広げて弁体53aを形成し、弁体53aの上側は下向きに広がる凸錐面状のシール部53bを形成し、下側は下向きに狭まる凸錐面を形成していて、シール部53bとバルブ本体52側の弁座52aとで弁体53aが上昇したときに閉じ、下降したとき開く液弁58を形成している。ノズル59の下端部の形状は、ノズル49と同じ形状となっている。
次に、カウンターガス切換弁62を開いて、図示省略の貯液タンクの気層部からカウンタガス通路61を通して容器13内に高圧のガスを吹込み、同時にガッシングガス切換弁64を開いて容器13内の空気を排気通路63からガッシングチャンバ65を経て外気に排出し、容器13内の空気をガスと置換する。次いでガッシング切換弁64によって排気通路63を閉じて容器13内の圧力を貯液タンクの圧力と平衡させる。
図示省略の流量計によって計測された液の充填量が所定量に達したら、液弁58を閉じて充填を止める。次にスニフトガス切換弁66を開き、容器13の上部のヘッドスペースに残ったガスを排気通路63からスニフトチャンバ67を経て外気に排出して圧力を大気圧に戻し、充填を終了する。ノズル59の下端部の形状に基づく作用、効果は前記したノズル49の場合と同様である。
(第2の実施の形態)
(第3の実施の形態)
傾斜の角度β及び傾斜に沿った傾斜部の長さについてはノズル149と同様である。なお、ノズル149、249、、159の充填バルブへの取付は、傾斜方向が充填装置の回転円板の半径方向の外向きとする。
ノズル149を出る液の流れはノズル149の下部の傾斜によって鉛直方向から適宜の角度βだけ傾斜した方向に曲げられ、ノズル149を離れた後中心部は放物線を描いて速度を速めながら縮流となって落下し、容器13の底の中央部から離れた位置で容器13の底に衝突するか、又は底に近い容器13の内側壁に鋭角で衝突した後内壁を伝わって落下して底に達するか、さらに又容器の首部の内壁に衝突して、容器13の内壁の曲面を伝わって巾を広げながら底に達するか、の何れかの経路をとり、液は容器13の底に溜まっていく。何れも容器13の底の隆起した部分に衝突することはなく、泡の発生を押さえることが出来る。容器13の首部の内壁に衝突させる場合には、容器13の上部から内壁を伝わって流れるので、スプレッダを用いた場合と類似の状態となる。
ノズル249、159の場合は、下端周縁が水平面に対して傾斜しているので、液弁を閉じたときの液切れが良く、ノズル249、159内に残る液の量を小さくし、液垂れを防止できる効果がある。
42、52 バルブ本体
42d、52a 弁座
43、53 弁棒
43a、53a 弁体
43b、53b シール部
44、54 液通路
48、58 液弁
249 ノズル
Claims (2)
- 液体充填装置の回転円板の外周部に設けられる充填バルブのバルブ本体の中心に設けた縦長の孔に、縦長で下部に弁体を備えた弁棒を上下動自在に装着し、前記バルブ本体の縦長の孔の内面と前記弁棒の外周面とで液通路を形成し、前記弁体の上部に設けた上側に狭まる凸錘面状のシール部と、前記バルブ本体の縦長の孔に設けた上側に狭まる凹錘面状の弁座によって、前記弁棒が上昇したときに閉じ、下降したときに開く液弁を形成した充填バルブにおいて、前記液通路の下端に設けた液吐出口のノズルの円形断面の中心線を途中から垂直線に対して角度βだけ前記回転円板の半径方向の外向きに傾斜させ、先端周縁を水平な面上に置いた楕円形とするとともに尖らせた形状とし、傾斜させた前記ノズルの先端を、液体が充填される容器の中央部から反らして前記容器の内側壁に向けて配置することを特徴とする充填バルブ。
- 液体充填装置の回転円板の外周部に設けられる充填バルブのバルブ本体の中心に設けた縦長の孔に、縦長で下部に弁体を備えた弁棒を上下動自在に装着し、前記バルブ本体の縦長の孔の内面と前記弁棒の外周面とで液通路を形成し、前記弁体の上部に設けた上側に狭まる凸錘面状のシール部と、前記バルブ本体の縦長の孔に設けた上側に狭まる凹錘面状の弁座によって、前記弁棒が上昇したときに閉じ、下降したときに開く液弁を形成した充填バルブにおいて、前記液通路の下端に設けた液吐出口のノズルの円形断面の中心線を途中から垂直線に対して角度βだけ前記回転円板の半径方向の外向きに傾斜させ、下端の先端を前記傾斜した中心線に直角な面上に置いた円形とするとともに尖らせた形状とし、傾斜させた前記ノズルの先端を、液体が充填される容器の中央部から反らして前記容器の内側壁に向けて配置することを特徴とする充填バルブ。
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